JP2557958Y2 - 音楽用ドラム - Google Patents

音楽用ドラム

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JP2557958Y2
JP2557958Y2 JP1991092983U JP9298391U JP2557958Y2 JP 2557958 Y2 JP2557958 Y2 JP 2557958Y2 JP 1991092983 U JP1991092983 U JP 1991092983U JP 9298391 U JP9298391 U JP 9298391U JP 2557958 Y2 JP2557958 Y2 JP 2557958Y2
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美津男 柳沢
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パール楽器製造 株式会社
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【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は音楽用ドラムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】バスドラム、タムタム、スネアドラム等
の音楽用ドラムは、両端が開放する筒状の共鳴胴の両端
に一対のドラムヘッド(ドラム膜)を張った構成となっ
ている。
【0003】このドラムヘッドは、その外周縁より若干
内側の部分を共鳴胴の端面で支持されており、共鳴胴周
囲に張出すヘッド外周縁をヘッド外面方向から押えるヘ
ッド押えフープによって緊張されている。このヘッド押
えフープは、その複数箇所を複数本のフープ締付けボル
トによってドラムヘッド緊張方向(ドラムヘッドを共鳴
胴に押付ける方向)に締付けられるようになっており、
このフープ締付けボルトは、ヘッド押えフープに設けた
ボルト挿通孔に挿通され、共鳴胴の周囲に配置したボル
ト受け金具に螺合挿入されている。
【0004】ところで、上記ボルト受け金具は、一般に
共鳴胴に取付けられているが、共鳴胴にボルト受け金具
を取付けているドラムは、ボルト受け金具が共鳴胴の共
鳴効果に影響を与えるため、良好な音質が得られないと
いう問題をもっている。
【0005】このため、最近では、上記ボルト受け金具
を共鳴胴から離して設けたドラムが開発されている(特
公昭62−38710号公報、特開昭63−24059
4号公報参照)。
【0006】図14はボルト受け金具を共鳴胴から離し
て設けた従来のドラムの一側部の断面図である。
【0007】このドラムは、両端が開放する円筒状の共
鳴胴1の下端にこの共鳴胴1を支持する金属製のリング
部材2を重ね、このリング部材2にボルト受け金具7を
設けたもので、上ドラムヘッド3は共鳴胴1の上端に張
られ、下ドラムヘッド4は上記リング部材2の下端に張
られている。なお、これらドラムヘッド3,4はポリエ
ステル等の樹脂フィルムからなっており、その外周縁に
は、断面U形の金属製補強縁3a,4aが設けられてい
る。
【0008】上記上ドラムヘッド3は、その外周縁より
若干内側の部分を共鳴胴1の端面で支持され、共鳴胴1
の周囲に張出すヘッド外周縁をヘッド押えフープ5によ
ってヘッド外面方向(上方)から押えられており、また
下ドラムヘッド4は、その外周縁より若干内側の部分を
上記リング部材2の端面で支持され、このリング部材2
の周囲に張出すヘッド外周縁をヘッド押えフープ6によ
ってヘッド外面方向(下方)から押えられている。上記
ヘッド押えフープ5,6は金属からなっており、このフ
ープ5,6にはそれぞれ、複数のボルト挿通孔5a,6
