JP3449418B2 - 内因性レトロウイルス様配列内への遺伝子標的化による発現の増大 - Google Patents

内因性レトロウイルス様配列内への遺伝子標的化による発現の増大

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 I.発明の分野 本発明は、組換え細胞培養系およびその方法、とりわ
け、相同的(ホモローガス)組換えおよび異種(ヘテロ
ローガス)核酸配列の標的化組み込みのための、内因性
核酸配列の同定およびそこでの使用に関する。本発明は
また、細胞又は組織への核酸配列の治療的導入、さらに
詳しくは、相同的組換えを利用した標的化組み込みによ
る導入に関する。この導入は遺伝子治療またはトランス
ジェニック動物の創製に有用である。
遺伝子治療とはインビボまたはエクスビボで、核酸を
細胞又は組織に導入することである。ある場合には、機
能損傷のある内因性遺伝子を核酸で置き換える、または
代わりに作用させることにより、宿主に治療用ポリペプ
チド産生能力を付与する、望ましくない遺伝子産物を抑
制する、あるいは免疫応答を刺激することを意図する。
インビトロで核酸を細胞に導入する方法、あるいはエク
スビボでそのような細胞又は組織に導入する方法は、例
えば、DNAまたはRNAをそのまま組織に注射し挿入する、
電気穿孔法等の方法の使用、リポソームまたは他の担体
内に入った核酸を得ること、ウイルス、レトロウイル
ス、ファージ、プラスミド等のベクターの使用、および
エクスビボで修飾された細胞を組織に再導入して転写お
よび異種核酸を発現させることなどを含め、既知であ
る。
他の研究者は異種核酸を転写し発現するトランスジェ
ニック動物を作成した。そのような動物は生殖細胞、体
細胞、または胚を異種核酸でトランスフェクトし、トラ
ンスフェクトされた細胞を適切に移植し、細胞を成熟さ
せるか安定に異種DNAを含有する成人動物に成長させる
ことにより製造された。再現性ある比率(%)のそのよ
うな動物が異種核酸を転写し、血液または血清等の組織
内で同定されるタンパク質を発現した。トランスジェニ
ック動物の製造法は米国特許4,396,601に記載されてい
る。
組換えは、核酸鎖を開裂し、相同配列内で再度交差的
に結合させることを含む。分子内組換え(単一の核酸分
子上に存在する相同配列間の組換え)は文献に記載され
た。例えば、分子内組換えはタンデムにアレンジされ
た、同一の、相同の、および部分的に相同のDNA配列相
互で起きることが示された。
分子間組換えは2つの異なる核酸分子、例えば減数分
裂の間の2つの相同染色体、あるいは同じ感染細胞上に
存在する異なるウイルスゲノム間での組換えを表すため
に用いられる語句である。分子間組換えは多くの異なる
動物ウイルスで認められ、この工程は異種DNA配列のク
ローニングおよび発現のためのベクターの生成に用いら
れた。通常、ウイルスは感染性クローニングベクターに
用いられる。
ある種のDNA分子は、哺乳類に導入された後、共通の
相同領域を介して互いに再結合することが示された。例
えば、トーマスら(Thomas et al.),Cell.44:419−428
(1986);ゼンら(Zheng et al.),Nature 344:170(1
990)。そのような異種DNAの哺乳類培養細胞への組み込
みに関する出願は多数あり、それは研究、ワクチンの開
発および遺伝子治療に関する。
アンチセンス法を用いる組換えはある種のレトロウイ
ルスを含め[フォンルーデンら(von Ruden et al.),
J.Virol.63:677−682(1989);チャンら(Chang et a
l.)J.Virol.61:921−924(1987)]、これまで特異的
な遺伝子産物の哺乳類細胞系での発現阻害のために用い
られた[カシドら(Kasid et al.)Science 243:1354−
1356(1989);コーカら(Khoka et al.),Science 24
3:947−950(1989);イザントら(Izant et al.),Sci
ence 229:345−352(1985)]が全試みが成功したわけ
でない[ケールら(Kerr et al.),Eur.J.Biochem.175:
65−73]。アンチセンス阻害の受け易さは、標的化内因
性RNAの2次構造の影響を受けるらしい。現在、アンチ
センス阻害が有効であるためには、コードするmRNAに比
較して、大過剰のアンチセンスRNAが必要と考えられて
いる。
現在、研究目的で、並びに目的のタンパク質を医薬適
用の目的で大量生産する目的で、培養細胞に外来性(異
種)核酸を導入し、増幅するためには、様々な方法が用
いられている。過去数年の間に最適にした発現プラスミ
ドベクターおよびそれら各々の制御成分に関しては多く
の知識が蓄積されたが、供与DNAを受容宿主細胞の染色
体DNAにうまく組み込むための機構、制限および障害に
関しては殆ど分かっていない。真核性細胞培養では、発
現ベクターを最適にする努力にもかかわらず、通常、異
種供与DNAのトランスフェクションの後、樹立されたク
ローン化細胞系の少数(%)のみが実際に目的の遺伝子
を満足できる程、発現する。目的遺伝子を発現する細胞
系のごく少数(%)が満足できる程度の目的タンパク質
を発現する。
宿主細胞およびそのゲノム内で遺伝される因子は、目
的タンパク質の発現レベルに影響する可能性がある。発
現レベルに影響する可変因子の1つは、宿主染色体DNA
への供与DNAの挿入位置であるかもしれない。例えば、
供与DNAの組み込みが、宿主DNAの転写活性でまお領域で
起きるか、非コード化領域(高度におよび中程度に反復
した配列で示され、なんらの生成物をコードするように
思われず、構造上の機能しかもたないDNA)で起きるか
もしれない。供与DNAのこれら領域への組み込みは、高
レベルの転写に必要な制御核タンパク質を適切な濃度に
しない。即ち、これら領域へのプラスミドまたは供与DN
Aの組み込みでは、目的遺伝子が発現されないか低発現
にとどまる。
当業界の研究者は挿入するDNAを、いかにして転写率
が高い領域に組み込ませるかが問題であることを知って
いる。その目的のために、研究者はランダム組み込みで
なく、「標的化組み込み」を達成するよう、宿主細胞ゲ
ノムDNAと相同の特異的な核酸配列を選択し組換えする
方法を用いた[例、Zheng et al.前掲]。ごく一部の成
功例が報告された。通常、標的化組み込みは1000事象に
1つであり、樹立された組換え細胞系の大部分はランダ
ム部位に組み込まれた供与DNAを有していた。
真核性細胞は、高比率で転写され、通常、2−20倍、
あるもは20倍以上、という比較的高コピー数で存在し、
幾つかの配列の転写物では数百コピーが認められてい
る、内因性配列を有することが知られている。これらの
配列のあるものは1個以上の染色体上にあり、宿主ゲノ
ムを通して分散されている。
培養チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞はしば
しば研究および目的タンパク質の製造に用いられる。細
胞の薄い細胞切片を透過電子顕微鏡で観察すると、全CH
O細胞にレトロウイルス様粒子が認められる。いつも2
つの型の粒子が観察される。しばしば中心小体がある細
胞質内A−粒子と出芽(放出)性C−型粒子である[ド
ナヒューら(Donahue,P.R.et al.),J.Virol.62:722−7
31(1988);リーベル(Lieber,M.M.)Science 182:56
−58(1973);ルビニエキ(Lubiniecki),Develop.Bio
l.Standards 70:187−191(1989);ルビニエキら(Lub
inieki et al.),Devel.Biol.Sta.60:141−146(198
5);マンレー(Manley,K.F.)J.Gen.Virol.39:505−51
7(1978);チホンら(Tihon,C.et al.),Nat.New.Bio
l.244:227−231(1973)]。他の細胞への感染または伝
播は観察されていない[前掲、およびホジマン(Hojma
n,F.R.)Devel.Biol.70:195−202(1990)]。それらの
明らかな非感染性にもかかわらず、CHO細胞がヒトでの
使用のための生物製剤の製造の基質として用られたの
で、レトロウイルス様粒子の起源に興味が持たれた[コ
レン(Collen,D.)J.Pharm.Exp.231:146−152(198
4);パツアー(Patzer,E.J.)Bio Technology 4:630−
636(1986);エグリー(Egrie,J.C.),Prog.Clin.Bio
l.191:339−350(1985)]。生物学的活性を示す逆転写
酵素活性が組換え細胞系内のレトロウイルス様粒子に関
連していることが示された限りにおいて、生物学的製剤
産物の受容者体へのウイルス伝播の懸念が高まった。
そのような配列ファミリーはこれらの細胞内に高コピ
ー数で存在することが分かった:IAP様配列は、ゲノムあ
たり500−1000コピー存在し、C−型配列はゲノムあた
り約100−300コピー存在する[アンダーソンら(Anders
on et al.),J.Virology 64:2021−203(1990);ウル
ムら(Wurm et al.),Advances in Animal Cell Biolog
y and Technology for Bioprocesses p.71990(Spier e
t al.,Butterworths,(1990));アンダーソンら(And
erson et al.),Virology 181:305(1991)]。
本発明は目的遺伝子の真核性細胞培養内での発現を増
大する方法を提供することを目的とする。また本発明
は、核酸を、インビトロ、インビボ、エクスビボのいず
れかで動物の細胞または組織に導入する方法を提供する
ことを目的とする。
さらに本発明は、宿主真核性細胞に、異種核酸を標的
化挿入する方法を提供するものであり、該方法によっ
て、目的遺伝子の収率が増大する。
また本発明は、目的遺伝子の発現を増大するために、
宿主細胞にとって相同の核酸配列を用いる方法を提供す
ることを目的とする。
発明の要約 本発明の目的は、異種遺伝子を高発現する真核性細胞
を得る方法を得た結果、達成された。即ち、1)第1内
因性核酸配列を有する真核性細胞を得;該内因性配列と
相同の第2核酸、および異種遺伝子をコードする第3核
酸を該細胞に導入することからなる。
本発明のある面では、第2および第3核酸配列をプラ
スミドベクターを介して宿主細胞に導入する。異種遺伝
子をコードする第3核酸配列は転写制御(コントロー
ル)配列の制御下にあることが好ましいが、第2核酸配
列はその必要がない。
ある態様では、内因性配列はレトロウイルス様配列で
あり、またある態様ではこのレトロウイルス様配列は感
染性ウイルスを形成することが出来ない。天然の形で欠
損のあるレトロウイルス様配列を用いることが望ましい
が、組換え操作で非感染性にすることもできる。
ある好ましい態様では、宿主細胞はCHO細胞であり、
内因性レトロウイルス様核酸配列は細胞質内A型、B型
またはC型粒子をコードするDNAであることが好まし
い。
ある態様では、異種遺伝子をコードする核酸を第2核
酸配列よりも高いコピー数で宿主細胞に導入する。
非常な高収量を達成するためには、宿主細胞内のゲノ
ムに第1内因性核酸配列が少なくとも2コピー、好まし
くは2−20、より好ましくは20−100、最も好ましくは1
00コピー以上、存在することが好ましい。また、非常な
高収量を達成するためには、第1内因性核酸配列が、細
胞ゲノムを通して分散していること、好ましくは少なく
とも2つの染色体上に存在することが好ましい。
核酸は宿主細胞に、2本鎖形または1本鎖形で導入さ
れると考えられる。
本発明の他の面では、上記の方法に用いるために、適
当な内因性核酸配列候補を同定する方法が提供される。
これらの同定法には、真核性細胞にとって内因性であ
り、少なくとも2コピー転写される核酸配列であって、
好ましくは宿主細胞のゲノムに分散されているものをス
クリーニングすることを含む。コピーは異なる染色体上
にあるか、同一染色体のことなる局所にあるか、あるい
は同じ染色体上にあるが互いに約100,000塩基対離れて
いることが好ましい。
また、これらの内因性配列は宿主細胞ゲノムの転写活
性領域に存在することが好ましい。細胞内の内因性DNA
の転写レベルを測定するためのポリヌクレオチドプロー
ブは、常法により、なんら困難な実験なしに作成でき
る。
ある態様では、極めて高コピー数に増幅され、しかも
殆ど全部のゲノムに分散されている内因性配列を用いる
ことが好ましい。現時点では、正確な機構に関して正確
に分かっていないので、本発明者らは以下のように推測
する。そのような選択基準を用いれば、細胞内に入る導
入DNAはその標的に到達するためにごく短い距離を
「旅」するにすぎず、従って宿主細胞ゲノム内のこれら
の内因性配列内またはその近接点への組み込みが優先さ
れ、本明細書に記載した高転写率が達成される。
本発明の実施に有用な、特に好ましい内因性配列に
は、トランスポゾン配列、イムノグロブリン遺伝子スー
パーファミリーのメンバーをコードする配列、グロビン
ファミリー配列、レトロウイルス配列、レトロウイルス
様配列、組織適合性配列およびアンプリコン配列が含ま
れる。
図面の簡単な説明 図1−1:CHOゲノムから、長さ2.9kbのゲノムDNA断片(E
coR I−Sal I)として単離されたIAP粒子の制限地図を
示す。図はまたこのDNA由来の0.4kbサブ断片を示す。こ
の0.4kb断片(Aha II−Pst I)は大きい2.9kbの「完全
長」IAP−様DNAの5'−LTR配列部分を表す。2.9kbの「完
全長」IAP−DNAは5'−LTRの約400bp上流のEcoR I部位か
ら3'LTR内のSal I部位に及ぶ(スパンしている)。この
レトロウイルス様DNAは「ウイルスゲノム」の主要部を
切り取った4.5kb内部欠失を有する。
図1−2:完全C型粒子レトロウイルスゲノムの約70%を
表す6.6kb断片の地図を示す。5'−LTRの上流約450bpか
ら、3'LTRの2kb上流のSal I部位までを用いた。また、
5'−LTRを含む1.7kbのPst I−Pst I断片をトランスフェ
クションに用いた。
図2:コトランスフェクション(同時トランスフェクショ
ン;co−toransfection)に際し選択された、IAPレトロ
ウイルス配列を含有するまたは含有しないコロニーの数
を示す。
図3:DHFRプラスミドとpUC制御ベクターまたはC型レト
ロウイルス配列による、コトランスフェクションで生成
したMTX耐性コロニーの数を示す。
図4−1:GHT不含培地内での選択でランダムに選択され
た細胞クローンの発現レベルを示す。
図4−2:CD41gGを500ng/ml以上発現する細胞クローンを
示す。
図4−3:2.9kbのIAPレトロウイルス様配列を2方向で含
有するか含有しないDHFR発現プラスミドでコトランスフ
ェクションしてランダムに選択された細胞クローンにお
ける1000ng/ml以上の発現レベルを示す。
図4−3:CHO細胞由来の2.9kbのIAPレトロウイルス様配
列を含有するか含有しないDHFR発現プラスミド、および
CD41gGのための発現ベクターでコトランスフェクション
した後、ランダムに選択した細胞クローンのCD41gG発現
範囲を示す。
図5:30nM MTXで選択した単離されたクローン内でのrtP
A発現の分析結果を示す。
詳細な説明 レトロウイルス様形態と免疫学的特徴を有するC−型
レトロウイルス様粒子は、上記の文献に一般的に記述さ
れている出芽性(budding)粒子である。A−型粒子は
しばしば中心小体を有するものであるが、本明細書の定
義からは除く。本明細書ではC−型レトロウイルス核酸
配列を、そのような粒子をコードする配列と定義し、コ
ードし得る配列が多重に分断されているものも含む。
本明細書中、なんらかの内因性配列に関して、相同性
または同類(ホモロジー)という語句は、相同性(%)
が最大になるよう必要に応じてギャップを導入した後、
配列を比較した場合、文献で公開された内因性配列内の
残基、あるいは研究者によって同定された内因性配列内
の残基と同一の、候補配列内の残基の割合(%)と定義
する。候補配列が内因性配列と相同である場合、少なく
とも約60%、内因性配列と相同であることが好ましい
が、必ずしもそうである必要はない。
本明細書中、「外因性」要素(エレメント)とは、細
胞にとって外来の、あるいは細胞にとって相同である
が、その要素の位置がある細胞内で普通には、見いださ
れない場合、そのような要素を指す。本明細書中、「内
因性」要素とは、細胞にとって固有の(天然の)要素を
指す。「内因性核酸配列」とは、細胞にとって内因性の
核酸配列を指す。
内因性配列にとって相補的(アンチセンス)な核酸組
成物も本発明範囲に包含される。本発明は1本鎖および
2本鎖DNAを用いて実施することを意図している。この
相補的DNA、相補的RNA転写物、およびそのような相補的
DNAおよびRNA配列の断片であって、用いられる内因性配
列とのハイブリダイゼーション特異性を維持している断
片は本発明の範囲に包含される。
目的の遺伝子の分泌をより迅速に指令するためにシグ
ナル配列融合物を用いる。固有の粒子シグナルを異種の
シグナルで置き換えてもよく、そして、得られた融合物
が認識されれば、即ち、宿主細胞によってプロセスさ
れ、開裂されれば、レトロウイルス様粒子は分泌され
る。シグナルは意図する宿主細胞に基づいて選択され、
細菌、酵母、哺乳類、およびウイルス配列を含むであろ
う。固有のシグナルまたはヘルペスgDプリコプロテイン
シグナルは哺乳類発現系で用いるのに適する。
本発明の内因性配列または外因性配列をコードする核
酸は、インビトロ手法で合成するか、あるいはcDNAライ
ブラリーから容易に得られる。手動または自動装置によ
るDNA合成手段は当業者に普遍的に既知であり、特に本
明細書に記載の教示で既知である。例えば、ポリヌクレ
オチド合成に関する現在の技術状況については、マニア
ティスら(Maniatis et al.)の文献(Molecular Cloni
ng,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laborato
ry(1984))およびホバスら(Horvath et al.)の文献
(An Automated DNA Synthesizer Employing Deoxynucl
eotide 3'−Phosphoramidate,Methods in Enzymology 1
54:313−326(1987))がある。
各宿主細胞ごとに望ましい内因性核酸配列を同定する
ことが考えられる。そのような同定の方法の1つは、宿
主細胞ゲノムによってコードされている遺伝子転写物を
分析し、特に少なくとも2コピー、好ましくは2−20コ
ピー、さらに好ましくは100コピー以上、存在する配列
を探すことを含む。ある態様では、内因性配列の分布を
蛍光染色等の既知の方法によっても決定されよう。内因
性配列が1以上の真核性染色体に存在することが好まし
い。ある態様では、目的遺伝子について望まれる収率の
度合に応じて、内因性配列をそのコピー数およびゲノム
分布によって選択する。
本発明の実施に特に好ましい内因性配列は、トランス
ポゾン配列[バルチモアら(Baltimore et al.)Cell 4
0:481−482(1985)]、イムノグロブリン遺伝子スーパ
ーファミリーのメンバーをコードする配列、グロビンフ
ァミリー配列[α、β、γ、δグロビン配列を含む)、
レトロウイルス配列(A、B、C、D型レトロウイルス
配列を含む)、レトロウイルス様−配列(IAPおよびC
−型レトロウイルス様配列を含む)、組織適合性配列
(MHCIおよびII要素をコードする配列)およびアンプリ
コン配列[例、ウインドルら(Windle et al.)Genes a
nd Development 5:150−174(1991)]が含まれる。こ
れら内因性配列の断片も本発明の実施に有用である。例
えば、宿主ゲノムを通して部分的に分布するようになっ
たアンプリコン配列が特に好ましい。標的内因性配列は
宿主細胞内で機能的または非機能的である。細胞の増殖
または生存に望ましくない負の衝撃を与えないために、
本発明の内因性配列を選択することは、当該技術分野の
常法で行うことができる。
イムノグロブリン遺伝子スーパーファミリーは、イム
ノグロブリン様ドメインを有する分子からなる。このフ
ァミリーのメンバーには、クラスIおよびクラスII主要
組織適合性抗原、イムノグロブリン、T−細胞受容体
α、β、γおよびδ鎖、CD1、CD2、CD4、CD8、CD28、CD
3のγ、δおよびε鎖、OX−2、Thy−1、細胞間または
神経細胞付着分子(I−CAMまたはN−CAM)、抗原−3
に関連したリンパ球機能(LFA−3)、神経細胞質タン
パク質(NCP−3)、poly−Ig受容体、ミエリン関連グ
リコプロテイン(MAG)、高親和性IgE受容体、末梢ミエ
リンの主要グリコプロテイン(Po)、血小板誘導成長因
子受容体、コロニー刺激因子−1受容体、マクロファー
ジFc受容体、Fcガンマ受容体およびがん胎児性抗原が含
まれる。
公開された起源以外の起源から内因性配列をコードす
るDNAを得るためには、もしも、ある起源からのDNA配列
が知られていれば、標識された、粒子をコードするDNA
またはその断片(通常、約20残基以上、通常約50bp)を
用いてハイブリダイゼーションスクリーニングを行い、
特定の動物のcDNAライブラリーから相同配列を含有する
クローンを検出し、完全長さのクローンを同定するため
に制限酵素分析及び核酸配列決定を行ってクローンを分
析するだけでよい。ライブラリーに完全長さのクローン
が存在しない場合、適当な断片を様々なクローンから回
収し、断片に共通の制限部位で連結し、完全長さのクロ
ーンに組み立てる。他の動物種からのレトロウイルス様
粒子をコードするDNAは、そのような種由来のライブラ
リーをハムスター配列でプローブするか、または遺伝子
をインビトロで合成することにより得る。配列が既知で
ある他のレトロウイルス様粒子のためのDNAは同様の通
常のハイブリダイゼーション法を用いて得ることができ
る。
内因性核酸配列にホモローガスな核酸は、上記の方法
で得ることができる。
内因性配列のためのゲノムDNAの同定は特定のゲノム
ライブラリーを放射性りん等で標識したcDNAまたはその
断片でプローブし、遺伝子を含有するクローンを回収す
るという簡単なことで行える。完全な遺伝子を、要すれ
ば、「歩行、walking」によってつなぎ合わせる。通
常、そのようなプローブは内因性配列との相同性が60%
以下の配列をコードするものでなく、長さは約10−100b
pである。
ハイブリッドDNA法は発現の実現のために用いられ
る。DNA配列を制限マッピングし、適当な開裂部位を決
定する。このような方法で、配列を切り取り、適当な制
御(コントロール)、転写調節領域および制御シグナル
を有するベクターに導入する。発現されたら、目的の遺
伝子産物を回収した後、精製する。
一般に、本発明に有用なベクターの構築のためのDNA
配列のクローニングには原核生物を用いる。例えば、E.
coli(大腸菌)K12株294(ATCC No.31,446)が特に好ま
しい。使用し得る他の微生物株には、E.coli BおよびE.
coli X1776(ATCC No.31,537)がある。これらの例は制
限的なものでなく、例示にすぎない。あるいは、例えば
ポリメラーゼ鎖反応のようなインビトロクローニング法
も適当である。
本発明の遺伝子産物は組換え細胞培養内で、N−末端
メチオニン化(メチオニル)同族体として直接、あるい
は異種ペプチド、好ましくはシグナル配列または粒子/
タンパク質間に特異的な開裂部位を有する他のポリペプ
チドとの融合物として、発現させる。遺伝子産物のため
の原核性分泌発現ベクターの構築においては、シグナル
は、シグナルを認識する宿主と一緒に用いる。宿主が分
泌リーダーを「認識」すると、宿主のシグナルペプチダ
ーゼが、所望の成熟産物の、そのC−末端で融合したリ
ーダーポリペプチドの融合を開裂することができる。固
有のシグナルをプロセッシングしない原核性宿主では、
シグナルを例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリ
ナーゼ、1pp、または温度安定性エンテロトキシンIIリ
ーダーからなる群から選択されるシグナルで置換する。
酵母分泌の場合、固有のシグナルを酵母インベルター
ゼ、アルファ因子または酸ホスファターゼリーダーで置
換する。哺乳類細胞発現では、固有のシグナルが十分で
あるが、例えば単純ヘルペスgDシグナルなどのウイルス
分泌リーダーのような、他の哺乳類分泌タンパク質シグ
ナルも適する。
本発明の遺伝子産物は任意の宿主細胞内で発現される
が、哺乳類宿主内で合成されることが好ましい。しかし
ながら、原核性生物、真菌、酵母、昆虫等由来の宿主細
胞も発現に用いることができる。E.coli株W3110(Fλ
原栄養体、ATCC No.27,325)、セラチア・マルセサンス
(Serratia marcesans)などの他の腸内細菌、バシラス
属、および種々のシュードモナス(Pseudomonas)種な
どの外、上記クローニングに適したものとして例示した
原核生物株も適当である。好ましくは、宿主細胞の分泌
するタンパク質分解酵素は最小量である。
通常、発現宿主は発現ベクターに連結したハイブリッ
ドをコードするDNAで形質転換される。そのようなベク
ターは、通常、複製部位(これは、染色体組み込みが起
きる場合は不要だが)を有する。また、発現ベクターは
後述するように、形質転換された細胞に表現型の選択性
を付与できるマーカー配列をも含有する。例えば、E.co
liを形質転換するために通常使用されるプラスミドは、
E.coli種から導かれたプラスミドであるpBR322である
[ボリバーら(Boliver,et al.),Gene 2:95(197
7)]。pBR322はアンピシリン及びテトラサイクリン耐
性をコードする遺伝子を含有しており、それにより、ク
ローニングまたは発現目的のいずれであっても、形質転
換された細胞を容易に同定する手段が得られる。発現ベ
クターはまた、転写および翻訳の制御に有用な配列、例
えば、プロモーターおよびシャイン−ダルガルノ配列
(原核生物用)またはプロモーターおよびエンハンサー
(哺乳類細胞用)を含有している。プロモーターは、必
ずしも必要でないが、誘導可能である。発現ベクターは
必ずしも発現制御、複製可能配列または選択遺伝子を含
有する必要がないと考えられるが、これらが無いと、形
質転換体の同定および高レベル粒子発現の達成が阻害さ
れ得る。
原核性宿主細胞に適したプロモーターの例として、β
−ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系[チャン
(Chang)ら、Nature 375,615(1978);ゲッデル(Goe
ddel)ら、Nature 281,544(1979)]、アルカリホスフ
ァターゼ系、トリプトファン(trp)プロモーター系
[ゲッデルら、Nucleic Acids Res.,4057(1980);EP
O出願公開第36,776号]、およびtacプロモーター[ドゥ
ボアら(H.de Boer et al.)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8
0:21−25(1983)]のようなハイブリッドプロモーター
が挙げられる。これらのヌクレオチド配列は一般に知ら
れており、それにより、当業者はそれらを、必要な制限
部位を提供するためのリンカーまたはアダプターを用
い、LHRをコードするDNAに機能的に結合させることがで
きる[シーベンリスト(Siebenlist)ら、Cell 20,269
(1980)を参照]。細菌系で用いるプロモーターは、C
−型レトロウイルス様粒子をコードするDNAに機能的に
結合したシャインダルガノ(SD)配列をも含有するであ
ろう。
原核生物の外、酵母や糸状菌などの真核性微生物でも
よい。サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces
cerevisiae)が最も普通に使用される真核微生物である
が、他の多くの株も同様に利用することができる。プラ
スミドYRp7は酵母における良い発現ベクターである[ス
チンクコム(Stinchcomb)ら、Nature 282:39(197
9);キングスマン(Kingsman)ら、Gene :141(197
9);シェンパー(Tschemper)ら、Gene 10:157(198
0)]。このプラスミドは、トリプトファン存在下での
増殖能を欠いている酵母の突然変異株、例えばATCC No.
44,076株又はPEP4−1株[(ジョーンズ(Jones)のGen
etics,85:12(1977))]に選択マーカーを付与できるt
rp1遺伝子を含有している。酵母宿主細胞ゲノムのtrp1
欠損特性により、トリプトファンの不在下で増殖させれ
ば、形質転換を検出するために有効な環境が提供され
る。
酵母宿主における適当なプロモーター配列には、3−
ホスホグリセレートキナーゼのプロモーター[ヒッツェ
マン(Hitzeman)ら、J.Biol.Chem.255:2073(198
0)]、又はエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リ
ン酸脱水素酵素、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボ
キシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6
−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムター
ゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオセホスフェートイソメ
ラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ及びグルコキナ
ーゼなどの他の解糖系酵素[ヘス(Hess)ら、J.Adv.En
zyme Reg.:149(1968);ホーランド(Holland)ら、
Biochemistry 17,4900(1978)]のプロモーターがあ
る。
その他、増殖条件で転写が制御されるという付加的な
利点を有する誘導可能な酵母プロモーターには、アルコ
ールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸ホス
ファターゼ、窒素代謝に関与する分解酵素、メタロチオ
ナイン、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒド
ロゲナーゼ、マルトースおよびガラクトースの利用に関
与する酵素がある。酵母発現系で用いるのに適当なベク
ターおよびプロモーターはヒッツマン(R.Hitzman et a
l.)の欧州特許公開73,657Aに記載されている。
真核性生物のための発現制御配列は既知である。目的
の遺伝子が転写制御要素の制御下にあることが好ましい
が、目的遺伝子と共に宿主細胞に導入された内因性配列
は必ずしもその必要は無い。実際、全ての真核性細胞に
は、転写開始部位の約25−30塩基対上流に位置してAT豊
富領域がある。多くの遺伝子の転写開始から70−80塩基
上流に見いだされる他の配列はCXCAAT領域(ここにXは
任意のヌクレオチドである)である。大多数の真核性遺
伝子の3'末端には、コード化配列の3'末端にポリAテイ
ルを付加するシグナルであるAATAAA配列がある。これら
全配列を哺乳類発現ベクターに導入する。
哺乳類宿主細胞内の発現ベクターからの転写を制御す
るに適したプロモーターは、例えば、ウイルスゲノムな
ど、様々な起源から容易に得られる。起源の例として、
ポリオーマウイルス、SV40、アデノウイルス、MMY(ス
テロイドで誘導可能)、レトロウイルス類(例えばLTR
またはHIV)、ヘルペスVウイルスおよび最も好ましく
はサイトメガロウイルス、または異種哺乳類プロモータ
ー(例、ベータアクチンプロモーター)が挙げられる。
SV40の早期および後期プロモーターは、SV40ウイルスの
複製起点をも含有するSV40制限断片として容易に得られ
る[フィアー(Fiers)ら、Nature,273:113(197
8)]。また、ヒトサイトメガロウイルスの即時型早期
プロモーターは、Hind III E制限断片として好都合に得
られる。グリーナウエイら(Greenaway P.J.et al.),G
ene 18:355−360(1982)。
高等真核性動物での本発明の目的遺伝子をコードする
DNAの転写はベクターにエンハンサー配列を挿入するこ
とで増大される。エンハンサーは通常、約10−300bpの
シス−作動性DNA要素であって、転写を増加させるよう
プロモーターに作用する。エンハンサーは、相対的な方
向で、独立した位置にあり、イントロン内[バナージら
(Banarji,J.L.et al.)Cell 33:729(1983)]並びに
それのコード化配列内[オスボーンら(Osborne,T.F.et
al.)Mol.Cell bIO.4:1293(1984)]で、転写単位の
5'[ライミンスら(Laimins,L.et al.)PNAS 78:993(1
981)]および3'[ラスキーら(Lusky,M.L.et al.)Mo
l.Cell.Bio.3:1108(1983)]に見いだされている。哺
乳類遺伝子由来の多くのエンハンサー配列が知られてい
る(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェト
プロテイン、インシュリン)。しかしながら、通常、真
核性細胞ウイルス由来のエンハンサーを用いる。例とし
て、複製起点の後期部位にあるSV40エンハンサー(100
−270bp)、サイトメガロウイルス早期プロモーターエ
ンハンサー、複製起点の後期にあるポリオーマエンハン
サー、およびアデノウイルスエンハンサーを挙げること
ができる。
真核性宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒ
トまたは他の多核生物からの有核細胞)は、mRNAの発現
に影響する転写終止配列も含有するであろう。これらの
領域は粒子をコードするmRNAの非翻訳領域内のポリアデ
ニル化セグメントとして転写される。3'非翻訳領域も、
転写終止領域を含有する。
発現ベクターは選択遺伝子、あるいは選択可能マーカ
ーを含有する。哺乳類細胞に適した選択可能マーカーの
例としてジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)、チミジンキナ
ーゼ(TK)またはネオマイシンを挙げることができる。
そのような選択マーカーが哺乳類宿主細胞に成功裏に導
入されると、形質転換された哺乳類宿主細胞は選択圧の
下に置かれた場合、生存することができる。広範に用い
られている選択レジメには2つの別個のカテゴリーがあ
る。第1のカテゴリーは、細胞代謝に基づいており、補
充された培地と無関係に増殖する能力を欠く突然変異細
胞系を用いる。2つの例は、CHODHFR-細胞とマウスLTK-
細胞である。これらの細胞は、チミジンまたはヒポキサ
ンチンのような栄養の付加なしに増殖する能力を欠く。
これらの細胞は完全なヌクレオチド合成経路に必要な、
ある遺伝子を欠くので、不足のヌクレオチドが補充培地
に供給されないと、生存することができない。他の補充
法の例では、無傷のDHFRまたはTK遺伝子を、それぞれの
遺伝子を欠く細胞に導入し、それらの増殖要求を変化さ
せる。DHFRまたはTK遺伝子で形質転換されなかった細胞
は非補充培地で増殖することができないであろう。
第2のカテゴリーの選択レジメは、突然変異細胞系の
使用を必要せず、あらゆる細胞型に使用される選択法、
優勢選択法(dominant)である。これらの方法では通
常、宿主細胞の増殖を阻む薬物を用いる。異種遺伝子で
成功裏に形質転換された細胞は薬物耐性を付与するタン
パク質を発現し、選択レジメの下で生存する。そのよう
な優勢選択に用いる薬物の例として、ネオマイシン[サ
ザーンら(Southern et al.)J.Molec.Appl.Genet.1:32
7(1982)]、マイコフェノール酸[ムリガンら(Mulli
gan et al.)Science 209:1422(1980)]およびハイグ
ロマイシン[スデンら(Sugden et al.)Mol.Cell.Bio
l.5:410−413(1985)]がある。これら3つの例では適
当な薬物G418またはネオマイシン(ジェネシチン)、xg
pt(マイコフェノール酸)またはハイグロマイシン、そ
れぞれに対する耐性を付与するために、真核性制御下の
細菌性遺伝子を用いる。
本発明で用いる遺伝子の発現ための適当な真核性宿主
細胞には、例えば、以下のものが含まれる。SV40によっ
て形質転換されたサル腎CV1ライン[COS−7、ATCC CRL
1651];ヒト腎胚ライン(293または懸濁培養培地で培
養するようにサブクローンされた293)[グラハムら(G
raham)J.Gen.Virol.,36:59(1977)];幼若ハムスタ
ー腎細胞[BHK,ATCC CCL 10];チャイニーズハムスタ
ー卵巣細胞[ウラウブおよびチャッシン(Urlab and Ch
asin)Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.77:4216(198
0)];マウス・スルトリ細胞(mouse sertoli)[TM4,
マザーら(Mather,J.P.)Biol.Reprod.,23:243−251(1
980)];サル腎細胞[CVI,ATCC CCL 70];アフリカミ
ドリザル腎細胞[VERO−76,ATCC CRL 1587];ヒト子宮
癌細胞[HELA,ATCC CCL 2];イヌ腎細胞[MDCK,ATCC C
CL 34];バッファロー・ラット肝細胞[BRL 3A,ATCC C
RL 1442];ヒト肺細胞[W138,ATCC CCL 75];ヒト肝
細胞[Hep G2,HB 8065];マウス乳腺腫細胞[MMT 0605
62,ATCC CCL 51];およびTRI細胞[Matherら、Annals
N.Y.Acad.Sci.,383:44(1982)]。
所望の配列および制御配列を含有する適当なベクター
の構築には標準的な連結(ライゲーション)法を用い
る。単離したプラスミドまたはDNAを開裂し、調整し、
必要なプラスミドを形成するために望ましい形に再連結
する。
構築されたプラスミド内の正しい配列を分析するため
には、連結反応混合物を用いてE.coli K12 294(ATCC31
446)を形質転換し、成功した形質転換体を適当なアン
ピシリンまたはテトラサイクリン耐性に関して選択す
る。形質転換体からプラスミドを調製し、メッシングら
[Messing et al.,Nucleic Acids Res.9:309(1981)]
またはマキシムら[Maxim et al.,Methods in Enzymolo
gy 65:499(1980)]のいずれかの方法によって、制限
および/または配列決定で分析する。
宿主細胞を本発明の発現ベクターで形質転換し、プロ
モーターの誘導、形質転換体の選択または所望の遺伝子
の増幅に適するよう改変した通常の栄養培地で培養す
る。本発明の実施に用いる宿主細胞は様々な培地で培養
し得る。宿主細胞の培養培地には、市販品として入手可
能な、Ham'sF−10(Sigma)、最少必須培地(MEM、Sigm
a)、RPMI−1640(Sigma)およびDUlbecco's Modified
Eagle's Medium(DME)(Sigma)が適当である。さら
に、以下の文献のいずれかに記載の任意の培地も宿主細
胞の培養培地として使用できる。ワラス[Wallace,Met
h.Enz.58:44(1979)];バーンスおよびサトウ[Barna
s and Sato、Anal.Biochem.102:255(1980)];米国特
許4,767,704および米国特許4,657,866;WO90/03430;WO87
/00195;米国特許30,885、米国特許4.927,762、または米
国特許4,560,655。これらの培地のいずれも、必須に応
じて、ホルモンおよび/または他の成長因子(インシュ
リン、トランスフェリン、または上皮性成長因子)、塩
類(塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウ
ム、リン酸塩など)、バッファー(例えば、HEPES)、
ヌクレオシド(例えば、アデノシンやチミジン)、抗生
物質(例えば、ゲンタマイシン)、微量成分(通常、マ
イクロモルの範囲の最終濃度で存在する無機化合物と定
義する)、およびグルコースまたはそれと同等のエネル
ギー源で補充されていてよい。その他の必要な補充物質
も適当な濃度で含有させる。温度、pH等の培養条件は発
現のために選択された宿主細胞について既に用いられて
おり、当業者に自明であろう。
本明細書では、宿主細胞とはインビトロの培養中の細
胞ならびに宿主動物内の細胞をも指す。
「形質転換」とは、DNAを生物内に導入することを意
味し、その結果DNAが染色体外成分として、あるいは染
色体内に組込まれて複製されることを意味する。特に明
示しない限り、本発明における宿主細胞の形質転換は、
文献[グラハムおよびファンデルイブ(Graham,F.and v
an der Eb,A.)Virology 62:456−457(1973)]に従っ
て行った。しかしながら、核注入やプロトプラスト融合
などの、細胞へのDNA導入法も使用できる。原核性細胞
または実質的な細胞壁構造を有する細胞を用いる場合の
好ましいトランスフェクション法は、塩化カルシウムを
用いるカルシウム処理である[コーエンら(Cohen,F.N.
et al.)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 69:2110(972)]。
「トランスフェクション」とは、コードされている配
列が最終的に発現されるか否かにかかわらず、宿主細胞
にDNAを導入することである。例えばCaPO4や電気穿孔法
など、当業者には多くのトランスフェクション法が知ら
れている。宿主細胞の形質転換とは、成功したトランス
フェクションを示す指数である。
「PCR(ポリメラーゼ鎖反応)」とは、1片のDNAを増
幅する技術である。増幅すべきDNAセグメントの3'およ
び5'末端に対応するオリゴヌクレオチドプライマー(セ
ンスまたはアンチセンス鎖−チェック)を適当な条件
下、ハイブリダイズさせ、Taqポリメラーゼ酵素または
同等の酵素を用いてプライマー間に位置するDNAのコピ
ーを合成する。
本発明は、その実施に際し、現在当該技術分野で用い
られている、既に所望の産物をコードするDNAを含有し
ている細胞に導入された制御要素(コントロールエレメ
ント)を用いる組換え製造法にも関する。例えば、強力
なプロモーター/エンハンサーエレメント、サプレッサ
ー、または外因性転写調節因子を所望の粒子をコードす
るDNAの転写に影響するに十分な近さで、かつ方向をも
って、目的宿主細胞のゲノムに挿入する;その要素は本
発明の粒子をコードするものでなく、DNAは宿主細胞ゲ
ノムに存在している。次いで、所望により、望ましい産
物を生成している、または発現レベルが増大または減少
している細胞をスクリーニングする。
硫酸アンモニウムまたはエタノール沈澱、酸抽出、陰
イオンまたは陽イオン交換樹脂によるクロマトグラフィ
ー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、イムノアフ
ィニテークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトク
ロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーな
ど既知の方法で組換え細胞培養物から遺伝子産物を回収
し精製する。
試料中の遺伝子の増幅および/または発現は、例え
ば、本明細書に提供した配列に基づいて適当な標識プロ
ーブを用い、通常のサザーンブロッティングまたはドッ
トブロット(DNA分析)で直接、測定することができ
る。種々の標識を用いることができ、最も普通には、放
射性標識、特に32Pが用いられる。しかしながら、ポリ
ヌクレオチドに導入するためのビオチン修飾ヌクレオチ
ドを用いる方法など他の方法も利用できる。次いで、ビ
オチンは、放射性核種、発蛍光物質、酵素等の広範な標
識で標識されたアビジンまたは抗体との結合部位として
働く。あるいは、DNA二重らせん、RNA二重らせん、およ
びDNA−RNAハイブリッド二重らせん、あるいはDNA−タ
ンパク質二重らせんなど、特殊な二重らせんを認識する
ことができる抗体を用いてもよい。次いで抗体を標識
し、表面での二重らせんの形成に際して二重らせんに結
合した抗体を検出するよう、二重らせんが結合する表面
上の場所で分析を行う。
また、遺伝子の発現は、ノーザンブロッティング[ト
ーマス(Thomas)1980 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:520
1−5205]、ドットブロット、および系中ハイブリダイ
ゼーションによるmRNAの転写の定量、または、例えば遺
伝子産物の発現を直接定量するための免疫組織化学的染
色による組織切片の検定、および細胞培養または体液の
検定、によって測定することができる。
免疫組織化学的染色法では、通常、脱水および固定化
によって細胞試料を調製し、次いで、結合した遺伝子産
物と特異的な標識抗体と反応させる(標識は通常、酵素
標識、蛍光性標識、発光性標識等の可視的に検出可能な
標識である)。本発明に用いるのに適した特に高感度の
染色法はシュら[Hsu et al,Am.J.Clin.Path.75:734−7
38]により記載されたものである。
免疫組織化学的染色法および/または試料液の検定に
有用な抗体はモノクローナル抗体またはポリクローナル
抗体であってよい。通常、抗体は目的遺伝子のDNA配列
に基づいた合成ペプチドに対し、調製される。次いで、
そのような合成ペプチドを周知の方法による抗体の調製
において、免疫原として用いる。あるいは、天然の遺伝
子産物および/またはその一部を単離し、免疫原として
用いても良い。
CHO細胞系は本発明の適用に特に適するが、これらの
方法は上記の宿主細胞の任意の細胞に日常的に用いるこ
とができる。
細胞系を内因性配列および目的遺伝子の発現に関して
評価する。発現の検出は、構造タンパク質に対するイム
ノアッセイ、逆転写酵素活性に対する酵素検定、RNA転
写物に対するブロット検定、および遺伝子産物を検出す
るための細胞切片の電子顕微鏡検査によって行われる。
他の態様では、高発現体(エクスプレッサー)サブク
ローンを上記の日常的なスクリーニングによって単離す
る。例えば、目的遺伝子の核酸配列の断片からなるプロ
ーブを用いてブロット検定することでRNA配列の発現に
関して親細胞のサブクローンを評価する。異なるトラン
スフェクトされた細胞系は、その遺伝子発現レベルにお
いて異なるであろうし、トランスフェクトされなかった
細胞でも相違が生じることは理解できる。
本発明はまた、代替選択法を提供することも考えてい
る。遺伝子産物に向けた抗体を用いる多くの直接選択法
を使用できる。1つの態様では宿主細胞をタンパク質抗
体および補体の存在下でインキュベートすることを含
む。抗体および補体は発現体細胞系を溶解し、非発現体
細胞のみを生存させる。非発現細胞が最初の集団に存在
しない事象における高発現体細胞を選択するために、抗
体濃度を用いて通常の実験をいくつかする必要がある。
第2の蛍光活性化セルソーター(細胞選別機)(FAC
S)を用いる方法は、高度のそして程度の発現体細胞の
選択に融通性を持つ。宿主細胞を抗遺伝子産物1次抗
体、そしてフルオレッセンスと結合した第2抗体を用い
て染める(ステイン;stain)。高発現体細胞は高い蛍光
を示し、低発現体細胞は低い蛍光を示す。蛍光の強度に
基づき、個々の細胞をFACSで物理的選別する方法は、目
的遺伝子を高レベルに発現する細胞集団を豊富化するの
に用いられる。FACS選別を複数回行うと選別工程が向上
される。高発現細胞集団が得られたら、サブクローンを
増殖させ、上記のスクリーニングプロトコルに概説した
ように、遺伝子発現をより厳密に分析する。
内因性配列および本発明の目的遺伝子をコードする核
酸配列は、望ましくは、1以上のコピーで宿主細胞に取
り込まれる。内因性核酸に相同な核酸は、約5−20μgD
NA/細胞のレベルで導入されて、望ましい結果を与える
ことが分かっている。より改良された結果を望む場合
は、例えば上記の量の10−20倍の核酸を一度に用いる
か、あるいは望ましい結果を与えるに十分な任意の量を
用いる。
本発明はまた、インビトロ、インビボ、エキスビボの
いずれかで、核酸を細胞または組織に導入することを包
含する。ある場合には、核酸は機能的欠損のある内因性
遺伝子と置換する(または代わりに作用させる)ことに
より、宿主に治療用ポリペプチド産生能力を付与する、
望ましくない遺伝子産物を抑制する、あるいは免疫応答
を刺激することを意図される。そのような細胞または組
織への核酸導入法は、裸のDNAまたはRNAの挿入(核酸を
組織に注射する等)等を含む上記核酸のインビトロでの
導入、改変(改良)された細胞を転写および異種核酸を
発現させるためにエクスビボで組織に再導入する、リポ
ソームまたは他の担体内に入った核酸を提供する、ウイ
ルス、レトロウイルス、ファージ、プラスミド等のベク
ターの使用など、あるいは電気穿孔法などの技術を含
む。インビトロでの電気穿孔法は[バルソウム(Barsou
m)DNA and Cell Biology,9(4):293−300(1990)]
に記載されている。電気穿孔法は、例えば、所望の核酸
を組織に導入した後、電流を、電極または他の適当な装
置で、標的細胞に適用するなどにより、インビボまたは
エクスビボで使用できる。その他、既知の核酸の細胞ま
たは組織への導入法も本発明の実施に適する。
本発明は異種核酸を転写し発現するトランスジェニッ
ク動物も包含する。そのような動物は本発明方法に従
い、相同的組換えおよび異種配列の導入のための内因性
配列を用い、異種核酸で生殖細胞、体細胞、または胚を
トランスフェクトすることにより、生産された。改良さ
れた細胞/胚を適切に移植し、成熟させるか安定に異種
DNAを含有する成人動物に成長させる。再現性ある比率
(%)の動物が異種核酸を、血液または血清等の組織で
同定されるタンパク質として発現した。トランスジェニ
ック動物の製造法は米国特許4,396,601に記載されてい
る。
インビトロでの使用のための調剤および方法は上記の
実験的な基準に従って決定される。通常、培養または潅
流媒質に適合した水性製剤を用いる。
インビボまたはエキスビボで組織または細胞に導入す
るための核酸、および非経口投与のための改良細胞/組
織を製剤的に許容され得る非経口的担体と一緒に、一回
投与注射用剤形(溶液、懸濁液、乳液)に製剤化する。
そのような担体は、本来、非毒性であり、非治療的であ
る。そのような担体の例として、水、食塩水、リンゲル
液、デキストロース溶液、および5%ヒト血清アルブミ
ンがある。硬化油(fixed oil)およびオレイン酸エチ
ルのような非水系担体も用いることができる。リポソー
ムを担体として用いることができる。担体は、等張性お
よび化学安定性を増大するような物質、例えばバッファ
ーおよび保存剤、を微量含有していてもよい。
本発明の細胞または組織は治療すべき異常、患者の症
状、細胞または組織をデリバリーする部位、投与方法、
およびその他の医師に既知の因子を考慮して、良い医学
的診療に滴うよう、処方され、用量が決定される。細胞
または組織は上記のごとく、投与のために調製される。
本明細書の開示に照らして本発明の教示を特定の問題
または状況に応用することは当業者の能力でできること
であることは理解されよう。本発明の生成物の例、およ
びそれらの単離、使用、および製造のための代表的な方
法を以下に示すが、これらは本発明を制限するものでは
ない。
実施例 以下の一般的な原料および方法は、下記の全実施例に
適用される。
細胞および細胞培養:元々、ウラウブおよびチャッシ
ン[Uraub and Chasin,PNAS 77:4216−4220(1980)]
によって樹立されたDHFR欠損(マイナス)チャイニーズ
ハムスター卵巣細胞を、標準的なDMEM/HamF12(Gibco)
を基礎とし、多くのアミノ酸の組成および濃度に関して
改良した細胞培養培地で培養した。培地はこれら細胞に
おけるDHFR欠損を克服するために、グリシン、ヒポキサ
ンチン、チミジンを含有している(アルファ改良培
地)。
トランスフェクションの1または2日前に細胞をトリ
プシン処理し、トランスフェクション当日に50%−70%
成長が得られるような密度で60mmプレートに撒いた。
トランスフェクションは、それぞれ実施例に具体的に
示したように、定められたモル比の2または3個のプラ
スミドDNA(1個はDHFR発現カセットを含有する)の混
合物として、CsCl2−精製プラスミドDNA5μg(合計)
で行った。用いた方法はグラハムおよびファンデルイブ
(Graham,F.and van der Eb,A.)がVirology 62:456−4
57(1973)に記載した方法の改良法である。簡単に述べ
ると、細胞にDNAりん酸カルシウム沈澱物を加えてトラ
ンスフェクションした。沈澱を細胞上に4時間放置し
た。次いで、調製したばかりの非選択培地で培地を交換
し、37℃でインキュベートした。48時間後、細胞をトリ
プシン処理し、透析したウシ胎児血清を含有し、グリシ
ン、ヒポキサンチン、およびチミジン成分を欠く100mm
プレート中の選択培地に撒いた。幾つかの実験では記載
のごとく、メトトレキセート(MTX)を濃度30nM−1000n
Mの範囲で培地に加えた。次いで、コロニーが現れるま
で、培地を3−4日ごとに交換しながら細胞を2−4週
間、37℃でインキュベートした。
トランスフェクションの分析および所望の遺伝子の発
現レベルの評価:トランスフェクションのあるものは、
2−4週間後、選択培地中、プレートあたりのコロニー
の数を数えることで分析した。これは、プレートを水洗
した後、2%メチレンンブルー含有PBS/エタノール(1:
1)溶液をプレートあたり2ml加えることで行った。染料
を2分後にデカンテーションし、残存染料を水洗した。
ビデオと連結したプレートリーダー(Atrek)でプレー
トあたりのコロニー数を数えた。
個々の茶房クローンの発現レベルは、6ウエルプレー
トで個々のクローンを細胞系に増殖させた後、分析し
た。調製したばかりの血清不含培地に6日間暴露した後
