JP3446181B2 - 紙葉類分離繰り出し集積装置 - Google Patents

紙葉類分離繰り出し集積装置

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JP3446181B2
JP3446181B2 JP27880994A JP27880994A JP3446181B2 JP 3446181 B2 JP3446181 B2 JP 3446181B2 JP 27880994 A JP27880994 A JP 27880994A JP 27880994 A JP27880994 A JP 27880994A JP 3446181 B2 JP3446181 B2 JP 3446181B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、搬送ローラを回転させ
ることにより、紙幣等の紙葉類を一枚ずつ集積室内へ放
出させて、該集積室内の底板内に順次集積させる集積機
能と、該集積させた紙葉類を一枚ずつ分離して繰り出す
繰り出し機能を有する紙葉類分離繰り出し集積装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】図14はこの種の紙葉類分離繰り出し集
積装置の従来例の概略側断面図、図15は同従来例の紙
葉搬送中の要部を示す概略斜視図である。図で示すよう
に、二つの搬送ローラ1,2間に搬送ベルト3が張設さ
れ、更にこの搬送ベルト3に別個に二つの搬送ローラ
4,5間に張設された搬送ベルト6が上方より圧接され
ている。そして上記二本の搬送ベルト3,6を互いに圧
接して成り、紙幣等の紙葉Pを挟持圧送する搬送部7
は、前方、即ち紙葉搬送方向に向かって適宜な位置に複
数、例えば二つ設けられる。
【0003】27はセンサであり、紙葉Pの有無を検出
するために適宜な位置に設けるもので、例えば、一対の
発光ダイオードと受光トランジスタとで構成し、例え
ば、二つ設ける。上記下側の搬送ベルト3を張設させた
搬送ローラ1,2のうち、前方の搬送ローラ1の軸8の
一端には、図16に示すように、プーリ33およびベル
ト34を介してモータ35が固定されており、前記二つ
の搬送ローラ1の外側には、一つずつ押下ローラ9が固
定されている。
【0004】この押下ローラ9の直径は搬送ローラ1の
直径より小さい。またその周壁9aには、ポリウレタン
ゴム等の可撓性を有する材料により形成された一片の押
下片10が凸設されている。この押下片10には、搬送
ローラ1の紙葉Pを搬送させる回転方向に対して反対の
方向へ湾曲させることにより押下部10aが形成されて
いる。押下部10aは、後述の様な作用を為すべき適宜
な長さを有するとともに、搬送ローラ1の周壁1aの外
側に位置する。
【0005】上記押下ローラ9と同軸の搬送ローラ1の
直径は次のように設定される。即ち搬送ローラ1を回転
することにより上記搬送ベルト3,6の搬送部7で搬送
される紙葉Pの先端が、ある点を通過してから次の紙葉
Pの先端が同一点を通過するまでの一搬送ピッチ間に、
搬送ローラ1が二回転以上する様に、換言すればこの搬
送ローラ1と一体的に回転する上記押下ローラ9が二回
転以上する様に設定される。
【0006】例えば、紙葉Pの搬送方向の長さを76m
m、前後の紙葉Pの間隔を120mm、搬送ローラ1の
直径を20mmとした場合には、搬送ベルト3の厚さを
考慮に入れると、一搬送ピッチ間に押下ローラ9が約三
回転することになる。上記搬送ローラ1及び押下ローラ
9の前方には、集積室11が設けられている。この集積
室11は、前板12,後板13,上板14及び底板15
により形成されている。
【0007】16はピックアップローラで、外周の一部
に紙葉Pに対しその繰り出し,搬送のために充分な摩擦
力を有した高摩擦部材17を有している。このピックア
ップローラ16はシャフト18に所定の間隔で2個固定
されていて、前記底板15上に集積された紙葉P上に配
置されている。なお、底板15は図示せぬ駆動機構によ
り、集積時は集積室11内に集積された紙葉Pの最上部
の位置がほぼ一定となるように下降し、紙葉Pを分離す
る時は、紙葉Pの最上部の位置が前記ピックアップロー
ラ16に圧接するように上昇する。