aがフープ周方向に等間隔に設けられている。
【0009】一方、上記ボルト受け金具7は、金属パイ
プの内周にねじを形成したパイプ状ナット7aからなっ
ており、このパイプ状ナット7aは、その基端を上記リ
ング部材2の外周に突設した耳部2aに貫通固定して垂
直に立設され、共鳴胴1から離間させてこの共鳴胴1の
周囲に等間隔に配置されている。
【0010】また、上記フープ5,6のボルト挿通孔5
a,6aにはそれぞれフープ締付けボルト8,9が遊嵌
状態で挿通されている。このフープ締付けボルト8,9
は、その頭部においてフープ5,6の外面に当接してこ
のフープ5,6をドラムヘッド緊張方向(ドラムヘッド
を共鳴胴に押付ける方向)に締付けるもので、上フープ
5を締付けるボルト8は上記パイプ状ナット7aの先端
部に螺合挿入され、下フープ6を締付けるボルト9はパ
イプ状ナット7aの基端部に螺合挿入されている。そし
て、上下のドラムヘッド3,4は、フープ締付けボルト
8,9によりフープ5,6をドラムヘッド緊張方向に締
付けることによって緊張されている。
【0011】このドラムによれば、共鳴胴1の一端に共
鳴効果には関係のないリング部材2を重ねて、このリン
グ部材2にボルト受け金具7(パイプ状ナット7a)を
共鳴胴1から離した状態で設けているため、ボルト受け
金具7が共鳴胴の共鳴効果に影響することはなく、した
がって良好な音質を得ることができる。
【0012】ところで、上記ドラムの音質のチューニン
グは、フープ締付けボルト8,9を締付け方向または緩
め方向に回してフープ5,6の締付け力を調整し、ドラ
ムヘッド3,4の張力を変化させることによって行なわ
れる。
【0013】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上記従来のド
ラムは、その音質のチューニングに際して、フープ締付
けボルト8,9をスムーズに回すことができないことが
あり、したがって音質のチューニングが面倒であるとい
う問題をもっている。
【0014】これは、ボルト受け金具7であるパイプ状
ナット7aの軸線に対するフープ締付けボルト8,9の
傾きによるもので、このボルト8,9の傾きは、パイプ
状ナット7aへのフープ締付けボルト8,9の螺合挿入
時に発生する。
【0015】すなわち、フープ締付けボルト8,9は、
フープ5,6のボルト挿通孔5a,6aを通してパイプ
状ナット7aに螺合挿入されるが、この場合、ボルト
8,9とパイプ状ナット7aとのねじ部の噛合いにはあ
る程度の遊びがあり、またボルト8,9はボルト挿通孔
5a,6aに対して遊嵌されているため、ボルト8,9
は必ずしもパイプ状ナット7aに対して垂直に螺合挿入
されるとは限らず、極く僅かな角度ではあるが、パイプ
状ナット7aの軸線に対して傾いた状態でパイプ状ナッ
ト7aに螺合挿入されることがある。
【0016】また、ドラムヘッド3,4を緊張させた状
態では、フープ締付けボルト8,9にドラムヘッド3,
4の緊張反力(ボルト8,9をパイプ状ナット7aから
抜き出す方向に引く力)かかるため、ボルト8,9のね
じ部が、ボルト頭部に対向する面においてパイプ状ナッ
ト7aのねじ部に強く押付けられる。
【0017】そして、この状態でも、フープ締付けボル
ト8,9の軸線がパイプ状ナット7aの軸線に一致して
いれば、ボルト8,9をスムーズに回すことができる
が、ボルト8,9がパイプ状ナット7aの軸線に対して
傾いていると、ボルト8,9をスムーズに回すことがで
きなくなり、特に、ボルト8,9を締付け方向に回して
ドラムヘッド3,4を強く張る場合には、かなり強い力
でボルト8,9を回さなければならなくなる。
【0018】本考案の目的は、フープ締付けボルトを螺
合挿入するためのボルト受け金具が共鳴胴の共鳴効果に
影響を与えないようにして良好な音質を得るとともに、
フープ締付けボルトの傾きに関係なくこのボルトをスム
ーズに回して音質のチューニングを容易に行なうことが
できる音楽用ドラムを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本考案の音楽用ドラム
は、両端が開放する筒状の共鳴胴と、この共鳴胴の一端
に重ねられて前記共鳴胴を支持するリング部材と、この
リング部材に固定され前記共鳴胴から離間させてこの共
鳴胴の周囲に等間隔に配置された複数のボルト受け金具
と、前記共鳴胴の外端および前記リング部材の外端にそ
れぞれ張られる一対のドラムヘッドと、一方のドラムヘ
ッドの共鳴胴周囲に張出す外周縁および他方のドラムヘ
ッドのリング部材周囲に張出す外周縁をそれぞれヘッド
外面方向から押えてこのドラムヘッドを緊張させる一対
のヘッド押えフープと、一方のヘッド押えフープに設け
られた複数のボルト挿通孔を通して前記複数のボルト受
け金具の一端部にそれぞれ螺合挿入され頭部においてフ
ープ外面に当接して前記一方のヘッド押えフープをドラ
ムヘッド緊張方向に締付ける第1のフープ締付けボルト
と、他方のヘッド押えフープに設けられた複数のボルト
挿通孔を通して前記複数のボルト受け金具の他端部にそ
れぞれ螺合挿入され頭部においてフープ外面に当接して
前記他方のヘッド押えフープをドラムヘッド緊張方向に
締付ける第2のフープ締付けボルトとを備え、かつ前記
ボルト受け金具は、基端を前記リング部材に固定してこ
のリング部材に立設されるパイプ柱と、このパイプ柱の
両端部に設けられた一対のナット保持部材と、この各ナ
ット保持部材にそれぞれ傾動自在に回り止めおよび抜け
止め保持されて前記第1および第2のフープ締付けボル
トとそれぞれ螺合する一対の筒状ナットと、前記パイプ
柱の内部に挿入され両端において前記一対の筒状ナット
に弾接してこれら筒状ナットをパイプ柱内から支持する
弾性部材とからなり、前記弾性部材は、軟質樹脂または
軟質ゴムからなっていることを特徴とするものである。
【0020】
【作用】上記音楽用ドラムによれば、共鳴胴の一端に重
ねたリング部材にボルト受け金具を共鳴胴から離した状
態で設けているため、ボルト受け金具が共鳴胴の共鳴効
果に影響することはなく、したがって良好な音質を得る
ことができる。
【0021】しかも、このドラムにおいては、上記ボル
ト受け金具を、リング部材に立設されるパイプ柱の両端
部にナット保持部材を設け、このナット保持部材にフー
プ締付けボルトと螺合する筒状ナットを傾動自在に回り
止めおよび抜け止め保持させた構成としているため、こ
のボルト受け金具の筒状ナットがフープ締付けボルトの
傾きに追従して傾くから、フープ締付けボルトの傾きに
関係なくこのボルトをスムーズに回して音質のチューニ
ングを容易に行なうことができる。さらに、このドラム
においては、上記ボルト受け金具の筒状ナットを、パイ
プ柱の内部に挿入した弾性部材によってパイプ柱内から
支持しているため、フープ締付けボルトを前記筒状ナッ
トに螺合させていないときにこの筒状ナットがパイプ柱
内に落ち込んでしまうことはないし、また、前記筒状ナ
ットの落ち込み防止構造が、前記弾性部材をパイプ柱の
内部に挿入しただけの簡単な構成であるため、上記ボル
ト受け金具の組立てを容易に行なうことができる。しか
も、前記弾性部材は、軟質樹脂または軟質ゴムからなる
ものであるため、この弾性部材が振動してノイズを発生
することはなく、したがって、ボルト受け金具が共鳴胴
の共鳴効果に影響しないこととあわせて、より良好な音
質を得ることができる。
【0022】
【実施例】以下、本考案の第1の実施例を図1〜図11
を参照して説明する。図1はドラムの一側部の断面図、
図2および図3はドラムの正面図および分解斜視図であ
る。
【0023】この実施例のドラムは、両端が開放する円
筒状の共鳴胴10の下端にこの共鳴胴10を支持するリ
ング部材11を重ね、共鳴胴10の上端とリング部材1
1の下端とに上ドラムヘッド13と下ドラムヘッド14
とを張ったものである。
【0024】上記共鳴胴10は例えば木製胴であり、こ
の木製胴は、1枚の木板を円筒状に曲げ、その端部同士
を接着して製造されている。なお、上記共鳴胴10は、
木製に限らず、金属製のものや、炭素繊維を用いた繊維
強化合成樹脂製のものを用いてもよい。
【0025】上記共鳴胴10を支持するリング部材11
は、アルミニウム合金等からなる鋳造品であり、このリ
ング部材11の上端部の外周には、後述するボルト受け
金具21を取付けるための複数の耳部11aがリング部
材周方向に等間隔に突出形成されている。
【0026】このリング部材11の上端には、その全周
にわたって、共鳴胴10の端部を保持する段部11bが
形成されており、共鳴胴10は、その端部を上記段部1
1bに嵌め込んでリング部材11の上に重ねられ、リン
グ部材11に横ずれしないように保持される。なお、上
記段部11bには、共鳴胴10の端面をがたつかないよ
うに支持するために、フェルトまたは軟質樹脂等からな
るリング状のクッションシート12が接着されている。
【0027】また、上下のドラムヘッド13,14は、
ポリエステル等の樹脂フィルムからなる円形なヘッド膜
の外周縁に断面U形の金属製補強縁13a,14aを設
けたもので、補強縁13a,14aは、ヘッド膜の外周
縁に嵌合され、この補強縁内に充填した樹脂接着剤aに
よってヘッド膜に固定されている。このドラムヘッド1
3,14の径は、共鳴胴10およびリング部材11の端
部の外径より若干大径であり、ドラムヘッド13,14
の外周部(共鳴胴10およびリング部材11の周囲に張
出す部分)は、ヘッド裏面方向に向かって斜め外方に傾
斜するように成形されている。
【0028】そして、上ドラムヘッド13は、共鳴胴1
0の上にその開放面を覆って載置され、ヘッド外周部の
傾斜面とヘッド中央の平坦面との境界部分を共鳴胴10
の端面で支持されるとともに、共鳴胴10の周囲に張出
すヘッド外周縁をヘッド押えフープ15でヘッド外面方
向(上方)から押えられて、共鳴胴10の上端に張られ
る。
【0029】また、下ドラムヘッド14は、リング部材
11の下にその開放面を覆って載置され、ヘッド外周部
の傾斜面とヘッド中央の平坦面との境界部分をリング部
材11の端面で支持されるとともに、リング部材11の
周囲に張出すヘッド外周縁をヘッド押えフープ16でヘ
ッド外面方向(下方)から押えられて、リング部材11
の下端に張られる。
【0030】上記ヘッド押えフープ15,16は金属製
である。このフープ15,16は、共鳴胴11およびリ
ング部材12の外径より若干大径な円筒部15a,16
aの基部外周に、ドラムヘッド13,14の外周縁(補
強縁13a,14a)をヘッド外面方向および外周方向
から抱えるフランジ部15b,16bを形成したもの
で、フランジ部15a,16aには、上記リング部材1
1の各耳部11aにそれぞれ対応する複数のボルト挿通
孔17,18がフープ周方向に等間隔に設けられてい
る。なお、このボルト挿通孔17,18は、上記フラン
ジ部15b,16bの外周部を外方に突出させてこの部
分に穿設されている。
【0031】上記フープ15,16のボルト挿通孔1
7,18にはそれぞれフープ締付けボルト19,20が
遊嵌状態で挿通される。このボルト19,20は、その
頭部19a,20aにおいてフープ15,16の外面に
当接してこのフープ15,16をドラムヘッド緊張方向
(ドラムヘッド13,14を共鳴胴10およびリング部
材11に押付ける方向)に締付けるもので、上フープ1
5を締付けるボルト19は、上記リング部材11に立設
したボルト受け金具21の先端部に螺合挿入され、下フ
ープ16を締付けるボルト20は、上記ボルト受け金具
21の基端部に螺合挿入される。そして、上下のドラム
ヘッド13,14は、フープ締付けボルト19,20に
よりフープ15,16をドラムヘッド緊張方向に締付け
ることによって緊張される。
【0032】なお、この実施例では、リング部材11に
10本のボルト受け金具21を設けており、したがっ
て、上下のヘッド押えフープ15,16は10箇所にお
いて締め付けられる。
【0033】図4は上記ボルト受け金具21の断面図で
ある。このボルト受け金具21は、パイプ柱22と、こ
のパイプ柱22の両端部に設けられた一対のナット保持
部材23,24と、この各ナット保持部材23,24に
それぞれ傾動自在に回り止めおよび抜け止め保持された
一対の筒状ナット25A,25Bと、パイプ柱22内に
設けられて前記一対の筒状ナット25A,25Bをパイ
プ柱22の端部方向に押圧する弾性チューブ26とから
なっている。
【0034】上記パイプ柱22は、両端部内周にねじ2
2a,22bを形成した金属パイプからなっており、上
記ナット保持部材23,24は、パイプ柱22の両端部
にそれぞれ螺合挿入される。
【0035】上記パイプ柱22の基端部に螺合挿入され
る下ナット保持部材23は、図5および図6に示すよう
に、外周にねじ部23aを有し、かつ基部に角形頭部2
3bを設けた中空の筒状ボルトからなっており、その孔
23cのボルト先端に開放する端部には、この孔23c
の径より大きい角穴23dが形成されている。
【0036】また、パイプ柱22の先端部に螺合挿入さ
れる上ナット保持部材24は、図7および図8に示すよ
うに、外周にねじ部24aを有し、かつ基部に角形頭部
24bを設けた中空の筒状ボルトからなっており、その
孔24cのボルト先端に開放する端部には、この孔24
cの径より大きい角穴24dが形成されている。
【0037】一方、上記ナット保持部材23,24に保
持される筒状ナット25A,25Bは、図9および図1
0に示すように、基端部外周に平面角形の鍔部25bを
有する筒部25aの内周にその全長にわたって、上記フ
ープ締付けボルト19,20と螺合するねじ25cを設
けたもので、筒部25aの外径および鍔部25bの径
は、上記ナット保持部材23,24の孔23c,24c
および角穴23d,24dに僅かな遊び間隙を存して遊
嵌する大きさとされている。
【0038】上記筒状ナット25A,25Bは、その筒
部25aをナット保持部材23,24の孔23c,24
cに挿入し、鍔部25bをナット保持部材23,24の
角穴23d,24dに遊嵌させて、ナット保持部材2
3,24に傾動自在に保持される。この筒状ナット25
A,25Bは、その鍔部25bをナット保持部材23,
24の角穴23d,24dで保持されて回り止めされ、
上記鍔部25bを上記角穴23d,24dの底面で受け
止められてナット保持部材23,24の外端方向への抜
け出しを阻止される。
【0039】なお、上記下ナット保持部材23と上ナッ
ト保持部材24は、その長さが異なるだけで、その孔2
3c,24cおよび角穴23d,24dの径は同じであ
り、したがって各ナット保持部材23,24に保持され
る筒状ナット25A,25Bは同じ規格のものでよい。
【0040】そして、上記ナット保持部材23,24
は、筒状ナット25A,25Bを保持した状態でパイプ
柱22の両端部に螺合挿入される。またパイプ柱22内
には、ナット保持部材23,24に保持された筒状ナッ
ト25A,25Bをパイプ柱22内から支持する弾性チ
ューブ26が設けられる。
【0041】上記弾性チューブ26は、軟質塩化ビニル
等の軟質樹脂チューブであり、この弾性チューブ26
は、パイプ柱22内に挿入されて一対の筒状ナット25
A,25B間に圧縮状態で挟持され、両端において筒状
ナット25A,25Bの鍔部25bの端面に弾接して、
筒状ナット25A,25Bをパイプ柱22の端部方向に
押圧する。
【0042】上記構成のボルト受け金具21は、そのパ
イプ柱22を上記リング部材11の耳部11aの上に垂
直に固定してリング部材11に立設される。上記パイプ
柱22は、その基端部に螺合挿入される下ナット保持部
材23によってリング部材11の耳部11aに固定され
る。
【0043】すなわち、パイプ柱22は、その下端をリ
ング部材11の耳部11aの上面に当接させて垂直に立
てられ、下ナット保持部材23は、上記耳部11aに設
けた貫通孔11bに下方から挿通されてパイプ柱22の
基端部に螺合挿入される。そしてパイプ柱22は、下ナ
ット保持部材23との螺合締結によりリング部材11の
耳部11aに固定される。なお、上記下ナット保持部材
23は、その頭部23bを上記貫通孔11bの下端に設
けた角穴11cに嵌合して回り止めされ、パイプ柱22
を回すことによってこのパイプ柱22と螺合締結され
る。
【0044】この実施例のドラムは、リング部材11に
ボルト受け金具21を取付ける工程と、このリング部材
11の下に下ドラムヘッド14と下フープ16を配置
し、下フープ16の締付けボルト20をボルト受け金具
21の基端部に螺合挿入する工程と、リング部材11に
共鳴胴10を重ねてこの共鳴胴10の上に上ドラムヘッ
ド13と上フープ15を配置し、上フープ15の締付け
ボルト19をボルト受け金具21の先端部に螺合挿入す
る工程とによって組立てられる。
【0045】そして、上記スネアドラムにおいては、共
鳴胴10の一端に共鳴効果には関係のないリング部材1
1を重ねて、このリング部材11にボルト受け金具21
を共鳴胴10から離した状態で設けているため、ボルト
受け金具21が共鳴胴10の共鳴効果に影響することは
なく、したがって良好な音質を得ることができる。
【0046】また、上記ドラムの音質のチューニング
は、フープ締付けボルト19,20を締付け方向または
緩め方向に回してフープ15,16の締付け力を調整
し、ドラムヘッド13,14の張力を変化させることに
よって行なわれる。
【0047】この場合、従来のドラムでは、[考案が解
決しようとする課題]の項で説明したように、フープ締
付けボルトがボルト受け金具(パイプ状ナット)の軸線
に対して傾いていると、このボルトをスムーズに回すこ
とができなくなる。
【0048】しかし、上記実施例のドラムでは、ボルト
受け金具21を、リング部材11に立設されるパイプ柱
22の両端部にナット保持部材23,24を設け、この
ナット保持部材23,24に、フープ締付けボルト1
9,20と螺合する筒状ナット25A,25Bを傾動自
在に回り止めおよび抜け止め保持させた構成としている
ため、このボルト受け金具21の筒状ナット25A,2
5Bがフープ締付けボルト19,20の傾きに追従して
傾く。
【0049】図11は、上フープ15の締付けボルト1
9がボルト受け金具21の軸線Oに対して傾いていると
きのナット保持部材23の状態を示しており、フープ締
付けボルト19がボルト受け金具21の軸線Oに対して
傾くと、このフープ締付けボルト19の傾き角θだけ筒
状ナット25Aも傾く。これは、下フープ16の締付け
ボルト20がボルト受け金具21の軸線Oに対して傾い
ている場合も同様である。
【0050】なお、上記フープ締付けボルト19,20
の傾き角は極く僅かな角度であり、したがって、筒状ナ
ット25A,25Bをナット保持部材23,24に対し
て僅かな遊び間隙を存して遊嵌させておけば、筒状ナッ
ト25A,25Bはフープ締付けボルト19,20の傾
きに追従して傾く。
【0051】したがって、上記ドラムによれば、フープ
締付けボルト19,20の傾きに関係なくこのボルト1
9,20をスムーズに回して音質のチューニングを容易
に行なうことができる。さらに、上記ドラムにおいて
は、上記ボルト受け金具21の筒状ナット25A,25
Bを、パイプ柱22の内部に設けた弾性チューブ26に
よってパイプ柱22内から支持しているため、フープ締
付けボルト19,20を筒状ナット25A,25Bに螺
合させていないときにこの筒状ナット25A,25Bが
パイプ柱22内に落ち込んでしまうことはないし、ま
た、前記筒状ナット25A,25Bの落ち込み防止構造
が、両端において一対の筒状ナットに弾接する弾性チュ
ーブ26をパイプ柱22の内部に挿入しただけの簡単な
構成であるため、上記ボルト受け金具21の組立てを容
易に行なうことができる。しかも、前記弾性チューブ2
6は、軟質樹脂からなるものであるため、この弾性チュ
ーブ26が振動してノイズを発生することはなく、した
がって、ボルト受け金具21が共鳴胴10の共鳴効果に
影響しないこととあわせて、より良好な音質を得ること
ができる。
【0052】なお、上記ボルト受け金具21は、パイプ
柱22の両端部にナット保持部材23,24を設け、こ
のナット保持部材23,24に筒状ナット25A,25
Bを保持させたものであるため、上記パイプ柱22を長
さの異なるものと交換すればボルト受け金具21の長さ
を変えることができるから、種々の胴長のドラムを得る
ことができる。
【0053】図12は、本考案の第2の実施例を示して
おり、この実施例のドラムは、長さの短いボルト受け金
具21を用いたものである。なおドラムは、ボルト受け
金具21のパイプ柱22を短くしただけで、他の構成は
上述した第1の実施例のドラムと同じであるから、その
詳細な説明は図に同符号を付して省略する。
【0054】また、上記第1および第2の実施例では、
ボルト受け金具21の筒状ナット25a,25Bをパイ
プ柱22内から支持する弾性部材として軟質樹脂からな
る弾性チューブ26を用いているが、この弾性部材は他
の弾性材であってもよい。
【0055】
【0056】図13は本考案の第3の実施例を示してい
る。この実施例は、弾性部材として軟質ゴムからなる
性板26bを用いたもので、この実施例は、極く短い長
さのボルト受け金具21を使用する、胴長が極端に短い
ドラムに適用される。
【0057】上記図13に示した実施例は、ボルト受け
金具21のパイプ柱22内に設ける弾性部材が異なるだ
けで、他の構成は上述した第1の実施例のドラムと同じ
であるから、その詳細な説明は図に同符号を付して省略
する。
【0058】なお、本考案は、バスドラム、タムタム、
スネアドラム等の種々の音楽用ドラムに適用できる。
【0059】
【考案の効果】本考案の音楽用ドラムによれば、共鳴胴
の一端に重ねたリング部材にボルト受け金具を共鳴胴か
ら離した状態で設けているため、ボルト受け金具が共鳴
胴の共鳴効果に影響することはなく、したがって良好な
音質を得ることができる。
【0060】しかも、本考案のドラムにおいては、上記
ボルト受け金具を、リング部材に立設されるパイプ柱の
両端部に設けたナット保持部材にフープ締付けボルトと
螺合する筒状ナットを傾動自在に回り止めおよび抜け止
め保持させた構成としているため、このボルト受け金具
の筒状ナットがフープ締付けボルトの傾きに追従して傾
くから、フープ締付けボルトの傾きに関係なくこのボル
トをスムーズに回して音質のチューニングを容易に行な
うことができる。さらに、本考案のドラムにおいては、
上記ボルト受け金具の筒状ナットを、パイプ柱の内部に
挿入した弾性部材によってパイプ柱内から支持している
ため、フープ締付けボルトを前記筒状ナットに螺合させ
ていないときにこの筒状ナットがパイプ柱内に落ち込ん
でしまうことはないし、また、前記筒状ナットの落ち込
み防止構造が、前記弾性部材をパイプ柱の内部に挿入し
ただけの簡単な構成であるため、上記ボルト受け金具の
組立てを容易に行なうことができる。しかも、前記弾性
部材は、軟質樹脂または軟質ゴムからなるものであるた
め、この弾性部材が振動してノイズを発生することはな
く、したがって、ボルト受け金具が共鳴胴の共鳴効果に
影響しないこととあわせて、より良好な音質を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例を示すドラムの一側部の
断面図。
【図2】上記ドラムの正面図
【図3】上記ドラムの分解斜視図。
【図4】リング部材に設けられるボルト受け金具の断面
図。
【図5】上記ボルト受け金具の基端部に設けられるナッ
ト保持部材の平面図。
【図6】上記ナット保持部材の断面図。
【図7】ボルト受け金具の先端部に設けられるナット保
持部材の断面図。
【図8】上記ナット保持部材の底面図。
【図9】ナット保持部材に保持される筒状ナットの平面
図。
【図10】上記筒状ナットの断面図。
【図11】上フープの締付けボルトがボルト受け金具の
軸線に対して傾いているときのナット保持部材の状態を
示す図。
【図12】本考案の第2の実施例を示すドラムの一側部
の断面図。
【図13】本考案の第3の実施例を示すドラムの一側部
の断面図。
【図14】従来のドラムの一側部の断面図。
【符号の説明】
10…共鳴胴、11…リング部材、13…上ドラムヘッ
ド、14…下ドラムヘッド、15,16…ヘッド押えフ
ープ、17,18…ボルト挿通孔、19,20…フープ
締付けボルト、21…ボルト受け金具、22…パイプ
柱、23,24…ナット保持部材、25A,25B…筒
状ナット、26…軟質樹脂チューブ、26b…軟質ゴム
からなる弾性板。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】両端が開放する筒状の共鳴胴と、この共鳴
    胴の一端に重ねられて前記共鳴胴を支持するリング部材
    と、このリング部材に固定され前記共鳴胴から離間させ
    てこの共鳴胴の周囲に等間隔に配置された複数のボルト
    受け金具と、前記共鳴胴の外端および前記リング部材の
    外端にそれぞれ張られる一対のドラムヘッドと、一方の
    ドラムヘッドの共鳴胴周囲に張出す外周縁および他方の
    ドラムヘッドのリング部材周囲に張出す外周縁をそれぞ
    れヘッド外面方向から押えてこのドラムヘッドを緊張さ
    せる一対のヘッド押えフープと、一方のヘッド押えフー
    プに設けられた複数のボルト挿通孔を通して前記複数の
    ボルト受け金具の一端部にそれぞれ螺合挿入され頭部に
    おいてフープ外面に当接して前記一方のヘッド押えフー
    プをドラムヘッド緊張方向に締付ける第1のフープ締付
    けボルトと、他方のヘッド押えフープに設けられた複数
    のボルト挿通孔を通して前記複数のボルト受け金具の他
    端部にそれぞれ螺合挿入され頭部においてフープ外面に
    当接して前記他方のヘッド押えフープをドラムヘッド緊
    張方向に締付ける第2のフープ締付けボルトとを備え、 かつ前記ボルト受け金具は、基端を前記リング部材に固
    定してこのリング部材に立設されるパイプ柱と、このパ
    イプ柱の両端部に設けられた一対のナット保持部材と、
    この各ナット保持部材にそれぞれ傾動自在に回り止めお
    よび抜け止め保持されて前記第1および第2のフープ締
    付けボルトとそれぞれ螺合する一対の筒状ナットと、前
    記パイプ柱の内部に挿入され両端において前記一対の筒
    状ナットに弾接してこれら筒状ナットをパイプ柱内から
    支持する弾性部材とからなり、前記弾性部材は、軟質樹
    脂または軟質ゴムからなっていることを特徴とする音楽
    用ドラム。
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