JP3311930B2 - 分岐トンネルの坑口壁の構造 - Google Patents

分岐トンネルの坑口壁の構造

Info

Publication number
JP3311930B2
JP3311930B2 JP15300696A JP15300696A JP3311930B2 JP 3311930 B2 JP3311930 B2 JP 3311930B2 JP 15300696 A JP15300696 A JP 15300696A JP 15300696 A JP15300696 A JP 15300696A JP 3311930 B2 JP3311930 B2 JP 3311930B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tunnel
wellhead
blocks
block
cutter plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP15300696A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09317377A (ja
Inventor
和徳 馬場
和夫 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okumura Corp
Original Assignee
Okumura Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okumura Corp filed Critical Okumura Corp
Priority to JP15300696A priority Critical patent/JP3311930B2/ja
Publication of JPH09317377A publication Critical patent/JPH09317377A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3311930B2 publication Critical patent/JP3311930B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトンネルの覆工時に
該トンネルの所望部分から分岐トンネルを掘削するため
の坑口壁の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】築造されたトンネルを本トンネルとして
この本トンネルの一部から分岐トンネルを掘削する場
合、例えば、特開平5ー179886号公報に記載され
ているような方法が知られている。この方法は、本トン
ネルの覆工時に、該本トンネル覆工の所定部分に覆工セ
グメントのトンネル長さ方向の幅毎に分割してなる円形
カッター板の分割片を覆工セグメントの一部として順次
組み込んで本トンネル覆工セグメントに分岐トンネル掘
削用円形カッター板を組み立て、しかるのち、トンネル
内への地下水の浸入を防止するために、該円形カッター
板の前面と掘削地盤との空隙部に裏込注入として貧配合
コンクリート(円形カッター板によって切削可能な低強
度コンクリート)を充填、固化することによって分岐ト
ンネルの坑口壁を形成している。
【0003】次いで、この坑口壁に対向して本トンネル
内に上記円形カッター板を一構成部材とするシールド掘
削機を組み立て、カッター板を回転させながらシールド
掘削機を推進させて上記貧配合コンクリートを切除した
のち、分岐トンネルを掘進し、その掘進に従ってトンネ
ル覆工を施工することにより分岐トンネルを構築してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような円形カッター板を配した分岐トンネルの坑口壁に
よれば、覆工セグメントの一部として該セグメントにカ
ッター板の分割片を1リング分の覆工セグメントを組み
立てる毎に順次一体に組み込んで円形カッター板を形成
したのち、該円形カッター板の前面と掘削地盤との間に
貧配合コンクリートを充填、固化させることによって形
成されるので、コンクリートを打設する際の型枠の配設
が困難であるばかりでなく、コンクリートが一定強度以
上の固化状態となるまで本トンネルの掘削作業を行うこ
とができないという問題点がある。本発明はこのような
問題点を解消し得る分岐トンネルの坑口壁の構造を提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の分岐トンネルの
坑口壁は、本トンネルから分岐させる分岐トンネルの坑
口壁であって、該坑口壁は坑口を複数分割した形状を有
し且つカッター板によって破砕可能な低強度材料からな
るブロックを互いに接合させて組合せることにより形成
されていると共に、ブロック同士の接合面全面を接着剤
によって一体に接着してなる構造を有している。
【0006】さらに、ブロック同士の接合端部間に一方
のブロックの内面から他方のブロック内に向かって斜め
方向に穿設した互いに連通する接続孔を設け、これらの
接続孔間にカッター板によって破砕可能な樹脂製連結部
材を挿入、接着し、上記接着剤による接合面同士の接着
と共にブロック同士を一体に連結している
【0007】このような坑口壁は、シールド掘削機によ
って本トンネルを掘削、築造する途上において、分岐ト
ンネル築造計画部分のトンネル壁面に設けられる。即
ち、本トンネルの掘削壁面に、トンネル周方向に湾曲し
た長方形状の鋼製セグメントを組み立てゝ一リング分の
覆工を形成する際に、鋼製セグメントの一部に坑口の一
部となる切除部を形成しておくと共にこの切除部に坑口
壁形成用低強度コンクリートブロックを接着剤によって
固着して一体に組み込んでおき、この鋼製セグメントを
用いてトンネル長さ方向に数リング分の覆工セグメント
を組み立て、先に組み立てた一リング分の覆工セグメン
トに取り付けている坑口壁形成用低強度コンクリートブ
ロックと次に組み立てる一リング分の覆工セグメントに
取り付けている坑口壁形成用低強度コンクリートブロッ
クとの接合面を接着剤によって全面的に接着することに
より互いに連結した低強度コンクリートブロックによっ
て円形の坑口壁を形成するものである。また、上記接着
材によるブロック同士の一体化と共にブロック同士の適
所をカッター板によって破砕可能な樹脂製連結部材によ
って連結している
【0008】
【作用】このように坑口壁は坑口を複数分割した低強度
コンクリートブロックからなるので、型枠などを用いる
ことなくシールド掘削機によって覆工一リング分の掘進
毎に容易に施工することができ、その上、シールド掘削
機による本トンネルの掘削作業を中断させることなく、
坑口壁の施工と並行して本トンネルの連続的な掘進を可
能にし得るものである。
【0009】一方、坑口壁の背面側、即ち、本トンネル
内側には小間隔を存して複数分割されたカッター板分割
片を順次一体に連結することによって構成された円形の
カッター板が配設され、このカッター板を分岐トンネル
掘削用シールド機のカッター板として使用し、該カッタ
ー板を回転させながらシールド機を推進して低強度コン
クリートブロックからなる坑口壁を切削、排除したの
ち、引き続いて該シールド掘削機を推進させて分岐トン
ネルを掘進するものであるが、このシールド掘削機によ
って坑口壁を切削する際に、坑口壁は上記のように、低
強度コンクリートブロック同士が接着剤によって全面的
に接着、一体化してなるものであるから、あたかも一枚
のコンクリート壁からなる坑口壁の構造を呈してカッタ
ー板により均一に切削することができ、ブロック同士の
接合面からコンクリートが塊状に破砕されたり、接合面
にカッタービットが引っ掛かゝって坑口壁がガタついた
りすることなく、円滑切削が可能となるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な実施例を
図面について説明すると、図1および図2において、1
は本トンネルTを築造しながら分岐トンネルを形成すべ
き位置に達した時に、この本トンネルTの覆工セグメン
ト2の一部によって形成された分岐トンネル形成用坑口
で、本トンネル掘削用シールド掘削機S(図3にこのシ
ールド掘削機のスキンプレートを示している)によって
本トンネルTを一定長、掘削する毎にトンネルの周方向
に湾曲した長方形状の複数枚の鋼製セグメント2を周方
向に組み立てゝ一リング分の覆工を形成し、この覆工を
順次トンネル長さ方向に数リング分形成していく際に、
該坑口1を本トンネルTの長さ方向に複数分割した形状
の切除部3a、3b・・・3eを夫々設けた鋼製セグメント2
a、2b・・・2eを順次トンネル長さ方向に組み立てるこ
とによって、これらの切除部3a、3b・・・3eで形成され
ているものである。
【0011】即ち、円形の坑口1を本トンネルTの一リ
ング分の覆工幅毎にトンネル長さ方向に分割し、この分
割部を覆工セグメント2の一部で形成した場合、分岐ト
ンネルトンネル長さ方向の坑口両側端部に組み立てられ
る鋼製セグメント2a、2eにはその対向端面側に弓型形状
の切除部3a、3eが設けられた形状となり、これらの鋼製
セグメント2a、2eを設けている一リング分の覆工間にお
いては、それぞれの一リング分の覆工を形成した周方向
の上下鋼製セグメント2b、2b;2c、2c;2d、2dの対向端
面を円形坑口1の外周端面の一部となる円弧状の切除部
3b、3c、3dに形成されてあり、これらの切除部3a〜3eの
円弧状端縁が連続して円形状となり、この円形状端縁で
囲まれた空間部で坑口1を形成しているものである。
【0012】坑口1の両側端部に配設される上記鋼製セ
グメント2a、2eには、その弓型形状の切除部3a、3eに該
切除部と同一形状の低強度コンクリートブロック4a、4e
がそれぞれ嵌め込み状態に組み込まれてこれらのコンク
リートブロック4a、4eの湾曲端面を切除部3a、3eの対向
湾曲面に接着剤5'によって接着一体化することで長方形
状鋼製セグメント2a、2eの一部を形成している一方、こ
れらの低強度コンクリートブロック4a、4e間の坑口1内
には、鋼製セグメント2の幅毎にトンネル長さ方向に分
割された形状を有するトンネル周方向に長い低強度コン
クリートブロック4b、4c、4dが互いに垂直な対向側端面
を接合した状態で且つ各低強度コンクリートブロック
(以下、単にブロックという)の上下円弧状端面を対向
する上下鋼製セグメントの円弧状端面に接合して接着剤
5'により一体的に固着した状態で組み込まれてあり、従
って、鋼製セグメント2a〜2eを組み合わせた時にこれら
のブロック4a〜4eによって坑口1を閉止した坑口壁4を
形成するものである。
【0013】この坑口壁4を形成する際に、互いに接合
するブロックの対向側端面に接着剤5を全面的に塗布
し、該接着剤5によって接合面を接着、一体化してい
る。この接着剤5及び上記坑口1を形成した切除部との
接着に使用している接着剤5'としては、例えば、エポキ
シ樹脂系接着剤、高分子合成樹脂系接着剤、或いはエチ
レン酢ビ共重合樹脂系接着剤を用いる。
【0014】さらに、この坑口壁4を形成した上記ブロ
ック4a〜4eにおいて、本トンネルTの掘進方向の最後部
に位置するブロック4eを除いて、他のブロック4a〜4dに
は、図3に示すように、本トンネル掘削用シールド機S
の推進ジャッキGを受止する部分にこれらのブロック4a
〜4dを全幅に亘って貫通する水平貫通孔6a〜6dがそれぞ
れ設けられてあり、坑口部分の本トンネルTの覆工を施
工する際に、ブロック4a〜4dが組み立てられる毎に互い
に水平方向に連通するこれらの貫通孔内に該貫通孔と略
同一長さの剛性を有する反力受部材7a〜7dを順次螺子連
結8しながら挿入し、該反力受部材の先端面で推進ジャ
ッキGを受止し、既に組み立てた鋼製セグメント2a側に
これらの反力受部材を介して推進反力を支持させながら
本トンネルTを掘進するように構成している。上記螺子
連結8は互いに接合する反力受部材において、一方の反
力受部材の後端面中央に螺子孔8aを設け、他方の反力受
部材の先端面中央に該螺子孔8aに着脱自在に螺合する螺
子部8bを設けてなるものである。
【0015】また、互いに接合したブロック同士の接合
端部には、図1、図3に示すように一方のブロックの本
トンネルT内に向けた内面から他方のブロック内に向か
って両ブロック同士の接合端面を交差して互いに直状に
連通した適宜深さの接続孔9、10を設けてあり、これら
の接続孔9、10間の内部に本トンネルT内から、分岐ト
ンネル掘削用円形カッター板11によって破砕可能なグラ
スファイバーを主体とした合成樹脂材よりなる連結部材
12を挿入して接続孔9、10内に発泡ウレタン等の接着剤
を充填することにより、該連結部材12を介して互いに接
合したブロック同士を一体に連結してある。
【0016】この連結部材12によるブロック同士の接続
は、互いに接合するブロックの接続孔9、10間を連通さ
せた状態にしたのち、連結部材12を挿入、固着すること
で各ブロックにズレを生じさせることなく正確に接合さ
せることができる。
【0017】一方、各ブロック4a〜4eとこれらのブロッ
クの円弧状湾曲端縁を接合、接着させている鋼製セグメ
ント2間も上記同様にして、ブロックの円弧状湾曲端部
とこの端部を接合させた鋼製セグメント2の円弧状湾曲
端部とに、互いに連通した直状の接続孔13、14をそれぞ
れ設けてあり、これらの接続孔13、14間の内部に本トン
ネルT内から、分岐トンネル掘削用円形カッター板11に
よって破砕可能なグラスファイバーを主体とした合成樹
脂材よりなる連結部材12を挿入して接続孔13、14内に発
泡ウレタン等の接着剤を充填することにより、該連結部
材12を介して互いに連結している。なお、このようなブ
ロックと鋼製セグメントとの連結は、鋼製セグメントに
設けている孔からブロックの円弧条湾曲端面に穿設して
いる孔内にピンを着脱自在に挿入することによって行っ
てもよい。
【0018】分岐トンネル掘削用円形カッター板11は、
図1、図3に示すように、上記各低強度コンクリートブ
ロック4a〜4eに対応した形状に複数分割された分割片11
a 、11b ・・・11e を互いにボルト15によって一体に連
結することにより形成されている。この円形カッター板
11は、上記坑口壁4の本トンネルT内に面した内面から
小間隔16を存して配設され、その円形の外周端面は、上
記坑口1の外周縁から本トンネルT内に向かって突設し
ている坑口リング部材17の内周面にボルト18によって着
脱自在に連結している。そして、坑口壁4と円形カッタ
ー板11との対向面間の間隔部16によって形成されている
空隙部にモルタルよりなる低強度止水材19を充填、固化
させている。
【0019】次に、上記坑口壁4と該坑口壁4の内面側
に対向する円形カッター板11とを備えた坑口を設ける場
合の本トンネルの覆工方法について述べると、シールド
掘削機Sによって本トンネルTを掘削すると共にその掘
削壁面に鋼製セグメント2を組み立てながら分岐トンネ
ルT1の掘削位置に達して、その位置で複数枚の鋼製セグ
メント2を周方向に組み立てることにより一リング分の
覆工を形成する際に、上記弓型形状のブロック4aを有す
るセグメント2aを組み込む。しかるのち、該ブロック4a
に貫設している貫通孔6aに反力受部材7aを挿入し、この
反力受部材7aの挿入端面を鋼製セグメント2aの円弧状湾
曲端面に当接、受止させた状態にして該反力受部材7aに
本トンネル掘削用シールド機Sの推進ジャッキGの推進
反力を支持させ、この状態で推進ジャッキGを伸長させ
て本トンネルTを掘進する。
【0020】一定長の本トンネルTの掘削後、推進ジャ
ッキGを収縮させて複数枚の鋼製セグメント2により一
リング分の覆工をトンネル周方向に組み立てと共にその
覆工の一部に上記ブロック4bを組み込む(図2、図
4)。この際、先に組み込んだブロック4aと次に組み込
むブロック4bとの対向側端面の少なくともいずれか一方
に上記接着剤5を全面的に塗布したのち、ブロック4bを
組み込んで接着剤5により両ブロック4a、4bを一体的に
固着させる。
【0021】しかるのち、該ブロック4bに貫設している
貫通孔6bに反力受部材7bを挿入してその挿入端に突設し
た螺子部8bを既に組み込んでいる上記ブロック4a側の反
力受部材7aの対向端面に設けている螺子孔8aに螺合さ
せ、この反力受部材7bに本トンネル掘削用シールド機S
の推進ジャッキGの推進反力を支持させて本トンネルT
を掘進する。
【0022】以下、同様にして複数枚の鋼製セグメント
2により一リング分の覆工を順次トンネル長さ方向に組
み立てると共にその組み立て時にブロック4c、4dを本ト
ンネルTの覆工に順次接着剤5によってその接合面を全
面的に接着、一体化させながら組み込み、次いでブロッ
ク4eを有する最後部の鋼製セグメント2eを組み立てる前
に反力受部材7a〜7dを抜取り、しかるのち、推進ジャッ
キGの推進反力を直接受止し得る上記鋼製セグメント2e
を組み立てゝると共にそのブロック4eを接着剤5によっ
て先に組み込んだブロック4dに一体的に固着し、これら
のブロック4a〜4eにより坑口壁4を形成するものであ
る。この坑口壁4の形成中、或いは形成後にブロック同
士並びにブロックと鋼製セグメントとを上述したように
樹脂製連結部材12によって一体に連結する。
【0023】一方、坑口リング部材17内に円形カッター
板11を装着するには、図4、図5に示すように、上記一
ブロックの形成毎にその背面側に分割片を配設すると共
に止水材19を充填することによって行ってもよく、ま
た、坑口壁4を形成後、円形カッター板11の分割片11a
〜11e を組合せながらボルト15により連結して円形カッ
ター板11を形成すると共に該円形カッター板11をボルト
18によって坑口リング17に固定してもよい。なお、円形
カッター板11の外周端面と坑口リング部材17の内周面と
の間の隙間21に、スポンジよりなる充填部材20を嵌め込
み、止水材19が本トンネルT内に漏洩するのを防止す
る。
【0024】このように分岐トンネル掘進用坑口壁4を
形成したのち、分岐トンネルT1の築造時に円形カッター
板11の固定ボルト18を坑口リング部材17から取り外すと
共に本トンネルT内を通じて円形カッター板11と略同一
外径を有する前後スキンプレート22、23、駆動装置24そ
の他の分岐トンネル掘削用シールド掘削機の構成部材並
びに支圧フレーム25などを搬入し、図6に示すように、
前側スキンプレート22の前端開口部を円形カッター板11
の背面に対向させて支台26上に設置し、前側スキンプレ
ート22の開口部内に張設している隔壁27の背面に駆動装
置24を固着してその回転軸を隔壁27の中心部を貫通して
前方に突出させる。
【0025】さらに、スキンプレート内の複数個所に推
進ジャッキ28を装着すると共にカッター板11と隔壁27間
で形成される土砂取入室29に連通させて隔壁27の背面に
送、排泥管30、31を接続する。しかるのち、本トンネル
Tの覆工に固定した支圧フレーム25に推進ジャッキ28を
当接させ、該推進ジャッキ28を伸長させることによって
スキンプレートを前進させることにより駆動装置24の回
転軸に円形カッター板11の背面中心部を一体に連結、固
着し、分岐トンネル掘削用シールド掘削機S1を構成す
る。
【0026】次いで、このシールド掘削機S1を僅かに後
退させて円形カッター板11の前面を低強度止水材19から
離間させ、しかるのち、円形カッター板11を回転させな
がら推進ジャッキ28を伸長させてシールド掘削機S1を推
進させると、円形カッター板11の前面から突設している
掘削刃(ビット)によって低強度止水材19が切削、破砕
され、次いで低強度コンクリートブロックからなる坑口
壁4も樹脂製連結部材12と共に切削、破砕されてこれら
の破砕片は円形カッター板11に設けている取入口を通じ
て土砂取入室29内に取込まれる。なお、坑口壁4の外周
端面は接着剤5'及び連結部材12によって坑口1に一体に
固着しているので、切削時にカッター板11と共回りする
ことはない。
【0027】カッター板11によって坑口壁4を切削する
際に、坑口壁4を構成する各ブロック同士の接合面が接
着剤5により一体に接着することなく単に接触した状態
であれば、カッター板11の掘削刃によるブロックの破壊
線が接合面で途切れ、破壊線と接合面とで囲まれたブロ
ック部分が分離して塊状のブロック片が発生してカッタ
ー板11から背面側へのブロック片の取り込み、排除がで
きなくなると共に、掘削刃が接合面に達する前に上記の
ように塊状のブロック片として坑口壁4から離脱するか
ら、その離脱跡に接合面が露出し、該露出面に切削刃が
衝突してこの衝撃力で坑口壁4が全体的にガタつき、円
滑な切削ができなくなる。
【0028】そのため、上述したように、各ブロック同
士の接合面全面を接着剤5によって一体に固着してあた
かも一つの壁からなる坑口壁4としているものであり、
従って、カッター板11の切削刃によって上述したように
この坑口壁4を切削すると、ブロック同士の接合面にお
いても隣接するブロック間に亘って連続的に切削され、
上記のような塊状のブロック片の発生や、坑口壁4のガ
タつきがなくなって円滑な切削が可能となるものであ
る。こうして坑口壁4の切削後、図7に示すように、引
き続いてその前方側の地盤をシールド掘削機S1によって
掘進すると共に後側スキンプレート内でセグメント32を
組み立てゝ掘削壁面を覆工し、分岐トンネルT1を築造し
ていくものである。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明の分岐トンネルの坑
口壁の構造によれば、本トンネルから分岐させる分岐ト
ンネルの坑口壁であって、該坑口壁は坑口を複数分割し
た形状を有し且つカッター板によって破砕可能な低強度
材料からなるブロックを互いに接合させて組合せること
により形成されているものであるから、現場において低
強度材料からなるブロックを組合せることによってトン
ネル覆工の一部に坑口壁を能率よく且つ正確に設けるこ
とができると共に、ブロック同士の接合面全面を接着剤
によって一体に接着しているので、あたかも一枚のコン
クリート壁からなる坑口壁の構造を呈してブロック同士
の接合面からコンクリートが塊状に破砕されたり、接合
面にカッタービットが引っ掛かゝって坑口壁がガタつい
たりすることなくカッター板により均一且つ円滑に切削
することができ、切削されたコンクリート破片の排除も
確実に行えて能率のよい分岐トンネルの掘進を可能にす
るものである。
【0030】また、ブロック同士の接合端部間に一方の
ブロックの内面から他方のブロック内に向かって斜め方
向に穿設した互いに連通する接続孔を設けると共にブロ
ックと覆工セグメントとの対向端縁部にも接続孔を設け
ておき、これらの対向する接続孔間に分岐トンネル掘削
用カッター板によって破砕可能な樹脂製連結部材を挿
入、接着してブロック同士及びブロックと覆工セグメン
ト間を一体に連結しているので、ブロック同士及びブロ
ックと覆工セグメントとの連結作業時には、本トンネル
内から接続孔間に樹脂製連結部材を挿入、接着すること
により、簡単且つ強固に両者間を連結することができる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】分岐トンネル掘削用坑口に坑口壁とカッター板
とを配設した状態を示す一部切欠正面図、
【図2】その中央縦断拡大側面図、
【図3】その一部の拡大横断面、
【図4】低強度コンクリートブロックの一部とカッター
板分割片の一部とを組み込んだ状態の正面図、
【図5】その縦断側面図、
【図6】トンネル内に分岐トンネル掘削用シールド掘削
機を設置した状態の簡略縦断側面図、
【図7】分岐トンネルを掘進している状態の簡略縦断側
面図。
【符号の説明】
1 坑口 2、2a〜2e 鋼製セグメント 3a〜3e 切除部 4a〜4e 低強度コンクリートブロック 5 接着剤 9、10 接続孔 12 連結部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−179886(JP,A) 特開 平6−17591(JP,A) 特開 平6−108779(JP,A) 特許3122361(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 301

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本トンネルから分岐させる分岐トンネル
    の坑口壁であって、該坑口壁は坑口を複数分割した形状
    を有し且つカッター板によって破砕可能な低強度材料か
    らなるブロックを互いに接合させて組合せることにより
    形成されていると共に、ブロック同士の接合面全面を接
    着剤によって一体に接着してあり、さらに、ブロック同
    士の接合端部間に一方のブロックの本トンネル内に向け
    た内面から他方のブロック内に向かって斜め方向に穿設
    した互いに連通する接続孔を設けてあり、これらの接続
    孔間にカッター板によって破砕可能な樹脂製連結部材を
    本トンネル内から挿入、接着してブロック同士を一体に
    連結していることを特徴とする分岐トンネルの坑口壁の
    構造。
JP15300696A 1996-05-24 1996-05-24 分岐トンネルの坑口壁の構造 Expired - Lifetime JP3311930B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15300696A JP3311930B2 (ja) 1996-05-24 1996-05-24 分岐トンネルの坑口壁の構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15300696A JP3311930B2 (ja) 1996-05-24 1996-05-24 分岐トンネルの坑口壁の構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09317377A JPH09317377A (ja) 1997-12-09
JP3311930B2 true JP3311930B2 (ja) 2002-08-05

Family

ID=15552899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15300696A Expired - Lifetime JP3311930B2 (ja) 1996-05-24 1996-05-24 分岐トンネルの坑口壁の構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3311930B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09317377A (ja) 1997-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2833482B2 (ja) トンネルのスチールライニング構造
JP3311930B2 (ja) 分岐トンネルの坑口壁の構造
JP2008050779A (ja) シールドトンネルの拡幅部形成工法および拡幅部構造
JP3088943B2 (ja) 分岐トンネル掘削用坑口壁の構造
JP3122361B2 (ja) 分岐トンネル掘削用坑口壁の構造
JP3245528B2 (ja) 分岐トンネル坑口からのシールド掘削機の発進方法
JP2593356B2 (ja) トンネル構築工法
JPH0781489B2 (ja) トンネル築造方法および装置
JP4730607B2 (ja) シールドトンネルの構築工法
JP3378615B2 (ja) トンネルの施工方法
JP4343748B2 (ja) トンネルの掘削方法
KR101452180B1 (ko) 프리캐스트 중공블록을 이용한 비 개착식 지하구조물 시공방법
JP4299251B2 (ja) 掘削装置及び管状部材の埋設方法
JPH11280373A (ja) トンネル坑口の発進装置および発進方法
JP3122362B2 (ja) 坑口パッキンの取付構造
JPH09125872A (ja) 分岐トンネル坑口を有する本トンネルの覆工方法
JP2018178593A (ja) 地中壁構築方法
KR100383452B1 (ko) 지하터널 작업구 벽체 조성 구조
JP3153887B2 (ja) シールドトンネルの接合工法
JPH0774586B2 (ja) シールド掘削機によるトンネル分岐方法および掘削機のカッター板
JP4191536B2 (ja) シールドトンネルの合流部の構築方法
JP2002194988A (ja) 到達立て坑内へのトンネル掘削機の受け入れ方法およびその設備
JP3688253B2 (ja) 土留めプレート付き管状部材の埋設方法
JP2650539B2 (ja) 地中連続壁の構築工法
JPH0658035B2 (ja) シ−ルド掘進におけるトンネル接合工法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110524

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110524

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140524

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term