JP3445515B2 - アルコールのスルホニル化方法 - Google Patents

アルコールのスルホニル化方法

Info

Publication number
JP3445515B2
JP3445515B2 JP02155599A JP2155599A JP3445515B2 JP 3445515 B2 JP3445515 B2 JP 3445515B2 JP 02155599 A JP02155599 A JP 02155599A JP 2155599 A JP2155599 A JP 2155599A JP 3445515 B2 JP3445515 B2 JP 3445515B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alcohol
catalyst
tosylation
reaction
rnme
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP02155599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000219669A (ja
Inventor
陽 田辺
Original Assignee
陽 田辺
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 陽 田辺 filed Critical 陽 田辺
Priority to JP02155599A priority Critical patent/JP3445515B2/ja
Publication of JP2000219669A publication Critical patent/JP2000219669A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3445515B2 publication Critical patent/JP3445515B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Epoxy Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機合成における
基本的で重要な反応である、アルコールの新規スルホニ
ル化(トシル化およびメシル化を包含する)の実用的か
つ経済的な方法に関する。特に、本発明は、混合アミン
脱塩酸剤、Et3NおよびRNMe2[Rは、アルキル
基、アリールアルキル基またはMe2N(CH2)n基(n
は3〜6である)から選択される](またはその塩)触
媒(以下、単に「RNMe2触媒」または「RNMe2
という。)を用いるスルホニル化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルコールのトシル化反応は、有機合成
の種々の分野、特にアルコールをアルキル化剤へ確実に
変換する反応において、基本的に重要な反応であること
が認識されている。多数のトシル化方法( a) Sekera,
V. C.; Marvel, C. S. J. Am.Chem. Soc. 1933, 55, 34
5. b) Roos, A. T.; Gilman, H.; Beaber, N. J. In Or
ganic Synthesis, 2nd ed.; Gilman, H., Ed.; Wiley:
New York, 1941; Col.Vol. 1, pp 145-147. c) Sekera,
V. C.; Marvel, C. S. Organic Synthesis; Wiley: Ne
w York, 1955; Col. Vol. 3, pp 366-367. d) Fieser
L. F.; Fieser,M. Reagent for Organic Synthesis; Wi
ley: New York, 1967; Vol 1., pp 1179-1184. e) Marc
h, J. Advanced Organic Chemistry; 4th ed.; Wiley:
New York, 1992, pp 352-354. 参照。他の代表的な参考
文献は、f) Kabalka, G. W.; Varma, M.; Verma, R.
S.; Srivastava, P. C.; Knapp, Jr. F. F. J. Org. Ch
em.1986, 51, 2386. g) Tanabe, Y.; Yamamoto, H.; Yo
shida, Y.; Miyawaki, T.;Utsumi, N. Bull. Chem. So
c. Jpn. 1995, 68, 297.を参照)が報告されているが、
なかでも、スルホニルクロライドとアルコールをピリジ
ン溶媒中、低温で反応させる、TsCl/ピリジン(T
s=p−トルエンスルホニル)試剤が、伝統的に広く用
いられている(ピリジン溶媒法)。しかしながら、この
方法には3つの重大な問題点がある。
【0003】第1の問題点は、トシル化反応中に、ピリ
ジン・HCl副産物が生じ、これがCl−求核剤として
作用することにより、トシラートがクロライドに変換さ
れ、トシラートの損失が起こることである。この副反応
は、過剰量のピリジン溶媒を用いる場合や反応温度が高
い場合にしばしば起こる。第2の問題点は、一般に、等
モル以上のピリジン(約10当量)がトシル化の完了の
ために必要とされることである。このため、ピリジンの
除去が繁雑となり、排水の環境への負荷が大きくなる。
第3の問題点は、反応性の劣るアルコールの場合、比較
的長い反応時間(10時間以上)が必要とされることで
ある。このため、これらの問題を解決するための新たな
トシル化方法が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
のピリジン溶媒法の問題点を解決することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究を行った結果、混合アミン脱塩
素剤であるEt3NおよびRNMe2が、スルホニル化に
おいて優れた相乗作用を示し、これらを触媒として用い
ると、種々のアルコールのスルホニル化が効率的に進行
することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、アルコールのスルホニル化において、ス
ルホニルクロライドと、Et3Nおよび上記のRNMe2
触媒とを用いることを特徴とするアルコールのスルホニ
ル化方法を提供する。
【0006】本発明の方法には、アルコールのトシル化
方法とメシル化方法が包含され、トシル化には、スルホ
ニルクロライドとして、とりわけ、p−トルエンスルホ
ニルクロライド(以下、「TsCl」という。)が、ま
た、メシル化には、スルホニルクロライドとして、とり
わけ、メタンスルホニルクロライド(以下、「MsC
l」という。)が用いられる。本発明の方法は、以下の
2つの方法に大別できる。 (1)スルホニルクロライドと、Et3NおよびRNM
2触媒とを使用する方法(以下、「方法A」とい
う。)。 (2)スルホニルクロライドと、無機塩基と、Et3
およびRNMe2触媒とを使用する方法(以下、「方法
B」という。)。 本発明の方法においては、Et3NおよびRNMe2との
相乗作用が認められ、本発明の方法は従来のピリジン溶
媒法と比較して、実験室的にも工業的にも、反応性、経
済性、操作性、環境面において優れている。
【0007】
【発明の実施の形態】RNMe2触媒のRのアルキル基
としては、炭素数1〜6のアルキル基、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルな
どが挙げられる。また、アリールアルキル基としては、
炭素数7〜12のアリールアルキル基、例えば、ベンジ
ル、フェニルエチルなどが挙げられる。また、RNMe
2触媒は、例えばHCl塩などの適当な塩の形態で用い
てもよく、特に、Me3Nの場合はHCl塩として用い
ることが好ましい。
【0008】本発明の方法Aでスルホニル化が可能なア
ルコールは、1−オクタノール、3−オクタノール、ブ
タンジオール、乳酸エステル、エポキシシトロネロー
ル、2−ヘキセン−1−オール、メタリルアルコールな
どの種々の第一および第二アルコールであり、メントー
ル、3,3−ジメチルブタノールなどの立体的に嵩高い
アルコールであってもスルホニル化可能である。用いる
溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジク
ロロエタン、ベンゾトリフルオライド、アセトニトリ
ル、トルエンなどが好ましい。用いるEt3NおよびR
NMe2触媒の量は、特に限定するものではないが、ア
ルコールに対して、それぞれ1.5〜2.5当量、好ま
しくは、1.5〜2.0当量、および0.1〜1.0当
量、好ましくは、0.1〜0.5当量である。反応温度
は、−20〜20℃、好ましくは、−10〜10℃であ
り、0〜5℃の低温であっても反応が進行する。また、
反応時間は、0.5〜10時間、好ましくは1.0〜5
時間であり、1時間以内であっても反応はほぼ終了す
る。
【0009】以下の実施例に示すように、本発明の方法
Aは、従来のピリジン溶媒法と比較して、反応速度が速
く、効率的であり、第一および第二アルコールを速やか
にトシル化できる。また、方法Aは、望ましくない副反
応であるクロライドへの変換がきわめて起こりにくく、
Et3NとRNMe2が相乗作用を示し、トシル化効率が
ピリジン溶媒法と比べて高い。さらに、不安定なアリル
性基質である、メタリルアルコールの反応が、ピリジン
溶媒法と対照的に、首尾よく進行する。すなわち、ピリ
ジン・HCl塩と比較して、RNMe2の求核性はきわ
めて低く、ピリジン溶媒法の欠点を有さない。
【0010】以上のことから、方法Aは、(1)反応速
度が速い、(2)トシラートの製造が安全に行える、
(3)操作が簡便である、(4)Et3Nはピリジンよ
りも安価であり、RNMe2も高価なものではないの
で、経済的である等、従来のピリジン溶媒法と比べて優
れたアルコールのトシル化方法である。
【0011】本発明の方法Bは、試剤として、スルホニ
ルクロライドと、無機塩基と、Et 3NおよびRNMe2
触媒とを用いるスルホニル化に関する。近年の環境的、
経済的問題から、BOD(生物化学的酸素要求量)また
はCOD(化学的酸素要求量)の値が大きいアミン塩基
の使用量を少なくすることが望まれているが、方法Bに
よれば、少ないアミン量でアルコールのスルホニル化を
行うことができる。
【0012】方法Bによりスルホニル化可能なアルコー
ルとしては、例えば、1−オクタノール、9−デセン−
1−オール、エチルヘキサノエート−6−オール、2−
ヘキセン−1−オールなどの種々の第一アルコールが挙
げられる。用いる溶媒としては、例えば、1,2−ジク
ロロエタン、アセトニトリル、トルエンなどが好まし
い。この方法で用いるEt3NおよびRNMe2触媒の量
は、通常、アルコールに対して、それぞれ0.1〜1.
0当量、好ましくは、0.1当量、および0.1〜1.
0当量、好ましくは、0.1当量である。また、反応温
度は、−10〜30℃、好ましくは0〜20℃であり、
反応時間は1〜10時間、好ましくは、1〜5時間であ
る。用いる無機塩基は、例えば、KOH、K2CO3、C
a(OH)2、CaO、Mg(OH)2およびMgOが挙げら
れ、特に、KOHまたはCa(OH)2が好ましい。方法
Bは、方法Aよりも反応速度が遅いが、アミンを触媒化
できる点で、環境調和型の反応である。
【0013】上記の方法Aは、メタンスルホニル化(メ
シル化)反応にも適用できる。通常のメシル化は、反応
速度が速いため、ハロゲン化溶媒(例えば、CH2
2)またはエーテル溶媒(例えば、エーテル、TH
F)中で行われる。しかしながら、近年の実験的要求、
特に工業的製造における要求を考慮すると、トルエン溶
媒中の反応が望まれる。本発明の方法にしたがい、例え
ば、1.5当量のEt3Nおよび0.1当量のMe3Nを
用いると、トルエン中でのトシル化が可能であることが
示された(実施例5参照)。トシル化反応の場合と同様
に、Et3Nの単独使用では、メシル化反応がほとんど
起こらず、ここでも、Et3NとMe3Nの相乗作用が認
められる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に記載す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。各実
施例におけるスルホニル化反応において、市販のTsC
lを使用前にEtOAcから再結晶した。市販のMe3
N・HClを減圧下で数分間乾燥させた。
【0015】実施例1 方法Aを用いたアルコールのトシル化反応 (1)方法Aの一般的方法 溶媒(1.0ml)中のTsCl(1.2〜1.5mm
ol)を、アルコール(1.0mmol)、Et3
(1.5〜2.5mmol)およびRNMe2(0.1
または1.0mmol)の溶媒(1.0ml)中撹拌溶
液に、0〜5℃にて添加し、混合物を1時間撹拌する。
過量のTsClを分解するため、N,N−ジメチルエチ
レンジアミン(約130mg)を混合物に添加し、10
分間撹拌する。(TsClがカラムクロマトグラフィー
により容易に分離できる場合、この工程は、必ずしも必
要ではない。)水を混合物に添加し、EtOAcで抽出
する。有機相を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO4)、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン/エーテル=30〜
10:1)により精製し、所望のトシラートを得る。
【0016】(2)表1および表2に、種々のアルコー
ルを用いた方法Aによるトシル化の結果を示す。なお、
1−mに示す従来のピリジン溶媒法を用いた反応は以下
のように行った。3−オクタノール(130mg、1.
0mmol)のピリジン(870mg、11mmol)
溶液に、0〜5℃で撹拌しながらTsCl(286m
g、1.5mmol)を徐々に加えた。反応混合液を同
温度で1時間撹拌した後、水に注ぎ、エーテルで2回抽
出した。有機層を1N−塩酸水で3回、飽和食塩水で順
次洗い、Na2SO4乾燥した後、溶媒を減圧留去して粗
生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/酢酸エチル=20:1)で精製し、3
−オクチル p−トルエンスルホナート(1)(110
mg、40%)を得た。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】 a)1,2−ジクロロエタン、b)ベンゾトリフルオラ
イド、c)ピリジン(Py)をEt3Nの代わりに用い
る、d)従来のピリジン溶媒法(3−オクタノールに対
し11当量)、e)4−ジメチルアミノピリジン、f)
反応時間は3時間、g)反応時間は5時間。
【0019】表1および表2から明らかなように、本発
明の方法Aの特徴として、以下のことが示された。 (i)3−オクタノール(番号1)を用いて行った溶媒
のスクリーニングから、ジクロロメタン、1,2−ジク
ロロエタン、ベンゾトリフルオライド(Ogawa, A.; Cur
ran, D. P. J. Org. Chem 1997, 62, 450)、アセトニ
トリルおよびトルエンが溶媒として適当であることが示
された。表1の番号1−aと同じ条件下、DME、ジオ
キサン、THF、メチルイソブチルケトンは適当ではな
かった。 (ii)試験したアルコールは、0〜5℃にて1時間以内
に速やかにトシル化された。 (iii)1.5〜2.5当量のEt3Nおよび0.1〜
1.0当量のMe3N・HClがトシル化に必要であっ
た。 (iv)Me3N・HCl触媒が存在しない場合、トシル
化反応速度が非常に遅くなった(番号1−j)。これか
ら、Et3NおよびMe3N・HCl触媒の相乗作用が認
められる。 (v)3−オクタノールの場合、Et3Nの代わりにピ
リジンを用いた場合(番号1−k、l)、従来のピリジ
ン−溶媒法でトシル化を行った場合(番号1−m)、収
率が低くなった。Me3N・HCl触媒の代わりにDM
AP(4−ジメチルアミノピリジン、有効なアシル化触
媒)を触媒として用いることも効率的ではなかった(番
号1−n)。 (vi)反応性の低い3,3−ジメチルブタン−2−オー
ルでさえも、5時間以内にトシル化された(番号9)。
【0020】実施例2 種々のRNMe3触媒を用いたアルコールのトシル化 実施例1に示した方法Aの一般的方法を用いて、3−オ
クタノールのトシル化を行った。結果を表3に示す。
【0021】
【表3】
【0022】表3から、RNMe2のRとして、アルキ
ル基、アリールアルキル基またはMe2N(CH2)n基を
用いて、効率よくアルコールのスルホニル化を行えるこ
とが示された。
【0023】実施例3 方法Aとピリジン溶媒法との比較 (1)ピリジン溶媒法による1−オクタノールのトシル
化 TsCl(286mg、1.5mmol)を1−オクタ
ノール(130mg、1.0mmol)のピリジン
(0.87ml)中撹拌溶液に、0〜5℃にて添加し、
混合物を30℃にて2時間撹拌した。この方法の通常の
処理により、粗生成物(275mg)を得た。これは、
1HNMR(400MHz)により、1−オクチルトシ
ラート(51%)および1−クロロオクタン(43%)
を含有した(上記a)〜e)参照)。 (2)ピリジン溶媒法によるメタリル(2−メチル−2
−プロペニル)アルコールの反応 TsCl(286mg、1.5mmol)を、メタリル
アルコール(72mg、1.0mmol)のピリジン
(0.87ml)中撹拌溶液に、0〜5℃にて添加し、
混合物を1時間撹拌した。この方法の通常の処理によ
り、粗生成物(45mg)を得た(上記a)〜e)参
照)。これは、少量のメタリルトシラートおよび主に回
収されたTsClを含有した。 (3)方法Aを用いた1−オクタノールおよびメタリル
アルコールのトシル化は、実施例1の方法Aの一般法に
したがって行った。 (4)結果をスキーム1に示す。
【0024】
【化1】
【0025】スキーム1に示す結果から、方法Aは従来
のピリジン溶媒法と比較して、副反応であるトシラート
のクロライドへの変換をきわめて少なくでき、また、ト
シル化効率がきわめて高いことが示された。さらに、メ
タリルアルコールのトシル化反応は、0〜5℃にて1時
間の条件下、ピリジン溶媒法ではほとんどトシラートが
得られないのに対し、方法Aでは、効率よくトシラート
が得られた。このことは、方法Aを用いれば、立体的に
嵩高いアルコールであっても、ピリジン法と比較して効
率よくトシル化可能であることを示している。
【0026】実施例4 方法Bを用いたアルコールのトシル化反応 (1)方法Bの一般的方法 溶媒(1.0ml)中のTsCl(1.5mmol)
を、アルコール(1.0mmol)、無機塩基(1.5
〜3.0mmol)、Et3N(10mg、0.1mm
ol)およびRNMe2(0.1mmol)の溶媒
(1.0ml)中撹拌懸濁液に、0〜5℃にて添加し、
混合物を1時間撹拌し、さらに室温にて3〜5時間撹拌
する。水性1M HClを混合物に添加し、EtOAc
で抽出する。方法Aと同様な処理および精製により、所
望のトシラートを得る。ここで、無機塩基は、ペレット
状KOHをトルエン中約0.5時間還流し、用いる分散
物に変換した。顆粒状のCa(OH)2を用いた。 (2)1−オクタノールの種々の無機塩基を用いた方法
Bによるトシル化の結果を表4に示す。
【0027】
【表4】 a)Et3Nなし b)Me3N・HClなし
【0028】これにより、本発明の方法Bの特徴として
以下のことが示された。 (i)KOHおよびCa(OH)2は、他の無機塩基より
も優れており、Mg(OH)2およびMgOでは、変換は
<20%であった。 (ii)方法Aと同様に、Et3NおよびMe3N・HCl
の相乗作用が観察され、Me3N・HCl触媒が存在し
ないとトシル化反応速度が大変遅くなった。 (iii)K2CO3塩基を用いる比較的酸性の2−アルケ
ニル(アルキニル)アルコールの場合(上記g)と比較
して、強塩基[KOHおよびCa(OH)2]が第一アル
コールのトシル化には好ましい。
【0029】(3)塩基としてKOHまたはCa(OH)
2を用いる方法Bによる種々のアルコールのトシル化反
応 (2)の結果に基づき、いくつかの第1アルコールの方
法Bによるトシル化を試験した結果を表5に示す。
【0030】
【表5】
【0031】なお、方法Bでは、2−オクタノールおよ
び3−オクタノールなどの第2アルコールの反応は、長
い反応時間(0〜5℃、1時間および室温、10時間)
であっても完了しなかった(<約50%)。
【0032】実施例5 MsCl/Et3NおよびMe3N・HClを用いるメシ
ル化 トルエン(0.5ml)中のMsCl(172mg、
1.5mmol)をアルコール(1.0mmol)、E
3N(1.5または2.0mmol)およびMe3N・
HCl(0.1または1.0mmol)のトルエン
(1.0ml)中撹拌溶液に、0〜5℃にて添加し、混
合物を1時間撹拌した。同様な処理およびシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=5:
1)により、所望のメシレートを得た。3−オクタノー
ルおよび3,3−ジメチル−2−ブタノールのメシル化
反応の結果を表6に示す。
【0033】
【表6】 a)4−ジメチルアミノピリジン b)反応時間は5時間
【0034】この結果から、本発明のスルホニル化方法
を適用し、溶媒としてトルエンを用いてトシル化を効率
よく行えることが示される。対照的に、1−cにより示
されるように、Me3N・HClを添加しない場合、目
的の3−オクチルメタンスルホナートの収率は10%以
下であった。
【0035】以下に、本発明の方法により得られた各ト
シラートの物性値を示す。融点は、ホット・ステージ顕
微鏡(Yanagimoto)で測定し、補正していない。1HNM
RスペクトルをJEOL EX90(90MHz)およ
び/またはJEOLα(400MHz)スペクトロメー
ターで、CDCl3中で、TMS内部標準を用いて記録
した。IRスペクトルをJASCO FT/IR−80
00スペクトロホトメーターで記録した。シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーをMerck Art.773
4および/または9385で行った。
【0036】3−オクチル p−トルエンスルホナート
(1) 無色油:1HNMR(90MHz,CDC13)δ0.8
0(3H,t,J=7.7Hz)、1.01−1.82
(13H,m)、2.42(3H,s)、4.38−
4.62(1H,m)、7.22−7.48(2H,
m)、7.71−7.89(2H,m);IR(フィル
ム)2957、2934、2864、1597、146
0、1364、1188、1177、1098、910
cm-1
【0037】1−オクチル p−トルエンスルホナート
(2) 無色油:1HNMR(90MHz,CDCl3)δ0.8
7(3H,t,J=7.2Hz),1.08−1.82
(12H,m)、2.44(3H,s)、4.03(2
H,t,J=6.9Hz)、7.24−7.49(2
H,m)、7.72−7.91(2H,m);IR(フ
ィルム)2928、2857、1599、1466、1
362、1177、1098、949、910cm-1
【0038】9−デセン−1−イル p−トルエンスル
ホナート(3) 無色油;1HNMR(90MHz,CDC13)δ0.7
8−2.18(14H,m)、2.44(3H,s)、
4.02(2H,t,J=7.7Hz)、4.81−
5.12(2H,m)、5.58−6.04(1H,
m)、7.22−7.44(2H,m)、7.72−
7.91(2H,m);IR(フィルム)2928、1
639、1599、1362、1177、937c
-1
【0039】エチル 6−(p−トルエンスルホニルオ
キシ)ヘキサノエート(4) 無色油:1HNMR(90MHz,CDCl3)δ1.2
4(3H,t,J=7.7Hz)、1.34−1.83
(6H,m)、2.25(2H,t,J=7.7H
z)、2.45(3H,s)、3.91−4.28(4
H,m)、7.23−7.44(2H,m)、7.70
−7.92(2H,m);IR(フィルム)2942、
1734、1458、1360、1177、1030、
951cm-1
【0040】2−オクチル p−トルエンスルホナート
(5) 無色油:1HNMR(90MHz,CDC13)δ0.8
2(3H,t,J=7.2Hz)、0.99−1.69
(13H,m)、2.41(3H,s)、4.41−
4.79(1H,m)、7.20−7.42(2H,
m)、7.68−7.89(2H,m);IR(フィル
ム)2932、2861、1599、1460、136
2、1175、1098、914cm-1
【0041】ビス(p−トルエンスルホニルオキシ)ブ
タン(6) 無色結晶:融点57.5−58.5℃;1HNMR(9
0MHz,CDC13)δ0.82(3H,t,J=
7.7Hz)、1.48−1.81(2H,m)、2.
47(6H,s)、4.02(2H,d,J=6.8H
z)、4.40−4.71(1H,m)、7.19−
7.48(4H,m)、7.59−7.91(4H,
m);IR(KBr)=2976、1597、146
0、1362、1194、1179、909cm-1。元
素分析:計算値C162262:C,54.25;H,
5.56。実測値:C,54.0;H,5.4。
【0042】l−メンチル p−トルエンスルホナート
(7) 無色結晶:融点92.5−93.5℃;1HNMR(9
0MHz,CDCl3)δ0.52(3H,d,J=
6.4Hz)、0.70−2.27(15H,m)、
2.42(3H,s)、4.23−4.56(1H,
m)、7.23−7.43(2H,m)、7.71−
7.91(2H,m);IR(フィルム)2963、2
936、1599、1454、1358、1179、1
098、943、910cm-1
【0043】メチル 2−(p−トルエンスルホニルオ
キシ)プロピオネート(8) 無色油:1HNMR(90MHz,CDC13)δ1.5
2(3H,d,J=7.7Hz)、2.44(3H,
s)、3.68(3H,s)、4.98(1H,q,J
=7.7Hz)、7.22−7.43(2H,m)、
7.74−7.92(2H,m);IR(フィルム)2
957、1761、1451、1370、1190、1
179、1084、926cm-1
【0044】3,3−ジメチルブタン−2−イル p−
トルエンスルホナート(9) 無色油:1HNMR(400MHz,CDC13)δ0.
84(9H,s)、1.21(3H,d,J=6.8H
z)、2.44(3H,s)、4.39(1H,q,J
=6.4Hz)、7.31−7.33(2H,m)、
7.78−7.80(2H,m);IR(フィルム)2
971、1599、1480、1362、1177、1
074、901cm-1
【0045】3,7−ジメチル−6,7−エポキシオク
チル p−トルエンスルホナート(10) 無色油:1HNMR(90MHz,CDC13)δ0.8
5(3H,d,J=7.0Hz)、1.25(3H,
s)、1.29(3H,s)、1.10−1.80(7
H,m)、2.45(3H,s)、2.65(1H,
t,J=7.0Hz)、4.10(2H,d,J=7.
0Hz)、7.20−7.45(2H,m)、7.70
−7.90(2H,m);IR(フィルム)2961、
1360、1177、1098cm-1。元素分析:計算
値C17264S:C,62.55;H,8.03。測
定値:C,62.3;H,7.7。
【0046】2−ヘキシン−1−オール p−トルエン
スルホナート(11) 無色油:1HNMR(90MHz,CDCl3)δ0.9
0(3H,t,J=7.0Hz)、1.20−1.65
(2H,m)、1.90−2.30(2H,m)、2.
45(3H,s)、4.70(2H,s)、7.20−
7.45(2H,m)、7.70−7.90(2H,
m);IR(フィルム)2967、2240、136
4、1175、1098cm-1。元素分析:計算値C13
l63S:C,61.88;H,6.39。測定値:
C,61.6;H,6.1。
【0047】メタリル(2−メチル−2−プロペニル)
p−トルエンスルホナート(12)無色油:1HNMR
(90MHz,CDC13)δ1.70(3H,s)、
2.45(3H,s)、4.45(2H,s)、4.8
9−5.06(2H,m)、7.21−7.47(2
H,m)、7.70−7.91(2H,m);IR(フ
ィルム)2980、2949、1599、1360、1
171、934、816cm-1
【0048】3−オクチル メタンスルホネート(1
3) 無色油:1HNMR(400MHz,CDC13)δ0.
90(3H,t,J=7.2Hz)、0.99(3H,
t,J=7.2Hz)、1.22−1.81(10H,
m)、3.03(3H,s)、4.64−4.72(1
H,m);IR(フィルム)2938、2872、13
50、1175、918cm-1
【0049】3,3−ジメチルブタン−2−イル メタ
ンスルホネート(14) 無色油:1HNMR(400MHz,CDC13)δ0.
99(9H,s)、1.40(3H,d,J=7.2H
z)、3.01(3H,s)、4.51(1H,q,J
=7.2Hz);IR(フィルム)2969、287
8、1350、1175、905cm-1
【0050】
【発明の効果】以上記載したように、本発明のスルホニ
ル化方法は、実験室的にも工業的にも反応性、経済性、
操作性、環境面において、従来のピリジン溶媒法よりも
優れたスルホニル化方法であり、立体的に嵩高いアルコ
ールのスルホニル化を可能とし、また、溶媒としてトル
エンを用いるメシル化も可能とする。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 303/16 C07D 303/16 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 303/28 B01J 31/02 102 C07C 309/66 C07C 309/73 C07D 301/00 C07D 303/16 C07B 61/00 300

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコールのスルホニル化において、ス
    ルホニルクロライドと、Et3NおよびRNMe2(また
    はその塩)触媒[Rは、アルキル基、アリールアルキル
    基またはMe2N(CH2)n基(nは3〜6である)から
    選択される]とを用いることを特徴とするアルコールの
    スルホニル化方法。
  2. 【請求項2】 RNMe2触媒としてMe3N(またはそ
    の塩)触媒を用いてアルコールのスルホニル化を行う請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 スルホニルクロライドとして、p−トル
    エンスルホニルクロライドを用いてアルコールのトシル
    化を行う請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 スルホニルクロライドとして、メタンス
    ルホニルクロライドを用いてアルコールのメシル化を行
    う請求項1または2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 溶媒として、ジクロロメタン、1,2−
    ジクロロエタン、ベンゾトリフルオライド、アセトニト
    リルまたはトルエンを用いる請求項1〜4のいずれか1
    つに記載の方法。
  6. 【請求項6】 1.5〜2.5当量のEt3Nおよび
    0.1〜1.0当量のMe3N(またはその塩)触媒を
    用いる請求項1〜5記載のいずれか1つに記載の方法。
  7. 【請求項7】 アルコールが第一または第二アルコール
    である請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
  8. 【請求項8】 さらに無機塩基を用いる請求項1〜5の
    いずれか1つに記載の方法。
  9. 【請求項9】 無機塩基として、KOHまたはCa(O
    H)2を用いる請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 0.1当量のEt3Nおよび0.1当
    量のMe3N(またはその塩)触媒を用いる請求項8ま
    たは9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 アルコールが第一アルコールである請
    求項8〜10のいずれか1つに記載の方法。
  12. 【請求項12】 Et3NおよびRNMe2[Rは、アル
    キル基、アリールアルキル基またはMe2N(CH2)n
    (nは3〜6である)から選択される]またはその塩か
    らなるアルコールのスルホニル化触媒。
  13. 【請求項13】 RNMe2がMe3Nである請求項12
    記載の触媒。
JP02155599A 1999-01-29 1999-01-29 アルコールのスルホニル化方法 Expired - Fee Related JP3445515B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02155599A JP3445515B2 (ja) 1999-01-29 1999-01-29 アルコールのスルホニル化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02155599A JP3445515B2 (ja) 1999-01-29 1999-01-29 アルコールのスルホニル化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000219669A JP2000219669A (ja) 2000-08-08
JP3445515B2 true JP3445515B2 (ja) 2003-09-08

Family

ID=12058266

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02155599A Expired - Fee Related JP3445515B2 (ja) 1999-01-29 1999-01-29 アルコールのスルホニル化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3445515B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5371091B2 (ja) * 2009-01-23 2013-12-18 三菱レイヨン株式会社 モノスルホン酸エステルの製造方法
JP5371090B2 (ja) * 2009-01-23 2013-12-18 三菱レイヨン株式会社 モノスルホン酸エステルの製造方法
JP5580625B2 (ja) * 2010-03-03 2014-08-27 住友化学株式会社 メタンスルホン酸アルキルエステル溶液の製造方法
AU2014260269A1 (en) * 2013-04-29 2015-10-15 Archer Daniels Midland Company 5-(hydroxymethyl) furan-2-carbaldehyde (HMF) sulfonates and process for synthesis thereof
CN107840812A (zh) * 2017-11-14 2018-03-27 石家庄圣泰化工有限公司 苯磺酸酯衍生物的合成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000219669A (ja) 2000-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Yoshida et al. Practical and efficient methods for sulfonylation of alcohols using Ts (Ms) Cl/Et3N and catalytic Me3H· HCl as combined base: Promising alternative to traditional pyridine
JP3445515B2 (ja) アルコールのスルホニル化方法
KR100616029B1 (ko) 아릴 에테르의 제조 방법
Morohashi et al. Stereocontrolled oxidation of a thiacalix [4] arene to the sulfinyl counterpart of a defined S O configuration
Matsuyama et al. Regioselective synthesis of cyclopentenones from 4-thianone
RU2402532C2 (ru) Способ получения монтелукаста и соединения для его осуществления
US20050209294A1 (en) Process for producing 4-(1H-1,2,4-triazol-1-ylmethyl)benzonitrile
FR2493324A1 (ja)
GB2160202A (en) Preparation of tamoxifen
KR910005705B1 (ko) 아미노사이클로펜탄산의 제조방법
JPH06100487A (ja) エーテル化合物の製造方法
KR870002019B1 (ko) 아민유도체의 제조방법
JPH0118907B2 (ja)
JP2000256244A (ja) 4−メチルテトラフルオロベンジルアルコール誘導体の製造法
JP2003155259A (ja) 芳香族アルデヒドの製造方法および新規な芳香族ジアルデヒド
KR100426534B1 (ko) 아젤라스틴의 개선된 합성방법
JP4750286B2 (ja) 反応活性な基を有する新規なビフェニル化合物の製造方法
JPH0753681B2 (ja) トロポン誘導体の製造法
JP3055248B2 (ja) α,β−不飽和カルボニル化合物の製造方法
JP7020669B2 (ja) デスモシンおよびイソデスモシンの製造方法
JPH02256672A (ja) グリシジルエーテルの製造法
Bunce et al. AN IMPROVED SYNTHESIS OF DIMETHYL (E)-5-METHOXYCARBONYL-2-ENEDIOATE AND DIMETHYL (E)-6-METHOXYCARBONYL-2-ENEDIOATE
JP2000309595A (ja) N−[5−(ジフェニルホスフィノイルメチル)−4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピルピリミジン−2−イル]−n−メチルメタンスルホンアミドの製造方法
JP2004315371A (ja) N−ピリジル−β−アラニンエステル化合物の製造法
JPH0499740A (ja) 2―ヒドロキシ―2,5,5,9―テトラメチルデカリルエタノールの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080627

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees