JPH07115351A - 遅延回路およびそれを用いた信号処理回路、ならびにこの信号処理回路を内蔵した半導体集積回路装置 - Google Patents

遅延回路およびそれを用いた信号処理回路、ならびにこの信号処理回路を内蔵した半導体集積回路装置

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JPH07115351A
JPH07115351A JP5260494A JP26049493A JPH07115351A JP H07115351 A JPH07115351 A JP H07115351A JP 5260494 A JP5260494 A JP 5260494A JP 26049493 A JP26049493 A JP 26049493A JP H07115351 A JPH07115351 A JP H07115351A
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circuit
delay
signal processing
delay circuit
voltage
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Application number
JP5260494A
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English (en)
Inventor
Kazufumi Suzukawa
一文 鈴川
Masahiko Urimori
正彦 瓜守
Yutaka Shinagawa
裕 品川
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Hitachi Microcomputer System Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Microcomputer System Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レイアウト面積が小さく、簡単な回路で構成
でき、かつ電源電圧や温度の変化、製造プロセスのばら
つきに対して遅延量を比較的安定に制御することができ
る遅延回路技術を提供する。 【構成】 MOS構造の集積回路が構成される1個の半
導体基板上に形成される遅延回路であって、MOS型ト
ランジスタを利用したNMOSトランジスタTRnと、
このNMOSトランジスタTRnと直列に接続したコン
デンサCとから構成され、入出力側にNOTゲートNO
Tin,NOTout が接続されている。この遅延回路は、
MOS構造によるNMOSトランジスタTRnとコンデ
ンサCの形成による効果を活用し、遅延時間による遅延
量の変動が影響されるパルス幅調整回路、2相クロック
発生回路、出力バッファ回路、内部バスドライバ回路お
よび電圧制御発振回路などの半導体集積回路装置の信号
処理回路に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遅延回路技術に関し、
特に半導体集積回路装置の信号処理回路に適して良好な
遅延回路およびそれを用いた信号処理回路、ならびにこ
の信号処理回路を内蔵した半導体集積回路装置に適用し
て有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の半導体集積回路装置の
信号処理回路における遅延回路については、入力信号を
所定の時間だけ遅らせて出力するために、図24に示す
ようにコンデンサcと抵抗rによるcrの時定数を用い
て構成したり、あるいはMOSトランジスタのNOTゲ
ートを複数段に接続することによるゲート遅延を利用し
ている。
【0003】たとえば、crの時定数を用いて構成する
場合には、図25のようなパルス電圧(Vin)が入力さ
れると、充放電電流(ic,id)が流れてcrの接続点に
おける電圧(Vp ) が積分波形となり、遅延時間(td)
だけ遅延されたパルス電圧(Vout ) が出力されるよう
になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記のよう
なcrの時定数を用いて構成する技術においては、コン
デンサcや抵抗rをLSIに実装する場合に、たとえば
遅延時間を大きくするために抵抗の配線長を長くする必
要があり、この配線長で形成する抵抗のレイアウト面積
などが問題となる。
【0005】一方、ゲート遅延を利用した場合には、た
とえばゲート長を大きくし、電流/電圧比を示す相互コ