【0008】19は繰り出しローラで、前記ピックアッ
プローラ16と同様に外周の一部に紙葉Pに対しその繰
り出し,搬送のために充分な摩擦力を有した高摩擦部材
20を有している。この繰り出しローラ19は、前記シ
ャフト18と対向して設けられたシャフト21に2個所
定の間隔で固定されており、前記前板12上に位置する
ように集積室11の先端側に配置されている。
【0009】22は前記繰り出しローラ19と対向配置
される分離ローラである。この分離ローラ22は前記前
板12の側に位置し、シャフト23に、前記繰り出し
ローラ19と同間隔となるように取り付けられており、
前板12に設けられた透孔から外周一部が上面側に突出
している。24は前記シャフト21の端部に取り付けら
れたプーリ、25はこのプーリ24と対応するようにシ
ャフト18に取り付けられたプーリ、26は前記両プー
リ24,25に巻き掛けられたベルトである。
【0010】シャフト21の他端には、モータ35の場
合と同様にして図示しないモータが固定されており、該
モータがシャフト21をB方向に回転させると、これに
よりシャフト21と一体に繰り出しローラ19とプーリ
24が矢印B方向に回転し、この回転しているプーリ2
4からベルト26を介してプーリ25に回転力が伝達さ
れ、これによりシャフト18と一体にピックアップロー
ラ16が繰り出しローラ19に連動して矢印B方向に回
転する。
【0011】一方、前記分離ローラ22とシャフト23
との間には図示しないワンウエイクラッチが設けられ、
矢印Cで示したように紙葉Pを集積室11側へ押し戻す
方向にのみ回転するようにしてあり、かつこの分離ロー
ラ22に紙葉Pに対する摩擦力はピックアップローラ1
6および繰り出しローラ19における高摩擦部材17,
20の紙葉Pに対する摩擦力よりも小さく設定されてい
る。
【0012】図17,図18は同従来例の集積時の動作
を示す概略側断面図であり、以下に同従来例の集積時の
動作を図14,図17,図18を用いて説明する。ま
ず、紙葉の集積においては、図14に示すように、搬送
ローラ1を前記モータ35により矢印A方向に回転させ
て上記搬送ベルト3,6を走行させると、後方から送り
込まれた紙葉Pは搬送部7で挟持圧送される。なお、搬
送ローラ2は矢印A方向に回転し、搬送ローラ4,5は
矢印A方向と逆向きの矢印H方向に回転する。
【0013】この時、上記押下片10の押下部10aは
圧送される紙葉Pに、叩くことなく当接するとともに、
撓んだ状態で搬送ローラ1の周壁1aとほぼ同一円周上
を回転する。即ち、押下片10の押下部10aは、ジャ
ムを起こさせる様な強い力で紙葉Pを押圧することな
く、また当接する際に騒音を発生させることもなく、紙
葉Pに添って搬送ベルト3,6と共に搬送力を与えてい
る。
【0014】そして、図17に示すように、搬送ベルト
3,6により搬送された紙葉Pは、搬送部7から集積室
11内へ放出される。その際、押下ローラ9が搬送され
る紙葉Pに対して上述のように回転しており、しかも押
下片10が可撓性を有する為に、押下片10の押下部1
0aは撓んだ状態から復元して、放出される紙葉Pの後
端部Paに圧接し、その紙葉Pの後端部Paを押下する
ことになる。この押下片10の押下部10aが紙葉Pの
後端部Paに圧接する際、その上面を叩くことがない為
に、騒音を発生させることはなく、又紙葉Pを傷付ける
こともない。
【0015】更に、上述の如く押下された紙葉Pの後端
部Paは、図18に示す様に、回転する押下片10の押
下部10aとの摩擦により後方へ引かれて、後板13に
当接される。これにより、集積室11内へ放出された紙
葉Pは、後板13に片寄せられた状態で底板15上に整
然と順次集積されていく。そして底板15は、集積され
た紙葉Pの嵩の増加に伴って上述の如く徐々に降下して
いく。
【0016】そして、センサ27が最終紙葉PL の通過
を検出してから、t秒後にシャフト8に固定されている
前記モータ35を停止させる。上記tの値は、少なくと
も紙葉の後端がセンサ2を通過してから先に集積され
ている紙葉P上に到達するまでの時間が必要である。図
19は同従来例の分離繰り出し時の動作を示す概略側断
面図であり、以下に同従来例の分離繰り出し時の動作
を、図19を用いて説明する。
【0017】分離繰り出しにおいては、図示しない駆動
機構により底板15を上昇させ、底板15上の紙葉Pの
最上部をピックアップローラ16に圧接する。集積室1
1に堆積された紙葉Pを繰り出して給送するため、図示
しない制御回路からの信号によりシャフト21の一端に
取り付けられた図示せぬモータを回転させると、シャフ
ト21と一体に繰り出しローラ19とプーリ24が回転
し、このプーリ24の回転がベルト26を介してプーリ
25に伝達され、シャフト18と一体にピックアップロ
ーラ16が回転し、これによりピックアップローラ16
と繰り出しローラ19が矢印B方向に同速度で回転す
る。
【0018】ピックアップローラ16が矢印B方向に回
転して、高摩擦部材17と最上位の紙葉Pが接すると、
高摩擦部材17と紙葉Pとの間に働く摩擦力により、該
紙葉Pは前板12方向に繰り出されて行く。そして、ピ
ックアップローラ16により繰り出された紙葉Pの先端
が繰り出しローラ19に達したときに、該紙葉Pは繰り
出しローラ19の高摩擦部材20と接するようになって
おり、ピックアップローラ16により繰り出された紙葉
Pはさらに繰り出しローラ19と分離ローラ22との間
に挟み込まれ、繰り出しローラ19が矢印B方向に回転
していることにより、紙葉Pと高摩擦部材20との間に
働く摩擦力で矢印D方向の送り力を受ける。
【0019】このとき、ピックアップローラ16によ
り、2枚以上の紙葉Pが繰り出されてしまうと、繰り出
しローラ19に接する最上位の紙葉Pは高摩擦部材20
との間に働く摩擦力により矢印D方向の送り力を受ける
が、分離ローラ22に接する2枚目以降の紙葉Pは、分
離ローラ22は図示しないワンウエイクラッチにより支
持されて矢印C方向にのみ回転するようになっているの
で該分離ローラ22との間に働く摩擦力によりその送り
が止められ、最上位の紙葉Pのみが矢印D方向に送られ
ることになる。
【0020】また、繰り出された紙葉Pが1枚のとき
は、高摩擦部材20との間に働く摩擦力により矢印D方
向の送り力を受けるとともに、同時に分離ローラ22に
よりその送りを止める力が加えられるが、上述したよう
に、この分離ローラ22の紙葉Pに対する摩擦力は、前
記高摩擦部材20の紙葉Pに対する摩擦力よりも小さい
ので、紙葉Pは繰り出しローラ19の矢印B方向の回転
に伴い前板12に沿って矢印D方向に繰り出されて行
く。
【0021】繰り出しローラ19と分離ローラ22によ
り1枚に分離された紙葉Pは、先端が上方に向いて折り
曲げられた前板12に沿って送られ、図示しない処理系
へ搬送される。ここで、前記センサ27の動作について
説明する。正常に上述の集積が行われる場合には、図1
0のタイムチャートに示すように、例えば、紙葉が光り
を遮っている時はONにし、何も光りを遮らない時には
OFFになるようにし、一枚の紙葉が搬送路7を通過す
る毎にON,OFFを繰り返して動作する。
【0022】また、ジャムが発生して紙葉が搬送路7に
止まった場合には、図11に示すように、破線の正常な
状態の時と比べてON状態を長く保持する。以上の2つ
の動作を図示しない制御部が監視してジャムを検知して
いる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の紙葉類分離繰り出し集積装置では、集積室に紙
葉類を集積している時にジャムが発生しても、紙葉類が
集積室に送り込まれつづけ、図20に示すように、紙葉
類は揃わずに雑然として集積室を満たしてしまう。その
ため、紙葉類が搬送部に詰まった状態になり、図11に
示すように、センサONの時間が長くなることでその状
態を感知してジャムを検出し、制御部の指令により次段
の紙葉類の搬送を中止するようにしている。
【0024】このため、ジャム発生時には、多数の紙葉
類が集積室に雑然として溜まってしまい、紙葉類を整然
と集積することができないという問題がある。これによ
り、紙葉類の繰り出し動作を行うことができなくなるた
め、紙葉類分離繰り出し集積装置の無人化稼働やノンス
トップ稼働に対応しずらい問題がある。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記問題を解決するた
め、本発明は、紙葉類を集積する集積室と、紙葉類を搬
送して該集積室にその後部側から放出する搬送部と、前
記集積室に集積した紙葉類を前記集積室の前部側から1
枚ずつ分離して繰り出すローラを備えた紙葉類分離繰り
出し集積装置において、集積時に前記搬送部により放出
される紙葉類の先端が衝突するように集積室の前部側に
設けられ、集積室の前後方向に回動する紙葉ストッパ
と、該紙葉ストッパが前記紙葉類の衝突により押された
とき、該紙葉ストッパが前記紙葉類を前記集積室の後部
側へ押し戻して片寄せするように該ストッパを付勢する
付勢手段と、前記紙葉類先端の衝突により前記紙葉スト
ッパが回動した状態を検出する検出手段と、前記検出手
段により前記紙葉ストッパが回動した状態を検出してい
る時間を監視し、検出している時間が所定の時間以上の
時はジャム発生原因ありと判断する制御部とを設けた
とを特徴とする。
【0026】
【作用】このような構成によると、紙葉ストッパによる
紙葉類の片寄せ動作のときに、紙葉類の集積時にジャム
発生原因となる状態が発生した場合、制御部はジャム発
生原因ありと判断することができる。
【0027】
【実施例】以下に図面を参照して本発明の実施例を説明
する。なお、本実施例において、従来と同一の部分は同
一の符号で示し、その説明を省略する。図1は本発明の
一実施例を示す概略側断面図、図2は要部概略正面図で
ある。
【0028】図において、28は紙葉ストッパで、前板
12の透孔部から集積室11内側に入り込ませて前記搬
送部7と対向して取り付けてあり、前板12の外側に設
けた軸29を支点として回動するようにし、軸29とは
反対側端に形成した係止片31により前板12の透孔部
に係止し、圧縮コイルスプリング30により集積室11
内側に向けて付勢して静止するようにしてある。
【0029】なお、この紙葉ストッパ28の静止位置
は、紙葉ストッパ28と後板13との幅が紙葉類Pの搬
送方向長さと略同等になるように設定する。また、前記
圧縮コイルスプリング30の付勢力は、搬送部7から放
出される紙葉類が前記紙葉ストッパ28に衝突した場合
に、この紙葉ストッパ28が動く大きさに設定する。す
なわち、該付勢力が、紙葉類のもつ運動エネルギよりも
小さくして、紙葉類により紙葉ストッパ28を回動する
ように設定してある。
【0030】さらに、一枚の紙葉類が他の紙葉類の上に
載っている場合に、上の紙葉類を動かしたときに他の紙
葉類との間で生ずる摩擦力よりも大きくなるように設定
して、一枚の紙葉類を動かして集積室11内に片寄せす
るようにする。このように、紙葉類の運動エネルギより
も小さく、かつ、紙葉類同志の摩擦力よりも大きくなる
ように付勢力を設定する。
【0031】32はマイクロスイッチであり、前記紙葉
ストッパ28と対向して集積室11の内側に向けて設
け、紙葉ストッパ28の回動によりON,OFFするよ
うにしてある。例えば、図1に示す状態でOFF、図3
に示す状態でONとなるようにする。上述の紙葉ストッ
パ28等は、前板12にいくつ設けてもよいが、例え
ば、図2に示すように、2つ設ける。以下、この場合を
想定して説明する。
【0032】次に、上述の紙葉類分離繰り出し集積装置
が正常に集積を行っている場合を説明する。図3は正常
な集積動作を示す説明図、図4は正常な片寄せを示す説
明図、図5はジャム発生の様子を示す説明図、図6はジ
ャム発生時の様子を示す説明図、図7はジャムを取り除
く様子を示す説明図、図8は集積を制御する紙葉分離集
積制御部のブロック図、図9は集積制御を説明するフロ
ーチャート、図10は搬送部の紙葉類を監視するセンサ
のタイムチャート、図11は搬送部の紙葉類を監視する
センサがジャムを検出したときのタイムチャート、図1
2はマイクロスイッチの切り換えの様子を示すタイムチ
ャート、図13はマイクロスイッチのジャム発生時の様
子を示すタイムチャートである。
【0033】従来の場合と同様にして前記搬送によ
搬送されてきた紙葉類Paは、集積室11に放出され
て、図3に示すように、この時の勢いで前記紙葉ストッ
パ28を押し、この紙葉ストッパ28を集積室11の外
側に向けて矢印E方向に回動させる。この動作に続け
て、図4に示すように、紙葉ストッパ28は、圧縮コイ
ルスプリング30の付勢力により、矢印F方向に回動し
