JP3449532B2 - 水噴射式織機における脱水織布の濡れ戻り防止機構 - Google Patents

水噴射式織機における脱水織布の濡れ戻り防止機構

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JP3449532B2
JP3449532B2 JP34845598A JP34845598A JP3449532B2 JP 3449532 B2 JP3449532 B2 JP 3449532B2 JP 34845598 A JP34845598 A JP 34845598A JP 34845598 A JP34845598 A JP 34845598A JP 3449532 B2 JP3449532 B2 JP 3449532B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水噴射式織機にお
ける脱水織布の濡れ戻り防止機構の改良に関し、更に詳
しくは、水噴射による緯入れ筬打ちにより湿潤状態に製
織された織布を、サクション・チューブの周面上に密着
させて吸引脱水し、その下方に位置するサーフェース・
ロールの周面後側に廻らせた後、アッパー・プレスロー
ル、アンダープレス・ロールを経由してクロス・ロール
に巻き取ってゆく所謂「S巻方式」で運転する場合で
も、サクション・チューブで吸引脱水された織布をアッ
パー・プレスロールの前面側で迂曲させてサーフェース
・ロールの周面後側に廻らせ、アンダー・プレスロール
を経由してクロス・ロールに巻き取る所謂「F巻方式」
で運転される場合でも、サクション・チューブから滴下
する凝結水や、水噴射による霧状水滴の降り懸かりから
織布を庇って濡れ戻りを確実に防止することができる新
機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、通常、織機においては設
置面積を出来るだけ小さくするために織前で生成されて
くる織布を、クロス・ガイド(水噴射式織機にあって
は、サクション・ロール)で下方へ転向させ上下に並ぶ
各種ロール列を経由させてクロス・ロールに巻き取ると
いう下降巻取方式が採用されている。
【0003】ところが、水噴射式織機にあっては、かゝ
る下降巻取方式が原因で、吸引作用により冷却されたサ
クション・チューブ面に結露した凝結水が脱水後の織布
や巻取りロール上に滴ったり、あるいは緯入ノズルから
緯糸の推進流体として噴射される水が飛沫化して、霧状
水滴となって降り懸ったりして、シミ、脱水不良など織
布の品質を劣化させる惧れがあった。
【0004】このような事情から、水噴射式織機におけ
る上記「濡れ戻り現象」を防ぐ対策として、サクション
・チューブの下側全面に沿ってフェンダー式のカバーを
配設する受け皿方式が提案された(特公平2-55539号公
報、実開平2−140990号公報参照)。
【0005】しかしながら、かゝる従来の受け皿方式
は、前述のF巻方式に対しては幾ばくかの効果はもたら
したが、次のような欠点があった。 緯入ノズルから
飛ばされる噴射水が霧状になってサクション・チューブ
とカバーとの隙間から漏れ出して、サクション・チュー
ブで吸引脱水されて近くを通過してゆく織布に降り懸か
ってシミの原因や脱水不良の障害を引き起こすこと。
経糸張力を高くして製織するために、あるいは高密度
の織物を製織するためにサクション・チューブに対する
織布の接触(角度)面積を大きくして織布の逆行を防止
すべく前述のS巻方式を採ろうとしても、カバーの先端
部分が其処を通過する織布に当接して傷付ける惧れがあ
り、実行できないこと。
【0006】そこで、上記受け皿方式の欠点を除去する
対策として、サクション・チューブの下方に板状カバー
を配設し、その板状カバーの先端部とサクション・チュ
ーブの外周面とを弾性体を介して接触せしめる所謂「密
封方式」が提案されるようになった(実用新案登録第 2
552211号公報参照)。なるほど、この密封方式では、前
述の受け皿方式における上記の問題は克服できるので
はあるが、の問題を克服するためには織布がサクショ
ン・チューブから分離する位置より密封位置までの距離
が小さく、すなわちサクション・チューブ周面の露出す
る面積を狭くする必要がある。したがって、共通の巻取
装置で前述の「F巻方式」あるいは「S巻方式」の何れ
か一方を施行しようとする場合には、織布がサクション
・チューブから分離する位置が異なるため、それぞれ密
封位置の異なるカバーを取り付けなければ上記の問題
を克服することができない。なぜなら、「F巻方式」に対
応したカバーを取付けて「S巻方式」を施行すると、カ
バーの先端部(密封部分)サクション・チューブから分
離した織布に接触してしまうし、逆に「S巻方式」に対
応したカバーを取付けて「F巻方式」を施行すると、そ
のような接触は避けることができるが、織布がサクショ
ン・チューブから分離する位置より密封位置までの距離
が大きくなるので露出面積が広くなり、其処に結露する
水滴も多くなる。そして、その構造上、その水滴全てが
密封部分で遮断されてそのまま落下するか、あるいは密
封部分の下側を伝って滴り落ち、移動する織布上に滴下
して汚濡してしまうからである。
【0007】ところで、小ロット多品種生産が要請され
る昨今、水噴射式織機と雖も、一種類だけの織物の製織
に特化することが許されないのであり、高張力・高密度
の布でも繊細な薄地の布でも頻繁に交代的に織らねばな
らない。それゆえ、製織する布種が変わる毎に、巻取方
式を「F巻方式」から「S巻方式」、ないしは「S巻方
式」から「F巻方式」へと変更するとともに、濡れ戻り
防止機構も、例えば受け皿方式から密封方式、ないしは
密封方式から受け皿方式へと部品交換の作業をせねばな
らず、糊滓や粉塵などでドロドロに汚染した部品の交換
作業は非常に辛く、また大変な手間と時間が必要であっ
たのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の水噴
射式織機における脱水製織布の濡れ戻り防止機構に前述
のごとき難点があったことに鑑みて為されたものであっ
て、S巻方式で製織布をクロス・ロールに巻き取らせる
場合でも、F巻方式で製織布をクロス・ロールに巻き取
らせる場合でも部品交換を要することなく、オールラウ
ンドにサクション・チューブから滴下する凝結水から織
布を庇い、かつ、水噴射による霧状水滴の前記織布側へ
の漏出を防止できて製織布の濡れ戻りを確実に防止でき
る水噴射式織機の画期的な脱水製織布の濡れ戻り防止機
構を提供することを技術的課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するために採用した手段】本発明者が上記
の課題を解決するために採用した手段を、添附図面を参
照して説明すれば、以下のとおりである。
【0010】即ち、本発明は、水噴射によって経糸開口
中に挿入された緯糸Yが筬打ちされて順次送り出されて
くる湿潤状態の織布Cを、脱水用サクション・チューブ
1の周面を周回させ、次いで当該サクション・チューブ
1の下方に位置するサーフェイス・ロール2の周面裏側
に巻き付けて引き下ろすことにより、脱水用サクション
・チューブ1からサーフェース・ロール2に至る織布C
を織機本体Lの後方側に向けて引き下げ状態とする水噴
射式織機を技術的前提として、前記サクション・チュー
ブ1下面側のほゞ全幅に沿い、織機本体Lの後方側に向
けて引き下げ状態となっている織布Cの上方にオーバー
ハングするごとく合成樹脂を一体成形して成るガター(g
utter)部材4が付設されており、かつ、このガター部材
4における織機本体Lの前方側へ持出された端縁41はサ
クション・チューブ1の最下面よりも織機本体Lの前方
側に位置するとともに、当該サクション・チューブ1方
向へ接近するごとく立ち上がって織布幅方向の溝壁42を
形成し、またガター部材4における中間部位で一体的に
立ち上がる仕切り壁44の上端縁はサクション・チューブ
1の低位置部位に幅方向へ弾力的に当接せる水遮蔽体45
を形成してして構成されるところの、脱水織布の濡れ戻
り防止の機構手段を採用した点に特徴がある。
【0011】また、本発明における前述の技術的課題
は、水噴射によって経糸開口中に挿入された緯糸Yが筬
打ちされて順次送り出されてくる湿潤状態の織布Cを、
脱水用サクション・チューブ1の周面を周回させ、次い
で当該サクション・チューブの下方に位置するサーフェ
イス・ロール2の周面裏側に巻き付けて引き下ろすこと
により、脱水用サクション・チューブ1からサーフェー
ス・ロール2に至る織布Cを織機本体L後方側に向けて
引き下げ状態とする水噴射式織機において、前記サクシ
ョン・チューブ1下面側のほゞ全幅に沿い、織機本体L
の後方側に向けて引き下げ状態となっている織布Cの上
方にオーバーハングするごとくガター部材4が当該サク
ション・チューブを支持せるステー11上に付設されてお
り、かつ、このガター部材4における織機本体Lの前方
側へ持出された端縁41はサクション・チューブ1の最下
面よりも織機本体Lの前方側に位置するとともに、当該
サクション・チューブ方向へ接近するごとく立ち上がっ
て織布C幅方向の溝壁42を形成し、またガター部材4に
おける上面の中間部位には後付で組付けられた別体の仕
切り壁44が立ち上がると共に、当該仕切り壁の上端縁
は、サクション・チューブ1の低位置部位に幅方向へ弾
力的に当接せる水遮蔽体45を形成して、サクション・チ
ューブ1から滴下する凝結水は当該ガター部材を介し排
水されて、水噴射による霧状水滴の前記織布C側への散
乱を密閉阻止せしめる脱水織布の濡れ戻り防止の機構手
段を採用することによっても解決される。
【0012】
【作用】本発明において、サクション・チューブ1下面
側のほゞ全幅に沿って付設された上記構成のガター部材
(段落[0010][0012]参照)は、サクション・チューブ
1方向に接近して立ち上がる溝壁42と溝底43とが受け皿
作用を発揮すると共に、当該ガター部材4における中間
部位で立ち上がる仕切り壁44の上端縁が形成する水遮蔽
体45はサクション・チューブ1の低位置部位に幅方向へ
弾力的に当接していることによって、緯入ノズルNから
噴射されて霧状に飛び散る霧水滴を遮蔽する作用を発揮
するのであり、ガター部材4における溝壁42と溝底43、
および仕切り壁44と水遮蔽体45とガター部材の基部40が
互いに補完的に協働することにより、サクション・チュ
ーブから滴下する凝結水の織布への降り懸かりを阻止す
ると同時に、水噴射による霧状水滴の前記織布側への散
乱を密封阻止して製織布の濡れ戻りを防止する機能を実
現するのである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添附図面に示した
水噴射式織機の実施形態に基いて更に詳しく説明する。
【0014】図1および図2は、本発明を適用して製作
された水噴射式織機の実施形態例であって、その製織機
構は従来周知である。即ち、本実施形態の水噴射式織機
は、経糸ビームBから面状に引き出される経糸シートを
ヘルドH・Hによって上下に開口させ、開口された上下
の経糸シートの間に緯入ノズルNから水噴射によって緯
糸Yを推進飛走させることによって緯糸挿入を行い、挿
入された緯糸YをリードRで筬打ちすることにより、経
糸シートと緯糸Yとが織前に湿潤状態の織布Cを順次形
成し、サクション・チューブ1を通過する際に吸引風力
と会合し織布中の含水分を吸引脱水することになる。
【0015】図1に図示する製織布の巻取方式は、所謂
「S巻方式」であって、湿潤状態の織布Cをサクション
・チューブ1に大きく周回させて吸引脱水し、こうして
脱水された織布Cをサクション・チューブ1の下方に位
置するサーフェース・ロール2の周面後側に廻わし添わ
せて、アッパー・プレスロールP1 、アンダープレス・
ロールP2 に接触させてクロス・ロール3に巻き取る織
機の運転例である。
【0016】これに対し、図2に図示する製織布の巻取
方式は所謂「F巻方式」であって、湿潤状態の織布Cを
サクション・チューブ1に小角度で接触させて吸引脱水
し、脱水された織布をアッパー・プレスロールP1 の前
面側で迂曲させてサーフェース・ロール2の周面後側に
廻わし添わせ、アンダー・プレスロールP2 に接触させ
てクロス・ロール3に巻き取る織機の運転例である。
【0017】なお、念のために指摘しておくと、本実施
形態におけるサクション・チューブ1とサーフェース・
ロール2との位置関係は、サーフェース・ロール2がサ
クション・チューブ1の下方で、かつ、サクション・チ
ューブ1の半径と同一の距離だけ織機本体の前方寄りに
配置してある。しかして、このサーフェース・ロール2
の位置は、サクション・チューブ1の下方で、サクショ
ン・チューブ1の半径の半分の距離〜半径と同一距離の
範囲内に配置するのが好ましい。サクション・チューブ
1の半径よりも大きく前方寄りに配置すると、サクショ
ン・チューブ1に対する織布Cの巻付け角度が小さくな
ってS巻方式の利点を活かすことができず、逆にサクシ
ョン・チューブの半径の半分以下ではガター部材4の持
出端縁41が織布Cに接触して織布を傷める可能性が出て
くるからである。
【0018】ところで、本発明の最大の特徴は上記サク
ション・チューブ1における下面側のほゞ全幅に沿っ
て、以下に述べる構成のガター部材4を織機本体Lの後
方下側に向かって引き下げ状態となっている織布Cの上
方に、かつ、その織機本体Lの前側に持ち出された端縁
41をサクション・チューブ1の最下面より織機本体Lの
前方側に位置するようにオーバーハング状態に付設した
点に存する。
【0019】図3および図4は、本実施形態の水噴射式
織機における布巻取機構部分を拡大して示した機構側面
図であり、図3はS巻方式で運転する場合、図4はF巻
方式で運転する場合を図示している。
【0020】図3および図4に示すごとく、本発明の特
徴をなすガター部材4は織機本体Lにおけるサクション
・チューブ1を支持しているステー11上に当該サクショ
ン・チューブのほゞ全幅に沿う如くボルト止めによって
付設してある。本実施形態において用いるガター部材4
は、硬質塩化ビニールの押出成形体にエンドプレート
(図示せず)を接合するなどの加工したものを用いてい
る。
【0021】本実施形態において、織機前方側へ持ち出
しているガター部材4の端縁41は、逆「へ」字型を成す
ごとくサクション・チューブ1の前方周面側に近接して
立ち上がって内側に溝壁42を形成しており、また、この
ガター部材4における中間部位からサクション・チュー
ブ1の低位置部位に向けて立ち上がる仕切り壁44は、上
端縁にU状リップ形状の断面を成す水遮蔽体45を備え、
このU状リップ形状の水遮蔽体45が中心に沿って微量の
空隙を形成した状態で前記サクション・チューブ1のほ
ゞ最下面に弾力的に密着している。本実施形態において
使用されるガター部材4は、先にも述べたとおり、塩化
ビニールの成形体を用いているが、前記U状リップ形状
の水遮蔽体45の部分は弾性変形してサクション・チュー
ブ1の周面に密着し易いように比較的軟質の塩化ビニル
が2色成形で構成してある。
【0022】上記ガター部材4の長手両端は、エンドプ
レート(図示せず)により水密状態に封止され、溝底43
の所要位置にはドレンパイプ46が接続してあって、其処
から当該ガター部材の受けた凝結水が排水されるように
なっている。それゆえ、サクション・チューブ1の織機
前方側の周面に結露した凝結水は、その周面を伝って持
出端縁41とサクション・チューブ1の前記周面との間隙
を通過し、サクション・チューブ1の最下面に達する
か、その前に水遮蔽体45で遮断されるが、端縁41はサク
ション・チューブ1の最下部や水遮蔽体45より織機本体
Lの前方に位置しているので、結露水がサクション・チ
ューブ1の最下部あるいは遮蔽位置から落下しようが、
水遮蔽体45の下側を伝って落下しようが、全て溝壁42と
仕切り壁44との間のガター溝に集まり、ドレンパイプ46
から排出されることになる。他方、緯入ノズルNの噴射
に伴って散乱される霧状水滴は、サクション・チューブ
1に周面に密着せるU状リップ形状の水遮蔽体45と仕切
り壁44の背面に遮断され、ガター部材4の基部40の上面
を通過して落下するので、当該チューブ1の下方を通過
する織布Cに悪影響を及ぼすことはない。
【0023】しかして、本実施形態のようにガター部材
4を付設した水噴射式織機は、図1に示すごときS巻方
式で製織する場合であっても、図2に示すごとくF巻方
式で製織する場合であっても、何ら部品交換をすること
なく、織布のロール仕掛けを変えるだけで、能率的に製
織を行うことが可能である。
【0024】本明細書に具体的に例示する本発明の実施
形態は概ね上記のとおりであるが、本発明は前述の実施
形態例に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範
囲」の記載内で種々の設計変更が可能である。
【0024】例えば、前述5実施形態で使用したガター
部材4は、ガター部材基部40、持出端縁41、溝壁42、溝
底43、仕切り壁44、および水遮蔽体45が一体成形によっ
て作製したものを用いていたが、仕切り壁44と水遮蔽体
45の部分を別体に構成し、持出端縁41と溝壁42と溝底43
の部分を一体成形したガター本体部分の溝底43に後付で
組付けることによって構成したものを用いてもよく、ま
たドレンパイプ46を設ける代わりに、仕切り壁44の途中
に排水孔を設けて、結露水をガター部材基部40の上面に
流し出すようにしてもよく、かゝる設計変更は本発明の
技術的範囲に属することは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明において
は、水噴射式織機におけるサクション・チューブの下面
側のほゞ全幅に沿ってガター部材を付設してあるので、
このガター部材の持出端縁、溝壁、仕切り壁、および水
遮蔽体とが実に巧い具合に補完的に協働して、サクショ
ン・チューブから滴下する凝結水の織布への降り懸かり
を阻止すると同時に、水噴射による霧状水滴の前記織布
側への散乱を密封阻止することになるので、製織布の濡
れ戻りを効果的に防止することができるのである。
【0027】また、本発明において採用されたガター部
材は、必要最小限度の幅サイズで、しかも水噴射による
霧状水滴の織布側への散乱を確実に阻止することができ
て、従来の密封方式よりサクション・チューブの周面の
前方寄り側を広角度に覆えるので、水噴射式織機が製織
する織布をS巻方式で巻き取る場合であっても、F巻方
式で巻き取る場合であっても、オールラウンドに運転で
きて全く支障を生ずることなく製織できるのである。
【0028】このように本発明によれば、従来の受け皿
方式における欠点も、密封方式における不満足な点も悉
く解消できるのであって、機構的にも何ら複雑化を招く
こともなく、却って簡素化されるので、コスト的にも安
価に製作できるなど、実用的にも経済的にも頗る有利で
あり、産業上利用価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を適用して構成した水噴射式織
機の実施形態をS巻方式で運転する場合の概略を表わし
た斜視説明図である。
【図2】図2は、本発明を適用して構成した水噴射式織
機の実施形態をF巻方式で運転する場合の概略を表わし
た斜視説明図である。
【図3】図3は、本実施形態の水噴射式織機をS巻方式
で運転する場合における布巻取機構部分を拡大して示し
た機構側面図である。
【図4】図4は、本実施形態の水噴射式織機をF巻方式
で運転する場合における布巻取機構部分を拡大して示し
た機構側面図である。
【図5】図5は、サクション・チューブに付設されるガ
ター部材の詳細を表わした拡大説明図である。
【符号の説明】
1 サクション・チューブ 11 ステー 2 サーフェース・ロール 3 クロス・ロール 4 ガター部材 40 (ガター部材)基部 41 (持出)端縁 42 溝壁 43 溝底 44 仕切り壁 45 水遮蔽体 B 経糸ビーム C 織布 H ヘルド L 織機本体 N 緯入ノズル P1 アッパー・プレスロール P2 アンダー・プレスロール R リード Y 緯糸

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水噴射によって経糸開口中に挿入された
    緯糸(Y)が筬打ちされて順次送り出されてくる湿潤状
    態の織布(C)を、脱水用サクション・チューブ(1)
    周面を周回させ、次いで当該サクション・チューブの下
    方に位置するサーフェイス・ロール(2)の周面裏側に巻
    き付けて引き下ろすことにより、脱水用サクション・チ
    ューブ(1)からサーフェース・ロール(2)に至る織布
    (C)を織機本体(L)後方側に向けて引き下げ状態と
    する水噴射式織機において、前記サクション・チューブ
    (1)下面側のほゞ全幅に沿い、織機本体(L)の後方
    側に向けて引き下げ状態となっている織布(C)の上方
    にオーバーハングするごとく合成樹脂を一体成形して成
    ガター部材(4)が付設されており、かつ、このガタ
    ー部材(4)における織機本体(L)の前方側へ持出され
    た端縁(41)はサクション・チューブ(1) の最下面より
    も織機本体(L)の前方側に位置するとに、当該サク
    ション・チューブ方向へ接近するごとく立ち上がって織
    (C)幅方向の溝壁(42)備え、またガター部材
    (4)における中間部位で一体的に立ち上がる仕切り壁
    (44)の上端縁はサクション・チューブ(1)の低位置部
    位に幅方向へ弾力的に当接せる水遮蔽体(45)を形成し
    て、サクション・チューブ(1)から滴下する凝結水が
    当該ガター部材を介し排水されるとともに、水噴射によ
    る霧状水滴の前記織布(C)側への散乱を密閉阻止する
    ように構成したことを特徴とする水噴射式織機における
    脱水織布の濡れ戻り防止機構。
  2. 【請求項2】 サクション・チューブ(1)の低位置部
    位に当接するガター部材(4)の仕切り壁(44)の上端縁
    が、弾性変形可能なU状リップ形態を成している請求項
    1記載の、水噴射式織機における脱水織布の濡れ戻り防
    止機構。
  3. 【請求項3】 水噴射によって経糸開口中に挿入された
    緯糸(Y)が筬打ちされて順次送り出されてくる湿潤状
    態の織布(C)を、脱水用サクション・チューブ(1)の
    周面を周回させ、次いで当該サクション・チューブの下
    方に位置するサーフェイス・ロール(2)の周面裏側に巻
    き付けて引き下ろすことにより、脱水用サクション・チ
    ューブ(1)からサーフェース・ロール(2)に至る織布
    (C) を織機本体(L)後方側に向けて引き下げ状態と
    する水噴射式織機において、前記サクション・チューブ
    (1)下面側のほゞ全幅に沿い、織機本体(L)の後方
    側に向けて引き下げ状態となっている織布(C)の上方
    にオーバーハングするごとくガター部材(4)が当該サ
    クション・チューブを支持せるステー(11)上に付設さ
    れており、かつ、このガター部材(4)における織機本
    体(L)の前方側へ持出された端縁(41)はサクション
    ・チューブ(1) の最下面よりも織機本体(L)の前方側
    に位置するとともに、当該サクション・チューブ方向へ
    接近するごとく立ち上がって織布(C)幅方向の溝壁(4
    2)を形成し、またガター部材(4)における上面の中間部
    位には後付で組付けられた別体の仕切り壁(44)が立ち上
    がると共に、当該仕切り壁の上端縁は、サクション・チ
    ューブ(1)の低位置部位に幅方向へ弾力的に当接せる
    水遮蔽体(45)を形成して、サクション・チューブ(1)
    から滴下する凝結水は当該ガター部材を介し排水され
    て、水噴射による霧状水滴の前記織布(C)側への散乱
    を密閉阻止するように構成したことを特徴とする水噴射
    式織機における脱水織布の濡れ戻り防止機構。
  4. 【請求項4】 サーフェース・ロール(2)の軸芯が、
    サクション・チューブ(1)の軸芯よりも下方であっ
    て、当該サクション・チューブの半径と同一距離〜半径
    の2分の1に相当する距離だけ織機本体(L)の前方寄
    りに配置されている請求項1〜3の何れか一つに記載
    の、水噴射式織機における脱水織布の濡れ戻り防止機
    構。
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