ンダクタンス(gm)を下げて遅延時間を大きくするた
めに、ゲート素子の駆動能力が大きく変わり、電源電圧
や温度の変化に対して、その遅延量の変動が大きくなる
という問題がある。
【0006】さらに、このような遅延回路を用い、2相
クロック発生回路におけるノンオーバラップ量、たとえ
ば高温でノンオーバラップ時間が広くなり、すなわち、
クロックのHighgh幅が狭くなる。逆に低温ではノ
ンオーバラップ時間が狭くなることによるオン状態の重
複や、データバス切り替わり時のノイズ対策などのため
にその制御信号を遅らせる場合に、この遅延回路の遅延
量の変動が大きいことが問題となる。
【0007】そこで、本発明の目的は、このような問題
点を改善し、レイアウト面積が小さく、簡単な回路で構
成でき、かつ電源電圧や温度の変化、製造プロセスのば
らつきに対して遅延量を比較的安定に制御することがで
きる遅延回路およびそれを用いた信号処理回路、ならび
にこの信号処理回路を内蔵した半導体集積回路装置を提
供することにある。
【0008】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0010】すなわち、本発明の遅延回路は、入力信号
を所定時間だけ遅延して出力する遅延回路であって、M
OS型トランジスタを利用した可変抵抗素子と、この可
変抵抗素子と直列に接続した容量素子とからなるもので
ある。
【0011】この場合に、前記可変抵抗素子を信号側
に、容量素子を電源側に接続するようにしたものであ
る。
【0012】さらに、前記可変抵抗素子のゲートに制御
信号を入力して可変抵抗素子と容量素子とによる直列回
路を切り離すようにしたものである。
【0013】また、本発明の信号処理回路は、前記遅延
回路を用い、論理回路との組み合せによりクロックパル
ス幅を制御するパルス幅調整回路とするものである。
【0014】さらに、ノンオーバラップ量を制御する2
相クロック発生回路、バスドライバの駆動信号を制御す
るバス制御回路、またはPLL(Phase Locked Loop )
回路の自走発振を制御する電圧制御発振回路とするもの
である。
【0015】また、本発明の半導体集積回路装置は、前
記信号処理回路を内蔵し、この信号処理回路をMOS構
造の集積回路が構成される1個の半導体基板上に形成す
るものである。
【0016】
【作用】前記した遅延回路およびそれを用いた信号処理
回路、ならびにこの信号処理回路を内蔵した半導体集積
回路装置によれば、MOS型トランジスタを、ゲート−
ソース間電圧が制御できる可変抵抗素子として利用し、
これと同じMOS構造に形成できる容量素子を直列に接
続した遅延回路を構成することにより、集積回路と同じ
MOS構造による形成によってレイアウト面積を小さく
し、かつ簡単な回路で遅延回路を構成できる上に、電源
電圧や温度の変化、製造プロセスのばらつきに対しても
比較的安定した遅延量を得ることができる。
【0017】すなわち、電源電圧が高い場合はMOS型
トランジスタの抵抗を小さくし、温度が高い場合はMO
S型トランジスタの抵抗を大きくし、かつゲート寸法な
どの製造プロセス条件でトランジスタのgmが上がれば
MOS型トランジスタの抵抗を小さくするものである。
【0018】そして、この遅延回路をMOS構造の半導
体集積回路装置に形成し、たとえばCMOSドライバで
遅延回路を駆動すれば、CMOSドライバから見た遅延
回路のインピーダンスZは、Z∝1/(R+1/C)か
ら、R⇒0とするとZ⇒Cとなり、R⇒∞とすればZ⇒
0となり、MOS型トランジスタの可変抵抗によりCM
OSドライバから見た容量の影響が、上記した色々な条
件から見たCMOSドライバの遅延特性を相殺する方向
に働き、これによって安定した遅延量を得ることができ
る。
【0019】これにより、遅延回路、信号処理回路とし
てのレイアウト面積の縮小、回路構成の簡単化を図り、
さらに半導体集積回路装置に内蔵した場合に、電源電圧
や温度の変化、製造プロセスのばらつきに対する遅延量
の変動を抑制することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0021】図1は本発明の一実施例である遅延回路を
示す回路図、図2は本実施例の遅延回路を示す等価回路
図、図3はノード信号を示すタイミングチャート、図4
は温度または電源電圧に対する遅延量の依存性を示す特
性図、図5〜図23は本実施例の遅延回路を用いたパル
ス幅調整回路、2相クロック発生回路、出力バッファ回
路、内部バスドライバ回路、電圧制御発振回路における
回路図、タイミングチャート、特性図である。
【0022】まず、図1により本実施例の遅延回路の構
成を説明する。
【0023】本実施例の遅延回路は、たとえばMOS構
造の集積回路が構成される1個の半導体基板上に形成さ
れ、入力信号を所定時間だけ遅延して出力する遅延回路
とされ、MOS型トランジスタを利用したNMOSトラ
ンジスタ(可変抵抗素子)TRnと、このNMOSトラ
ンジスタTRnと直列に接続したコンデンサ(容量素
子)Cとから構成され、入力側および出力側にNOTゲ
ートNOTin,NOTout がそれぞれ接続されている。
【0024】NMOSトランジスタTRnは、そのドレ
イン端子が入力側のNOTゲートNOTinと出力側のN
OTゲートNOTout を結ぶ入出力信号側に接続され、
ソース端子がコンデンサCを介して電源側のグランドに
接続され、ゲート端子は電源電圧(Vcc)に固定され
て常にオン状態に設定されている。
【0025】以上のように構成される遅延回路は、たと
えば半導体基板上に構成される集積回路と同様のMOS
構造に形成され、NMOSトランジスタTRnがゲート
−ソース間電圧が制御できる可変抵抗として利用され、
さらにこれと同じMOS構造の容量でコンデンサCが形
成されて直列に接続され、レイアウト面積を小さくし、
かつ簡単な回路構造となっている。
【0026】次に、本実施例の作用について、始めに図
2の遅延回路の等価回路図に基づいて、そのノード信号
および温度または電源電圧に対する遅延量の依存特性を
図3および図4により説明する。
【0027】まず、図2に示すように、NMOSトラン
ジスタTRnは可変抵抗Rと考えることができ、この可
変抵抗Rによる抵抗値とコンデンサCによる容量値によ
り遅延量を決定することができる。すなわち、図3に示
すようなパルス電圧(Vin)が入力されると、接続点に
おける電圧(Vp )が積分波形となり、入力のパルス電
圧に対してCRの時定数による遅延時間(td)だけ遅延
されたパルス電圧(Vout )が出力されるようになって
いる。
【0028】ここで、遅延回路の温度(Ta)に対する
遅延時間(td)の依存性を説明すると、図4(a) に示す
ように、従来のcrの時定数を用いて構成した場合に
は、温度を高くするにつれて弯曲的に遅延時間が上昇し
ていたのに対して、本実施例においては、直線的に多少
の上昇はあるものの、従来技術に比べると温度の変化に
対する遅延時間の変動を小さくすることができる。
【0029】これは、NMOSトランジスタTRnの可
変抵抗RによりMOS構造のドライバである入力側のN
OTゲートNOTinから見た容量の影響を考える必要が
なく、電源電圧が高い場合はNMOSトランジスタTR
nによる可変抵抗Rの抵抗値を小さくし、温度が高い場
合は可変抵抗Rの抵抗値を大きくし、かつ製造プロセス
条件でトランジスタのgmが上がれば可変抵抗Rの抵抗
値を小さくすることにより、電源電圧、温度および製造
プロセス条件から見たNOTゲートNOTinの遅延特性
を相殺する方向に働かせることができるためである。
【0030】また、電源電圧(Vcc)に対する遅延時
間(td)の依存性についても、温度に対する依存性と同
様に、NMOSトランジスタTRnの可変抵抗Rにより
NOTゲートNOTinから見た容量の影響がなく、上述
の色々な条件から見たMOS構造のドライバであるNO
TゲートNOTinの遅延特性を相殺する方向に働かせる
ことができるために、図4(b) に示すように、従来のc
rの時定数を用いて構成する場合に比べて、電源電圧の
変化に対して遅延時間の変動を小さくすることができ
る。
【0031】さらに、ゲート寸法などの製造プロセス条
件でトランジスタのgmが上がればNMOSトランジス
タTRnによる可変抵抗Rの抵抗値を小さくし、この条
件から見たMOS構造のドライバであるNOTゲートN
OTinの遅延特性を相殺する方向に働かせることができ
るために、製造プロセスのばらつきに対しても遅延時間
の変動を抑えることができる。
【0032】続いて、本実施例の遅延回路を半導体集積
回路装置の信号処理回路に用いる場合を図5〜図23に
より具体的に説明する。
【0033】たとえば、本実施例の遅延回路は、パルス
幅調整回路、2相クロック発生回路、出力バッファ回
路、内部バスドライバ回路、電圧制御発振回路などに用
いられ、以下において順にその回路図およびタイミング
チャートなどにより詳細に説明する。
【0034】(1).パルス幅調整回路 図5〜図11に示すように、遅延回路を論理回路との組
み合せによりクロックパルス幅を制御する回路構成とし
たものであり、図5はPMOSトランジスタ(可変抵抗
素子)TRpとコンデンサCによる直列回路と、NMO
SトランジスタTRnとコンデンサCによる直列回路と
がNOTゲートを挟んで2段構成の遅延回路に構成さ
れ、PMOSトランジスタTRpのゲート端子はグラン
ド電圧に固定されて常にオフ状態に設定され、一方NM
OSトランジスタTRnのゲート端子は電源電圧に固定
されて常にオン状態に設定されている。
【0035】そして、図6に示すように、入力された所
定のパルス幅のパルス電圧(イ)に対して、ノード
(ロ)では所定の遅延時間だけ遅延されて反転されたパ
ルス電圧となり、ノード(ハ)においてはさらに所定の
遅延時間だけ遅延された正転のパルス電圧が得られ、こ
の正転のパルス電圧と入力のパルス電圧とがNANDゲ
ートおよびNOTゲートを介して、入力されたパルス幅
の前縁が削られたパルス電圧(ニ)が出力される。
【0036】また、図7(a) のパルス幅調整回路に用い
られる遅延回路は、NMOSトランジスタTRnとコン
デンサCによる直列回路を2段構成にしたものであり、
さらに図7(b) の遅延回路は、図7(a) のNMOSトラ
ンジスタTRnに代えて、PMOSトランジスタTRp
とコンデンサCによる直列回路を2段構成にしたもので
ある。
【0037】この図7(a) ,(b) のパルス幅調整回路
は、図5のパルス幅調整回路と同様に図6のようなノー
ド信号が得られ、入力された所定のパルス幅のパルス電
圧(イ)に対しては、所定の遅延時間だけ遅延されて反
転されたパルス電圧(ロ)がさらに所定の遅延時間だけ
遅延された正転のパルス電圧(ハ)となり、NANDゲ
ートおよびNOTゲートを介して入力されたパルス幅の
前縁が削られたパルス電圧(ニ)が出力される。
【0038】さらに、図8のパルス幅調整回路に用いら
れる遅延回路は、NMOSトランジスタTRnとコンデ
ンサCによる直列回路が2つのNOTゲートを挟んで2
段構成とされ、図9に示すように、入力された所定のパ
ルス幅のパルス電圧(イ)に対しては、所定の遅延時間
だけ遅延されて反転されたパルス電圧(ロ)がさらに所
定の遅延時間だけ遅延された反転のパルス電圧(ハ)と
なり、前記図5および図7とは逆に入力されたパルス幅
の後縁が削られたパルス電圧(ニ)が出力される。
【0039】また、図10のパルス幅調整回路に用いら
れる遅延回路は、NMOSトランジスタTRnとコンデ
ンサCによる直列回路が2つのNOTゲートを挟んで2
段構成とされ、それぞれのNMOSトランジスタTRn
のゲートに制御信号を入力して遅延回路を切り離すこと
ができるようにしたものである。
【0040】このパルス幅調整回路は、図11に示すよ
うに、NMOSトランジスタTRnのゲートに入力され
る制御信号のパルス電圧(ハ)がHighレベルのとき
には、入力されたパルス電圧(イ)のパルス幅の前縁が
削られたパルス電圧(ニ)が出力され、一方パルス電圧
(ハ)がLowレベルのときには、遅延回路が切り離さ
れて入力されたパルス幅と同じタイミングのパルス電圧
(ニ)が出力される。
【0041】(2).2相クロック発生回路 図12〜図17に示すように、遅延回路を論理回路との
組み合せによりノンオーバラップ量を制御する回路構成
としたものであり、図12は図5のPMOSトランジス
タTRpとコンデンサCによる直列回路と、NMOSト
ランジスタTRnとコンデンサCによる直列回路とによ
る2段構成のパルス幅調整回路がNOTゲートを介して
2相のクロック発生回路に構成されている。
【0042】そして、図13に示すように、入力された
所定のパルス幅のパルス電圧(イ)に対して、ノード
(ハ)におけるパルス電圧が所定の遅延時間だけ遅延さ
れてパルス電圧(ニ)として出力され、一方ノード
(ロ)において反転されたパルス電圧が所定の遅延時間
だけ遅延されてパルス電圧(ホ)として出力され、パル
ス電圧(ニ)とパルス電圧(ホ)とのHighレベルの
間に所定のノンオーバラップ時間を確保することができ
る。
【0043】また、図14の2相クロック発生回路は、
図12の2相クロック発生回路の入力段および2相の初
段のNOTゲートをNORゲートに代えて、NORゲー
トの他方の入力端子にスタンバイ信号を入力して各ノー
ドを固定できるようにしたものである。
【0044】この2相クロック発生回路は、図15に示
すように、NORゲートの一方の入力端子にパルス電圧
(イ)を入力し、他方の入力端子に入力されるスタンバ
イ信号のパルス電圧(チ)がLowレベルのときには、
パルス電圧(ニ)とパルス電圧(ホ)とのHighレベ
ルの間に所定のノンオーバラップ時間を確保することが
でき、一方スタンバイ信号がHighレベルに切り換え
られると、そのときのHighレベルまたはLowレベ
ルのパルス電圧(ハ,ニ,ロ,ト,ヘ,ホ)をNORゲ
ート以降の各ノードは保持することができる。
