JP3450414B2 - インクジェット捺染方法及び捺染物 - Google Patents

インクジェット捺染方法及び捺染物

Info

Publication number
JP3450414B2
JP3450414B2 JP06307894A JP6307894A JP3450414B2 JP 3450414 B2 JP3450414 B2 JP 3450414B2 JP 06307894 A JP06307894 A JP 06307894A JP 6307894 A JP6307894 A JP 6307894A JP 3450414 B2 JP3450414 B2 JP 3450414B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
alkyl group
substituted
ink
chemical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP06307894A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07279065A (ja
Inventor
智也 山本
祥司 小池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP06307894A priority Critical patent/JP3450414B2/ja
Publication of JPH07279065A publication Critical patent/JPH07279065A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3450414B2 publication Critical patent/JP3450414B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06PDYEING OR PRINTING TEXTILES; DYEING LEATHER, FURS OR SOLID MACROMOLECULAR SUBSTANCES IN ANY FORM
    • D06P5/00Other features in dyeing or printing textiles, or dyeing leather, furs, or solid macromolecular substances in any form
    • D06P5/30Ink jet printing

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット捺染方
法及び捺染物に関し、特に、インクジェット方式により
プリント画像を形成するに際し、水系インクを用いるに
もかかわらず、耐水性に優れ、染着率が高く、高発色で
鮮明且つ繊細な図柄を得ることが可能なインクジェット
捺染方法及び捺染物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の捺染の主流は、スクリーン捺染、
ローラー捺染である。これらの方式は、いずれも版をお
こす必要があり、多種類少量生産には不向きであり、流
行への迅速な対応も困難であることから、最近では無製
版の電子捺染システムが要望されている。この要望に対
してインクジェット記録による捺染方法が数多く提案さ
れており、各方面からの期待も大きくなっている。
【0003】ここで用いるインクジェット捺染用布帛と
しては、(1)インクを十分な濃度に発色させ得るこ
と、(2)インクの耐水性に優れ、染着率が高いこと、
(3)インクが布帛上で速やかに乾燥すること、(4)
布帛上での不規則なインクの滲みの発生が少ないこと、
(5)染着処理に際し低エネルギーで済むこと、等の性
能が要求される。
【0004】従来、これらの要求性能を満足させる為に
は、主として布帛に対し、あらかじめ前処理を施してお
くことにより対応してきた。
【0005】例えば、特開昭62−53492号公報に
おいてはインク受容層を有する布帛類が開示され、又、
特公平3−46589号公報においては還元防止剤やア
ルカリ性物質を含有させた布帛が提案されている。
【0006】しかしながら、このような前処理は、上記
要求に対して部分的には効果は認められるものの、アル
カリによる布帛の劣化や作業者に対する安全性の問題、
染着工程における省エネルギーがしにくいというような
問題がある。
【0007】以上のように、従来技術では個々の性能を
ある程度満足させることができる手段は見出せても、上
記の全ての性能を同時に満足させ、かかる一連の問題を
解決した最高級の画像を得ることができる捺染用布帛及
びインクジェット捺染方法は知られていないのが現状で
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来の一般的なインクジェット捺染用布帛の諸
要求、すなわち、インクの滲みがなく鮮明で耐水性に優
れ、且つ、高濃度の染色物を得るという染色技術上の要
求、染着工程のさいのエネルギーが少なくて済み、イン
クの染着率が良好であるというコスト上の要求、インク
定着性のような操作性の要求等を同時に満足するインク
ジェット捺染方法及び捺染物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。すなわち、本発明のインクジェ
ット捺染方法は、下記構造式(a)〜(d)で示される
化合物の−COOHもしくは−COSHのうちの少なく
とも一つがアンモニウムで造塩されている染料から選ば
れる少なくとも一つを含む水系のインクジェット用イン
クをインクジェット法で捺染用布帛に付与する工程を有
するインクジェット捺染方法であって、前記捺染用布帛
は、前記水系インクから前記染料を析出させるpH以下
の表面pHを有していることを特徴とするインクジェッ
ト捺染方法である。 構造式(a)
【化41】 (前記構造式(a)中、Ar及びAr 1 はそれぞれ独立
にアリール基又は置換アリール基を表わし、Ar及びA
1 の少なくとも一つは−COOH及び−COSHから
選ばれる置換基を少なくとも一つ有する。J及びJ 1
それぞれ独立に下式(1)〜(3)で表される基を表
し、
【化42】 式中、R 5 は水素原子、メトキシ基、アルキル基、置換
アルキル基、アルコキシハロゲン、シアノ基、ウレイド
及びNHCOR 6 から選択される基であり、R 6 は水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換ア
リール基、アラル キル基または置換アラルキル基を表
す。Tはアルキル基を表し、Wは水素原子、シアノ基、
−CONR 10 11 、ピリジニウム及び−COOHから選
択される基であり、mはC 2 〜C 8 のアルキレン鎖を表
し、Bは水素原子、アルキル基又は−COOH基を表
し、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 10 及びR 11 はそれぞれ独立
に水素原子、アルキル基または置換アルキル基を表し、
Lは2価の有機結合基を表し、Xは独立のカルボニル基
又は下式(4)〜(6)の基を表し、
【化43】 前記式(4)〜(6)中、ZはOR 7 、SR 7 またはNR
8 9 を表し、Yは水素原子、塩素原子あるいはシアノ基
を表し、Eは塩素原子あるいはシアノ基を表し、R 7
8 及びR 9 はそれぞれ独立に、水素原子、アルケニル
基、置換アルケニル基、アルキル基、置換アルキル基、
アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラ
ルキル基、または窒素原子と一緒に5員環又は6員環を
形成するに必要な原子群を示し、また前記構造式(a)
で示される化合物は、SO 3 H基を持たない場合は少な
くとも2つの−COOH及び−COSHから選ばれた基
を有し、前記構造式(a)で示される化合物がSO 3
基を持つ場合は−COOH及び−COSHから選ばれた
基を少なくともSO 3 H基の数と同数有する); 構造式(b) Ar 1 N=N−J−X−(NR 1 −L−NR 2 −X) n
J−N=N−Ar 2 (b) (前記構造式(b)中、Jは以下の基を表し、
【化44】 Ar 1 及びAr 2 はそれぞれ独立にアリール基又は置換ア
リール基を表し、Ar 1 、Ar 2 の少なくとも一つは−C
OOH及び−COSHから選ばれた置換基を少なくとも
一つ有する。R 1 及びR 2 はそれぞれ独立に、水素原子、
アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基又は置換ア
ルケニル基を表し、Lは2価の有機結合基を表し、nは
0又は1であり、Xはカルボニル基又は下式(1)〜
(3)の基を表し、
【化45】 前記式(1)〜(3)中、ZはNR 3 4 、SR 5 または
OR 5 を表し、Yは水素原子、塩素原子、Z、SR 6 また
はOR 6 を表し、Eは塩素原子あるいはシアノ基を表
す。R 3 、R 4 、R 5 及びR 6 はそれぞれ独立に、水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換
アルケニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキ
ル基、置換アラルキル基又は窒素原子と一緒に5員環又
は6員環を形成するに必要な原子群を表し、前記構造式
(b)で示される化合物は−COOH及び−COSHか
ら選ばれた基を少なくともSO 3 H基の数と同数有す
る); 構造式(c) Pc(SO 3 H) t (SO 2 −NR 1 −L−NR 2 −X−N
3 −G) q (c) (前記式(c)中、Pcは金属を含有するフタロシアニ
ン核を表し、R 1 、R 2 及びR 3 はそれぞれ独立に、水素
原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置
換アルケニル基、アラルキル基又は置換アラルキル基を
表し、Lは2価の有機結合基を表し、Xはカルボニル基
又は下式(1)〜(3)の基を表す。
【化46】 前記式(1)〜(3)中、ZはNR 4 5 、SR 6 または
OR 6 を表し、Yは水素原 子、塩素原子、Z、SR 7 また
はOR 7 を表し、Eは塩素原子あるいはシアノ基を表
す。R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 はそれぞれ独立に、水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換ア
リール基、アラルキル基又は置換アラルキル基、又は窒
素原子と一緒に5員環又は6員環を形成するに必要な原
子群を表す。Gは−COSH及び−COOHから選択さ
れた1個又は2個の基によって置換された無色の有機基
を表し、(t+q)は3〜4である。前記構造式(c)
で表される化合物は少なくとも一つのSO 3 H基と同数
のCOSH及びCOOHから選択された基を有する)。 構造式(d)
【化47】 (前記式(d)中、Yは水素原子あるいはSO 3 Hを表
す)。 また、本発明の捺染物は上記の方法により得られ
たものである。
【0010】本発明によって例えば家庭でのパーソナル
プリンタを用いた簡易な捺染や、大型の作業用プリンタ
を用いた広告物の作成の分野において、上記メリットを
活かした展開が可能となる。
【0011】本発明の第1の特徴は、溶媒として水を主
成分とするインクを用い、インク中に以下に示されるよ
うな特定の性状を有する染料を用いることである。
【0012】本発明に使用する染料は、アニオン系の染
料であって、インク中ではアルカリ金属イオンやアンモ
ニウムイオン等、陽イオンの塩として存在し、可溶性で
あり、捺染用布帛に付着し、溶媒が蒸発し、布帛中に浸
透する過程で対イオンである陽イオンが脱離し、H+
置換することによって不溶性となる性質を有し、それに
よりインクに対する優れた溶解性及び画像の耐水性とい
う相反する性能を両立するものである。
【0013】しかしながら本発明者が検討した結果によ
れば、上記のような染料を用いてもすべての布帛におい
て、十分な耐水性を発現するわけではないことがわかっ
た。
【0014】上記の染料は、表面pHが特定の酸性領域
にある捺染用布帛においては十分な画像の耐水性を示す
が、この領域をはずれたものについては不十分である。
このことは、陽イオンの脱離及びH+ への置換が布帛の
物性に大きく影響されることを示している。
【0015】本発明者は、インクにより記録の行われる
捺染用布帛の表面pHが、上記の染料から陽イオンが脱
離してH+ に置換するpH(すなわち水溶性から水不溶
性へと変化するpH)以下であれば、布帛上で染料の不
溶化が容易に進行し、十分な耐水性を有する画像が得ら
れることを知見し、本発明に至った。
【0016】すなわち、上記の染料の不溶化の起こるp
Hは機構上中性付近または、弱酸性付近である。このた
め特定の酸性領域においては陽イオンの置換が進行し、
十分な耐水性が発現するが、それ以外の領域においては
陽イオンの置換が行われず、十分な耐水性が発現されな
い。
【0017】本発明のインクジェット捺染方法は、その
記録面のpHを上記の染料が不溶化するpH以下に調整
することにより、十分な耐水性を有する画像を形成する
ことを可能とした。
【0018】なお、本発明方法で言う布帛の「表面p
H」とは、日本紙パルプ技術協会(J’TAPPI)の
定めた紙面pHと同様の手段で測定した値を表わしてい
る。
【0019】さらに上述した耐水性を有する条件で記録
を実施した場合、布帛の表面部における染料の染着密度
が大きくなり、高濃度の記録が可能となる。この現象は
インクが布帛中に浸透していく段階で染料と液媒体の分
離がおこり、染料のみが布帛上層部に染着していくこと
が原因と考えられる。
【0020】また従来の捺染の染着工程で必須である加
熱工程についても、本発明の方法によれば、化学的な反
応を利用しているため、極めて低いエネルギーで充分で
あり、染色布帛の使用用途によっては、必須条件となら
