JP3444694B2 - スペクトル拡散通信方法および装置 - Google Patents

スペクトル拡散通信方法および装置

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JP3444694B2
JP3444694B2 JP11829695A JP11829695A JP3444694B2 JP 3444694 B2 JP3444694 B2 JP 3444694B2 JP 11829695 A JP11829695 A JP 11829695A JP 11829695 A JP11829695 A JP 11829695A JP 3444694 B2 JP3444694 B2 JP 3444694B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電灯線等を情報の伝
送路とする通信に用いられるスペクトル拡散通信方法お
よび装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電灯線は、すべての家庭に設置されてい
るので、家庭内での伝送路とした場合、経済性、拡張性
に富んだ非常に有効な情報伝達媒体である。
【0003】しかし、電灯線には、照明灯、空調機器、
TV等の各種の電気機器が接続されているので、これら
の電気機器の使用・不使用(電源のON・OFF等)に
よって、電灯線の伝送特性が変化する。例えば、TVや
スイッチング電源を使用している電灯線の場合には、位
相特性が電源周波数に同期して急激に変化する。
【0004】このように、電灯線の伝送特性は、平坦で
はなく、不安定であるので、良質な伝送が難しいという
問題がある。その対策としては、例えば、特開平4−2
52531号公報に示されるスペクトル拡散(SS)通
信方法が、伝送特性の変動に強い通信方法である。
【0005】このSS通信方法を用いたSS通信装置
は、符号系列として例えばPN(疑似雑音)符号で変調
して通信する。このSS通信装置の中の送信装置は、送
信するデータの論理「0(ゼロ)」(以下、データ
「0」と記す)、論理「1」(以下、データ「1」と記
す)に応じて、PN符号PN0と、このPN符号PN0
と位相の異なるPN符号PN1を割り当てて、電灯線に
送信する。
【0006】受信装置では、図11に示すように、相関
器201が、送信装置が用いたPN符号PN0と、受信
信号との相関値COR0を求めて出力する。また、相関
器202が、送信装置が用いたPN符号PN1と、受信
信号との相関値COR1を求めて出力する。
【0007】例えば、送信側からデータの「0」、
「0」、「1」を受信して、相関値COR0,COR1
を発生する場合、相関器201,202からは、図12
に示すような相関値COR0,COR1が出力される。
復調部203は、相関値COR0と相関値COR1とを
比較して、この大小に応じてそれぞれデータ「1」また
はデータ「0」を割り当てて復調する。そして、復調部
203は、復調したデータを出力する。
【0008】図12の観測窓は、電灯線の特性の急激な
変動等により、相関値COR0,COR1のピーク位置
がずれても、ピークの観測を確実にするために、あらか
じめ設定されている。
【0009】復調部203は、この観測窓でのピークの
観測により、相関値COR0と相関値COR1との比較
により、ピークが大きな方の相関値のデータに対応する
「1」または「0」を復調する。図12の1番目の観測
窓と次の観測窓では、相関器201からの相関値COR
0のピーク131,132の方が大きいので、復調部2
03は、「0」、「0」と復調する。3番目の観測窓で
は、相関器202からのピーク133の方が大きいの
で、復調部203は、「1」と復調する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、伝送される
信号には、データ「0」からデータ「1」、または、デ
ータ「1」からデータ「0」へと変化するときがある。
受信装置は、このような信号を受信すると、図13に示
すような、相関値COR0,COR1を出力する。
【0011】なお、図13の波形は、データを、
「1」、「0」、「1」の順に受信した場合のものであ
り、電灯線などの伝送路上での雑音などを含んでいな
い。
【0012】このように、データ「0」からデータ
「1」、データ「1」からデータ「0」への変化がある
と、相関値の本来の、検出したいピーク211〜213
以外にも、相関出力221〜224が発生する。なお、
図13では、ピーク211がデータ「0」と復調され、
ピーク212,213がデータ「1」と復調される。
【0013】相関出力221〜224は、ピークの観測
区間である観測窓Aに発生している。また、観測窓A以
外のところにも、相関出力231〜234が発生してい
るが、これらの相関出力231〜234は無視される。
しかし、観測窓Aに発生する相関出力221〜224に
より、復調が影響を受ける。つまり、電灯線などの伝送
路特性がきわめて劣悪な場合、復調部203での同期制
御やデータの復調が不安定になる。
【0014】この発明の目的は、このような欠点を除
き、一方のデータから他方のデータに変化するような信
号を伝送するときでも、受信側の同期制御やデータの復
調を安定して行うことができるスペクトル拡散通信方法
および装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】その目的を達成するため
に、請求項1の発明は、送信側は、送信するデータを符
号系列により変調して受信側に送り、受信側は、受信信
号の相関値を求めてデータを復調するスペクトル拡散通
信方法において、送信側では、データの論理「0」、論
理「1」に対して、それぞれ第1の符号系列とこの第1
の符号系列と位相の異なる第2の符号系列とを対応さ
せ、データを送信するときに、論理に対応する符号系列
を所定数だけ連続して送信し、受信側では、受信信号の
中で、連続する符号系列の中の中央部分の相関値から、
論理「1」または論理「0」を復調する。
【0016】請求項2の発明は、送信装置は、送信する
データを符号系列により変調して受信装置に送り、受信
装置は、受信信号の相関値を求めてデータを復調するス
ペクトル拡散通信方法において、送信装置は、データの
論理「0」、論理「1」に対して、それぞれ第1の符号
系列と、この第1の符号系列と位相の異なる第2の符号
系列とを対応させ、データを送信するときに、論理に対
応する符号系列を所定数だけ連続して送信する送信手段
を備え、受信装置は、第1の符号系列と受信信号との相
関値をとる第1の相関手段と、第2の符号系列と受信信
号との相関値をとる第2の相関手段と、第1の相関手段
と第2の相関手段とからの、連続する相関値の中の中央
部分の相関値を比較し、この比較により大きい方の相関
値に対応して、データの論理「1」または論理「0」を
復調する復調手段とを備える。
【0017】
【作用】一般に、受信側では、第1の符号系列から第2
の符号系列に変化する場合や、第2の符号系列から第1
の符号系列に変化する場合、本来の相関値のピークが発
生する部分以外でも、相関出力が大きくなる。このため
に、同期制御やデータの復調が不安定になる。
【0018】請求項1,2の発明では、伝送されるデー
タの1ビットは、所定数の符号系列で形成される。つま
り、送信側は、受信側に送るデータに対応する符号系列
を連続して所定数だけ送信する。例えば、データ「1」
に第1の符号系列が対応する場合、データ「1」を送る
とき、送信側は、第1の符号系列を所定数だけ連続して
受信側に送る。
【0019】受信側は、送信側から信号を受信したと
き、受信信号の中の連続する符号系列の、中央部分の相
関値からデータを復調する。例えば、第1の符号系列を
所定数だけ連続して受信した場合、中央部分の符号系列
の相関値からデータ「1」を復調する。
【0020】このように、送信側で同一の符号系列を連
続して送信すると、受信側では、符号系列が連続する中
央部で、本来の相関値のピークが発生する部分以外で
は、相関出力が小さくなるので、同期制御やデータの復
調が安定する。
【0021】
【実施例】次に、この発明の実施例を、図面を用いて説
明する。
【0022】1.送信装置の説明 (1)送信符号の説明 この実施例では、送信装置として、マンチェスタ符号化
されたSS変調装置を用いる。ここでは、PN符号とし
て31チップのM系列符号を用いる。
【0023】PN符号は、次のように設定されている。
PN符号の1周期の長さをL秒、データの1ビットの長
さをT秒、クロック周期をτ秒とする。そして、 T=3L=93τ の関係が満足されるように、PN符号の1周期の長さL
秒と、データの1ビットの長さT秒と、クロック周期τ
秒とが設定されている。PN符号長が31チップである
ため、τの係数である「93」は、 93=31×3 により算出される。PN符号長が63チップであれば、
τの係数は、 189=63×3 となる。
【0024】(2)送信装置の例 図1は、この発明を実施するためのSS通信装置の中の
送信装置の一例を示すブロック図である。この送信装置
は、マンチェスタ符号化されたSS変調装置である。P
N符号を用いてデータを送信する送信装置では、5段の
シフトレジスタ2が、クロック発生器1からのクロック
信号で、データのシフト動作を行う。シフトレジスタ2
の2段目と5段目の出力が、その帰還回路であるEX−
OR(排他的論理和)回路3を経由して、シフトレジス
タ2の入力側、つまり1段目に帰還される。シフトレジ
スタ2とEX−OR回路3とは、M系列発生器となる。
【0025】M系列とは、ある帰還符号発生器で発生で
きる最も長い符号系列である。M系列の符号長は、 25−1=31 の計算から31チップとなる。また、別の段、例えば、
5段目、4段目、3段目、2段目の出力の排他的論理和
の演算を行い、シフトレジスタ2の入力段に帰還する
と、符号長が同じく31チップであるが、別のM系列が
発生する。
【0026】図1の送信装置では、シフトレジスタ2の
最終段の出力とクロック信号との排他的論理和の演算を
EX−OR回路8で行う。これにより、第1のマンチェ
スタ符号化されたM系列PNOが作成される。
【0027】マンチェスタ符号は、2進信号の「1」に
対して、特定の位相を持つ矩形波の1サイクルを割り当
て、「0」に対して、それと逆位相の1サイクルを割り
当てる符号形式である。マンチェスタ符号化により、送
信される信号のスペクトルの低域成分が減少するので、
伝送路との結合損失を低く抑えることができる。このた
めに、電灯線などを用いた通信の場合、安定した通信が
行える。
【0028】5段のシフトレジスタ2の出力は、17段
のシフトレジスタ6に入力される。これは、符号を±1
チップ以上ずらせるためであり、17段に限る必要はな
い。通常、相関値のピークの位置を識別しやすくするた
め、31チップの符号長に対して、その半分程度をずら
せる。
【0029】シフトレジスタ6は、クロック発生器1か
らのクロック信号で符号をシフトし、17チップ分だけ
遅延したM系列を出力する。このM系列とクロック信号
との排他的論理和の演算をEX−OR回路7で行うと、
第2のマンチェスタ符号化されたM系列PN1が作成さ
れる。
【0030】また、この実施例では、93進のカウンタ
4の出力を、デコーダ5でデコードし、図8に示す信号
PTOと信号PT1を生成する。デコーダ5の出力であ
る信号PT1は、クロックパルスの31個ごとに「L」
(アクティブ)になり、M系列PNOまたはM系列PN
1の1周期を表す。信号PTOは、クロックパルスの9
3個毎に「L」(アクティブ)となり、データの1周期
を表す。
【0031】なお、カウンタ4の初期値と5段シフトレ
ジスタ2の初期値とを、送信に先だって同期して設定
し、信号PTO,PT1とM系列PNO,PN1を所望
の関係に保つ必要がある。
【0032】図1の送信装置では、制御信号が端子10
に加えられる。この制御信号は、マイコンなどの送信デ
ータ制御部(図示を省略)で作成される。マンチェスタ
符号化されたM系列PNO,PN1は、切替え回路9に
入力される。切替え回路9は、送信データ制御部(図示
を省略)からの制御信号で、M系列PNO,PN1を切
り替えて送信データを発生する。
【0033】つまり、送信データ制御部(図示を省略)
は、データ「0」またはデータ「1」に従って、図8に
示すM系列PNOまたはM系列PN1を3個連続して送
るように、M系列PNOとM系列PN1とを切替え回路
9により選択する。送信データ制御部(図示を省略)
は、図8に示す信号PTOの1周期に同期させて、送信
データを発生させる。送信データ制御部(図示を省略)
は、PN系列の1周期を信号PT1でモニタする。切替
え回路9の切り替えで発生したM系列PNO,PN1
は、電灯線へのインターフェイス回路(図示を省略)を
通じて、電灯線に注入される。
【0034】(3)送信装置の他の例 送信装置の他の例を図2に示す。なお、この送信装置の
中で、図1と同じものには同一の符号を付けて、説明を
省略する。
【0035】この送信装置では、図1のEX−OR回路
8に相当する回路が5段のシフトレジスタ2の後に接続
されていない。その代わりに、切替え回路9の出力側
に、EX−OR回路11が接続されている。切替え回路
9には、M系列PN0とそれが遅延されたM系列PN1
が入力される。図1のSS通信装置と同じように、信号
PTOにより、送信データのデータ「0」、データ
「1」に応じて、M系列PNOとM系列PN1が3つ連
続して選択される。これにより、EX−OR回路を1つ
不要にして、回路を簡単化することができる。
【0036】この送信装置は、通信を開始するとき、受
信装置がSS通信の同期を取れるようにするため、デー
タ「1」を連続して送信する。次に、ビット同期を取れ
るようにするために、受信装置がSS通信の同期捕捉を
完了した頃に、送信装置は、データ「0」を2ビット連
続して送信する。その後、送信装置は、上位のデータを
送信する。ただし、これは一例であり、最初にデータ
「0」を連続して送る方法を採用してもよい。
【0037】2.受信装置 (1)受信装置の基本構成 図3は、SS通信装置の中の受信装置の基本的な構成を
示すブロック図である。この受信装置は、相関手段とし
て相関器21,22と、比較器23と、OR回路24
と、セレクタ25と、ピーク検出器26と、同期制御部
27と、復調部28とを備える。また、この実施例で
は、復調手段は、比較器23と、OR回路24と、セレ
クタ25と、ピーク検出器26と、同期制御部27と、
復調部28とを備える。
【0038】相関器21は、M系列PNO用の整合フィ
ルタであって、受信信号とM系列PNOとの第1の相関
値COR0を出力する。相関器22は、M系列PN1用
の整合フィルタであって、受信信号とM系列PN1との
第2の相関値COR1を出力する。
【0039】相関器21,22は、図4に示すように、
A/D変換された受信信号を入力されるシフトレジスタ
31の各段の値とPNコードパターン発生器32の各段
の値を乗算器331〜33nで乗算して、その乗算値を加
算器34で加算する構成となっている。
【0040】例えば、データを「1」、「0」の順に受
信したときの、相関器21,22からの相関値COR
0,COR1を図9に示す。データが遷移するとき、相
関出力121,122が大きくなるが、PN系列は同じ
PN系列で挟まれている。つまり、相関値のピーク10
1は、ピーク111とピーク112とで挟まれ、相関値
のピーク102は、ピーク113とピーク114とで挟
まれている。このために、常に、ピーク101,102
のピーク以外の部分の相関出力は小さい。この実施例で
は、相関値のピーク101,102のピーク以外の部分
の相関出力が小さいことを利用して復調を行う。
【0041】この相関器21,22からの相関値COR
0,COR1は、比較器23と、OR回路24と、セレ
クタ25と、ピーク検出器26と、同期制御部27と、
復調部28とで処理されて、復調される。この中で、同
期制御部27は、受信信号のキャリアを検出して、同期
を捕捉する。この後、同期制御部27は、ビット同期の
確立、同期の追跡、データの復調をする。
【0042】(2)受信装置の詳しい説明 a.受信符号の説明 図5は、これらの詳しいブロック図である。さらに、図
5の設定部48を図6に示し、図5の制御部57を図7
に示す。
【0043】図5の受信装置では、相関器21,22か
らの相関出力CORO,COR1は、絶対値が取られて
おり、その最大値は124(10進数)であるとする。
また、図5の回路は、すべてデジタル化され、クロック
(図示を省略)は、すべてのフリップフロップおよびラ
ッチに共通である。
【0044】受信装置では、PN符号は、符号長31チ
ップであり、クロックを1チップの8倍にすると、デー
タ1ビットに3つのPN符号を割り当てることができる
ので、744クロックでデータ1周期となる。つまり、
PN符号1周期は、248クロックとなる。また、送信
装置のところで述べたように、データ「1」に対するM
系列PN1は、データ「0」に対するM系列PN0に対
して、17チップ遅れている、つまり、14チップ進ん
でいる。
【0045】受信装置では、キャリア検出、同期捕捉、
同期追跡、キャリア未検出、データの復調、ビット同期
が必要である。キャリア検出、同期捕捉、ビット同期の
確認時は、PN符号1周期毎にピークを観測する。同期
追跡、データ復調時は、1ビットのデータ期間中、3つ
のPN符号の真ん中のPN符号に関するピーク位置を含
む観測窓で、相関値を観測し、この観測により各処理を
行う。
【0046】これにより、相関値のピーク以外の相関出
力が小さい状態で、各処理をすることができる。
【0047】b.信号のピーク検出 図5では、符号21,22が先に説明した相関器であ
る。符号41は、比較器であって、相関器21の出力と
相関器22の出力との大小を比較して、その出力をOR
回路42を介して、復調部44に供給する。符号45
は、セレクタである。セレクタ45は、相関器21の出
力と相関器22の出力の中の一方を選択して、ピーク検
出器43に供給する。なお、図5の比較器41、OR回
路42、ピーク検出器43、セレクタ45は、図3の比
較器23、OR回路24、ピーク検出器26、セレクタ
25にそれぞれ対応する。
【0048】ピーク検出器43は、PN系列1周期の間
のピーク値P1とピーク位置(同期点)PT1を検出す
るものである。すなわち、ピーク検出器43によるピー
ク検出は、以下のように行われる。
【0049】まず、NAND回路43Eは、設定部48
からの信号(詳細は後述する)との論理積の否定を演算
して、コンパレータ43Fの「H」のときだけ、アクテ
ィブの信号を出力する。そして、1ビットのデータ期間
が始まると、図示していない装置からクロックがピーク
検出器43に入力される。クロックが入力されるたび
に、セレクタ45からの出力dとラッチ43Aの出力と
が、コンパレータ43Fで比較され、(出力d)>(ラ
ッチ43Aの出力)のとき、コンパレータ43Fのイネ
ーブル信号がアクティブとなる。これにより、ラッチ4
3Aは、この出力dの値を取り込む。
【0050】また、ラッチ43Dにもラッチ43Aと同
じイネーブル信号が供給されている。この結果、ラッチ
43Dは、そのときのダウンカウンタ47のカウンタ値
を取り込む。この操作がデータ期間1周期分に渡って行
われるので、データ1ビットの期間の相関値のピーク値
P1とピーク位置PT1が、それぞれラッチ43Aとラ
ッチ43Dの出力として得られる。
【0051】データ期間が終了する段階では、デコーダ
46は、ラッチ43Bとラッチ43Cにイネーブル信号
を与え、ラッチ43Aとラッチ43Dの値がそれぞれラ
ッチ43Bとラッチ43Cに取り込まれる。デコーダ4
6からのイネーブル信号は、ラッチ43Aのクリア信号
にもなっており、ラッチ43Aはクリアされる。
【0052】この後、同じようにして、ラッチ43Aと
ラッチ43Dは、次のデータ期間の間、再び相関ピーク
値P1と相関ピーク位置PT1を検出し続ける。ラッチ
43Bの出力である相関ピーク値P1は、コンパレータ
53に、ラッチ43Cの出力である相関ピーク位置PT
1は、ウインドウコンパレータ54にそれぞれ出力され
る。
【0053】c.通信の未確立状態 受信装置では、通信が行われていないとき、制御部57
のデコーダ57Aからの信号CLRが「L(ロー)」で
あり、カウンタ57Cからの信号CA1が「H(ハ
イ)」であり、ステートマシン57Bからの信号CA2
が「H」である。この信号CA2は、ビット同期信号で
ある。
【0054】受信装置は、通信の開始を判断するため、
キャリア検出をする。
【0055】ピーク検出器43がPN符号1周期に渡っ
てピークを観測するように、制御部57のデコーダ57
Gからの信号TR1により、設定部48のセレクタ48
Kの出力として信号WAを選択する。
【0056】信号WAは、コンパレータ48A,48B
とNAND回路48Gとで作られ、ダウンカウンタ47
からの値POTが「0」から「247」の値の間にある
かどうかを示す。また、信号WPは、コンパレータ48
C,48DとNAND回路48Hとで作られ、値POT
が「92」から「156」の値の間にあるかどうかを示
す。さらに、信号WTは、コンパレータ48E,48F
とNAND回路48Jとで作られ、値POTが「34
0」から「404」の値の間にあるかどうかを示す。
【0057】設定部48での信号WAの選択により、ダ
ウンカウンタ47からの値POTが「247」から
「0」の値まで変化する間に、ピーク検出器43は、ピ
ークを観測する。
【0058】ピーク検出器43からのピーク値P1が
「50」より小さいと、コンパレータ53の出力COM
1が「L」になる。この出力COM1により、制御部5
7のデコーダ57Gからの信号TRは、セレクタ49の
入力端子Aを選択する。PN符号1周期に相当する「2
47」の値が、セレクタ49の出力LDD3となるよう
に決定される。ダウンカウンタ47には、「0」の値の
後、ピーク検出器43の中のラッチ43Aがクリアされ
るロード信号で、「247」の値がロードされる。
【0059】d.キャリア検出 この後のキャリア検出は、次のように行われる。
【0060】通信を開始するとき、制御部57のカウン
タ57Cからの信号CA1が「H」である。信号CA1
は、OR回路42を経由して、セレクタ45の選択用端
子SELを「H」にする。セレクタ45は、相関器21
からの、絶対値化された相関値COR1を選択する。
【0061】制御部57のデコーダ57Gの信号TR1
により、設定部48のセレクタ48Kからの信号PEN
は、信号WAである。これにより、「247」〜「0」
の値の間、つまりPN符号1周期期間が、相関値のピー
クの観測期間となる。通信が始まっていないとき、ピー
ク検出器43からのピーク値P1が小さな値であるの
で、コンパレータ53にあらかじめ設定されたしきい値
(例えば、「50」の値)よりも小さい。このために、
コンパレータ53の出力COM1は、「L」であり、ア
クティブにならない。
【0062】このとき、制御部57のデコーダ57Gか
らの信号TRは、セレクタ49の入力端子Aを選択し、
セレクタ49の出力LDD3を「247」の値にする。
これにより、ダウンカウンタ47の端子DATAには、
「0」の値の後に、「247」の値がロードされる。
【0063】これにより、ピーク検出器43は、「24
7」から「0」の値の間で、ピークを観測する。これ
は、PN符号1周期にわたる全時間ピーク検出であり、
この動作を繰り返す。
【0064】キャリアが検出されないとき、制御部57
のデコーダ57Aは、クリア信号CLRを出力し続け、
ステートマシン57B、カウンタ57Cを初期状態にす
る。このとき、信号CA1は、「H」であり、OR回路
42を経由して、セレクタ45に加えられる。これによ
り、セレクタ45の選択用端子SELは、「H」にな
る。また、制御部57のステートマシン57Bからの信
号CA2は、「H」である。
【0065】通信が開始されると、送信側からデータ
「1」が連続して送られてくるので、受信側は、M系列
PN1を連続して受信する。ピーク検出器43からのピ
ーク値P1は、コンパレータ53のしきい値「50」よ
り大きくなるので、コンパレータ53の出力COM1
は、「H」(アクティブ)となる。
【0066】このとき、制御部57のデコーダ57Gか
らの信号TRは、演算器50からの出力K1を、セレク
タ49の出力LDD3として選択するように決定され
る。演算器50からの出力K1は、次のような信号であ
る。
【0067】ピーク検出器43からのピーク位置PT1
が、PN符号1周期区間の中心「124」、つまり
「0」〜「247」の値の中心になるように、演算器5
0は、ダウンカウンタ47のロード値を計算する。つま
り、演算器50は、 K1=371−PT1 を計算する。そして、演算器50は、この算出結果を値
K1とする。
【0068】ピーク検出器43のラッチ43Aがクリア
される信号、つまりデコーダ46の出力DECにより、
セレクタ49の出力LDD3が、データとしてダウンカ
ウンタ47にロードされる。次のデータ1周期区間の観
測では、ピーク検出器43からのピーク位置PT1が、
「124」の値を含む観測窓A(「92」〜「156」
の値)の中に入る。つまり、ウインドウコンパレータ5
4からの信号PW1が「L」(アクティブ)となる。
【0069】ここでは、ピーク位置が、「124」の値
の特定値ではなく、「92」〜「156」の値のよう
に、幅を持っている。これは、雑音等によるピーク位置
のズレに対処するためである。
【0070】例えば、ピーク検出器43からのピーク位
置PT1が「50」の値であると、演算器50からの出
力K1が「321」の値となる。ダウンカウンタ47に
は、「321」の値がロードされ、ダウンカウンタ47
は、「247」の値の代わりに、「321」の値からダ
ウンカウントを始める。つまり、最初、「247」から
ダウンカウントをしたが、新たな出力K1により、「3
21」からダウンカウントを始める。「321」は、
「247」に対して「74」だけ異なる。ピークの位置
が、前回の1周期と変わらなければ、「50」に対して
「74」だけ異なる位置にピークが発生する。この結
果、今回の観測では、ピークの位置は「124」の値と
なる。したがって、観測窓A(「92」〜「156」の
値)の中に入るから、ウインドウコンパレータ54から
の信号PW1が「L」となる。
【0071】PN符号1周期の観測で、コンパレータ5
3の出力COM1が「H」であるとき、キャリア検出と
してもよい。また、PN符号2周期の観測の後、出力C
OM1が「H」であり、かつ、ウインドウコンパレータ
54からの信号PW1が「L」であるとき、キャリア検
出としてもよい。しかし、この実施例では、確実性を増
すために、検出部52が付け加えられている。
【0072】検出部52は、相関器22からの相関値C
OR0のみを入力とする第2ピーク検出器52Aと、第
2ピーク検出器52Aからの相関値のピーク値P0の大
きさを検出するコンパレータ52Bと、第2ピーク検出
器52Aからの相関値のピーク位置PT0を見るウイン
ドウコンパレータ52Cと、コンパレータ52Bからの
出力COM0とウインドウコンパレータ52Cからの出
力PW0との論理積の演算をするAND回路52Dとを
備える。
【0073】相関器22からの相関値COR0は、相関
器21からの相関値COR1に比べて、17チップ遅れ
たところに相関値COR1と同じ大きさのピークが現れ
る。検出部52は、そのピークを認識する。
【0074】コンパレータ53の出力COM1が「H」
になり、ピーク検出器43からのピーク位置PT1を
「124」の値に引き込んだ後の、次のデータ1周期区
間の観測では、次の2つの条件が満足されたとき、キャ
リア検出として、引き続き同期捕捉をする。
【0075】(ア)出力COM1が「H」であり、ウイ
ンドウコンパレータ54からの信号PW1が「L」であ
る。
【0076】(イ)出力COMOが「H」であり、検出
部52のウインドウコンパレータ52Cからの出力PW
0が「L」である、つまり、第2ピーク検出器52Aか
らの出力PTOがアクティブ「L」である。
【0077】検出部52の第2ピーク検出器52Aから
のピーク値P0が所定の大きさ(例えば、「50」の
値)以上のとき、コンパレータ52Bからの出力COM
0が「H」であり、第2ピーク検出器52Aからの出力
PTOが、ピーク検出器43からのピーク位置PT1よ
り17チップ遅れた位置を含む観測窓B(ここでは、
「44」以下であり「0」以上の値であるか、または、
「228」以上であり「247」以下の値である)の中
にあれば、ウインドウコンパレータ52Cからの出力P
W0が「L」となる。このときに、同期捕捉をすること
になる。
【0078】条件(ア)、(イ)の一つでも満たされな
いとき、デコーダ57Aは、クリア信号CLRを出力し
て、再びキャリア検出の動作状態にする。この実施例で
はクリア信号CLRが「L」であるとき、通信しない
で、キャリア待ちの状態なる。このとき、クリア信号C
LRの「L」から「H」の立ち上がりをキャリア検出信
号として使うことができる。また、クリア信号CLRが
「H」であるときは、復調処理をする。
【0079】この結果、電灯線の特性により、相関器2
1からの相関値COR1に異常な位置でピークが出現し
た場合でも、正規のピークと誤って検出することを防
ぐ。
【0080】図10に受信信号がPN1、PN1、PN
1(キャリア検出・同期確立時にも受信信号がPN1の
連続である)のときの、理想状態での各相関器21,2
2からの相関値COR0,COR1の波形を示す。
【0081】e.同期捕捉 同期捕捉は、次のように行われる。
【0082】キャリア検出の状態、つまり、条件
(ア)、(イ)を満足する状態が続くと、制御部57の
デコーダ57Aがクリア信号CLRを発生しないので、
カウンタ57Cのリセットが解除される。
【0083】制御部57のデコーダ57Aからの信号E
N1は、カウンタ57Cからの信号CA1が「H」であ
り、条件(ア)、(イ)を満足するとき、PN符号1周
期区間ごとに「L」(アクティブ)となる信号である。
したがって、カウンタ57Cがカウントを続け、所定回
数だけ、例えば8回だけキャリア検出の状態が連続する
と、信号CA1が「H」から「L」になる。これによ
り、同期が確立されたと判定する。
【0084】キャリア検出時、最初にピーク位置を「1
24」の値に設定すると、同期捕捉時、つまり、制御部
57のデコーダ57Aからのクリア信号CLRが「H」
であり、カウンタ57Cからの信号CA1が「H」であ
り、ステートマシン57Bからの信号CA2が「H」で
あるときには、デコーダ57Gからの信号TRは、常に
セレクタ49の出力が「247」の値になるようにす
る。これにより、相関ピーク位置の制御がされなく、P
N符号1周期区間が固定される。
【0085】また、制御部57のデコーダ57Gからの
信号TR1は、設定部48のセレクタ48Kの出力PE
Nを、信号WAにしておくので、相関ピーク観測区間は
PN符号1周期(「247」〜「0」の値)のままであ
る。
【0086】所定回数に達する前に、条件(ア)、
(イ)いずれかが満足されないとき、キャリア未検出と
されて、制御部57のデコーダ57Aからのクリア信号
CLRが「L」になる。このクリア信号CLRにより、
カウンタ57Cがクリアされて、再びキャリア待ちのモ
ードになる。
【0087】なお、条件(イ)を無視し、条件(ア)だ
けが所定回数だけ連続することで、同期が確立されたと
判定してもよい。この場合には、同期確立信号として制
御部57のカウンタ57Cからの信号CA1を用いる。
【0088】同期が確立され、制御部57のカウンタ5
7Cからの信号CA1が「L」になると、デコーダ57
Aが信号EN1を常に「H」にし、カウンタ57Cをス
トップさせる。このとき、カウンタ57Cは、信号CA
1を「L」に保つ。
【0089】ビット同期は、次のように行われる。
【0090】送信装置は、データ「1」を連続して送信
し、受信装置での同期捕捉が完了した頃に、データ
「0」を2ビット連続して送る。
【0091】同期捕捉が完了して、制御部57のカウン
タ57Cからの信号CA1が「L」になり、OR回路4
2が、コンパレータ41からの出力CHANを出力す
る。この出力CHANにより、セレクタ45は、相関値
COR1と相関値COROの中で、大きい方を信号S1
OUTとして出力する。
【0092】また、制御部57のデコーダ57Gからの
信号TR1は、セレクタ48Kの出力を信号WPにす
る。このため、相関値の観測は、観測窓A(「92」〜
「156」の値)の中だけとなる。セレクタ49の出力
LDD3が「247」の値のままであり、観測窓の制御
が行われない。つまり、PN符号1周期毎の観測とな
る。
【0093】デコーダ46の出力DECは、制御部57
のステートマシン57Bからの信号CA2が「H」であ
るとき、PN符号1周期ごとに「L」(アクティブ)と
なる。この出力DECにより、ステートマシン57Bは
PN符号1周期毎にステートの変化を起こす。
【0094】信号CA1が「L」になると、コンパレー
タ41からの出力CHANがOR回路42を経由して、
復調部44に加えられる。復調部44のラッチ44A
は、ピーク検出器43のNAND回路43Eからのアク
ティブの信号により、コンパレータ41からの出力CH
ANを取り込む。
【0095】復調部44のラッチ44Aの出力DOが3
回続けて「L」になるとき、制御部57のステートマシ
ン57Bの信号CA2は、「L」(アクティブ)にな
る。つまり、ピークが相関器22から3回連続して生じ
ると、信号CA2が「L」(アクティブ)となる。信号
CA2が「L」になると、デコーダ57Gからの信号T
Rは、セレクタ49が「743」の値を選択するように
する。ダウンカウンタ47は、PN符号3周期毎、つま
りデータ1ビット毎にダウンカウントする。
【0096】この場合、ビット同期信号としてステート
マシン57Bからの信号CA2を用いることができる。
【0097】データが「1」から「0」に変化すると
き、相関器22からの、最初のピーク観測では、図9に
示すように、ピーク以外の相関出力121,122が少
し大きくなる。しかし、このときだけは、それを許容す
ることとする。送信装置がデータ「0」を2ビット連続
して送信したのは、相関器22からの3つ目のピークを
観測する際、ピーク以外の相関出力を小さくするためで
ある。
【0098】もし、3回連続して相関器22がピークを
観測しない場合、この実施例では、キャリア検出からや
り直す。このとき、制御部57のステートマシン57B
は、信号EBITを「L」(アクティブ)にし、これを
受けて、デコーダ57Aは、クリア信号CLRを「L」
(アクティブ)にする。
【0099】なお、ビット同期だけを再び取り直すこと
も考えられ、このときは、制御部57のステートマシン
57Bをリセットするだけでよい。
【0100】また、送信装置がデータ「0」を2ビット
以上送り、受信装置が6つなり9つなりのピークを観測
した後、ビット同期確立信号である、制御部57のステ
ートマシン57Bからの信号CA2をアクティブにして
もよい。
【0101】さらに、送信装置がデータ「0」とデータ
「1」とを適当に混在させ、受信装置が、それによるピ
ークの判断を制御部57のステートマシン57Bで行
い、信号CA2を発生させてもよい。
【0102】f.同期追跡 同期追跡は、次のように行われる。
【0103】制御部57のステートマシン57Bから
の、ビット同期信号である信号CA2が「L」になる
と、同期追跡モードに入る。同期追跡とは、ピーク位置
が本来あるべき位置である「372」の値(データ1ビ
ットの中心)から外れたとき、その位置を「372」の
値に戻す動作といえる。
【0104】同期追跡のとき、制御部57のデコーダ5
7Aは、検出部52からの相関ピーク位置PT0、つま
り、検出部52のコンパレータ52Bからの出力COM
0と、ウインドウコンパレータ52Cからの出力PW0
を無視する。
【0105】制御部57のカウンタ57Cからの信号C
A1が「L」になると、OR回路42は、コンパレータ
41からの出力CHANを出力する。この出力CHAN
は、セレクタ45の選択用端子SELに加えられる。こ
れにより、セレクタ45は、相関器21からの相関値C
OR1、相関器22からの相関値COR0の中で、大き
い方を信号S1OUTとして出力する。
【0106】ビット同期が取れて、制御部57のステー
トマシン57Bからの信号CA2が「L」となると、設
定部48のセレクタ48Kは、制御部57のデコーダ5
7Gからの信号TR1により、信号WTを選択する。こ
れにより、相関ピークの観測は、ダウンタカウンタ47
の値POTが「404」〜「340」の値(以下、この
区間を観測窓Cと記す)となる。つまり、データ1ビッ
トに対する3つの相関ピークの中で、中心のピークとそ
の周辺だけを観測している。この部分は、識別したい本
来の相関値のピーク以外の相関出力が小さいから、これ
に影響を受ける可能性が低くなる。
【0107】デコーダ46は、制御部57のステートマ
シン57Bからの信号CA2により、出力DECをアク
ティブにするタイミングを変える。信号CA2が「H」
であるとき、デコーダ46は、PN符号1周期ごとに出
力DECを「L」(アクティブ)にし、信号CA2が
「L」であるとき、データ1ビットごとに出力DECを
「L」にする。
【0108】つまり、正確には、デコーダ46の出力D
ECは、3本の制御線DEC2,DEC1,DEC0か
らなっており、制御線DEC2,DEC1,DEC0の
順に、システムクロックの1クロック毎に遅れて、
「L」(アクティブ)になる信号である。制御線DEC
2で、ピーク情報をピーク検出器43のラッチ43Bお
よびラッチ43C、復調部44のラッチ44B等にラッ
チし、制御線DEC1をカウンタ57C,57E,57
Fやステートマシン57Bのクロックイネーブルにし、
制御線DECOでダウンカウンタ47にロードする。
【0109】制御部57のカウンタ57Eのリセット端
子には、ステートマシン57Bからの信号CA2をNO
T回路57Dで反転した信号が入力され、信号CA2が
「L」であるとき、外部からの強制的なリセットが解除
される。このとき、デコーダ46の出力DECであるイ
ネーブル信号が、データ1周期区間毎にアクティブにな
り、カウンタ57Eは、カウント可能な状態になる。後
で述べるカウンタ57Fについても、リセットが解除さ
れると、デコーダ46の出力DECがイネーブル信号の
ため、データ1周期区間毎にカウント可能となる。
【0110】また、制御部57のカウンタ57Eには、
ピーク位置が本来あるべき「372」の値から外れたこ
とを示す信号WH,WLが、コンパレータ55,56か
ら入力されている。ピーク位置が「373」〜「40
4」の値の間であるなら、信号WHが「H」(アクティ
ブ)となり、「340」〜「371」の値の間であるな
ら、信号WLが「H」(アクティブ)となる。
【0111】制御部57のカウンタ57Eは、信号WH
の「H」が所定回数(例えば、8回)連続するか、また
は、信号WLの「H」が所定回数(例えば、8回)連続
すると、出力OCONTを「L」(アクティブ)にす
る。それ以外の場合、カウンタ57Eは、リセットさ
れ、再び信号WHの「H」または信号WLの「H」が所
定回数連続するかどうかを観測する。このとき、出力O
CONTを「H」に保つ。
【0112】制御部57のカウンタ57Eからの出力O
CONTが「L」となると、デコーダ57Gの出力TR
は、セレクタ49の出力LDD3を、演算器51の出力
K2になるように設定する。演算器51は、 K2=1115−PT1 により、出力K2を算出する。セレクタ49が、演算器
51からの出力K2を出力LDD3として出力すると、
ピーク検出器43のラッチ43Aがクリアされるタイミ
ングで、ダウンカウンタ47に出力LDD3がロードさ
れる。これにより、ピーク位置を「372」の値にする
制御が行われる。
【0113】この制御は、キャリア検出と同じ原理であ
る。制御部57のカウンタ57Eは、出力OCONTを
「L」にすると、カウンタ57E自身にもリセットがか
かる。これにより、カウンタ57Eは、出力OCONT
を「H」にする。
【0114】同期追跡時、つまり、制御部57のデコー
ダ57Aからのクリア信号CLRが「H」であり、カウ
ンタ57Cからの信号CA1が「L」であり、ステート
マシン57Bからの信号CA2が「L」であり、カウン
タ57Eからの出力OCONTが「H」であるときは、
デコーダ57Gのからの信号TRは、セレクタ49が
「743」の値を出力するようにする。これにより、観
測窓Cの制御は、行われない。
【0115】電灯線などを用いた通信の場合、制御部5
7のカウンタ57Eを設け、ピーク位置が同じ方向に続
けて複数回ずれたときだけ、同期追跡制御をかける。こ
の結果、「372」の値から1回ずれたとき、直ちに同
期追跡制御をかける場合に比べて、さらに信頼性を増す
ことができる。
【0116】g.データの復調 データの復調は、次のようにして行われる。
【0117】受信装置は、データの1周期区間の中心1
/3で、相関ピークが相関器21,22のどちらから得
られたかを判断して、復調データを得る。相関器21か
ら相関ピークが得られると、復調データは、「1」であ
る。また、相関器22から相関ピークが得られると、復
調データは、「0」である。
【0118】データの復調は、同期追跡と並行して行わ
れるため、同期追跡と同じく、受信装置は、3つの相関
ピークの中で、中心のピークを含む観測窓Cのみを観測
して、データを復調する。このために、本来の相関ピー
ク以外の相関出力が復調に影響する可能性を少なくでき
る。
【0119】ピーク検出器43でピーク値を検出するた
めに、セレクタ45からの出力信号S1OUTをラッチ
43A,43Bでラッチしたのと同じタイミングで、セ
レクタ45の選択用端子SELに加えられる信号を、を
ラッチ44A,44Bでラッチする。これにより、デー
タ期間が終了する段階で、復調データをラッチ44Bの
出力としている。
【0120】データ期間が終了する段階では、ピーク検
出器43の場合と同様に、デコーダ46は、ラッチ44
Bにイネーブル信号を与え、ラッチ44Aの値がラッチ
44Bに取り込まれる。このイネーブル信号は、ラッチ
44Aのクリア信号にもなっており、ラッチ44Aがク
リアされる。ラッチ44Aは、次のデータ期間の間、再
び比較器41からの信号を、OR回路42を経由して入
力する。
【0121】これにより、データの1周期区間で相関ピ
ークがどちらの相関器21,22から得られたかを判断
することにより、ラッチ44Bから出力される復調デー
タは、相関器21から相関ピークが得られた場合に復調
データは「1」、相関器22から相関ピークが得られた
場合に復調データは「0」となる。
【0122】h.通信の終了 通信の終了(キャリア未検出)は、次のようにして行わ
れる。
【0123】通信が終了し、キャリアが存在しなくなる
と、ピーク検出器43からのピーク値P1がコンパレー
タ53のしきい値より小さくなり、コンパレータ53の
出力COM1が「L」となる。制御部57のステートマ
シン57Bからの信号CA2が「L」である状態が発生
すると、デコーダ57Aは、カウンタ57Fへの信号C
1を「H」(非アクティブ)にする。この信号C1は、
カウンタ57Fのリセット信号である。
【0124】なお、制御部57のデコーダ57Aは、キ
ャリア検出時、同期捕捉時、ビット同期時、同期追跡時
には、信号C1を「L」にする。このとき、カウンタ5
7Fにリセットがかかり、カウンタ57Fからのキャリ
ー出力NCAが「H」(非アクティブ)の状態を保つ。
【0125】制御部57のデコーダ57Aからの信号C
1が「H」であるとき、つまり、コンパレータ53の出
力COM1が「L」であり、かつ、ステートマシン57
Bからの信号CA2が「L」であるとき、カウンタ57
Fのリセットが解除される。カウンタ57Fのイネーブ
ル信号がデコーダ46の出力DECであるので、1ビッ
トのデータ区間毎に(中心のPN符号の終わり毎)1回
ずつカウントを行う。
【0126】コンパレータ53の出力COM1の「L」
が所定回数(例えば、16回)だけ連続すると、制御部
57のカウンタ57Fは、キャリー出力NCAを「L」
(アクティブ)にする。キャリー出力NCAが「L」に
なると、デコーダ57Aは、クリア信号CLRを「L」
(アクティブ)にする。このクリア信号CLRがカウン
タ57Cやステートマシン57Bをリセットし、通信の
終了(キャリア未検出)を知らせる。デコーダ57Aか
らの信号C1は、再び「L」となる。
【0127】制御部57のカウンタ57Cからの信号C
A1が再び「H」となり、ステートマシン57Bからの
信号CA2が「H」となると、次の通信の開始を待つ。
つまり、キャリアの検出モードに入る。ここではカウン
タ57Fからのキャリー出力NCAがキャリア未検出の
信号となる。
【0128】3.実施例の効果 このように、この実施例により、送信側では、データ
「0」を送る場合、M系列PN0を3つ連続して送信
し、また、データ「1」を送る場合、M系列PN1を3
つ連続して送信する。受信側は、送信側からの信号を受
信すると、受信信号の中で、連続する符号系列の中央部
分の相関値から、データ「1」、データ「0」を復調す
る。これにより、受信側の同期制御やデータの復調を安
定化させることができる。
【0129】4.実施例の変形例 なお、この実施例では、PN符号として31チップのM
系列を用いたが、符号は、これ以外でもよい。また、符
号長が異なってもよい。さらに、マンチェスタ符号化を
していなくてもよい。
【0130】さらに、PN符号の1周期の長さ(L
秒)、データの1ビットの長さ(T秒)、クロック周期
(τ秒)の関係は、T=3L=93τ以外でもよい。例
えば、T=4L=124τ、T=5L=155τ等の関
係でも構わない。
【0131】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1,2の
発明によれば、送信側は、受信側に送るデータの論理に
対応する符号系列を連続して所定数だけ送信し、受信側
は、送信側から信号を受信したとき、連続する符号系列
の中央部分の符号系列の相関値からデータを復調する。
【0132】これにより、1つの符号系列が連続してい
るので、本来の相関値のピークが発生する部分以外で
は、符号系列が連続する中央部の相関出力が小さくな
り、同期制御やデータの復調を安定して行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するSS通信装置の送信装置の
一例を示すブロック図である。
【図2】この発明を実施するSS通信装置の送信装置の
他の例を示すブロック図である。
【図3】この発明を実施するSS通信装置の受信装置の
基本構成を示すブロック図である。
【図4】相関器の一例を示すブロック図である。
【図5】受信装置を詳しく示すブロック図である。
【図6】設定部を詳しく示すブロック図である。
【図7】制御部を詳しく示すブロック図である。
【図8】送信データの作成の様子を示す図である。
【図9】相関器から出力される波形を表す波形図であ
る。
【図10】相関器から出力される波形を表す波形図であ
る。
【図11】SS通信装置の中の受信装置を示すブロック
図である。
【図12】受信側が発生する相関値を表す波形図であ
る。
【図13】相関器から出力される波形を表す波形図であ
る。
【符号の説明】
PN0 PN系列 PN1 PN系列

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信側は、送信するデータを符号系列に
    より変調して受信側に送り、受信側は、受信信号の相関
    値を求めてデータを復調するスペクトル拡散通信方法に
    おいて、 送信側では、データの論理「0」、論理「1」に対し
    て、それぞれ第1の符号系列とこの第1の符号系列と位
    相の異なる第2の符号系列とを対応させ、データを送信
    するときに、論理に対応する符号系列を所定数だけ連続
    して送信し、 受信側では、受信信号の中で、連続する符号系列の中の
    中央部分の相関値から、論理「1」または論理「0」を
    復調するスペクトル拡散通信方法。
  2. 【請求項2】 送信装置は、送信するデータを符号系列
    により変調して受信装置に送り、受信装置は、受信信号
    の相関値を求めてデータを復調するスペクトル拡散通信
    方法において、 送信装置は、 データの論理「0」、論理「1」に対して、それぞれ第
    1の符号系列と、この第1の符号系列と位相の異なる第
    2の符号系列とを対応させ、データを送信するときに、
    論理に対応する符号系列を所定数だけ連続して送信する
    送信手段を備え、 受信装置は、 第1の符号系列と受信信号との相関値をとる第1の相関
    手段と、 第2の符号系列と受信信号との相関値をとる第2の相関
    手段と、 第1の相関手段と第2の相関手段とからの、連続する相
    関値の中の中央部分の相関値を比較し、この比較により
    大きい方の相関値に対応して、データの論理「1」また
    は論理「0」を復調する復調手段とを備えることを特徴
    とするスペクトル拡散通信装置。
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