【0045】さらに、図16の2相クロック発生回路
は、NMOSトランジスタTRnとコンデンサCによる
直列回路と、PMOSトランジスタTRpとコンデンサ
Cによる直列回路とによる遅延回路を、2つの安定状態
を制御信号の入力によって繰り返すフリップフロップタ
イプに適用したものである。
【0046】この2相クロック発生回路は、図17に示
すように、入力された所定のパルス幅のパルス電圧
(イ)と、その反転されたパルス電圧(ロ)に対して、
それぞれ所定の遅延時間だけ遅延されたパルス電圧
(ニ,ハ)が得られ、これによって出力されるパルス電
圧(ホ)とパルス電圧(ヘ)とのHighレベルの間に
所定のノンオーバラップ時間を確保することができ、そ
のうえパルス電圧(ホ)とパルス電圧(ニ)、パルス電
圧(ヘ)とパルス電圧(ハ)の間でもノンオーバラップ
時間を確保することができる。
【0047】(3).出力バッファ回路 図18に示すように、遅延回路を論理回路との組み合せ
により出力バッファの制御信号に用いるものであり、た
とえばPMOSトランジスタTRpとNMOSトランジ
スタTRnの直列回路による2つの出力バッファの一方
が所定の遅延時間だけ遅延されて出力され、これによっ
てオン状態にするタイミングをずらしてグランドノイズ
を減らすことができる。
【0048】(4).内部バスドライバ回路 図19に示すように、遅延回路を論理回路との組み合せ
によりバスドライバの駆動信号を制御するバス制御回路
としたものであり、クロックドライバ(C.D)とデー
タバスを制御するドライバ(Dr)との間にNOTゲー
トを介し、一方のNOTゲートの出力端に遅延回路が接
続されている。
【0049】そして、図20に示すように、データバス
の32ビットの内の下位の16ビットのデータ(B)が
上位の16ビットのデータ(A)に比べて所定の遅延時
間だけ遅延されて出力され、これによってデータバスが
同時に切り替わる時のノイズ対策として制御信号を遅ら
せることができ、データ遅延を最小限に抑えて対策する
ことができる。
【0050】(5).電圧制御発振回路 図21〜23に示すように、遅延回路を論理回路との組
み合せによりPLL回路の自走発振を制御する電圧制御
発振回路(VCO:Voltage Controlled Oscillator )
としたものであり、図21のVCOは、コンデンサC、
PMOSトランジスタTRp、NMOSトランジスタT
RnおよびコンデンサCによる直列回路がNOTゲート
を挟んで複数段に接続されている。
【0051】そして、それぞれのPMOSトランジスタ
TRp、NMOSトランジスタTRnのゲートに制御信
号(VP ,VN )が入力され、入力信号とフィードバッ
ク信号との位相差を検出してVCOの発振周波数を制御
し、最終的に発振周波数を入力信号の周波数および位相
に完全に一致させることができる。
【0052】なお、図22はVCOにおける周波数
(f)の電圧依存特性を示したものであり、PMOSト
ランジスタTRpのゲートに入力する制御電圧(VP )
を上昇させることにより周波数は弯曲的に大きくなり、
一方NMOSトランジスタTRnのゲートに入力する制
御電圧(VN )を上昇させた場合には弯曲的に周波数が
小さくなる。
【0053】また、図23のVCOは、コンデンサC、
PMOSトランジスタTRp、NMOSトランジスタT
RnおよびコンデンサCによる直列回路がNOTゲート
を挟んで複数段に接続される図21の構成に加え、さら
にNOTゲートにNMOSトランジスタTRnが接続さ
れ、NMOSトランジスタTRnのゲートに入力される
制御信号(VN )をLowレベルにすることによって本
回路を停止することができ、貫通電流もゼロにすること
ができる。
【0054】以上のように、本実施例の遅延回路は、N
MOSトランジスタTRnまたはPMOSトランジスタ
TRpとコンデンサCのMOS構造での形成による効果
を活用し、遅延時間による遅延量の変動が影響されるパ
ルス幅調整回路、2相クロック発生回路、出力バッファ
回路、内部バスドライバ回路および電圧制御発振回路な
どに用いることができる。
【0055】従って、本実施例の遅延回路によれば、N
MOSトランジスタTRnまたはPMOSトランジスタ
TRpを利用した可変抵抗素子と、これと直列に接続し
たコンデンサCによる容量素子とから構成し、特に半導
体基板上に構成される集積回路と同様のMOS構造に形
成することによってレイアウト面積を小さくし、かつ簡
単な回路構成とすることができる上、電源電圧や温度の
変化、さらに製造プロセスのばらつきに対する遅延量の
変動を抑制することができる。
【0056】また、この遅延回路をパルス幅調整回路、
