JP3245528B2 - 分岐トンネル坑口からのシールド掘削機の発進方法 - Google Patents
分岐トンネル坑口からのシールド掘削機の発進方法Info
- Publication number
- JP3245528B2 JP3245528B2 JP34784195A JP34784195A JP3245528B2 JP 3245528 B2 JP3245528 B2 JP 3245528B2 JP 34784195 A JP34784195 A JP 34784195A JP 34784195 A JP34784195 A JP 34784195A JP 3245528 B2 JP3245528 B2 JP 3245528B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cutter plate
- tunnel
- wellhead
- shield excavator
- wall
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明はトンネル覆工時に形
成された分岐トンネル坑口から分岐トンネル掘削用シー
ルド掘削機を発進させる方法に関するものである。
成された分岐トンネル坑口から分岐トンネル掘削用シー
ルド掘削機を発進させる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】築造されたトンネルの一部から分岐トン
ネルを掘削する方法としては、例えば、特開平5ー17
9886号公報に記載されているような方法が知られて
いる。この方法は、トンネルの周方向に湾曲した一定幅
を有する長方形状のセグメントをその幅方向をトンネル
の長さ方向に向けてトンネルの内周面に覆工していく際
に、該トンネル覆工の所定部分にセグメントの幅毎に複
数分割してなる分岐トンネル掘削用円形カッタ板の分割
片を覆工セグメントの一部として順次組み込むことによ
り円形カッタ板を形成し、しかるのち、トンネル内への
地下水の浸入を防止するために、該円形カッタ板の前面
と掘削地盤との空隙部に裏込注入として貧配合コンクリ
ート(円形カッタ板によって切削可能な低強度コンクリ
ート)を充填、固化することによって分岐トンネルの坑
口壁を形成している。
ネルを掘削する方法としては、例えば、特開平5ー17
9886号公報に記載されているような方法が知られて
いる。この方法は、トンネルの周方向に湾曲した一定幅
を有する長方形状のセグメントをその幅方向をトンネル
の長さ方向に向けてトンネルの内周面に覆工していく際
に、該トンネル覆工の所定部分にセグメントの幅毎に複
数分割してなる分岐トンネル掘削用円形カッタ板の分割
片を覆工セグメントの一部として順次組み込むことによ
り円形カッタ板を形成し、しかるのち、トンネル内への
地下水の浸入を防止するために、該円形カッタ板の前面
と掘削地盤との空隙部に裏込注入として貧配合コンクリ
ート(円形カッタ板によって切削可能な低強度コンクリ
ート)を充填、固化することによって分岐トンネルの坑
口壁を形成している。
【0003】次いで、この坑口壁に対向してトンネル内
に上記円形カッタ板を一構成部材とするシールド掘削機
を組み立てたのち、カッタ板を回転させて上記貧配合コ
ンクリートを切除し、シールド掘削機を推進させて分岐
トンネルを掘進している。
に上記円形カッタ板を一構成部材とするシールド掘削機
を組み立てたのち、カッタ板を回転させて上記貧配合コ
ンクリートを切除し、シールド掘削機を推進させて分岐
トンネルを掘進している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法によれば、円形カッタ板はコンクリート製の坑口壁に
その掘削ビットを埋設した状態にして坑口壁と一体的に
固着しているので、シールド掘削機の発進時に円形カッ
タ板を回転させようとしても、回転が不能となったり、
或いは大きな回転駆動力を必要とし、円形カッタ板によ
るコンクリート製の坑口壁の破砕が困難となって坑口か
らのシールド掘削機の発進が円滑に行えなくなるという
問題点があった。本発明はこのような問題点に鑑みてな
されたもので、その目的とするところは、円形カッタ板
を回転させて坑口壁を破砕しながら分岐トンネル掘削用
シールド掘削機の円滑な発進を可能にする分岐トンネル
坑口からのシールド掘削機の発進方法を提供するにあ
る。
法によれば、円形カッタ板はコンクリート製の坑口壁に
その掘削ビットを埋設した状態にして坑口壁と一体的に
固着しているので、シールド掘削機の発進時に円形カッ
タ板を回転させようとしても、回転が不能となったり、
或いは大きな回転駆動力を必要とし、円形カッタ板によ
るコンクリート製の坑口壁の破砕が困難となって坑口か
らのシールド掘削機の発進が円滑に行えなくなるという
問題点があった。本発明はこのような問題点に鑑みてな
されたもので、その目的とするところは、円形カッタ板
を回転させて坑口壁を破砕しながら分岐トンネル掘削用
シールド掘削機の円滑な発進を可能にする分岐トンネル
坑口からのシールド掘削機の発進方法を提供するにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の分岐トンネル坑口からのシールド掘削機の
発進方法は、トンネル覆工の一部に形成している分岐ト
ンネル坑口に、コンクリート製の坑口壁とこの坑口壁の
背面にモルタルよりなる低強度止水材料を介して一体に
固着したカッタ板とを設けたのち、トンネル内でこのカ
ッタ板の背面に対向させてスキンプレートを設置し、該
スキンプレートの開口部内に張設している隔壁の背面に
駆動装置を固着してこの駆動装置の回転軸を上記円形カ
ッタ板に一体に連結することによりシールド掘削機を組
立て、次いで、該シールド掘削機を分岐トンネル坑口か
ら発進させる際に、カッタ板と隔壁間で形成された土砂
取入室内に加圧泥水を供給、充満させて該加圧泥水によ
り上記坑口壁を加圧した状 態でシールド掘削機を後退さ
せて上記カッタ板の掘削ビットを上記低強度止水材料か
ら離脱させ、しかるのち、カッタ板を回転させながらシ
ールド掘削機を前進させることを特徴とするものであ
る。
に、本発明の分岐トンネル坑口からのシールド掘削機の
発進方法は、トンネル覆工の一部に形成している分岐ト
ンネル坑口に、コンクリート製の坑口壁とこの坑口壁の
背面にモルタルよりなる低強度止水材料を介して一体に
固着したカッタ板とを設けたのち、トンネル内でこのカ
ッタ板の背面に対向させてスキンプレートを設置し、該
スキンプレートの開口部内に張設している隔壁の背面に
駆動装置を固着してこの駆動装置の回転軸を上記円形カ
ッタ板に一体に連結することによりシールド掘削機を組
立て、次いで、該シールド掘削機を分岐トンネル坑口か
ら発進させる際に、カッタ板と隔壁間で形成された土砂
取入室内に加圧泥水を供給、充満させて該加圧泥水によ
り上記坑口壁を加圧した状 態でシールド掘削機を後退さ
せて上記カッタ板の掘削ビットを上記低強度止水材料か
ら離脱させ、しかるのち、カッタ板を回転させながらシ
ールド掘削機を前進させることを特徴とするものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】トンネルの築造中において、該ト
ンネル覆工の一部に分岐トンネル用坑口壁と分岐トンネ
ル掘削用円形カッタ板を一体に組み込んでおく。即ち、
分岐トンネルを築造すべき位置に達すると、一部に坑口
壁形成用低強度コンクリートブロックを一体に組み込ん
だ鋼製セグメントを用いてトンネル覆工を施工すること
により互いに対向端面同士を接合したコンクリートブロ
ットで円形の分岐トンネル坑口壁を形成し、この坑口壁
によって土圧や水圧に対抗させる。
ンネル覆工の一部に分岐トンネル用坑口壁と分岐トンネ
ル掘削用円形カッタ板を一体に組み込んでおく。即ち、
分岐トンネルを築造すべき位置に達すると、一部に坑口
壁形成用低強度コンクリートブロックを一体に組み込ん
だ鋼製セグメントを用いてトンネル覆工を施工すること
により互いに対向端面同士を接合したコンクリートブロ
ットで円形の分岐トンネル坑口壁を形成し、この坑口壁
によって土圧や水圧に対抗させる。
【0007】一方、坑口壁形成用低強度コンクリートブ
ロックを組み込んでいる上記鋼製セグメントをトンネル
の掘削壁面に施工する毎に、該コンクリートブロックの
背面側に小間隔を存して分岐トンネル掘削用カッタ板の
分割片を対置させ、該カッタ板分割片を覆工セグメント
の内面に固定すると共に坑口壁形成用低強度コンクリー
トブロックとカッタ板分割片との間にモルタル等の低強
