JP3450305B2 - 油圧ウインチの制御装置 - Google Patents

油圧ウインチの制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は林業用作業機に使用
する油圧ウインチの制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】一般的に、倒木材を牽引する林業用作業
機は、エンジンからの出力を油圧装置を介してウインチ
ドラムに伝達し、ワイヤロープに結束した倒木材を牽引
している。そして、林業用運搬車の荷台に木材を積み込
む作業では、オペレータはワイヤロープの張力に気を配
り、先山にワイヤロープを繰り出す作業時は、張力が発
生していないことを確認してウインチのクラッチを開放
して、ワイヤロープを引き出している。 【0003】このような作業機としては図2、図3に示
すものがあり、図2に示す林業用作業機では、走行部
(クローラ)と、木材積載用の荷台11と、倒木材を牽
引するワイヤロープ12と、ワイヤロープの繰出し・巻
取りを行なうウインチドラム13と、木材の吊り上げ・
積載を行なうマスト14を備えたものがあり、ワイヤロ
ープ12によって山林内の倒木材を作業車の荷台近くま
で、引き込んだ後、巻き上げて荷台11に積載運搬する
構成となっている。また、図3に示す作業機では、ワイ
ヤロープの巻取りを行なうウインチドラム15と、エン
ジンからの出力を伝達するミッション装置16と、各種
操作レバー17を備え、本体を固定して倒木材を牽引す
る構成となっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】一方、ウインチドラム
による巻取り作業ではワイヤロープにかかる張力は、地
形や、木材の重量によって大きく変化し、ワイヤロープ
のくくり付け替えの際、木材の下敷きとなったワイヤロ
ープを引き上げた時にも張力が発生し、各操作はオペレ
ータの技量に委ねられている。また、荷台に積み込む際
は、車体中央にあるマストに設けた滑車まで、木材を吊
り上げ、車体中央まで引き寄せる作業となるが、操作ミ
スでワイヤロープの末端がその滑車自身にくい込むこと
があり、最悪の場合にはワイヤロープの切断という問題
が発生する。そして、運搬車まで木材を寄せるとき、ワ
イヤロープの能力以上の木材を引き寄せた場合など、ワ
イヤロープの欠損や装置の故障・破損へ至ることがあり
非常に危険である。また、マストに吊り下げた木材を、
オペレータの不本意な操作で、クラッチ解放とした場
合、吊っていた木材が急降下して非常に危険であるとい
う問題があった。本発明はかかる従来の問題点を解決す
るためになされたものであって、その目的とするところ
は、ウインチドラムを駆動する油圧モータの圧力を測定
することによって、ワイヤロープにかかる張力を検知
し、油圧モータの無理な回転及び誤動作を防止する油圧
ウインチの制御装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の手段として本発明請求項1記載の油圧ウインチの制御
装置では、倒木材等を牽引するワイヤロープと、ワイヤ
ロープを巻取るウインチドラムと、ウインチドラムを駆
動する油圧モータと、油圧モータの駆動油圧を検知する
油圧センサと、ウインチドラムの駆動力を制御する制御
部とを有し、油圧センサの検知値を制御部へフィードバ
ックし、油圧モータの無理な回転を防止する油圧ウイン
チの制御装置であって、前記制御部には段階に応じて油
圧を検知する回路が備えられ、通常圧力、高圧力、異常
圧力の油圧レベルを検知し、高圧力を検知した場合には
警報を発してオペレータに通報し、異常圧力を検知した
場合には巻取りを停止し、油圧レベルに応じて段階的に
制御する機能が備えられ、前記制御部には、クラッチを
解放してワイヤロープの繰出しを行なう場合には、油圧
センサの直前の履歴を照合し、直前に巻取り油圧が発生
している場合には、クラッチの解放を禁止する機能が備
えられている。 【0006】 【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の実施
の形態を説明する。図1は油圧ウインチの制御装置のブ
ロック図である。本発明の一実施の形態にかかる油圧ウ
インチの制御装置は、図1に示すように倒木材の牽引を
行なうワイヤロープ1と、ワイヤロープの巻取り・繰出
しを行なうウインチドラム2と、ウインチドラムを駆動
する油圧モータ3と、油圧モータに動力を供給するエン
ジン4と、油圧モータの駆動出力を検知する油圧センサ
5と、油圧センサ5からの圧力値に基づいて油圧モータ
3及びエンジン4の制御を行なう制御部6と、動力伝達
の入切を行なうクラッチ7を主要な構成としている。 【0007】前記油圧センサ5は車両、土木機器、空調
設備等において一般的に使用されている油圧センサを使
用する。この油圧センサ5は受圧室に液体(作動油)を
導入して、この導入圧力によって押し上げられたダイヤ
フラムが変位検出器を動作させ、ダイヤフラムの受圧力
に比例して変位検出器が電気的信号を出力し、受圧室内
に作用する油圧力を電気的な指示値に変換して油圧の測
定を行なうものである。油圧センサによって測定された
圧力は電気信号として制御部へ送られる。油圧センサの
接続個所としては油圧ポンプから油圧モータへ吐出され
る圧油の送油部に接続し、油圧モータへ送られる作動油
の圧力を測定する。この、圧力が高い場合には油圧モー
タに高負荷がかかっていることを示し、ワイヤロープに
過剰な張力が発生する。 【0008】ハイドロスタティックトランスミッション
を装着する作業機にあっては、油圧ポンプから油圧モー
タへの送油部に油圧センサを設置する。このハイドロス
タティックトランスミッション(HST)は、可変容量
ポンプと、油圧モータとの間に作動油を介在させ、閉回
路を構成したものであり、エンジンからの駆動力で可変
容量ポンプを回転させると、可変容量ポンプは、斜板の
傾きに応じて作動油を吐出し、その吐出油によって油圧
モータを回転させて、ウインチドラムを正転・逆転させ
る構成となっている。そして、油圧モータへの吐出部分
に油圧センサを接続することにより、ウインチドラムの
駆動力を測定することができる。この油圧センサによっ
て測定された電気的な指示値は制御部へ送られ、制御部
において通常値であるか、異常値であるか判断される。
尚、演算回路を設置して、油圧センサの値からワイヤロ
ープの張力を演算し、その演算値に基づいて、通常値、
異常値を判断することも可能である。 【0009】前記制御部6はエンジン4及び油圧モータ
3に作用してウインチドラムの正転・逆転・トルクを制
御する装置であり、各種運転操作レバーが連結されてい
る。制御部6には、予め設定した油圧レベルと油圧セン
サからの圧力信号を比較する比較手段が備えられ、予め
設定した数値を越えた場合には制御信号を発信する。制
御部6の設定値は段階に分けて設定可能となっており、
通常レベルの設定値、高いレベルの設定値、異常なレベ
ルの設定値を設定できるようになっている。そして、前
記制御部に通常圧力、高圧力、異常圧力の油圧レベルの
検知回路を設定し、高圧力を検知した場合には警報を発
してオペレータに通報し、異常圧力を検知した場合には
巻取りを停止し、油圧レベルに応じて段階的に制御する
構成となっている。 【0010】また、制御部6には油圧センサの圧力値を
記憶する記憶部が備えられ、クラッチ7を解放してワイ
ヤロープの繰出しを行なう場合には、油圧センサの直前
の履歴を照合し、直前に巻取り油圧が発生している場合
には、クラッチ7の解放を禁止する機能が備えられてい
る。これは、倒木材を牽引している状態、または木材を
吊り上げている状態ではワイヤロープには常に張力が発
生している。そして、この状態から、いきなりクラッチ
を開放してウインチドラムを自由にすると、木材が急降
下し非常に危険である。そのため、油圧センサの値が巻
取り油圧の場合にはクラッチ7の開放を禁止している。
この、クラッチ7の開放を禁止する状態は一旦吊った木
材をウインチドラムの逆転操作することによって、記憶
部から油圧センサの圧力値が抹消され、禁止状態が解除
される。尚、この記憶部は半導体チップ内に設けられた
RAM(ランダムアクセスメモリ)を使って電気的記録
手段によって記録、書換えが行なわれる。 【0011】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定される
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更
等があっても本発明に含まれる。例えば、前記実施の形
態においては、林業用作業車について説明したが、油圧
モータを使用する作業機であれば適用可能である。ま
た、制御値についてはウインチドラム径、ワイヤロープ
径によって変更設定することができる。 【0012】 【発明の効果】以上説明してきたように、本発明請求項
1記載の油圧ウインチの制御装置においては、油圧モー
タの駆動油圧を検知する油圧センサを設置するので、異
常な油圧を検知し、作業機の過負荷による破損を未然に
防止することができる。また、油圧センサの検知値を制
御部へフィードバックし、自動制御することにより、オ
ペレータが作業機から離れて作業することが可能とな
り、ワイヤロープ切損時も、その被害がオペレータに影
響しないので安全である。 【0013】また、制御部には段階に応じて油圧を検知
する回路が備えられ、通常圧力、高圧力、異常圧力の油
圧レベルを検知し、高圧力を検知した場合には警報を発
してオペレータに通報し、異常圧力を検知した場合には
巻取りを停止するので、油圧レベルに応じた段階的な制
御が可能となる。 【0014】さらに、クラッチを解放してワイヤロープ
の繰出しを行なう場合には、油圧センサの直前の履歴を
照合し、直前に巻取り油圧が発生している場合には、ク
ラッチの解放を禁止するので、誤動作による木材の落下
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】油圧ウインチの制御装置のブロック図である。 【図2】従来例にかかる林業用作業車の概略説明図であ
る。 【図3】従来例にかかるウインチの概略説明図である。 【符号の説明】 1 ワイヤロープ 2 ウインチドラム 3 油圧モータ 4 エンジン 5 油圧センサ 6 制御部 7 クラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−79680(JP,A) 特開 平10−81491(JP,A) 特開 平7−89694(JP,A) 実開 昭59−5589(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66D 1/44 B66D 1/58 B66D 1/60

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 倒木材等を牽引するワイヤロープと、ワ
    イヤロープを巻取るウインチドラムと、ウインチドラム
    を駆動する油圧モータと、油圧モータの駆動油圧を検知
    する油圧センサと、ウインチドラムの駆動力を制御する
    制御部とを有し、油圧センサの検知値を制御部へフィー
    ドバックし、油圧モータの無理な回転を防止する油圧ウ
    インチの制御装置であって、 前記制御部には段階に応じて油圧を検知する回路が備え
    られ、通常圧力、高圧力、異常圧力の油圧レベルを検知
    し、高圧力を検知した場合には警報を発してオペレータ
    に通報し、異常圧力を検知した場合には巻取りを停止
    し、油圧レベルに応じて段階的に制御する機能が備えら
    れ、 前記制御部には、クラッチを解放してワイヤロープの繰
    出しを行なう場合には、油圧センサの直前の履歴を照合
    し、直前に巻取り油圧が発生している場合には、クラッ
    チの解放を禁止する機能が備えられていることを特徴と
    する油圧ウインチの制御装置。
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