2相クロック発生回路などに用いることにより、ノンオ
ーバラップ時間によるノンオーバラップ量を広くしてオ
ン状態の重複をなくし、さらに出力バッファ回路、内部
バスドライバ回路などに用いることにより、データバス
の切り替わり時におけるノイズ対策を図ることができ
る。
【0057】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0058】たとえば、本実施例の遅延回路について
は、パルス幅調整回路、2相クロック発生回路、出力バ
ッファ回路、内部バスドライバ回路および電圧制御発振
回路に用いた場合について説明したが、本発明は前記実
施例に限定されるものではなく、入力信号を所定時間だ
け遅延して出力する他の回路構成においても、広く適用
可能であることはいうまでもない。
【0059】また、遅延回路の構成については、遅延量
の大きさに応じてMOS型トランジスタの可変抵抗素子
と容量素子とによる直列回路を、より複数段に構成する
ことも可能である。
【0060】以上の説明では、主として本発明者によっ
てなされた発明をその利用分野である半導体集積回路装
置の信号処理回路に用いられる遅延回路に適用した場合
について説明したが、これに限定されるものではなく、
遅延量の変動を抑制することが必要とされる他の信号処
理回路についても広く適用可能である。
【0061】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0062】すなわち、MOS型トランジスタを利用し
た可変抵抗素子と、この可変抵抗素子と直列に接続した
容量素子とから遅延回路を構成することにより、MOS
構造による形成によってレイアウト面積を小さくし、か
つ簡単な回路で遅延回路を構成できる上に、電源電圧や
温度の変化、さらに製造プロセスのばらつきに対しても
遅延量の変動を抑え、比較的安定した遅延量を得ること
が可能となる。
【0063】特に、パルス幅調整回路、2相クロック発
生回路に用いた場合には、ノンオーバラップ量を広くし
て相互のオン状態の重複を防止でき、またバス制御回路
に用いた場合には、データバスの切り替わり時における
ノイズ対策が可能となる。
【0064】この結果、遅延回路を信号処理回路に用
い、さらには半導体集積回路装置に内蔵することによ
り、レイアウト面積の縮小、回路構成の簡単化を図り、
さらに電源電圧や温度の変化、製造プロセスのばらつき
に対して、遅延量を比較的精度良く制御可能な遅延回路
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である遅延回路を示す回路図
である。
【図2】本実施例の遅延回路を示す等価回路図である。
【図3】本実施例の遅延回路におけるノード信号を示す
タイミングチャートである。
【図4】本実施例の遅延回路における温度または電源電
圧に対する遅延量の依存性を示す特性図である。
【図5】本実施例の遅延回路を用いたパルス幅調整回路
を示す回路図である。
【図6】本実施例の遅延回路を用いた図5のパルス幅調
整回路におけるノード信号を示すタイミングチャートで
ある。
【図7】本実施例の遅延回路を用いたパルス幅調整回路
を示す回路図である。
【図8】本実施例の遅延回路を用いたパルス幅調整回路
を示す回路図である。
【図9】本実施例の遅延回路を用いた図8のパルス幅調
整回路におけるノード信号を示すタイミングチャートで
ある。
【図10】本実施例の遅延回路を用いたパルス幅調整回
路を示す回路図である。
【図11】本実施例の遅延回路を用いた図10のパルス
幅調整回路におけるノード信号を示すタイミングチャー
トである。
【図12】本実施例の遅延回路を用いた2相クロック発
生回路を示す回路図である。
【図13】本実施例の遅延回路を用いた図12の2相ク
ロック発生回路におけるノード信号を示すタイミングチ
ャートである。
【図14】本実施例の遅延回路を用いた2相クロック発
生回路を示す回路図である。
【図15】本実施例の遅延回路を用いた図14の2相ク
ロック発生回路におけるノード信号を示すタイミングチ
ャートである。
【図16】本実施例の遅延回路を用いた2相クロック発
生回路を示す回路図である。
【図17】本実施例の遅延回路を用いた図16の2相ク
ロック発生回路におけるノード信号を示すタイミングチ
ャートである。
【図18】本実施例の遅延回路を用いた出力バッファ回
路を示す回路図である。
【図19】本実施例の遅延回路を用いた内部バスドライ
バ回路を示す回路図である。
【図20】本実施例の遅延回路を用いた図19の内部バ
スドライバ回路におけるノード信号を示すタイミングチ
ャートである。
【図21】本実施例の遅延回路を用いた電圧制御発振回