(約8x105c/ウエル)、細胞培養上清を評価した。酵素
結合イムノアッセイを用いて目的の分泌タンパク質を分
析した[これらの実施例では、組換え組織プラスミノー
ゲン活性化因子(rtPA)およびハイブリッド抗体(CD4I
gG)である]。
CHO細胞由来の内因性レトロウイルス様DNA配列:トラ
ンスフェクションに用いたレトロウイルス様配列はCHO
ゲノムの2つの異なる配列型に属する。1つの配列はSy
rian hamster IAP配列−1ファミリーに関連する(本明
細書中、IAP−1配列と称する)。この配列はCHOゲノム
から2.9kb長さのゲノムDNA断片(EcoR I−Sal I)とし
て得られた。また、このDNAからの0.4kbのサブ断片も用
いた。この0.4kb断片(Aha II−Pst I)は、「完全」長
さの2.9kb IAP−様DNAの5'LTR部分配列を表す。2.9kb
の「完全長」IAP−DNAは5'−LTRの約400bp上流のEcoR I
部位から3'TLR内のSal I部位にまたがっている。このレ
トロウイルス様DNAは「ウイルスゲノム」の主要部を切
り取った4.5kb内部欠失を有する(図1−1)。このフ
ァミリー配列のコピー数はハプロイドゲノムあたり100
−300の範囲と推定されている[アンダーソンら(Ander
son et al.)Virology 64:2021−2032(1990)]。
第2の型のCHOゲノムから単離されたレトロウイルス
様配列は、哺乳類C型ウイルス[アンダーソンら(Ande
rson et al.)Virology 181:305−311(1991)]と相同
な配列ファミリーに属す。このファミリーの配列から完
全なレトロウイルスゲノムの約70%を表す6.6kb断片
(5'−LTRの上流約450bpから、3'LTRの2kb上流のSal I
部位まで)を用いた。また、5'−LTRを含む1.7kbの内部
Pst I−Pst I断片をトランスフェクションに用いた(図
1−2)。CHOゲノム中でこの配列ファミリーが豊富性
は、同じくハプロイドゲノムあたり約100−300コピーで
あると推定された。
IAP−型およびC−型配列をコトランスフェクション
(同時トランスフェクション)のためにpUCに基づくベ
クターに挿入するか、DHFR発現に挿入した。
実施例1 CHO細胞由来のIAP様レトロウイルスDNAを含
有するプラスミドおよびDHFRプラスミドによる同時トラ
ンスフェクションにおけるトランスフェクション効率の
増加 以下の3種の同時トランスフェクションを平行して行
なった。
a)対照トランスフェクションを、DHFR発現ベクターと
CD4IgG用の発現ベクターの間で1:9の比で行なった。
b)別の対照トランスフェクションを、該DHFR発現ベク
ター、該CD4IgG発現ベクター、およびPUCベクターの間
で1:1:8の比で行なった。
c)第3のトランスフェクションを、該DHFR発現ベクタ
ー、該CD4IgG発現ベクター、およびIAPレトロウイルス
様配列の2.9kb挿入体を含むPUCベクターの間で1:1:8の
比で行なった。
最初に、生存している健全なコロニーが目に見えるま
で、1組のプレートをGHT(−)培地で約2週間選択し
た。このコロニーを上記のように染色し、計数した。第
2、第3および第4組のプレートを、100nM、300nMおよ
び1000nMの濃度でMTXを含むGHT(−)培地で選択した。
この結果を図2に示すが、この図はIAPレトロウイルス
配列を含有および欠如する同時トランスフェクションに
おいて選択したコロニーの数を示すものである。
2種類の対照トランスフェクションa)およびb)と
比較すると、レトロウイルスDNAを含有するトランスフ
ェクションは、GHT(−)培地ならびにMTXを追加した培
地の両方において選択したときに最大のコロニー数を与
える結果になった。実験のこの部分においてレトロウイ
ルス配列の効果が最も明らかであった。即ち、200、500
および1000nM MTXにおいてそれぞれ150、26および9コ
ロニーが選択操作に耐え、一方、対照1の場合には200n
M MTXでは2つのコロニーだけが成長し、さらに高い濃
度では成長するものはなかった。対照2の実験において
は、200nM MTXで10コロニーが成長し、さらに高い濃度
ではやはり成長するものはなかった。対照1と比較した
ときの対照2におけるGHT選択時のわずかに大きいコロ
ニー数は、この例における大過剰のCD4IgG発現ベクター
(10倍)の使用により説明することができる。対照2に
おいては、DHFR発現ベクターとCD4IgGベクターの間に1:
1の比が存在するにすぎない。従って、同時トランスフ
ェクションされたCD4IgG DNAの高い発現レベルによる逆
選択力が実験の結果に影響を与えているのかもしれな
い。
全体として、トランスフェクションの効率は、IAP様
配列の2.9kbフラグメントをDHFR選択プラスミドと共に
同時トランスフェクションしたときに大きく増強される
ことがわかった。このことは、MTXを細胞培養培地に添
加することによって選択を行なった最も厳しい場合に最
も明瞭であった。かなり高レベルのDHFR酵素を発現する
クローンだけがこの選択工程を克服することができるの
であろう。
実施例2 CHO細胞由来のC型レトロウイルスDNAを含有
するプラスミドおよびDHFR発現ベクターによる同時トラ
ンスフェクションにおけるトランスフェクション効率の
増加 本実施例においては、DHFR含有プラスミドを、C型レ
トロウイルス配列を含有または欠如したプラスミドと共
にCHO細胞中に同時トランスフェクションした。2種類
のC型レトロウイルス配列を比較した。これらは、5'LT
R配列および約60%の「全C型」ゲノムを含有するプロ
ウイルスクローンの6.6kbゲノムフラグメント、または
5'LTRの遠位部分を欠き、全C型ゲノムの約20%だけを
含む1.7kbのサブクローン化フラグメントである。両配
列をpUC215中に挿入した。このpUC215ベクター(マイナ
スレトロウイルス配列)を対照トランスフェクションに
用いた。
トランスフェクション頻度に対するC型レトロウイル
ス配列の影響を、2種類の方法で測定した。初めに、GH
T(−)培地で選択した後に現れるコロニーを計数し
た。これは全体のトランスフェクション頻度を示した。
C型含有ベクターまたは対照pUC215ベクターの間に差異
は全く認められなかった。しかし、GHT(−)プレート
のコロニーを集め、500nMおよび1mM MTXの選択に付す
と、ベクターが6.8kbまたは1.7kbレトロウイルスフラグ
メントを含有しているときに10cmプレートあたりに有意
に多いコロニーが生成した(図3)。この6.8kbレトロ
ウイルス配列は、500nM MTXのときに対照に比べて3.6倍
多いコロニーを生成させ、1mM MTXレベルのときに4.4倍
多いコロニーを生成させた。同様に、短い方のレトロウ
イルス配列は、この2種類のMTXレベルのときに対照に
比べて1.6倍および1.7倍多いコロニーの増加を与えた。
実施例3 対照のトランスフェクションに比べて良好
な、2.9kbのIAPレトロウイルス様DNAを含むトランスフ
ェクションによって得られるランダム選択−細胞クロー
ンの発現レベル(0.4kbのものは良好ではない) 以下の3種類のDHFR発現ベクターを本実験に用いた。
a)通常のDHFR発現ベクター(対照); b)2つのLTRを含むが「ウイルスゲノム」内の大きな
領域を欠くほとんど完全長のレトロウイルスゲノムを表
す、IAP配列の2.9kbの長い挿入体を含有するDHFR発現ベ
クター; c)「ウイルスゲノム」の左末端の一部だけを表す、該
IAP配列から導いた0.4kbフラグメントを含有するDHFR発
現ベクター。
これらDHFR発現ベクターを、CD4IgGの発現ベクターと
共に1:10のモル比で同時トランスフェクションした。ラ
ンダムに選択したコロニーをクローン化し、個々のセル
ラインまで展開し、CD4IgG ELISAを用いてCD4IgGの発現
について検定した。
トランスフェクション後の選択工程はGHT(−)培地
でのみ行なった。2つの別実験において、48のコロニー
(各実験において24)をクローン化し、それぞれの場合
について個々のセルラインまで展開した。2つの実験の
同種トランスフェクションを分析したときに得られた結
果に有意の差異が存在しなかったので、データを一緒に
して評価した(図4−1)。両実験において、2.9kbの
長いレトロウイルス配列(b)を用いたときには、目的
の第2遺伝子(CD4IgG)を高レベルで発現する細胞クロ
ーンの一層高い頻度が得られた。250ng/ml未満を発現す
る細胞クローンの数は、長いIAPレトロウイルスDNA挿入
体によってトランスフェクションしたときに最低になっ
た。長いIAP挿入体の群においては一層大きな割合のク
ローンがCD4IgGの良好な発現を示した。また、この結果
は、短いIAP DNA配列をDHFR発現ベクター中に挿入した
ときに、発現レベルに差異が存在しなかったことをも示
す(図4−1)。
図4−2に、500ng/mlを越える許容しうる発現レベル
で発現する細胞クローンの割合が示されている。大きい
IAP挿入体の場合に、一層高い頻度で良好な発現体が見
い出されたことが明らかである。
この形式の別の実験において、DHFR発現ベクター中の
2.9kbレトロウイルスDNA挿入体の配向の影響を評価し
た。このため、3種類のトランスフェクションを上記の
ように行なった。この実験に以下の4種類のDHFR発現ベ
クターを用いた。
a)通常のDHFR発現ベクター(対照プラス)(プラス配
向の挿入体用); b)通常のDHFR発現ベクター(対照マイナス)(マイナ
ス配向の挿入体用):これら2種類の対照DHFRプラスミ
ドの間の相違は、35塩基対の短い多重クローニング部位
の配向である; c)IAP配列の2.9kbの長い挿入体を「プラス」配向で含
有するDHFR発現ベクター; d)IAP配列の2.9kbの長い挿入体を「マイナス」配向で
含有するDHFR発現ベクター。
これらDHFR発現ベクターを、CD4IgGの発現ベクターと
共に1:10のモル比で同時トランスフェクションした。24
のランダムに選択したコロニーをそれぞれについてクロ
ーン化し、個々のセルラインまで展開し、CD4IgG ELISA
を用いてCD4IgGの発現について検定した。
1000ng/mlより高いレベルでCD4IgGを発現するセルラ
インの割合(%)を図4−3に示す。
このデータから、IAP配列の配向はランダムに選択し
たクローンにおける達成発現レベルに役割を演じていな
いことが明らかである。その次のグラフにおいて、個々
に達成された力価範囲が分析した全てのクローンに対し
て示されている。対照DHFRプラスミドおよびDHFR−IAP
プラスミドの2つの配向のデータを合わせ、共に図4−
4に示す。
実施例4 CHO細胞由来のIAP様レトロウイルス様DNAの
2.9kbフラグメントを含有するDHFR発現プラスミドとの
同時トランスフェクションによって得られるランダム選
択−細胞クローンのrTPA(組換え組織プラスミノーゲン
活性化因子)発現レベルの増加 rtPA遺伝子との同時トランスフェクションに対するIA
P配列の影響を調べた。2種類のDHFR発現プラスミドを
用いた。その1つは2.9kbのIAPレトロウイルス様DNA(I
AP−DHFR)を含有し、他方はそれを欠いていた(対照−
DHFR)。独立したrtPA発現ベクターを同時トランスフェ
クションした。このrtPA発現プラスミドは、10倍モル過
剰で同時トランスフェクション混合物中に含有させた。
MTX耐性クローンの数ならびにrtPA遺伝子発現のレベル
を評価した。
最初のGHT(−)選択の後に、対照DHFRプレートに比
べて約50%多いコロニーがIAP−DHFRプレート上に存在
した。これは、レトロウイルス配列を含有するプラスミ
ドの一層高いトランスフェクション頻度を示すものであ
る。これら最初のプレートからのrtPA力価を、プレート
が全面になったときに測定した。このIAP−DHFR細胞集
団はGHT(−)選択培地において対照細胞よりも15%多
いrtPAを産生したが、30nM MTXを含む培地で選択したIA
P−DHFR細胞集団によると720%のrtPA産生の増加が存在
した。
個々のランダムクローンを、IAP−DHFRおよび対照ト
ランスフェクションの30nM MTXプレートから単離し、rt
PA産生について検定した。この発現プロフィールを図5
に示す。対照トランスフェクションからの48クローンの
うち36クローン(75%)は検出しうるrtPA量を発現しな
かったが、他方、IAP−DHFRトランスフェクションから
の35クローンのうち12クローン(34%)だけげ検出レベ
ル以下であった。450ng/mlおよびそれ以上のrtPA発現量
は、IAP−DHFRトランスフェクションからのクローン(2
3%)の方が対照(4%のみ)に比べて有意に良好であ
った。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/67 C12N 5/10 C12P 21/00 - 21/02 BIOSIS(DIALOG)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異種遺伝子の発現が増大された動物細胞を
    得る方法であって、 a.第1内因性レトロウイルス核酸配列を有し、細胞ゲノ
    ム内に、第1内因性核酸配列が2コピー以上存在し、さ
    らに、該第1核酸配列が細胞のゲノムを通して分散して
    いる動物細胞を得; b.該細胞に、該内因性レトロウイルス配列と相同の第2
    核酸配列、および異種遺伝子をコードする第3核酸配列
    を導入することを含む方法。
  2. 【請求項2】該内因性レトロウイルス配列が感染性ウイ
    ルスを形成することができないものである。請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】該第3核酸配列が、転写制御配列の制御下
    にある、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】該動物細胞が、チャイニーズハムスター卵
    巣細胞である、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】該細胞が、チャイニーズハムスター卵巣細
    胞であり、該内因性レトロウイルス核酸配列が、A型細
    胞質内粒子をコードする核酸、C型レトロウイルス粒子
    をコードする核酸、およびそのような核酸と相同である
    がそれらA型細胞質内粒子又はC型レトロウイルス粒子
    をコードしていない核酸配列からなる群より選択される
    ものである、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】該第3核酸配列が第2核酸配列よりも高い
    コピー数で該細胞に導入される、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】細胞ゲノム内に、第1内因性核酸配列が10
    コピー以上存在している、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】該第1核酸配列が、細胞の少なくとも2つ
    の異なる染色体上にある、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】該第2核酸配列が、1本鎖として該細胞に
    導入される、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】異種遺伝子発現が増大された動物細胞を
    得る方法であって、 a.細胞ゲノム内に20コピー以上存在し、さらに細胞のゲ
    ノムを通して分散しており、該細胞ゲノムの転写活性領
    域に存在している第1内因性核酸配列を有する動物細胞
    を得; b.該細胞に、該第1核酸配列と相同の第2核酸配列、お
    よび異種遺伝子をコードする第3核酸配列を導入するこ
    とを含む方法。
  11. 【請求項11】異種遺伝子発現が増大された動物細胞を
    得る方法であって、 a.動物細胞にとって内因性であり、20コピー以上存在し
    ておりさらに細胞のゲノムを通して分散しており、該細
    胞ゲノムの転写活性領域に存在している第1内因性核酸
    配列を同定し; b.該細胞に、該第1核酸配列と相同の第2核酸配列、お
    よび異種遺伝子をコードする第3核酸配列を導入するこ
    とを含む方法。
  12. 【請求項12】異種遺伝子発現が増大された動物細胞を
    得る方法であって、 a.動物細胞ゲノム内に少なくとも20コピー存在している
    第1内因性核酸配列であって、そのコピーが該ゲノムの
    転写活性領域に存在し、さらに各コピーはゲノム中で他
    のどのコピーからも離れており、任意の2つのコピーは
    異なる染色体上に位置するか、同一染色体上で少なくと
    も100,000塩基対離れて位置するものである、第1内因
    性核酸配列を有する動物細胞を得; b.該細胞に、該内因性配列と相同の第2核酸配列、およ
    び異種遺伝子をコードする第3核酸配列を導入すること
    を含む方法。
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