JP3455450B2 - トンネル掘削機の反力受部材の施工方法 - Google Patents

トンネル掘削機の反力受部材の施工方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトンネル掘削機によ
って地盤にトンネルを掘削する際に、トンネル掘削機の
推進反力を支持するための反力受部材の施工方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】トンネル掘削機によって岩質の地盤に水
平坑や斜坑を掘削する場合、トンネル掘削機の推進反力
の支持を目的として、或いは、斜坑の掘削時にはトンネ
ル掘削機の滑落防止をも目的としてトンネル掘削機後方
のトンネル掘削壁面の一部又は全周に反力受部材を固定
することが行われている。トンネル掘削壁面に対する反
力受部材の固定方法としては、従来から上記反力受部材
をロックボルトによってトンネル掘削壁面に固定すると
共に該反力受部材とトンネル掘削壁面との間の空隙にモ
ルタル等の自硬性材料からなる裏込材を注入してこの裏
込材の付着力により反力受部材をトンネル掘削壁面に強
固に固着させる手段が採用されている。
【0003】また、特開平9−119284号公報に記
載されているように、掘削すべき斜坑が掘削後において
拡幅されるパイロット坑である場合には、上記ロックボ
ルトをトンネル拡幅用掘削機によって切削可能な合成樹
脂製とすると共に、この合成樹脂製のロックボルトは剪
断力に対して弱いが引張力に対しては強いという物性に
鑑みて該ロックボルトを掘削壁面から斜め前方に向かっ
て打ち込むことによりロックボルトの引張強度によって
トンネル掘削機側からかかる荷重を支持させるように構
成している。
【0004】上記いずれの場合においてもトンネル掘削
壁面に対する反力受部材の定着は、従来からトンネル掘
削壁面に反力受部材を載置したのち、該反力受部材に設
けているロックボルト打設用貫通孔を通じてトンネル掘
削壁面の外周岩盤にロックボルト打設用挿入孔を穿設
し、次いでロックボルトを打設したのち、反力受部材と
トンネル掘削壁面との間の空隙に裏込材を注入すること
によって行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、反力受
部材とトンネル掘削壁面との間の空隙に裏込材を注入す
る前に、トンネル掘削壁面の外周岩盤にロックボルト打
設用挿入孔を穿設するものであるから、この挿入孔穿設
時の切削屑(以下、スライムという)が反力受部材とト
ンネル掘削壁面との間の空隙に浸入してトンネル掘削壁
面や反力受部材の外面に付着した状態で残存し、裏込材
を注入してもトンネル掘削壁面と反力受部材に対する付
着力が該スライムによって低下し、強固な付着力が得ら
れないという問題点があった。
【0006】また、上記のように、掘削すべき斜坑が掘
削後において拡幅されるパイロット坑である場合には、
合成樹脂製のロックボルトを壁面から斜め前方に向かっ
て打ち込むことによりトンネル掘削機側から反力受部材
にかかる荷重を該ロックボルトの引張強度によって支持
させているが、この場合、ロックボルトが反力受部材に
穿設しているロックボルト打設用貫通孔に当接するとロ
ックボルト自体に剪断力が直接作用してロックボルトが
折損する虞れがあるので、上記ロックボルト打設用貫通
孔を大径に形成してロックボルトの外周面との間にロッ
クボルトが可撓し得る空間部を設けておく必要がある。
しかし、このような空間部を設けておいても、反力受部
材とトンネル掘削壁面との間の空隙に裏込材を注入した
時に、該裏込材が上記空間部にも充填してロックボルト
に作用する剪断力を絶つことができないという問題点が
あった。
【0007】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところはトンネル掘削壁面と
反力受部材との間の空隙にロックボルト打設用挿入孔の
穿設時におけるスライムの浸入を確実に防止し得ると共
に、合成樹脂製のロックボルトをロックボルト打設用挿
入孔に斜め前方に向かって打設した場合には、該ロック
ボルトに剪断力が直接作用することのないトンネル掘削
機の反力受部材の施工方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1に係るトンネル掘削機の反力受部材
の施工方法は、ロックボルト打設用貫通孔を穿設してい
る反力受部材をトンネル掘削機後方のトンネル掘削壁面
に敷設したのち、該反力受部材とトンネル掘削壁面との
間の隙間に裏込材を充填し、この裏込材が硬化したの
ち、上記ロックボルト打設用貫通孔を通じてトンネル掘
削壁面の外周岩盤に所定深さに達するロックボルト打設
用挿入孔を穿設し、しかるのち、ロックボルト打設用貫
通孔からロックボルト打設用挿入孔にロックボルトを挿
入して定着させることにより反力受部材をトンネル掘削
壁面に固定することを特徴とするものである。
【0009】さらに、上記請求項1に記載のトンネル掘
削機の反力受部材の施工方法において、請求項2に係る
発明は、ロックボルト打設用挿入孔にロックボルトを挿
入したのち、ロックボルト打設用挿入孔内に定着材を該
挿入孔の開口端近傍部にまで充填して硬化させることに
より、ロックボルト打設用挿入孔にロックボルトを定着
させると共にロックボルト打設用挿入孔の開口端部とロ
ックボルトの基端部との間に定着材が充填されていない
空隙部を設けていることを特徴としている。
【0010】また、請求項3に係る発明は、上記請求項
1に記載のトンネル掘削機の反力受部材の施工方法にお
いて、ロックボルトが剪断力に対して弱い合成樹脂製の
ロックボルトを用いた施工方法であって、この合成合成
樹脂製ロックボルトの基端部外周面に緩衝部材を被覆し
ておき、この合成樹脂製ロックボルトを反力受部材のロ
ックボルト打設用貫通孔からトンネル掘削壁面の外周岩
盤に先端に行くに従ってトンネル前方に向かって傾斜し
た状態に穿設されているロックボルト打設用挿入孔に挿
入して上記緩衝部材を反力受部材のロックボルト打設用
貫通孔内周面からロックボルト挿入孔の開口端部内周面
に亘って圧接させた状態とし、この状態で緩衝部材から
先端までのロックボルトと挿入孔との間の空隙に定着材
を注入してロックボルトを定着させることを特徴として
いる。
【0011】
【作用】トンネル掘削機によって一定長のトンネルの掘
削毎に、該トンネル掘削機後方のトンネル掘削壁面に反
力受部材を敷設したのち、これらのトンネル掘削壁面と
反力受部材との間の隙間にモルタル等の裏込材を充填
し、この裏込材の硬化によって反力受部材をトンネル掘
削壁面に固定させる。裏込材の硬化後、反力受部材の内
外面間に貫通しているロックボルト打設用貫通孔に削岩
機等の穿孔用ロッドを挿入し、該穿孔用ロッドによって
トンネル掘削壁面の外周岩盤にロックボルトよりも大径
のロックボルト打設用挿入孔を所定深さまで穿設する。
この際、硬化した裏込材層にも挿入孔に等しい径の孔が
穿設される。また、穿設時に生じた切削屑であるスライ
ムは反力受部材のロックボルト打設用貫通孔を通じてト
ンネル内に排除される。
【0012】次いで、ロックボルト打設用貫通孔から挿
入孔にロックボルトを挿入したのち該ロックボルトとロ
ックボルト打設用挿入孔との間の隙間にモルタル等の定
着材を注入、充填して硬化させることにより、ロックボ
ルトを挿入孔に定着させると共にロックボルトの基端に
ロックナットを螺締することによって反力受部材をトン
ネル掘削壁面に固定する。
【0013】こうして、トンネル掘削壁面に施工した反
力受部材にトンネル掘削機側からの反力を支持させなが
ら、或いは、斜坑掘削時にはトンネル掘削機の滑動を防
止しながらトンネル掘削機を掘進させ、一定長のトンネ
ル掘削後に上記反力受部材の前面側に再び反力受部材を
施工するものである。
【0014】トンネル掘削機側からの荷重によって反力
受部材が後方に変位した場合、ロックボルトの基端部が
