JP3453665B2 - ラミネート化粧材及びその製造方法 - Google Patents

ラミネート化粧材及びその製造方法

Info

Publication number
JP3453665B2
JP3453665B2 JP29599294A JP29599294A JP3453665B2 JP 3453665 B2 JP3453665 B2 JP 3453665B2 JP 29599294 A JP29599294 A JP 29599294A JP 29599294 A JP29599294 A JP 29599294A JP 3453665 B2 JP3453665 B2 JP 3453665B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl chloride
layer
resin
acetate copolymer
vinyl acetate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29599294A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08132571A (ja
Inventor
義昭 根津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP29599294A priority Critical patent/JP3453665B2/ja
Publication of JPH08132571A publication Critical patent/JPH08132571A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3453665B2 publication Critical patent/JP3453665B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラミネート化粧材とそ
の製造方法に関し、さらに詳しくは、耐候性、耐汚染性
に優れた化粧材とその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐候性や耐汚染性に優れた化粧材
を得るには、化粧材の外表面を構成する材料に、フッ素
原子を有する樹脂であるフッ素樹脂を用いることができ
れば、良い結果が得られることが知られている。しか
し、フッ素樹脂として古くから知られている4フッ化の
ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと称す
る)は、以上の点で卓越した物性を有するが溶融押出適
性がなくフィルム化等の加工性や、接着しにくく他のフ
ィルムとの積層化が難しい等の点で、化粧材の材料とし
ての利用は難しい。
【0003】そこで、耐候性等はPTFEより若干劣る
が、フッ素原子数を減らした2フッ化のポリフッ化ビニ
リデン(以下、PVDFと称する)は溶融押出適性を有
し、この樹脂とアクリル樹脂とを共押出して成膜した2
層フィルムのアクリル樹脂面と、塩化ビニル樹脂フィル
ムとを熱ラミネートの一種であるダブリングエンボスし
た化粧材が知られている。なお、アクリル樹脂との2層
フィルム化は、PVDFフィルムに塩化ビニル樹脂フィ
ルムとの熱ラミネート適性を持たせるためである。ま
た、エンボスは化粧材表面に木目導管等の凹凸模様を演
出する為である。
【0004】しかし、2フッ化のPVDFはPTFEよ
りも耐汚染性が劣るために、フッ素原子数が多い4フッ
化のフッ素樹脂として、共重合モノマーにテトラフルオ
ロエチレンとエチレンを用いた共重合物であるエチレン
−テトラフルオロエチレン共重合体(以下、ETFEと
も称する)のフィルムと塩化ビニル樹脂フィルムとを、
接着剤を用いてドライラミネートした後、エンボスした
化粧材もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記P
VDFとアクリル樹脂と塩化ビニル樹脂との積層体から
なる化粧材では、上述したように耐汚染性に劣り、一
方、ETFEと塩化ビニル樹脂とをドライラミネートし
た化粧材では、ドライラミネート用の接着剤の養生に長
時間を要し、しかもドライラミネートとエンボスとの二
工程を要する。また、ETFEは塩化ビニル樹脂との熱
ラミネート適性がない。
【0006】そこで、本発明は、耐汚染性や耐候性等に
優れ、必要に応じ凹凸模様を有するラミネート化粧材
と、該化粧材を容易に製造する方法を提供することを課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明のラミネー
ト化粧材では、フッ素樹脂フィルム上に、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体を用いたウレタン樹脂を有する層、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有
する層、塩化ビニル樹脂を有する層が順次積層され、絵
柄層が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いたウレタ
ン樹脂を有する層と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と
アクリル樹脂とを有する層との間、又は塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有する層と塩化ビ
ニル樹脂を有する層との間に積層された構成とする。ま
た、上記ラミネート化粧材において、フッ素樹脂フィル
ムを、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(E
TFE)から構成するものでもある。また、上記ラミネ
ート化粧材において、外表面に凹凸模様を有する構成と
するものでもある。
【0008】本発明のラミネート化粧材の製造方法で
は、絵柄層を形成する位置により、大別して3種類の方
法がある。すなわち、第1の製造方法は、フッ素樹脂フ
