JP3444087B2 - 摩擦圧接方法および摩擦圧接装置 - Google Patents

摩擦圧接方法および摩擦圧接装置

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JP3444087B2
JP3444087B2 JP10299996A JP10299996A JP3444087B2 JP 3444087 B2 JP3444087 B2 JP 3444087B2 JP 10299996 A JP10299996 A JP 10299996A JP 10299996 A JP10299996 A JP 10299996A JP 3444087 B2 JP3444087 B2 JP 3444087B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接合部材同士を相
対回転させながら圧接することにより、摩擦熱を利用し
て両接合部材を接合する摩擦圧接方法および摩擦圧接装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】接合部材同士を接合する技術の一つに摩
擦圧接がある。摩擦圧接は、丸棒や管の突合せ溶接に好
適であり広範囲に用いられている。以下、従来の摩擦圧
接技術の一例として、一方の接合部材を固定し、他方の
接合部材を駆動する場合について説明する。この場合、
駆動側の接合部材が回転駆動されるとともに固定側の接
合部材へ向けて送り駆動され、両接合部材の接合面が突
き当てられる。
【0003】図4には、このような摩擦圧接における接
合部材の回転駆動および送り駆動の様子の一例が示され
ている。同図(a)は、接合部材の回転速度ωのタイム
チャートであり、横軸に時間tがとられ、縦軸に回転速
度ωがとられている。同図(b)は接合部材の送り駆動
の様子を示しており、横軸に送り駆動方向の接合部材の
位置Y(以下、送り位置Yという)がとられ、縦軸に送
り速度vがとられている。この摩擦圧接では、送り速度
vを増減させることにより、両接合部材の圧接力が制御
されている。なお、同図(b)の送り位置Yは、同図
(a)の時間tと対応づけて示されている。すなわち、
時間txと、時間txにおける送り位置Yxは、横軸方
向に同位置に示されている(時間txから同図(b)の
横軸へ下ろした垂線の足が送り位置Yxとなってい
る)。
【0004】図4に示すように、摩擦圧接の開始ととも
に接合部材を回転させる。回転速度が発熱回転速度ωa
となったら一定に保ち、送り駆動を開始する。送り速度
が発熱送り速度vaに達した後、時間t0の時に、送り
位置Yaにて両接合部材が接触する。接触とともに摩擦
熱が発生し、接合部分の温度が上昇する。時間ta、送
り位置Yaとなるまでに接合面が予め設定された高温状
態となる。この高温状態では接合面が所定レベルに軟化
している。以上が発熱工程である。
【0005】次に、時間taからtbまでのブレーキ期
間に接合部材の回転を急停止する。この急停止は、一般
に外部ブレーキを用いて強制的に行われる。ブレーキ期
間の間に接合部材は、送り位置YaからYbまで送り駆
動される。回転停止とともに、送り速度を最大送り速度
vpに増加させるアップセットを行い、接合部材を送り
停止位置Dまで送り駆動する。アップセットにより、接
合力を増加させることができる。以上が停止接合工程で
ある。
【0006】上記において、回転速度ωの減速開始とと
もに接合面が急速に冷却される。回転停止までに接合面
の温度が下がりすぎると良好な接合ができない。従って
ブレーキ期間は、接合面の冷却速度を考慮して短時間に
設定されている。
【0007】以上に説明した摩擦圧接において、接合部
材同士を特定の接合角度(接合状態における接合部材同
士の相対角度をいう。以下同じ。)にて接合する場合、
一般に、接合部材を回転させる回転駆動機に機械的なロ
ック機構が設けられる。このロック機構は、回転側の接
合部材が特定の角度となったときに、回転駆動機の回転
を強制的にロックして停止させる機構である。停止接合
工程における急停止時にこのロック機構を作動させるこ
とにより、接合部材同士が特定の接合角度にて接合され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにロック機
構を設けた構成には以下のような問題がある。
【0009】(1)ロック機構は、回転駆動機を一つの
位置でしか停止させることができない。多種類の部材の
接合を行うためには、接合角度毎にロック機構を設ける
必要がある。このようにロック機構を用いる場合、装置
の汎用性が低い。
【0010】(2)ロック機構には、回転駆動機の多大
な回転負荷が作用する。従ってこの回転負荷に見合った
強固な構造の装置とする必要があり、装置全体が大型と
なっている。
【0011】(3)回転駆動機を強制的にロックさせる
ので停止時に大きな振動が発生する。従って、接合角度
をある程度の精度で特定することは可能であるものの、
接合角度の精度を向上することは難しい。
【0012】上記のような問題を解決するために、ロッ
ク機構を設けずに接合角度を特定可能とするような摩擦
圧接技術の提供が望まれる。このような要求に応えるた
め、位相制御が可能なサーボモータを回転駆動機に用い
ることが考えられる。サーボモータの停止位置を制御す
ることにより、所望の接合角度での接合を行うことがで
きる。しかし、単に、図4に示したような従来の摩擦圧
接にサーボモータを適用しただけでは、以下に説明する
ような問題が発生する。
【0013】(1)ブレーキ期間(ta〜tb)は接合
部材の冷却速度を考慮して短時間に設定されており、ブ
レーキ期間内にサーボモータを急停止させなければなら
ない。急停止時に非常に大きな慣性力が作用するので、
この慣性力の下で急停止可能な大容量のサーボモータが
必要となる。従って装置が大型となり、設備コストも増
加してしまう。
【0014】(2)ブレーキ期間内にサーボモータを急
停止させるので、制御可能期間が非常に短い。この短期
間に、接合角度が要求値となるようにサーボモータの停
止位置を制御することは非常に困難である。
【0015】ここで、上記(1)に述べた装置の大型化
を回避するためにサーボモータの制御と外部ブレーキを
併用することが考えられる。しかしこの場合、外部ブレ
ーキを用いることにより装置に振動が発生し、この振動
がサーボモータ制御の外乱となる。従って、サーボモー
タの停止位置の制御がさらに困難となってしまう。
【0016】「本発明の目的」本発明は、上記の課題に
対応し、接合部材同士を所望の接合角度にて接合可能で
あって、以下のような利点を有する摩擦圧接方法および
装置を提供することを目的とする; (1)ロック機構が不要であり、多種類の部材の接合が
可能で汎用性が高い (2)接合角度の角度決めの精度が高い (3)停止接合工程における接合部材の慣性力が低減さ
れ、装置を小型化することができる。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、接合部材同士
の相対回転速度、相対角度および圧接力を制御して、
ーボモータを駆動源として両接合部材を相対回転させな
がら突当圧接することにより接合する摩擦圧接方法であ
って、前記相対回転速度を所定の発熱回転速度とし、前
記圧接力を所定の発熱圧接力として、前記両接合部材の
接合面を所定の高温状態にする発熱工程と、前記相対回
転速度を前記発熱回転速度よりも低く前記高温状態を持
続可能な停止準備回転速度に減速し、前記相対回転の駆
動源である回転駆動用サーボモータの位相偏差が零近傍
になり安定するまで前記停止準備回転速度での相対回転
を継続する停止準備工程と、前記回転駆動用サーボモー
タに取り付けられたエンコーダにより検出される角度位
置の情報を基に前記両接合部材の相対角度が所望の角度
となるように停止位置を制御して前記回転駆動用サーボ
モータを停止させることにより相対回転を停止させ、
記両接合部材を所望の相対角度にて接合する停止接合工
程とを含む。
【0018】上記構成では、発熱工程と停止接合工程の
間に停止準備工程が設けられている。停止準備工程で
は、一旦、停止準備回転速度に減速する。停止準備回転
速度では、接合面の高温状態が持続される。停止準備回
転速度へ減速する時の振動等の外乱により相対角度の制
御に乱れが発生するので、この乱れが解消するまで停止
準備回転速度での相対回転を継続する。停止接合工程で
は、停止準備回転速度での相対回転状態から減速停止を
行う。この際、両接合部材が所望の相対角度にて接合さ
れるように、停止時の相対角度を制御する。
【0019】なお、本発明では、一方の接合部材を回転
不能に固定して、他方の接合部材を回転させてもよく、
また、双方の接合部材を回転させてもよい。後者の場
合、両接合部材の回転方向は同方向でもよく、逆方向で
もよい。また、本発明では、一方の接合部材を圧接方向
に固定して他方の接合部材を送り駆動することにより圧
接を行ってもよく、双方の接合部材を送り駆動すること
により圧接を行ってもよい。後者の場合、両接合部材の
送り駆動方向は同方向でもよく、逆方向でもよい。
【0020】また本発明の一態様において、前記停止準
備工程では、前記相対回転速度の減速とともに、前記圧
接力を前記発熱圧接力よりも低く前記高温状態を持続可
能な停止準備圧接力に低下させる。
【0021】上記構成によれば、停止準備工程では、両
接合部材の圧接力を停止準備圧接力に低下させる。ここ
では、発熱工程における接合面の高温状態が持続するよ
うに、停止準備回転速度および停止準備圧接力が設定さ
れている。
【0022】また本発明の摩擦圧接装置は、上記のよう
な摩擦圧接方法により両接合部材を接合するように構成
され、前記両接合部材を各々把持する把持装置と、前記
両接合部材を相対回転させる回転駆動装置と、前記両接
合部材を突当圧接するように相対的に送り駆動する送り
駆動装置と、前記回転駆動装置の回転速度、位相および
前記送り駆動装置の送り駆動速度を制御する制御装置と
を備える。
【0023】上記構成によれば、両接合部材が把持装置
により把持された状態で、回転駆動装置による相対回転
が行われ、送り駆動装置による送り駆動が行われる。制
御装置は、回転駆動装置の回転速度および位相を制御す
ることにより、接合部材同士の相対回転速度および相対
角度を調整する。また制御装置は、送り駆動装置の送り
駆動速度を制御することにより、両接合部材の圧接力を
調整する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照し説明する。
【0025】「摩擦圧接装置」図1は、本実施形態の摩
擦圧接装置の概要を示している。同図に示すように、設
備ベース1上に主軸スライドガイド3が設けられてお
り、主軸スライドガイド3に係合して主軸ユニット5が
搭載されている。
【0026】主軸ユニット5の主軸台7には、主軸ボデ
ー9が軸支されており、主軸ボデー9の回転軸は、主軸
ユニット5のスライド方向と平行に設定されている。主
軸ボデー9の先端部分には、一方の接合部材Aを把持す
るチャック11が設けられており、チャック11は、接
合部材Aの側面を複数方向から締め付けている。また主
軸台7には、主軸ボデー9を停止させるためのブレーキ
12が取り付けられている。このブレーキ12は、保安
全上の目的で設けられており、摩擦圧接が通常に行われ
ている場合は作動しない。
【0027】また、主軸台7には回転駆動用サーボモー
タ13が設けられており、回転駆動用サーボモータ13
の回転軸に取り付けられた連結軸15上に駆動ギヤ17
が固定されている。駆動ギヤ17は、主軸ボデー9に同
軸に固定された従動ギヤ19と係合している。
【0028】また、設備ベース1には、送り駆動用サー
ボモータ21が取り付けられており、この送り駆動用サ
ーボモータ21の回転軸に取り付けられた送りシャフト
23が設備ベース1に軸支されている。送りシャフト2
3は、主軸ユニット5のスライド方向と平行に設けられ
ている。送りシャフト23には、主軸台7の底面に突設
された係合腕25が係合しており、送りシャフト23が
回転すると主軸ユニット5が主軸スライドガイド3に案
内されて送り駆動されるようになっている。
【0029】さらにまた、設備ベース1上に台27が固
定され、台27上に接合部材Bを固定する固定クランプ
29が設けられている。固定クランプ29は、接合部材
Bと接合部材Aが同軸に位置するように、接合部材Bを
固定している。
【0030】その他、回転駆動用サーボモータ13およ
び送り駆動用サーボモータ21には、各々エンコーダ3
1、33が取り付けられており、エンコーダ31、33
は、各サーボモータの回転軸の角度位置を検出して図示
しない制御装置へ出力している。また、各サーボモータ
には、回転速度センサ(回転数センサ)および電流セン
サが設けられており、各サーボモータの回転速度および
供給電流値を検出して制御装置へ出力している。
【0031】図2は、回転駆動用サーボモータ13およ
び送り駆動用サーボモータの動作を制御するためのシス
テムの構成を示している。この制御システムは上位コン
トローラ35、摩擦圧接コントローラ37、摩擦回転サ
ーボドライバ39および圧接用サーボドライバ41とか
らなる。
【0032】上位コントローラ35はシステム全体の動
作を監視しており、摩擦圧接コントローラ37へ制御開
始やモータ非常停止等を指示する信号を出力する。また
上記コントローラ35には、摩擦圧接コントローラ37
から摩擦圧接完了等を示す信号が入力される。
【0033】摩擦圧接コントローラ37は、回転駆動用
サーボモータ13と送り駆動用サーボモータ21の回転
軸の回転速度および角度位置を制御している。摩擦圧接
コントローラ37には、回転駆動用サーボモータ13に
取り付けられたエンコーダおよび回転速度センサにて検
出されたモータ回転軸の角度位置および回転速度と、電
流センサにて検出された供給電流値が、各々摩擦回転サ
ーボドライバ39を介して入力される。そして、これら
の入力情報を基に、回転駆動用サーボモータ13の動作
を制御する信号として速度指令および位置指令を決定
し、摩擦回転サーボドライバ39に出力する。摩擦回転
サーボドライバ39は、入力信号に従って、回転駆動用
サーボモータ13に動力電流を供給する。一方、摩擦圧
接コントローラ37は、送り駆動用サーボモータ21に
対しても同様の制御を行う。すなわち、圧接用サーボド
ライバ41を介して入力された角度位置、回転速度およ
び供給電流値の情報を基に、速度指令および位置指令を
決定して圧接用サーボドライバ41に出力する。圧接用
サーボドライバ41は、入力信号に従って、送り駆動用
サーボモータ21に動力電流を供給する。
【0034】以上に本実施形態の摩擦圧接装置の構成を
説明した。次に、上記装置の動作について説明する。
【0035】摩擦圧接コントローラ37からの制御信号
に従い摩擦回転サーボドライバ39が回転駆動用サーボ
モータ13に動力電流を供給すると、回転駆動用サーボ
モータ13が回転する。この回転力が駆動ギヤ17およ
び従動ギヤ19を介して主軸ボデー9に伝達され、主軸
ボデー9が接合部材Aを把持した状態で回転する。前述
のように、摩擦圧接コントローラ37は回転駆動用サー
ボモータ13の回転速度および角度位置を制御してい
る。従って摩擦圧接コントローラ37の出力信号に応じ
て、主軸ボデー9が所定の回転速度ωおよび角度位置
(回転位相)で回転し、所定の角度位置にて停止する。
【0036】また、摩擦圧接コントローラ37からの制
御信号に従い圧接用サーボドライバ41が送り駆動用サ
ーボモータ21に動力電流を供給すると、送り駆動用サ
ーボモータ21が送りシャフト23とともに回転する。
シャフト23の回転に伴って係合腕25に軸方向の駆動
力が作用し、主軸ユニット5が主軸スライドガイド3に
案内されて送り駆動される。前述のように、摩擦圧接コ
ントローラ37は送り駆動用サーボモータ21の回転速
度および角度位置を制御している。従って摩擦圧接コン
トローラ37の出力信号に応じて、主軸ユニット5が接
合部材Aとともに、所定の送り速度vで送り駆動され、
所定の送り位置Yまで移動する。
【0037】ここで、回転駆動用サーボモータ13と送
り駆動用サーボモータ21は同期制御されている。同期
制御とは、両サーボモータの回転速度および角度位置を
対応づけて制御することをいい、各時間tにおける主軸
ボデー9の回転速度ω、送り位置Yおよび送り速度vが
各々設定された値となるように制御が行われている。
【0038】「摩擦圧接方法」次に、以上に説明したよ
うな摩擦圧接装置を用いて行う本実施形態の摩擦圧接方
法について説明する。図3は、本実施形態における接合
部材の回転駆動および送り駆動の様子を前述の図4と同
様の形態で示している。すなわち、同図(a)には接合
部材の回転速度ωのタイムチャートが示され、同図
(b)には接合部材の送り駆動の様子が示されている。
【0039】同図において、時間t0〜t1では、従来
技術と同様の発熱工程が行われる。この工程では、回転
速度を発熱回転速度ωaとし、送り速度を発熱送り速度
vaとすることにより、両接合部材の接合面が所定の高
温状態となって軟化する。
【0040】次に、時間t1〜t4では、本発明の特徴
である停止準備工程が行われる。この工程では、時間t
1〜t3に、回転速度がωaからω1まで減速される。
一方、時間t1〜t2に送り速度がvaからv*まで減
速され、さらに時間t3にてv1に減速される。この間
に、送り位置はY1からY3となる。
【0041】ここで、ω1は停止準備回転速度であり、
v1は停止準備送り速度である。これらの速度は、接合
面が軟化した高温状態(時間t1時点)を持続すること
ができるように設定されている。従って、このような条
件で回転および圧接を行うことにより、接合面の高温状
態を持続しながらサーボモータ13への回転負荷を発熱
工程よりも低下させることができる。なお、本実施形態
では、停止準備回転速度ω1および停止準備送り速度v
1が、接合面の高温状態を持続可能な最低限度に設定さ
れている。
【0042】時間t3〜t4では、停止準備回転速度ω
1での回転と停止準備送り速度v1での送り駆動が継続
して行われる。この期間は以下のように設定されてい
る。すなわち、時間t1〜t3の減速時に、振動等の外
乱により回転駆動用サーボモータ13の位相偏差が発生
する。時間t4は、この位相偏差が零近傍になり安定す
るのに必要とされる時間に設定されている。以上より、
時間t4では、時間t1〜t3の減速時の外乱の影響が
吸収されて解消している。
【0043】その他、停止準備工程では、前述のよう
に、時間t1〜t3に送り速度を段階的に変化させてい
る。このような設定には、下記の意義がある。時間t1
からの回転速度の減速時に送り速度を低下させることに
より、減速時に発生する回転駆動用サーボモータ13の
位相偏差を小さく抑えることができる。そこで、位相偏
差の抑制に適切な送り速度v*を設定し、送り速度減速
を段階的に行っている。
【0044】以上に停止準備工程について説明した。次
に時間t4以降の停止接合工程について説明する。この
工程では、時間t4〜t5に回転駆動用サーボモータ1
3を減速停止させて、主軸ボデー9の回転を止める。主
軸ボデー9の停止時に、接合部材Aと接合部材Bの接合
角度が所望の設定値となるように、回転駆動用サーボモ
ータ13の停止位置を摩擦圧接コントローラ37により
制御する。回転駆動用サーボモータ13の停止後、従来
技術と同様にアップセットを行い、接合部材Aを送り位
置Dまで送り駆動する。
【0045】以上、本実施形態の摩擦圧接方法について
説明した。この摩擦圧接方法では、発熱工程において接
合面が高温状態となった後、回転速度および送り速度を
各々停止準備回転速度ω1および停止準備送り速度v1
に減速しても高温状態が持続することに着目して停止準
備工程を設けている。停止準備工程では、回転駆動用サ
ーボモータ13に作用する回転負荷が発熱工程より大幅
に低下する。また、時間t1〜t3の減速時に発生する
回転駆動用サーボモータ13の位相偏差は時間t4まで
に解消される。停止接合工程では、停止準備回転速度ω
1からの減速停止を行うので、回転駆動用サーボモータ
13に作用する慣性力が小さい。この慣性力は、従来技
術のように発熱回転速度ωaから急停止する場合より大
幅に低下している。以上より、本摩擦圧接方法では、停
止接合工程における回転駆動用サーボモータ13の急停
止を、摩擦回転コントローラ37での回転速度制御のみ
により行うことができる。また、同工程における回転駆
動用サーボモータ13の停止位置決めを、摩擦回転コン
トローラ37での角度位置制御のみにより行うことがで
きる。従って本摩擦圧接方法は、従来技術と比較して下
記の利点を有している。
【0046】(1)回転駆動用サーボモータ13を設定
位置で停止させるための機械的なロック機構を設ける必
要がない。従って、他種類の接合部材の接合を一つの装
置にて行うことができる。
【0047】(2)停止接合工程における、回転駆動用
サーボモータ13に作用する慣性力が小さい。従来、こ
の慣性力が大きいがために、大型の回転駆動機を必要と
していた。従って、本実施形態の場合、装置の小型化が
可能であり、また同一サイズの装置でより大きな接合部
材を接合できる。そして汎用的な電動サーボモータやコ
ントローラを適用できるので設備コストが削減される。
【0048】(3)停止準備工程で回転駆動用サーボモ
ータ13に作用する回転負荷が大幅に低下している。ま
た停止接合工程における慣性力も小さい。さらに、外部
ブレーキが不要であり、外部ブレーキを動作させること
による振動の影響がない。従って、回転駆動用サーボモ
ータ13の停止位置決めの精度が高く、両接合部材の接
合角度の精度も高くなる。その他、回転駆動用サーボモ
ータ13と送り駆動用サーボモータ21の同期制御も容
易となるので、圧接品質がより安定する。
【0049】以下、本実施形態の変形例について説明す
る。本発明は、上記のような電動サーボモータを用いて
の摩擦圧接に限定されるものではない。本発明は、回転
駆動機の回転速度および停止位置を制御可能であり、ま
た接合部材の送り駆動機の送り速度および送り位置を制
御可能な摩擦圧接方法および装置のすべてに適用可能で
ある。
【0050】また、上記の実施形態では、外部ブレーキ
を全く用いない場合について説明した。これに対し、本
発明の特徴である停止準備工程を設けた上で、必要に応
じて外部ブレーキを補助的に併用する構成としてもよ
い。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、発熱工程の後に、相対
回転速度を前記発熱回転速度よりも低く高温状態を持続
可能な停止準備回転速度に減速し、減速時の相対角度の
制御乱れが解消するまで停止準備回転速度での相対回転
を継続する停止準備工程を設けたので、接合部材の回転
および圧接による回転負荷が大幅に軽減する。また停止
接合工程における接合部材の急停止に起因する慣性力が
大幅に低下する。
【0052】従って、両接合部材を所望の相対角度にて
接合するための構成として機械的なロック機構が不要と
なり、装置の汎用性が増す。また、接合部材同士の相対
角度の制御性が向上するので、接合角度の精度を高める
ことができる。さらにまた、大容量の回転駆動装置を設
けることが不要であるので、設備の小型化と設備コスト
の低減が可能となる。
【0053】また、本発明の一態様によれば、停止準備
工程において、相対回転速度の減速とともに、圧接力を
発熱圧接力よりも低く高温状態を持続可能な停止準備圧
接力に低下させたので、接合部材の回転および圧接によ
る回転負荷をさらに軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の摩擦圧接装置の構成を示
す正面図である。
【図2】 図1の摩擦圧接装置における回転駆動用サー
ボモータおよび送り駆動用サーボモータの動作を制御す
るためのシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の摩擦圧接方法を示す説明図である。
【図4】 従来の摩擦圧接方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 設備ベース、5 主軸ユニット、9 主軸ボデー、
11 チャック、13回転駆動用サーボモータ、21
送り駆動用サーボモータ、29 固定クランプ、31,
33 エンコーダ、37 摩擦圧接コントローラ、39
摩擦回転サーボドライバ、41 圧接用サーボドライ
バ、A 接合部材、B 接合部材、v0 発熱送り速
度、v1 停止準備送り速度、ωa 発熱回転速度、ω
1 停止準備回転速度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−1960(JP,A) 特開 昭51−97564(JP,A) 特開 平3−184680(JP,A) 特開 昭58−77788(JP,A) 特開 昭56−1288(JP,A) 特開 昭61−283479(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 20/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合部材同士の相対回転速度、相対角度
    および圧接力を制御して、サーボモータを駆動源として
    両接合部材を相対回転させながら突当圧接することによ
    り接合する摩擦圧接方法であって、 前記相対回転速度を所定の発熱回転速度とし、前記圧接
    力を所定の発熱圧接力として、前記両接合部材の接合面
    を所定の高温状態にする発熱工程と、 前記相対回転速度を前記発熱回転速度よりも低く前記高
    温状態を持続可能な停止準備回転速度に減速し、前記相
    対回転の駆動源である回転駆動用サーボモータの位相偏
    差が零近傍になり安定するまで前記停止準備回転速度で
    の相対回転を継続する停止準備工程と、前記回転駆動用サーボモータに取り付けられたエンコー
    ダにより検出される角度位置の情報を基に 前記両接合部
    材の相対角度が所望の角度となるように停止位置を制御
    して前記回転駆動用サーボモータを停止させることによ
    相対回転を停止させ、前記両接合部材を所望の相対角
    度にて接合する停止接合工程と、 を含むことを特徴とする摩擦圧接方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の摩擦圧接方法であっ
    て、 前記停止準備工程では、前記相対回転速度の減速ととも
    に、前記圧接力を前記発熱圧接力よりも低く前記高温状
    態を持続可能な停止準備圧接力に低下させることを特徴
    とする摩擦圧接方法。
  3. 【請求項3】 請求項1、2のいずれかに記載の摩擦圧
    接方法により両接合部材を接合する摩擦圧接装置であっ
    て、 前記両接合部材を各々把持する把持装置と、 前記両接合部材を相対回転させる回転駆動装置と、 前記両接合部材を突当圧接するように相対的に送り駆動
    する送り駆動装置と、 前記回転駆動装置の回転速度、位相および前記送り駆動
    装置の送り駆動速度を制御する制御装置と、 を備えることを特徴とする摩擦圧接装置。
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