後方に撓むが、請求項2に記載したように、ロックボル
ト打設用挿入孔の開口端部とロックボルトの基端部との
間に定着材が充填されていない空隙部を設けておくこと
により、上記ロックボルトの撓みを該空隙部の存在によ
って許容してロックボルトに剪断力が作用するのを防止
する。このような空隙部によるロックボルトの撓みの許
容は、剪断力に弱い合成樹脂製ロックボルトの場合にお
いて特に有効である。
【0015】また、合成樹脂製のロックボルトを用いた
反力受部材の施工方法の場合には、請求項3に記載した
ように、予め、該ロックボルトの基端部外周面を緩衝部
材で被覆しておいたのち、この合成樹脂製ロックボルト
を反力受部材のロックボルト打設用貫通孔からトンネル
掘削壁面の外周岩盤に穿設したロックボルト打設用挿入
孔に先端に行くに従ってトンネル前方に向かって傾斜し
た状態となるように挿入し、上記緩衝部材を反力受部材
のロックボルト打設用貫通孔内周面からロックボルト挿
入孔の開口部内周面に圧接させた状態にしてロックボル
トと挿入孔との間の空隙にモルタル等の定着材を注入す
ることによりロックボルトを定着させる。こうして挿入
孔内に定着した合成樹脂製ロックボルトは、その基端部
に被覆している緩衝部材によって該ロックボルトに作用
する剪断力を吸収し、剪断力による切損を防止する。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な実施の形
態を図面について説明する。図1はトンネル掘削機1に
よって岩盤層からなる地山に水力発電所の傾斜通路Aを
形成するためのパイロット坑(斜坑)2を掘進している
状態を示すもので、トンネル掘削機1によって一定長の
パイロット坑2を掘削する毎に、該トンネル掘削機1の
後方におけるトンネル掘削壁面3に反力受部材4を固定
し、この反力受部材4によってトンネル掘削機1がパイ
ロット坑2内で滑落するのを阻止しながら且つトンネル
掘削機1の推進反力を該反力受部材4によって支持させ
ながらトンネル掘削機1を掘進させる。
【0017】トンネル掘削機1は、図3に示すように、
そのスキンプレートを前胴1aと後胴1bとに分割して前胴
1aの後端部に後胴1bの前端部をシール材を介して前後摺
動自在に接続していると共に前胴1aの開口前端に回転自
在に支持されたカッタヘッド1cを機内に配設した駆動モ
ータ1dによって回転駆動させるようにし、さらに、上記
前後胴1a、1b間の複数個所をスラストジャッキ1eにより
連結すると共に後胴1bの内周面四方に推進ジャッキ1fを
配設し、前後胴1a、1bの周壁には周方向に適宜間隔毎に
内部側から油圧シリンダーによって外周面側に出没する
フロントグリッパ1gとリアグリッパ1hをそれぞれ配設し
てなるものである。
【0018】このように構成したトンネル掘削機1によ
り岩盤中に斜め上方に向かう上記パイロット坑2を掘削
するには、公知のように、リアグリッパ1hをパイロット
坑2のトンネル掘削壁面3に向かって突出させて該壁面
3に圧着させる一方、フロントグリッパ1gを収縮させて
トンネル掘削壁面3から離間させた状態とし、この状態
でカッターヘッド1cを回転させると共にスラストジャッ
キ1eを伸長させて後胴1b側に推進反力を支持させながら
前胴1aを推進させ、岩盤を掘削する。この際、推進ジャ
ッキ1fのロッド端を反力受部材4の前端面に当接させて
おき、トンネル掘削機1がパイロット坑2内で滑落する
のを阻止すると共にリアグリッパ1hと共にトンネル掘削
機1の推進反力を受止させる。
【0019】一定長のパイロット坑2の掘削後、フロン
トグリッパ1gを突出させてトンネル掘削壁面3に圧着さ
せる一方、リアグリッパ1hを収縮させ、しかるのちスラ
ストジャッキ1eを収縮方向に作動させることによって後
胴1bを前胴1a側に引き寄せる。この際、スライドジャッ
キ1eの収縮量に応じて推進ジャッキ1fを伸長させ、その
ロッド端面を反力受部材4に受止させた状態を保持して
上述したようにトンネル掘削機1の滑落を防止する。
【0020】上記反力受部材4は鉄筋コンクリート製で
あって、図4に示すように一定幅と一定長さを有する平
面矩形状のセグメント形状に形成されてあり、そのトン
ネル掘削壁面3側に面する外面を幅方向にトンネル掘削
壁面3に沿う凸円弧状の彎曲面4aに形成していると共に
該彎曲面4aの複数個所に一定高さを有する突起又は突条
4bを突設している。また、この反力受部材4の幅方向の
両側端面の中央部分に複数個のボルト取付孔4cを設けて
いる継ぎプレート4dを固着していると共に前後端面の両
側部には連結用孔4eが穿設されている。
【0021】さらに、反力受部材4の後端両側部に、内
外面間に亘って貫通し且つ内面側から外面側に向かって
前方に傾斜しているロックボルト打設用貫通孔6、6を
穿設している。これらの貫通孔6は後述する合成樹脂製
ロックボルト5よりも大径に形成されていると共にこれ
らの貫通孔6が開口している反力受部材4の内面部分は
該貫通孔6に対して直角な傾斜座面4fに形成されてい
る。なお、この反力受部材4は鉄筋コンクリート製に限
らず、FRP樹脂筋入りコンクリート製、鋼繊維入り無
筋コンクリート製、或いは鋼製であってもよい。
【0022】このように構成した反力受部材4は、トン
ネル掘削機1によって一定長のパイロット坑2を掘削し
て推進ジャッキ1fを収縮させたのち、該推進ジャッキ1f
の後方に対応させてトンネル掘削壁面3に敷設され、そ
の後端面を既にトンネル掘削壁面3に固定している後方
側の反力受部材の前面に当接、受止させた互いに対向し
た前後連結用孔4e、4e間を連結棒等によって連結すると
共にトンネル周方向に隣接する反力受部材4、4間にお
いてはこれらの反力受部材4、4の対向側面間に図2に
示すようにトンネル掘削壁面3に沿って彎曲した継ぎ材
10を配設し、該継ぎ材10の両端を反力受部材4、4の対
向側面に設けているボルト取付孔4c、4cにボルト(図示
せず)によって連結する。
【0023】この反力受部材4のトンネル掘削壁面3に
対する施工方法には、まず、図5に示すように、反力受
部材4の外面に突設している突起又は突条4bをトンネル
掘削壁面3に当てがった状態に反力受部材4を敷設した
のち、突起又は突条4bの高さに相当したトンネル掘削壁
面3と反力受部材4との間の隙間14にモルタルよりなる
裏込材9を充填してトンネル掘削壁面3に反力受部材4
を該裏込材9の付着力によって固着する。
【0024】次いで、この裏込材9の硬化後、図6に示
すように削岩機を用いて該削岩機に備えている穿孔用ロ
ッド11を反力受部材4に設けている貫通孔6に挿入し、
裏込材9の硬化層を貫通する孔8aを穿設すると共に該孔
8aの穿設から引き続いてトンネル掘削壁面3の外周岩盤
に所定深さまでロックボルト打設用挿入孔8を穿設す
る。この時、反力受部材4に貫設している貫通孔6は内
面側から外面側に向かって斜め前方に傾斜しているの
で、該貫通孔6の軸心方向に挿入する上記穿孔用ロッド
11によってトンネル掘削壁面3から岩盤層内に斜め前方
に向かって傾斜したロックボルト打設用挿入孔8が穿設
される。
【0025】この挿入孔8の穿設は穿孔用ロッド11を回
転させながら打撃を加えることによって行われ、さら
に、穿孔用ロッド11の中心部に貫設している送水孔12を
通じてビット先端から水を噴出させ、その水を穿孔用ロ
ッド11とロックボルト打設用挿入孔8との間の隙間を通
じて該挿入孔8外に排出させる際に、穿孔用ロッド11の
先端ビットによって掘削された掘削屑、即ち、スライム
13を該水の流れによって水と共に排出する。スライム13
の排出は、水と共にロックボルト打設用挿入孔8の開口
端から裏込材9の硬化層に穿設された孔8aを通過して反
力受部材4の貫通孔6を通じて反力受部材4の内面側に
排出され、エアーブロー(図示せず)によって吸引、除
去される。なお、上記孔8a及びロックボルト打設用挿入
孔8はロックボルト5よりも大径に形成されており、こ
れらの孔8a及び挿入孔8とロックボルト5との間に、後
述するようにロックボルト5の撓みを許容する隙間(空
隙部7) を設けている。
【0026】こうして反力受部材4のロックボルト打設
用貫通孔6を通じて裏込材9の硬化層を介し該貫通孔6
の中心延長方向のトンネル掘削壁面3の周辺岩盤にロッ
クボルト打設用挿入孔8を穿設したのち、ロックボルト
打設用貫通孔6を通じてロックボルト打設用挿入孔8に
合成樹脂製ロックボルト5を挿入し、図7、図8に示す
ように該ロックボルト5と挿入孔8との間の隙間にモル
タルよりなる定着材15を注入、硬化させると共に反力受
部材4の内面に設けている傾斜座面4fから突出したロッ
クボルト5の基端螺子部5aに上記傾斜座面4f上に配した
座金16を介してナット17を螺締することにより反力受部
材4をトンネル掘削壁面3に固定する。
【0027】この際、ロックボルト打設用挿入孔8はト
ンネル掘削壁面3から周辺岩盤に向かっ斜め前方に傾斜
した状態で穿設されているので、この挿入孔8に対する
ロックボルト5も基端から先端に向かってトンネル(パ
イロット坑2)長さ方向に斜め前方に傾斜した状態で挿
入された状態で定着される。上記定着材15はロックボル
ト打設用挿入孔8の開口端まで注入、充填されることな
く、該開口端近傍部まで充填された状態で硬化してお
り、裏込材9の硬化層に穿設されている孔8a及び挿入孔
8の開口端部には定着材が充填されていない空隙部7を
設けている。
【0028】なお、合成樹脂製ロックボルト5として
は、不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂、或いは熱可塑性樹脂で固着した繊維強化合成樹
脂等の耐引張強度に優れたFRP樹脂製のボルトが使用
され、その基端部を螺子部5aに形成している。
【0029】このように反力受部材4はトンネル掘削壁
面3に施工され、トンネル掘削機1による掘削作業中に
おける該トンネル掘削機側からの反力、或いはトンネル
掘削機1が滑落しようとした時の荷重を推進ジャッキ1f
を介して合成樹脂製ロックボルト5によりトンネル掘削
壁面3に定着した該反力受部材4の前面によって受止す
るものであるるが、その際、反力受部材4がトンネル掘
削機1側からの反力(荷重)によってトンネル掘削壁面
3の後方側へ変位すると、合成樹脂製ロックボルト5の
基端部が挿入孔8に充填した定着材15を支点として後方
に撓むことになる。
【0030】この撓みによって合成樹脂製ロックボルト
5の基端部が反力受部材4の外面側のロックボルト打設
用貫通孔6の孔壁に当接したり、挿入孔8の開口端に当
接すると、剪断力が該当接部分に作用して合成樹脂が折
損する虞れがあるので、その当接が生じないように、即
ち、剪断力の伝達を絶つように、上記貫通孔6とロック
ボルト打設用挿入孔8の開口端部及び裏込材9の硬化層
に穿設された孔8aを大径に形成して合成樹脂製ロックボ
ルト5とこれらの貫通孔6及び硬化層に穿設された孔8a
を含む上記挿入孔8の開口端部との間に合成樹脂製ロッ
クボルト5の撓みを許容する上記空隙部7を設けている
ものである。
【0031】なお、合成樹脂製ロックボルト5は上述し
たように、基端側から先端に向かって斜め前方に穿設さ
れたロックボルト打設用挿入孔8内に挿入されてその基
端部をナット17によって反力受部材4に定着しているの
で、トンネル掘削機1側からの反力が反力受部材4を介
してこの合成樹脂製ロックボルト5に剪断方向と引張方
向とに分力して支持させることができ、合成樹脂製ロッ
クボルト5の定着部に掛かる剪断力を小さくして引張強
度の大きい該合成樹脂製ロックボルト5により強固に支
持することができる。
【0032】上記合成樹脂製ロックボルト5には図9に
示すように、ロックボルト打設用挿入孔8の開口端部内
から裏込材9の硬化層に穿設している孔8aを介して反力
受部材4の貫通孔6の外面側の端部内に至るまで挿入し
た基端部外周面、即ち、上記空隙部7に対応する部分に
スポンジ又は発泡スチロール等からなる円筒形状の緩衝
部材18を被覆して固着しておいてもよい。このように、
基端部に緩衝部材18を被覆している合成樹脂製ロックボ
ルト5を上記ロックボルト打設用挿入孔8内に挿入する
と、緩衝部材18が反力受部材4のロックボルト打設用貫
通孔6の外面側(出口側)開口端部や孔8a及び挿入孔8
の内壁に弾性的に圧接した状態となり、トンネル掘削機
1側からの荷重によって反力受部材4を介して合成樹脂
製ロックボルト5の基端部が定着部を支点として撓んで
も緩衝部材18が貫通孔6や孔8a及び挿入孔8の孔壁に圧
縮変形しながら圧着して合成樹脂製ロックボルト5に剪
断力が直接作用するのを防止するものである。
【0033】こうして、施工した反力受部材4にトンネ
ル掘削機1の推進ジャッキ1fを押し当てながら伸長させ
て上述したように再びトンネル掘削機1を一定長のパイ
ロット坑2を掘進したのち、上記同様にその掘進によっ
て形成したトンネル掘削壁面3に反力受部材4を敷設、
固定し、この作業を繰り返し行って所定のパイロット坑
2を掘削するものである。
【0034】なお、以上の実施例においては、斜坑(パ
イロット坑)における反力受部材4の施工方法について
述べたが、水平坑においても反力受部材4をそのまゝ使
用して上記同様の施工方法を実施することができる。ま
た、ロックボルトとしては合成樹脂製に限らず、鋼製の
ロックボルトを採用してもよく、このロックボルトをト
ンネル掘削壁面3の周辺岩盤に略々直角に打設してもよ
い。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に係るト
ンネル掘削機の反力受部材の施工方法によれば、ロック
ボルト打設用貫通孔を穿設している反力受部材をトンネ
ル掘削機後方のトンネル掘削壁面に敷設したのち、該反
力受部材とトンネル掘削壁面との間の隙間に裏込材を充
填し、この裏込材が硬化したのち、上記ロックボルト打
設用貫通孔を通じてトンネル掘削壁面の外周岩盤に所定
深さに達するロックボルト打設用挿入孔を穿設するもの
であるから、裏込材の充填時に不純物が混入する虞れが
ないので、該裏込材によって反力受部材をトンネル掘削
壁面に強固に固着させることができるのは勿論、反力受
部材とトンネル掘削壁面との間に充填した上記裏込材の
硬化層を貫通して周辺岩盤の所定深さにまで達する所定
径のロックボルト打設用挿入孔を確実に穿設することが
できる。
【0036】さらに、このロックボルト打設用挿入孔の
穿設後、反力受部材のロックボルト打設用貫通孔から該
ロックボルト打設用挿入孔にロックボルトを挿入して該
挿入孔に充填するモルタル等の定着材によってロックボ
ルトを挿入孔に定着して反力受部材をトンネル掘削壁面
に固定するものであるから、定着材によりロックボルト
を確実にロックボルト打設用挿入孔内に定着させること
ができると共に、挿入孔の開口端部とロックボルトの基
端部との間に定着材が充填されていない空隙部を設けて
おくことができるから、反力受部材がトンネル掘削機側
からの荷重を受けて変位した際に、ロックボルトの基端
部をこの空隙部内で自由に撓ませることができ、従っ
て、ロックボルトが反力受部材の貫通孔の孔壁やロック
ボルト打設用挿入孔の孔壁から直接剪断力を受けるのを
なくしてロックボルトの折損を防止し得るものである。
【0037】また、請求項3に係る発明によれば、剪断
力に弱い合成樹脂製ロックボルトを用いた場合におい
て、この合成樹脂製ロックボルトの基端部外周面を緩衝
部材で被覆しておき、該ロックボルトを反力受部材のロ
ックボルト打設用貫通孔からパッキンの中央孔を通じて
トンネル掘削壁面の外周岩盤に穿設したロックボルト打
設用挿入孔に先端に行くに従ってトンネル前方に向かっ
て傾斜した状態となるように挿入すると共に上記緩衝部
材を反力受部材のロックボルト打設用貫通孔内周面から
ロックボルト挿入孔の開口部内周面に圧接させているも