度止水材料を充填し、この作業を繰り返すことによって
上記坑口壁の形成と共に該坑口壁の背面に分割片同士が
連結してなる円形カッタ板を低強度止水材料を介して固
定する。
ロックを組み込んでいる上記鋼製セグメントをトンネル
の掘削壁面に施工する毎に、該コンクリートブロックの
背面側に小間隔を存して分岐トンネル掘削用カッタ板の
分割片を対置させ、該カッタ板分割片を覆工セグメント
の内面に固定すると共に坑口壁形成用低強度コンクリー
トブロックとカッタ板分割片との間にモルタル等の低強
度止水材料を充填し、この作業を繰り返すことによって
上記坑口壁の形成と共に該坑口壁の背面に分割片同士が
連結してなる円形カッタ板を低強度止水材料を介して固
定する。
【0008】なお、カッタ板の組み立ては、円形の坑口
壁を形成した後、該坑口壁の内面側に小間隔を存して分
割片を順次連結しながら覆工セグメントの内面に固定す
ることによって行い、しかるのち、坑口壁とカッタ板と
の間の空隙部に低強度モルタル等の低強度止水材料を充
填してもよい。
壁を形成した後、該坑口壁の内面側に小間隔を存して分
割片を順次連結しながら覆工セグメントの内面に固定す
ることによって行い、しかるのち、坑口壁とカッタ板と
の間の空隙部に低強度モルタル等の低強度止水材料を充
填してもよい。
【0009】円形カッタ板の組み立て後、この円形カッ
タ板の背面側に対向してトンネル内に上記円形カッタ板
を一構成部材とするシールド掘削機を組み立てる。しか
るのち、カッタ板と隔壁間で形成された土砂取入室内に
加圧泥水を供給、充満させて該加圧泥水により上記坑口
壁を加圧した状態で円形カッタ板と共にシールド掘削機
全体を坑口壁に対して後退させ、円形カッタ板の前面の
掘削ビットを埋入させている低強度止水材料から抜き取
るようにして離脱させる。この状態にして円形カッタ板
を回転させながらシールド掘削機を前進させると、掘削
ビットの回転力により低強度止水材料と坑口壁とが順次
円滑且つ確実に切削され、切削した破砕片を機内を通じ
て排除したのち、引き続いて該シールド掘削機を推進さ
せて分岐トンネルを掘削し、その掘進に従ってトンネル
覆工を施工することにより分岐トンネルを構築していく
ものである。
タ板の背面側に対向してトンネル内に上記円形カッタ板
を一構成部材とするシールド掘削機を組み立てる。しか
るのち、カッタ板と隔壁間で形成された土砂取入室内に
加圧泥水を供給、充満させて該加圧泥水により上記坑口
壁を加圧した状態で円形カッタ板と共にシールド掘削機
全体を坑口壁に対して後退させ、円形カッタ板の前面の
掘削ビットを埋入させている低強度止水材料から抜き取
るようにして離脱させる。この状態にして円形カッタ板
を回転させながらシールド掘削機を前進させると、掘削
ビットの回転力により低強度止水材料と坑口壁とが順次
円滑且つ確実に切削され、切削した破砕片を機内を通じ
て排除したのち、引き続いて該シールド掘削機を推進さ
せて分岐トンネルを掘削し、その掘進に従ってトンネル
覆工を施工することにより分岐トンネルを構築していく
ものである。
【0010】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例を図面につい
て説明すると、図1において、1はトンネルTを築造し
ながら分岐トンネルを形成すべき位置に達した時に、こ
のトンネルTの覆工セグメント2の一部によって形成さ
れた分岐トンネル形成用坑口で、周縁部を該坑口1の内
周面に固着している低強度のコンクリート製坑口壁3に
よって閉塞されている。このコンクリート製坑口壁3の
背面側(トンネルT内側)に、図2に示すように外周面
を坑口1の坑口リングの内周面に固定ボルトによって取
付けた分岐トンネル掘削用円形カッタ板4を配設してい
る。円形カッタ板4は、図3に示すように、覆工セグメ
ント2のトンネル長さ方向の幅と等しい幅毎に複数分割
された分割片4a〜4eを組み合わせることによって形成さ
れている。これらのカッタ板分割片4a〜4eの前面には複
数個の掘削ビット4fが突設している。
て説明すると、図1において、1はトンネルTを築造し
ながら分岐トンネルを形成すべき位置に達した時に、こ
のトンネルTの覆工セグメント2の一部によって形成さ
れた分岐トンネル形成用坑口で、周縁部を該坑口1の内