路を示す回路図である。
【図22】本実施例の遅延回路を用いた図21の電圧制
御発振回路における電圧に対する周波数の依存性を示す
特性図である。
【図23】本実施例の遅延回路を用いた電圧制御発振回
路を示す回路図である。
【図24】従来技術の一例である遅延回路を示す回路図
である。
【図25】従来技術の一例である遅延回路におけるノー
ド信号を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
c コンデンサ r 抵抗 C コンデンサ(容量素子) TRn NMOSトランジスタ(可変抵抗素子) TRp PMOSトランジスタ(可変抵抗素子) R 可変抵抗 NOTin,NOTout NOTゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 品川 裕 東京都小平市上水本町5丁目22番1号 株 式会社日立マイコンシステム内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を所定時間だけ遅延して出力す
    る遅延回路であって、MOS型トランジスタを利用した
    可変抵抗素子と、該可変抵抗素子と直列に接続した容量
    素子とからなることを特徴とする遅延回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の遅延回路において、前記
    可変抵抗素子を信号側に、前記容量素子を電源側に接続
    することを特徴とする遅延回路。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の遅延回路において、前記
    可変抵抗素子のゲートに制御信号を入力して前記可変抵
    抗素子と容量素子とによる直列回路を切り離すことを特
    徴とする遅延回路。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の遅延回路を
    用い、論理回路との組み合せによりクロックパルス幅を
    制御するパルス幅調整回路とすることを特徴とする信号
    処理回路。
  5. 【請求項5】 請求項1、2または3記載の遅延回路を
    用い、論理回路との組み合せによりノンオーバラップ量
    を制御する2相クロック発生回路とすることを特徴とす
    る信号処理回路。
  6. 【請求項6】 請求項1、2または3記載の遅延回路を
    用い、論理回路との組み合せによりバスドライバの駆動
    信号を制御するバス制御回路とすることを特徴とする信
    号処理回路。
  7. 【請求項7】 請求項1、2または3記載の遅延回路を
    用い、論理回路との組み合せによりPLL回路の自走発
    振を制御する電圧制御発振回路とすることを特徴とする
    信号処理回路。
  8. 【請求項8】 請求項4、5、6または7記載の信号処
    理回路を内蔵し、該信号処理回路をMOS構造の集積回
    路が構成される1個の半導体基板上に形成することを特
    徴とする半導体集積回路装置。
JP5260494A 1993-10-19 1993-10-19 遅延回路およびそれを用いた信号処理回路、ならびにこの信号処理回路を内蔵した半導体集積回路装置 Pending JPH07115351A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6654310B2 (en) 2001-09-24 2003-11-25 Hynix Semiconductor Inc. Semiconductor memory device with an adaptive output driver
KR100572651B1 (ko) * 2003-07-04 2006-04-24 가부시끼가이샤 도시바 지연 회로
JP2007509541A (ja) * 2003-10-16 2007-04-12 インテル・コーポレーション 適応型入力/出力バッファ及びその方法
KR100987426B1 (ko) * 2008-05-28 2010-10-12 동국대학교 산학협력단 전류원을 이용한 클럭 지연회로
WO2011118381A1 (ja) 2010-03-26 2011-09-29 古河電気工業株式会社 遅延制御装置
CN113890336A (zh) * 2021-12-07 2022-01-04 深圳易加油信息科技有限公司 一种调压控制电路、系统及方法

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