ィルム上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いた
ウレタン樹脂を有する層、絵柄層、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体とアクリル樹脂とを有する層を順次積層し
たフッ素樹脂中間シートの塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体とアクリル樹脂とを有する層面に対して、塩化ビニ
ル樹脂を有するシートを熱ラミネートにより積層する構
成とする。
【0009】第2の製造方法は、フッ素樹脂フィルム上
に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いたウレタン
樹脂を有する層、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とア
クリル樹脂とを有する層、絵柄層を順次積層したフッ素
樹脂中間シートの絵柄層面に対して、塩化ビニル樹脂を
有するシートを熱ラミネートにより積層する構成とす
る。
【0010】第3の製造方法は、フッ素樹脂フィルム上
に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いたウレタン
樹脂を有する層、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とア
クリル樹脂とを有する層を順次形成したフッ素樹脂中間
シートの塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹
脂とを有する層面に対して、絵柄層を形成した塩化ビニ
ル樹脂を有するシートを絵柄層面で熱ラミネートにより
積層する構成とする。
【0011】そして、上記第1、第2及び第3の製造方
法において、フッ素樹脂フィルムにエチレン−テトラフ
ルオロエチレン共重合体(ETFE)を用いる構成とす
るものでもある。くわえて、これらの製造方法の熱ラミ
ネートを、ラミネートと同時にエンボスするダブリング
エンボス加工により行い、積層と同時に外表面に凹凸模
様を形成する構成とするものでもある。
【0012】以下、図面を参照しながら本発明のラミネ
ート化粧材を詳述する。図1は本発明のラミネート化粧
材の一実施例を示す縦断面図である。同図において、ラ
ミネート化粧材1は、外表面側から、フッ素樹脂フィル
ム2、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いたウレタ
ン樹脂を有する層3、絵柄層4、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体とアクリル樹脂とを有する層5、塩化ビニル
樹脂を有する層6とから構成される。
【0013】また、図2は、本発明のラミネート化粧材
の他の実施例を示す図で、絵柄層4が、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有する層5と塩化
ビニル樹脂を有する層6との間に位置する構成のラミネ
ート化粧材である。
【0014】また、図3は、さらに他の実施例を示す図
であり、図1の材料の層構成で外表面に凹凸模様8が形
成されたラミネート化粧材である。なお、図示はしない
が、図3と同様に、図2の層構成に対しても外表面に凹
凸模様が形成された構成のラミネート化粧材もある。
【0015】以下、各層を構成する材料、及び製造方法
を説明する。
【0016】フッ素樹脂フィルム2としては、従来公知
のフッ素樹脂フィルムが挙げられ、例えば、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(P
FA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロ
エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオ
ロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライ
ド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)等
であるが、これらの中でも、耐汚染性、耐候性、密着
性、フィルム化や積層等の加工適性等の点から、エチレ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)が好
ましい。なお、ETFEとしては、物性向上の為に共重
合モノマーとして第三成分を併用したものも含む。フッ
素樹脂フィルムの厚さは、好ましくは10〜50μm、
より好ましくは12〜25μmが最適である。10μm
未満では、熱ラミネート製造時の機械強度等の搬送適
性、また耐候性等が低下し、50μmを超えると耐候性
等の点で過剰性能となりコスト高となる。また、フッ素
樹脂フィルムの積層面にコロナ処理等の公知の易接着処
理を施せば、密着性がより向上する。
【0017】塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いた
ウレタン樹脂を有する層3は、フッ素樹脂フィルム2と
塩化ビニル樹脂を有する層6との密着性(具体的にはそ
の間に介在する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアク
リル樹脂とを有する層5との密着性)を実現し、且つ熱
ラミネートを可能にするための層の一つである。このよ
うな働きをする塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用い
たウレタン樹脂を有する層は、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体とイソシアネートとの反応で得られるウレタン
樹脂を有する層である。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体を用いたウレタン樹脂を有する層の形成は、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体と多官能のポリイソシアネート
と溶剤等からなる2液硬化型の塗液を、公知の塗布方法
にて塗布して行われる。ポリイソシアネートは、ポリウ
タレン原料として従来公知の各種ポリイソシアネート類
が使用できる。また、塗布量は、ドライ時(乾燥時)
で、2g/m2 以上とする。2g/m2 未満では密着不
良となる。
【0018】塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリ
ル樹脂とを有する層5は、上記の塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体を用いたウレタン樹脂を有する層3と共に、
フッ素樹脂フィルム2と塩化ビニル樹脂を有する層6と
の間に介在し、密着性を、そして特に熱ラミネート適性
を発現するための層である。このような働きをする塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有する
層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂
との混合物からなる層である。アクリル樹脂としては、
従来公知の各種の単独重合体や共重合体が適宜用いられ
る。また、塗布量は、ドライ時(乾燥時)で、2g/m
2 以上とする。2g/m2 未満では密着不良となる。
【0019】絵柄層4は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体を用いたウレタン樹脂を有する層3と塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有する層5との
間、あるいは、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアク
リル樹脂とを有する層5と塩化ビニル樹脂を有する層6
との間に設けられる。従って、どちらの場合も塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有する層5
に接する。よって、絵柄層4としては、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有する層と同じ樹
脂系とすることが密着性の点から好ましく、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との混合樹脂から
なるビヒクルに顔料等の着色剤、各種添加剤等を加えた
インキの印刷により形成する。
【0020】絵柄層4の印刷は、フッ素樹脂フィルム2
に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いたウレタン樹
脂を有する層3を塗工したその上に行えば、図1の様な
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いたウレタン樹脂
を有する層3と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアク
リル樹脂とを有する層5との間に絵柄層4が形成され
る。或いは、フッ素樹脂フィルム2に塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体を用いたウレタン樹脂を有する層3、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有す
る層5を順次塗工した後の、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体とアクリル樹脂とを有する層5の面に上に行え
ば、図2の様な塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアク
リル樹脂とを有する層5と塩化ビニル樹脂を有する層6
との間に絵柄層4が形成される。或いは、後者の場合、
後述する塩化ビニル樹脂を有するシートの塩化ビニル樹
脂面に印刷形成しておいても良い。
【0021】なお、絵柄層4は、省略することもでき
る。この場合、下記する塩化ビニル樹脂を有する層6を
着色したものを用い、それを化粧層とする。
【0022】以上の様にして、フッ素樹脂フィルム2
と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いたウレタン
樹脂を有する層3、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と
アクリル樹脂とを有する層5、必要に応じ絵柄層4が積
層されたフッ素樹脂中間シート7が得られる。
【0023】塩化ビニル樹脂を有する層6は、塩化ビニ
ル樹脂を有するシートを用いて形成される。本発明でい
う塩化ビニル樹脂を有するシートとは、塩化ビニル樹脂
からなるフィルム、又は他の基材に塩化ビニル樹脂を積
層した複合シートである。塩化ビニルフィルムの場合
は、可塑剤含有量8〜30phr程度で厚み0.05〜
0.3mm程度のフィルムが取り扱い上好ましい。
【0024】複合シートとしては、本発明のラミネート
化粧材を壁紙として使用するのであれば、壁紙用材料と
して従来公知の各種の難燃処理をした坪量50〜100
g/m2 程度の紙、あるいは、ガラス繊維、ポリエステ
ル、ビニロン、アクリル繊維等からなる不織布等を裏打
ち層として用い、該裏打ち層に、塩化ビニル樹脂のプラ
スチゾル又はオルガノゾルを塗工して表面に塩化ビニル
樹脂層を形成した塩化ビニル樹脂を有するシートが使用
できる。この場合、塩化ビニル樹脂層とは塗工された塩
化ビニル樹脂が紙や不織布の繊維間に含浸するので、純
粋に塩化ビニル樹脂単体の層のみを意味せず、これらの
基材との複合層をも意味する。複合シート形式の場合、
塩化ビニル樹脂の塗工量はドライで150g/m2 程度
以上は必要である。これ未満では密着不良となる。この
様な複合シートから得られるラミネート化粧材の一例を
図6に示す。同図は、図1の層構成において塩化ビニル
樹脂を有する層6を、裏打ち層62と塩化ビニル樹脂層
61とから構成した塩化ヒニル樹脂を有するシートから
形成したものである。なお、図6の構成において、外表
面に凹凸模様を形成した態様とすれば、凹凸感も表現で
きる。
【0025】また、塩化ビニル樹脂のゾルを塗工して塩
化ビニル樹脂を有するシートとする場合、塗工する塩化
ビニル樹脂のゾル中に、発泡壁紙用原料として公知の発
泡剤を含有させておけば、フッ素樹脂フィルムとの熱ラ
ミネート前に発泡させることで、塩化ビニル樹脂を有す
る層のボリュームアップをすることもできる。
【0026】そして、フッ素樹脂中間シートと塩化ビニ
ル樹脂を有するシートとを熱ラミネート加工により熱溶
融接着で積層する。熱ラミネートの条件は、通常150
〜200℃まで加熱して塩化ビニル樹脂を軟化させて行
う。そして、この際、エンボス版を用いれば、熱ラミネ
ートと表面への凹凸模様の賦形とが一工程で出来るダブ
リングエンボス加工が行える。図4は、このようなダブ
リングエンボス機の概念図である。
【0027】図4で、ダブリングエンボス機100は、
右側からフッ素樹脂中間シート7と塩化ビニル樹脂を有
するシート6が巻取りから連続的に供給される。そし
て、押し圧ロール101により、駆動回転している加熱
ドラム102にそれぞれのシートが重ね合わされて供給
され、加熱ドラム上で加熱ドラム及びヒータ103とに
より加熱される。そして駆動回転しているエンボス版1
04とバックアップロール105との間に搬送されて熱
圧により両シートは接着すると共に外表面となるフッ素
樹脂フィルムの表面に凹凸模様がエンボスされる。そし
て、ガイドロール106に案内されて、ラミネート化粧
材1として巻き取られる。
【0028】また、図5は別のダブリングエンボス機を
示し、図5の装置とは、フッ素樹脂中間シート7を塩化
ビニル樹脂を有するシート6と重ね合わせるタイミング
が異なり、エンボス版104に入る直前としたものであ
る。
【0029】
【作用】本発明のラミネート化粧材では、フッ素樹脂フ
ィルムと塩化ビニル樹脂を有するシートとの間に、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いたウレタン樹脂を有
する層と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹
脂とを有する層の2層を介した(絵柄層もこれらの各層
間のいずれかに形成される)構成とした為、フッ素樹脂
フィルムと塩化ビニル樹脂を有するシートとの密着性に
優れたラミネート化粧材が得られる。特に、フッ素樹脂
フィルムとして、エチレン−テトラフルオロエチレン共
重合体(ETFE)を用いると、耐汚染性等と密着性が
両立する。
【0030】また、本発明のラミネート化粧材の製造方
法では、フッ素樹脂フィルム面に塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体を用いたウレタン樹脂を有する層、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有する層を
形成してあるので、塩化ビニル樹脂を有するシートとの
熱ラミネートが行える(絵柄層は塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体とアクリル樹脂とを有する層の上面又は下
面、或いは塩化ビニル樹脂を有するシートの熱ラミネー
ト面に形成する)。そして、フッ素樹脂フィルムとし
て、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ET
FE)を用いることによりラミネート化粧材の耐汚染性
と密着性が両立した優れたものとなる。また、熱ラミネ
ート時にエンボス版を用いれば、熱ラミネートと同時に
表面賦形するダブリングエンボスが行える。
【0031】
【実施例】本発明のラミネート化粧材及びその製造方法
を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、文中
「部」とあるのは、全て重量基準である。
【0032】実施例1 (フッ素樹脂中間シートの作成)フッ素樹脂フィルムと
して、25μm厚のエチレン−テトラフルオロエチレン
共重合体(ETFE)(旭硝子(株)製 アフレックス
ETFE)のコロナ処理面に対して、グラビア塗工方
式により、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いたウ
レタン樹脂を有する層形成用塗液(ザ・インクテック
(株)製 ALFA)を2.5g/m2 (乾燥時)塗工
して塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いたウレタン
樹脂を有する層を形成した。次いで、その上にインライ
ンで、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂
との混合樹脂と顔料等からなる着色インキ((株)昭和
インク工業所製 化X)で絵柄層を印刷形成し、さら
に、その上に、前出の着色インキの樹脂分のみからなる
塗液を2.5g/m2 (乾燥時)塗工して塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有する層を形成
して、フッ素樹脂中間シートを得た。
【0033】(ダブリングエンボス加工)次に、上記フ
ッ素樹脂中間シートの塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
とアクリル樹脂とを有する層面に対して、厚み0.1m
mの塩化ビニル樹脂フィルム(理研ビニル工業(株)製
W500)を、図4に示す様なダブリングエンボス機
により熱ラミネートすると同時に外表面への凹凸模様の
賦形を行った。中間シートと塩化ビニル樹脂フィルムと
は、加熱ドラム上で重ね合わされると共に加熱ドラム及
びヒータで加熱された後、エンボス版に加圧されて外表
面に凹凸模様としてシボを形成し、本発明のラミネート
化粧材を得た。なお、シート及びフィルムの加熱温度は
150℃、エンボス圧は4MPaの条件で行った。
【0034】実施例2 塩化ビニル樹脂を有するシートとして、坪量70g/m
2 の難燃紙((株)興人製 70 NRDS)に下記配
合の塩化ビニル樹脂のプラスチゾルからなる塩化ビニル
樹脂塗液を塗工した後、180℃で2分間加熱処理して
塩化ビニル樹脂層を有するシートを得た。このシートと
実施例1で使用したフッ素樹脂中間シートとを、図5に
示す様なダブリングエンボス機により、熱ラミネートす
ると同時に外表面への凹凸模様の賦形を行った。塩化ビ
ニル樹脂を有するシートの塩化ビニル樹脂層は、加熱ド
ラム上で加熱されて発泡・軟化された後、エンボス版部
分でフッ素樹脂中間シートと重ね合わされて密着し、エ
ンボス版に加圧されて外表面に凹凸模様としてシボを形
成し、本発明のラミネート化粧材を得た。なお、シート
の加熱温度は200℃、エンボス圧は4MPaの条件で
行った。本実施例の場合は、塩化ビニル樹脂を有するシ
ートをエンボス前に発泡させる為に、加熱ドラム上でフ
ッ素樹脂中間シートと重ね合わされる実施例1で用いた
図4に示すダブリングエンボス機は発泡が制約される
為、図5の装置を用いる。
【0035】 (塩化ビニル樹脂塗液) 塩化ビニル樹脂(鐘淵化学工業(株)製 PSH−280) 100部 充填剤(東洋ファインケミカル(株)製 ホワイトン−H) 70部 充填剤(帝国化工(株)製 JRNC) 22部 発泡剤(大塚化学(株)製 AZS) 3部 可塑剤(DOP:フタル酸ジオクチル) 60部 安定剤(共同薬品(株)製 KF675) 2部 安定剤(旭電化工業(株)製 MARK−666) 1部
【0036】
【発明の効果】本発明のラミネート化粧材は以上説明し
たように構成されているので、耐候性、耐汚染性等の物
性と密着性とが両立した優れた性質が得られる。特に、
フッ素樹脂フィルムとしてETFEを用いると、これら
の性質がバランス良く優れたものとなる。また、表面に
凹凸模様を形成すれば、意匠感がより優れる。
【0037】また、本発明のラミネート化粧材の製造方
法によれば、フッ素樹脂の耐候性や耐汚染性と、塩化ビ
ニル樹脂含有シートとの密着性とが両立したラミネート
化粧材を、熱ラミネート加工により容易に製造すること
ができる。また、熱ラミネート時にエンボス版を用いれ
ば、熱ラミネート工程と外表面への凹凸模様の賦形工程
とが一工程で行えるダブリングエンボス加工が可能とな
る。そして、特にフッ素樹脂フィルムとしてETFEを
用いると、耐候性や耐汚染性と密着性とがバランス良く
両立した化粧材を容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラミネート化粧材の一実施例を示す縦
断面図。
【図2】本発明のラミネート化粧材の他の実施例を示す
縦断面図。
【図3】本発明のラミネート化粧材の他の実施例を示す
縦断面図。
【図4】本発明のラミネート化粧材の製造方法の一実施
例を示す概念図。
【図5】本発明のラミネート化粧材の製造方法の他の実
施例を示す概念図。
【図6】本発明のラミネート化粧材の他の実施例を示す
縦断面図。
【符号の説明】
1 ラミネート化粧材 2 フッ素樹脂フィルム 3 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いたウレタ
ン樹脂を有する層 4 絵柄層 5 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂
とを有する層 6 塩化ビニル樹脂を有する層,塩化ビニル樹脂を有
するシート 61 塩化ビニル樹脂層 62 裏打ち層 7 フッ素樹脂中間シート 8 凹凸模様 100 ダブリングエンボス機 101 押し圧ロール 102 加熱ドラム 103 ヒータ 104 エンボス版 105 バックアップロール 106 ガイドロール
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−45151(JP,A) 特開 平6−79830(JP,A) 特開 平5−229066(JP,A) 特開 平6−87192(JP,A) 特開 平8−174774(JP,A) 実開 平4−2630(JP,U) 実開 昭62−150136(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂フィルム上に、塩化ビニル−
    酢酸ビニル共重合体を用いたウレタン樹脂を有する層、
    塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有
    する層、塩化ビニル樹脂を有する層が順次積層され、絵
    柄層が塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いたウレタ
    ン樹脂を有する層と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と
    アクリル樹脂とを有する層との間、又は塩化ビニル−酢
    酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有する層と塩化ビ
    ニル樹脂を有する層との間に積層されていることを特徴
    とするラミネート化粧材。
  2. 【請求項2】 フッ素樹脂フィルムが、エチレン−テト
    ラフルオロエチレン共重合体からなることを特徴とする
    請求項1記載のラミネート化粧材。
  3. 【請求項3】 外表面に凹凸模様を有することを特徴と
    する請求項1又は2記載のラミネート化粧材。
  4. 【請求項4】 フッ素樹脂フィルム上に、塩化ビニル−
    酢酸ビニル共重合体を用いたウレタン樹脂を有する層、
    絵柄層、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹
    脂とを有する層を順次積層したフッ素樹脂中間シートの
    塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有
    する層面に対して、塩化ビニル樹脂を有するシートを熱
    ラミネートにより積層することを特徴とするラミネート
    化粧材の製造方法。
  5. 【請求項5】 フッ素樹脂フィルム上に、塩化ビニル−
    酢酸ビニル共重合体を用いたウレタン樹脂を有する層、
    塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有
    する層、絵柄層を順次積層したフッ素樹脂中間シートの
    絵柄層面に対して、塩化ビニル樹脂を有するシートを熱
    ラミネートにより積層することを特徴とするラミネート
    化粧材の製造方法。
  6. 【請求項6】 フッ素樹脂フィルム上に、塩化ビニル−
    酢酸ビニル共重合体を用いたウレタン樹脂を有する層、
    塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有
    する層を順次形成したフッ素樹脂中間シートの塩化ビニ
    ル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂とを有する層面
    に対して、絵柄層を形成した塩化ビニル樹脂を有するシ
    ートを絵柄層面で熱ラミネートにより積層することを特
    徴とするラミネート化粧材の製造方法。
  7. 【請求項7】 フッ素樹脂フィルムに、エチレン−テト
    ラフルオロエチレン共重合体を用いることを特徴とする
    請求項4,5又は6記載のラミネート化粧材の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 熱ラミネートを、ラミネートと同時にエ
    ンボスするダブリングエンボス加工により行い、積層と
    同時に外表面に凹凸模様を形成することを特徴とする請
    求項4,5,6又は7記載のラミネート化粧材の製造方
    法。
JP29599294A 1994-11-07 1994-11-07 ラミネート化粧材及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3453665B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29599294A JP3453665B2 (ja) 1994-11-07 1994-11-07 ラミネート化粧材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29599294A JP3453665B2 (ja) 1994-11-07 1994-11-07 ラミネート化粧材及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08132571A JPH08132571A (ja) 1996-05-28
JP3453665B2 true JP3453665B2 (ja) 2003-10-06

Family

ID=17827738

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29599294A Expired - Fee Related JP3453665B2 (ja) 1994-11-07 1994-11-07 ラミネート化粧材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3453665B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08132571A (ja) 1996-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20220259868A1 (en) Flooring panel equipped with quick-release adhesive sheet
US3709752A (en) Method of making suede-like plastic
JP2003266549A (ja) 発泡化粧シート用原反と発泡化粧シートの製造方法
GB2307441A (en) A patterned heat welding rod
US4122224A (en) Wall and floor coverings
JP3453665B2 (ja) ラミネート化粧材及びその製造方法
JPH05229066A (ja) 化粧シート
JP4383799B2 (ja) フッ素樹脂フィルムが積層されたシート材
KR200303367Y1 (ko) 내구성 및 외관효과가 뛰어난 상업용 벽지
JP2001260287A (ja) 耐汚染性に優れた発泡壁紙及びその製造方法
KR102037641B1 (ko) 인조가죽 및 이의 제조방법
KR102057398B1 (ko) 인조가죽 및 이의 제조방법
JP4406728B2 (ja) 鋼板用ラミネートフィルム
KR102080403B1 (ko) 우수한 표면 외관을 갖는 인조가죽 및 그 제조방법
JP2018044340A (ja) 床材およびその製造方法
JP3111373B2 (ja) 発泡内装材及びその製造方法
JP6934713B2 (ja) 床材の製造方法
JP3083257B2 (ja) 内装材料の製造方法
JP2971509B2 (ja) 支持フィルムを仮貼りした複合フィルム
JP6897181B2 (ja) 化粧シート及び化粧板
JPH04226747A (ja) 反り防止シ−ト材
JPH074908B2 (ja) 粗面表層を有するポリ塩化ビニル積層フィルム
JP2617979B2 (ja) 多層化粧フィルムの製造方法
JPH0411789Y2 (ja)
JP2006051811A (ja) 熱可塑性樹脂貼合シートの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030617

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees