JPH11352957A - ドラムセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常の演奏に用いることができ、また搬送性
に優れ、コンパクトに収納することができるようにす
る。 【解決手段】 バスドラム２の胴本体７は、軸線方向に
分割され着脱自在に連結される第１、第２の分割胴８，
９によって構成され、内部にドラム取付用金具３、タム
タム４、スネアドラム５等を収納する。胴本体７は、両
端開口部にドラムヘッド１５がそれぞれ張設され、外周
面には補助脚２２、把持部４８、高さ調整用脚５０等が
取付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、バスドラムを含む
複数のドラムからなるドラムセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】ジャズやロックのバンド演奏などに用い
られるこの種のドラムセットは、２０インチ（または２
２か１８インチ）のベースドラム（バスドラム）と、こ
のバスドラムの上に設置される複数個のタムタムと、バ
スドラムの左横に設置されるフロアタムと、同じく右横
に設置されるハイハットシンバルと、それにスネアドラ
ムという構成が最も一般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のドラムセットにおいては、移動にあたっては
各ドラムを個々に持ち運ばなければならないために、搬
送性が悪く、気軽に搬送することができないという問題
があった。また、収納保管時に床面に並べて収納する
と、かなり広い収納スペースを必要とし、一方積み重ね
て収納すると、高さが高くなり崩れ落ちるおそれがあり
不安定であるという問題もあった。

【０００４】そこで、このような問題を解決するものと
して、例えばバスドラムの胴本体の一端側開口部にドラ
ムヘッドを張設し、他端側開口部を開放とし、この開放
部から胴本体内にタムタム等の他の小さなドラムを収納
するようにしたドラムセットが知られている。しかし、
シングルヘッドのバスドラムはダブルヘッドに較べて演
奏範囲が狭くなるため、通常のバンド編成での演奏には
用いることができないという問題があった。

【０００５】また、特開昭５７−１８５４８７号公報に
開示されているように、バスドラムの中に他の小さなド
ラムを収納するようにした練習用ドラムセットも知られ
ている。しかし、このドラムセットはあくまでも初心者
が練習のために用いるものであり、消音パッドをドラム
ヘッドの裏面に密着させて設けているため通常の演奏に
は用いることができないという問題があった。

【０００６】本発明は上記したような従来の問題を解決
するためになされたもので、その目的とするところは、
通常の演奏に用いることができ、また搬送性に優れ、コ
ンパクトに収納することができるドラムセットを提供す
ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第１の発明は、バスドラムと、このバスドラムの胴本
体内に収納される他の複数個のドラムとを備え、前記胴
本体を軸線方向に分割され着脱自在に連結される第１、
第２の分割胴で構成し、これらの分割胴の連結側開口端
面とは反対側の開口端面にドラムヘッドをそれぞれ張設
したことを特徴とする。

【０００８】第２の発明は、上記第１の発明において、
胴本体に空気穴を設けたことを特徴とする。

【０００９】本発明においては、バスドラムの両端開口
部にドラムヘッドが張設されているので、通常の演奏に
用いることができる。胴本体の内部空間は収納部を形成
しており、第１、第２の分割胴を分離すると、他のドラ
ムを収納することができる。空気穴は音の抜けを良く
し、ドラムヘッドの振動を容易にする。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図１は本発明に係るド
ラムセットの収納状態における外観斜視図、図２は第
１、第２の分割胴を分離した状態を示す外観斜視図、図
３は演奏時の状態を示す外観斜視図、図４はバスドラム
の胴本体にフットペダルを取付けた状態を示す外観斜視
図、図５はバスドラムの要部の断面図、図６はドラム取
付用金具の断面図である。これらの図において、ドラム
セット１は、バスドラム２と、このバスドラム２にドラ
ム取付用金具３を介して設置される大小二個のタムタム
４およびスネアドラム５と、フットペダル６を備えてい
る。

【００１１】前記バスドラム２は、木材、繊維強化合成
樹脂（ＦＲＰ）、金属等で円筒状に形成された胴本体７
を備えている。この胴本体７は、軸線方向に分割され着
脱自在に連結される第１、第２の分割胴８，９によって
構成され、内部空間が前記ドラム取付用金具３、タムタ
ム４、スネアドラム５等を収納する収納部１０を形成し
ている。胴本体７の長さは、前記タムタム４、スネアド
ラム５を重ね合わせた状態で収納し得るに十分な長さを
有している。また、バスドラム２としては、通常直径が
１４〜２０インチのものが用いられる。

【００１２】前記第１、第２の分割胴８，９は、内、外
径が同一で、一端がインロー構造によって嵌合され、外
周面に取付けた複数個のクランプ装置１１によって分離
可能に連結される。そのため、第１、第２の分割胴８，
９の連結側開口端面は、様々な形状が考えられるが、図
５に示すように突部１３と凹部１４が形成されて嵌合す
ることが、すれがなく連結できるので好ましい。第１の
分割胴８と第２の分割胴９の互いに連結される開口端面
と反対側の開口端面には、ドラムヘッド１５がそれぞれ
張設されている。ドラムヘッド１５は、天然皮革、合成
樹脂製フィルム（例：ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂等）等によって形成され、各分割胴８，９の外
周面に取付けた複数個のヘッド支持緊張手段１６によっ
てそれぞれ一様な張力で支持緊張されている。なお、本
実施の形態においては、第１、第２の分割胴８，９の長
さを異ならせ、第２の分割胴９を第１の分割胴８より長
く形成することにより、前記タムタム４、スネアドラム
５等を収納するための容器として用い、第１の分割胴８
を蓋体として用いるようにしている。

【００１３】前記ヘッド支持緊張手段１６は、ドラムヘ
ッド１５の周縁部を保持し、胴本体７の開口端部外周に
嵌装される環状のヘッド枠１７と、同じく胴本体７の外
周に嵌装され前記ヘッド枠１７を押圧する環状の締め枠
（以下、リムという）１８と、このリム１８を胴本体７
にラグ１９を介して連結する締めボルト２０等で構成さ
れている。ドラムヘッド１２の張力、言い換えればドラ
ムの音色は、締めボルト２０を図示しないチューニング
キーによって回してリム１８を軸線方向に移動させる
と、リム１８のヘッド枠１７に対する押圧力が変化する
ため、容易に調節することができる。また、ドラムヘッ
ド１２をチューニングできるので、通常のアコースティ
ックドラムとして十分演奏ができる。なお、ラグ１９
は、各第１、第２の分割胴８，９にそれぞれ取付けられ
ている。

【００１４】また、前記第１の分割胴８の周面には、複
数個の空気穴２１が形成されている。この空気穴２１
は、胴本体７の内外を連通させることにより、音の抜け
を良くするとともにドラムヘッド１５の振動を容易に
し、演奏し易くするためのものである。さらに、第１の
分割胴８の外周面で、胴本体７を床面に横向きに設置し
たとき両側部となる部分には、胴本体７が転がらないよ
うに安定した状態で支持する二本の補助脚２２が取付け
られている。これらの補助脚２２は、基端部が第１の分
割胴８の外周に取付けた脚用取付金具２３に胴本体７の
径方向および軸線方向に回動自在に枢支され、先端にゴ
ム脚２４が取付けられている。そして、これらの補助脚
２１は、不使用時に胴本体７の外周面に沿って収納さ
れ、係止具２５によって第２の分割胴９の外周に係止さ
れる。

【００１５】さらにまた、第１、第２の分割胴８，９の
外周面で、胴本体７を床面に横向きに設置したとき上方
となる部分には、前記ドラム用取付金具３を取付けるた
めの取付部材２７が複数個のボルト２８およびナット２
９によって固定されている。この取付部材２７は、アル
ミニウム合金等によって図６に示すように截頭円錐形に
形成され、先端面中央に前記ドラム用取付金具３のロッ
ド３０が挿通される挿通孔３１を有し、外周面にはロッ
ド３０を取付部材２７に固定するための蝶ねじ３２が挿
通される孔３３が形成されている。また、内部には、前
記ロッド３０が貫通する筒体３４と、前記蝶ねじ３２に
よってロッド３０の外周に押し付けられる押圧板３５
と、蝶ねじ３２に螺合するナット３６が組み込まれてい
る。

【００１６】前記ドラム用取付具３は、前記ロッド３０
と、このロッド３０のバスドラム２側とは反対側の端部
に取付けられたボールジョイント３７とを備えている。
ボールジョイント３７は、ボール３８と、球状のボール
収納部を有し前記ボール３８を全方向に所要角度回動自
在に抱持する抱持部材３９と、この抱持部材３９の内面
にボール３８を押し付けるねじ４０等を備えている。ま
た、ボール３８には連結バー４１が前記ロッド３０と直
交するように一体に突設されている。この連結バー４１
は、タムタム４（またはスネアドラム５）の胴本体４２
の外周面に取付けた取付部材４３に挿通され、蝶ねじ４
４によって固定されることにより、前記タムタム４を支
持する。前記取付部材４３の内部には、前記蝶ねじ４４
によって連結バー４０に押し付けられる押圧板４５と、
蝶ねじ４４に螺合するナット４６が組み込まれている。
また、取付部材４３の内周面には前記押圧板４５に対応
して突部４７が中心方向に一体に突設されており、この
突部４７と前記押圧板４５によって連結バー４１を挟持
するようにしている。

【００１７】さらに前記第２の分割胴９の外周には、搬
送用の把持部４８と、前記フットペダル６が取付けられ
る高さ設定用脚５０が設けられている。把持部４８は、
奏者等がバスドラム２を搬送するときに把持される。高
さ設定用脚５０は、ドラムヘッド側開口端部に取付けら
れ、前記補助脚２２とともにドラムヘッド７を床面から
浮かせた状態で支持することにより、ドラムヘッド１５
の被打撃部（通常は略中心）をフットペダル６のビータ
高さと略一致させるようにしている。

【００１８】図４において、前記フットペダル６は、ロ
ッカ５３を備えた回動軸５４と、この回動軸５４を回動
自在に軸支するフレーム５５と、ロッカ５３にビータロ
ッド５６を介して取付けたビータ５７と、前記ロッカ５
３にタイミングベルト５８を介して連結されたフットボ
ード５９と、前記回動軸５４に復帰方向の回動習性を付
与する圧縮コイルばね６０等で構成されている。このよ
うなフットペダル５１は、従来周知のもので、前記フレ
ーム５５が前記高さ設定用脚５０に着脱自在に取付けら
れており、フットボード５９を踏込操作して回動軸５４
を圧縮コイルばね６０に抗して回動させると、これと一
体にビータ５７が回動してドラムヘッド１５を打撃し、
フットボード５９から踏込力を取り除くと、圧縮コイル
ばね６０の力によってフットボード５９が元の高さ位置
に上昇復帰するように構成されている。

【００１９】このようなドラムセット１にあっては、バ
スドラム２の胴本体７を軸線方向に分割して形成された
第１、第２の分割胴８，９で構成し、その内部にタムタ
ム４、スネアドラム５等を積層状態で収納できるように
しているので、持ち運びが容易である。特に、把持部４
８を備えていると、外ケースが不要となりより一層持ち
運びが容易で、搬送性を向上させることができる。ま
た、バスドラム２を収納するに必要なスペースがあれば
十分であるため、収納スペースを小さくでき、しかもタ
ムタム４、スネアドラム５等はバスドラム２に収納され
て保管されるので、紛失したりするおそれもない。

【００２０】また、バスドラム２は、通常のアコーステ
ィックドラムと同様にダブルヘッドであるため、バンド
演奏に何等不都合なく使用することができ、しかも第
１、第２の分割胴８，９を分離すると、シングルヘッド
のドラムとしても使用することができる。

【００２１】ここで、第１、第２の分割胴８，９の接合
部間に緩衝材を介在させておくと、衝撃を和らげ、各分
割胴の損傷を防止することができる。また、バスドラム
２が十分大きければ、セットに必要な付属品をも収納す
ることができる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るドラ
ムセットによれば、通常の演奏に用いることができ、ま
た搬送性に優れ、コンパクトに収納することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係るドラムセットの収納状態におけ
る外観斜視図である。

【図２】 第１、第２の分割胴を分離した状態を示す外
観斜視図である。

【図３】 演奏時の状態を示す外観斜視図である。

【図４】 バスドラムの胴本体にフットペダルを取付け
た状態を示す外観斜視図である。

【図５】 バスドラムの要部の断面図である。

【図６】 ドラム取付用金具の断面図である。

【符号の説明】

１…ドラムセット、２…バスドラム、３…ドラム取付用
金具、４…タムタム、５…スネアドラム、６…フットペ
ダル、７…胴本体、８…第１の分割胴、９…第２の分割
胴、１５…ドラムヘッド、２１…空気穴、２２…補助
脚、４８…把持部、５０…高さ調整用脚。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バスドラムと、このバスドラムの胴本体
   内に収納される他の複数個のドラムとを備え、前記胴本
   体を軸線方向に分割され着脱自在に連結される第１、第
   ２の分割胴で構成し、これらの分割胴の連結側開口端面
   とは反対側の開口端面にドラムヘッドをそれぞれ張設し
   たことを特徴とするドラムセット。
2. 【請求項２】 請求項１記載のドラムセットにおいて、 胴本体に空気穴を設けたことを特徴とするドラムセッ
   ト。