JP3451996B2 - ドラム - Google Patents
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- G10D—STRINGED MUSICAL INSTRUMENTS; WIND MUSICAL INSTRUMENTS; ACCORDIONS OR CONCERTINAS; PERCUSSION MUSICAL INSTRUMENTS; AEOLIAN HARPS; SINGING-FLAME MUSICAL INSTRUMENTS; MUSICAL INSTRUMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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- G10D13/10—Details of, or accessories for, percussion musical instruments
- G10D13/22—Shells
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Description
アドラム、マーチングドラム等に適用して好適なドラム
に関する。 【0002】 【従来の技術】バスドラム、スネアドラム、マーチング
ドラム、フロアドラム等のドラムの胴は、打音の共鳴機
能と、ドラムヘッドやスナッピーを支持する強度部材と
しての機能を有している。このため、胴としては、形状
を安定に維持し気候条件、ドラムヘッドの張力等によっ
て変形せず、調音の狂いが少ないこと、自己振動または
自己吸収を起こさないことなどが要求される。このよう
な胴は、木材、アルミニウム等の金属、FRP(繊維強
化合成樹脂)などによって製作されるが、その材質によ
って音質が異なる。すなわち、金属製または合成樹脂製
の胴は音の伝達速度が速く高音特性に優れ、音の減衰時
間が短く軽快で切れがよく明るい響きの音が得られる。
一方、木製の胴は音の伝達速度が遅く低音特性に優れ、
音の減衰時間が長く、金属または合成樹脂製のものに比
べて音質的に暖かみがあり落ち着いた響きの音が得られ
る。このため、現状では木製の胴が主流を占めている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記した通り、この種
のドラムはその種類、使用する材質等によって特有の音
色を有するものであり、新しい音色を得ようとすると、
ドラム自体の設計をし直す必要がある。 【0004】例えば、米国特許第5,377,576号
明細書には、胴を軸線方向に分割して形成した3つの円
筒体で構成し、ドラムヘッドが張設される両端部分の円
筒体を金属製、中央部分の円筒体を木製としたドラムが
提案されている。このようなドラムにおいては、振動エ
ネルギの伝達速度が速くなり、音色を金属製胴の音色に
近づけることができる。 【0005】しかしながら、上記した従来のドラムにお
いては、ドラムヘッドを打撃するとその振動エネルギが
先ず金属製の円筒体に全て伝達されるため、音色が金属
製胴の音色に近くなり、木製胴としての性質が失われる
という問題があった。言い換えれば3つの円筒体に分割
し中央部分を木製の円筒体にする意味が損なわれる。ま
た、円筒体どうしの接続部が2箇所でき、この接続部に
おいて振動エネルギの損失が大きく、振動が速く減衰
し、十分なエネルギ伝達が行われないという問題もあっ
た。 【0006】本発明は上記した従来の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、振動エ
ネルギを速やかに伝達することができ、木製胴と金属製
胴の中間的な音色を得ることができ、また胴の強度を向
上させるようにしたドラムを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、ドラムヘッドが張設される木製の胴を備えたドラム
において、前記胴の開口端面に挿入孔を胴の軸線方向に
形成し、この挿入孔に金属部材を埋設したものである。 【0008】本発明において、金属部材はドラムヘッド
の振動エネルギを速やかに伝達する。また、胴の強度を
増大させる。金属部材としては、棒状のものまたは薄板
状のものが用いられる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明をスネア
ドラムに適用した一実施の形態を示す外観斜視図、図2
は胴の斜視図、図3は胴の要部の拡大断面図である。こ
れらの図において、スネアドラム1は、両端が開放する
円筒状の胴2と、この胴2の各開口面をそれぞれ覆うよ
うに張設された2枚のドラムヘッド3(3A,3B)
と、これらのドラムヘッド3を支持、緊張する複数個の
ヘッド支持緊張手段4等を備えている。 【0010】前記胴2は適度な硬さと音響特性に優れた
材質からなる木材、例えばメイプル、カバ、ブナ等によ
って製作され、周壁に内外を連通させる適宜な大きさの
ベントホール5が形成されている。このような胴2の製
作に当たっては、通常ロータリーレース(丸剥機)によ
って木材を丸剥ぎすることにより薄くて厚さが均一な単
板を製作し、この単板を複数枚積層接着して形成した合
板を円筒状に丸めてその両端を接合することにより製作
される。胴2の各開口端面2a,2bは、ドラムヘッド
3の支持点を明確にするために図3に示すように胴2の
中心方向に向かってエッジ状に切り落とされるととも
に、不貫通孔からなる複数個の挿入孔7が胴2の軸線方
向に形成されており、これらの挿入孔7に細長い金属棒
8が挿入され、かつ接着剤によって固定されている。 【0011】金属棒8の材質としては、鉄、真鍮、銅、
アルミニウム等が用いられる。金属棒8の外径は1〜6
mm程度、長さは胴2の大きさによっても異なるが10
mm程度で、胴2の周方向に等間隔をおいて5〜20本
程度埋設される。金属棒8の埋設に当たっては、挿入孔
7を胴2の外周寄りに形成し、金属棒8の挿入孔7から
露呈する端面の一部がドラムヘッド3の裏面に接触する
ようにすることが望ましい。実際には、直径が5mm、
長さが45mmの真鍮製金属棒8を胴2の各開口端面2
a,2bにそれぞれ20本ずつ埋設して製作した。 【0012】図3においては、胴2の各開口端面2a,
2bにぞれぞれ金属棒8を埋設した例を示しているが、
例えば図4に示すように表面側ドラムヘッド3Aが張設
される開口端面2aにのみ金属棒8を埋設したり、ある
いは図5に示すように両開口端面2a,2bに貫通する
挿入孔7Aを形成し、この挿入孔7Aに長い金属棒8A
を挿入し、両端面を開口端面2a,2bに露呈させても
よい。開口端面2a,2bは内側に傾斜するエッジ状の
断面形状としたが、断面形状は任意であり、例えば図6
に示すように山形に形成してその中央に金属棒8を埋設
するようにすれば、ドラムヘッド3金属棒8を確実に接
触させることができる。 【0013】前記ドラムヘッド3は、天然皮革、合成樹
脂製フィルム(例:ポリエステル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂等)によって形成され、胴2の両端開口部に一様
な張力で張設されることにより、胴2を密閉している。
胴2とドラムヘッド3A,3Bとによって密閉された胴
2内の空気柱9は、ドラムヘッド3A,3Bの振動伝達
媒体として作用する。 【0014】前記ヘッド支持緊張手段4は、ドラムヘッ
ド3の周縁を保持し、胴2の開口端部の外周に嵌装され
た環状のヘッド枠10と、同じく胴2の外周に嵌装され
前記ヘッド枠10を押圧する環状の締め枠(リム)11
と、胴2の外周面に固定された複数個のラグ12と、各
ラグ12と前記リム11を連結する複数個の締めボルト
13等からなり、この締めボルト13の回転操作によっ
てリム11を軸線方向に移動させると、リム11のヘッ
ド枠10に対する押圧力が変化し、これによってドラム
ヘッド3の張力、言い換えればドラムの音色が調整され
る。 【0015】このようなスネアドラム1は、木製の胴2
に複数本の金属棒8を埋設している点で従来の木製胴と
異なるだけで、その他の構成、形状等は従来と全く同じ
である。演奏時に表面側ドラムヘッド3Aを打撃すると
胴2自体および胴2内の空気柱9がその振動を裏面側ド
ラムヘッド3Bに伝達し、これによって裏面側ドラムヘ
ッド3Bが振動を起こすと、この振動を胴2と空気柱9
が表面側ドラムヘッド3Aに伝えるという具合に両方の
ドラムヘッド3A,3Bに繰り返し振動を起こさせる。 【0016】本発明に係るスネアドラム1と従来の木製
胴を用いたスネアドラムの振動エネルギの伝達速度およ
び音色を測定したところ、本発明においてはドラムヘッ
ド3A,3Bが振動すると、その振動エネルギが胴2と
金属棒8に同時に伝達される。このとき、金属棒8に伝
達される振動エネルギの伝達速度は、木製の胴2に比べ
て速い。したがって、本発明に係るスネアドラム1にお
いては、表面側ドラムヘッド3Aから裏面側ドラムヘッ
ド3Bまでの振動エネルギの伝達時間が従来の木製胴よ
りも短く、異なった音色が得られる。この傾向は、金属
棒8を長くかつ本数を多くすればするほど顕著になり、
金属製胴に近い音色が得られる。反対に、金属棒8を短
くかつ本数を少なくすると、振動エネルギの伝達時間が
長くなり、木製胴に近い音色となる。 【0017】また、胴2自体は1つの円筒体で構成され
接続部を有していないので、上記した米国特許第5,3
77,576号に記載のドラムに比べて振動エネルギの
損失が少なく、振動エネルギを確実に伝達することがで
きる。したがって、振動の減衰時間が長く、大きな音量
を得ることができる。さらに、金属棒8を埋設している
ので、胴2自体の強度を増大させることができる。 【0018】なお、上記した実施の形態においては金属
部材とし金属棒8を用いたが、本発明はこれに何ら限定
されるものではなく、挿入孔7を胴2の周方向に長いス
リット状に形成し、薄い金属板を埋め込むようにしても
よい。また、上記した実施の形態においてはスネアドラ
ムに適用したが、他のドラムにもそのまま適用すること
ができる。 【0019】 【発明の効果】以上説明したように本発明に係るドラム
によれば、胴の開口端面に金属部材を埋設したので、振
動エネルギを従来の木製胴に比べて速く伝達することが
できる。また、振動エネルギの伝達速度を金属部材の
数、長さ等によって自由に調節することが可能で、木製
胴と金属製胴の中間的な音色を得ることができる。ま
た、胴の開口端面に金属部材を埋め込むだけでよいの
で、振動エネルギの損失が少なく、減衰時間が長くて大
きな音が得られる。さらに、胴自体の構造も簡単で、安
価に製作することができ、しかも強度を増大させること
ができる。
態を示す外観斜視図である。 【図2】 胴の斜視図である。 【図3】 胴の要部の拡大断面図である。 【図4】 本発明の他の実施の形態を示す要部の断面図
である。 【図5】 本発明のさらに他の実施の形態を示す要部の
断面図である。 【図6】 胴の他の実施の形態を示す要部の断面図であ
る。 【符号の説明】 1…スネアドラム、2…胴、2a,2b…開口端面、
3,3A,3B…ドラムヘッド、4…ヘッド支持緊張機
構、7…挿入孔、8…金属棒、10…締め枠(リム)、
11…ラグ、13…締めボルト。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ドラムヘッドが張設される木製の胴を備
えたドラムにおいて、前記胴の開口端面に挿入孔を胴の
軸線方向に形成し、この挿入孔に金属部材を埋設したこ
とを特徴とするドラム。
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