JP3451700B2 - インクジェット記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びその製造方法

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に用いるインクジェット記録ヘッドに関わる。
【0002】
【従来の技術】チタン酸ジルコン酸鉛(以下PZTと記
す)に代表される圧電体薄膜は、スパッタ法、ゾルゲル
法、CVD法、水熱法等で形成することができる。膜厚
を厚くするためには、成膜する堆積時間を増加させた
り、成膜を複数回繰り返すことにより対応している。ペ
ロブスカイト構造を得るために、通常500〜700℃
の酸素雰囲気中でアニールが行なわれている。圧電体薄
膜はフォトエッチング工程を用いたパターニングが可能
で、バルクのように切り出し、位置合わせ、張り付け等
をする必要がない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インクの吐出
性能を確保するため、圧電体薄膜の圧電ひずみ定数を高
めるべく、700℃以上の温度でアニールを行なうと、
振動板やインク流路隔壁に鉛の拡散が発生し、薄膜の剥
離等が発生した。鉛の拡散防止膜として、ジルコニア薄
膜を蒸着法、スパッタ法、プラズマCVD法等の気相法
で形成したものは、緻密さが不十分でプロセス信頼性に
耐えなかった。また、有機ジルコニウム化合物を加水分
解したゾルを塗布し、比較的低温で加熱して定着させる
ゾルゲル法においても、膜質が多孔質で鉛の拡散を防止
できなかった。
【0004】そこで本発明はこのような問題点を解決す
るもので、その目的とするところは、700℃以上の高
温でアニールを行なっても、鉛の拡散が防止でき、高い
圧電ひずみ定数と高いヤング率を持つ圧電体薄膜素子を
備えたインクジェット記録ヘッド及びその製造方法を提
供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、圧電体素子
の下地に緻密なジルコニア薄膜が形成されているインク
ジェット記録ヘッドの製造において、単結晶シリコン基
板上に有機ジルコニウム化合物を加水分解したゾルを塗
布し、1200℃から1400℃の温度範囲に加熱して
安定化した結晶相からなるジルコニア薄膜とした後、圧
電体薄膜を積層し高温でアニールすることにより達成さ
れる。
【0006】
【作用】鉛の拡散防止膜としてのジルコニア薄膜は、緻
密かつ化学的に安定な状態で形成する必要がある。液相
で成膜できるゾルゲル法は、ゾルを網目状に重合が進む
よう調製できるため可能性がある。有機ジルコニウム化
合物としてはジルコニウムのアルコキシド、アリールオ
キシド、カルボン酸誘導体のいずれかが、加水分解安定
性に優れており、緻密なジルコニア薄膜形成に適してい
る。またゾルゲル法は、1000℃以下の比較的低温で
加熱して基板上に定着できるが、結晶相として安定化さ
せる必要がある。粉体のジルコニアは2000℃以上の
加熱により安定な立方晶となるが、ゾルゲル法を用いる
と1200℃以上の温度で結晶化が可能である。125
0℃以上の温度まで加熱すると、容易に立方晶を主とし
た結晶相になるのでより好ましい。但し、単結晶シリコ
ン基板の耐熱性を考慮すると、1400℃以下より好ま
しくは1350℃以下の加熱温度に制限される。
【0007】振動板としてのジルコニア薄膜は、緻密か
つ化学的に安定な状態であるとともに、機械的強度が強
く高靱性の材料として形成する必要がある。そのために
は1200℃から1400℃の温度範囲に加熱して安定
化した結晶相からなるジルコニア薄膜とする必要があ
る。しかし、鉛の拡散防止膜としては0.1μm程度の
膜厚で十分であったが、振動板としては0.3μm以上
の膜厚が必要となる。一方、緻密な厚い膜を結晶化させ
ると、密度変化によりクラックが発生しやすくなり、特
に2μm以上の膜厚において顕緒である。但し、計算上
は2μm以下の膜厚の振動板でも十分なインク吐出量が
得られるため、インクジェット記録ヘッド応用において
は2μm以下の膜厚にとどめることが望ましい。
【0008】
【実施例】
(実施例1)図1はインクジェット記録ヘッドの一例を
模式的に示した断面図である。1は圧力室であり、圧電
体素子によってインク吐出のための圧力を得る部分であ
る。2は単結晶シリコン製の第一基板でインク流路用の
パターン溝が形成されている。3はガラス製の第二基板
であり、両者の張り合わせによってインク流路は形成さ
れる。4が窒化ケイ素製の振動板であり、5がジルコニ
ア製の鉛拡散防止膜である。6が白金製の下電極であ
り、7がPZT製の圧電体薄膜、8が金製の上電極であ
る。
【0009】単結晶シリコン基板上にスパッタ法で、窒
化ケイ素薄膜を1μmの膜厚で形成した。その上にジル
コニウムのアルコキシドを加水分解したゾルを、スピン
コートで塗布した。ゾルはジルコニア換算で2重量%の
塗布液で、テトラエトキシジルコニウムをエチルアルコ
ールに分散させ、5倍モル量の水と酢酸を添加して加水
分解し、均一となった加水分解溶液を2−エトキシエタ
ノールで希釈して調整した。更に0.5μmのフィルタ
ーを通し、黄色味がかった透明な塗布液とした。冷暗所
で保存すると、一週間以上は透明で均一な溶液であっ
た。塗布した後、基板を室温で約1時間静置した後、最
高温度1300℃で1時間加熱処理し、緻密なジルコニ
ア薄膜を約0.2μmの厚みで形成できた。光学顕微鏡
観察では平滑な鏡面で、欠陥や粒界は認められなかっ
た。X線解析により、立方晶が主成分で単斜晶が混在し
た混晶であることがわかった。また、破断面を走査型電
子顕微鏡で観察すると微小な結晶が緻密に充填された均
質な膜で、貫通孔は認められなかった。
【0010】その上にスパッタ法によりチタンを介して
白金を約0.2μmの厚みで形成し、王水によるフォト
エッチングにより、下電極とした。更に、スパッタ法に
よりPZTを約3μmの厚みで形成し、熱塩酸によるフ
ォトエッチングによりパターンニングした。900℃で
1時間アニールすることにより、強誘電体とした。その
上にスパッタ法によりチタンを介して金を約0.1μm
の厚みで形成し、ヨウ素とヨウ化カリウムによるフォト
エッチングにより、上電極とした。900℃のアニール
において鉛の拡散は認められず、積層膜の剥離も発生し
なかった。また、アルカリによるフォトレジスト剥離工
程や、エッチング工程でジルコニア薄膜が劣化すること
はなかった。圧電体素子としての特性は耐圧が30ボル
ト以上有り、圧電ひずみ定数が150pC/Nと大変優
れたものであった。
【0011】このように作製したシリコン基板を用い、
異方性エッチングにより流路形成して製造したインクジ
ェット記録ヘッドを、記録装置に装着して印字試験を行
なったところ、十分な量のインクの吐出が得られ、クロ
ストーク等のトラブルは発生しなかった。小型で量産性
の高い、高精細の印字が可能となるインクジェット記録
ヘッドを達成できた。
【0012】(実施例2)単結晶シリコン基板上に酸化
ケイ素層を形成した後、スパッタ法で窒化ケイ素薄膜を
1μmの膜厚で形成した。その上にジルコニウムのカル
ボン酸誘導体を加水分解したゾルを、スピンコートで塗
布した。ゾルはジルコニア換算で0.5重量%の塗布液
で、テトラオクチル酸ジルコニウムをイソプロピルアル
コールに分散させ、微量の塩酸水溶液を添加して加水分
解し、0.5μmのフィルターを通して塗布液とした。
塗布液は均一で透明な液体であった。塗布した後、基板
を室温で約1時間静置した後、最高温度1350℃で1
時間加熱処理して、約0.05μmの厚みの緻密なジル
コニア薄膜を形成できた。光学顕微鏡観察では平滑な鏡
面で、欠陥や粒界は認められなかった。X線解析によ
り、立方晶が主成分で立方晶と単斜晶が混在した混晶で
あることがわかった。また、破断面を走査型電子顕微鏡
で観察すると微小な結晶が緻密に充填された均質な膜
で、貫通孔は認められなかった。
【0013】その上にスパッタ法によりチタンを介して
白金を約0.2μmの厚みで形成し、フォトエッチング
により、下電極とした。更に、スパッタ法によりPZT
を約2μmの厚みで形成し、フォトエッチングによりパ
ターンニングした。800℃で1時間アニールすること
により、強誘電体とした。その上にスパッタ法によりチ
タンを介して金を約0.1μmの厚みで形成し、フォト
エッチングにより、上電極とした。800℃のアニール
において鉛の拡散は認められず、積層膜の剥離も発生し
なかった。圧電体素子としての特性は耐圧が30ボルト
以上有り、圧電ひずみ定数が130pC/Nと優れたも
のであった。
【0014】このように作製したシリコン基板を用い、
異方性エッチングにより流路形成して製造したインクジ
ェット記録ヘッドを、記録装置に装着して印字試験を行
なったところ、十分な量のインクの吐出が得られ、クロ
ストーク等のトラブルは発生しなかった。小型で量産性
の高い、高精細の印字が可能となるインクジェット記録
ヘッドを達成できた。
【0015】(実施例3)単結晶シリコン基板上に酸化
ケイ素層を形成した後、その上にジルコニウムのアリー
ルオキシドを加水分解したゾルを、スピンコートで塗布
した。ゾルはジルコニア換算で4重量%の塗布液で、ジ
ルコニウムアセチルアセトナートをブチルアルコールに
分散させ、硝酸を触媒として加水分解し、0.5μmの
フィルターを通して塗布液とした。塗布液は均一で透明
な液体であった。毎分1500回転の速度でスピンコー
トした後、基板を150℃で約1時間加熱し、更に塗
布、乾燥を3回繰り返した。最高温度1250℃で2時
間加熱処理して、約1.5μmの厚みの緻密なジルコニ
ア薄膜を形成できた。光学顕微鏡観察では平滑な鏡面
で、欠陥や粒界は認められなかった。X線解析により、
立方晶が主成分で単斜晶と非晶質成分が混在した状態で
あることがわかった。また、破断面を走査型電子顕微鏡
で観察すると微小な結晶が緻密に充填された均質な膜
で、貫通孔は認められなかった。
【0016】その上にスパッタ法によりチタンを介して
白金を約0.2μmの厚みで形成し、フォトエッチング
により、下電極とした。更に、スパッタ法によりPZT
を約5μmの厚みで形成し、フォトエッチングによりパ
ターンニングした。800℃で2時間アニールすること
により、強誘電体とした。その上にスパッタ法によりチ
タンを介して金を約0.1μmの厚みで形成し、フォト
エッチングにより、上電極とした。800℃のアニール
において鉛の拡散は認められず、積層膜の剥離も発生し
なかった。圧電体素子としての特性は耐圧が30ボルト
以上有り、圧電ひずみ定数が150pC/Nと大変優れ
たものであった。また、振動板としてのジルコニア薄膜
も十分なヤング率を有していた。
【0017】このように作製したシリコン基板を用い、
異方性エッチングにより流路形成して製造したインクジ
ェット記録ヘッドを、記録装置に装着して印字試験を行
なったところ、十分な量のインクの吐出が得られ、クロ
ストーク等のトラブルは発生しなかった。小型で量産性
の高い、高精細の印字が可能となるインクジェット記録
ヘッドを達成できた。
【0018】(実施例4)単結晶シリコン基板上に酸化
ケイ素層を形成した後、その上にジルコニウムのアルコ
キシドを加水分解したゾルを、スピンコートで塗布し
た。ゾルはジルコニア換算で3重量%の塗布液で、テト
ラエトキシジルコニウムを2−エトキシエタノールに分
散させ、酢酸を添加して加水分解し、均一となった加水
分解溶液を0.5μmのフィルターを通して調製した。
毎分2000回転の速度でスピンコートした後、基板を
150℃で約1時間加熱し、更に塗布、乾燥をもう一度
繰り返した。最高温度1370℃で2時間加熱処理し
て、約0.5μmの厚みの緻密なジルコニア薄膜を形成
できた。光学顕微鏡観察では平滑な鏡面で、欠陥や粒界
は認められなかった。X線解析により、立方晶が主成分
の単晶であることがわかった。また、破断面を走査型電
子顕微鏡で観察すると微小な結晶が緻密に充填された均
質な膜で、貫通孔は認められなかった。
【0019】その上にスパッタ法によりチタンを介して
白金を約0.2μmの厚みで形成し、フォトエッチング
により、下電極とした。更に、スパッタ法によりPZT
を約5μmの厚みで形成し、フォトエッチングによりパ
ターンニングした。1150℃で1時間アニールするこ
とにより、強誘電体とした。その上にスパッタ法により
チタンを介して金を約0.1μmの厚みで形成し、フォ
トエッチングにより、上電極とした。1150℃のアニ
ールにおいて鉛の拡散は認められず、積層膜の剥離も発
生しなかった。圧電体素子としての特性は耐圧が30ボ
ルト以上有り、圧電ひずみ定数が200pC/Nと大変
優れたものであった。また、振動板としてのジルコニア
薄膜も十分なヤング率を有していた。
【0020】このように作製したシリコン基板を用い、
異方性エッチングにより流路形成して製造したインクジ
ェット記録ヘッドを、記録装置に装着して印字試験を行
なったところ、十分な量のインクの吐出が得られ、クロ
ストーク等のトラブルは発生しなかった。小型で量産性
の高い、高精細の印字が可能となるインクジェット記録
ヘッドを達成できた。
【0021】(比較例1)単結晶シリコン基板上にスパ
ッタ法で、窒化ケイ素薄膜を1μmの膜厚で形成した。
その上に実施例1と同様のジルコニウムのアルコキシド
を加水分解したゾルを、スピンコートで塗布した。塗布
した後、基板を室温で約1時間静置した後、最高温度1
150℃で2時間加熱処理し、緻密なジルコニア薄膜を
約0.2μmの厚みで形成できた。光学顕微鏡観察では
平滑な鏡面で、欠陥や粒界は認められなかった。X線解
析により、非晶質が主成分で極僅かに立方晶成分が存在
する状態であることがわかった。また、破断面を走査型
電子顕微鏡で観察するとガラス質の均質な膜で、粒界は
認められなかった。
【0022】その上にスパッタ法によりチタンを介して
白金を約0.2μmの厚みで形成し、王水によるフォト
エッチングにより、下電極とした。更に、スパッタ法に
よりPZTを約3μmの厚みで形成し、熱塩酸によるフ
ォトエッチングによりパターンニングした。900℃で
1時間アニールすることにより、強誘電体とした。その
際白金電極がいたるところで浮き上がり、凹凸のある表
面となった。破断面を走査型電子顕微鏡で観察すると、
シリコン基板と窒化ケイ素薄膜との間で剥離が発生して
いた。
【0023】(比較例2)単結晶シリコン基板上に酸化
ケイ素層を形成した後、その上に実施例3と同様のジル
コニウムのアリールオキシドを加水分解したゾルを、ス
ピンコートで塗布した。毎分1500回転の速度でスピ
ンコートした後、基板を150℃で約1時間加熱し、更
に塗布、乾燥を5回繰り返した。最高温度1250℃で
2時間加熱処理して、約2.5μmの厚みの緻密なジル
コニア薄膜を形成できた。ところが、直径3インチのシ
リコン基板上にクラックが多数発生していた。光学顕微
鏡でクラック以外の部分を観察すると平滑な鏡面で、欠
陥や粒界は認められなかった。X線解析により、立方晶
が主成分で単斜晶と非晶質成分が混在した状態であるこ
とがわかった。
【0024】微小領域においては実施例3と同様の状態
であったが、インクジェット記録ヘッドには応用できな
い。
【0025】(比較例3)単結晶シリコン基板上に酸化
ケイ素層を形成した後、スパッタ法で窒化ケイ素薄膜を
1μmの膜厚で形成した。その上に実施例2と同様のジ
ルコニウムのカルボン酸誘導体を加水分解したゾルを、
スピンコートで塗布した。塗布した後、基板を室温で約
1時間静置した後、最高温度1450℃で30分間加熱
処理した。シリコン基板は原型をとどめず、液滴状の形
状をしていた。
【0026】(比較例4)単結晶シリコン基板上に酸化
ケイ素層を形成した後、その上に実施例4と同様のジル
コニウムのアルコキシドを加水分解したゾルを、スピン
コートで塗布した。毎分2000回転の速度でスピンコ
ートした後、基板を150℃で約1時間加熱し、更に塗
布、乾燥をもう一度繰り返した。最高温度1370℃で
2時間加熱処理して、約0.5μmの厚みの緻密なジル
コニア薄膜を形成できた。光学顕微鏡観察では平滑な鏡
面で、欠陥や粒界は認められなかった。X線解析によ
り、立方晶が主成分の単晶であることがわかった。ま
た、破断面を走査型電子顕微鏡で観察すると微小な結晶
が緻密に充填された均質な膜で、貫通孔は認められなか
った。
【0027】その上にスパッタ法によりチタンを介して
白金を約0.2μmの厚みで形成し、フォトエッチング
により、下電極とした。更に、スパッタ法によりPZT
を約5μmの厚みで形成し、フォトエッチングによりパ
ターンニングした。1300℃で1時間アニールを試み
た。積層膜の剥離は発生しなかったが、鉛成分が多量に
蒸発して組成比が変動し、予想していた強誘電体とはな
らなかった。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、圧電
体素子の下地に緻密なジルコニア薄膜が形成されている
インクジェット記録ヘッドの製造において、単結晶シリ
コン基板上に有機ジルコニウム化合物を加水分解したゾ
ルを塗布し、1200℃から1400℃の温度範囲に加
熱して安定化した結晶相からなるジルコニア薄膜とした
後、圧電体薄膜を積層し高温でアニールすることにより
強誘電体薄膜となった。700℃以上の高温でアニール
を行なっても、鉛の拡散が防止でき、高い圧電ひずみ定
数と高いヤング率を持つ圧電体薄膜素子を備えたインク
ジェット記録ヘッドを提供できた。小型で量産性の高
い、高精細の印字が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1におけるインクジェット記録ヘッド
の概略を、模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1 圧力室 2 単結晶シリコン製の第一基板 3 第二基板 4 振動板 5 ジルコニア製の鉛拡散防止膜 6 下電極 7 PZT製の圧電体薄膜 8 上電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/16 H01L 41/09

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体圧電体素子を備えたインクジェ
    ット記録ヘッドの製造方法において、 単結晶シリコン基板上に有機ジルコニウム化合物を加水
    分解したゾルを塗布する工程と、1200℃から140
    0℃の温度範囲に加熱して前記ゾルを安定化した結晶相
    からなるジルコニア薄膜とする工程と、圧電体薄膜を積
    層し700℃以上の高温でアニ−ルすることにより該圧
    電体薄膜を強誘電体圧電素子とする工程とを有すること
    を特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱により安定化したジルコニアの
    結晶相が、立方晶、正方晶、単斜晶いずれかからなる単
    晶または混晶からなり、該ジルコニア薄膜の膜厚が2μ
    m以下であることを特徴とする請求項1記載のインクジ
    ェット記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ジルコニア薄膜の結晶化温度がより
    好ましくは1250℃から1300℃の温度範囲であ
    り、圧電体薄膜のアニ−ル温度が700℃から1200
    ℃の温度範囲であることを特徴とする請求項1記載のイ
    ンクジェット記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 インクジェット記録ヘッドにおいて、 単結晶シリコン基板上に安定化した結晶相からなるジル
    コニア薄膜と、圧電体薄膜を積層し700℃以上の高温
    でアニ−ルすることにより形成される強誘電体圧電素子
    とを有することを特徴とするインクジェット記録ヘッ
    ド。
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