JP3447905B2 - 誘導電動機の制御方法 - Google Patents

誘導電動機の制御方法

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JP3447905B2 JP35609796A JP35609796A JP3447905B2 JP 3447905 B2 JP3447905 B2 JP 3447905B2 JP 35609796 A JP35609796 A JP 35609796A JP 35609796 A JP35609796 A JP 35609796A JP 3447905 B2 JP3447905 B2 JP 3447905B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可変電圧、可変周波数
の交流電圧を出力するPWMインバータによって誘導電
動機を可変駆動する誘導電動機の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インバータによって誘導電動機を駆動す
る場合、誘導電動機に印加する交流電圧の電圧と周波数
の比(V/F)を一定にして可変駆動するV/F一定制
御方式は簡単な構成になるため広く使用されている。し
かしながら、誘導電動機の運転中に発生した電源瞬時停
電後の運転再開を実施する場合に、誘起電動機に励磁が
残っている時、誘起電圧の位相を合わせるのが困難であ
り、また、誘導電動機をインバータで電源周波数の近く
まで加速し、その後インバータを切り離し、電源に直接
誘導電動機を接続する場合、電源周波数と誘導電動機の
角速度と位相を速やかに一致させることが困難であっ
た。瞬時停電による誘導電動機の再起動に関して、特開
平07−274588号公報には残留電圧から回転数を
判断して再投入することが記載されているが、周波数の
測定方法が明確化されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記従来技術
では、瞬時停電時に電源が回復して電動機をインバータ
に再投入するとき、精度良く電動機の回転角速度を測定
し、インバータの角速度を迅速に電動機の角速度に一致
させる必要がある。また、電動機の回転数を検出しない
センサレス方式において、瞬時停電が発生し、電動機が
一旦インバータから切り離され、回転数が定格速度より
低くなったとき、電動機をインバータに再投入すると、
制御装置の速度指令と電動機の速度が一致しないため、
過電流が発生して制御装置をトリップし、正常な運転が
できなくなる。また、電動機が停止するまで待って起動
すれば、時間が長くかかり、迅速な再起動ができなくな
る。一方、誘導電動機をインバータで加速し、電源周波
数と一致させてから誘導電動機をインバータから切り離
し、電源に再投入する、いわゆる商用電源運転をすると
き、電源周波数とインバータの角速度を精度良く一致さ
せてから、再投入する必要がある。
【0004】本発明の課題は、上記従来技術の問題点を
解決し、瞬時停電復帰時に電動機の残留電圧の有無にか
かわらず、迅速に誘導電動機の回転角速度とインバータ
の角速度指令を一致させ、過励磁にならず、効率よく、
スムーズに加速する誘導電動機の制御方法を提供するこ
とにある。また、本発明の他の課題は、商用電源に電動
機を再投入するとき、商用周波数の角速度と位相をイン
バータの角速度と位相に精度良く一致させてから、電動
機をインバータから切り離し、商用周波電源に再投入し
て、過電流の発生を防止し、定常運転に復帰する誘導電
動機の制御方法を提供することにある。
【0005】上記課題を解決するために、誘導電動機の
定格周波数、演算のためのサンプリング時間、3相正弦
波を作るテーブルのデータ数に基づいて定格角速度を作
り、定格角速度と加速時間から加速角速度を演算し、サ
ンプリング時間毎に加速角速度を積算して過渡時角速度
を作り、過渡時角速度と定格角速度を比較し、過渡時角
速度が定格角速度より小さい時は過渡時角速度を用いて
誘導電動機を加速する加速モードと、過渡時角速度が定
格角速度に達した時は定格角速度を用いて定常運転に入
る定速モードを有すると共に、誘導電動機の残留電圧を
3相2相変換し、さらにd−q変換してd軸電圧を求
め、一方、角速度指令として設定した基準角速度からサ
ンプリング毎に積算して位相を算出し、位相をd−q変
換にフィードバックしてd軸電圧が零になるように比例
積分制御を行い、基準角速度から比例積分制御の結果を
減算した位相同期角速度を求め、位相同期角速度と前記
誘導電動機の残留電圧の角速度を一致させる位相同期モ
ードを有し、瞬時停電時の誘導電動機の再投入に際し
て、誘導電動機に残留電圧があるとき、位相同期モード
を選択し、続いて加速モード、定速モードを選択して定
常運転に入る。また、前記加速モードと、商用電源の電
圧を3相2相変換し、さらにd−q変換してd軸電圧を
求め、一方、角速度指令として設定した基準角速度から
サンプリング毎に積算して位相を算出し、位相をd−q
変換にフィードバックしてd軸電圧が零になるように比
例積分制御を行い、基準角速度から比例積分制御の結果
を減算した位相同期角速度を求め、位相同期角速度と商
用電源の電圧の角速度を一致させる位相同期モードを有
し、商用電源に誘導電動機を投入するとき、誘導電動機
をインバ−タに接続して加速モードにより加速し、過度
角速度が前記定格角速度に達した時、位相同期モードを
選択し、商用電源の角速度と位相にインバータの角速度
と位相が一致した時、誘導電動機をインバータから切り
離し、商用電源に投入する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す。
図1において、交流電源1に接続される整流器2は交流
電圧を直流電圧に変換する。整流器2の直流出力側には
平滑コンデンサ3が並列に接続される。PWMインバー
タ4は並列コンデンサ4に接続され、直流電圧を可変電
圧、可変周波数の3相交流電圧に変換する。誘導電動機
5はPWMインバータ4の出力側に接続され、可変駆動
される。電流変流器(CT)6はU相6−1、V相6−
2、W相6−3に流れる誘導電動機の瞬時電流を検出す
る。変圧器(PT)7はU相7−1、V相7−2、W相
7−3に印加される誘導電動機の瞬時電圧を検出する。
制御部8は、周波数指令部10、角速度指令部11、A
/D変換器12、3相2相およびd−q軸電流変換器1
3、すべり演算部14、加算器15、同期投入回路1
6、積算回路17、磁束電流指令部18、電動機定数回
路19、ベクトル演算部20、PWM発生回路21およ
びゲートサプレス回路22からなり、誘導電動機5を駆
動するインバータ4を制御する。また、図示しないが、
一定時間Ts毎に演算するためのサンプリングタイマが
あり、制御部8の演算の間隔はこのTsに依存する。位
相同期部9は、瞬時停電検出回路33の出力から瞬時停
電を判断する瞬時停電判断回路34、誘導電動機5の残
留電圧を検出し、3相2相の電圧に変換する3相2相電
圧変換器23、3相2相電圧変換器23からさらにd−
q軸に変換するd−q電圧変換器24、零値指令25、
同期減算器26、同期減算器26の偏差から積分する同
期積分演算器27、比例積分加算器27−1、同期減算
器26の偏差から比例演算する同期比例演算器28、同
期積算回路30、正弦波、余弦波テーブル31、同期減
算器26の出力が零近傍になったかを判断する零近傍検
出器32、第1のスイッチ35、第2のスイッチ36、
第3のスイッチ37からなり、誘導電動機5の残留電圧
を検出し、インバータ4の角速度指令部11の角速度と
位相を誘導電動機5の角速度と位相に一致させる。
【0007】制御部8において、角速度指令部11は角
速度指令ω1を出力する。A/D変換器12は電動機の
交流電流iu,iv,iwをサンプリング毎のアナログ瞬時
値に変換し、このアナログ瞬時値をディジタル値Iu,I
v,Iwに変換する。電流変換器13は3相の相電流を2
相のα−β軸に変換し、さらに回転座標のd−q軸に変
換する。その結果トルク電流成分Iqfと励磁電流成分I
dfを出力する。すべり演算部14はトルク電流成分Iqf
と励磁電流成分Idfからすべり角速度ωsを演算する。
加算器15は角速度指令ω1とすべり角速度ωsを加算
し、駆動角速度ωdrを得る。このため、電動機回転数は
より指令値に精度良く一致する。同期投入回路16は、
誘導電動機5の残留電圧が無いとき、瞬時停電時の再投
入時に電動機電流と同期投入設定電流と、同期投入許可
電流から比例・積分制御を行い、補正角速度ωsuを出力
する。補正角速度ωsuは角速度指令部11に送られ、同
期投入モードの演算を行う。また、同期投入回路16
は、定常運転時にトルク電流成分Iqfが正の同期投入許
可電流より大きくなった時、及び負の同期投入許可電流
より小さくなった時も前記同様に同期投入モードの演算
を行う。積算回路17は駆動角速度ωdrをサンプリング
毎に積算し、位相θを得る。磁束電流指令部18は電動
機の励磁電流指令値Id*を出力する。電動機定数回路1
9は駆動角速度ωdrと励磁電流指令値Id*と電動機トル
ク電流Iqfを入力し、電動機の1次換算推定抵抗値r
1、1次総合インダクタンスLσ、1次自己インダクタ
ンスL1からトルク電圧成分V1q、励磁電圧成分V1dを
得る。ベクトル演算部20はトルク電圧成分V1q、励磁
電圧成分V1dからベクトル演算し、電動機に印加する3
相電圧の大きさVum,Vvm,Vwmを得る。PWM発生回
路21は3相交流電圧Vum,Vvm,Vwmと三角波等の搬
送波を比較し、PWMパルスTu,Tx,Tv,Ty,Tw,Tz
を作る。また、ゲートサプレス回路22はPWMパルス
Tu,Tx,Tv,Ty,Tw,Tzを有効にするか無効にするか
を選択する。このPWMパルスをインバータ4の半導体
素子のゲートに印加し、所望の周波数および交流電圧を
誘導電動機5に加えて駆動する。
【0008】また、位相同期部9において、スイッチ3
5をグランドに接続し、ゲートサプレス回路22を働か
せ、インバータ4に伝達するゲートを遮断して誘導電動
機5をフリーランさせる。d−q変換器24のq軸電圧
の大きさVqfから瞬時停電判断回路34で誘導電動機5
の残留電圧の有無を判断する。すなわち、d−q変換の
q軸電圧のある基準値Vq0から電圧が小さいときは残留
電圧がないと判断し、大きいときは残留電圧があると判
断する。いま、残留電圧がないと判断したときは、スイ
ッチ35を”H”にし、ゲートサプレス回路22を解除
し、同期投入回路16を有効にして同期投入モードを実
施する。また、残留電圧があると判断したときは、スイ
ッチ36、37を”ON”にし、位相同期部9を有効に
し、位相同期モードに切り換える。
【0009】次に、本実施形態を詳細に説明する。図2
は、角速度指令部11の詳細ブロック図である。図1の
瞬時停電検出回路33で瞬時停電が確認され、瞬時停電
判断回路34で誘導電動機5の残留電圧なしと判断され
た場合について説明する。図2において、11−1は電
動機の定格周波数Fdefの設定部、11−2は定格周波
数の1周期の時間幅Tdef(1/Fdefで求まる。)の設
定部、11−3は制御部8のサンプリング時間Tsの設
定部、11−4は1周期のサンプル回数Nsnpの演算部
であり、(数1)式で演算する。11−5は正弦波を発
生させるための電気角360度を表現するテーブル数N
tbの演算部、11−6は定格角速度ωdefの演算部であ
り、サンプル回数Nsnpとテーブル数Ntbから(数2)
式を用いて演算する。
【数1】
【数2】 11−7は電動機が定格周波数Fdefまで加速する加速
時間Taまたは減速時間−Taの演算部、11−8は定格
周波数Fdefまで加速するサンプル回数Nsnaの演算部で
あり、サンプリング時間Tsと加速時間Taから(数3)
式を用いて求める。11−9は加速角速度ωaおよび減
速角速度−ωaの演算部であり、定格角速度ωdefとサン
プル回数Nsnaから(数4)式を用いて求める。
【数3】
【数4】 11−10は加速角速度積算器および減速角速度積算器
であり、サンプリング時間Ts毎に加速角速度ωaまた
は減速角速度−ωaを積算する。すなわち(数5)式を
用いて過渡時角速度ωtrnを演算する。11−11は比
較器であり、加速モードか定常モードを判定し、角速度
指令ω1を出力する。すなわち、ωtrn<ωdefの間は加
速モードであり、(数6)式を使用し、ωtrn≧ωdefに
なれば、定常モードとなり、(数7)式を使用する。
【数5】
【数6】
【数7】 11−12は同期投入モード指令、11−13は同期投
入積算器であり、詳細は後述する。11ー14は位相同
期モード指令であり、瞬時停電時に誘導電動機5に残留
電圧がある時、位相同期部9からの出力ωsphを得て
角速度指令ω1を生成する。詳細は後述する。
【0010】図3は、図2の11−1から11−6まで
のブロックにおいて作られた定格角速度ωdefから正弦
波を発生する状態を示す。図3−1はサンプリング時間
Ts毎に定格角速度ωdefを積算して位相θを作る。積
算された位相θは図3−2に示すように正弦波テーブル
数Ntbに達したらクリアする。この動作を繰り返せば、
図3−1のように位相θは鋸歯状波となる。図3−2の
テーブルは電気角360度をNtb分割して正弦波データ
を入れておく。位相θはテーブルのアドレスに相当する
ので、サンプリング毎に図3−1の位相θが示す値から
テーブルのアドレスを選択し、そこのデータを引き出せ
ば、図3−3の正弦波(SINθ)が得られる。また、
位相θに対して90度に相当したアドレスを加算してデ
ータを引けば、余弦データが得られ、余弦波(COS
θ)が得られる。
【0011】図4は、図2の11−7から11−11ま
でのブロックにおいて過渡時角速度ωtrnを得る状態を
示す。加速時間Ta(10秒間加速)、定格周波数Fde
f(50Hz)までとしたとき、過渡時角速度ωtrnは加
速時間Ta間、サンプリング時間Ts毎に加速角速度ω
aを加算して得られる様子がわかる。V1nはV/F一定
制御におけるVに相当する電圧を表す。
【0012】図5は、定常モードと加速モードを決定す
るPAD図である。過渡時角速度ωtrnと定格角速度ωd
efを比較し、ωtrn≧ωdefの条件を満たせば、定常モー
ドとなり、条件を満たさなければ、加速モードとなる。
定常モードの時は定格角速度ωdefを用い、(数7)式
で角速度指令ω1を出力する。加速モードの時は(数
5)式を用いて演算し、(数6)式で角速度指令ω1を
出力する。
【0013】また、図1の同期投入回路16において、
同期投入モードの信号すなわち補正角速度ωsuを角速度
指令部11に出力したとき、角速度指令部11は図2の
同期投入モード11−12を駆動し、同期投入演算部1
1−13で(数8)式を用いて過渡時角速度演算ωtrn
を行う。この過渡時角速度演算ωtrnは加速時に使用し
たものと同じであり、角速度指令ω1は(数8)式を使
用し、減少させる。詳細は同期投入回路16(図7)に
おいて説明する。
【数8】
【0014】図1において、A/D変換器12は、電動
機交流のアナログ値の瞬時電流iu、iv、iwをサン
プルホールドし、ディジタル値に変換する。変換された
ディジタル値の3相電流を電流変換器13において(数
9)式により2相のα−β軸に変換し、(数10)式を
用いて回転子座標であるd−q軸変換する。図6(a)
に(数9)式、(数10)式の関係つまり電動機の3相
交流電流とトルク電流および励磁電流の電流ベクトル
図、図6(b)に電動機の3相交流電圧とトルク電圧お
よび励磁電圧の示すベクトル図を示す。変換された励磁
成分Idfとトルク成分Idqから(数11)式を用い
て電動機5のすべり角速度ωsを求める。
【数9】
【数10】
【数11】 ただし、Ksは電動機の励磁リアクタンスLSと2次抵抗
r2から求まる。角速度指令ω1は周波数指令であり、
誘導電動機5はω1よりすべりωsだけ遅い回転数で回
転している。加算器15によりω1とωsを加算して駆
動角速度ωdrとなる。このため、誘導電動機5は角速度
指令部11より指令された角速度ω1に近い回転数で駆
動する。駆動角速度ωdrは(数12)式で表される。
【数12】
【0015】図7は、同期投入回路16と角速度指令部
11と位相同期部9の関係のブロック図を示す。図8
は、トルク電流成分Iqfと、同期投入設定電流値Ies、
投入許可電流Ipeおよび定格電流Irefの関係図であ
り、トルク電流成分Iqfの+領域は力行モード、−領域
は回生モードとなる。図9は、力行時のトルク電流の時
間的経過をもとに同期投入動作を説明する動作説明図で
ある。図10は、加速状態、定常状態、同期投入状態を
説明するための時間に対する動作説明図である。図11
は、角速度指令部11が定常モード、加速モード、同期
投入モードを選択するためのPAD図である。
【0016】いま、瞬時停電等で誘導電動機5がインバ
ータ4から切り離され、フリーラン状態で回転数が低下
したと仮定する。誘導電動機5の残留電圧がない状態で
インバータ4の角速度指令ω1として定格角速度ωdef
を選択する。この時インバータ4の角速度指令ω1と誘
導電動機5の回転している角速度がずれているので、電
動機電流Iqfは大きな値となる。その様子を図9で説明
する。 (1)誘導電動機5がインバータ4から切り離され、フ
リーラン状態で回転数が低下したと仮定する。この状態
でインバータ4の角速度指令ω1として定格角速度ωde
fをセットする。 (2)図1の電流変換器13は電動機電流を回転座標軸
d−q軸に変換し、同期投入回路16ではこのトルク電
流成分Iqfを取り込む。図7においてq軸電流16−1
でトルク電流成分Iqfを取り出し、同期投入設定電流I
es16−2とサンプリング時間毎に比較し、トルク電流
成分Iqfが同期投入設定電流Iesより大きくなった時点
で同期投入モードに入る。 (3)同期投入処理部16−5は後述する比例・積分制
御を行い、同期投入処理を行って補正角速度ωsuを出力
する。角速度指令部11の同期投入積算器11−13で
は補正角速度ωsuを受けて、(数8)式を使用し、過渡
時角速度ωtrnの演算を行う。比較器11−11は(数
6)式を使用して、角速度指令ω1を出力する。このと
き角速度指令ω1は同期投入処理部16−5の比例・積
分演算に従い、1次遅れの要素を含んで小さくなり、誘
導電動機5が回転している角速度に近づく。すなわち、
図10のに示すように角速度指令ω1は定格角速度ωd
efから誘導電動機5の回転子が回転している角速度に高
いところから近づいていき(下側の矢印)、ほぼ一致す
ると、誘導電動機5のトルク電流成分Iqfは減少する。
比較器16−4はトルク電流成分Iqfと同期投入許可電
流Ipe16−3と比較し、トルク電流成分Iqfが同期投
入許可電流Ipeより小さくなった時点で加速モード
に切り替える。 (4)同期投入処理を終了すると、補正角速度ωsuと
同期投入積分項(後述する。)を零にする。この点は、
図10に示すように、過度時角速度ωtrnは定格角速度
ωdefより小さくなっているので、角速度指令部11で
は加速モードに入り、前述したように加速角速度ωa
で加速する。 (5)そして、誘導電動機5に与える過渡時角速度ωtr
nが定格角速度ωdefまで上昇すると、定常モードに入
る。
【0017】同期投入処理部16−5を詳細に説明す
る。図7、図8、図9、図10を参照する。トルク電流
成分Iqfが同期投入設定電流Iesより大きくなった時点
からトルク電流成分Iqfと同期投入許可電流Ipeの偏差
より比例・積分制御を行う同期投入偏差εpeは(数1
3)式で求める。同期投入積分項Isynは(数14)式
で求める。また、補正角速度ωsuは(数15)式で求め
る。
【数13】
【数14】
【数15】 ここで、Isyn:同期投入積分項 Isy(n-1):1サンプリング前の同期投入積分項 Kipe:同期投入積分定数、Kppe:同期投入比例定数で
ある。
【0018】図1において、積算回路17は、駆動角速
度ωdrを(数16)式で積算することにより位相θを求
める。図3に示したように電気角で360度分の正弦波
のデータをNtbのテーブルに分割して格納する。この
時、位相θはサンプリング毎に駆動角速度ωdrを積算し
ていき、θの値がテーブル数Ntbになったとき、θを
零にクリアすれば、図3に示すような鋸歯状が得られ
る。また、位相θは正弦波テーブルのアドレスに当た
り、サンプリング毎に求めた位相θでテーブルを引け
ば、0から360度までの正弦波を連続して得ることが
できる。
【数16】 ここで、ωdrnは(数12)式に示した駆動角速度ω
drの積算値と等しい。また、ωdr(n−1)は前回
の駆動角速度ωdrの積算値である。
【0019】図11は、角速度指令部11における加速
度演算、定常演算、同期投入演算を行うためのPAD図
である。まず、(1)、(2)、(3)、(4)は定常
モードと加速モードと、同期投入モードの判定を行う。
すなわち、同期投入フラグIESFLGの値の”1”をチェ
ックし、”1”がある時は何もせずに(5)に飛ぶ。無
いときは過渡時角速度ωtrnと定格角速度ωrefの大きさ
の比較を行い(2)、過渡時角速度ωtrnが大きくなる
と、定常モードを実施し(3)、過渡時角速度ωtrnが
小さい間は加速モードを行う(4)。次に、(5)、
(6)では同期投入モードに入るかどうかをトルク電流
成分Iqfと同期投入電流Iesの大きさの判定を行い、ト
ルク電流成分Iqfが大きくなったときはYESで(6)で
同期投入フラグIESFLGを”1”にし、フラグを立て
る。NOのときは何もせず(7)に飛ぶ。続いて、
(7)、(8)、(9)、(10)、(11)は同期投
入モードの処理を行う。再度、同期投入フラグIESFLG
の値の”1”があるかどうかチェックし(7)、有れ
ば、YESで(8)に飛び、同期投入終了判定を行い、
無いときは何も行わず(12)に飛ぶ。(8)でトルク
電流成分Iqfと同期投入許可電流Ipeを比較し、トルク
電流成分Iqfの方が小さくなれば(9)に飛び、同期投
入フラグIESFLGに”0”をかき、クリアする。さら
に、補正角速度ωsuと同期投入積分項を零クリアし、同
期投入を終了して、(12)に飛ぶ。トルク電流成分I
qfが同期投入許可電流Ipeより大きいときは(10)に
飛び、同期投入モードを実施する。すなわち、(数1
3)式で同期投入偏差εpe、(数14)式で同期投入積
分項Isyn、(数15)式で補正角速度ωsuを求める。
さらに、(11)では(数8)式を用いて過渡時角速度
演算ωtrnを行う。最後に、(12)と(13)で位相
θと電圧補正V1の演算を行う。そして、終了する。
【0020】図1において、磁束電流指令部18には、
予め誘導電動機5に相当した励磁電流Id*を設定してお
く。電動機定数回路19においてr1は1次換算抵抗
値、Lσは1次換算インダクタンス、L1は1次インダ
クタンである。これらの定数と磁束電流Id*、駆動角速
度ωdr、電動機のトルク成分Iqfより(数17)、(1
8)式より電圧トルク成分V1qと電圧励磁成分V1dを求
める。
【数17】
【数18】 ベクトル算部20では、電圧トルク成分V1qと電圧励磁
成分V1dから(数19)式でα−β逆変換し、(数2
0)式で2相電圧から3相電圧Vum,Vvm,Vwmを求め
る。
【数19】
【数20】 PWM発生回路21では、ベクトル演算部20において
演算した値Vum,Vvm,Vwmと三角波と比較してPWMパ
ルスを作る。すなわち、3相インバータの半導体素子の
U相の上アームTu、下アームTxとV相の上アームT
v、下アームTyとW相の上アームTw、下アームTzにP
WMパルスを供給して所定の周波数、電圧をつくり、誘
導電動機5を駆動する。
【0021】以上、本実施形態は、電動機の定格周波数
Fdef、演算のためのサンプリング時間Ts、3相正弦
波を作るテーブルのテーブル数Ntbから定格角速度ωde
fを作り、また、この定格角速度ωdefと要望される加速
時間Taから加速角速度ωaを演算し、サンプリング時
間Ts毎に加速角速度ωaを演算して過渡時角速度ωtr
nを作り、定格角速度ωdefと過度角速度ωtrnを比較
し、過渡時角速度ωtrnが定格角速度ωdefより小さい時
は過渡時角速度ωtrnを用いて誘導電動機5を加速し、
過渡時角速度ωtrnが定格角速度ωdefより大きくなった
時は定格角速度ωdefを用いて定常運転に入るように誘
導電動機5を制御する。また、本実施形態では、瞬時停
電時の電動機の再投入に関して、誘導電動機5に残留電
圧がない場合、角速度指令ω1を定格角速度ωdefに一旦
設定し、電動機のトルク電流成分Iqfを検出し、トルク
成分電流Iqfが同期投入設定電流Iesより大きくなった
時点から同期投入モードに入り、トルク電流成分Iqfと
同期投入許可電流Ipeの偏差が零になるように比例積分
制御を行い、補正角速度ωsuを作り、過度角速度ωtrn
から補正角速度ωsuを減算することにより、誘導電動機
5に加える電圧と周波数を小さくする。すなわち、同期
投入処理16−5の比例積分定数に従い、1次遅れ効果
で角速度指令ω1を減少させ、素早く、角速度指令ω1
が誘導電動機5の回転子が回転してる角速度に近づく
と、トルク成分電流Iqfが同期投入設定電流Iesより小
さくなり、その点で誘導電動機5を定格角速度ωdefま
で上昇する加速モードに移行する。このようにして、本
実施形態では、瞬時停電時に誘導電動機を再投入すると
き、制御部8が指令する角速度を迅速に誘導電動機5が
回転してる角速度に一致させるので、スムーズに同期投
入が可能となり、過電流を防止することができる。その
後、規定の加速角速度で誘導電動機を加速し、定常運転
に復帰させる。
【0022】次に、瞬時停電時の電動機の再投入に関し
て、誘導電動機5に残留電圧がある場合について説明す
る。図12は、位相検出の原理説明図である。いま、3
相電源のU相電圧Vus39、V相電圧Vvs40、W相電
圧Vws41を3相2相変換器23で(数21)式を用い
て2相電圧Vα、Vβに変換する。さらに、d−q変換
器24で(数22)式を用いて回転軸座標d−q軸に変
換する。
【数21】
【数22】 同期減算器26は、零値指令25からd−q変換器24
の出力d軸電圧Vdfを減算して偏差εphを求める。演算
式は(数23)式を用いる。
【数23】 同期積分演算器27では積分演算Iphnを(数24)式
を用いて演算する。また、同期比例演算器28では比例
演算Pphnを(数25)式を用いて演算する。(数2
6)式は比例と積分結果を加えた出力ωsphである。
【数24】
【数25】
【数26】 同期加算器29は、基準角速度38の出力ω0と比例積
分結果ωsphを加算する。その出力は(数27)式のω
1で表される。
【数27】 同期積算器30は、同期加算器29の出力ω1をサンプ
リング時間毎に積算して、(数28)式を用いて位相θ
phを得る。
【数28】 (数22)式の正弦波信号sinθと余弦波信号cosθは
(数28)式の結果を用い、正弦波、余弦波テーブル3
1から正弦波信号sinθphと余弦波信号cosθphを使う。
ここで、零値指令25と計算されたd軸電圧Vdfの偏差
が零になるように比例積分制御を行い、その結果をd−
q軸変換24にフィードバックして制御ループを作る。
減算器26の結果が限りなく零に近づくと、d軸電圧V
dfは限りなく零に近づき、q軸電圧Vqfは”1”に近づ
く。この時電源Vusの位相とθphは限りなく一致する。
【0023】図13は、図12の原理図の動作タイムチ
ャートである。図13−1の実線はU相の電源電圧Vus
の波形であり、点線は同期積算器30の出力θphを(数
19)式のθに代入し、(数20式)で3相電圧を生成
したときの電圧Vumに相当する(図12には説明な
い。)。図13−2の縦軸は電源Vusの角速度ωsをサ
ンプリング時間毎に加算したものであり、横軸は角速度
の加算結果を位相θsに換算したものである。図13−
3の縦軸は、(数27)式に示すように、図12の基準
角速度ω0と比例積分結果ωsphを加算した角速度ω1
をサンプリング時間毎に加算したものであり、横軸は角
速度ω1の加算結果を位相θphに換算したものである。
角速度ω1の加算量は1周期分2πに相当した値でクリ
アされる。図13は電源電圧による角速度の加算量の零
点と図12の位相検出による加算量の零点や角速度の値
が異なっている場合の波形である。図12で電源電圧V
us39、Vvs40、Vws41を3相2相変換器23で
(数21)式を用いて3相2相変換し、d−q変換器2
4で(数22)式をd−q変換するとき、(数22)式
の位相θに電源位相θsを代入すれば、3相電源電圧が
平衡していれば、Vqfをユニット単位で表せば’1’、
Vdfは’0’になるが、図12おいて始動時、同期積分
演算27、同期比例演算28は零から始まるので、任意
に決めた値、例えば50Hzに相当したω0のみが適当
な位相θphから始まる。この電源位相θsと異なった位
相θphを(数22)式の位相θに代入すれば、Vqf<1
になり、Vdfは有限の値になる。図6(b)は3相電圧
をd−q軸に変換したときの電圧ベクトル図である。図
12の同期積分演算器27と同期比例演算器28はd軸
電圧Vdfが零になるように比例積分制御を行うことにな
る。最終的に(数27)式のωsphが位相θsとθphの
偏差θpshを補償して有限値となり、Vdfが限りなく零
に近づく。この時ω1は限りなく電源電圧の角速度ωs
に近づく。
【0024】本原理をもとに図1において瞬時停電が発
生し、誘導電動機に残留電圧がある時の動作を説明す
る。電源側の瞬時停電検出回路33で瞬時停電を検出し
たとき、位相同期部9では瞬時停電判断回路34でスイ
ッチ35を”L”側に倒し、ゲートサプレス回路22を
有効にして誘導電動機5をフリーラン状態にした上で誘
導電動機5の電圧を変圧器(PT)7を介して検出す
る。3相2相電圧変換器23では(数21)式を用いて
Vα、Vβを演算し、d−q変換器24では(数22)
式を用いてVdf、Vdqを演算する。瞬時停電判断回
路34ではd−q軸変換器24のq軸電圧Vqfの大きさ
を判断し、Vqfの大きさがある基準値Vq0より大きいと
きは誘導電動機5に残留電圧があるものと判断し、スイ
ッチ36、37の”ON”側を選択して角速度指令部1
1と接続する。一方、同期減算器26は零値指令25と
d−q軸変換器24のd軸電圧Vdfから(数23)式を
用いて偏差εphを求め、同期積分演算器27で(数2
4)式を用いて積分演算を行い、同期比例演算28では
(数25)式を用いて比例演算を行う。比例積分加算器
27−1では(数26)式を用いて比例積分結果ωsph
を位相同期部9の出力として角速度指令部11に与え
る。図1の角速度指令部11では図2の位相同期モード
指令11−14をセットする。そして次のことを行う。
(1)角速度指令部11の位相同期演算器11−15で
は過度角速度ωtrnに定格角速度ωdefをセットする。
(2)図1のスイッチ37は比例積分結果ωsphを出力
する。(3)図1のスイッチ36は角速度指令部11の
出力ω1を同期積算回路30に入力する。(4)位相同
期演算器11−15では位相同期角速度計算を(数2
9)式で行う。
【数29】 ここで、ωdefは定格角速度で原理図12の基準角速度
ω0に相当する。角速度指令部11で(数29)式を用
いて演算されたωtrpを位相同期が終了するまで角速度
指令ω1として出力する。位相同期部9ではこのω1を
スイッチ36から取込み、同期積算回路30で(数2
8)式を使用して位相θphを求める。ここで、(数2
9)式で演算した角速度を基準に(数28)式で演算し
た位相θphと誘導電動機のU相の位相が限りなく一致し
てくると、同期減算器26の出力は限りなく零に近づ
く。零近傍検出回路32ではεphが規定値ε0より小さ
くなったことを判断して位相同期終了処理を行う。すな
わち、図12の原理図を図1に展開したとき、基準角速
度ω0は定格角速度ωdefに相当し、比例、積分結果ωs
phは共通、角速度ω1は位相同期モード出力ωtrpに相
当する。続いて、(1)角速度指令部11の(数29)
式のωtrpは位相同期部9の比例積分演算結果ωsphを含
めて受け継ぎ、加速減速積算器11−10のωtrnに代
入し、図10のに示した加速モードに入れる。(2)
図1のスイッチ36、37を”OFF”にし、スイッチ
35を”H”にしてゲートサプレス回路22を解放す
る。(3)インバータ4にゲート信号を供給し、角速度
指令部11では加速モードとする。(4)図2のモード
比較器11−11では過度角速度ωtrnが定格角速度ωd
efに達成したことを判断する。(5)定常モードに復帰
させ、瞬停電処理を終了する。
【0025】図14は、瞬時停電時の各モードの選択状
況を示すPAD図である。瞬時停電を検出すると、ゲー
トサプレスを行う。電動機に残留電圧がない場合、角速
度指令を定格角速度ωdefに設定する。続いて、ゲート
サプレスを解除し、同期運転モードに入る。角速度指令
が定格角速度ωdefに達するまで、加速モードとする。
角速度指令が定格角速度ωdefに達したとき、定常運転
モードに復帰させ、瞬停電処理を終了する。一方、電動
機に残留電圧がある場合、角速度指令を定格角速度ωde
fに設定する。次に、電動機位相と位相同期部の位相が
一致するまで位相同期モードに入る。続いて、ゲートサ
プレスを解除し、角速度指令が定格角速度ωdefに達す
るまで、加速モードとする。角速度指令が定格角速度ω
defに達したとき、定常運転モードに復帰させ、瞬停電
処理を終了する。
【0026】図15は、本発明の他の実施形態を示す。
誘導電動機をインバータで加速し、商用周波数の角速度
に達した点で電源側に投入するときの角速度と位相合わ
せについて説明する。図中の番号は図1と同一のものは
同じ働きをする。42は電源側の電圧を検出するための
変圧器、43は商用投入判断回路、44は誘導電動機5
をインバータ4側に接続するか、電源1側に接続するか
を切り替える遮断器である。始動時、位相同期部9を不
感とするため、スイッチ35は”H”でゲートサプレス
はしない。スイッチ36、37は”OFF”にする。角
速度指令部11は図2の11−1から11−11のブロ
ックを用いて加速モードで加速し、定格角速度ωdefに
達した点でスイッチ36、37を”ON”にし、位相同
期モード11−14に投入する。位相同期部9では電源
側の電圧Vus、Vvs、Vwsを変圧器42で検出し、3相
2相電圧変換器23で(数21)式を用いてVα、Vβ
を演算し、d−q変換器24で(数22)式を用いてd
軸電圧Vdf、q軸電圧Vdqを演算する。一方、同期減算
器26は零値指令25とd−q軸変換器24のd軸電圧
Vdfから(数23)式を用いて偏差εphを求め、同期積
分演算器27で(数24)式を用いて積分演算を行い、
同期比例演算28で(数25)式を用いて比例演算を行
う。同期加算器27−1では(数27)式を用いて位相
同期部9の出力ωsphを演算する。図2において角速度
指令部11では位相同期モード指令11−14にセット
してある。すなわち、(1)角速度指令部11の角速度
を定格角速度ωdefにセットする。(2)スイッチ37
から同期比例積分結果ωsphを受ける。(3)位相同期
演算器11−14では位相同期角速度計算を(数29)
式で行う。ここで、(数29)式で演算した角速度を基
準に(数28)式で演算した位相θphと電源1のU相の
位相が限りなく一致してくると、同期減算器26の出力
は限りなく零に近づく。零近傍検出回路32ではεphが
規定値ε0より小さくなったことを判断して商用投入判
断回路43から遮断器44に信号を送り、誘導電動機5
をインバータ4から解放する。次に、誘導電動機5を電
源1に接続する。そして、スイッチ35は”L”、スイ
ッチ36,37は”OFF”とし、商用電源投入を完了
する。
【0027】図16は、商用電源投入モードのPAD図
である。誘導電動機5をインバータ4に接続してインバ
ータを起動し、角速度指令部11の角速度指令が定格角
速度ωdefに達するまで、加速モードとする。次に、商
用電源1の位相と位相同期部9の位相が一致するまで位
相同期モードとし、両者の位相が一致すると、誘導電動
機をインバータから切り離す命令を商用投入判断回路4
3より出力し、同期投入スイッチ44を開放する。続い
て、商用電源と電動機を接続する命令を商用投入判断回
路から出力し、同期投入スイッチを商用電源に接続す
る。同時にゲートサプレスを行い、スイッチ36、37
を”OFF”する。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
角速度指令として定格角速度を設定し、この定格角速度
と加速時間に基づいて過度時角速度を作り、定格角速度
と過度時角速度を比較して、過度時角速度が定格角速度
より小さい時は過度時角速度を用いて誘導電動機を加速
し、過度時角速度が定格角速度に達した時、定格角速度
を用いて定常運転に入るようにしたので、誘導電動機に
過電流を流すことなく、また、停止することなく、効率
よくかつスムーズに誘導電動機を駆動することができ
る。また、瞬時停電時の再起動に関して、誘導電動機に
残留電圧がないとき、補正角速度を作り、過度時角速度
から補正角速度を減算した値を角速度指令として、誘導
電動機に加える電圧と周波数を小さくしたので、同期投
入をスムーズに実行することかでき、誘導電動機に過電
流を流すことなく、また、停止することなく、効率よく
誘導電動機を再起動することができる。また、瞬時停電
時の再起動に関して、誘導電動機に残留電圧があると
き、誘導電動機の残留電圧をd−q変換してd軸電圧を
求め、一方、角速度指令として設定した基準角速度に基
づいて位相を算出し、この位相をd−q変換にフィード
バックしてd軸電圧が零になるように比例積分制御を行
い、基準角速度から比例積分制御の結果を減算した角速
度を求め、この角速度と誘導電動機の残留電圧の角速度
を一致させるようにしたので、位相同期投入をスムーズ
に実行することかでき、誘導電動機に過電流を流すこと
なく、また、停止することなく、効率よく誘導電動機を
再起動することができる。また、商用電源に誘導電動機
を投入するとき、角速度指令として定格角速度を設定
し、この定格角速度と加速時間に基づいて過度時角速度
を作り、定格角速度と過度時角速度を比較して、過度時
角速度が定格角速度より小さい時は過度時角速度を用い
て誘導電動機を加速し、商用電源の電圧をd−q変換し
てd軸電圧を求め、一方、角速度指令として設定した基
準角速度に基づいて位相を算出し、この位相をd−q変
換にフィードバックしてd軸電圧が零になるように比例
積分制御を行い、基準角速度から比例積分制御の結果を
減算した角速度を求め、この角速度と商用電源電圧の角
速度を一致させるようにしたので、誘導電動機のインバ
ータから商用電源への切り換えを過電流を流すことな
く、スムーズに実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態
【図2】本発明の角速度指令部の詳細ブロック図
【図3】本発明の定格角速度と正弦波発生の原理説明図
【図4】本発明の定格角速度まで加速するための加速角
速度の説明図
【図5】本発明の定常モードと加速モードの決定を示す
PAD図
【図6】(a)電動機の3相交流電流とトルク電流およ
び励磁電流の関係を示す電流ベクトル図、(b)電動機
の3相交流電圧とトルク電圧および励磁電圧の関係を示
す電圧ベクトル図
【図7】本発明の同期投入時の同期投入回路と位相同期
部と角速度指令部の関係を示す構成図
【図8】本発明のトルク電流と同期投入設定電流、同期
投入許可電流および定格電流の関係図
【図9】本発明の同期投入時の時間に対する同期投入動
作を説明する図
【図10】本発明の同期投入時の時間に対する加速状
態、定常状態、同期投入状態を説明する状態説明図
【図11】本発明の角速度指令部が定常モード、加速モ
ード、同期投入モードを選択するためのPAD図
【図12】本発明の位相検出の原理ブロック図
【図13】本発明の位相検出の原理ブロックの動作タイ
ムチャート
【図14】本発明の瞬時停電モードを実施するためのP
AD図
【図15】本発明の他の実施形態
【図16】本発明の他の実施形態の商用投入モードを実
施するためのPAD図
【符号の説明】
1…交流電源 4…インバータ 5…誘導電動機
8…誘導電動機の制御部 9…位相同期部 10
…周波数指令部 11…角速度指令部 11−1…
電動機定格周波数設定部 11−2…定格1周期時間
設定部 11−3…サンプリング時間設定部 11
−4…1周期サンプル数演算部 11−5…正弦波テ
ーブル数 11−6…定格角速度演算部 11−7
…加速時間設定部 11−8…加速サンプル回数演算
部 11−9…加速角速度および減速角速度演算部
11−10…加速、減速演算器 11−11…モー
ド比較器 11−12…同期投入モード指令部 1
1−13…同期投入積算器 11−14…位相同期モード指令部 12…A/D変
換器 13…電流変換器 14…すべり演算部
15…加算器 16…同期投入回路 17…積算回
路 18…磁束電流指令部 19…電動機定数回路
20…ベクトル演算部 21…PWM演算回路
22…ゲートサプレス回路 23…3相2相電圧変
換器 24…d−q電圧変換器 25…零値指令
26…同期減算器 27…同期積分演算器 27
−1…比例積分加算器 28…同期比例演算器 2
9…同期加算器 30…同期積算回路 31…正弦
波、余弦波テーブル 32…零近傍検出器 33…
瞬時停電検出回路 34…瞬時停電判断回路 35
…第1のスイッチ 36…第2のスイッチ 37…第3のスイッチ 38…基準角速度 43…
商用投入判断回路 44…同期投入遮断器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 純 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 小川 真一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 平10−23780(JP,A) 特開 平8−9682(JP,A) 特開 平7−274588(JP,A) 特開 昭60−156271(JP,A) 特開 平4−145892(JP,A) 特開 平5−68398(JP,A) 特開 昭55−34851(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632 H02P 21/00 H02P 5/00 H02P 6/00 - 6/24 H02M 7/42 - 7/98

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PWMインバータから可変電圧、可変周
    波数の交流電圧を出力して誘導電動機を駆動する制御方
    法であって、前記 誘導電動機の定格周波数、演算のためのサンプリン
    グ時間、3相正弦波を作るテーブルのデータ数に基づい
    て定格角速度を作り、前記定格角速度と加速時間から加
    速角速度を演算し、前記サンプリング時間毎に前記加速
    角速度を積算して過渡時角速度を作り、前記過渡時角速
    度と前記定格角速度を比較し、前記過渡時角速度が前記
    定格角速度より小さい時は前記過渡時角速度を用いて
    誘導電動機を加速する加速モードと、前記過渡時角速
    度が前記定格角速度に達した時は前記定格角速度を用い
    て定常運転に入る定速モードを有すると共に、 前記誘導電動機の残留電圧を3相2相変換し、さらにd
    −q変換してd軸電圧を求め、一方、角速度指令として
    設定した基準角速度からサンプリング毎に積算して位相
    を算出し、前記位相をd−q変換にフィードバックして
    d軸電圧が零になるように比例積分制御を行い、前記基
    準角速度から比例積分制御の結果を減算した位相同期角
    速度を求め、前記位相同期角速度と前記誘導電動機の残
    留電圧の角速度を一致させる位相同期モードを有し、 瞬時停電時の前記誘導電動機の再投入に際して、前記誘
    導電動機に残留電圧があるとき、前記位相同期モードを
    選択し、続いて前記加速モード、前記定速モードを選択
    して定常運転に入る ことを特徴とする誘導電動機の制御
    方法。
  2. 【請求項2】 PWMインバータから可変電圧、可変周
    波数の交流電圧を出力して誘導電動機を駆動する制御方
    法であって、前記 誘導電動機の定格周波数、演算のためのサンプリン
    グ時間、3相正弦波を作るテーブルのデータ数に基づい
    て定格角速度を作り、前記定格角速度と加速時間から加
    速角速度を演算し、前記サンプリング時間毎に前記加速
    角速度を積算して過渡時角速度を作り、前記過渡時角速
    度と前記定格角速度を比較し、前記過渡時角速度が前記
    定格角速度より小さい時は前記過渡時角速度を用いて
    誘導電動機を加速する加速モードと、商用電源の電圧
    を3相2相変換し、さらにd−q変換してd軸電圧を求
    め、一方、角速度指令として設定した基準角速度からサ
    ンプリング毎に積算して位相を算出し、前記位相をd−
    q変換にフィードバックしてd軸電圧が零になるように
    比例積分制御を行い、前記基準角速度から比例積分制御
    の結果を減算した位相同期角速度を求め、前記位相同期
    角速度と前記商用電源の電圧の角速度を一致させる位相
    同期モードを有し、前記 商用電源に前記誘導電動機を投入するとき、前記
    導電動機を前記インバ−タに接続して加速モードにより
    加速し、前記過度角速度が前記定格角速度に達した時、
    前記位相同期モードを選択し、前記商用電源の角速度と
    位相に前記インバータの角速度と位相が一致した時、
    誘導電動機を前記インバータから切り離し、前記商用
    電源に投入することを特徴とする誘導電動機の制御方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記
    角速度指令として設定した基準角速度から比例積分制御
    の結果を減算して求めた位相同期角速度を位相同期が終
    了するまで角速度指令として用いることを特徴とする誘
    導電動機の制御方法。
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