周面に固着している低強度のコンクリート製坑口壁3に
よって閉塞されている。このコンクリート製坑口壁3の
背面側(トンネルT内側)に、図2に示すように外周面
を坑口1の坑口リングの内周面に固定ボルトによって取
付けた分岐トンネル掘削用円形カッタ板4を配設してい
る。円形カッタ板4は、図3に示すように、覆工セグメ
ント2のトンネル長さ方向の幅と等しい幅毎に複数分割
された分割片4a〜4eを組み合わせることによって形成さ
れている。これらのカッタ板分割片4a〜4eの前面には複
数個の掘削ビット4fが突設している。
【0011】上記のように低強度コンクリート製の坑口
壁3の形成後に、或いはその形成と並行して円形カッタ
板4を組立てる場合には、坑口壁3と円形カッタ板4と
の対向面間に後述するようにモルタルよりなる低強度止
水材料を充填して該低強度止水材料に円形カッタ板4の
前面に突設している掘削ビット4fを埋設させているが、
以下に説明においてはこの低強度止水材料を含めて坑口
壁3と称することにする。
壁3の形成後に、或いはその形成と並行して円形カッタ
板4を組立てる場合には、坑口壁3と円形カッタ板4と
の対向面間に後述するようにモルタルよりなる低強度止
水材料を充填して該低強度止水材料に円形カッタ板4の
前面に突設している掘削ビット4fを埋設させているが、
以下に説明においてはこの低強度止水材料を含めて坑口
壁3と称することにする。
【0012】坑口1に円形カッタ板4を上記のようにし
て配設したのち、分岐トンネルT1の築造時に、坑口内周
面に固定している該円形カッタ板4の固定ボルトを取り
外すと共にトンネルT内を通じて円形カッタ板4と略同
一外径を有するスキンプレート5、駆動装置6その他の
分岐トンネル掘削用シールド掘削機の構成部材並びに支
圧フレーム7などを搬入し、図4に示すように、スキン
プレート5の前端開口部を円形カッタ板4の背面に対向
させて支台8上に設置し、スキンプレート5の開口部内
に張設している隔壁9の背面に駆動装置6を固着してそ
の回転軸を隔壁9の中心部を貫通して前方に突出させ
る。
て配設したのち、分岐トンネルT1の築造時に、坑口内周
面に固定している該円形カッタ板4の固定ボルトを取り
外すと共にトンネルT内を通じて円形カッタ板4と略同
一外径を有するスキンプレート5、駆動装置6その他の
分岐トンネル掘削用シールド掘削機の構成部材並びに支
圧フレーム7などを搬入し、図4に示すように、スキン
プレート5の前端開口部を円形カッタ板4の背面に対向
させて支台8上に設置し、スキンプレート5の開口部内
に張設している隔壁9の背面に駆動装置6を固着してそ
の回転軸を隔壁9の中心部を貫通して前方に突出させ
る。
【0013】さらに、スキンプレート内の複数個所に推
進ジャッキ10を装着すると共に円形カッタ板4と隔壁9
間で形成される土砂取入室11に連通させて隔壁9の背面
に送、排泥管12、13を接続する。しかるのち、トンネル
Tの覆工に固定した支圧フレーム7に推進ジャッキ10を
当接させ、該推進ジャッキ10を伸長させることによって
スキンプレート5を前進させることにより駆動装置6の
回転軸に円形カッタ板4の中心部を一体に連結、固着
し、分岐トンネル掘削用シールド掘削機Sを構成する。
進ジャッキ10を装着すると共に円形カッタ板4と隔壁9
間で形成される土砂取入室11に連通させて隔壁9の背面
に送、排泥管12、13を接続する。しかるのち、トンネル
Tの覆工に固定した支圧フレーム7に推進ジャッキ10を
当接させ、該推進ジャッキ10を伸長させることによって
スキンプレート5を前進させることにより駆動装置6の
回転軸に円形カッタ板4の中心部を一体に連結、固着
し、分岐トンネル掘削用シールド掘削機Sを構成する。
【0014】次いで、土砂取入室11内に送泥管12から加
圧泥水を供給しながらこのシールド掘削機S全体を僅か
に後退させて図5に示すように、円形カッタ板4の前面
を坑口壁3から離間させることにより該坑口壁3の背面
部内に突入している円形カッタ板4の掘削ビット4aを坑
口壁3から抜き取るようにして離脱させる。この時、土
砂取入室11内に加圧泥水が充満して、加圧泥水が円形カ
ッタ板4のスリットから坑口壁3を加圧しているので、
円形カッタ板4を後退、離間させても坑口壁3がトンネ