ない場合もあるほどである。
【0021】以下に、本発明の好ましい実施態様により
本発明をより詳しく説明する。
【0022】本発明において用いられる布帛を構成する
素材としては、綿、絹、麻、レーヨン、アセテート、羊
毛、ナイロン、ポリエステル等の天然繊維、再生繊維、
半合成繊維、合成繊維等が挙げられる。中でも綿、絹、
羊毛、レーヨン、ナイロン等が好ましい。上記繊維は単
独あるいは混合して用いられ、織物、編物、不織布等い
ずれの形態でも使用できる。
【0023】本発明において用いられる捺染用布帛には
以上の素材に対して、にじみ防止、インク保持性向上の
観点から、必要に応じて従来の前処理方法を併用するこ
とができる。特に、水溶性金属塩、水溶性高分子化合
物、尿素、及びチオ尿素の群から選ばれる物質を、布帛
の乾燥重量に対して0.01〜20重量%含有させたも
のがより好ましい場合がある。
【0024】水溶性金属塩類としては、例えば、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物のように、典
型的なイオン結晶を作るものである。かかる化合物の代
表的な例としては、例えば、アルカリ金属塩では、Na
Cl,Na2 SO4 ,KCl,CH3 COONa等が挙
げられ、又、アルカリ土類金属塩としては、CaCl
2 ,MgCl2 等が挙げられる。中でもNa,K,Ca
の塩類が好ましい。
【0025】水溶性高分子化合物の例としては、トウモ
ロコシデンプン、小麦デンプン等のデンプン物質、カル
ボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース等のセルロース系物質、アルギン酸
ナトリウム、アラビヤゴム、ローカスイトビーンガム、
トラガントガム、グアーガム、タマリンド種子等の多糖
類、ゼラチン、カゼイン等の蛋白質物質、タンニン系物
質、リグニン系物質等の天然水溶性高分子化合物が挙げ
られる。合成高分子化合物としては、例えば、ポリビニ
ルアルコール系化合物、ポリエチレンオキサイド系化合
物、アクリル酸系水溶性高分子化合物、無水マレイン酸
系水溶性高分子化合物等が挙げられる。
【0026】これらの中でも多糖類系高分子化合物やセ
ルロース系高分子化合物が好ましい。
【0027】本発明方法において、主な特徴である布帛
の表面pHを調整する方法は、pH調整剤の水溶液をパ
ディング処理して絞り率を変化させて調整しても良い
が、上記の前処理を併用する場合は前処理剤塗布液中に
添加剤としてpH調整剤を加えた処理法を用いて調整し
た方が効果的である。
【0028】pH調整剤としては、不揮発性または難揮
発性のものが、印字後長期にわたってpHを維持できる
ので好ましい。例えば、フタル酸水素ナトリウム、フタ
ル酸水素カリウム等有機カルボン酸水素塩のほか、りん
酸水素塩、炭酸水素塩等が挙げられる。
【0029】本発明のインクジェット記録方法に使用さ
れるインクは、水を主成分とし、多価アルコールのよう
な有機溶剤、記録剤としての染料、及びその他の添加剤
を含んで成るものである。
【0030】本発明に使用するインク中の染料の特性に
ついてはすでに述べたが、カラー記録の場合には、使用
されるすべての染料が必ずしも本発明方法に用いる前記
特性を有するものである必要はなく、少なくとも1種類
の適格の染料が使用されていれば、他は従来公知のいず
れの染料が含まれていても良い。
【0031】本発明で使用される染料は、カウンターイ
オンとして少なくとも一つのアンモニウムイオンを有す
る染料が用いられる。すなわち、下記構造式(a)〜
(d)で示される化合物の−COOHもしくは−COS
Hのうち少なくとも一つがアンモニウムで造塩されてい
るものが用いられる。なお、下記化合物をアンモニウム
で造塩するには従来公知の方法を用いればよい。 構造式(a)
【0032】
【化1】 (式中、Ar,Ar1 は独立にアリール基又は置換アリ
ール基を表わし。Ar,Ar1 の少なくとも一つは−C
OOH及び−COSHから選ばれる置換基を少なくとも
一つ有する。J,J1 はそれぞれ独立に下式(1)〜
(3)で表される基を表す。
【0033】
【化2】 式中、R5 は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、
アルコキシハロゲン、シアノ基、ウレイド、NHCOR
6 から選択される基であり、R6 は水素原子、アルキル
基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ア
ラルキル基、置換アラルキル基を表す。Tはアルキル基
を表し、Wは水素原子、シアノ基、−CONR1011
ピリジニウム、−COOHから選択される基であり、m
はC2 〜C 8 のアルキレン鎖を表し、Bは水素原子、ア
ルキル基又は−COOH基を表し、R1 ,R2 ,R3
4 ,R10,R11はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基、置換アルキル基を表し、Lは2価の有機結合基を表
す。Xは独立のカルボニル基又は下式(4)〜(6)の
基を表す。
【0034】
【化3】 式中、ZはOR7 ,SR7 ,NR89 を表し、Yは水
素原子、塩素原子あるいはシアノ基を表し、Eは塩素原
子あるいはシアノ基を表す。R7 ,R8 ,R9 は独立に
水素原子、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキル
基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ア
ラルキル基、置換アラルキル基、またはR 8 ,R9 が結
合された窒素原子と一緒に5員環又は6員環を形成す
る。(a)がSO3 H基を持たない場合は少なくとも2
つの−COOH,−COSHから選ばれた基を有し、
(a)がSO3 H基を持つ場合は−COOH,−COS
Hから選ばれた基を少なくともSO3 H基の数と同数有
する) 一般式(a)で表される化合物の中で好ましい化合物
は、置換基としてAr,Ar1 が少なくとも一つの−C
OOHを有するアリール基又は置換アリール基、J,J
1 が前記式(1),(2)で表される基、Xが前記式
(4),(5)で表される基を有する化合物である。
【0035】一般式(a)で表される化合物の一層好ま
しい化合物の具体例を以下に示す。
【0036】
【化4】
【0037】
【化5】
【0038】
【化6】
【0039】
【化7】
【0040】
【化8】 構造式(b) Ar1 N=N−J−X−(NR1 −L−NR2 −X)n −J−N=N−Ar2 (b) (式中Jは以下の基を表し、
【0041】
【化9】 Ar1 ,Ar2 は独立にアリール基又は置換アリール基
を表し、Ar1 ,Ar2の少なくとも一つは−COO
H,−COSHから選ばれた置換基を少なくとも一つ有
する。R1 ,R2 は独立に水素原子、アルキル基、置換
アルキル基、アルケニル基又は置換アルケニル基を表
し、Lは2価の有機結合基を表し、nは0又は1であ
