JP3448751B2 - 紫外線遮蔽粉体及びこれを配合した化粧料 - Google Patents

紫外線遮蔽粉体及びこれを配合した化粧料

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JP3448751B2
JP3448751B2 JP09364694A JP9364694A JP3448751B2 JP 3448751 B2 JP3448751 B2 JP 3448751B2 JP 09364694 A JP09364694 A JP 09364694A JP 9364694 A JP9364694 A JP 9364694A JP 3448751 B2 JP3448751 B2 JP 3448751B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紫外線遮蔽粉体及びこれ
を配合した化粧料、更に詳細には経日変化が少なく、使
用時に加圧崩壊性を有することによって紫外線防止効果
が増大するとともに耐水性化粧膜を付与する、使用性に
優れた紫外線遮蔽粉体及びこれを配合した化粧料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧料に紫外線防止効果を持たせ
るためには、メトキシケイ皮酸エステルやオキシベンゾ
ンのような、化学的な構造上紫外線吸収能を持つ紫外線
吸収剤や、二酸化チタンのような、物理的な特性によっ
て紫外線を反射させる紫外線散乱剤を配合する方法が用
いられ、効果をより大きくするために上記成分を組み合
わせたり、配合方法に工夫をすることが行なわれてき
た。この例としては、紫外線吸収剤で表面を被覆結合さ
れた無機及び有機粉体からなる化粧料素材を配合して紫
外線吸収効果を最大限に発揮させる技術(特開平4−1
98124)や、本出願人が先に出願した、加圧崩壊性
球状粉体中に紫外線吸収剤を吸着させ、使用時に加圧崩
壊性を付与しつつ崩壊時の紫外線防止効果を向上させる
技術(特開平3−181584)等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無機及
び有機粉体の表面に紫外線吸収剤を被覆結合、あるいは
粉体の持つ吸油性等を利用して紫外線吸収剤を含む油性
成分を粉体中に吸着させた粉体組成物を化粧料に配合し
た場合、含水系の化粧料では油性成分が表面に浮くとい
う経日変化を引き起こし、著しく外観を損ねたり、ある
いは液状油性成分としての効果を充分に発揮できなくな
ったりすることがあった。また、乳化型化粧料において
は、該粉体組成物が系中の油性成分を吸収したり、逆に
粉体組成物中の油性成分を放出したりして系の増粘ある
いは粘度低下等の変化をもたらすことがあった。さら
に、粉末状あるいは打粉状の化粧料においては、他の粉
体の濡れを促進し、外観の色沈みをひきおこしたり、化
粧膜のくずれが早くなったり、べたつき等の原因となっ
て使用感を損なったり、ケーキングの原因となったりす
ることがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる事情において、本
発明者等は鋭意研究を行った結果、上記の問題はいずれ
も粉体からの油性成分の放出、あるいは粉体への油性成
分の吸収が原因であることから、紫外線吸収剤を含有す
る油性成分をワックス及び/又は油ゲル化剤と共に粉体
に吸着すれば、粉体からの油性成分の放出等を防ぐこと
ができ、該粉体を化粧料に配合することにより、上記課
題が解決されることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0005】すなわち、本発明は、次の成分(A)〜
(C): (A)紫外線吸収剤を含有する油性成分 (B)デキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エス
テル及びキャンデリラワックスから選ばれた前記(A)
成分に対してゲル化能を有するワックス及び/又は油ゲ
ル化剤 (C)粉体 を必須成分として含み〔但し、(A)成分を1〜50重
量%、(B)成分を0.1〜10重量%含む〕、かつ
(A)成分及び(B)成分を(C)成分に吸着させてな
り、平均粒径1〜100μmであって、荷重に対する摩
擦抵抗値の変化度から求めたずり破壊強度が10〜26
0g/cm2の加圧崩壊性を有する紫外線遮蔽粉体、及
びこれを配合した化粧料を提供するものである。以下、
本発明について詳述する。
【0006】本発明において(A)成分中に用いられる
紫外線吸収剤は、2−エチルヘキシル−パラ−ジメチル
アミノベンゾエート、アミル−パラ−ジメチルアミノベ
ンゾエート、グリセリル−パラ−アミノベンゾエート、
エチル−パラ−ジメチルアミノベンゾエート、エチル−
パラ−ジエチルアミノベンゾエート、グリセリル−モノ
−パラ−アミノベンゾエート等のアミノベンゾエート
系、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等のベンゾフェ
ノン系、2−エチルヘキシル−パラ−メトキシシンナメ
ート、2−エトキシエチル−パラ−メトキシシンナメー
ト、2,2’−ビス(パラ−メトキシスチリル)−エチ
ル−パラ−メトキシシンナメート、メチル−2,5−ジ
イソプロピルシンナメート等のシンナメート系、パラ−
t−ブチルサリチレート、パラ−オクチルフェニルサリ
チレート、ジプロピレングリコールサリチレート、フェ
ニルサリチレート、パラ−t−ブチルフェニルサリチレ
ート等のサリチレート系、4−メトキシ−4’−t−ブ
チルジベンゾイルメタン、2,4−ジメチル−4’−メ
トキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾ
イルメタン等のジベンゾイルメタン系、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’
−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等
のベンゾトリアゾール系、ウロカニン酸、ウロカニン酸
エチル等のイミダゾール系、ウンベロフェロン、エスク
リンのような多環化合物誘導体、グアイアズレン等の通
常化粧品に用いられるものであればいずれのものでも使
用でき、これらの一種又は二種以上を選択して用いるこ
とができる。
【0007】また、(A)成分中には紫外線吸収剤の
他、製造時の扱いやすさを向上させるため等の目的で、
通常化粧料中に用いられる常温で液状の任意の油性成分
を配合しても良く、その例としては軽質流動パラフィ
ン、流動パラフィン等の非極性油剤、ミリスチン酸イソ
プロピル、トリオクタン酸グリセライド、ヒマシ油、サ
フラワー油等の極性油剤、ジメチルポリシロキサン、メ
チルフェニルポリシロキサン等のシリコン油剤、酢酸ト
コフェロール等の油性の薬剤が挙げられる。(A)成分
中における紫外線吸収剤の量は10〜100重量%(以
下、単に%という)であることが好ましい。(A)成分
中の紫外線吸収剤量が10%より少ない場合には、粉体
表面に(A)成分が均一に吸着されないなどのために紫
外線吸収剤の効果が充分に発揮されず、紫外線遮蔽粉体
として良好なものができにくくなる。
【0008】本発明の紫外線遮蔽粉体における(A)成
分の配合量は、(C)成分となる各粉体に対してJIS
K−5101の定める吸油量の範囲内で定められ、お
おむね粉体組成物中(紫外線遮蔽粉体中)の1〜50
%、特には10〜40%であることが好ましい。(A)
成分量が1%より少ない場合には、粉体表面に(A)成
分が均一に吸着されないなどのために紫外線吸収剤の効
果が充分に発揮されず、又50%を越えた場合にはズル
つき、ベタツキ等が発生して使用感を著しく損なった
り、粉体自体がダマになってしまったり、粉体の加圧崩
壊性が得られず、本発明の効果が発揮されなくなること
がある。
【0009】本発明における(B)成分は、デキストリ
ン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びキャンデ
リラワックスから選ばれた前記(A)成分に対してゲル
化能を有するワックス及び/又は油ゲル化剤である。
の(B)成分は、(A)成分と混合、あるいは加温溶解
することが可能であり、その後室温付近において(A)
成分に対してゲル化能を有する
【0010】本発明の紫外線遮蔽粉体における(B)成
分の配合量は、化粧料中で粉体から(A)成分の放出を
防ぐという本発明の効果を得るために、粉体組成物中の
0.1〜10%、特に1〜5%であるのが好ましい。
(B)成分量が0.1%より少ない場合には粉体組成物
中の(A)成分が充分に固化されないために上記課題の
解決には至らない。また、(B)成分量が10%を越え
る場合には粉体組成物がブツやダマになり肌上で粒子感
を感じるようになったり、凝集体になってしまうため乳
液状組成物などに配合した場合には粉体組成物が沈降し
たり、また加圧崩壊性のものは得られず、紫外線防止効
果が充分に発揮されない場合がある。
【0011】また、(C)成分の粉体としては、通常化
粧品に用いられるものであればいずれのものでも使用す
ることができ、例えば酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔
料、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、群青、紺青、ター
ル系色素、天然色素等の着色顔料、タルク、マイカ、セ
リサイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリ
カ、アルミナ、カオリン等の体質顔料、雲母チタン、オ
キシ塩化ビスマス等の光輝性顔料、ナイロン、ポリスチ
レン、ポリメタクリル酸メチル、結晶セルロース、デン
プン等の有機粉末が挙げられ、一種または二種以上の組
み合わせて使用でき、造粒等の処理が施されたものでも
良い。本発明に使用される粉体の平均粒径は、好ましく
は0.1〜100μmの範囲である。
【0012】本発明に使用される(C)成分の粉体とし
て、上記粉体の一種又は二種以上の組み合わせにより予
め造粒された加圧崩壊性球状粉体を用いる場合には、例
えば特開平3−181584号に記載されている化粧料
用粉体を凝集させた球状複合粉体であって、加圧により
破壊され、微細粉化するもの等が使用可能である。加圧
崩壊性球状粉体の造粒方法としては、噴霧乾燥法、流動
層造粒法等が適用でき、造粒物の硬さ調整のため、無機
コロイド液、水溶性高分子等を結合剤として用いること
ができる。
【0013】本発明において、(A)成分及び(B)成
分を(C)成分に吸着させる方法としては、例えば次に
示すような方法が挙げられる。 予め製造した加圧崩
壊性粉体(C)に、溶剤に溶解した(A)及び(B)を
含浸させた後、溶剤を除去する方法。 化粧料用粉体
(C)表面を(A)及び(B)にて処理し、分散媒中に
分散させた後造粒する方法。 化粧料用粉体(C)表
面を(A)にて処理し、分散媒中に分散させた後造粒
し、次いでこの造粒粉体に溶剤に溶解した(B)を含浸
させた後、溶剤を除去する方法。
【0014】本発明の紫外線遮蔽粉体は、平均粒径1〜
100μmであり、かつ加圧崩壊性を有するものであ
る。平均粒径が1μm未満では調製が難しく、また小さ
すぎて球状である粉体の特性が現われにくく、100μ
mを越えると粒子感を感じるようになり好ましくない。
また、使用時に加圧崩壊性を有することによって紫外線
防止効果に優れ、密着感のあるものが得られるものであ
る。
【0015】本発明の紫外線遮蔽粉体の加圧崩壊性は、
例えばヘイドン表面性測定機を用い、荷重に対する摩擦
抵抗値の変化度からずり破壊強度として求めた場合、1
0〜260g/cm2の範囲内であるのが好ましい。す
なわち、この範囲内であれば、これを配合した化粧料の
塗擦時に容易に粒子が崩壊し、粒子感、違和感等の残存
感がなく、優れた密着性ときめ細かな化粧膜が得られ
る。ずり破壊強度が10g/cm2未満では、機械的強
度が低いため化粧料の製造中、混合、粉砕、プレス等の
工程において粒子の破壊が生じてしまい、260g/c
2を超えると、耐摩擦強度が大きくなりすぎ、塗擦圧
で粒子の崩壊が起こらず、本発明の目的が達成されな
い。
【0016】本発明の紫外線遮蔽粉体の化粧料中への配
合量は、化粧料の剤型等により異なり特に限定されるも
のではないが2〜50%、特に5〜30%であるのが好
ましい。
【0017】本発明の化粧料には、必須成分である本発
明の紫外線遮蔽粉体以外に通常化粧料に用いられる他の
任意成分を、本発明の効果を損なわない範囲において適
宜配合することが可能である。このような任意成分とし
ては、上記以外の油剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キ
レート剤、着色剤、香料、防腐剤、低級アルコール、界
面活性剤、保湿剤、精製水、各種美容成分等が挙げられ
る。
【0018】本発明の化粧料は、製品形態、形状を問わ
ず、粉末状・プレス状・液状・スティック状等、また乳
化タイプ・油性タイプ等、いずれのものでも良く、例え
ば粉白粉、ファンデーション、ほほ紅、アイシャドウ、
口紅、アイライナー、マスカラ、アイブロウ、下地クリ
ーム、粉体入りローション等が挙げられる。
【0019】
【実施例】次いで実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれによって何ら限定されるものではな
い。
【0020】実施例1 加圧崩壊性球状アルミナ70重量部を、2−エチルヘキ
シル−パラ−メトキシシンナメート(商品名:エスカロ
ール557、ヴァンダイク社製)15重量部、流動パラ
フィン10重量部及びデキストリン脂肪酸エステル(商
品名:レオパールKL、千葉製粉製)5重量部を加熱溶
解後イソプロピルアルコール100重量部中と混合した
ものに添加し、加温攪拌状態下において減圧脱泡してイ
ソプロピルアルコールを除去して、粒径が15〜35μ
mであり、ずり破壊強度が125〜150g/cm2
ある紫外線遮蔽粉体を得た。
【0021】実施例2 微粒子酸化チタン65重量部に対し、4−メトキシ−
4’−t−ブチルジベンゾイルメタン(商品名:Par
sol 1789、ジボダン社製)25重量部、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(商品名:バイ
オソープ110、共同薬品製)5重量部及びショ糖脂肪
酸エステル(商品名:シュガーワックスS−10E、第
一工業薬品製)5重量部をイソプロピルアルコール10
0重量部中にて加熱溶解したものを加え、加温攪拌状態
下において減圧脱泡してイソプロピルアルコールを除去
して処理粉体を得た。次いでこの処理粉体20重量部、
シリカコロイド15重量部、精製水65重量部をホモミ
キサーにより混合分散して得たスラリー状物を噴霧乾燥
機により造粒して、粒径が30〜50μmであり、ずり
破壊強度が150〜200g/cm 2 である紫外線遮蔽
粉体を得た。
【0022】実施例3 微粒子酸化チタン90重量部と2−エチルヘキシル−パ
ラ−メトキシシンナメート10重量部を混合粉砕した。
この粉砕物35重量部、シリカコロイド20重量部、精
製水45重量部をホモミキサーにより混合分散して得た
スラリー状物を噴霧乾燥機により造粒した。次いで、こ
の造粒粉体90部を、流動パラフィン9重量部及びキャ
ンデリラワックス1重量部を加熱溶解後イソプロピルア
ルコール100重量部と混合したものに添加し、加温攪
拌状態下において減圧脱泡してイソプロピルアルコール
を除去して、粒径が30〜50μmであり、ずり破壊強
度が150〜200g/cm 2 である紫外線遮蔽粉体を
得た。
【0023】比較例1 加圧崩壊性球状アルミナ75重量部を、2−エチルヘキ
シル−パラ−メトキシシンナメート15重量部、流動パ
ラフィン10重量部をイソプロピルアルコール100重
量部と混合したものに添加し、加温攪拌状態下において
減圧脱泡してイソプロピルアルコールを除去して、粒径
20〜40μmであり、ずり破壊強度が75〜100g
/cm 2 である紫外線遮蔽粉体を得た。
【0024】比較例2 加圧崩壊性球状アルミナ65重量部を、2−エチルヘキ
シル−パラ−メトキシシンナメート10重量部、流動パ
ラフィン10重量部及びキャンデリラワックス15重量
部を加熱溶解後をイソプロピルアルコール100重量部
と混合したものに添加し、加温攪拌状態下において減圧
脱泡してイソプロピルアルコールを除去して、粒径が6
0〜100μmであり、ずり破壊強度が260g/cm
2 以上の紫外線遮蔽粉体を得た。
【0025】比較例3 微粒子酸化チタン70重量部を、2−エチルヘキシル−
パラ−メトキシシンナメート15重量部、流動パラフィ
ン10重量部及びデキストリン脂肪酸エステル5重量部
を加熱溶解後イソプロピルアルコール100重量部と混
合したものに添加し、加温攪拌状態下において減圧脱泡
してイソプロピルアルコールを除去して、粒径が5〜2
5μmであり、ずり破壊強度が260g/cm2以上の
紫外線遮蔽粉体を得た。
【0026】(評価方法) 粒径:実体顕微鏡による観察による。 紫外線遮断率の測定:石英板上にポリビニルピロリドン
のアルコール溶液を25μmのドクターブレードにて塗
布した。アルコール蒸発後、粘着面に柔かいブラシにて
試料を均一に塗布し、粉体崩壊前の遮蔽率測定用検体と
した。また、上記検体を化粧用マットで20回塗擦し、
粉体崩壊後の遮蔽率測定用検体とした。上記検体につい
て島津自記分光光度計UV−265FM及び同ユニット
積分計ISR−260にて透過率を測定した。測定波長
は紫外線吸収剤の吸収特性によりUV−A領域(320
〜400nm)またはUV−B領域(290〜320n
m)とし、各領域の透過面積をチャートより求めた。遮
断率は、下記式により算出した。この結果を表1に示
す。
【0027】
【数1】
【0028】油性成分の浮きの観察:30ml沈降管中
に約5gの各粉体組成物を入れた後、精製水を加えて約
30mlとする。これを50回振とうした後1昼夜静置
し、上層への油性成分の浮きを観察した。粉体層が表面
に浮いて表面の油性成分の浮きが観察できない場合に
は、極微量のアルコールを添加して粉体表面の濡れを進
行させたり、遠心分離を行う等の手段を適宜用いた。
【0029】
【表1】
【0030】表1の結果より明らかな如く、本発明品で
ある実施例1〜3は、使用時に加圧崩壊することによっ
て紫外線遮断率が増大するものであり、しかも経時的な
油浮きがなく、優れたものであった。これに対し、比較
例1は(B)成分であるワックス及び油ゲル化剤がな
く、油浮きがおきてしまった。比較例2は(B)成分の
量が多く、堅くて崩壊しなくなり、また比較例3は粉体
組成物が加圧崩壊性を有するものでないために、いずれ
も本発明の効果が得られないものであった。
【0031】 実施例4 2Wayファンデーション (処方) (重量%) 1 実施例1の紫外線遮蔽粉体 30 2 タルク 20 3 マイカ 残量 4 着色顔料 適量 5 ワセリン 1 6 流動パラフィン 2 7 シリコンKF-96(10cs)(信越化学(株)製) 3 8 香料 適量 比較例5 上記実施例4の紫外線遮蔽粉体を比較例1の粉体組成物
に変えた。
【0032】(製法) (A)1〜4を混合攪拌する。 (B)5〜7を加熱溶解混合する。 (C)(A)に(B)、8を加えて混合、粉砕する。 (D)(C)をプレス成形して2Wayタイプの固型粉
末状ファンデーションを得た。
【0033】上記の如くして得られた実施例4及び比較
例5に対して、マットに水を含ませて使用した場合の実
使用テストを行なったところ、実施例4の化粧料ではマ
ットへのとれ、肌上での密着感、伸びも良好であり、化
粧もち・使用性共に良好であったが、比較例5の化粧料
においては化粧もちが悪かった。また、上記プレス品を
水を含ませたマットにて50回塗擦し、ケーキングの有
無を目視にて観察したところ実施例4のプレス品はケー
キングしなかったが、比較例5のプレス品ではケーキン
グが発生した。
【0034】 実施例5 リキッドファンデーション (処方) (重量%) 1 実施例1の紫外線遮蔽粉体 5 2 酸化チタン 10 3 タルク 5 4 着色顔料 適量 5 モノステアリン酸ソルビタン 1 6 流動パラフィン 4 7 セタノール 2 8 ステアリン酸 2 9 ポリオキシエチレンモノオレイン酸 ソルビタン(20E.O.) 1 10 カルボキシビニルポリマー 0.1 11 水酸化ナトリウム 0.8 12 精製水 残量 13 香料 適量
【0035】(製法) (A)2〜4を混合する。 (B)5、6を混合後、(A)を加え三本ロールミルに
て処理する。 (C)7〜9を加熱溶解後、(B)を加えて混合する。 (D)11、12を加熱溶解し、(C)に加えて乳化す
る。 (E)(D)に10、13を加え、冷後1を添加混合し
てしてリキッドファンデーションを得た。
【0036】実施例5のリキッドファンデーションは塗
布時の密着感、伸びも良く、経日による油浮きもなく安
定性、使用性共に良好なものであった。
【0037】 実施例6 油性ファンデーション (処方) (重量%) 1 実施例1の紫外線遮蔽粉体 10 2 酸化チタン 20 3 タルク 15 4 雲母チタン 5 5 着色顔料 残量 6 カルナウバワックス 2 7 セレシンワックス 4 8 マイクロクリスタリンワックス 4 9 ワセリン 4 10 ステアリン酸トリグリセリル 15 11 流動パラフィン 15 12 香料 適量
【0038】(製法) (A)6〜11を加熱溶解する。 (B)(A)に2〜5を加え三本ロールミルにて処理す
る。 (C)(B)に1、12を加えて混合攪拌する。 (D)(C)を皿に溶融充填し、油性ファンデーション
を得た。
【0039】以上の様にして得た実施例6の油性ファン
デーションは塗布時の密着感、伸びも良く、安定性、使
用性共に良好なものであった。
【0040】 実施例7 日焼け止め乳液 (処方) (重量%) 1 実施例1の紫外線遮蔽粉体 5 2 微粒子酸化チタン 10 3 タルク 3 4 モノステアリン酸ソルビタン 1 5 流動パラフィン 5 6 2−エチルヘキシル−パラ−メトキシシンナメート 5 7 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 1 8 セタノール 2 9 ステアリン酸 2 10 ポリオキシエチレンモノオレイン酸 ソルビタン(20E.O.) 1 11 カルボキシビニルポリマー 0.2 12 水酸化ナトリウム 0.8 13 精製水 残量 14 香料 適量
【0041】(製法) (A)2、3を混合する。 (B)4、5を混合後、(A)を加え三本ロールミルに
て処理する。 (C)6〜10を加熱溶解後、(B)を加えて混合す
る。 (D)12、13を加熱溶解し、(C)に加えて乳化す
る。 (E)(D)に1、11を加え、冷後14を添加混合し
てして日焼け止め乳液を得た。
【0042】以上の様にして得た実施例7の日焼け止め
乳液は塗布時の密着感、伸びも良く、安定性、使用性共
に良好なものであった。
【0043】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の紫外線遮蔽
粉体は、使用時に加圧崩壊することによって紫外線防止
効果が増大するとともに耐水性化粧膜を付与するもので
あり、これを配合することで、経日変化がなく、安定
で、使用感、使用性に優れた化粧料を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−181584(JP,A) 特開 平6−9359(JP,A) 特開 平5−17327(JP,A) 特開 平5−17328(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 C09K 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の成分(A)〜(C): (A)紫外線吸収剤を含有する油性成分 (B)デキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エス
    テル及びキャンデリラワックスから選ばれた前記(A)
    成分に対してゲル化能を有するワックス及び/又は油ゲ
    ル化剤 (C)粉体 を必須成分として含み〔但し、(A)成分を1〜50重
    量%、(B)成分を0.1〜10重量%含む〕、かつ
    (A)成分及び(B)成分を(C)成分に吸着させてな
    り、平均粒径1〜100μmであって、荷重に対する摩
    擦抵抗値の変化度から求めたずり破壊強度が10〜26
    0g/cm2の加圧崩壊性を有する紫外線遮蔽粉体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の紫外線遮蔽粉体を配合した
    化粧料。
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