のであるから、合成樹脂製ロックボルトの弱点である剪
断方向の作用力を軽減させて合成樹脂製ロックボルトの
耐引張強度により反力を支持させることができると共に
剪断方向の作用力を上記緩衝部材によって吸収させるこ
とができ、パイロット坑などの斜坑掘削時に最適な反力
受構造を施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パイロット坑を掘削している状態の簡略縦断側
面図、
【図2】そのトンネル掘削壁面に反力受部材を施工した
状態の簡略縦断正面図、
【図3】トンネル掘削機の縦断側面図、
【図4】反力受部材の斜視図、
【図5】トンネル掘削壁面と反力受部材との間に裏込材
を充填した状態の縦断側面図、
【図6】ロックボルト打設用挿入孔を穿設している状態
の要部の縦断側面図、
【図7】ロックボルトによって定着した反力受部材の要
部の縦断側面図、
【図8】その簡略縦断正面図、
【図9】反力受部材の施工方法の変形例を示す要部の縦
断側面図。
【符号の説明】
1 トンネル掘削機 2 パイロット坑 3 トンネル掘削壁面 4 反力受部材 5 ロックボルト 6 ロックボルト打設用貫通孔 7 空隙部 8 ロックボルト打設用挿入孔 9 裏込材 15 定着材 18 緩衝部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−119284(JP,A) 特開 平3−122396(JP,A) 特開 平10−18781(JP,A) 特開 平9−177475(JP,A) 特開 平3−28500(JP,A) 特開 昭54−154133(JP,A) 実開 昭55−31861(JP,U) 実開 昭55−59797(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロックボルト打設用貫通孔を穿設してい
    る反力受部材をトンネル掘削機後方のトンネル掘削壁面
    に敷設したのち、該反力受部材とトンネル掘削壁面との
    間の隙間に裏込材を充填し、この裏込材が硬化したの
    ち、上記ロックボルト打設用貫通孔を通じてトンネル掘
    削壁面の外周岩盤に所定深さに達するロックボルト打設
    用挿入孔を穿設し、しかるのち、ロックボルト打設用貫
    通孔からロックボルト打設用挿入孔にロックボルトを挿
    入して定着させて反力受部材をトンネル掘削壁面に固定
    することを特徴とするトンネル掘削機の反力受部材の施
    工方法。
  2. 【請求項2】 ロックボルト打設用挿入孔にロックボル
    トを挿入したのち、ロックボルト打設用挿入孔内に定着
    材を該挿入孔の開口端近傍部にまで充填して硬化させる
    ことにより、ロックボルト打設用挿入孔にロックボルト
    を定着させると共にロックボルト打設用挿入孔の開口端
    部とロックボルトの基端部との間に定着材が充填されて
    いない空隙部を設けていることを特徴とする請求項1に
    記載のトンネル掘削機の反力受部材の施工方法。
  3. 【請求項3】 ロックボルトは合成樹脂製であってその
    基端部外周面に緩衝部材を被覆してあり、この合成樹脂
    製ロックボルトを反力受部材のロックボルト打設用貫通
    孔からトンネル掘削壁面の外周岩盤に先端に行くに従っ
    てトンネル前方に向かって傾斜した状態に穿設されてい
    るロックボルト打設用挿入孔に挿入して上記緩衝部材を
    反力受部材のロックボルト打設用貫通孔内周面からロッ
    クボルト挿入孔の開口端部内周面に亘って圧接させた状
    態とし、この状態で緩衝部材から先端までのロックボル
    トと挿入孔との間の空隙に定着材を注入してロックボル
    トを定着させることを特徴とする請求項1に記載のトン
    ネル掘削機の反力受部材の施工方法。
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