JP3444665B2 - グリココンジュゲートの測定方法および試薬 - Google Patents

グリココンジュゲートの測定方法および試薬

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は糖鎖結合性物質を利用し
て、グリココンジュゲートを測定する方法および試薬に
関する。特にリウマチ因子の測定法および試薬として適
切な、グリココンジュゲートの測定方法および試薬に関
する。
【0002】
【従来の技術】グリココンジュゲートとは、糖蛋白質、
糖脂質など、糖を保有する化合物の総称であるが、ま
ず、グリココンジュゲートの一例として、糖蛋白質であ
るリウマチ因子について記載する。慢性関節リウマチ患
者(以下RA患者と略す)の血清中にはいわゆるリウマ
チ因子といわれる自己免疫抗体が存在し、これはヒト免
疫グロブリンG(以下IgGと略す)のFc部位に存在
する抗原を認識することが知られている(H. G. Kunkel
et al., Adv. Immunol., 4, 351, 1964)。すなわちリ
ウマチ因子は、自己の免疫グロブリンであるIgGに対
する自己抗体であり、その種類によってIgA、Ig
G、IgMタイプなどに分類することができる。
【0003】リウマチ因子はRAの重要な病因の一つで
あり、この検定はRA患者の診断手段として有効であ
り、これまでいくつかの方法が診断試薬として利用され
ている。代表的な方法を挙げると、変性IgGをラテッ
クスビーズに結合させたものと、検体血清を反応させ
て、ラテックスビーズの凝集反応の有無でリウマチ因子
の存在を測定する方法( Singer,J. M. et al., Am. J.
Med., 21, 888, 1956)、および固相化したIgGまた
はIgGFcに検体試料中のリウマチ因子をトラップ
し、免疫グロブリンのFab部分を認識する抗体に酵素
標識したものを第二抗体として用いる酵素免疫測定法が
ある(GB2001171A)。
【0004】凝集反応を用いる方法は測定できるリウマ
チ因子がほとんどIgMタイプであり、他のIgA、I
gGなどのタイプの検出はできない欠点を有し、測定精
度の点にも問題がある。酵素免疫測定法を用いる方法
は、健常人でも数%の偽陽性がみられ、肝疾患、慢性関
節リウマチ以外の自己免疫疾患、変形性関節症などで高
い偽陽性がでるため、別の手法による確認試験が必要と
なる。さらに慢性関節リウマチ疾患での偽陰性が多く、
信頼性の点で満足しえる状態ではない。
【0005】リウマチ因子の測定手段として、第二抗体
を使用せずリウマチ因子の糖鎖を利用する方法が最近報
告された。すなわち、リウマチ因子は自己抗体であるゆ
え、免疫グロブリンであり、糖蛋白質であることから糖
鎖と結合性を有するレクチンを用いて測定する方法であ
る(特開平3−48700号公報)。この方法はリウマ
チ患者血中のIgGの糖鎖を分析した結果、正常者Ig
Gと比較してガラクトースが欠損しているとの知見をも
とに、ガラクトース欠損糖鎖と正常糖鎖に対するレクチ
ンの反応性の差を利用したものである。この方法は反応
性の差を利用するゆえ使用しうるレクチンが限定される
欠点を有し、ガラクト−ス欠損IgG作成の煩雑性、経
済性などの点からまだ完成されておらず改良の必要があ
る。
【0006】このように、リウマチ因子の糖鎖を利用し
てリウマチ因子を測定する方法を改良し、特異性の高い
高精度なリウマチ因子の測定法の開発が望まれている。
さらに、糖鎖を利用するこの測定法はリウマチ因子に限
らず、広くグリココンジュゲート、いわゆる糖を含む化
合物の測定に応用できる可能性があることから、グリコ
コンジュゲート全般に及ぶ簡便な信頼性のある測定法の
確立が期待される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
現状に鑑み、まずレクチンを用いるリウマチ因子の測定
法の改良を行い、疾患特異性が高く、精度のよいリウマ
チ因子の測定法を確立すると共に、グリココンジュゲー