り、Xはカルボニル基又は下式(1)〜(3)の基を表
す。
【0042】
【化10】 式中ZはNR34 ,SR5 ,OR5 を表し、Yは水素
原子、塩素原子、Z,SR6 ,OR6 を表し、Eは塩素
原子あるいはシアノ基を表す。R3 ,R4 ,R5,R6
は独立に水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アル
ケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリー
ル基、アラルキル基、置換アラルキル基又はR3 ,R4
が結合された窒素原子と一緒に5員環又は6員環を形成
する。(b)は−COOH,−COSHから選ばれた基
が少なくともSO3 H基の数と同数有する) 一般式(b)で表される化合物の中で好ましい化合物
は、置換基としてAr,Ar1 が少なくとも1つは−C
OOHを有するアリール基又は置換アリール基、Xがカ
ルボニル基又は前記式(1),(2)で表される基を有
する化合物である。
【0043】一般式(b)で表される化合物の一層好ま
しい化合物の具体例を以下に示す。
【0044】
【化11】
【0045】
【化12】
【0046】
【化13】
【0047】
【化14】 構造式(c) Pc(SO3 H)t (SO2 −NR1 −L−NR2 −X−NR3 −G)q (c) (式中Pcは金属を含有するフタロシアニン核を表し、
1 ,R2 ,R3 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル
基、アラルキル基又は置換アラルキル基を表し、Lは2
価の有機結合基を表し、Xはカルボニル基又は下式
(1)〜(3)の基を表す。
【0048】
【化15】 式中ZはNR45 ,SR6 ,OR6 を表し、Yは水素
原子、塩素原子、Z,SR7 ,OR7 を表し、Eは塩素
原子あるいはシアノ基を表す。R4 ,R5 ,R6,R7
はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、置換アルキル
基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置
換アラルキル基、又はR4 ,R5 が結合された窒素原子
と一緒に5員環又は6員環を形成する。Gは−COSH
及び−COOHから選択された1個又は2個の基によっ
て置換された無色の有機基を表し、(t+q)は3〜4
である。(c)は少なくとも一つのSO3 H基と同数の
COSH及びCOOHから選択された基を有する)。
【0049】一般式(c)で表される化合物の中で好ま
しい化合物は、置換基としてXがカルボニル基又は前記
式(1),(2)で表される基、Gが−COOHが少な
くとも1つ置換された有機酸基を有する化合物である。
【0050】一般式(c)で表される化合物の中で一層
好ましい化合物の具体例を以下に示す。
【0051】
【化16】
【0052】
【化17】
【0053】
【化18】 構造式(d)
【0054】
【化19】 (式中、Yは水素原子あるいはSO3 Hを表す) 一般式(d)で表される化合物を以下に示す。
【0055】
【化20】 これらの染料は、インク中に1種以上含有され、色相の
異なったものと併用することも可能であり、その使用量
としては、一般的にはインク全量に対して合計で1〜2
0重量%、好ましくは1.5〜15重量%、より好まし
くは2〜10重量%の範囲である。1重量%未満では発
色濃度が不十分であり、一方、20重量%を超えるとイ
ンクの吐出適性が十分ではなくなる。
【0056】本発明のインクジェット捺染方法に使用さ
れるインクを構成する液媒体の必須成分である水は、イ
ンク全量に対して30〜90重量%、好ましくは40〜
90重量%、より好ましくは50〜80重量%の範囲で
用いられる。
【0057】以上が本発明方法に使用されるインクジェ
ット用捺染インクの必須成分であるが、インクの液媒体
として一般的な有機溶剤も併用することができる。例え
ば、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケ
トアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン
又はオキシプロピレン付加重合体;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルキ
レン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコー
ル類;1,2,6−ヘキサントリオール等のトリオール
類;チオジグリコール;グリセリン;エチレングリコー
ルモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリ
コールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多
価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリエチレン
グリコールジメチル(又はエチル)エーテル、テトラエ
チレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル等の
多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;スルホラ
ン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0058】上記のような水溶性有機溶剤の含有量は、
一般にはインクの全重量に対して重量%で3〜60%、
好ましくは5〜50%の範囲である。
【0059】上記の液媒体を併用する場合は単独でも混
合物としても使用できるが、最も好ましい液体媒体組成
は、該溶剤が少なくとも1種の多価アルコールを含有す
るものである。中でも、チオジグリコール、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリンの
単独若しくは混合系が特に良好なものである。
【0060】本発明に使用されるインクの主要成分は上
記の通りであるが、その他各種界面活性剤、粘度調整
剤、表面張力調整剤、蛍光増白剤等を必要に応じて添加
することができる。例えば、ポリビニルアルコール、セ
ルロース類、水溶性樹脂等の粘度調整剤;カチオン或は
ノニオン形の各種界面活性剤;緩衝液によるpH調整
剤、防カビ剤、尿素等を挙げることができる。
【0061】本発明のインクジェット捺染方法は、本発
明の捺染用布帛に対し、上記のような捺染インクを使用
してこれに印捺する方法である。使用するインクジェッ
ト記録方式としては、従来公知のいずれのインクジェッ
ト記録方式でもよいが、例えば、特開昭54−5993
6号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作用
を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化
による作用力によって、インクをノズルから吐出させる
方式が最も有効である。このような方式において、本発
明の捺染用布帛に記録を行うことにより、安定した印捺
が可能である。
【0062】又、特に効果の高いプリントが得られる条
件としては、吐出液滴が20〜200pl、インク打込
量が4〜40nl/mm2 の範囲であることが好まし
い。
【0063】本発明の方法による捺染を行うのに好適な
装置の一例として、記録ヘッドの室内のインクに記録信
号に対応した熱エネルギーを与え、この熱エネルギーに
より液滴を発生させる装置が挙げられる。
【0064】その装置の主要部であるヘッド構成例を図
1,図2及び図3に示す。
【0065】ヘッド13はインクを通す溝14を有する
ガラス、セラミックス又はプラスチック板等と、感熱記
録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示され
ているが、これに限定されるものではない)とを接着し
て得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成さ
れる保護膜16、アルミニウム電極17−1,17−
2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層
19、アルミナ等の放熱性のよい基板20よりなってい
る。インク21は吐出オリフィス(微細孔)22まで来
ており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
【0066】今、電極17−1,17−2に電気信号が
加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に
発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、
その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出
し、オリフィス22より記録小滴24となり、本発明の
捺染用布帛25に向かって飛翔する。図3には図1に示
すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。こ
のメルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27
と、図1に説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着
して製作されている。なお、図1は、インク流路に沿っ
たヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線で
の切断面である。
【0067】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の一例を示す。図4において、61は
ワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブ
レード保持部材によって保持されて固定端となり、カン
チレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによ
る記録領域に隣接した位置に配設され、又、本例の場
合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持され
る。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホ
ームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂
直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを
行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して
設けられる吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘ
ッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブ
レード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回
復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63によ
ってインク吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。
【0068】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する捺染用布帛にインクを
吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65
を搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジ
である。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係
合し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動
されるベルト69と接続(不図示)している。これによ
りキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能と
なり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した
領域の移動が可能となる。
【0069】51は本発明の捺染用布帛を挿入する為の
給布部、52は不図示のモータにより駆動される布送り
ローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出
口面と対向する位置へ本発明の布帛が給布され、記録が
進行するにつれて排布ローラ53を配した排布部へ排布
される。
【0070】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当
接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘ
ッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0071】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッドのホーム
ポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時なばか
ばかりでなく、記録ヘッドが記録の為に記録領域を移動
する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジシ
ョンへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行わ
れる。
【0072】以上のようにして本発明方法により本発明
の捺染用布帛に付与される捺染インクは、この状態で既
に耐水性が実用レベルであるが、より好ましくは、引続
き繊維への染料の反応定着工程及び未定着の染料の除去
工程を施すのが好ましい。このような反応定着工程及び
未反応の染料の除去方法は、従来公知の方法でよく、例
えば、スチーミング法、HTスチーミング法、サーモフ
ィクッス法等による処理の後に洗浄する従来公知の方法
に準じて行うことができる。
【0073】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。なお、文中部及び%とあるのは特に
断りのない限り重量基準である。
【0074】 インク(A)の製造 ・例示化合物1の染料 5部 ・ジエチレングリコール 30部 ・水 65部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化アンモニウムで
pH8.4に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフ
ィルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過
し、インクジェット捺染インク(A)を得た。このイン
クに対して希塩酸を滴下してpHを下げていったところ
7.3に達したところで染料の析出が発生した。
【0075】 インク(B)の製造 ・例示化合物14の染料 6部 ・グリセリン 5部 ・尿素 5部 ・エチレングリコール 3部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 78部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化アンモニウムで
pH7.9に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフ
ィルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過
し、インクジェット捺染インク(B)を得た。このイン
クに対して希塩酸を滴下してpHを下げていったところ
7.2に達したところで染料の析出が発生した。
【0076】 インク(C)の製造 ・例示化合物29の染料 4部 ・チオジグルコール 10部 ・ジエチレングリコール 20部 ・水 66部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化アンモニウムで
pH8.3に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフ
ィルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過
し、インクジェット捺染インク(C)を得た。このイン
クに対して希塩酸を滴下してpHを下げていったところ
7.0に達したところで染料の析出が発生した。
【0077】 インク(D)の製造 ・C.I.フードブラック 2 6部 ・グリセリン 5部 ・尿素 5部 ・エチレングリコール 3部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 78部 上記の全成分を混合し、混合液を水酸化アンモニウムで
pH7.9に調整し、2時間攪拌した後、フロロポアフ
ィルターFP−100(商品名、住友電工製)にて濾過
し、インクジェット捺染インク(D)を得た。このイン
クに対して希塩酸を滴下してpHを下げていったところ
4.0に達しても染料の析出は生じなかった。
【0078】布帛(a)の製造 繊維の平均繊維長が45mmの米綿を使用して形成され
た綿100%の織布を(アルギン酸ソーダ2部、酸化澱
粉0.5部、水97.5部)液槽に浸し、しぼり率を6
0%に調整して乾燥し、布帛(al)を得た。alの表
面pHを紙面測定用pH計(共立理化学研究所製)を用
いて測定したところ7.6であった。
【0079】上記液槽にpH調整剤として、フタル酸水
素カリウム水溶液を加えたものを同様にして、パディン
グ後、絞って乾燥し、それぞれ表面pHが6.9及び
5.8である布帛a2、a3をそれぞれ調整した。
【0080】布帛(b)の製造 ナイロン100%の織布を(カルボキシメチルセルロー
ス1部、尿素5部、酸化澱粉1部、塩化カルシウム2
部、水91部)液槽に浸し、しぼり率を60%に調整し
て乾燥し、布帛(b1)を得た。b1の表面pHを紙面
測定用pH計(共立理化学研究所製)を用いて測定した
ところ8.2であった。上記液槽にpH調整剤として、
硫酸アリミニウム水溶液を加えたものを同様にして、パ
ディング後、絞って乾燥し、それぞれ表面pHが6.5
及び5.5である布帛b2、b3をそれぞれ調整した。
【0081】捺染適性の評価 上述のインク(A)〜(D)、布帛(a),(b)をカ
ラーバルブジェットプリンタBJC−820(商品名、
キヤノン製)に適用して捺染適性を評価した。評価項目
および評価方法は次の通りである。
【0082】(評価項目) (1)印字品位 ヘッドの走査方向を平行に幅1ドットの直線を印字し、
25cm離れた距離からの目視にて評価した。
【0083】直線のエッジが不鮮明でボケていたり、フ
ェザリングが目立つものを×、フェザリングがやや目立
つものを△、鮮明な直線として視覚できるものを○とし
た。
【0084】(2)耐水性 前記の記録装置を用いて印字し、印字後1時間経過した
のち、印字物を室温の水道水中に10秒間浸漬したのち
ひきあげ、自然乾燥させた。
【0085】乾燥後、画像に全く変化のないものを○、
印字部分に変化はないが白地部への尾引き(流れ出した
染料の再付着)が若干見られるものを△、印字部がボケ
てやや不鮮明となり白地部への尾引きがひどく、印字部
が判読不能であるものを×として評価した。
【0086】(3)耐水性 前記の記録装置を用いて印字した記録物を1分間室温の
水道水中に浸漬したのちひきあげ、自然乾燥させた。
【0087】上記、乾燥後の記録物の画像濃度(D1
及び水中に浸漬前の記録物の画像濃度(D0 )の比
(%)として求めた(D1 /D0 )。この比が大きいほ
ど耐水性が良い。
【0088】実施例1〜4,比較例1〜8 上記インク(A)〜(D)と布帛(a)または(b)の
組合せ中、この発明に従う組合せ(実施例1〜4)とこ
の発明の範囲外の組合せ(比較例1〜8)を、上記評価
項目の評価と共に表1に示す。
【0089】
【表1】 なお、実施例1において印字後、180℃,2分の乾熱
処理を行い、洗浄乾燥したものについては耐水性の評
価が100%となり、さらに良い結果となった。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように本発明の捺染用布帛
によれば、滲みがなく鮮明で、且つ、耐水性の良好な高
濃度の捺染物を得ることが可能となる。
【0091】又、本発明のインクジェット捺染方法は、
インクの定着性及び装置内における布帛の搬送性に優
れ、効率よく優れた捺染物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図
である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
13 ヘッド 14 溝 15 発熱ヘッド 16 保護膜 17−1 電極 17−2 電極 18 発熱抵抗体層 19 蓄熱層 20 基板 21 インク 22 吐出オリフィス 23 メニスカス 24 小滴 25 布帛 26 マルチ溝 27 ガラス板 28 発熱ヘッド 51 給布部 52 布送りローラ 53 排布ローラ 61 ブレード(ワイピング部材) 62 キャップ 63 吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 67 ガイド軸 68 モータ 69 ベルト
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−282483(JP,A) 特開 昭52−34080(JP,A) 特開 平3−91577(JP,A) 特開 昭56−134281(JP,A) 特公 昭42−19373(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06P 5/00 101 - 106 D06P 5/00 111 - 112 D06P 1/39

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式(a)〜(d)で示される化
    合物の−COOHもしくは−COSHのうちの少なくと
    も一つがアンモニウムで造塩されている染料から選ばれ
    る少なくとも一つを含む水系のインクジェット用インク
    をインクジェット法で 捺染用布帛に付与する工程を有す
    インクジェット捺染方法であって、前記捺染用布帛
    は、前記水系インクから前記染料を析出させるpH以下
    の表面pHを有していることを特徴とするインクジェッ
    ト捺染方法 構造式(a) 【化21】 (前記構造式(a)中、Ar及びAr 1 はそれぞれ独立
    にアリール基又は置換アリール基を表わし、Ar及びA
    1 の少なくとも一つは−COOH及び−COSHから
    選ばれる置換基を少なくとも一つ有する。J及びJ 1
    それぞれ独立に下式(1)〜(3)で表される基を表
    し、 【化22】 式中、R 5 は水素原子、メトキシ基、アルキル基、置換
    アルキル基、アルコキシハロゲン、シアノ基、ウレイド
    及びNHCOR 6 から選択される基であり、R 6 は水素原
    子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換ア
    リール基、アラルキル基または置換アラルキル基を表
    す。Tはアルキル基を表し、Wは水素原子、シアノ基、
    −CONR 10 11 、ピリジニウム及び−COOHから選
    択される基であり、mはC 2 〜C 8 のアルキレン鎖を表
    し、Bは水素原子、アルキル基又は−C OOH基を表
    し、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 10 及びR 11 はそれぞれ独立
    に水素原子、アルキル基または置換アルキル基を表し、
    Lは2価の有機結合基を表し、Xは独立のカルボニル基
    又は下式(4)〜(6)の基を表し、 【化23】 前記式(4)〜(6)中、ZはOR 7 、SR 7 またはNR
    8 9 を表し、Yは水素原子、塩素原子あるいはシアノ基
    を表し、Eは塩素原子あるいはシアノ基を表し、R 7
    8 及びR 9 はそれぞれ独立に、水素原子、アルケニル
    基、置換アルケニル基、アルキル基、置換アルキル基、
    アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラ
    ルキル基、または窒素原子と一緒に5員環又は6員環を
    形成するに必要な原子群を示し、また前記構造式(a)
    で示される化合物は、SO 3 H基を持たない場合は少な
    くとも2つの−COOH及び−COSHから選ばれた基
    を有し、前記構造式(a)で示される化合物がSO 3
    基を持つ場合は−COOH及び−COSHから選ばれた
    基を少なくともSO 3 H基の数と同数有する); 構造式(b) Ar 1 N=N−J−X−(NR 1 −L−NR 2 −X) n
    J−N=N−Ar 2 (b) (前記構造式(b)中、Jは以下の基を表し、 【化24】 Ar 1 及びAr 2 はそれぞれ独立にアリール基又は置換ア
    リール基を表し、Ar 1 、Ar 2 の少なくとも一つは−C
    OOH及び−COSHから選ばれた置換基を少なくとも
    一つ有する。R 1 及びR 2 はそれぞれ独立に、水素原子、
    アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基又は置換ア
    ルケニル基を表し、Lは2価の有機結合 基を表し、nは
    0又は1であり、Xはカルボニル基又は下式(1)〜
    (3)の基を表し、 【化25】 前記式(1)〜(3)中、ZはNR 3 4 、SR 5 または
    OR 5 を表し、Yは水素原子、塩素原子、Z、SR 6 また
    はOR 6 を表し、Eは塩素原子あるいはシアノ基を表
    す。R 3 、R 4 、R 5 及びR 6 はそれぞれ独立に、水素原
    子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換
    アルケニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキ
    ル基、置換アラルキル基又は窒素原子と一緒に5員環又
    は6員環を形成するに必要な原子群を表し、前記構造式
    (b)で示される化合物は−COOH及び−COSHか
    ら選ばれた基を少なくともSO 3 H基の数と同数有す
    る); 構造式(c) Pc(SO 3 H) t (SO 2 −NR 1 −L−NR 2 −X−N
    3 −G) q (c) (前記式(c)中、Pcは金属を含有するフタロシアニ
    ン核を表し、R 1 、R 2 及びR 3 はそれぞれ独立に、水素
    原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置
    換アルケニル基、アラルキル基又は置換アラルキル基を
    表し、Lは2価の有機結合基を表し、Xはカルボニル基
    又は下式(1)〜(3)の基を表す。 【化26】 前記式(1)〜(3)中、ZはNR 4 5 、SR 6 または
    OR 6 を表し、Yは水素原子、塩素原子、Z、SR 7 また
    はOR 7 を表し、Eは塩素原子あるいはシアノ基を表
    す。R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 はそれぞれ独立に、水素原
    子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換ア
    リール基、アラルキル基又は置換アラルキル基、 又は窒
    素原子と一緒に5員環又は6員環を形成するに必要な原
    子群を表す。Gは−COSH及び−COOHから選択さ
    れた1個又は2個の基によって置換された無色の有機基
    を表し、(t+q)は3〜4である。前記構造式(c)
    で表される化合物は少なくとも一つのSO 3 H基と同数
    のCOSH及びCOOHから選択された基を有する)。
    構造式(d) 【化27】 (前記式(d)中、Yは水素原子あるいはSO 3 Hを表
    す)。
  2. 【請求項2】 前記布帛にインクを付着させた後、染着
    処理を行い、次いで洗浄処理を行う工程を更に有する請
    求項1に記載のインクジェット捺染方法。
  3. 【請求項3】前記構造式(a)〜(d)で示される化合
    物が、下記例示化合(1)〜(30)で示される化合物
    である請求項1又は2に記載のインクジェット捺染方
    法:【化28】 【化29】 【化30】 【化31】 【化32】 【化33】 【化34】 【化35】 【化36】 【化37】 【化38】 【化39】 【化40】
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一つに記載のイ
    ンクジェット捺染方法により捺染した捺染物。
JP06307894A 1994-03-31 1994-03-31 インクジェット捺染方法及び捺染物 Expired - Lifetime JP3450414B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06307894A JP3450414B2 (ja) 1994-03-31 1994-03-31 インクジェット捺染方法及び捺染物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06307894A JP3450414B2 (ja) 1994-03-31 1994-03-31 インクジェット捺染方法及び捺染物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07279065A JPH07279065A (ja) 1995-10-24
JP3450414B2 true JP3450414B2 (ja) 2003-09-22

Family

ID=13218948

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06307894A Expired - Lifetime JP3450414B2 (ja) 1994-03-31 1994-03-31 インクジェット捺染方法及び捺染物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3450414B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103184696A (zh) * 2013-03-29 2013-07-03 浙江华泰丝绸有限公司 一种丝绸数码印花无浆料前处理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07279065A (ja) 1995-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR970001689B1 (ko) 잉크제트날염법 및 날염제품
JP3376002B2 (ja) インクジェット捺染インク、インクジェット捺染方法、記録ユニット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、捺染された布帛および布帛の加工品
JPH05279972A (ja) インクジェット捺染用布帛、インクジェット捺染方法及び捺染物
JP2895697B2 (ja) 捺染用布帛、それを用いたインクジェット捺染方法及び捺染物
JP3021240B2 (ja) インクジェットプリント方法、及び、プリント物
JPH07268785A (ja) インクジェット捺染用布帛、それを用いたインクジェット捺染方法及び捺染物の製造方法
JPH0726478A (ja) インクジェットプリント方法、及び、プリント物
JP3666895B2 (ja) インクジェット捺染インク、かかるインクを用いた捺染方法、機器および得られる捺染物
JP3450372B2 (ja) インクジェット捺染用インク、係るインクを用いたインクジェット捺染方法、及び機器
JP3270598B2 (ja) インクジェット捺染用布帛並びにインクジェット捺染方法並びに捺染物
JP2895696B2 (ja) インクジェット捺染用布帛、それを用いたインクジェット捺染方法及び捺染物
JP2895695B2 (ja) インクジェット捺染用布帛、インクジェット捺染方法及び捺染物
JP3176223B2 (ja) 捺染方法および捺染物
JP3241810B2 (ja) 捺染方法、カラーインクセット、記録ユニット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置および捺染物
JP3450414B2 (ja) インクジェット捺染方法及び捺染物
JP3234719B2 (ja) インクジェット捺染用布帛、その製造方法およびその布帛を用いる捺染方法
JP3234643B2 (ja) 捺染方法および捺染物
JPH08232176A (ja) インクジェット捺染方法および同方法により記録された捺染物
JPH08120576A (ja) インクジェット捺染用布帛、捺染方法及び捺染物
JPH0657650A (ja) 捺染方法及び該方法により得られる捺染物
JPH10768A (ja) インクジェット捺染方法
JPH08127979A (ja) インクジェット捺染用布帛、捺染方法及び捺染物
JP3142726B2 (ja) インクジェット捺染用布帛、捺染方法、及び捺染物
JPH0813358A (ja) インクジェット捺染用布帛、インクジェット捺染方法及び捺染物
JPH0641878A (ja) インクジェット捺染方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080711

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080711

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090711

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090711

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100711

Year of fee payment: 7