JP3451127B2 - 廃棄物分解燃焼型焼却炉及びその関連技術 - Google Patents

廃棄物分解燃焼型焼却炉及びその関連技術

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JP3451127B2
JP3451127B2 JP07416794A JP7416794A JP3451127B2 JP 3451127 B2 JP3451127 B2 JP 3451127B2 JP 07416794 A JP07416794 A JP 07416794A JP 7416794 A JP7416794 A JP 7416794A JP 3451127 B2 JP3451127 B2 JP 3451127B2
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悦郎 武内
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吉中 悟
ゼネラル技研株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、例えば、液体を
多量に随伴する塗料滓等、低温融解性の化学繊維屑等、
固化した油脂類等を含む各種産業廃棄物を始めとする廃
棄物等を、半乾留により分解・ガス化しつつ焼却する廃
棄物分解燃焼型焼却炉及びその関連技術に関する。
【0002】
【従来の技術】図7(a) ・(b) 及び図8(a) ・(b) に示
されるような従来の半乾留型焼却炉における半乾留室a
の内部は、底床面bから上方に向かってほぼ一定水平断
面積の角筒状または円筒状をなしていた。この半乾留室
a内への半乾留に要する空気の供給は、その水平底床面
bに開口する供給孔cから行われ、焼却後水平底床面b
上に通常ほぼ均一に残留する半乾留残渣(灰、不燃物な
ど)の排出は、側壁下部に設けられた開閉扉dを開い
て、人力或は動力による押し出し又は掻き出しにより行
なわれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来型の
半乾留型焼却炉における半乾留室aにおいては、半乾留
に要する空気の供給孔cが水平底床面bに開口している
ため、被焼却物が液体を随伴する場合や、半乾留におけ
る熱分解操作によって比較的低温で溶融する物質を含む
場合、その液体や溶融物等がしばしば空気供給孔c内に
流入して供給孔cを完全に或は部分的に閉塞し、所定量
の空気の供給が阻まれて乾留が不均一化し、結果として
焼却能力が低下することがあった。そのため、空気供給
孔c内の閉塞物を除去して所期の焼却能力を維持するた
めの保守作業を必要としていた。また従来型の半乾留型
焼却炉において、焼却後水平底床面b上にほぼ均一に残
留する半乾留残渣を側壁下部に設けられた開閉扉dを開
いて排出する場合、開閉扉dを1個所のみに有するもの
であっても向かい合う各壁面に2個所有するものであっ
ても、開閉扉dによる開口部から、水平底床面b上にお
ける両側部及び4隅部(角筒型)或は両側の円周面に沿
う部分(円筒型)について広範囲に、残渣を掻き出した
り押し出したりしなければならず、人力、動力何れの排
出においても非能率的であり、動力による排出の場合
は、排出装置の複雑化をも招いていた。
【0004】また更に、従来型の水平底床部を有する半
乾留室aにおいては、半乾留に要する空気の供給孔cは
底床面bに設けられ、概ね垂直に吹き上げるごとく空気
を供給していたため、その水平底床面bに平行に近い状
態で収容されることが多い雑誌や本を始めとする紙葉類
等の水平板状積層物が、空気供給孔cをその下面で圧し
塞ぐこととなっていた。そのため、水平板状積層物自体
及び他の廃棄物の半乾留の進行が阻害されると共に、水
平板状積層物から半乾留により生成する層状をなす板状
残留炭素及び他の廃棄物の灰化に要する空気の均一供給
が妨げられて部分的に未燃炭素を残留する等の問題があ
った。
【0005】本発明は、従来技術に存した上記のような
問題点に鑑み行われたものであって、その目的とすると
ころは、半乾留による分解燃焼が効率良く行われ、被焼