て紙葉類Paを押す。そして、従来例で説明した押下片
10の作動と共に、紙葉類Paを片寄せて、後板13側
に揃える。
【0034】以上動作を最終紙葉になるまで繰り返して
紙葉類を集積し、前記紙葉ストッパ28が最終紙葉にな
るまで何度も紙葉を叩くので、紙葉類も整然と揃いやす
くなる。また、この間、紙葉ストッパ28の作動によ
り、マイクロスイッチ32がON,OFFをしており、
ON,OFFに応じた信号を後述する紙葉類分離集積制
御部40に送っている。
【0035】前記信号は、図12のタイムチャートに示
すように、前記紙葉ストッパ28がマイクロスイッチ3
2を押して時間t1 だけONにし、紙葉ストッパ28が
マイクロスイッチ32から離れて時間t2 だけOFFに
する動作を最終紙葉になるまで繰り返す。なお、センサ
27の動作は、図7に示すように、上述した従来の場合
と同様である。また、底板15が、この紙葉類の嵩の増
加に従って徐々に降下していくのは従来と同様であり、
紙葉類の繰り出し動作も従来と同様であるので説明を省
略する。
【0036】次に、以上の動作中にジャムの原因が発生
する場合に、この原因を検知して、自動復旧する動作を
説明する。図5に示すように、集積室11に放出された
紙葉類Paの後端と押下片10の押下部10aが滑りを
起こし、紙葉類Paの後端が押下されないで、紙葉スト
ッパ28に押し戻され、紙葉類Paの後端が次の紙葉類
Pbの放出口を遮る状態となったときにジャムの原因に
なる。
【0037】つまり、紙葉類Paは、正常に集積室11
に送り込まれた場合と同様に、紙葉ストッパ28を押し
てマイクロスイッチ32をONにする。その後に、紙葉
ストッパ28に押されて片寄せられるが、紙葉類Paの
後端が押下部10aと滑りを起こして押下されないため
に放出口近傍で紙葉類Paの後端が次の紙葉類Pbの放
出口を遮る状態となる。
【0038】すると、図6に示すように、次の紙葉類P
bの先端が紙葉類Paの後端にぶつかり、再び紙葉類P
aがマイクロスイッチ32をONにする。だが、紙葉類
PaはPbにより後ろから押されているため、紙葉スト
ッパ28の持つ付勢力では紙葉類Paを片寄せすること
ができず、この状態を保ちマイクロスイッチ32がON
のままになる。
【0039】このON時間を後述の紙葉類分離集積制御
部40が監視していて、一定の時間(t1+α)以上に
なるとジャム発生と判定することでジャムを検出してい
る。ここで、t1は正常に紙葉類Paが片寄せされると
きのマイクロスイッチ32のON時間であり、αはt1
のばらつきを考慮して適宜設定したものである。なお、
自動復旧を行うには、図1に示すように、センサ27の
位置Lを以下のように設定する必要がある。紙葉類の搬
送速度をV(mm/秒)、紙葉類の搬送方向の幅をL1
(mm)、紙葉類の搬送間隔をδ(mm)とした場合
に、L<L1−V(t1 +α)になるようにする。すな
わち、この式のように位置Lを設定すると、後述するよ
うにマイクロスイッチ32のON時間でジャムを検出し
た時に、先に搬送7より放出された紙葉類の後端に衝
突した次の紙葉類の後端を検出できる。
【0040】前記紙葉類分離集積制御部40(以下、制
御部40と省略する。)は、図8に示すように、紙葉類
の分離および集積動作を制御するもので、前記モータ3
5等のモータを制御するモータドライバ41と、センサ
27の信号を読み取るセンサ読取回路42と、マイクロ
スイッチ32の信号を読み取るスイッチ読取回路43と
から送られてくる信号を基に制御を行う。
【0041】さらに、この制御時に、カウンタ44でマ
イクロスイッチ32のON時間およびOFF時間をそれ
ぞれ計測する。また、後述するが必要に応じて他の時間
の計測も行う。以下、図6に基づいて制御部40の動作
を説明し、また、ジャムを自動除去する自動復旧動作を
図9のフローチャートに従って説明する。
【0042】S1: 制御部40に集積動作の指示が図
示しない上位装置から送られると、モータ35等を正転
する。 S2: 図示しない一時集積部から紙葉類を一枚ずつ繰
り出し、搬送部7まで送り、この搬送部7を通過する紙
葉類があるかいなかをセンサ27で感知して制御部40
へその信号を送っている。この信号の様子は、従来と同
様であり、図10に示すように、一枚の紙葉類が通過し
たときにONになるようにして、紙葉類の存在を感知す
るようにしている。
【0043】S3: 制御部40の指示により、カウン
タ44はマイクロスイッチ32のON時間Tを一枚の紙
葉類毎に計測して、図12のように、その様子をON時
間t1として感知する。 S4: 予め決められた最終紙葉が搬送部7を通過した
かどうかをセンサ27の信号により判定し、最終紙葉の
場合にはS18へ処理を移す。また、最終紙葉でない場
合には、S5に処理を移す。
【0044】S5: マイクロスイッチ32のON時間
t1 で集積が正常に行われるものとした場合に、計測し
たON時間Tが時間t1 よりも大きいかどうかを判定す
る。等しいか小さければ正常に集積が行われたものと判
定して前記S2へ戻り、大きければジャム発生と判定し
てS6へ処理を移す。ここで、上記比較をT>t1 +α
とし、αを考慮してもよい。このαは、t1のばらつき
を考慮して適宜に設定したものである。以下、この比較
式を前提にして説明する。
【0045】S6: モータ35が制御部40からの停
止信号により停止し、S7に処理を移す。 S7: 図7に示すように、モータ35を逆転して搬送
部7にある紙葉類Pbを集積室11側とは反対の矢印G
方向に退避させる。すると、紙葉類Paは、自身の持つ
弾性力により復元し、かつ、紙葉ストッパ28に押され
て、反りのない状態で片寄せられる。このとき、S8に
処理を速やかに移す。
【0046】S8: カウンタ44が、S7と略同時に
カウントを開始する。 S9: センサ27がOFFしたかどうかを判定し、O
FFであれば紙葉類Pbの先端がセンサ27よりもG方
向に戻されたことになり紙葉類Pa,Pbのぶつかりは
完全になくなったと制御部44は判断し、S16へ処理
を移す。また、ONであればS10へ処理を移す。
【0047】S10: 前記S8でカウントを始めた計
数時間が予め上記動作が終わる任意の時間が過ぎたかど
うかを判定し、過ぎていればS11へ処理を移し、過ぎ
ていなければ前記S9に処理を戻す。 S11: モータ35が制御部40からの停止信号によ
り停止し、S12に処理を移す。
【0048】S12: 前記S8でカウントを開始した
カウンタ44をリセットし、S13に処理を移す。 S13: S5からS12までを2回繰り返したかどう
かを確認する。これらの処理を2回繰り返しても、ジャ
ムの原因を除去することができないときには、S5から
S12までの処理では除去できないものと判断し、S1
5に処理を移す。また、2回繰り返していなければ、S
14に処理を移す。なお、S5からS12の繰り返し
は、2回に限らなくても何回でも適宜設定すればよい。
【0049】S14: 制御部44の信号でモータ35
を正転し、前記S5に戻り、再びS12までの処理を行
うようにする。 S15: ジャム発生と判断し、集積動作を異常として
終了し、人手によるジャムの原因の除去を待つ。この場
合に、警報や表示をしてユーザに知らせるようにしても
よい。
【0050】なお、S15で異常終了として集積動作を
中止する前に、S6からS14までを繰り返して行い、
この動作中に処理を行っている旨を表示をしてジャムの
原因があることをユーザに知らせるようにしてもよい。 S16: 制御部44の信号でモータ35を停止し、S
17に移る。 S17: 前記S8でカウントを開始したカウンタ44
をリセットし、前記S1に戻る。
【0051】S18: 前記S4で最終紙葉であった場
合に、制御部44の信号でモータ35を停止し、S19
に移る。 S19: 最終紙葉まで正常に集積動作が終了したの
で、制御部40の制御を終了する。なお、分離繰り出し
動作は従来と同様であるので、説明は省略する。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明による紙葉類
分離繰り出し集積装置は、集積時に前記搬送部により放
出される紙葉類の先端が衝突するように集積室の前部側
に設けられ、集積室の前後方向に回動する紙葉ストッパ
と、該紙葉ストッパが前記紙葉類の衝突により押された
とき、該紙葉ストッパが前記紙葉類を前記集積室の後部
側へ押し戻して片寄せするように該ストッパを付勢する
付勢手段と、前記紙葉類先端の衝突により前記紙葉スト
ッパが回動した状態を検出する検出手段と、前記検出手
段により前記紙葉ストッパが回動した状態を検出してい
る時間を監視し、検出している時間が所定の時間以上の
時はジャム発生原因ありと判断する制御部とを設けた構
成として、前記制御部は、ジャム発生原因ありと判断し
た時、前記搬送部を停止させ、前記搬送部により搬送中
の紙葉類を集積室への搬送方向とは逆方向に搬送して退
避させることで、該搬送中の紙葉類を先行の集積中の紙
葉類から離すように制御するようにしている。
【0053】このため、そのジャムの発生原因となった
紙葉類に対しジャムの除去を容易に行うことができるよ
うになるので、紙葉類の集積動作を中断することなく行
うことができ、紙葉類分離繰り出し集積装置の無人化稼
働やノンストップ稼働に対応するができるようになると
いう効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略側断面図である。
【図2】要部概略正面図である。
【図3】正常な集積動作を示す説明図である。
【図4】正常な片寄せを示す説明図である。
【図5】ジャム発生の様子を示す説明図である。
【図6】ジャム発生時の様子を示す説明図である。
【図7】ジャムを取り除く様子を示す説明図である。
【図8】集積を制御する紙葉分離集積制御部のブロック
図である。
【図9】集積制御を説明するフローチャートである。
【図10】搬送部の紙葉類を監視するセンサのタイムチ
ャートである。
【図11】搬送部の紙葉類を監視するセンサがジャムを
検出したときのタイムチャートである。
【図12】マイクロスイッチの切り換えの様子を示すタ
イムチャートである。
【図13】マイクロスイッチのジャム発生時の様子を示
すタイムチャートである。
【図14】紙葉類分離繰り出し集積装置の従来例の概略
側断面図である。
【図15】従来例の紙葉搬送中の要部を示す概略斜視図
である。
【図16】軸に取り付けたモータを示す説明図である。
【図17】従来例の集積時の動作を示す概略側断面図で
ある。
【図18】従来例の集積時の動作を示す概略側断面図で
ある。
【図19】従来例の分離繰り出し時の動作を示す概略側
断面図である。
【図20】従来例のジャム発生時を説明する概略側断面
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 7/00 - 7/20 B65H 31/00 - 31/40 B65H 43/00 - 43/08 B65H 83/00 - 85/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙葉類を集積する集積室と、紙葉類を搬
    送して該集積室にその後部側から放出する搬送部と、前
    記集積室に集積した紙葉類を前記集積室の前部側から1
    枚ずつ分離して繰り出すローラを備えた紙葉類分離繰り
    出し集積装置において、 集積時に前記搬送部により放出される紙葉類の先端が衝
    突するように集積室の前部側に設けられ、集積室の前後
    方向に回動する 紙葉ストッパと、該紙葉ストッパが前記紙葉類の衝突により押されたと
    き、該紙葉ストッパが前記紙葉類を前記集積室の後部側
    へ押し戻して片寄せするように該ストッパを付勢する付
    勢手段と、 前記紙葉類先端の衝突により前記紙葉ストッパが回動し
    た状態を検出する検出手段と、 前記検出手段により前記紙葉ストッパが回動した状態を
    検出している時間を監視し、検出している時間が所定の
    時間以上の時は ジャム発生原因ありと判断する制御部と
    を設けたことを特徴とする紙葉類分離繰り出し集積装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記 制御部は、ジャム発生原因ありと判断した時、前記
    搬送部を停止させ、前記搬送部により搬送中の紙葉類を
    集積室への搬送方向とは逆方向に搬送して退避させるこ
    とで、該搬送中の紙葉類を先行の集積中の紙葉類から離
    すように制御することを特徴とする紙葉類分離繰り出し
    集積装置。
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