ル掘削地盤側からの土圧によって破壊することはない。
しかるのち、円形カッタ板4を回転させながら推進ジャ
ッキ10を伸長させてシールド掘削機Sを推進させると、
円形カッタ板4の前面から突設している掘削ビット4fに
よって坑口壁3が切削、破砕され、破砕片は円形カッタ
板4に設けている取入口を通じて土砂取入室11内に取込
まれる。坑口壁3の切削後、引き続いてその前方側の地
盤をシールド掘削機Sによって図6に示すように掘進す
ると共にスキンプレート5の後端部内でセグメント14を
組み立てゝ掘削壁面を覆工し、分岐トンネルT1を築造し
ていくものである。
圧泥水を供給しながらこのシールド掘削機S全体を僅か
に後退させて図5に示すように、円形カッタ板4の前面
を坑口壁3から離間させることにより該坑口壁3の背面
部内に突入している円形カッタ板4の掘削ビット4aを坑
口壁3から抜き取るようにして離脱させる。この時、土
砂取入室11内に加圧泥水が充満して、加圧泥水が円形カ
ッタ板4のスリットから坑口壁3を加圧しているので、
円形カッタ板4を後退、離間させても坑口壁3がトンネ
ル掘削地盤側からの土圧によって破壊することはない。
しかるのち、円形カッタ板4を回転させながら推進ジャ
ッキ10を伸長させてシールド掘削機Sを推進させると、
円形カッタ板4の前面から突設している掘削ビット4fに
よって坑口壁3が切削、破砕され、破砕片は円形カッタ
板4に設けている取入口を通じて土砂取入室11内に取込
まれる。坑口壁3の切削後、引き続いてその前方側の地
盤をシールド掘削機Sによって図6に示すように掘進す
ると共にスキンプレート5の後端部内でセグメント14を
組み立てゝ掘削壁面を覆工し、分岐トンネルT1を築造し
ていくものである。
【0015】図7及び図8は坑口1に坑口壁3と円形カ
ッタ板4とを施工した一例を示すもので、トンネルTを
一定長掘削する毎にトンネルの周方向に湾曲した長方形
状の複数枚の鋼製セグメント2を周方向に組み立てゝ一
リング分の覆工を形成し、この覆工を順次トンネル長さ
方向に数リング分形成していく際に、坑口1をトンネル
長さ方向のセグメント幅に複数分割した切欠部2a〜2eを
それぞれ有する鋼製セグメント2を組立てることによっ
て、これらの切欠部2a〜2eによって坑口1を形成するも
のであるが、各切欠部2a〜2eには予め、これらの切欠部
2a〜2eと同一形状の低強度コンクリートブロック3a〜3e
を嵌め込み状態で一体に組み込まれて鋼製セグメント2
の一部を構成してあり、鋼製セグメント2を上記のよう
に組立てゝ隣接する低強度コンクリートブロックの対向
側面同士を密接させることによって坑口1を閉止した坑
口壁3を形成しているものである。
ッタ板4とを施工した一例を示すもので、トンネルTを
一定長掘削する毎にトンネルの周方向に湾曲した長方形
状の複数枚の鋼製セグメント2を周方向に組み立てゝ一
リング分の覆工を形成し、この覆工を順次トンネル長さ
方向に数リング分形成していく際に、坑口1をトンネル
長さ方向のセグメント幅に複数分割した切欠部2a〜2eを
それぞれ有する鋼製セグメント2を組立てることによっ
て、これらの切欠部2a〜2eによって坑口1を形成するも
のであるが、各切欠部2a〜2eには予め、これらの切欠部
2a〜2eと同一形状の低強度コンクリートブロック3a〜3e
を嵌め込み状態で一体に組み込まれて鋼製セグメント2
の一部を構成してあり、鋼製セグメント2を上記のよう
に組立てゝ隣接する低強度コンクリートブロックの対向
側面同士を密接させることによって坑口1を閉止した坑
口壁3を形成しているものである。
【0016】なお、互いに接合したブロック同士の接合
端部には、トンネルT内に向けた内面からブロック同士
の接合端面を交差して互いに直状に連通した適宜深さの
接続孔15、15を設けてあり、これらの接続孔15、15間の
内部にトンネルT内から、分岐トンネル掘削用円形カッ
タ板4によって破砕可能なグラスファイバーを主体とし
た合成樹脂材よりなる連結部材16を挿入して接続孔15、
15内に発泡ウレタン等の接着剤を充填することにより、
該連結部材16を介して互いに接合したブロック同士を一
体に連結してある。
端部には、トンネルT内に向けた内面からブロック同士
の接合端面を交差して互いに直状に連通した適宜深さの
接続孔15、15を設けてあり、これらの接続孔15、15間の