却物に随伴する液状物や流動性物質及び焼却中に生ずる
溶融物等がガス供給孔に流入してガス供給孔を閉塞状態
或は半閉塞状態とし、酸素含有ガスの供給に支障を来す
ことが生じ難く、底床面に対し平行に近い状態で半乾留
室内に収容された雑誌や本を始めとする紙葉類等により
半乾留の進行及び半乾留により生成する残留炭素の灰化
が妨げられず、残渣の排出を、人力によると動力を利用
するとを問わず極めて効率的に行い得る廃棄物分解燃焼
型焼却炉、廃棄物分解燃焼型焼却炉用半乾留室、及び廃
棄物分解燃焼型焼却炉の使用方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の廃棄物分解燃焼型焼却炉は、内部が箱形状
をなす半乾留室における下部の内部形状が、全体として
底床面に向かって互いに内向きに下降傾斜する傾斜状内
側面を両側に有し、両端部が開閉扉および/または壁面
により閉塞されてなる略台形断面溝形状をなし、半乾留
室の下部の内側面における少なくとも両傾斜状内側面
に、被焼却物の半乾留のための酸素含有ガスを供給する
ガス供給孔が上下ほぼ万遍なく開設され、ガス供給孔の
半乾留室内開口部の軸線方向が、水平方向に対しほぼ−
70度乃至ほぼ0度であり、ガス供給孔の位置が低くな
るにつれて俯角が大きくなるものとしている。ガス供給
孔の半乾留室内開口部の軸線方向は、ガス供給孔から供
給される酸素含有ガスが底床面のほぼ全面に吹き付けら
れ得る角度とすることが好ましい。また、傾斜状内側面
の下端部が水平底床面に対し直交するものが好ましい。
【0007】本発明の廃棄物分解燃焼型焼却炉用半乾留
室は、内部が箱形状をなす半乾留室における下部の内部
形状が、全体として底床面に向かって互いに内向きに下
降傾斜する傾斜状内側面を両側に有し、両端部が開閉扉
および/または壁面により閉塞されてなる略台形断面溝
形状をなし、半乾留室の下部の内側面における少なくと
も両傾斜状内側面に、半乾留のための酸素含有ガスを供
給するガス供給孔が上下ほぼ万遍なく開設され、ガス供
給孔の半乾留室内開口部の軸線方向が、水平方向に対し
ほぼ−70度乃至ほぼ0度であり、ガス供給孔の位置が
低くなるにつれて俯角が大きくなるものとしている。更
に、本発明の廃棄物分解燃焼型焼却炉の使用方法は、半
乾留室内に被焼却物を収容し、半乾留室内にガス供給孔
から被焼却物の半乾留に要する酸素含有ガスを供給しつ
つその被焼却物を半乾留するものである。
【0008】
【作用】半乾留室における下部の内部形状が略台形断面
溝形状をなすので、被焼却物の下部は、ほぼそれに対応
する形態、すなわち略台形断面状をなす状態で収容され
る。この略台形断面状をなす被焼却物の下部に対し、そ
の両側に位置するところの、略台形断面溝形状を構成す
る両傾斜状内側面に万遍なく開設されたガス供給孔か
ら、被焼却物の半乾留のための酸素含有ガスが供給され
る。略台形断面状をなす被焼却物における、下方に向か
って互いに内向きに傾斜する両側部から、それぞれ上下
ほぼ万遍なく、水平方向に対しほぼ−70度乃至ほぼ0
度の角度でガス供給孔の位置が低くなるにつれて俯角が
大きくなるように酸素含有ガスがある程度内部まで供給
されるので、被焼却物の下部における傾斜両側部及び底
部からそれぞれの内部に亙る大略断面V字状の領域に、
酸素含有ガスが行き渡ることとなる。この大略断面V字
状の領域が、被焼却物と供給ガス、すなわち酸素含有ガ
スとの間で燃焼反応が生じて被焼却物が酸化する燃焼層
を形成する。
【0009】この燃焼層を経た供給ガス及び燃焼層にお
ける生成ガスは、高温となって被焼却物中を上昇する。
燃焼層の上側の領域(還元層)においては、被焼却物が
前記この熱ガスに被覆される状態となって、被焼却物に
熱分解が生ずる。この熱ガスは酸素プアーな状態である
から、被焼却物の燃焼が起こったとしても極めてわずか
である。一方、被焼却物の熱分解によって生ずる高温の
活性状態の炭素は、燃焼層における生成ガス中のH2
やCO2 と反応性良く反応し、一酸化炭素や水素などの
可燃性熱分解ガスを生成する。還元層の上側の領域(予
熱・乾燥層)においては、燃焼層の熱により被焼却物が
予熱或は乾燥される。他方、燃焼層及び還元層において
生成した一酸化炭素や水素等の可燃性ガスは、被焼却物
から分離した後、例えば後段の生成ガス燃焼工程におい
て完全燃焼されることにより、処理される。このように
して、下方から順に燃焼層、還元層及び予熱・乾燥層
が、それぞれ平面図において見れば被焼却物の全体に亙
る状態でほぼ万遍なく形成され、半乾留による分解燃焼
の進行により、被焼却物における略V字状の下部が順次
灰化し、次第に全体の嵩が減少して上面が低下する。
【0010】半乾留室の下部の内側面における少なくと
も両傾斜状内側面に、半乾留のための酸素含有ガスを供
給するガス供給孔が上下ほぼ万遍なく開設され、そのガ
ス供給孔の半乾留室内開口部の軸線方向は、水平方向に
対しほぼ−70度乃至ほぼ0度であり、ガス供給孔の位
置が低くなるにつれて俯角が大きくなるから、被焼却物
に随伴する液状物や流動性物質及び焼却中に生ずる溶融
物等がガス供給孔に流入してガス供給孔を閉塞状態或は
半閉塞状態とし、酸素含有ガスの供給に支障を来すこと
が生じ難い。また、ガス供給孔の半乾留室内開口部の軸
線方向が水平方向に対しほぼ−70度乃至ほぼ0度であ
ため、底床面に対し平行に近い状態で半乾留室内に収
容された雑誌や本を始めとする紙葉類等の水平板状積層
物及びそれらから半乾留により生成する層状をなす板状
残留炭素も、略台形断面溝形状をなす半乾留室の下部に
おいて、その層に平行又は平行に比較的近い方向から酸
素含有ガスが供給されるので、灰化が妨げられない。
【0011】半乾留室における下部の内部形状が、全体
として底床面に向かって互いに内向きに下降傾斜する傾
斜状内側面を両側に有し、両端部が開閉扉または壁面に
より閉塞されてなる略台形断面溝形状をなすので、被焼
却物の残渣は、両側の傾斜状内側面により底床面上、す
なわち略台形断面溝形状の溝底状部分に向かって案内さ
れる。従って、略台形断面溝形状をなす下部よりも上方
において必要な容量を確保しつつ、残渣の排出は、ほと
んど溝底状の底床面上における前後直線運動的な押し出
しまたは掻き出しの操作のみにより行い得る。ガス供給
孔の半乾留室内開口部の軸線方向を、ガス供給孔から供
給される酸素含有ガスが底床面のほぼ全面に吹き付けら
れ得る角度とすることにより、底床面上に位置する被焼
却物の下端部に対し酸素含有ガスがほぼ万遍なく供給さ
れ、被焼却物の半乾留による分解燃焼をより確実に漏れ
なく行うことができる。また、半乾留室における傾斜状
内側面の下端部が水平底床面に対し直交するものの場
合、一般に略台形断面溝形状の溝底状部分の形状に、残
渣排出用具の形状が適合するので、或は残渣排出用具の
形状を適合させ易いので、残渣の排出がより効率的にな
る。また、水平底床面に対し直交する傾斜状内側面の下
端部に対しガス供給孔を設けることが比較的容易とな
る。
【0012】
【実施例】図1乃至図4は、本発明の1実施例としての
廃棄物分解燃焼型焼却炉についてのものであって、その
うち図1は、半乾留室の縦断面図、図2はその要部拡大
図、図3は平面図、図4はその要部拡大図である。半乾
留室10は、鋼板により形成された外殻の内側が耐火物
でライニングされてなるものであり、内部が箱形状をな
す。勿論、半乾留室10は特にこのように限定されるも
のではなく、例えば外殻及び内殻を鋼板で形成し、両者
の間隙に冷却水を循環させたものであってもよい。半乾
留室10の内部は、水平断面が円形状をなす上部10a
と、底床面12を含む下部10bからなる。半乾留室下
部10bは、底床面12に向かって互いに内向きに下降
傾斜する傾斜状内側面14を図1及び図3における左右
両側に有し、図2における前後両端部が、上部10aか
ら連続する湾曲した側壁16と、下辺が底床面12に一
致する開閉扉18とにより閉塞されてなる略台形断面溝
形状をなす。半乾留室10の底部は基盤20上に支持さ
れ、半乾留室上部10aの下端外周部は、支柱22によ
って支持されている。
【0013】半乾留室下部10bの両傾斜状内側面14
は、その上半部14aが緩傾斜、下半部14bが急傾斜
に構成されることにより、傾斜状内側面14全体の高さ
を比較的低く抑えつつ、下半部14bの傾斜内側部同士
の間隔を、例えば上下に亙り中間的な傾斜である場合よ
りも全体的に狭めて焼却後の残渣の排出を容易ならしめ
ている。なお、傾斜状内側面14は、このような態様に
限定されるものではなく、傾斜が数段階に変化していた
り、一定であってもよく、一部の傾斜が例えば90度で
あってもよく、また、一部若しくは全部が曲面であって
もよい。傾斜状内側面14の上半部14aの傾斜角は、
45度乃至60度が好ましい。傾斜角が小さ過ぎると被
焼却物の焼却の進行に伴う下降移動及び残渣の下降移動
の円滑性が損なわれる。下半部14bの傾斜角は、60
度乃至90度が好ましい。開閉扉18は運転中には閉塞
する。この開閉扉18は、両端部に設けても一端部のみ
に設けてもよいが、何れにせよ、焼却後の残渣の排出を
より容易ならしめる上で、開閉扉18の横幅は、傾斜状
内側面14同士の間隔にほぼ一致するか或はそれに近く
することが望ましい。
【0014】半乾留室10の下部10bにおける両傾斜
状内側面14には、半乾留室10の外の送風機等の送風
手段(図示を略す。)からの空気(酸素含有ガスの一
例)、すなわち被焼却物の半乾留のための空気を半乾留
室10内に供給する空気供給孔24(空気ノズル)がほ
ぼ万遍なく開設されている。これらの空気供給孔24の
軸線方向は、ほぼ水平状に設定されている。ガス供給孔
の半乾留室内開口部の軸線方向は、水平方向に対しほぼ
−70度乃至+45度の範囲で設定し得る。全てのガス
供給孔の半乾留室内開口部の軸線方向の角度を一定とす
ることもでき、各ガス供給孔ごとに軸線方向の角度を任
意に設定することもできる。ガス供給孔の半乾留室内開
口部の好ましい軸線方向角度は、半乾留室下部における
両傾斜状内側面間の幅の大小及び底床面からの高さによ
り定まる。
【0015】少なくとも一部のガス供給孔の半乾留室内
開口部の軸線方向は、ガス供給孔から供給される酸素含
有ガスが底床面のほぼ全面に吹き付けられ得るように、
負の角度(俯角)とすることが好ましい。また、最下段
のガス供給孔の半乾留室内開口部の軸線方向角度を最大
俯角(最小負角度)とすることにより、酸素含有ガスを
底床面と傾斜状内側面とが交差する隅部にできるだけ近
い位置に吹き付けて酸素含有ガスをよく行き渡らせるこ
とができる。ガス供給孔の半乾留室内開口部の軸線方向
を正の角度(仰角)とする場合、被焼却物全体中におい
て随伴する液状物や流動性物質及び焼却中に生ずる溶融
物等の比率に応じて角度が決定される。前記比率が大き
い場合は、仰角を比較的小さ目として流動性物質等の流
入を確実性高く防ぐようにする。両傾斜状内側面間の比
較的上部同士の間、特に緩傾斜の部分同士の間に位置す
る被焼却物への酸素含有ガスの供給のためには、半乾留
室内開口部の軸線方向が正の角度のガス供給孔を採用す
ることが効果的である。従って、傾斜状内側面の比較的
上部に仰角のガス供給孔を開設することが好ましい。
【0016】空気供給孔24の直径は、1乃至150m
m、空気供給孔24の間隔(ピッチ)は、50乃至50
0mmとすることが好ましい。この半乾留室10を用い
た廃棄物分解燃焼型焼却炉内に、低温溶融性のポリエス
テル繊維製品屑のほかに本や紙葉類の水平状積層物等を
収容し、収容した被焼却物の下端部に点火して半乾留室
10内に空気供給孔24から被焼却物の半乾留に要する
酸素含有ガスを供給しつつ半乾留によるガス化焼却を行
ったところ、半乾留による分解燃焼が効率良く行われ、
積層された本や紙葉類の熱分解による炭化物の灰化が他
の被焼却物の炭化物の灰化に比し遅れたり、本や紙葉類
について未燃炭素が残留するようなことは起こらなかっ
た。焼却後の被焼却物の残渣は、開閉扉18を開いて、
底床面12上、すなわち略台形断面溝形状の溝底状部分
においてのみ、人力掻き出し具により前後直線運動的な
押し出しまたは掻き出しの操作を行うのみにより、極め
て効率的に排出することができた。
【0017】また、ポリエステル繊維製品屑の溶融物等
の空気供給孔24内部への流入はほとんどなく、週に5
〜6回の使用においても約6か月間は空気の供給に支障
を来すおそれがなかった。図5及び図6は、本発明の別
の実施例としての廃棄物分解燃焼型焼却炉についてのも
のであって、そのうち図5は、半乾留室の縦断面図、図
6は平面図である。この実施例における半乾留室10の
内部は、水平断面が正方形状をなす上部10aと、底床
面12に向かって互いに内向きに下降傾斜する傾斜状内
側面14を図5及び図6における左右両側に有し、図6
における前後両端部が、上部10aから連続する側壁1
6と下辺が底床面12に一致する開閉扉18により閉塞
されてなる略台形断面溝形状をなす下部10bとから構
成されている。また上中下3か所に設けられた全空気供
給孔24の軸線方向は、空気が底床面12のほぼ全面に
吹き付けられ得るよう、水平方向に対し約ほぼ−30度
に設定されている。これらを除いては、上記図1乃至図
4の実施例とほぼ同様である。
【0018】この半乾留室10を用いた廃棄物分解燃焼
型焼却炉内に、ゴムラテックス(液状物)を随伴した廃
プラスチック類のほかに本や紙葉類の水平状積層物等を
収容し、収容した被焼却物の下端部に点火して半乾留室
10内に空気供給孔24から被焼却物の半乾留に要する
酸素含有ガスを供給しつつ半乾留によるガス化焼却を行
ったところ、半乾留による分解燃焼が効率良く行われ、
積層された本や紙葉類の熱分解による炭化物の灰化が他
の被焼却物の炭化物の灰化に比し遅れたり、本や紙葉類
について未燃炭素が残留するようなことは起こらなかっ
た。焼却後の被焼却物の残渣は、開閉扉18を開き、底
床面12上、すなわち略台形断面溝形状の溝底状部分に
おいてのみ、フォークリフトに掻き出し具を装着して前
後直線運動的な押し出しまたは掻き出しの操作を行うの
みにより、極めて効率的に排出することができた。ま
た、ゴムラテックスの空気供給孔24内部への流入はほ
とんどなく、週に5〜6回の使用においても約3年間は
空気の供給に支障を来すおそれがなかった。
【0019】図7は、本発明の更に別の実施例としての
廃棄物分解燃焼型焼却炉についての破砕断面図である。
半乾留室10の内部は、水平断面が方形状をなす上部1
0aと、水平な底床面12を含む下部10bからなる。
半乾留室下部10bは、底床面12に向かって互いに内
向きに下降傾斜する傾斜状内側面14を図7における左
右両側に有し、両端部が、上部10aから連続する側壁
16と下辺及び両側辺がそれぞれ底床面12及び両傾斜
状内側面14の下半部14bに一致する開閉扉18によ
り閉塞されてなる略台形断面溝形状をなす。半乾留室下
部10bの両傾斜状内側面14は、その上半部14aが
傾斜角約45度、下半部14bが傾斜角90度、すなわ
ち底床面12に対し垂直である。傾斜角が小さ過ぎると
被焼却物の焼却の進行に伴う下降移動及び残渣の下降移
動が円滑に行われると共に、溝底状部分の形状に開閉扉
18の開口部の形状が一致し且つ残渣排出用具の形状が
適合するので、残渣の排出がより効率的である。また、
傾斜状内側面14の下半部14bに対しガス供給孔を設
けることが比較的容易である。
【0020】半乾留室10の下部10bにおける両傾斜
状内側面14には、半乾留室10の外のガス化用空気供
給機30からの空気半乾留室10内に供給するマニホー
ルド32の先端の空気供給孔24(空気ノズル)がほぼ
万遍なく開設されている。これらの空気供給孔24の軸
線方向は、上端のものがほぼ0度、下端のものがほぼ−
70度で、その間のものは、位置が低くなるにつれて俯
角が大きくなる。このような構成により、空気供給孔か
ら供給される空気が底床面12のほぼ全面に吹き付けら
れ得ると共に、空気を底床面12と傾斜状内側面14の
下半部14bとが交差する隅部にできるだけ近い位置に
吹き付けて空気をよく行き渡らせることができるものと
している。半乾留室10内の上部には、半乾留室冷却用
空気供給機34からの冷却用空気を導入するための冷却
用空気供給孔36が開口している。半乾留室10の上端
部は、被焼却物挿入口を開閉する挿入口蓋38及び内部
の過大な圧力を逃がすためのリリーフ弁40を備えた天
板42により閉塞されている。
【0021】側壁16の上部(収容される被焼却物の上
端部よりも上方)に、半乾留により生成する可燃性ガス
等をエジェクタ兼生成ガスバーナ44に導くための生成
ガス送給ダクト46の基端部が開口している。エジェク
タ兼生成ガスバーナ44の先端部は生成ガス燃焼室48
に開口し、エジェクタ兼生成ガスバーナ44の基端部に
は、エジェクト用兼生成ガス燃焼用空気供給機50から
エジェクト用兼生成ガス燃焼用空気が供給される。生成
ガス送給ダクト46の先端部はエジェクタ兼生成ガスバ
ーナ44の基端部寄りに開口し、生成ガス燃焼室48内
に向かって流れるエジェクト用兼生成ガス燃焼用空気に
より、半乾留により生成する可燃性ガス等が生成ガス送
給ダクト46を介して半乾留室10から吸引される。半
乾留により生成する可燃性ガスは、エジェクト用兼生成
ガス燃焼用空気と混合して生成ガス燃焼室48内に供給
され完全燃焼する。着火バーナ52は、エジェクト用兼
生成ガス燃焼用空気と混合した可燃性ガスに点火するた
めに生成ガス燃焼室48の側壁部に設けられている。着
火バーナ52の燃料は着火用燃料源54から供給され
る。生成ガス燃焼室48内にて生成する燃焼廃ガスは、
排気筒56から排出される。なお、前記2種の実施例に
おける半乾留室10をこの実施例の廃棄物分解燃焼型焼
却炉における半乾留室10に代えてそれぞれ廃棄物分解
燃焼型焼却炉を構成することももちろん可能である。
【0022】
【発明の効果】本発明においては、半乾留室における下
部の内部形状にほぼ対応して略台形断面状をなす状態で
収容された被焼却物の下部に対し、半乾留室下部の略台
形断面溝形状を構成する両傾斜状内側面に上下ほぼ万遍
なく開設された半乾留室内開口部の軸線方向が水平方
向に対しほぼ−70度乃至ほぼ0度の角度でガス供給孔
の位置が低くなるにつれて俯角が大きくなるガス供給孔
から、酸素含有ガスが供給されるので、被焼却物の下部
における傾斜両側部及び底部からそれぞれの内部に亙る
大略断面V字状の領域に、先ず酸素含有ガスが行き渡
り、次いで下方から順に燃焼層、還元層及び予熱・乾燥
層が、それぞれ平面図において見れば被焼却物の全体に
亙る状態でほぼ万遍なく形成されて、半乾留による分解
燃焼が効率良く行われる。半乾留室の下部の内側面にお
ける少なくとも両傾斜状内側面に、半乾留のための酸素
含有ガスを供給するガス供給孔が上下ほぼ万遍なく開設
され、そのガス供給孔の半乾留室内開口部の軸線方向
は、水平方向に対しほぼ−70度乃至ほぼ0度であり、
ガス供給孔の位置が低くなるにつれて俯角が大きくなる
から、被焼却物に随伴する液状物や流動性物質及び焼却
中に生ずる溶融物等がガス供給孔に流入してガス供給孔
を閉塞状態或は半閉塞状態とし、酸素含有ガスの供給に
支障を来すことが生じ難く、開孔保守作業をほとんど要
しない。それゆえ、プラスチック等を含む廃棄物の半乾
留による焼却に極めて適している。
【0023】また、ガス供給孔の半乾留室内開口部の軸
線方向が水平方向に対しほぼ−70度乃至ほぼ0度であ
ため、底床面に対し平行に近い状態で半乾留室内に収
容された雑誌や本を始めとする紙葉類等の水平板状積層
物から半乾留により生成する層状をなす板状残留炭素
も、その層に平行又は平行に比較的近い方向から酸素含
有ガスが供給されるので、灰化が妨げられず、紙葉類等
を含む廃棄物の焼却も従来に比し極めて効率良く行うこ
とができる。更にまた、半乾留室における下部の内部形
状が、全体として底床面に向かって互いに内向きに下降
傾斜する傾斜状内側面を両側に有し、両端部が開閉扉ま
たは壁面により閉塞されてなる略台形断面溝形状をなす
ので、被焼却物の残渣は、両側の傾斜状内側面により底
床面上、すなわち略台形断面溝形状の溝底状部分に向か
って案内される。従って、略台形断面溝形状をなす下部
よりも上方において、必要な容量を確保しつつ、残渣の
排出は、ほとんど溝底状の底床面上における前後直線運
動的な押し出しまたは掻き出しの操作のみにより、人力
によると動力を利用するとを問わず極めて効率的に行い
得る。ガス供給孔の半乾留室内開口部の軸線方向を、ガ
ス供給孔から供給される酸素含有ガスが底床面のほぼ全
面に吹き付けられ得る角度とすることにより、底床面上
に位置する被焼却物の下端部に対し酸素含有ガスがほぼ
万遍なく供給され、被焼却物の半乾留による分解燃焼を
より確実に漏れなく行うことができる。
【0024】また、半乾留室における傾斜状内側面の下
端部が水平底床面に対し直交するものの場合、一般に略
台形断面溝形状の溝底状部分の形状に、残渣排出用具の
形状が適合するので、或は残渣排出用具の形状を適合さ
せ易いので、残渣の排出がより効率的になる。また、水
平底床面に対し直交する傾斜状内側面の下端部に対しガ
ス供給孔を設けることが比較的容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半乾留室の縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】半乾留室の平面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】半乾留室の縦断面図である。
【図6】半乾留室の平面図である。
【図7】廃棄物分解燃焼型焼却炉の破砕断面図である。
【図8】従来の半乾留室の縦断面図及び平面図である。
【図9】従来の半乾留室の縦断面図及び平面図である。
【符合の説明】
10 半乾留室 10a 上部 10b 下部 12 底床面 14 傾斜状内側面 16 側壁 18 開閉扉 24 空気供給孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 5/44 B09B 3/00 302 F23G 5/00 119

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部が箱形状をなす半乾留室における下部
    の内部形状が、全体として底床面に向かって互いに内向
    きに下降傾斜する傾斜状内側面を両側に有し、両端部が
    開閉扉および/または壁面により閉塞されてなる略台形
    断面溝形状をなし、 半乾留室の下部の内側面における少なくとも両傾斜状内
    側面に、被焼却物の半乾留のための酸素含有ガスを供給
    するガス供給孔が上下ほぼ万遍なく開設され、 ガス供給孔の半乾留室内開口部の軸線方向が、水平方向
    に対しほぼ−70度乃至ほぼ0度であり、ガス供給孔の
    位置が低くなるにつれて俯角が大きくなることを特徴と
    する廃棄物分解燃焼型焼却炉。
  2. 【請求項2】上記ガス供給孔の半乾留室内開口部の軸線
    方向が、上端のガス供給孔においてほぼ0度、下端のガ
    ス供給孔においてほぼ−70度で、その間のガス供給孔
    は、位置が低くなるにつれて俯角が大きくなる請求項1
    記載の廃棄物分解燃焼型焼却炉。
  3. 【請求項3】傾斜状内側面の下端部が水平底床面に対し
    直交する請求項1又は2記載の廃棄物分解燃焼型焼却
    炉。
  4. 【請求項4】内部が箱形状をなす半乾留室における下部
    の内部形状が、全体として底床面に向かって互いに内向
    きに下降傾斜する傾斜状内側面を両側に有し、両端部が
    開閉扉および/または壁面により閉塞されてなる略台形
    断面溝形状をなし、 半乾留室の下部の内側面における少なくとも両傾斜状内
    側面に、半乾留のための酸素含有ガスを供給するガス供
    給孔が上下ほぼ万遍なく開設され、 ガス供給孔の半乾留室内開口部の軸線方向が、水平方向
    に対しほぼ−70度乃至ほぼ0度であり、ガス供給孔の
    位置が低くなるにつれて俯角が大きくなることを特徴と
    する廃棄物分解燃焼型焼却炉用半乾留室。
  5. 【請求項5】上記ガス供給孔の半乾留室内開口部の軸線
    方向が、上端のガス供給孔においてほぼ0度、下端のガ
    ス供給孔においてほぼ−70度で、その間のガス供給孔
    は、位置が低くなるにつれて俯角が大きくなる請求項4
    記載の廃棄物分解燃焼型焼却炉用半乾留室。
  6. 【請求項6】傾斜状内側面の下端部が水平底床面に対し
    直交する請求項4又は5記載の廃棄物分解燃焼型焼却炉
    用半乾留室
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