JP3451907B2 - 420p信号の処理装置 - Google Patents

420p信号の処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、420P信号の伝
送及び420P/422P変換等の信号処理を行う際の
420P信号の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、420P信号について簡単に説明
する。420P信号は現行のインターレース方式の信号
と異なり、プログレッシブ信号(順次走査信号)を基本
としている。
【0003】図8にインターレース方式とプログレッシ
ブ方式の模式図を示す。同図に示すように、インターレ
ース方式は1秒間に約30枚の画像データ(フレーム)
で構成されており、1枚当たり525本の走査線を有す
る。525本の走査線を有する1枚の画像データにおい
て、走査線を1本ずつ飛び越し走査して、1/60秒間
に262.5本ずつ伝送するのがインターレース方式で
ある。プログレッシブ方式はインターレース方式と異な
り、飛び越し走査をしないで、1/60秒間に525本
ずつ画像データを伝送する。
【0004】上記の1画面当たり525本で順次走査さ
れたプログレッシブ信号は、Recommendation ITU−R.6
01−3で規定された4:2:2の2倍のサンプリング
周波数の8:4:4の形式でディジタル化され、輝度信
号のサンプリング周波数は27MHz,色差信号のサン
プリング周波数は13.5MHzであり、10ビットで
量子化されている。
【0005】前記の8:4:4信号をライン毎に交互に
分割して、1つの輝度信号と2つの色差信号から構成さ
れるメイン信号と、前記メイン信号を補間するように1
つの輝度信号と2つの色差信号で構成されるサブ信号に
分割して伝送する方式がある。この方式のメイン信号及
びサブ信号は1フレーム当たり525本の走査線を有す
る525本のインターレース信号であり、4:2:2信
号である。前記のメイン信号とサブ信号とをあわせて、
4:2:2:4:2:2信号(422P信号)と呼ぶ。
【0006】また、8:4:4信号をメイン信号とサブ
信号に分割する前に、ライン間引き垂直フィルタによ
り、色差信号の垂直の周波数帯域を制限した8:4:4
信号を8:4:4v信号と呼ぶ。ライン間引き垂直フィ
ルタは3タップの1:2:1のフィルタが検討されてい
る。
【0007】図9にライン間引き垂直フィルタの構成を
示す。同図において、[2],[1/4]は乗算器の係
数を示している。色差信号をライン間引き垂直フィルタ
によりライン間引きされた8:4:4v信号は、サブ信
号に色差信号を含まない4:2:2:4信号として伝送
される。4:2:2:4信号は420P信号とも呼ばれ
ており、以下420P信号と記載する。
【0008】前記420P信号を360MHzのシリア
ルインターフェイスとして規格化したものがSMPTE
294Mであり、420P信号を符号化した模式図を図
10に示す。同図に示すように、インターレース信号の
1水平ラインの有効部を拡張し、輝度信号のメイン信号
Ym、サブ信号Ys及び色差信号のメイン信号Pb,P
rを1水平ラインにマッピングして伝送している。これ
により、1水平ライン2288サンプルの内2160サ
ンプルを有効部として使用していることになる。
【0009】図11に420P信号とTV画面の走査線
の対応図を示す。輝度信号は奇数フレーム、偶数フレー
ムとも常に525ライン/1フレームで構成されている
のに対して、色差信号は、同図に示すように、常にメイ
ン信号側にしか存在しないので、1フレーム毎にライン
の画面位置が1ラインずれて存在し、1フレームあたり
525/2ラインで構成されていることになる(インタ
ーレース信号の画素位置と同じである)。
【0010】上記のSMPTE294Mに対応した42
0P信号を伝送してモニターする画像データの処理装置
は現在商品化されていない。しかし、SMPTE294
Mでは、420P信号を受信して422P信号を作成す
る方法については明記されている。
【0011】SMPTE294Mによると、受信した4
20P信号の色差信号を抽出し、垂直フィルタによる色
差信号補間回路により、メイン信号側の色差信号からサ
ブ信号側の色差信号を補間して作成している。
【0012】前記補間回路の構成図を図12に示す。同
図における[−38],[294],[1/512]は
乗算器の係数を示す。同補間回路では、メイン信号側の
色差信号を入力し、垂直フィルタを通過させることによ
り、サブ信号側の色差信号を作成している。このよう
に、420P信号から4:2:2:4:2:2信号(4
22P信号)を作成する。422P信号を作成すれば、
クロック周波数を倍レートにすることで844信号に変
換でき、TV画面にモニター可能となる。
【0013】また、特開平8―205088号公報によ
れば、VTR等のスロー再生時のように、出力の同期信
号のフレームと、画像データのフレームが一致していな
い場合、輝度信号はメイン信号とサブ信号を入れ替えて
出力し、色差信号は補間された色差信号をメイン側に、
元の色差信号をサブ側にして出力し、スロー再生時の画
像データの高画質化を図っている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
信号処理装置の出力信号はメイン信号とサブ信号の2系
統からなる信号であり、420P信号で出力する場合に
ついては記されていない。
【0015】さて、従来の信号処理装置で出力された4
22P信号を420P信号にして伝送し、受信側で再度
422Pの形式に変換した時の課題について考察する。
【0016】図13に従来の信号処理装置から出力され
た、メインとサブの2系統から成る422P信号を42
0P信号に変換して伝送し、受信側で再度422P信号
または844信号に変換してTV画面にモニターする場
合の構成図を示す。同図において、51は従来の信号処
理装置、52は422P―420P変換器、53は伝送
ケーブル、54は420P−422P変換器、55はT
Vモニターである。また、図14及び図15に図13の
システムにおける、各部のタイミング図を示す。図14
は従来の信号処理装置51において、画像データのフレ
ームと出力のフレームが一致している場合のタイミング
図であり、図15は従来の信号処理装置52において、
画像データのフレームと出力のフレームが一致していな
い場合のタイミング図である。
【0017】図14の(a)は従来の信号処理装置のメ
イン信号の出力のタイミング図であり、同図の(b)は
従来の信号処理装置のサブ信号の出力のタイミング図で
ある。同図において、Ymは従来の信号処理装置に入力
された時のメイン信号の輝度信号成分、または記録され
ているメイン信号の輝度信号成分を示す。Ysは従来の
信号処理装置に入力された時のサブ信号の輝度信号成
分、または記録されていたサブ信号の輝度信号成分を示
す。Cmは従来の信号処理装置に入力された時のメイン
信号の色差信号成分、あるいは図9のフィルタ通過後の
色差信号成分、または記録されている色差信号成分を示
す。ChoはCmを図12の補間回路により作成した色
差信号成分を示す。図14の(c)は422P−420
P変換器52の出力信号のタイミング図、(d)は42
0P−422変換器54の出力信号のタイミング図を示
す。
【0018】図15の(a)(b)(c)(d)は図1
4と同様で各部のタイミング図、各符号も図15と同様
である。また、ChhoはChoを図12の補間回路に
より作成した色差信号成分である。
【0019】図14及び図15より考察すると、図14
で示すように、画像データのフレームと出力のフレーム
が一致している場合はCm信号は(d)まで伝送されて
いるが、図15に示すように、画像データのフレームと
出力のフレームが一致していない場合は、Cmは(d)
まで伝送されない。よって、TV画面にモニターされる
画像の色差信号はすべて補間フィルタによる成分のみに
なってしまい、その結果、色差信号の垂直方向の帯域が
劣化してしまう、という課題があった。
【0020】また、図13のシステムを従属接続をした
場合を考えると、接続の段数を増加するごとに、画像デ
ータのフレームと出力のフレームが一致しない場合の色
差信号の垂直帯域の劣化量は増加していき、画面で見た
場合、一致しているフレームと一致していないフレーム
で画面フリッカーをおこすという課題があった。
【0021】本発明は420P信号の伝送における色差
信号の画面フリッカーを改善し、また、420P信号を
VTR等でスロー再生し、再度記録した場合の色差信号
の垂直解像度の劣化を改善するものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、送信する画像データのフレームが奇数フレ
ームであるか偶数フレームであるかを検出する画像フレ
ーム検出手段と、送信する同期信号のフレームが奇数フ
レームであるか偶数フレームであるかを検出する送信フ
レーム検出手段と、画像フレーム検出手段の出力の画像
データのフレームと送信フレーム検出手段のフレームが
一致しているか否かを判定する判定手段と、判定手段で
フレームが一致している場合は、画像データをそのまま
420P信号として出力し、一致していない場合は、
度信号はメイン信号とサブ信号を入れ替え、色差信号は
メイン信号をそのまま420P信号として出力する変換
手段とを備えるものである
【0023】また、一致していない場合は、輝度信号の
みメイン信号とサブ信号を入れ替え、色差信号はそのま
ま420P信号として出力する変換手段と、判定手段で
フレームが一致していない場合はフラグを420P信号
に挿入するフラグ挿入手段とを有している。
【0024】これにより、色差信号の帯域の劣化を防止
することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、420P信号を送信する装置において、送信する画
像データのフレームが奇数フレームであるか偶数フレー
ムであるかを検出する画像フレーム検出手段と、送信す
る同期信号のフレームが奇数フレームであるか偶数フレ
ームであるかを検出する送信フレーム検出手段と、前記
画像フレーム検出手段の出力の画像データのフレームと
前記送信フレーム検出手段のフレームが一致しているか
否かを判定する判定手段と、前記判定手段でフレームが
一致している場合は画像データをそのまま420P信号
として出力し、一致していない場合は、輝度信号のみメ
イン信号とサブ信号を入れ替え、色差信号はそのまま4
20P信号として出力する変換手段とを有したものであ
り、画像データのフレームと送信のフレームが一致して
いない場合も、420P信号として、基の色差信号を伝
送するという作用を有する。
【0026】また、本発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1記載の420P信号の処理装置で送信された4
20P信号を受信して、422P信号または844信号
に変換する装置において、420P信号の色差信号成分
を分離し、そのままコピーしてサブ信号側の色差信号と
する。
【0027】また、本発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1の構成に加え、前記判定手段でフレームが一致
していない場合はフラグを420P信号に挿入するフラ
グ挿入手段とを有している。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】以下、本発明の実施の形態について、図面
を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は実施の形態1における420P
信号の処理装置の構成を示すブロック図である。本実施
の形態では、VTR等で420P信号を再生して、42
0P信号を同軸で伝送し、受信側で420P信号を42
2P信号に変換してTV画面にモニターしている。
【0032】同図において、1はVTRの再生データの
入力端子、2は画像データのフレームが偶数フレームで
あるか奇数フレームであるかを検出する画像データのフ
レームの検出手段、3は送信するフレームが偶数フレー
ムであるか奇数フレームであるかを検出する送信フレー
ムの検出手段、4は画像データのフレーム検出手段2と
送信フレーム検出手段のフレームが一致しているかどう
かを判定する判定手段、5は判定手段4でフレームが一
致している場合は処理せずに420P信号として出力
し、フレームが一致していない場合は、輝度信号のみメ
イン信号とサブ信号を入れ替えて出力する変換手段、6
は伝送ケーブル、7は伝送された420P信号を輝度信
号と色差信号に分離する分離手段、8は伝送されたメイ
ン信号側の輝度信号成分に前記分離手段7で分離された
色差信号を加えて422信号を生成する第1の信号作成
手段、9は伝送されたサブ信号側の輝度信号成分に前記
分離手段の出力の色差信号を加えて422信号を作成す
る第2の信号作成手段、10は422Pメイン信号の出
力端子、11は422Pサブ信号の出力端子である。
【0033】以上のように構成された420P信号の処
理装置の動作について、詳細に説明する。入力端子1よ
り入力された再生データは画像データのフレーム検出手
段2に入力され、画像データのフレームを検出される。
入力端子1より入力される再生データはVTRの各トラ
ックのID等を検出すれば容易に記録されている画像デ
ータのフレームを検出することが可能である。また、送
信フレームの検出手段3では、基準信号(図示せず)を
基にして、送信するフレームが偶数フレームであるか奇
数フレームであるかを検出している。また、判定手段4
では前記画像データのフレームの判定手段2の出力のフ
レームと、送信フレームの検出手段3の出力のフレーム
が一致しているかどうかを判定し出力する。判定手段4
の結果と、入力端子1に入力された再生画像データは、
変換手段5に入力され、判定手段4でフレームが不一致
と判定されたフレームのみ、輝度信号のメイン信号側と
サブ信号側の入れ替えをされる。変換手段5の出力の4
20P信号は同軸ケーブル6により伝送され、分離手段
7に入力される。分離手段7では、420P信号をメイ
ン信号側の輝度信号、サブ信号側の輝度信号、色差信号
に分離し、第1の信号作成手段8では、前記メイン信号
側の輝度信号と前記色差信号をマルチプレクスして42
2Pメイン信号として出力端子10より出力する。ま
た、第2の信号作成手段9では、前記サブ信号側の輝度
信号と前記色差信号をマルチプレクスして422Pサブ
信号として出力端子11より出力する。
【0034】図2に判定手段4で画像データのフレーム
と出力のフレームが一致している場合のタイミング図
を、図3に判定手段4で画像データのフレームと出力の
フレームが一致していない場合のタイミング図を示す。
図2、図3において、(a)は変換手段5の出力の42
0P信号、(b)は出力端子10の出力の422Pメイ
ン信号、(c)は出力端子11の出力の422Pサブ信
号であり、Ymはテープに記録されていたメイン信号側
の輝度信号、Ysはテープに記録されていたサブ信号側
の輝度信号、Cmはテープに記録されていた色差信号を
示す。図2、図3で明らかなように、得られる422P
のメイン信号とサブ信号の色差信号は同一で、輝度信号
でYmとYsが入れ替わっているだけであり、フレーム
毎に垂直方向の帯域が変化して画面フリッカーを生ずる
ことはない。また、変換手段5の出力の420P信号の
色差信号も、常に記録されていた信号を出力するので、
再度420P信号を記録して再生しても垂直解像度は一
定である。
【0035】さて、受信側で、420P信号として伝送
された色差信号を、422P信号のメイン信号と422
P信号のサブ信号の双方に割り付けて、垂直フィルタに
より補間をしていない理由について説明する。
【0036】図4に420P信号の色差信号の垂直画素
位置を示す模式図を示す。同図において、(a)列は輝
度信号の画素位置、(b)列,(c)列,(d)列,
(e)列はそれぞれ色差信号の画素位置を示し、(b)
は奇数フレームの色差信号が奇数フレームに存在してい
る場合であり、(c)は奇数フレームの色差信号が偶数
フレームに存在している場合、(d)は偶数フレームの
色差信号が偶数フレームに存在している場合であり、
(e)は偶数フレームの色差信号が奇数フレームに存在
している場合である。同図に示されたように、輝度信号
の1つのサンプルに色差信号は2つのサンプルが対応し
ている。よって、補間フィルタを用いて2つのサンプル
の中点のサンプルを作成する効果は小さい。ゆえに、本
実施の形態では補間フィルタを用いずに、より安価なハ
ードで同程度の性能を実現している。
【0037】上記のように、本実施の形態では、色差信
号は常に、記録されていた色差信号を420P信号の色
差信号成分として伝送しているので、判定手段4の出力
に関係なく同一の解像度の画像を得ることができるの
で、画面フリッカーが生ずることはない。また、本シス
テムの変換手段5より出力された420P信号を再度V
TR等に記録し再生しても色差信号の垂直解像度は劣化
しない。さらに、補間フィルタを使用しないので安価な
ハードで実現可能である。
【0038】しかしながら、本発明の実施の形態1で
は、422P信号のメイン信号側とサブ信号側に同一の
色差信号を出力するので、色差信号の垂直方向のグラジ
ュエイションが悪くなるという欠点がある。前記欠点を
解決したのが本発明の実施の形態2である。
【0039】(実施の形態2)図5は、本発明の実施の
形態2による420P信号の処理装置の構成を示すブロ
ック図である。
【0040】同図において、1はVTRの再生データの
入力端子、2は画像データのフレームが偶数フレームで
あるか奇数フレームであるかを検出する画像データのフ
レームの検出手段、3は送信するフレームが偶数フレー
ムであるか奇数フレームであるかを検出する送信フレー
ムの検出手段、4は画像データのフレーム検出手段2と
送信フレーム検出手段3のフレームが一致しているかど
うかを判定する判定手段、5は判定手段4でフレームが
一致している場合は処理せずに420P信号として出力
し、フレームが一致していない場合は、輝度信号のみメ
イン信号とサブ信号を入れ替えて出力する変換手段、2
1は判定手段4で不一致と判定されたフレームにフラグ
を挿入するフラグ挿入手段、6は伝送ケーブル、7は伝
送された420P信号を輝度信号と色差信号に分離する
分離手段、22はフレーム毎にフラグが挿入されている
かどうかを検出するフラグ検出手段、23は分離手段7
により分離された第1の色差信号から、垂直補間フィル
タにより第2の色差信号を生成する色差信号補間手段、
24は切り替え手段で、フラグ検出手段22で検出され
たフラグにより、前記第1の色差信号と前記第2の色差
信号を入れ替えて出力する。8は伝送されたメイン信号
側の輝度信号成分に切り替え手段24で切り替えられた
色差信号を加えて422信号を生成する第1の信号作成
手段、9は伝送されたサブ信号側の輝度信号成分に切り
替え手段24の出力の色差信号を加えて422信号を作
成する第2の信号作成手段、10は422Pメイン信号
の出力端子、11は422Pサブ信号の出力端子であ
る。
【0041】以上のように構成された420P信号の処
理装置の動作について、詳細に説明する。入力端子1よ
り入力された再生データは画像データのフレーム検出手
段2に入力され、画像データのフレームを検出される。
入力端子1より入力される再生データはVTRの各トラ
ックのID等を検出すれば容易に記録されている画像デ
ータのフレームを検出することが可能である。また、送
信フレームの検出手段3では、再生基準信号をもとにし
て、送信するフレームが偶数フレームであるか奇数フレ
ームであるかを検出している。また、判定手段4では前
記画像データのフレームの判定手段2の出力のフレーム
と、送信フレームの検出手段3の出力のフレームが一致
しているかどうかを判定し出力する。判定手段4の結果
と、入力端子1に入力された再生画像データは変換手段
5に入力され、判定手段4でフレームが不一致と判定さ
れたフレームのみ、輝度信号のメイン信号側とサブ信号
側の入れ替えをされる。変換手段5の出力の画像データ
はフラグ挿入手段21に入力され、判定手段4でフレー
ム不一致と判定されたフレームのみフラグが挿入されて
出力される。フラグ挿入手段21の出力の420P信号
は同軸ケーブル6により伝送され、フラグ検出手段22
に入力され、1フレーム毎フラグを検出される。また、
同軸ケーブル6により伝送された420P信号は分離手
段7に入力される。分離手段7では、420P信号をメ
イン信号側の輝度信号、サブ信号側の輝度信号、第1の
色差信号に分離される。さらに前記分離手段7で分離さ
れた第1の色差信号は色差信号補間手段23に入力さ
れ、図12で示した垂直補間フィルタにより第2の色差
信号を作成される。前記第1の色差信号と前記第2の色
差信号は切り替え手段24に入力される。切り替え手段
24では、フラグ検出手段22の出力のフラグにより以
下に示すように切り替えている。
【0042】フラグが検出されなかったフレーム 第1の色差信号を第1の信号作成手段8に入力 第2の色差信号を第2の信号作成手段9に入力 フラグが検出されたフレーム 第1の色差信号を第2の信号作成手段8に入力 第2の色差信号を第1の信号作成手段9に入力 さらに、第1の信号作成手段8では、分離手段7の出力
のメイン信号側の輝度信号と切り替え手段24の出力の
色差信号より422信号を作成し、422Pメイン信号
として出力端子10より出力する。また、第2の信号作
成手段9では、分離手段7の出力のサブ信号側の輝度信
号と切り替え手段24の出力の色差信号より422信号
を作成し、422Pサブ信号として出力端子11より出
力する。
【0043】さらに、図6、図7を用いて各部のタイミ
ングを詳細に説明する。図6に図5の判定手段4で画像
データのフレームと出力のフレームが一致している場合
のタイミング図を、図7に図5の判定手段4で画像デー
タのフレームと出力のフレームが一致していない場合の
タイミング図を示す。図6、図7において、(a)は図
5の変換手段5の出力の420P信号、(b)は図5の
出力端子10の出力の422Pメイン信号、(c)は図
5の出力端子11の出力の422Pサブ信号であり、Y
mはテープに記録されていたメイン信号側の輝度信号、
Ysはテープに記録されていたサブ信号側の輝度信号、
Cmはテープに記録されていた色差信号、Choは色差
信号補間手段23により補間された色差信号を示す。図
6、図7で明らかなように、得られる422Pのメイン
信号とサブ信号の色差信号は必ず片側が元信号で、もう
一方が補間信号である。また、輝度信号ではYmとYs
が入れ替わっているだけであるので、フレーム毎に垂直
方向の帯域が変化して画面フリッカーを生ずることはな
い。また、変換手段の出力の420P信号の色差信号
も、常に記録されていた信号を出力するので、再度42
0P信号を記録して再生しても垂直解像度は一定であ
る。さらに、色差信号の補間フィルタも図12に示す高
次のフィルタを用いているので色差信号のグラジュエイ
ションも良好である。
【0044】上記のように、本実施の形態では、色差信
号は常に、記録されていた色差信号を420P信号の色
差信号成分として伝送し、かつ伝送する色差信号の垂直
方向の位相がサブ信号側の輝度信号と一致している時は
フラグを挿入して伝送するので、受信側ではフラグを検
出して、伝送された色差信号と色差信号補間手段で補間
した色差信号をメイン信号側とサブ信号側に再マッピン
グできる。よって、各フレームの垂直解像度は一定であ
り、フリッカーになることはない。また良好な色差信号
の垂直方向のグラジュエイションが得られる。
【0045】なお、本実施の形態では、送信側で輝度信
号のメイン信号とサブ信号の入れ替えを行って420P
信号として伝送したが、送信側でメイン信号とサブ信号
の伝送を行わずに、受信側でフラグを検出して、メイン
信号とサブ信号の入れ替えを行ってもよいことはいうま
でもない。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1及び請求項2記載の発明によると、判定手段により
画像データのフレームと送信のフレームが一致している
かどうかを判定し、変換手段により、輝度信号のみメイ
ン信号とサブ信号を入れ替えて、色差信号は常に、記録
されていた色差信号を420P信号の色差信号成分とし
て伝送しているため、同一の垂直解像度の画像を得るこ
とができるので、画面フリッカーが生ずることはない。
また、本システムの変換手段より出力された420P信
号を再度VTR等に記録し再生しても色差信号の垂直解
像度は劣化しない。また、色差信号補間フィルタを使用
しないので安価なハードで実現可能である。
【0047】また、請求項3に記載の発明によると、色
差信号は常に、記録されていた色差信号を420P信号
の色差信号成分として伝送し、かつ伝送する色差信号の
垂直方向の位相がサブ信号側の輝度信号の位相と一致し
ている時はフラグを挿入して伝送するので、受信側では
フラグを検出して、伝送された色差信号と補間した色差
信号を正規の位相に再マッピングできる。よって各フレ
ームの解像度は一定であり、フリッカーになることはな
い。また良好な色差信号の垂直方向のグラジュエイショ
ンが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による420P信号の処
理装置の構成を示すブロック図
【図2】同処理装置の判定手段でフレーム一致時におけ
る各部のタイミング図
【図3】同処理装置の判定手段でフレーム不一致時にお
ける各部のタイミング図
【図4】420P信号の垂直方向の輝度信号と色差信号
のタイミング図
【図5】本発明の実施の形態2による420P信号の処
理装置の構成を示すブロック図
【図6】同処理装置の判定手段でフレーム一致時におけ
る各部のタイミング図
【図7】同処理装置の判定手段でフレーム不一致時にお
ける各部のタイミング図
【図8】インターレース方式とプログレッシブ方式の違
いを示す模式図
【図9】ライン間引きフィルタの構成図
【図10】420P信号を符号化した時の模式図
【図11】420P信号とTV画面の走査線の対応を示
す模式図
【図12】垂直補間フィルタの構成図
【図13】従来の420P信号の処理装置の構成図
【図14】従来の420P信号の処理装置における画像
データのフレームと出力のフレームが一致している場合
の各部のタイミング図
【図15】従来の420P信号の処理装置における画像
データのフレームと出力のフレームが一致していない場
合の各部のタイミング図
【符号の説明】
2 画像データのフレームの検出手段 3 送信フレームの検出手段 4 判定手段 5 変換手段 7 分離手段 8 第1の信号作成手段 9 第2の信号作成手段 21 フラグ挿入手段 22 フラグ検出手段 23 色差信号補間手段 24 切り替え手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 7/00 - 7/088 H04N 5/91 - 5/956 H04N 9/79 - 9/898 H04N 11/00 - 11/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信する420P信号の画像データのフ
    レームが奇数フレームであるか偶数フレームであるかを
    検出する画像フレーム検出手段と、 送信する同期信号のフレームが奇数フレームであるか偶
    数フレームであるかを検出する送信フレーム検出手段
    と、 前記画像フレーム検出手段の出力の画像データのフレー
    ムと前記送信フレーム検出手段のフレームが一致してい
    るか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段でフレームが一致している場合は、画像デ
    ータをそのまま420P信号として出力し、一致してい
    ない場合は、輝度信号はメイン信号とサブ信号を入れ替
    え、色差信号はメイン信号をそのまま420P信号とし
    て出力する変換手段とを有する420P信号の処理装置
  2. 【請求項2】 請求項1記載の420P信号の処理装置
    で送信された420P信号を受信して、422P信号ま
    たは844信号に変換する装置において、420P信号
    の色差信号成分を分離し、そのままコピーしてサブ信号
    側の色差信号とすることを特徴とした420P信号の処
    理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の420P信号の処理装置
    の構成に加え、請求項1に記載の判定手段の出力のフレ
    ーム不一致を示すフラグを挿入するフラグ挿入手段を構
    成要件とした420P信号の処理装置。
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