ト全般にわたる基本的な測定法を確立することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】検体試料中のリウマチ因
子をトラップする方法は、リウマチ因子の特性から固相
化IgGまたは固相化IgGFcを使用することが常用
され、最も優れている。しかし、レクチンを用いて、ト
ラップしたリウマチ因子を測定する際には固相化したI
gGまたはIgGFcとレクチンとの反応性が大きな問
題となる。そこで本発明者は、IgGの糖鎖を化学的に
処理して、リウマチ因子との結合性はそのまま残し、レ
クチンとの結合性だけを失わしめたIgGを使用するこ
とにより感度、精度を改良し優れた測定法を創生しえる
のではないかと考えた。
【0009】糖の水酸基がレクチンとの結合性に重要な
役割を果たすことが知られている。そこで過ヨウ素酸処
理によりIgG糖鎖の水酸基を酸化し、レクチンとの結
合性が消失したIgGとリウマチ因子との結合性を検討
したところ、驚くべきことに、過ヨウ素酸処理IgGは
正常IgGと同様にリウマチ因子との結合能を保持して
いることを初めて確認した。この過ヨウ素酸処理IgG
を用い鋭意研究の結果、目的とする優れたリウマチ因子
の測定法を確立し、さらに、その方法がグリココンジュ
ゲート全般の測定系に応用し得ることが判明し、本発明
を完成するに到った。
【0010】すなわち、本発明は、サンドイッチ法によ
りグリココンジュゲートを測定する方法であって、 1) グリココンジュゲートと特異的に結合性を有する物
質の糖鎖を化学的処理を行うことにより、糖鎖結合性物
質との結合活性を消失させた修飾物質(修飾第一反応物
質)と検体を反応させ、検体中のグリココンジュゲート
を結合させ、 2) 第二反応物質として、グリココンジュゲートの糖鎖
と結合活性を有する糖鎖結合性物質を反応させ、 3) 結合した糖鎖結合性物質の量を測定する、ことから
なる、グリココンジュゲートの測定方法、およびこの方
法に基づくグリココンジュゲートの測定試薬に関する。
具体的にグリココンジュゲートの一つであるリウマチ因
子については、過ヨウ素酸処理した免疫グロブリンG
(IgG)を修飾第一反応物質とし、レクチンを糖鎖結
合性物質として用いるリウマチ因子の測定方法および測
定試薬に関するものである。
【0011】本発明の特徴は、測定目的のグリココンジ
ュゲートと特異的に結合する物質(A)をそのまま第一
反応物質として使用せずに、化学的処理を行い該物質
(A)の糖鎖を修飾し、糖鎖結合性物質との結合活性を
消失させた修飾物質(A)、いわゆる修飾第一反応物質
を使用することにある。この処理により、第二反応物質
である糖鎖結合性物質は測定目的のグリココンジュゲー
トとのみ結合することから、グリココンジュゲートの測
定精度を上げ、信頼性のある結果を得ることを可能にし
たものである。これは、物質(A)を適切な条件で化学
的処理を行うことにより、糖鎖を修飾しても目的のグリ
ココンジュゲートとの結合性が失われないことを本発明
者が初めて見出したことにより完成したものである。
【0012】グリココンジュゲートとは、糖蛋白質、糖
脂質など、糖を保有する化合物の総称であり、本発明は
これらグリココンジュゲートの測定における基本的技術
に関するものである。以下にグリココンジュゲートの一
つの例として、糖蛋白質であるリウマチ因子の測定法を
中心に本発明を詳細に説明する。
【0013】リウマチ因子と特異的に結合する物質とし
てIgGを使用するが、レクチンと結合性を有しない修
飾IgG(そのFc断片などの場合も含む)とは、Ig
Gを化学的、生物学的または物理学的に処理することに
よってレクチンとの結合性をなくしたIgGを意味す
る。処理方法としては、例えば糖分解酵素処理によりI
gGの糖鎖を部分分解または完全分解させる方法、レク
チンとの結合性に重要な役割を果たす糖鎖水酸基を酸化
処理する方法、糖鎖に別の有機基または無機基を付加、
結合させる方法などが挙げられる。また、他の化学的処
理方法として遺伝子組換手法も含まれる。すなわち、I
gGの製造法として遺伝子組換手法を用いて発現させる
際に、糖鎖が付加しない条件を選択することにより、無
糖鎖IgGまたはレクチンと反応しないIgGを製造す
ることができる。いずれの方法にせよ、レクチンとの反
応性を消失させたIgGであればよく、処理方法のいか
んを問わず本発明の範囲に含まれる。処理方法として好
ましくは、糖鎖水酸基を酸化させる過ヨウ素酸処理法、
糖分解酵素処理法などが挙げられる。もちろん修飾Ig
Gがリウマチ因子との結合性を消失しないことが必要で
ある。また修飾IgGのレクチン反応性は完全に消失し
なくともわずかに反応性が残っていても実用に供しえ、
本発明に含まれるが、望ましくは完全に消失させること
であることは言うまでもない。
【0014】IgGの過ヨウ素酸処理法は常法に従い、
中性溶液下25mM過ヨウ素酸溶液中で室温1時間反応
させたのち、透析することにより、修飾IgGを調製す
ることができる。糖分解酵素処理法はシアリダーゼ、マ
ンノシダ−ゼ、N−アセチルグルコサミニダ−ゼ、ガラ
クトシダーゼなど単独または混合して反応させることに
よって、修飾IgGを調製することができる。
【0015】レクチンとの反応性をなくしたIgGはそ
のまま測定系に、また試薬系に使用することもできる
が、操作の簡便性から固相化して使用するのが好まし
い。固相体としては、ポリスチレンビーズ、ポリエチレ
ンビーズ、シリコンビーズなどの合成樹脂ビーズ、ガラ
スビーズ、磁性粒子、赤血球、タイタープレート、ニト
ロセルロ−ス膜などいずれの固相体も使用することがで
きる。好ましくはタイタープレート、ポリスチレンビー
ズが挙げられる。また修飾IgGは全体を使用しなくと
も、Fc部分などの断片の使用も可能であり本発明に含
まれることは言うまでもない。
【0016】リウマチ因子の定量はトラップされたリウ
マチ因子とのレクチンの結合量を測定することによりな
される。結合レクチン量の測定法としては、標識レクチ
ンの使用、抗レクチン抗体の利用、レクチン結合性試薬
の利用などが挙げられ、あらゆるレクチン測定法を利用
することができる。標識レクチンの標識化合物は測定、
定量しうるものであればいずれでもよく、例えば酵素、
蛍光物質、色素、化学発光物質、電気発光物質、金属、
同位元素などが挙げられる。これら標識物質は直接的に
レクチンに結合させてもよく、またアビチン、ビオチン
などを介して間接的に結合させて利用することもでき
る。標識酵素としては、アルカリホスファターゼ、グル
コースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、ベータガラク
トシダーゼなどが挙げられ、好ましくはペルオキシダー
ゼである。電気、化学発光物質としてはランタニド金属
化合物などが挙げられる。
【0017】第二反応物質として使用する糖鎖結合性物
質は、リウマチ因子の糖鎖と結合性を有する物質であれ
ば天然物、有機化合物、無機化合物などを含め特に限定
はされない。具体的には、レクチン、糖鎖に対する抗
体、ボロン酸誘導体などが挙げられるが、好ましくはレ
クチン、糖鎖に対する抗体であり、さらに好ましくはレ
クチンが挙げられる。
【0018】レクチンとしては糖鎖結合性を有するもの
であればいずれも使用することができ、例えば、コンカ
ナバリンA(ConA)、リスナスコミニス アグルチ
ニン(RCA120),レンズクリナリス(LCA)、
バンデラエ シンプリシフオリア(BSII)、フィトラ
カ アメリカナ、リコペリシコン エスキュレンタム、
ドリコス ビフロラス、ファセオラス ブルガリス(P
HA−E)などが挙げられ、リウマチ因子測定の場合、
好ましくはRCA120、ConA、LCAが挙げられ
る。
【0019】次に本発明によるリウマチ因子測定法は、
例えば次のように実施される。測定系全体の構成要素は
固相、固相コート用過ヨウ素酸処理IgG、標準リウマ
チ因子または検体血清、ビオチン化RCA120、アビ
ジン化ペルオキシダーゼおよび酵素基質である。固相と
してはマイクロタイタープレートのウエルを用いる。測
定に先立ち、過ヨウ素酸処理IgGを炭酸緩衝液(pH
8.5)に溶解し、ウエルに入れ4℃で一夜放置すれば固
相表面はコートされる。コートされていない表面部分は
牛血清アルブミンをリン酸緩衝液に溶解してウエルに加
え、同様に放置し牛血清アルブミンによってコートす
る。
【0020】本発明によるリウマチ因子測定は通常の手
順に従って行なえばよい。例えば実施例に示されるごと
く、コートしたウエルに標準リウマチ因子または検体血
清を加えインキュベートし、続いてビオチン化RCA1
20を加えインキュベートし、次いでアビジン化ペルオ
キシダーゼを加え、最後に基質を加えインキュベートし
たのち反応を停止せしめてから、基質の分解量を分光光
度計を用いて測定すればよい。
【0021】次に本発明の一例として、リウマチ因子測
定試薬の具体的態様を酵素標識の場合について示せば次
のごとくになる。すなわち、過ヨウ素酸処理IgG単独
または該IgG固定用マイクロタイタープレート、リウ
マチ因子陽性および陰性対照試料、RCA120,アビ
ジン、ビオチン、ペルオキシダーセおよび基質よりなる
組み合わせたもののセットである。ここにおいて、セッ
ト中にマイクロタイタープレートが過ヨウ素酸処理Ig
Gによってコートされた状態で提供されること、ビオチ
ンとRCA120が、また酵素とアビジンがコンジュゲ
イトした状態で提供されることは自由であり、これらも
同様に本発明測定試薬の態様に含まれる。標識物質が酵
素以外の場合は、それぞれの標識物質の性質に応じて試
薬の構成を変えることは言うまでもない。また測定の実
施の便益のために適当な標準希釈液、反応希釈液、基質
溶解液、反応停止液などがセット中に添付されることも
自由であり、これらは本発明を限定するものではない。
【0022】本発明の一つとしては、レクチンと反応性
を有しないIgGを使用し、レクチンの糖鎖反応性を利
用してリウマチ因子を測定する新規な方法である。二抗
体サンドイッチ法に相当する簡便な方法であり、特異性
の高い、高感度なリウマチ因子測定法を提供するもので
ある。これまでのリウマチ因子測定系において、レクチ
ン無反応性IgGを使用したものはなく、慢性関節リウ
マチ患者に特異性を発揮する優れた効果を有し、臨床の
場において実用性が高い。
【0023】以上の如く、リウマチ因子の測定法を中心
に説明したが、この基本的手法はグリココンジュゲート
全般に応用することができる。測定目的のグリココンジ
ュゲートと特異的に結合する第一反応物質の化学的処理
方法、糖鎖結合性物質、標識化合物などは上記説明の方
法に準じて適宜選択すればよい。
【0024】グリココンジュゲート測定の実例として下
記の如き事項が挙げられる。例えば、バクテリア、ウィ
ルスなどの表面蛋白質は糖蛋白質であることから、これ
らに感染したか否かの診断が可能である。すなわち、バ
クテリアの抗体が血清中に存在するか否かはバクテリア
の構成糖蛋白質を修飾して修飾第一反応物質として使用
し、第二反応物質としてレクチンを使用すればよい。逆
にバクテリア自身、いわゆる抗原の有無を検定する場合
には、該バクテリアの抗体を修飾第一反応物質として使
用し、第二反応物質としてレクチンを使用することによ
り、血清中に該バクテリア(抗原)が存在するか否かの
検定が可能である。
【0025】また、生体成分の糖蛋白質を測定する場合
には、その抗体を修飾第一反応物質として用いればよ
く、特に測定目的の糖蛋白質が病理学的にある疾患と密
接に関係している場合、例えば、癌と関連するα−フェ
トプロテイン、β−ガラクトシダーゼなどの糖蛋白質の
測定系に利用することができ、病理学的にも臨床学的に
も非常に大きな意義を有するものとなる。
【0026】また、糖脂質に関しても、疾患と密接に関
連する糖脂質が知られている。例えば、神経疾患の一つ
ギランバレー症候群患者の血清中にはガングリオシドの
一種GM1、GD1b、アシアリルGM1などと反応す
る抗体(一種の自己抗体)の存在が確認されている(Yuk
i N. et al., Neurology, 40, 1900, 1990) 。これら抗
体がしびれ、感覚障害、筋力低下などの神経障害を引き
起こす原因と考えられており、本発明の方法は、これら
抗体の検定に使用することができる。
【0027】さらにレクチンなど糖鎖結合性物質を用い
るこの新しい手法は別の意義も期待される。すなわち、
ある疾患と密接に関連するグリココンジュゲートが疾患
時に血中に放出されるものは正常な形ではなく、糖鎖部
分が変化している可能性もあることから(例えば、肝細
胞癌患者血清中のα−フェトプロテインの糖鎖は正常の
ものとは異なる)、第二反応物質である糖鎖結合性物質
を適宜選択することにより、これまでの測定法による結
果とは異なる新しい臨床データ、臨床像を示す可能性が
あると期待される。
【0028】
【実施例】以下に記載する実験例、実施例をもって本発
明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0029】実施例1 IgGの過ヨウ素酸処理 メタ過ヨウ素酸をPBS(50 mM phosphate buffer, 0.
15M NaCl, pH7.4 )に溶解し、ヒトIgG溶液(1mg/
ml PBS)に等量添加し、遮光条件下室温にて1時間静置
し、酸化反応を行った。反応後4℃にてPBSへ透析
し、過ヨウ素酸処理IgGを調製した。以下、メタ過ヨ
ウ素酸処理IgGをLN−IgG(LectinNonreactive
IgG)と略記する。
【0030】実施例2 LN−IgGの固相化 LN−IgGをPBSにて5μg /mlに調製し、ポリス
チレン製マイクロプレートウエルに100μl ずつ分注
し、4℃一昼夜静しLN−IgGを固相化した。固相化
反応後、LN−IgG溶液を吸引し、1%BSA(PB
S)を各ウエルに300μl ずつ添加し、4℃一昼夜ブ
ロッキングを行い実験に供し、本発明診断試薬の一構成
要素とする。
【0031】実施例3 LN−IgGの抗IgG抗体お
よびレクチンとの反応性 LN−IgG、未処理IgGおよびコントロールIgG
(それぞれ1mg/ml)を2μl ずつニトロセルロース膜
にドットブロットし、乾燥後ゲラチン緩衝液(0.25%ゲ
ラチン、0.05%、NP-40, 0.15M NaCl, pH7.4)にてブロ
ッキングを60分間、室温で行った。ブロッキング終了
後、ペルオキシダーゼ標識レクチン(RCA 120, Con Aま
たはLCA、 2.5μg /ml)またはペルオキシダーゼ標識ヤ
ギ抗ヒトIgG抗体(市販の溶液を 500倍に希釈したも
の)500μl を加えて室温60分反応させ、ブロッキ
ングバッファーで洗浄した後、ペルオキシダーゼの基質
である4−クロロナフトール液(4−クロロナフトール
60mg, H2O2 20μl, メタノール20ml/50mM Tris-HCl,
0.5M NaCl, pH7.4, 100μl )を添加し、発色を観察し
た。
【0032】その結果、LN−IgGは未処理IgGと
同様に抗ヒトIgG抗体と反応することを確認した。す
なわちメタ過ヨウ素酸処理したIgGの抗原性は消失し
ていないことを意味する。また、レクチン(RAC12
0,ConA,LCA)との反応性については、未処理
IgG(normal IgG)は反応するがLN−IgGは全
く反応しないことが確認された(表1参照)。すなわ
ち、LN−IgGはレクチン認識部位がブロックされて
いることを意味する。以上の結果から、LN−IgG
は、抗原性は保持し、レクチン反応性のみが消失してい
ることが判明した。
【0033】
【表1】
【0034】実施例4 患者および健常人血清試料の測
定 慢性関節リウマチ(RA)20例、変形性関節症(O
A)18例、全身性エリテマトーデス(SLE)10
例、肝疾患(Liver Disease)10例、健常人 (Healthy)
20例の血清試料中のリウマチ因子を測定した。 測定法 血清試料を予め、ゼラチン緩衝液(2.5 %ゼラチン、0.
15M NaCl, 0.05% NP-40, 50mM Tris-HCl, pH7.4)にて
200倍に希釈し、その200μl を実施例2の方法で
作製したLN−IgG固相化ウエルに添加する。25℃
60分間反応させた。洗浄後、RCA120−ビオチン
( 2.5μg /ml)100μl を各ウエルに添加し、25
℃60分間反応させた。反応後洗浄し、ストレプトアビ
ジン−ペルオキシダーゼ(市販品を1000倍希釈したも
の)を100μl ずつウエルに添加し、25℃60分間
反応させた。洗浄後、ペルオキシダーゼの基質溶解液
(ATBS6mg, 10μl H2O2/4ml 0.1Mクエン酸バッファ
ー、pH4.3 )を100μl ずつウエルに添加し、37℃
30分間反応させた。反応終了後、2mM NaN3
100μl ずつウエルに添加し、2波長405−490
にて定量化した。カットオフ値は健常人血清測定平均値
の3倍(インデックス3)として設定し、カットオフ値
以上を陽性と判定した。結果は図1に示す如く、RA患
者のみ陽性率80%(16/20)であり、OA、SLE、
Liver Disease 、患者群に陽性検体はなかった。すなわ
ちRA患者群に非常に特異的であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例4で行った各種患者血清中のリウマチ
因子の測定結果を示す図である。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンドイッチ法によりリウマチ因子を測
    定する方法であって、 1) 過ヨウ素酸処理された免疫グロブリンG(IgG)
    と検体を反応させ、検体中のリウマチ因子を結合させ、 2) リウマチ因子の糖鎖と結合活性を有する糖鎖結合性
    物質を反応させ、 3) 結合した糖鎖結合性物質の量を測定する、 ことからなる、リウマチ因子の測定方法。
  2. 【請求項2】 糖鎖結合性物質が標識された糖鎖結合性
    物質である、請求項1記載のリウマチ因子の測定方法。
  3. 【請求項3】 糖鎖結合性物質がレクチンである、請求
    項1記載のリウマチ因子の測定方法。
  4. 【請求項4】 レクチンが標識されたレクチンである、
    請求項記載のリウマチ因子の測定方法。
  5. 【請求項5】 過ヨウ素酸処理されたIgGが固相化さ
    れていることを特徴とする、請求項1記載のリウマチ因
    の測定方法。
  6. 【請求項6】 レクチンがリスナスコミニス アグルチ
    ニン(RCA120)、コンカナバリンA(ConA)
    またはレンズクリナリス(LCA)である請求項記載
    リウマチ因子の測定方法。
  7. 【請求項7】 リウマチ因子を測定する試薬であって、
    過ヨウ素酸処理されたIgGと糖鎖結合性物質を必須の
    構成成分とするリウマチ因子の測定試薬。
  8. 【請求項8】 糖鎖結合性物質がレクチンである請求項
    記載のリウマチ因子の測定試薬。
  9. 【請求項9】 レクチンがRCA120、ConAまた
    はLCAである請求項記載のリウマチ因子の測定試
    薬。
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