内部にトンネルT内から、分岐トンネル掘削用円形カッ
タ板4によって破砕可能なグラスファイバーを主体とし
た合成樹脂材よりなる連結部材16を挿入して接続孔15、
15内に発泡ウレタン等の接着剤を充填することにより、
該連結部材16を介して互いに接合したブロック同士を一
体に連結してある。
【0017】また、各ブロック3a〜3eとこれらのブロッ
クの円弧状湾曲端縁をそれぞれ接合させている鋼製セグ
メント2の切欠部2a〜2eとの接合部も上記同様にして、
ブロックの円弧状湾曲端部とこの端部を接合させた鋼製
セグメント2の円弧状湾曲端部とに、互いに連通した直
状の接続孔(図示せず)を設けてあり、これらの接続孔
間に上記連結部材16を挿入して発泡ウレタン等の接着剤
を充填することにより互いに連結している。
クの円弧状湾曲端縁をそれぞれ接合させている鋼製セグ
メント2の切欠部2a〜2eとの接合部も上記同様にして、
ブロックの円弧状湾曲端部とこの端部を接合させた鋼製
セグメント2の円弧状湾曲端部とに、互いに連通した直
状の接続孔(図示せず)を設けてあり、これらの接続孔
間に上記連結部材16を挿入して発泡ウレタン等の接着剤
を充填することにより互いに連結している。
【0018】一方、分岐トンネル掘削用円形カッタ板4
の分割片4a〜4eは互いにボルト17によって一体に連結し
て円形カッタ板4を形成している。この円形カッタ板4
は、上記坑口壁3のトンネルT内に面した裏面から小間
隔を存して配設され、その円形の外周端面は、上記坑口
1の周縁、即ち、この坑口1を形成した覆工セグメント
2の切欠部の縁からトンネルT内に向かって突設してい
る坑口リング部材18の内周面にボルト19またはピンによ
って着脱自在に連結している。そして、坑口壁3と円形
カッタ板4との対向面間の間隔部にモルタルよりなる低
強度止水材料20を充填、固化させ、その内部に円形カッ
タ板4の掘削ビット4fを埋設させた状態にして坑口壁3
と一体化し、坑口壁3と円形カッタ板4とで土圧に対抗
させている。
の分割片4a〜4eは互いにボルト17によって一体に連結し
て円形カッタ板4を形成している。この円形カッタ板4
は、上記坑口壁3のトンネルT内に面した裏面から小間
隔を存して配設され、その円形の外周端面は、上記坑口
1の周縁、即ち、この坑口1を形成した覆工セグメント
2の切欠部の縁からトンネルT内に向かって突設してい
る坑口リング部材18の内周面にボルト19またはピンによ
って着脱自在に連結している。そして、坑口壁3と円形
カッタ板4との対向面間の間隔部にモルタルよりなる低
強度止水材料20を充填、固化させ、その内部に円形カッ
タ板4の掘削ビット4fを埋設させた状態にして坑口壁3
と一体化し、坑口壁3と円形カッタ板4とで土圧に対抗
させている。
【0019】このように坑口1に配設された円形カッタ
板4は分岐トンネルT1の築造時に、該円形カッタ板4の
固定ボルト19を坑口リング部材18から取り外すと共にト
ンネルT内を通じて搬入された上記スキンプレート5、
駆動装置6その他の分岐トンネル掘削用シールド掘削機
の構成部材並びに支圧フレーム7、支台8、推進ジャッ
キ10などを上記同様にして組立てゝ分岐トンネル掘削用
シールド掘削機Sを構成したのち、土砂取入室11内に加
圧泥水を供給しながら、このシールド掘削機S全体を僅
かに後退させて円形カッタ板4の前面を坑口壁3の背面
に固着した低強度止水材料20から離間させることにより
該止水材料内に埋入している円形カッタ板4の掘削ビッ
ト4aを抜き取るようにして離脱させ、しかるのち、円形
カッタ板4を回転させながら推進ジャッキ10を伸長させ
てシールド掘削機Sを推進させることにより、止水材料
20及び坑口壁3、連結部材16を切削、破砕しながら除去
したのち、前方地盤を掘削して分岐トンネルT1を築造し
ていくものである。
板4は分岐トンネルT1の築造時に、該円形カッタ板4の
固定ボルト19を坑口リング部材18から取り外すと共にト
ンネルT内を通じて搬入された上記スキンプレート5、
駆動装置6その他の分岐トンネル掘削用シールド掘削機
の構成部材並びに支圧フレーム7、支台8、推進ジャッ
キ10などを上記同様にして組立てゝ分岐トンネル掘削用
シールド掘削機Sを構成したのち、土砂取入室11内に加
圧泥水を供給しながら、このシールド掘削機S全体を僅
かに後退させて円形カッタ板4の前面を坑口壁3の背面
に固着した低強度止水材料20から離間させることにより
該止水材料内に埋入している円形カッタ板4の掘削ビッ
ト4aを抜き取るようにして離脱させ、しかるのち、円形
カッタ板4を回転させながら推進ジャッキ10を伸長させ
てシールド掘削機Sを推進させることにより、止水材料
20及び坑口壁3、連結部材16を切削、破砕しながら除去
したのち、前方地盤を掘削して分岐トンネルT1を築造し
ていくものである。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明の分岐トンネル坑口
からのシールド掘削機の発進方法によれば、分岐トンネ
ル掘削用シールド掘削機を発進させる際に、カッタ板と
隔壁間で形成された土砂取入室内に加圧泥水を供給、充
満させて該加圧泥水により上記坑口壁を加圧した状態で
シールド掘削機を後退させて上記カッタ板を坑口壁から
分離させ、しかるのち、カッタ板を回転させながらシー
ルド掘削機を前進させるので、坑口壁をカッタ板の前面
に突設した掘削ビットによって容易に且つ確実に破砕、
切削することができ、シールド掘削機を円滑に発進させ
て分岐トンネルを能率よく掘進することができるもので
ある。
からのシールド掘削機の発進方法によれば、分岐トンネ
ル掘削用シールド掘削機を発進させる際に、カッタ板と
隔壁間で形成された土砂取入室内に加圧泥水を供給、充
満させて該加圧泥水により上記坑口壁を加圧した状態で
シールド掘削機を後退させて上記カッタ板を坑口壁から
分離させ、しかるのち、カッタ板を回転させながらシー
ルド掘削機を前進させるので、坑口壁をカッタ板の前面
に突設した掘削ビットによって容易に且つ確実に破砕、
切削することができ、シールド掘削機を円滑に発進させ
て分岐トンネルを能率よく掘進することができるもので
ある。
【図1】分岐トンネル掘削用坑口壁を設けたトンネルの
簡略断面図、
簡略断面図、
【図2】円形カッタ板を配設した状態の簡略断面図、
【図3】その背面図、
【図4】分岐トンネル掘削用シールド掘削機を組み立て
た状態の簡略断面図、
た状態の簡略断面図、
【図5】シールド掘削機を後退させた状態の簡略断面
図、
図、
【図6】分岐トンネルを掘進している状態の簡略断面
図、
図、
【図7】分割片の組立により形成した坑口壁と円形カッ
タ板の一部切欠背面図、
タ板の一部切欠背面図、
【図8】その中央縦断側面図。
1 坑口 3 坑口壁 4 円形カッタ板 S 分岐トンネル掘削用シールド掘削機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 301
Claims (1)
- 【請求項1】 トンネル覆工の一部に形成している分岐
トンネル坑口に、コンクリート製の坑口壁とこの坑口壁
の背面にモルタルよりなる低強度止水材料を介して一体
に固着したカッタ板とを設けたのち、トンネル内でこの
カッタ板の背面に対向させてスキンプレートを設置し、
該スキンプレートの開口部内に張設している隔壁の背面
に駆動装置を固着してこの駆動装置の回転軸を上記円形
カッタ板に一体に連結することによりシールド掘削機を
組立て、次いで、該シールド掘削機を分岐トンネル坑口
から発進させる際に、カッタ板と隔壁間で形成された土
砂取入室内に加圧泥水を供給、充満させて該加圧泥水に
より上記坑口壁を加圧した状態でシールド掘削機を後退
させて上記カッタ板の掘削ビットを上記低強度止水材料
から離脱させ、しかるのち、カッタ板を回転させながら
シールド掘削機を前進させることを特徴とする分岐トン
ネル坑口からのシールド掘削機の発進方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34784195A JP3245528B2 (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 分岐トンネル坑口からのシールド掘削機の発進方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34784195A JP3245528B2 (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 分岐トンネル坑口からのシールド掘削機の発進方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09165993A JPH09165993A (ja) | 1997-06-24 |
JP3245528B2 true JP3245528B2 (ja) | 2002-01-15 |
Family
ID=18392975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34784195A Expired - Fee Related JP3245528B2 (ja) | 1995-12-14 | 1995-12-14 | 分岐トンネル坑口からのシールド掘削機の発進方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3245528B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3876278B2 (ja) * | 2001-12-13 | 2007-01-31 | 新日鉄マテリアルズ株式会社 | 易切削性トンネルセグメント構造 |
-
1995
- 1995-12-14 JP JP34784195A patent/JP3245528B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09165993A (ja) | 1997-06-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3245528B2 (ja) | 分岐トンネル坑口からのシールド掘削機の発進方法 | |
JP3874095B2 (ja) | シールド掘進機の到達時における坑口形成方法およびシールド掘進機 | |
JP3122362B2 (ja) | 坑口パッキンの取付構造 | |
JP3031596B2 (ja) | 分岐シールド工法 | |
JP3122361B2 (ja) | 分岐トンネル掘削用坑口壁の構造 | |
JP3454442B2 (ja) | 大断面地下空間の掘削方法及びその装置 | |
JP3088943B2 (ja) | 分岐トンネル掘削用坑口壁の構造 | |
JP4092265B2 (ja) | トンネル施工方法及びトンネル掘削機 | |
JPH0893398A (ja) | 大断面地下空間の基礎周壁構築物、掘削方法およびその装置 | |
JP2002194988A (ja) | 到達立て坑内へのトンネル掘削機の受け入れ方法およびその設備 | |
JP3311930B2 (ja) | 分岐トンネルの坑口壁の構造 | |
JP3153887B2 (ja) | シールドトンネルの接合工法 | |
JP2002061485A (ja) | 土留壁の掘削工法及びトンネル掘削機 | |
JP2002061486A (ja) | 土留壁の掘削工法及びトンネル掘削機 | |
JP3003535B2 (ja) | 地下空間の構築方法 | |
JP3028037B2 (ja) | 地下空間の外殻構造体及びトンネル掘削装置 | |
JPH0774586B2 (ja) | シールド掘削機によるトンネル分岐方法および掘削機のカッター板 | |
JP3108735B2 (ja) | 大口径管渠の再構築工法 | |
JP2673003B2 (ja) | 異径断面掘削用シールド堀進機 | |
JP3137731B2 (ja) | 既設トンネル撤去シールド機 | |
JPH09125872A (ja) | 分岐トンネル坑口を有する本トンネルの覆工方法 | |
JP2960880B2 (ja) | シールド掘進機 | |
JP2699150B2 (ja) | シールドの発進方法およびその発進装置を有するケーソン立坑 | |
JP3137743B2 (ja) | 既設トンネル撤去シールド機 | |
JP3773625B2 (ja) | 地中掘削機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131026 Year of fee payment: 12 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |