JP3444395B2 - 油汚染土の処理方法 - Google Patents

油汚染土の処理方法

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JP3444395B2
JP3444395B2 JP22721897A JP22721897A JP3444395B2 JP 3444395 B2 JP3444395 B2 JP 3444395B2 JP 22721897 A JP22721897 A JP 22721897A JP 22721897 A JP22721897 A JP 22721897A JP 3444395 B2 JP3444395 B2 JP 3444395B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油で汚染された土
を処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工場跡地等で基礎工事を行う場合、燃料
油や機械油が掘削土に混じって搬出されることがある。
かかる油汚染土をそのまま放置すると、該土に混入して
いる油分の臭いが周囲に拡散して周辺住民の生活に支障
を来すとともに、雨水によって土粒子から遊離した場合
には、地下水等に混入して水質を汚濁させる原因ともな
る。
【0003】そのため、かかる油汚染土は、一般廃棄物
とは区別し、いわゆる管理型処分場に廃棄処分とするこ
とで環境への拡散防止を図らねばならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近で
は、環境保護の観点から廃棄物処分場の確保がかなり困
難な状況になってきており、廃棄処分すべき処分場が見
当たらないという問題や、浸出水に含まれる油分の処理
設備が整っていない場合には油汚染土の受入れがそもそ
も困難であるという問題、あるいは、油含有量が一定量
を越える場合には、焼却が必要となるが、その焼却土は
やはり管理型処分場で廃棄処分しなければならないとい
う問題を生じていた。
【0005】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、廃棄物処分場を必要とすることなく、しかも
油分が環境へ拡散しない形で油汚染土を処理することが
可能な油汚染土の処理方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る油汚染土の処理方法は請求項1に記載
したように、油汚染土に粉末カオリン粘土を添加して混
合攪拌し、混合攪拌された後の混合土からふるいによる
分離作業によって前記粉末カオリン粘土を分離除去する
油汚染土の処理方法であって、前記分離工程において散
水を行うものである。
【0007】また、本発明に係る油汚染土の処理方法
は、前記油汚染土に前記粉末カオリン粘土を添加する前
に該油汚染土を乾燥させるものである。
【0008】また、本発明に係る油汚染土の処理方法
は、前記油汚染土を水洗浄し、次いで脱水乾燥させた
後、該油汚染土に前記粉末カオリン粘土を添加するもの
である。
【0009】また、本発明に係る油汚染土の処理方法は
請求項4に記載したように、油汚染土に生石灰を添加し
て混合攪拌し、混合攪拌された後の混合土からふるいに
よる分離作業よって消石灰粒子を分離除去する油汚染土
の処理方法であって、前記分離工程において散水を行う
ものである。
【0010】また、本発明に係る油汚染土の処理方法
は、前記油汚染土を水洗浄し、次いで含水比を調整した
後、該油汚染土に前記生石灰を添加するものである。
【0011】また、本発明に係る油汚染土の処理方法
は、前記混合土からの分離作業後において、前記消石灰
微粒子が含まれた水溶液を酸性溶液で中和するものであ
る。
【0012】
【0013】
【0014】請求項1の発明に係る油汚染土の処理方法
においては、油汚染土に粉末カオリン粘土を添加して混
合攪拌し、混合攪拌された後の混合土からふるいによる
分離作業によって前記粉末カオリン粘土を分離除去する
油汚染土の処理方法であって、前記分離工程において散
水を行う。
【0015】このようにすると、水や界面活性剤といっ
た従来の溶液系洗浄手段では、土粒子表面に付着してい
る油膜あるいは油層をどうしても除去できなかったのに
対し、請求項1に係る発明では、油汚染土に粉末カオリ
ン粘土を添加して混合攪拌する際、粉末カオリン粘土が
土粒子表面に接触して該表面に付着している油層を引き
離す。そして、土粒子表面から引き離された油分は、土
粒子同士の間隙に存在する油分とともに粉末カオリン粘
土に吸収される。
【0016】したがって、このようにして油汚染土内の
油分を吸収した粉末カオリン粘土を混合土から分離除去
すれば、油汚染土を処理することが可能となる。
【0017】混合攪拌された後の混合土から粉末カオリ
ン粘土を分離除去する際、ふるいによる分離作業によっ
て粉末カオリン粘土を混合土から分離除去するようにす
れば、ふるい目を粉末カオリン粘土の径に応じて適宜選
択することによって粉末カオリン粘土を確実に分離除去
することが可能となる。また、かかる分離工程において
散水を行うので、粉末カオリン粘土がふるい目から落下
しやすくなるとともに、ふるいの目詰まりを防止するこ
とも可能となる。
【0018】油汚染土に粉末カオリン粘土を添加するに
あたり、予め該油汚染土を乾燥させておくと、粉末カオ
リン粘土に油分が吸収される前に油汚染土に含まれる水
分が吸収されてしまい、肝心の油吸収能が低下するとい
った事態を回避することができるとともに、揮発性が高
い油分については予め飛ばしておくことも可能となる。
【0019】また、油汚染土に粉末カオリン粘土を添加
するにあたり、予め該油汚染土を水洗浄しておくと、土
粒子間に存在する油分については水によって洗浄するこ
とができるので、油汚染土の油含有量が高い場合や、粉
末カオリン粘土の添加量を節約したい場合には有効な手
段となる。
【0020】また、請求項4に係る油汚染土の処理方法
においては、油汚染土に生石灰を添加して混合攪拌し、
混合攪拌された後の混合土からふるいによる分離作業よ
って消石灰粒子を分離除去する油汚染土の処理方法であ
って、前記分離工程において散水を行う。
【0021】このようにすると、水や界面活性剤といっ
た従来の溶液系洗浄手段では、土粒子表面に付着してい
る油膜あるいは油層をどうしても除去できなかったのに
対し、請求項4に係る発明では、油汚染土の含水率があ
る程度高い場合、混合攪拌工程において生石灰が油汚染
土中の水分を吸収して微細な消石灰粒子に化学変化す
る。そして、微細な消石灰粒子は、研磨剤と同様に土粒
子表面に作用して該表面に付着している油膜を取り除く
とともに、微細ゆえ全表面積が大きくなって油分の吸着
効率が高くなる。
【0022】また、生石灰が油汚染土に含まれる水分と
の水和反応で微細な消石灰粒子が生成され、これが土粒
子表面の油膜除去にきわめて有効に作用する点は上述し
た通りであるが、さらにふるいによる分離作業において
も、微細な分だけきわめて効率のよい分離が可能とな
る。
【0023】ここで、前記油汚染土を水洗浄し、次いで
含水比を調整した後、該油汚染土に前記生石灰を添加す
るようにすると、土粒子間に存在する油分については水
によって洗浄することができるので、油汚染土の油含有
量が高い場合や、生石灰の添加量を節約したい場合には
有効な手段となる。
【0024】また、混合土からの分離作業後において、
消石灰微粒子が含まれた水溶液を酸性溶液で中和するよ
うにすれば、消石灰微粒子は水溶液内で溶解し、固形廃
棄物としては排出されないこととなる。したがって、産
業廃棄物の減容化を促進することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る油汚染土の処
理方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明
する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等について
は同一の符号を付してその説明を省略する。
【0026】(第1実施形態)図1は、本実施形態に係
る油汚染土の処理方法の手順を示したフローチャートで
ある。同図でわかるように、本実施形態の処理方法にお
いては、まず、油汚染土を風乾させ(ステップ10
1)、該油汚染土をある程度乾燥させておく。
【0027】次に、乾燥させた油汚染土を油吸収性微細
体である細粒材としての粉末カオリン粘土とともにミキ
サーに投入し、該ミキサーにて混合撹拌する(ステップ
102)。粉末カオリン粘土の添加量は、油汚染土の油
含有量に応じて適宜設定すればよい。
【0028】このようにすると、混合撹拌中において粉
末カオリン粘土が油汚染土の土粒子表面に接触し、該接
触による物理的作用で土粒子表面に付着している油層若
しくは油膜を引き離す。そして、土粒子表面から引き離
された油分は、土粒子同士の間隙に存在する油分ととも
に、粉末カオリン粘土に吸収される。
【0029】次に、混合撹拌された混合土をミキサーか
ら取り出し、ふるいによる分離作業によって混合土から
粉末カオリン粘土を分離除去する(ステップ103)。
ふるい目の大きさは、油分を吸収した細粒材である粉末
カオリン粘土がふるい目から落ちるとともに、該油分が
除去された処理土がふるい上に残留するように適宜設定
する。
【0030】図2は、混合土から粉末カオリン粘土を分
離するための作業を行うための土砂分離装置1を一例と
して示したものであり、該土砂分離装置に備えられた振
動フルイ機構5は、ふるい7、8、9および盲板と呼ば
れる鉄板10が配設された枠体11をバネ12を介して
架台13で支持するとともに、枠体11の上方に取り付
けた起振機14をモータ15で駆動してふるい7、8、
9を振動させるようになっており、かかる構成によって
投入口16から投入された混合土を各ふるいにて分離で
きるようになっている。また、各ふるい7、8、9の上
方には該ふるい面に散水を行うための散水機構17を設
けてある。
【0031】次に、ふるいの上に残留した処理土を盛土
材、裏込め材などに適宜再利用する(ステップ10
4)。なお、油分が吸収された粉末カオリン粘土は、油
含有量が高い産業廃棄物として焼却等の処理を行う。
【0032】次に、本実施形態に係る油汚染土の処理方
法に関する実証試験を行い、その作用効果を確認したの
で、以下にその概略を説明する。
【0033】実験は、水による洗浄、界面活性剤による
洗浄及び本実施形態に係る細粒材による洗浄の3つのケ
ースについて行った。
【0034】まず、水及び界面活性剤の水希釈液による
洗浄においては、砂質土に重油を重量比で1%添加混合
して油汚染土を作製し、かかる油汚染土100gに洗浄
液50mlを添加して上下振とう(200回/分)を3
0分間行い、油汚染土を洗浄した。次に、洗浄された土
を0.15mm目のふるいに載せた後、水ですすいで洗
浄土とし、該洗浄土の油含有量を測定した。
【0035】表1は、水による洗浄及び界面活性剤によ
る洗浄の結果を示したものである。
【0036】
【表1】 同表でわかるように、油汚染土の油含有率は、洗浄を繰
り返すことによって1%から徐々に低下していくが、い
ずれのケースにおいても、2〜3回目以降は洗浄効率が
低下しており、洗浄可能な程度は、0.2〜0.3%が
限界であることがわかる。
【0037】次に、細粒材によって油汚染土を洗浄した
実験を説明する。
【0038】本実験においては、油含有量が1%の油汚
染土1kgを作製し、かかる油汚染土に細粒材を添加し
た。そして、ミキサーで3分間撹拌混合した後、0.1
5mm目のふるいに載せて細粒材を洗い流す一方、ふる
いの上に残留した洗浄土の油含有量を測定した。細粒材
としては、カオリン粘土の粉末と、生石灰を使用した。
【0039】表2にかかる実験の結果を示す。
【0040】
【表2】 同表でわかるように、カオリン粘土の粉末を添加した場
合、洗浄後の土の油含有量は添加量が大きくなるにつれ
て大幅に低下し、表1で説明した水若しくは界面活性剤
による洗浄よりも2分の1から10分の1程度まで油含
有量が低下していることがわかる。また、生石灰の場合
には、カオリン粘土に比べてわずかな添加量で優れた洗
浄効果を発揮することも同表から認められる。
【0041】以上説明したように、本実施形態に係る油
汚染土の処理方法によれば、油汚染土に細粒材として粉
末粘土を添加して混合撹拌するようにしたので、水や界
面活性剤といった従来の溶液系洗浄手段では、土粒子表
面に付着している油膜あるいは油層をどうしても除去で
きなかったのに対し、本実施形態では、油汚染土に粉末
粘土を添加して混合撹拌する際、粉末粘土が土粒子表面
に接触して該表面に付着している油層を引き離す。そし
て、土粒子表面から引き離された油分は、土粒子同士の
間隙に存在する油分とともに粉末粘土に吸収される。
【0042】したがって、このようにして油汚染土内の
油分を吸収した粉末粘土を混合土から分離除去すれば、
油汚染土を処理することが可能となる。
【0043】また、本実施形態によれば、油吸収性微細
体を細粒材である粉末粘土で構成したので、土粒子表面
に対する接触による物理的作用によって油層の引き離し
作用を十分に期待することができる。
【0044】また、本実施形態によれば、ふるいによる
分離作業によって油吸収性微細体を混合土から分離除去
するようにしたので、ふるい目を油吸収性微細体の径に
応じて適宜選択することによって油吸収性微細体を確実
に分離除去することが可能となる。
【0045】また、本実施形態においては、分離工程に
おいて散水を行うようにしたので、油吸収性微細体であ
る粉末粘土がふるい目から落下しやすくなるとともに、
ふるいの目詰まりを防止することも可能となる。
【0046】また、本実施形態によれば、油汚染土に粉
末粘土を添加するにあたり、予め該油汚染土を乾燥させ
るようにしたので、粉末粘土に油分が吸収される前に油
汚染土に含まれる水分が吸収されてしまい、肝心の油吸
収能が低下するといった事態を回避することができると
ともに、揮発性が高い油分については予め飛ばしておく
ことも可能となる。
【0047】本実施形態では、油汚染土を乾燥させる方
法として風乾を採用したが、かかる風乾に代えて、機械
乾燥や加熱乾燥を採用していもよい。
【0048】(第2実施形態)次に、第2実施形態に係
る油汚染土の処理方法について説明する。
【0049】図3は、本実施形態に係る油汚染土の処理
方法の手順を示したフローチャートである。同図でわか
るように、本実施形態の処理方法においては、まず、油
汚染土を水洗浄して一次処理土とする(ステップ11
1)。このようにすると、土粒子間に存在する油分につ
いては水によって洗浄することができるとともに、油汚
染土の油含有量が高い場合には予め油含有量を落として
おくことによって、粉末粘土などの油吸収性微細体の添
加量を節約することができる。
【0050】次に、水洗浄を行った一次処理土を脱水乾
燥させて含水比を低下させる(ステップ112)。脱水
乾燥させるにあたっては、例えば、フィルタプレス等で
機械脱水を行った後、風乾によって乾燥させてもよい
し、第1実施形態で説明した土砂分離装置1を使用して
もよい。
【0051】次に、乾燥させた一次処理土を油吸収性微
細体である細粒材としての粉末カオリン粘土とともにミ
キサーに投入し、該ミキサーにて混合撹拌する(ステッ
プ113)。粉末カオリン粘土の添加量は、油汚染土の
油含有量に応じて適宜設定すればよい。
【0052】このようにすると、水洗浄でも落ちなかっ
た土粒子表面の油膜であっても、混合撹拌中において粉
末カオリン粘土が土粒子表面に接触し、該接触による物
理的作用で土粒子表面に付着している油層若しくは油膜
を引き離す。そして、土粒子表面から引き離された油分
は、粉末カオリン粘土に吸収される。
【0053】次に、混合撹拌された混合土をミキサーか
ら取り出し、ふるいによる分離作業よって混合土から粉
末カオリン粘土を分離除去する(ステップ114)。ふ
るい目の大きさ、分離作業に使用する機械並びにそのと
きの散水作業に関する説明については、第1実施形態と
ほぼ同様であるのでここでは省略する。
【0054】次に、ふるいの上に残留した二次処理土を
盛土材、裏込め材などに適宜再利用する(ステップ11
5)。なお、油分が吸収された粉末カオリン粘土は、油
含有量が高い産業廃棄物として焼却等の処理を行う。
【0055】以上説明したように、第2実施形態に係る
油汚染土の処理方法によっても第1実施形態と同様、油
汚染土に細粒材として粉末粘土を添加して混合撹拌する
ようにしたので、油汚染土に粉末粘土を添加して混合撹
拌する際、粉末粘土が土粒子表面に接触して該表面に付
着している油層を引き離す。そして、土粒子表面から引
き離された油分は、粉末粘土に吸収される。
【0056】したがって、このようにして油汚染土内の
油分を吸収した粉末粘土を混合土から分離除去すれば、
油汚染土を処理することが可能となる。
【0057】その他、油吸収性微細体を細粒材である粉
末粘土で構成したことによる作用効果、油汚染土に粉末
粘土を添加するにあたり、予め該油汚染土を乾燥させる
ようにした作用効果、並びに分離工程において散水を行
うようにしたことによる作用効果については、第1実施
形態と同様であるのでここではそれらの説明を省略する
が、第2実施形態では、さらに、油汚染土に粉末粘土を
添加するにあたり、予め該油汚染土を水洗浄するように
したので、土粒子間に存在する油分については水によっ
て洗浄することが可能となり、油汚染土の油含有量が高
い場合や、油吸収性微細体の添加量を節約したい場合に
は有効な手段となる。
【0058】なお、油吸収性微細体である細粒材による
洗浄を行う前に水洗浄を行う本実施形態の場合には、細
粒材による油分の吸収能を低下させることがないよう、
水洗浄後の脱水乾燥を入念に行う必要があることに留意
する。
【0059】(第3実施形態)次に、第3実施形態に係
る油汚染土の処理方法について説明する。
【0060】図4は、本実施形態に係る油汚染土の処理
方法の手順を示したフローチャートである。同図でわか
るように、本実施形態の処理方法においても第2実施形
態と同様、まず、油汚染土を水洗浄して一次処理土とす
る(ステップ121)。
【0061】次に、水洗浄を行った一次処理土の含水比
を調整し、かかる一次処理土を油吸収性微細体である細
粒材としての生石灰とともにミキサーに投入し、該ミキ
サーにて混合撹拌する(ステップ122)。生石灰の添
加量は、含水比や油汚染土の油含有量に応じて適宜設定
すればよいが、表2で説明したように、粉末粘土よりも
添加量は少なくて済む。
【0062】このようにすると、水洗浄によって油汚染
土内に残留している水分が生石灰と水和反応を起こして
微細な消石灰粒子が形成される。そして、かかる消石灰
粒子は、水洗浄でも落ちなかった土粒子表面の油膜であ
っても、混合撹拌中において研磨剤と同様の作用にて土
粒子表面に接触し、該接触による物理的作用で土粒子表
面に付着している油層若しくは油膜を引き離す。そし
て、土粒子表面から引き離された油分は、消石灰微粒子
に吸収される。なお、微粒子ゆえに全表面積が大きく、
消石灰への油分の吸着効率はきわめて高い。
【0063】次に、混合撹拌された混合土をミキサーか
ら取り出し、ふるいによる分離作業よって混合土から消
石灰粒子を分離除去する(ステップ123)。ふるい目
の大きさ、分離作業に使用する機械並びにそのときの散
水作業に関する説明については、第1実施形態とほぼ同
様であるのでここでは省略する。
【0064】次に、ふるいの上に残留した二次処理土を
盛土材、裏込め材などに適宜再利用する(ステップ12
4)。
【0065】一方、ふるいから流れ落ちた消石灰微粒子
は、散水された水とともに土砂分離装置1の水槽に貯留
されるが、かかる消石灰溶液は強アルカリを呈するた
め、これを酸性溶液で中和する(ステップ125)。
【0066】このようにすると、水溶液内では、消石灰
微粒子が水に溶解し、固形廃棄物としては排出されない
こととなるので、産業廃棄物の減容化に寄与する。な
お、消石灰微粒子に吸着されていた油分は、水溶液内に
溶出するので、これを通常の方法で油水分離すればよ
い。
【0067】以上説明したように、第3実施形態に係る
油汚染土の処理方法によれば、細粒材を生石灰としたの
で、混合撹拌工程において生石灰が油汚染土中の水分を
吸収して微細な消石灰粒子に化学変化し、該消石灰微粒
子は、研磨剤と同様に土粒子表面に作用して該表面に付
着している油膜を取り除くとともに、微細ゆえ全表面積
が大きくなり、その分、高い吸着率で油汚染土内の油分
を効率よく吸着除去することが可能となる。
【0068】また、本実施形態によれば、混合土からの
分離作業後において、消石灰微粒子が含まれた水溶液を
酸性溶液で中和するようにしたので、消石灰微粒子は水
溶液内で溶解し、固形廃棄物としては排出されないこと
となる。したがって、産業廃棄物の減容化を促進するこ
とが可能となる。
【0069】また、本実施形態によれば、細粒材が微細
な消石灰粒子で構成されるので、ふるいによる分離作業
の効率が格段に向上するという効果も奏する。
【0070】その他、分離工程において散水を行うよう
にしたことによる作用効果、並びに油汚染土に生石灰を
添加するにあたり、予め該油汚染土を水洗浄することに
よる作用効果については、それぞれ第1実施形態、第2
実施形態と同様であるのでここではそれらの説明を省略
する。
【0071】本実施形態では、消石灰微粒子が含まれた
水溶液をpH処理して該水溶液中に溶解させるようにし
たが、これに代えて、該消石灰微粒子を濾過し、しかる
後に油含有量が高い産業廃棄物として焼却等の処理を行
ってもよい。
【0072】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る油汚染
土の処理方法によれば、粉末カオリン粘土が土粒子表面
に接触して物理的作用を及ぼすことによって、土粒子表
面からの油層の引き離し作用が向上し、油汚染土からの
油分の除去効率を飛躍的に高めることができるととも
に、微細な消石灰粒子は、研磨剤と同様に土粒子表面に
作用して該表面に付着している油膜を取り除くととも
に、微細ゆえ全表面積が大きくなって油分の吸着効率が
高くなる。さらに、ふるい目を粉末カオリン粘土の径に
応じて適宜選択することによって粉末カオリン粘土を確
実に分離除去することが可能となるとともに、分離工程
において散水を行うことにより、粉末カオリン粘土がふ
るい目から落下しやすくなり、ふるいの目詰まりを防止
することが可能となるという効果や、やはり分離工程に
おいて散水を行うことにより微細な消石灰粒子を効率よ
く分離することができるという作用効果も奏する。
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る油汚染土の処理方法のフロ
ーチャート。
【図2】第1実施形態に係る油汚染土の処理方法で使用
する土砂分離装置。
【図3】第2実施形態に係る油汚染土の処理方法のフロ
ーチャート。
【図4】第3実施形態に係る油汚染土の処理方法のフロ
ーチャート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 誓山 真 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株式会社大林組東京本社内 (72)発明者 川地 武 東京都清瀬市下清戸4丁目640 株式会 社大林組技術研究所内 (72)発明者 田口 信子 東京都清瀬市下清戸4丁目640 株式会 社大林組技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−149700(JP,A) 特開 昭49−23961(JP,A) 特開 平8−39099(JP,A) 特開 平7−328596(JP,A) 特開 平7−178391(JP,A) 特開 平5−31477(JP,A) 特公 昭58−2000(JP,B1) 特表 平4−501382(JP,A) 米国特許5242598(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09C 1/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油汚染土に粉末カオリン粘土を添加して
    混合攪拌し、混合攪拌された後の混合土からふるいによ
    る分離作業によって前記粉末カオリン粘土を分離除去す
    る油汚染土の処理方法であって、前記分離工程において
    散水を行うことを特徴とする油汚染土の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記油汚染土に前記粉末カオリン粘土を
    添加する前に該油汚染土を乾燥させる請求項1記載の油
    汚染土の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記油汚染土を水洗浄し、次いで脱水乾
    燥させた後、該油汚染土に前記粉末カオリン粘土を添加
    する請求項1記載の油汚染土の処理方法。
  4. 【請求項4】 油汚染土に生石灰を添加して混合攪拌
    し、混合攪拌された後の混合土からふるいによる分離作
    業よって消石灰粒子を分離除去する油汚染土の処理方法
    であって、前記分離工程において散水を行うことを特徴
    とする油汚染土の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記油汚染土を水洗浄し、次いで含水比
    を調整した後、該油汚染土に前記生石灰を添加する請求
    項4記載の油汚染土の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記混合土からの分離作業後において、
    前記消石灰微粒子が含まれた水溶液を酸性溶液で中和す
    る請求項4記載の油汚染土の処理方法。
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