JP3449217B2 - 半導体モジュール - Google Patents
半導体モジュールInfo
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- JP3449217B2 JP3449217B2 JP11983698A JP11983698A JP3449217B2 JP 3449217 B2 JP3449217 B2 JP 3449217B2 JP 11983698 A JP11983698 A JP 11983698A JP 11983698 A JP11983698 A JP 11983698A JP 3449217 B2 JP3449217 B2 JP 3449217B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大電流の制御に使
用される非絶縁型半導体モジュールにおいて、機能的な
バス・バー取り付け構造および放熱部材取り付け構造お
よびベース基板構造および絶縁ケース構造を備える半導
体モジュールに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、バッテリー・フォークリフト等の
電気モータ駆動の車両に使用されるモータ・コントロー
ル装置において、制御回路の最終段には走行用のメイン
モータに直接電力を供給するバッテリーのスイッチング
デバイスとして、特に電流容量の大きい半導体モジュー
ルが使用される。半導体モジュールは複数個のパワー半
導体チップを1つの絶縁パッケージに組み込んだもので
あり、同じチップを単に並列に組み込んで電流容量を大
きくしたもの、何種類かのチップで簡単な回路を構成し
たもの、半導体チップのドライブ回路を内蔵したものな
ど多様な内部構成のものがある。パッケージは普通プラ
スチックで構成されており、さらにパッケージ内部の空
洞部には下からゲル、およびエポキシ絶縁がチップ周辺
回路の酸化防止用に充填されている。 【0003】また、半導体モジュールは大電流を制御す
る用途の性質上発熱が非常に大きく、そのため発熱源の
電流制御回路本体である半導体チップを、熱容量が大き
く放熱効果の高い(熱伝導率の高い)放熱基板上に直接
設置し、またその放熱基板自体を1つの電極として構成
した非絶縁型のものが一般的に使用されている。そして
上記のような構成にある半導体モジュールの放熱板に
は、通常さらに効率のよい放熱が行えるよう放熱部材と
して熱伝導率の高いアルミ材等で形成されたヒートシン
ク等が半導体モジュール自身の固定も兼ねて取り付けら
れる。 【0004】このように構成される半導体モジュール
で、例えば上述した電気自動車等で通常使用されるスイ
ッチング周波数は約10kHz程度となる。 【0005】以上説明したように構成される半導体モジ
ュールを実際に上記スイッチング周波数で使用する場
合、内部回路の配線中および半導体モジュールを外部に
接続する配線中には大きなインダクタンスの発生が不可
避なものとなり、その影響によってスイッチング素子の
ターンオフ時にはかなり大きなスイッチング電力のロス
(以下スイッチングロスという)が発生し、また一方ス
イッチング素子のターンオフ時にはかなり高いサージ電
圧を発生させ、内部回路を電気的に損傷させる大きな要
因となっている。 【0006】このスイッチングロスとは、前記半導体ス
イッチのような制御電極を持つデバイスがスイッチング
を行うときに内部で発生する電力損失のことであり、前
記モータコントロール装置中には通常多数(5〜6個程
度)の半導体スイッチが使用されるためこれらに発生す
るスイッチングロスは累計すると多大なものとなってい
た。そしてこの大きな損失分は例えば前記電気自動車等
の駆動・操作に大きな影響を与えると共に、損失分の電
力が発熱に変わり半導体スイッチの熱損傷の原因となっ
ていた。 【0007】そして従来よりこのスイッチングロスとサ
ージ電圧の低減を図ることを目的として、大電流が逆向
きに流れて半導体モジュールに対する入出力を行う2つ
の主電流用電極配線(例えばMOS FETの場合にお
けるソース電極配線とドレイン電極配線)をできるだけ
相互に平行に近接した位置に配置し、これにより相互イ
ンダクタンスにより自己インダクタンスを相殺する(打
ち消し合う)といった電磁気的効果が生じ、これを利用
することによる配線インダクタンスの低減、ひいてはス
イッチングロスおよびサージ電圧の低減を図っていた。 【0008】また導体配線の電流路中においても電極接
続部等に内在している接触抵抗に大電流がかかる場合に
は、かなりの高温で発熱することになり、これもまた内
部回路を熱損傷させる要因の1つとなっていた。そして
この接触抵抗は導体配線中においての接触箇所の数に比
例し、それぞれの接触面積に反比例するものである。 【0009】ここで図3は従来の半導体モジュールにお
いての外部回路との接続配線であるバス・バーの取り付
け構造を示す側断面図である。 【0010】この図において従来のバス・バーの接続構
成は、具体的には特開平9−30530に開示されたも
のであり、半導体モジュール1のベース基板2上に導体
電極である円筒形ターミナル3が溶接やろうづけ等によ
り止着接続しており、ベース基板2上に積層する絶縁ケ
ース4の上面まで貫通立設し、その絶縁ケース4上面に
貫通露出した頂部に外部回路との接続配線であるバス・
バー5がバネワッシャー6と平ワッシャー7とを介して
止着ネジ8により止着されている構成となる。 【0011】次に図4は従来の半導体モジュールにおけ
る絶縁ケースの取り付け構造を示す側断面図である。 【0012】実際の電気駆動車両等に組み込む場合、半
導体モジュール1の設置基板と放熱部材とを兼用するヒ
ートシンク9とベース基板2との間には電気的絶縁を確
保する必要があるためその接触面の間には絶縁シート1
0を狭着しており、そのためベース基板2を貫通してヒ
ートシンク9に螺着結合する導電金属製の止着ネジ8
も、同様にベース基板2と充分な絶縁性を確保しておく
必要がある。 【0013】それによりベース基板2に穿孔する止着穴
の内周はその中心を貫通する止着ネジ8の外周との間で
前記絶縁シート10表面上において充分な沿面絶縁距離
・空間絶縁距離を確保する必要があるため、図に示すよ
うにネジの外径DS よりも必要沿面絶縁距離の2倍の距
離分以上大きい径DH で穿孔される。 【0014】ここで実際の電気駆動車両中の回路で必要
とされる空間・沿面絶縁距離は、具体的に電気式産業車
両規格UL583によると、最小許容距離(称呼電圧>
24Vの場合)が空間絶縁距離で3.2mm、沿面絶縁
距離で6.4mmとなる。 【0015】つまり止着するネジの外径が例えば5mm
である場合、ベース基板2に穿孔する止着穴の内周の径
DH は5+6.4×2=17.8mm以上でなければ実
用に適さないことになる。 【0016】そして絶縁ケース4を導電金属製の止着ネ
ジ8でベース基板2上に固定する上で、上記絶縁性を確
保するために、ベース基板2に穿孔されている止着穴と
嵌合一致する円筒形状部11を絶縁ケース4は一体に形
成しており、その上で該止着ネジ8が該円筒形状部11
の中心軸を絶縁ケース4の上面から貫通してヒートシン
ク9に螺着結合する構成となる。この状態で止着ネジ8
のヘッドが 図中に示すバネワッシャー6、平ワッシャ
ー7を介して絶縁ケース4、ベース基板2、絶縁シート
10をヒートシンク9に押圧止着することになる。 【0017】次に放熱板であるベース基板2にヒートシ
ンク9を取り付ける構造としては、図5の正面図が示す
ように、通常ほぼ直方体の形状にある半導体モジュール
1の底面に備えるベース基板2をヒートシンク9の平面
側に効率よく熱伝達できるよう熱伝導性の高い絶縁シー
ト10を挟持させた上で密接に接触させ、そして長手方
向の両端位置を止着ネジ8により取り付けていた。 【0018】そして次に図6に示すように、上述した相
互インダクタンス効果を利用した配線インダクタンスの
低減を図ることを目的として、半導体モジュール1本体
の側面に一方の主電流用電極に接続するバス・バー5を
半導体モジュール1上面より高い位置にまで立設し、半
導体モジュール1本体内部に上下方向に配置されている
他方の主電流用電極の配線板12と図中A1 に示す範囲
で電流が相互に逆方向に流れ(ドレイン電流ID 、ソー
ス電流IS )、また部分的に平行かつ近接する形態とな
る構成がよく用いられる。そしてこの構成において、両
配線板(バス・バー5、配線板12)が挟持する絶縁ケ
ース4の一部分(範囲A1 )は、電気的には絶縁を行う
ものの、磁気的には上記相互インダクタンス効果が得ら
れるよう磁力を透過する材質となる。 【0019】そして前記半導体モジュール1内部に配置
されている主電力用電極の配線板12は、従来より通常
半導体モジュール1上面上に露出して、外部からの配線
板(不図示)を接続するための止着ネジ8(およびバネ
ワッシャー6、平ワッシャー7)が螺着している構成と
なる。 【0020】 【発明が解決しようとする課題】そして以上のような構
成にある従来の半導体モジュールにおいて、以下のよう
な問題点があった。 【0021】まず図3に示す円筒形ターミナル3を使用
した電極接続構成においては、1つの電流路中でありな
がらバス・バー5と円筒形ターミナル3の頂部、および
ベース基板2と円筒形ターミナル3の底部のそれぞれが
接触抵抗を内在する接触部となり、計2ヶ所備える構成
となる。つまり上述したように2ヶ所の発熱源を近接し
て備える構成となるため大電流がかかる場合かなり高温
の発熱が発生することになっていた。そしてその熱は半
導体モジュール1の内部回路を熱損傷させる大きな原因
となっていた。 【0022】 【0023】 【0024】 【0025】よって本発明は上記問題点に鑑み、電気的
絶縁性(沿面絶縁距離、空間絶縁距離)を充分確保し、
さらに電流路上における接触抵抗の低減(接触部分の減
少、削減)を図ることによって、発熱の抑制・損失電力
の低減を可能とする半導体モジュールの提供を課題とす
る。 【0026】 【課題を解決するための手段】本発明は、主に上記MO
S FETからなる半導体スイッチの課題を解決するも
のであるが、これに限らず同様な課題を有するバイポー
ラトランジスタやサイリスタ等その他の半導体スイッチ
にも適用可能である。なお、半導体スイッチの種類で各
電極の呼称が異なるため、便宜上、各電極の機能を考慮
して”主電流入力用電極”、”主電流出力用電極”、”
制御電極”という呼称を使用する。例えばMOS FE
Tの場合は、ドレイン電極が主電流入力用電極に、ソー
ス電極が主電流出力用電極に、ゲート電極が制御電極
に、それぞれ相当する。 【0027】そして上記課題を解決するために、まず本
発明はベース基板上に主電流用電極の1つを直接接続し
ている非絶縁型の半導体モジュールに適用されるものと
なり、さらに絶縁ケース外部に延長してその表面上にバ
ス・バーを直接接続可能に形成したベース基板と、該バ
ス・バーを該ベース基板上に止着させるバス・バー止着
部材とで構成するバス・バー取り付け構造を備えるもの
となる。 【0028】このように構成することにより、主電流の
電流路中における接触箇所を削減することになり、接触
抵抗を総体的に低減させ、ひいては発熱の抑制、損失電
力の低減に効果を発揮するものとなる。 【0029】次に本発明は放熱部材表面上に順に絶縁シ
ート、ベース基板、絶縁ケースを積層し、該絶縁ケース
上面から貫通して放熱部材に螺着挟持するネジおよびワ
ッシャーよりなる止着部材と、該ネジが貫通可能であ
り、該ワッシャー以下の径であり、その長さがベース基
板の厚さ以下である円筒形状部をベース基板の止着穴に
嵌挿可能に形成した絶縁ケースと、放熱部材側を該ネジ
の径より必要とする沿面絶縁距離の2倍以上大きい径
で、絶縁ケース側を該絶縁ケースの円筒形状部が嵌挿可
能な径で止着穴を穿孔したベース基板と、絶縁シート
と、で構成される放熱部材取り付け構造を備えるものと
なる。 【0030】このように構成することにより、ワッシャ
ーからの押圧力は絶縁ケースを挟持して強固な材質のベ
ース基板に伝えられることになるため、弾性材料の絶縁
ケースをたわませることなく圧着止着することになり、
かつ放熱部材に螺着する止着ネジとベース基板との間の
充分な絶縁性の確保が可能となる。 【0031】次に本発明はベース基板のネジ止着位置間
方向と平行にアングル形状部を形成するベース基板構造
を備えるものとなる。 【0032】このように構成することにより、放熱板の
変形を防ぎ、放熱板と放熱部材との間に生じる隙間を最
小限にできると構成となるため、放熱板から放熱部材へ
の高い熱伝達効果を機構的に、またそれにより半永久的
に(非経時的に)維持可能となる。 【0033】そして特に前記アングル形状部がベース基
板上に直接着設されるブロック体で構成されるものとな
る。 【0034】これによりベース基板にアングルを形成す
るよう加工するよりも容易にかつ自由度の高いレイアウ
トで放熱板の変形を防ぎ、放熱板と放熱部材との間に生
じる隙間を最小限にできる構成となる。 【0035】また特に前記アングル形状部が他の主電流
用電極と部分的に平行かつ近接する形状のものとなる。 【0036】このように構成することによりこの平行近
接部分において、相互インダクタンス効果が生じ、配線
インダクタンスの低減が可能となる。 【0037】次に本発明は、一方の主電流用電極に接続
された電流路(配線板)に対し、他方の主電流用電極お
よびそれに接続される電流路(配線板)を電気遮へいす
るよう形成した絶縁ケース構造を備えるものとなる。 【0038】これにより両主電流電極間における沿面絶
縁距離を長く形成することが可能となり、高周波の高い
サージ電圧に対しての絶縁性が確保される。 【0039】また本発明は、一方の主電流用電極に接続
された電流路(配線板)に対し、他方の主電流用電極お
よびそれに他の電流路(配線板)を止着するための止着
部材(ネジ、ワッシャー等)を電気遮へいするよう形成
した絶縁ケース構造を備えるものとなる。 【0040】これにより前記配線板間における電気遮へ
いと同様に両主電流電極間における沿面絶縁距離を長く
形成することが可能となり、高周波の高いサージ電圧に
対しての絶縁性が確保される。 【0041】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。 【0042】また前述の通り、本発明はMOS FET
からなる半導体モジュールを例に説明するが、これに限
らず同様な課題を有するバイポーラトランジスタやサイ
リスタ等その他の半導体スイッチにも適用可能である。 【0043】まず図1は本発明のバス・バー取り付け構
造と、放熱部材取り付け構造と、ベース基板構造と、絶
縁ケース構造を備えた半導体モジュール21が放熱部材
であるヒートシンク29を取り付けている実施形態の側
断面図である。そして半導体モジュール21は強固な導
電金属を材質とするベース基板22をドレイン電極とし
て兼用した非絶縁型のものとなる。この図において、半
導体モジュール21は該ベース基板22上に不図示の半
導体チップを直接載置し、そのソース電極が配線板32
に接続されている。そして該ベース基板22上には合成
樹脂よりなる絶縁ケース24で覆われ、配線板32が側
面に沿って上方に延び絶縁ケース24上面に露出し、止
着ネジ28がバネワッシャー26と平ワッシャー27を
介して螺着されている。 【0044】またベース基板22が絶縁ケース24の一
方の側面に密接するよう直角に曲がったアングル形状部
34を形成しており、その上端は絶縁ケース24内部の
配線板32と近接かつ平行となるよう絶縁ケース側面に
沿って絶縁ケース上面まで立設し、そして密接面と反対
の開放面にドレイン電極用の配線板となるバス・バー2
5が止着ネジ28、バネワッシャー26、平ワッシャー
27により直接接続されている。このアングル形状部3
4は紙面直交方向となる半導体モジュール長手方向のほ
ぼ全長に渡って形成されるものとなる。 【0045】そして絶縁ケース24上面に露出している
配線板32とアングル形状部34との間に遮へい板35
が絶縁ケース24に一体に立設している。そして止着ネ
ジ28がバネワッシャー26および後述する外径の大き
い平ワッシャー33を介して絶縁ケース24、ベース基
板22、絶縁シート30、ヒートシンク29を挟持して
螺着固定している。また絶縁ケース24下部においては
外径が平ワッシャー33の外径と同じかまたは小さく、
長さがベース基板22の厚さと同じかまたは短く、そし
て該止着ネジ28が貫通可能な構成となる円筒形状部3
1がベース基板22の止着穴に挿設するよう絶縁ケース
24と一体に設けられている。またベース基板22にお
ける該止着ネジ28の止着穴の径は、ヒートシンク29
側が該止着ネジ28の外径よりも絶縁シート30上にお
ける必要沿面絶縁距離の2倍以上大きい径となり、絶縁
ケース24側が平ワッシャー33の外径以下で前記円筒
形状部31を嵌挿可能な径となる。 【0046】このような構成において、まずバス・バー
25はベース基板22(アングル形状部34)に直接接
続されていることにより接触抵抗を内在する接触部は1
ヶ所のみとなり、従来の接触部を2ヶ所所有する接続タ
ーミナルを使用した場合と比較して電流通電時において
の発熱を抑制する構成となる。 【0047】またベース基板22の一部であるアングル
形状部34はドレイン電極としても機能しているため、
ソース配線板として絶縁ケース24内部に配置接続され
ている配線板32と範囲A2 において近接かつ平行の配
置状態にあり、この範囲A2において相互インダクタン
ス効果が生じることで配線インダクタンスが相殺される
ことになる。これにより半導体モジュール21作動時に
おけるスイッチング・ロスおよびサージ電圧の低減が図
られることになる。そしてこの構成において、アングル
形状部34と配線板32が挟持する絶縁ケースの一部分
(範囲A2 )は、電気的には絶縁を行うものの、磁気的
には上記相互インダクタンス効果が得られるよう磁力を
透過する材質となる。 【0048】またアングル形状部34が半導体モジュー
ル21の長手方向全長に渡って形成されていることによ
り、長手方向の両端でヒートシンク29を止着ネジで止
着した場合でも、従来の取り付け時において不可避であ
ったベース基板22の反りの発生を防ぐことが可能とな
る。そのためベース基板22底面全面に渡っての密着し
た取り付けが可能となり、それによりベース基板22か
らヒートシンク29への効率の高い熱伝達が可能とな
る。 【0049】また絶縁ケース24上面において露出した
配線板32(止着ネジ28がバネワッシャー26と平ワ
ッシャー27を介して螺着されている)とアングル形状
部34との間に絶縁ケース24と同材質の遮へい板35
が立設していることにより配線板32(および該止着部
材26,27,28)とアングル形状部34の間の沿面
絶縁距離を図中L2 にまで延長でき、図6中に示す従来
の沿面絶縁距離L1 と比較して充分な長さに設けて絶縁
性を確保した構成となる。 【0050】またヒートシンク29に螺着して同電位と
なる止着ネジ28、バネワッシャー26、平ワッシャー
33は絶縁シート30上面においてベース基板22と充
分な沿面絶縁距離を設け、また絶縁ケース24と同材質
の円筒形状部31を貫通していることによりドレイン電
極と兼用となるベース基板22と充分な絶縁性を確保し
つつ、さらに平ワッシャー33が弾性を有する材質の絶
縁ケース24を強固なベース基板22に直接押圧するた
め絶縁ケース24、ベース基板22、絶縁シート30、
ヒートシンク29の4つの部材を強固に挟持固定するも
のとなる。 【0051】また図2は上記実施形態と同じ効果を得る
ベース基板構造の他の実施形態を示す側面図である。 【0052】この図において、ベース基板22上の絶縁
ケース24側面には導電金属製で略角柱型のブロック体
36が半導体モジュール長手方向両端のネジ止着位置間
に渡って着設している構成となる。 【0053】そしてこのブロック体36が上記実施形態
におけるアングル形状部34と同じ作用により、ヒート
シンク29取り付け時におけるベース基板22の反りを
防ぐ構成となる。そして同様にベース基板22底面全面
に渡っての密着した取り付けが可能となり、それにより
ベース基板22からヒートシンク29への効率の高い熱
伝達が可能となる。 【0054】またブロック体36は導電金属製であるた
め、同図に示すように直接バス・バー25を止着ネジ2
8で接続する構成も可能である。しかしこの構成に限定
せず、ブロック体36を強固な材質の絶縁体とすること
も可能であり、その場合バス・バー25はベース基板2
2に直接接続する構成となる。 【0055】また上記2つの実施形態にあるアングル形
状部34およびブロック体36は絶縁ケース24の一方
の側面のみでなく両側面に形成、着設してチャネル形状
として構成することも可能である。 【0056】 【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば発熱の
抑制・放熱効果の向上およびサージ電圧・損失電力の低
減を可能とし、ベース基板やヒートシンクに対しての絶
縁ケースの固定を確実にする止着構造を備えた半導体モ
ジュールの提供が達成される。さらに上記効果によりヒ
ートシンクの小形化、スナバレス化、またはディレーテ
ィングを小さくできるための半導体チップ数の削減が実
現され、その結果半導体スイッチの信頼性向上と共に製
造コストの削減をも可能となる。
用される非絶縁型半導体モジュールにおいて、機能的な
バス・バー取り付け構造および放熱部材取り付け構造お
よびベース基板構造および絶縁ケース構造を備える半導
体モジュールに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、バッテリー・フォークリフト等の
電気モータ駆動の車両に使用されるモータ・コントロー
ル装置において、制御回路の最終段には走行用のメイン
モータに直接電力を供給するバッテリーのスイッチング
デバイスとして、特に電流容量の大きい半導体モジュー
ルが使用される。半導体モジュールは複数個のパワー半
導体チップを1つの絶縁パッケージに組み込んだもので
あり、同じチップを単に並列に組み込んで電流容量を大
きくしたもの、何種類かのチップで簡単な回路を構成し
たもの、半導体チップのドライブ回路を内蔵したものな
ど多様な内部構成のものがある。パッケージは普通プラ
スチックで構成されており、さらにパッケージ内部の空
洞部には下からゲル、およびエポキシ絶縁がチップ周辺
回路の酸化防止用に充填されている。 【0003】また、半導体モジュールは大電流を制御す
る用途の性質上発熱が非常に大きく、そのため発熱源の
電流制御回路本体である半導体チップを、熱容量が大き
く放熱効果の高い(熱伝導率の高い)放熱基板上に直接
設置し、またその放熱基板自体を1つの電極として構成
した非絶縁型のものが一般的に使用されている。そして
上記のような構成にある半導体モジュールの放熱板に
は、通常さらに効率のよい放熱が行えるよう放熱部材と
して熱伝導率の高いアルミ材等で形成されたヒートシン
ク等が半導体モジュール自身の固定も兼ねて取り付けら
れる。 【0004】このように構成される半導体モジュール
で、例えば上述した電気自動車等で通常使用されるスイ
ッチング周波数は約10kHz程度となる。 【0005】以上説明したように構成される半導体モジ
ュールを実際に上記スイッチング周波数で使用する場
合、内部回路の配線中および半導体モジュールを外部に
接続する配線中には大きなインダクタンスの発生が不可
避なものとなり、その影響によってスイッチング素子の
ターンオフ時にはかなり大きなスイッチング電力のロス
(以下スイッチングロスという)が発生し、また一方ス
イッチング素子のターンオフ時にはかなり高いサージ電
圧を発生させ、内部回路を電気的に損傷させる大きな要
因となっている。 【0006】このスイッチングロスとは、前記半導体ス
イッチのような制御電極を持つデバイスがスイッチング
を行うときに内部で発生する電力損失のことであり、前
記モータコントロール装置中には通常多数(5〜6個程
度)の半導体スイッチが使用されるためこれらに発生す
るスイッチングロスは累計すると多大なものとなってい
た。そしてこの大きな損失分は例えば前記電気自動車等
の駆動・操作に大きな影響を与えると共に、損失分の電
力が発熱に変わり半導体スイッチの熱損傷の原因となっ
ていた。 【0007】そして従来よりこのスイッチングロスとサ
ージ電圧の低減を図ることを目的として、大電流が逆向
きに流れて半導体モジュールに対する入出力を行う2つ
の主電流用電極配線(例えばMOS FETの場合にお
けるソース電極配線とドレイン電極配線)をできるだけ
相互に平行に近接した位置に配置し、これにより相互イ
ンダクタンスにより自己インダクタンスを相殺する(打
ち消し合う)といった電磁気的効果が生じ、これを利用
することによる配線インダクタンスの低減、ひいてはス
イッチングロスおよびサージ電圧の低減を図っていた。 【0008】また導体配線の電流路中においても電極接
続部等に内在している接触抵抗に大電流がかかる場合に
は、かなりの高温で発熱することになり、これもまた内
部回路を熱損傷させる要因の1つとなっていた。そして
この接触抵抗は導体配線中においての接触箇所の数に比
例し、それぞれの接触面積に反比例するものである。 【0009】ここで図3は従来の半導体モジュールにお
いての外部回路との接続配線であるバス・バーの取り付
け構造を示す側断面図である。 【0010】この図において従来のバス・バーの接続構
成は、具体的には特開平9−30530に開示されたも
のであり、半導体モジュール1のベース基板2上に導体
電極である円筒形ターミナル3が溶接やろうづけ等によ
り止着接続しており、ベース基板2上に積層する絶縁ケ
ース4の上面まで貫通立設し、その絶縁ケース4上面に
貫通露出した頂部に外部回路との接続配線であるバス・
バー5がバネワッシャー6と平ワッシャー7とを介して
止着ネジ8により止着されている構成となる。 【0011】次に図4は従来の半導体モジュールにおけ
る絶縁ケースの取り付け構造を示す側断面図である。 【0012】実際の電気駆動車両等に組み込む場合、半
導体モジュール1の設置基板と放熱部材とを兼用するヒ
ートシンク9とベース基板2との間には電気的絶縁を確
保する必要があるためその接触面の間には絶縁シート1
0を狭着しており、そのためベース基板2を貫通してヒ
ートシンク9に螺着結合する導電金属製の止着ネジ8
も、同様にベース基板2と充分な絶縁性を確保しておく
必要がある。 【0013】それによりベース基板2に穿孔する止着穴
の内周はその中心を貫通する止着ネジ8の外周との間で
前記絶縁シート10表面上において充分な沿面絶縁距離
・空間絶縁距離を確保する必要があるため、図に示すよ
うにネジの外径DS よりも必要沿面絶縁距離の2倍の距
離分以上大きい径DH で穿孔される。 【0014】ここで実際の電気駆動車両中の回路で必要
とされる空間・沿面絶縁距離は、具体的に電気式産業車
両規格UL583によると、最小許容距離(称呼電圧>
24Vの場合)が空間絶縁距離で3.2mm、沿面絶縁
距離で6.4mmとなる。 【0015】つまり止着するネジの外径が例えば5mm
である場合、ベース基板2に穿孔する止着穴の内周の径
DH は5+6.4×2=17.8mm以上でなければ実
用に適さないことになる。 【0016】そして絶縁ケース4を導電金属製の止着ネ
ジ8でベース基板2上に固定する上で、上記絶縁性を確
保するために、ベース基板2に穿孔されている止着穴と
嵌合一致する円筒形状部11を絶縁ケース4は一体に形
成しており、その上で該止着ネジ8が該円筒形状部11
の中心軸を絶縁ケース4の上面から貫通してヒートシン
ク9に螺着結合する構成となる。この状態で止着ネジ8
のヘッドが 図中に示すバネワッシャー6、平ワッシャ
ー7を介して絶縁ケース4、ベース基板2、絶縁シート
10をヒートシンク9に押圧止着することになる。 【0017】次に放熱板であるベース基板2にヒートシ
ンク9を取り付ける構造としては、図5の正面図が示す
ように、通常ほぼ直方体の形状にある半導体モジュール
1の底面に備えるベース基板2をヒートシンク9の平面
側に効率よく熱伝達できるよう熱伝導性の高い絶縁シー
ト10を挟持させた上で密接に接触させ、そして長手方
向の両端位置を止着ネジ8により取り付けていた。 【0018】そして次に図6に示すように、上述した相
互インダクタンス効果を利用した配線インダクタンスの
低減を図ることを目的として、半導体モジュール1本体
の側面に一方の主電流用電極に接続するバス・バー5を
半導体モジュール1上面より高い位置にまで立設し、半
導体モジュール1本体内部に上下方向に配置されている
他方の主電流用電極の配線板12と図中A1 に示す範囲
で電流が相互に逆方向に流れ(ドレイン電流ID 、ソー
ス電流IS )、また部分的に平行かつ近接する形態とな
る構成がよく用いられる。そしてこの構成において、両
配線板(バス・バー5、配線板12)が挟持する絶縁ケ
ース4の一部分(範囲A1 )は、電気的には絶縁を行う
ものの、磁気的には上記相互インダクタンス効果が得ら
れるよう磁力を透過する材質となる。 【0019】そして前記半導体モジュール1内部に配置
されている主電力用電極の配線板12は、従来より通常
半導体モジュール1上面上に露出して、外部からの配線
板(不図示)を接続するための止着ネジ8(およびバネ
ワッシャー6、平ワッシャー7)が螺着している構成と
なる。 【0020】 【発明が解決しようとする課題】そして以上のような構
成にある従来の半導体モジュールにおいて、以下のよう
な問題点があった。 【0021】まず図3に示す円筒形ターミナル3を使用
した電極接続構成においては、1つの電流路中でありな
がらバス・バー5と円筒形ターミナル3の頂部、および
ベース基板2と円筒形ターミナル3の底部のそれぞれが
接触抵抗を内在する接触部となり、計2ヶ所備える構成
となる。つまり上述したように2ヶ所の発熱源を近接し
て備える構成となるため大電流がかかる場合かなり高温
の発熱が発生することになっていた。そしてその熱は半
導体モジュール1の内部回路を熱損傷させる大きな原因
となっていた。 【0022】 【0023】 【0024】 【0025】よって本発明は上記問題点に鑑み、電気的
絶縁性(沿面絶縁距離、空間絶縁距離)を充分確保し、
さらに電流路上における接触抵抗の低減(接触部分の減
少、削減)を図ることによって、発熱の抑制・損失電力
の低減を可能とする半導体モジュールの提供を課題とす
る。 【0026】 【課題を解決するための手段】本発明は、主に上記MO
S FETからなる半導体スイッチの課題を解決するも
のであるが、これに限らず同様な課題を有するバイポー
ラトランジスタやサイリスタ等その他の半導体スイッチ
にも適用可能である。なお、半導体スイッチの種類で各
電極の呼称が異なるため、便宜上、各電極の機能を考慮
して”主電流入力用電極”、”主電流出力用電極”、”
制御電極”という呼称を使用する。例えばMOS FE
Tの場合は、ドレイン電極が主電流入力用電極に、ソー
ス電極が主電流出力用電極に、ゲート電極が制御電極
に、それぞれ相当する。 【0027】そして上記課題を解決するために、まず本
発明はベース基板上に主電流用電極の1つを直接接続し
ている非絶縁型の半導体モジュールに適用されるものと
なり、さらに絶縁ケース外部に延長してその表面上にバ
ス・バーを直接接続可能に形成したベース基板と、該バ
ス・バーを該ベース基板上に止着させるバス・バー止着
部材とで構成するバス・バー取り付け構造を備えるもの
となる。 【0028】このように構成することにより、主電流の
電流路中における接触箇所を削減することになり、接触
抵抗を総体的に低減させ、ひいては発熱の抑制、損失電
力の低減に効果を発揮するものとなる。 【0029】次に本発明は放熱部材表面上に順に絶縁シ
ート、ベース基板、絶縁ケースを積層し、該絶縁ケース
上面から貫通して放熱部材に螺着挟持するネジおよびワ
ッシャーよりなる止着部材と、該ネジが貫通可能であ
り、該ワッシャー以下の径であり、その長さがベース基
板の厚さ以下である円筒形状部をベース基板の止着穴に
嵌挿可能に形成した絶縁ケースと、放熱部材側を該ネジ
の径より必要とする沿面絶縁距離の2倍以上大きい径
で、絶縁ケース側を該絶縁ケースの円筒形状部が嵌挿可
能な径で止着穴を穿孔したベース基板と、絶縁シート
と、で構成される放熱部材取り付け構造を備えるものと
なる。 【0030】このように構成することにより、ワッシャ
ーからの押圧力は絶縁ケースを挟持して強固な材質のベ
ース基板に伝えられることになるため、弾性材料の絶縁
ケースをたわませることなく圧着止着することになり、
かつ放熱部材に螺着する止着ネジとベース基板との間の
充分な絶縁性の確保が可能となる。 【0031】次に本発明はベース基板のネジ止着位置間
方向と平行にアングル形状部を形成するベース基板構造
を備えるものとなる。 【0032】このように構成することにより、放熱板の
変形を防ぎ、放熱板と放熱部材との間に生じる隙間を最
小限にできると構成となるため、放熱板から放熱部材へ
の高い熱伝達効果を機構的に、またそれにより半永久的
に(非経時的に)維持可能となる。 【0033】そして特に前記アングル形状部がベース基
板上に直接着設されるブロック体で構成されるものとな
る。 【0034】これによりベース基板にアングルを形成す
るよう加工するよりも容易にかつ自由度の高いレイアウ
トで放熱板の変形を防ぎ、放熱板と放熱部材との間に生
じる隙間を最小限にできる構成となる。 【0035】また特に前記アングル形状部が他の主電流
用電極と部分的に平行かつ近接する形状のものとなる。 【0036】このように構成することによりこの平行近
接部分において、相互インダクタンス効果が生じ、配線
インダクタンスの低減が可能となる。 【0037】次に本発明は、一方の主電流用電極に接続
された電流路(配線板)に対し、他方の主電流用電極お
よびそれに接続される電流路(配線板)を電気遮へいす
るよう形成した絶縁ケース構造を備えるものとなる。 【0038】これにより両主電流電極間における沿面絶
縁距離を長く形成することが可能となり、高周波の高い
サージ電圧に対しての絶縁性が確保される。 【0039】また本発明は、一方の主電流用電極に接続
された電流路(配線板)に対し、他方の主電流用電極お
よびそれに他の電流路(配線板)を止着するための止着
部材(ネジ、ワッシャー等)を電気遮へいするよう形成
した絶縁ケース構造を備えるものとなる。 【0040】これにより前記配線板間における電気遮へ
いと同様に両主電流電極間における沿面絶縁距離を長く
形成することが可能となり、高周波の高いサージ電圧に
対しての絶縁性が確保される。 【0041】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。 【0042】また前述の通り、本発明はMOS FET
からなる半導体モジュールを例に説明するが、これに限
らず同様な課題を有するバイポーラトランジスタやサイ
リスタ等その他の半導体スイッチにも適用可能である。 【0043】まず図1は本発明のバス・バー取り付け構
造と、放熱部材取り付け構造と、ベース基板構造と、絶
縁ケース構造を備えた半導体モジュール21が放熱部材
であるヒートシンク29を取り付けている実施形態の側
断面図である。そして半導体モジュール21は強固な導
電金属を材質とするベース基板22をドレイン電極とし
て兼用した非絶縁型のものとなる。この図において、半
導体モジュール21は該ベース基板22上に不図示の半
導体チップを直接載置し、そのソース電極が配線板32
に接続されている。そして該ベース基板22上には合成
樹脂よりなる絶縁ケース24で覆われ、配線板32が側
面に沿って上方に延び絶縁ケース24上面に露出し、止
着ネジ28がバネワッシャー26と平ワッシャー27を
介して螺着されている。 【0044】またベース基板22が絶縁ケース24の一
方の側面に密接するよう直角に曲がったアングル形状部
34を形成しており、その上端は絶縁ケース24内部の
配線板32と近接かつ平行となるよう絶縁ケース側面に
沿って絶縁ケース上面まで立設し、そして密接面と反対
の開放面にドレイン電極用の配線板となるバス・バー2
5が止着ネジ28、バネワッシャー26、平ワッシャー
27により直接接続されている。このアングル形状部3
4は紙面直交方向となる半導体モジュール長手方向のほ
ぼ全長に渡って形成されるものとなる。 【0045】そして絶縁ケース24上面に露出している
配線板32とアングル形状部34との間に遮へい板35
が絶縁ケース24に一体に立設している。そして止着ネ
ジ28がバネワッシャー26および後述する外径の大き
い平ワッシャー33を介して絶縁ケース24、ベース基
板22、絶縁シート30、ヒートシンク29を挟持して
螺着固定している。また絶縁ケース24下部においては
外径が平ワッシャー33の外径と同じかまたは小さく、
長さがベース基板22の厚さと同じかまたは短く、そし
て該止着ネジ28が貫通可能な構成となる円筒形状部3
1がベース基板22の止着穴に挿設するよう絶縁ケース
24と一体に設けられている。またベース基板22にお
ける該止着ネジ28の止着穴の径は、ヒートシンク29
側が該止着ネジ28の外径よりも絶縁シート30上にお
ける必要沿面絶縁距離の2倍以上大きい径となり、絶縁
ケース24側が平ワッシャー33の外径以下で前記円筒
形状部31を嵌挿可能な径となる。 【0046】このような構成において、まずバス・バー
25はベース基板22(アングル形状部34)に直接接
続されていることにより接触抵抗を内在する接触部は1
ヶ所のみとなり、従来の接触部を2ヶ所所有する接続タ
ーミナルを使用した場合と比較して電流通電時において
の発熱を抑制する構成となる。 【0047】またベース基板22の一部であるアングル
形状部34はドレイン電極としても機能しているため、
ソース配線板として絶縁ケース24内部に配置接続され
ている配線板32と範囲A2 において近接かつ平行の配
置状態にあり、この範囲A2において相互インダクタン
ス効果が生じることで配線インダクタンスが相殺される
ことになる。これにより半導体モジュール21作動時に
おけるスイッチング・ロスおよびサージ電圧の低減が図
られることになる。そしてこの構成において、アングル
形状部34と配線板32が挟持する絶縁ケースの一部分
(範囲A2 )は、電気的には絶縁を行うものの、磁気的
には上記相互インダクタンス効果が得られるよう磁力を
透過する材質となる。 【0048】またアングル形状部34が半導体モジュー
ル21の長手方向全長に渡って形成されていることによ
り、長手方向の両端でヒートシンク29を止着ネジで止
着した場合でも、従来の取り付け時において不可避であ
ったベース基板22の反りの発生を防ぐことが可能とな
る。そのためベース基板22底面全面に渡っての密着し
た取り付けが可能となり、それによりベース基板22か
らヒートシンク29への効率の高い熱伝達が可能とな
る。 【0049】また絶縁ケース24上面において露出した
配線板32(止着ネジ28がバネワッシャー26と平ワ
ッシャー27を介して螺着されている)とアングル形状
部34との間に絶縁ケース24と同材質の遮へい板35
が立設していることにより配線板32(および該止着部
材26,27,28)とアングル形状部34の間の沿面
絶縁距離を図中L2 にまで延長でき、図6中に示す従来
の沿面絶縁距離L1 と比較して充分な長さに設けて絶縁
性を確保した構成となる。 【0050】またヒートシンク29に螺着して同電位と
なる止着ネジ28、バネワッシャー26、平ワッシャー
33は絶縁シート30上面においてベース基板22と充
分な沿面絶縁距離を設け、また絶縁ケース24と同材質
の円筒形状部31を貫通していることによりドレイン電
極と兼用となるベース基板22と充分な絶縁性を確保し
つつ、さらに平ワッシャー33が弾性を有する材質の絶
縁ケース24を強固なベース基板22に直接押圧するた
め絶縁ケース24、ベース基板22、絶縁シート30、
ヒートシンク29の4つの部材を強固に挟持固定するも
のとなる。 【0051】また図2は上記実施形態と同じ効果を得る
ベース基板構造の他の実施形態を示す側面図である。 【0052】この図において、ベース基板22上の絶縁
ケース24側面には導電金属製で略角柱型のブロック体
36が半導体モジュール長手方向両端のネジ止着位置間
に渡って着設している構成となる。 【0053】そしてこのブロック体36が上記実施形態
におけるアングル形状部34と同じ作用により、ヒート
シンク29取り付け時におけるベース基板22の反りを
防ぐ構成となる。そして同様にベース基板22底面全面
に渡っての密着した取り付けが可能となり、それにより
ベース基板22からヒートシンク29への効率の高い熱
伝達が可能となる。 【0054】またブロック体36は導電金属製であるた
め、同図に示すように直接バス・バー25を止着ネジ2
8で接続する構成も可能である。しかしこの構成に限定
せず、ブロック体36を強固な材質の絶縁体とすること
も可能であり、その場合バス・バー25はベース基板2
2に直接接続する構成となる。 【0055】また上記2つの実施形態にあるアングル形
状部34およびブロック体36は絶縁ケース24の一方
の側面のみでなく両側面に形成、着設してチャネル形状
として構成することも可能である。 【0056】 【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば発熱の
抑制・放熱効果の向上およびサージ電圧・損失電力の低
減を可能とし、ベース基板やヒートシンクに対しての絶
縁ケースの固定を確実にする止着構造を備えた半導体モ
ジュールの提供が達成される。さらに上記効果によりヒ
ートシンクの小形化、スナバレス化、またはディレーテ
ィングを小さくできるための半導体チップ数の削減が実
現され、その結果半導体スイッチの信頼性向上と共に製
造コストの削減をも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にある半導体モジュー
ルの側断面図である。 【図2】本発明の第2の実施形態にある半導体モジュー
ルの側断面図である。 【図3】従来の半導体モジュールにおいてのバス・バー
の取り付け構造の側断面図である。 【図4】従来の半導体モジュールにおける絶縁ケースの
取り付け構造を示す側断面図である。 【図5】従来の半導体モジュールにおけるヒートシンク
取り付け構造を示す側断面図である。 【図6】従来の半導体モジュールにおける相互インダク
タンス効果を目的とした両配線板の配置を示す側断面図
である。 【符号の説明】 21 半導体モジュール 22 ベース基板 23 円筒形ターミナル 24 絶縁ケース 25 バス・バー(ドレイン電極用) 26 バネ・ワッシャー 27 平ワッシャー 28 止着ネジ 29 ヒートシンク 30 絶縁シート 31 円筒形状部 32 配線板(ソース電極用) 33 平ワッシャー(大径) 34 アングル形状部 35 遮へい板 36 ブロック体 A1 、A2 相互インダクタンス効果の有効範囲 L1 、L2 バス・バー、配線板間の沿面絶縁距離 ID ドレイン電流 IS ソース電流 DH ベース基板の止着穴径 DW 平ワッシャー外径 DS 止着ネジのネジ外径 S ベース基板とヒートシンクとの間隙
ルの側断面図である。 【図2】本発明の第2の実施形態にある半導体モジュー
ルの側断面図である。 【図3】従来の半導体モジュールにおいてのバス・バー
の取り付け構造の側断面図である。 【図4】従来の半導体モジュールにおける絶縁ケースの
取り付け構造を示す側断面図である。 【図5】従来の半導体モジュールにおけるヒートシンク
取り付け構造を示す側断面図である。 【図6】従来の半導体モジュールにおける相互インダク
タンス効果を目的とした両配線板の配置を示す側断面図
である。 【符号の説明】 21 半導体モジュール 22 ベース基板 23 円筒形ターミナル 24 絶縁ケース 25 バス・バー(ドレイン電極用) 26 バネ・ワッシャー 27 平ワッシャー 28 止着ネジ 29 ヒートシンク 30 絶縁シート 31 円筒形状部 32 配線板(ソース電極用) 33 平ワッシャー(大径) 34 アングル形状部 35 遮へい板 36 ブロック体 A1 、A2 相互インダクタンス効果の有効範囲 L1 、L2 バス・バー、配線板間の沿面絶縁距離 ID ドレイン電流 IS ソース電流 DH ベース基板の止着穴径 DW 平ワッシャー外径 DS 止着ネジのネジ外径 S ベース基板とヒートシンクとの間隙
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ベース基板上に主電流用電極の1つを直
接接続する非絶縁型半導体モジュールにおいて、 絶縁ケース外部に延長してその表面上にバス・バーを直
接接続可能に形成したベース基板と、 該バス・バーを該ベース基板上に止着させるバス・バー
止着部材と、 で構成するバス・バー取り付け構造を備えることを特徴
とする半導体モジュール。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11983698A JP3449217B2 (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | 半導体モジュール |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11312782A JPH11312782A (ja) | 1999-11-09 |
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Family
ID=14771469
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11983698A Expired - Lifetime JP3449217B2 (ja) | 1998-04-30 | 1998-04-30 | 半導体モジュール |
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---|---|
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-
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- 1998-04-30 JP JP11983698A patent/JP3449217B2/ja not_active Expired - Lifetime
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