JP3443353B2 - 原稿読取り装置の調整装置および方法 - Google Patents

原稿読取り装置の調整装置および方法

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JP3443353B2 JP05581199A JP5581199A JP3443353B2 JP 3443353 B2 JP3443353 B2 JP 3443353B2 JP 05581199 A JP05581199 A JP 05581199A JP 5581199 A JP5581199 A JP 5581199A JP 3443353 B2 JP3443353 B2 JP 3443353B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】複写機、プリンタおよびファ
クシミリ装置等の画像形成装置、あるいは、スキャナ装
置などに用いられる原稿読取り装置の調整装置および方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】原稿からの反射光をイメージセンサ(以
後CCD(電荷結合素子)と呼称することがある)によ
り光電変換して、原稿像に対応した信号を得るデジタル
スキャナ装置を有するデジタル複写機等にあっては、原
稿の主走査方向とCCDの受光素子であるセルの並び方
向が平行になるように、調整する必要がある。
【0003】そのため、特開平3−3474において
は、原稿を突当てる指標板の裏面に描かれた主走査方向
に平行な1本の線である調整用マークをCCDで読取
り、そのときに、主走査方向に並ぶべきCCDの各セル
が、受光して信号を出しているか否かで、原稿の主走査
方向とCCDのセルの並び方向が平行になるように調整
を行っている。これにより、レンズの光軸と副走査方向
とが平行になるように調整して、原稿の画像が傾いて読
取られるのを防止している。
【0004】また、特開昭60−62270において
は、主走査方向の両端に設けた調整用マークをイメージ
センサで読取って、イメージセンサのオフセンタと斜め
(光軸に対するイメージセンサの傾き)を調整してい
る。
【0005】また、特開平8−237444において
は、主走査方向の両端に設けた調整用マークをイメージ
センサで読取って、イメージセンサとレンズの相対位
置、つまり、全倍率を調整している。
【0006】また、特開昭63−212264において
は、主走査方向の両端および中央に調整用マークを設け
て、レンズとイメージセンサとの相互位置を調整して、
倍率を調整している。
【0007】このような各調整方法にあっては、調整の
精度を高めるために、イメージセンサで読取るべき調整
用マークの幅を狭いものにする必要があり、そのため
に、調整量を細かく変化させて調整しなければならず、
調整の回数が多くなっている。読取装置においてイメー
ジセンサと、そのイメージセンサに原稿の画像を結像す
る光学系の光軸との相互の位置関係が不正確であると
き、後述の図11に示されるケラレ、図12の斜め、図
13のオフセンタ、図14の全倍率および図15の片倍
率などの種類の調整不良の現象が発生し、これらの種類
の現象が生じないように、調整作業を行う必要がある。
上述の先行技術では、調整用マークを用いる構成である
ので、各種の不都合な現象を解消することができるよう
に、調整を行うことができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、イメージセ
ンサと、そのイメージセンサに原稿の画像を結像する光
学系の光軸との相互の位置関係の調整回数を低減して、
より迅速な調整作業を可能にするとともに、各種の不都
合な現象を解消することができるようにした原稿読取り
装置の調整装置および方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、原稿を載置す
る透光性を有する原稿載置台と、複数の受光素子がライ
ン状に配列されて構成されるイメージセンサと、原稿載
置台上の原稿の像をイメージセンサ上に結像する光学系
と、原稿載置台と光学系の一部とを、副走査方向11に
相対的に移動する副走査駆動手段と、光学系の光経路の
途中に介在され、副走査方向に垂直な主走査方向9に延
びる読取り用スリットを有し、この読取り用スリットに
よって原稿の画像情報であるスリット像を形成してイメ
ージセンサ上に結像する読取り用スリット部材と、光学
系を構成する複数の構成要素およびイメージセンサのう
ちの少なくとも1つを、光学系の構成要素およびイメー
ジセンサのうちの残余と、相対的に変位して調整する調
整手段とを含む原稿読取り装置の調整装置において、読
取り用スリット部材68に重ねられて配置される調整用
スリット部材69を有し、この調整用スリット部材69
には、前記読取り用スリット71の副走査方向に沿う第
1スリット幅S1未満である第2スリット幅S2を有す
る調整用スリット72が副走査方向に延びて形成され、
調整用スリット部材69または読取り用スリット部材6
8のいずれか一方には、読取り用スリット71の主走査
方向9の側方で、副走査方向11に延びるスリット位置
調整穴83と、スリット位置調整穴83に、副走査方向
11に沿って配置される第1固定穴206と、スリット
位置調整穴83に、副走査方向11に沿って配置される
複数の第2固定穴207〜209とが形成され、調整用
スリット部材69または読取り用スリット部材68のい
ずれか他方には、スリット位置調整穴83と、第1およ
び第2固定穴206〜209とに、設定可能に係止する
係止片82が形成され、第1固定穴206と係止片82
とが係止している状態で、調整用スリット部材69は、
読取り用スリット71の第1スリット幅S1の全てに光
が通過するように、副走査方向11に第1固定穴206
に対応して位置しており、各第2固定穴207〜209
と係止片82とが係止している状態で、調整用スリット
部材69は、読取り用スリット71の副走査方向範囲内
に、調整用スリット72が存在するように、副走査方向
に各第2固定穴207〜209にそれぞれ対応してずれ
て位置していることを特徴とする原稿読取り装置の調整
装置である。また本発明は、前記原稿読取り装置の調整
装置を準備し、第1固定穴206と係止片82とが係止
している状態で、前記調整手段によって、イメージセン
サの全ての受光素子に、原稿の画像情報であるスリット
像が結像されるように調整作業を行う第1のステップ
と、第1のステップの後に、調整用スリット部材69
を、副走査方向に変位しつつ、各第2固定穴207〜2
09と係止片82とが係止している状態で、前記調整手
段によって、イメージセンサの全ての受光素子に、原稿
の画像情報であるスリット像が結像されるように調整作
業を行う第2のステップとを含むことを特徴とする原稿
読取り装置の調整方法である。また本発明は、原稿を載
置する透光性を有する原稿載置台と、複数の受光素子が
ライン状に配列されて構成されるイメージセンサと、原
稿載置台上の原稿の像をイメージセンサ上に結像する光
学系と、原稿載置台と光学系の一部とを、副走査方向1
1に相対的に移動する副走査駆動手段と、光学系の光経
路の途中に介在され、副走査方向に垂直な主走査方向9
に延びる読取り用スリットを有し、この読取り用スリッ
トによって原稿の画像情報であるスリット像を形成して
イメージセンサ上に結像する読取り用スリット部材と、
光学系を構成する複数の構成要素およびイメージセンサ
のうちの少なくとも1つを、光学系の構成要素およびイ
メージセンサのうちの残余と、相対的に変位して調整す
る調整手段とを含む原稿読取り装置の調整装置におい
て、読取り用スリット部材に重ねられて、かつ副走査方
向11に隣接して配置される一対の調整用スリット部材
69a,69bを有し、各調整用スリット部材69a,
69bまたは読取り用スリット部材68のいずれか一方
には、調整用スリット71の主走査方向9の側方で、副
走査方向11に延びるスリット位置調整穴83a,83
bと、スリット位置調整穴83a,83bに、副走査方
向11に沿って配置される第1固定穴209a,209
bと、スリット位置調整穴83a,83bに、副走査方
向11に沿って配置される複数の第2固定穴207a,
207b;206a,208b;208a,206bと
が形成され、各調整用スリット部材69a,69bまた
は読取り用スリット部材68のいずれか他方には、スリ
ット位置調整穴83a,83bと、第1および第2固定
穴209a,209b:207a,207b;206
a,208b;208a,206bとに、調整可能に係
止する係止片82a,82bが形成され、第1固定穴2
09a,209bと係止片82a,82bとが係止して
いる状態で、一対の調整用スリット部材69a,69b
は、読取り用スリット71の第1スリット幅S1の全て
に光が通過するように、副走査方向11に各第1固定穴
209a,209bに対応して位置しており、各第2固
定穴207a,207b;206a,208b;208
a,206bと係止片82a,82bとが係止している
状態で、調整用スリット部材69a,69bは、読取り
用スリット71の副走査方向範囲内に、一対の調整用ス
リット部材69a,69b間によって形成される副走査
方向に沿う第1スリット幅S1未満である第2スリット
幅S2を有する調整用スリット72が存在するように、
副走査方向に各第2固定穴207a,207b;206
a,208b;208a,206bにそれぞれ対応して
ずれて位置していることを特徴とする原稿読取り装置の
調整装置である。また本発明は、前記原稿読取り装置の
調整装置を準備し、第1固定穴209a,209bと係
止片82a,82bとが係止している状態で、前記調整
手段によって、イメージセンサの全ての受光素子に、原
稿の画像情報であるスリット像が結像されるように調整
作業を行う第1のステップと、第1のステップの後に、
一対の調整用スリット部材69a,69bを、副走査方
向に変位しつつ、各第2固定穴207a,207b;2
06a,208b;208a,206bと係止片82
a,82bとが係止している状態で、前記調整手段によ
って、イメージセンサの全ての受光素子に、原稿の画像
情報であるスリット像が結像されるように調整作業を行
う第2のステップとを含むことを特徴とする原稿読取り
装置の調整方法である。
【0010】本発明に従えば、図1〜図27および図3
9〜図44に関連して後述されるように、ケラレ不良、
斜め不良などに対する調整作業を行い、光学系とイメー
ジセンサとの相対的な位置関係の調整を、迅速に行うこ
とができるようになる。スリット幅が比較的広い第1の
値S1で、イメージセンサと光学系の光軸との相互位置
を大まかに調整した後、第1の値に比較して狭い幅の第
2の値S2でイメージセンサと光学系の光軸との相互位
置をより精度良く調整するので、先行技術のような幅の
狭い指標線をイメージセンサで読取ったり、狭いスリッ
トからの光をイメージセンサで読取ったりして調整を行
う場合のように、調整量を最初から少しずつ変えて調整
しなくてもよく、本発明では、調整量を変える回数が低
減できて、光学系の光軸とイメージセンサとの位置の関
係性に対する調整がより早く実施できて、調整作業の迅
速化が図られる。
【0011】また本発明に従えば、光学系の一部を構成
する後述の第1光学ユニット8などの露光手段がイメー
ジセンサとの光学距離を保持して移動する走査方式を採
用した原稿読取り装置の場合、露光手段の副走査方向の
位置によらず調整ができるので、調整作業のための空間
が広く取れる副走査方向の中央部で調整作業が実施でき
て、調整作業が行いやすい。
【0012】先行技術では、調整用のマークを読取って
イメージセンサと光軸との相互位置関係を調整する場
合、光学系の光軸とイメージセンサとの相互位置関係が
合致したときに初めて、どの当りに調整して良いのか判
るので、最初から調整量を細かくして調整する必要があ
り、したがってどの当りに調整すべき位置があるのかの
目測がつきにくいが、本発明では、このような先行技術
の問題を解決し、予め目測をつけて、細かな調整ができ
るので、調整回数が低減する。
【0013】スリット形成手段の第1の値S1であるス
リット幅を有するスリットは、実際に原稿を読取る際に
用いられるスリットであってもよいけれども、調整のた
めに設定されたスリットであってもよく、第2の値S2
は、たとえば実際の読取りの際に用いられるスリットの
幅未満の値であり、これによって調整の精度を向上する
ことができ、実際の読取り動作時における調整不良によ
って生じる現象、たとえばケラレ不良、斜め不良などを
防ぐことができる。
【0014】
【0015】本発明に従えば、第1スリット幅S1であ
る読取り用スリット71内で、その第1スリット幅S1
未満である第2スリット幅S2を有する調整用スリット
72を用いて調整作業を行うので、イメージセンサと光
学系の光軸との相互位置を大まかに調整した後、さらに
精度よく調整することが容易になる。
【0016】
【0017】本発明に従えば、第2スリット幅S2を有
する調整用スリット72が、第1スリット幅S1の読取
り用スリット71内で、副走査方向中央位置に、たとえ
ば図1および図2に関連して後述されるように設定され
た状態で、前記相互位置の大まかな調整作業を行い、そ
の後、図23、図24;図25、図26に関連して後述
されるように、副走査方向中央位置から副走査方向にず
らした位置で、調整作業をそれぞれ行い、これによって
調整作業をさらに迅速に行うことができるようになる。
【0018】スリット71,72の幅方向すなわち副走
査方向11のセンタを通過した光軸センタに対してイメ
ージセンサの位置を調整できるので、光軸センタとイメ
ージセンサの受光素子のライン並びのセンタが傾斜した
状態であっても許容範囲内であって、CCD側の光軸セ
ンタがスリット71,72の幅方向端部を通過するよう
に調整された場合、主走査方向9の端部の画像が欠ける
ことがない。ケラレの調整時に、スリット71,72の
副走査方向端部で調整されて、斜め不良により主走査方
向9の長さが全倍率の調整が不適切になることを防止す
ることができる。
【0019】また本発明は、原稿を載置する透光性を有
する原稿載置台と、複数の受光素子がライン状に配列さ
れて構成されるイメージセンサと、原稿載置台上の原稿
の像をイメージセンサ上に結像する光学系と、原稿載置
台と光学系の一部とを、副走査方向11に相対的に移動
する副走査駆動手段と、光学系の光経路の途中に介在さ
れ、副走査方向に垂直な主走査方向9に延びる読取り用
スリットを有し、この読取り用スリットによって原稿の
画像情報であるスリット像を形成してイメージセンサ上
に結像する読取り用スリット部材と、光学系を構成する
複数の構成要素およびイメージセンサのうちの少なくと
も1つを、光学系の構成要素およびイメージセンサのう
ちの残余と、相対的に変位して調整する調整手段とを含
む原稿読取り装置の調整装置において、 (a)一対のスリット調整部材215,216であっ
て、各スリット調整部材215,216は、主走査方向
9に対向する端壁261,262をそれぞれ有し、副走
査方向11の両面に、突出部233,234;235,
236が設けられるスリット調整部材215,216
と、 (b)一対のガイド部材218,219であって、各ガ
イド部材218,219は、読取り用スリット部材68
に、読取り用スリット71に関して副走査方向11の両
側方で、それぞれ固定され、読取り用スリット71に平
行に、主走査方向9に延び、側壁228,229と受け
部223,224とが、軸線に直角な断面がほぼL字状
となるように、形成され、各側壁228,229には、
前記突出部233,234;235,236が離脱可能
に嵌合して位置固定される第1〜第10位置調整穴24
1〜248;251〜258:240,250;24
9,259がそれぞれ設けられており、 (b1)第1位置調整穴244,254に、一方のスリ
ット調整部材215の突出部233,234が嵌合し、
第2位置調整穴245,255に、他方のスリット調整
部材216の突出部235,236が嵌合した第1の状
態で、両スリット調整部材215,216の端壁26
1,262によって、オフセンタ不良調整用の第1開口
幅S11を有する第1開口214aが形成され、読取り
用スリット71の主走査方向9の中央位置に、第1開口
214aの主走査方向9の中央位置が一致し、 (b2)第3位置調整穴243,253に、一方のスリ
ット調整部材215の突出部233,234が嵌合し、
第4位置調整穴246,256に、他方のスリット調整
部材216の突出部235,236が嵌合した第2の状
態で、両スリット調整部材215,216の端壁26
1,262によって、読取り用スリット71の主走査方
向9の長さよりも短く、かつ第1開口214aの第1開
口幅S11よりも長い第2開口幅S12を有する全倍率
不良調整用の第2開口214bが形成され、読取り用ス
リット71の主走査方向9の中央位置に、第2開口21
4bの主走査方向9の中央位置が一致し、 (b3)主走査方向9の一端部寄りの第5位置調整穴2
47,257に、一方のスリット調整部材215の突出
部233,234が嵌合し、主走査方向9の一端部寄り
の第6位置調整穴248,258に、他方のスリット調
整部材216の突出部235,236が嵌合した第3の
状態で、両スリット調整部材215,216の端壁26
1,262によって、第2開口214bの第2開口幅S
12よりも短い片倍率不良調整用の第3開口幅S13を
有する第3開口214cが形成され、読取り用スリット
71の主走査方向9の中央位置に、第3開口214cの
主走査方向9の中央位置が一致し、 (b4)主走査方向9の他端部寄りの第7位置調整穴2
41,251に、一方のスリット調整部材215の突出
部233,234が嵌合し、主走査方向9の他端部寄り
の第8位置調整穴242,252に、他方のスリット調
整部材216の突出部235,236が嵌合した第4の
状態で、両スリット調整部材215,216の端壁26
1,262によって、片倍率不良調整用の第2開口21
4bの第2開口幅S12よりも短い第4開口幅S14を
有する第4開口214dが形成され、読取り用スリット
71の主走査方向9の中央位置に、第4開口214dの
主走査方向9の中央位置が一致し、 (b5)第9位置調整穴240,250に、一方のスリ
ット調整部材215の突出部233,234が嵌合し、
第10位置調整穴249,259に、他方のスリット調
整部材216の突出部235,236が嵌合した第5の
状態で、両スリット調整部材215,216は、読取り
用スリット71の主走査方向9の外方にあるガイド部材
218,219とを含むことを特徴とする原稿読取り装
置の調整装置である。また本発明は、読取り用スリット
部材68には、主走査方向9に延び、読取り用スリット
71に平行な一対の案内長穴221,222が形成さ
れ、各スリット調整部材215,216には、前記案内
長穴221,222をそれぞれ挿通して読取り用スリッ
ト部材68から突出する一対のガイドピン225,22
6が設けられることを特徴とする。また本発明は、前記
原稿読取り装置の調整装置を準備し、スリット調整部材
215,216を、第1〜第4の各状態にそれぞれ設定
して、第1〜第4の各開口214a〜214dをそれぞ
れ形成し、こうして設定された第1〜第4の各状態毎
に、イメージセンサの受光素子の受光位置を検出し、受
光位置が、予め定める受光位置になるように、調整手段
によって調整作業を行うことを特徴とする原稿読取り装
置の調整方法である。また本発明は、調整手段は、 (a)3個の雌ねじ部116,118,120が形成さ
れる受光ハウジング84と、 (b)第1支持フレーム88であって、受光ハウジング
84の上方に配置され、主走査方向9に延びる3個の長
穴130,132,134と、雌ねじ孔136とが形成
される第1支持フレーム88と、 (c)第2支持フレーム90であって、第1支持フレー
ム88の上方に配置され、光学系の一部を構成し副走査
方向11に平行な光軸を有するレンズ組立体13と、イ
メージセンサ15とが、取付けられ、副走査方向11に
延び、第1支持フレーム88の長穴130,132,1
34にそれぞれ対応する3個の長穴158,160,1
62と、雌ねじ孔136に対応して副走査方向11に延
びる固定用長穴164とが形成される第2支持フレーム
90と、 (d)3個の調整部材140,142,144であっ
て、各調整部材140,142,144は、第1支持フ
レーム88の長穴130,132,134と、これらの
第1支持フレーム88の長穴130,132,134に
それぞれ対応する第2支持フレーム90の長穴158,
160,162とを、挿通して支持するピン部150
と、雌ねじ部116,118,120にそれぞれ螺合
し、螺合状態を調整して受光ハウジング84からの高さ
を調整する雄ねじ部148とを有する調整部材140,
142,144と、 (e)固定用長穴164を挿通して雌ねじ孔136に螺
着される固定用ねじ168とを含むことを特徴とする。
【0020】本発明に従えば、図28〜図38に関連し
て後述されるように、図13のオフセンタ不良、図14
の全倍率不良、図15の片倍率不良などのための調整作
業を行うために、開口形成手段によって形成される開口
を、スリット像の主走査方向の位置を変化し、および/
または開口の主走査方向に沿う幅S11〜S14を変化
し、イメージセンサの受光位置を表示手段によって表示
して調整作業を迅速に行うことができる。こうして先行
技術における移動走査ユニットと調整用線状マークとの
相互位置を変更して調整することが不要であるので、本
発明では、オフセンタ、全倍率および片倍率のための調
整が簡単になり、調整作業が迅速に行われることにな
る。
【0021】特に全倍率の調整時には、調整用の線の太
さ、すなわち開口幅S12(後述の図33、図34参
照)が可変であり、イメージセンサの感度すなわち分解
能に応じてスリットの主走査方向の長さを変えて対応で
きるので、異なる感度のイメージセンサを搭載した原稿
読取り装置に対しても、同一の調整方法で対応できる。
たとえば、異なる感度のイメージセンサを搭載した異な
る機種に対しても生産ラインにおいて同一の手順で行う
ことができ、機種の切換えの対応が容易である。
【0022】イメージセンサへの光軸の副走査方向11
におけるずれに関する情報のうち少なくとも光軸の副走
査方向11におけるずれ方向(ケラレ方向)の情報が得
られるので、ずれ方向を判定でき、判定したずれ方向に
基づいて、イメージセンサの方向を調整するので、調整
方向を誤ることがなく、調整作業が簡単になる。副走査
方向におけるずれに関する情報は、ずれの方向、ズレ量
である。
【0023】
【0024】本発明に従えば、開口の主走査方向に沿う
長さ、すなわち開口幅を、第1、第3および第4の長さ
すなわち開口幅S11,S13,S14に設定して、オ
フセンタおよび片倍率のための調整作業を行うことがで
きる。さらに開口の長さ、すなわち開口幅を、第1の長
さを超える第2の長さS12に設定して大きくすること
によって、全倍率のための調整作業を行うことができ
る。すなわち第1、第3および第4の開口幅S11,S
13,S14は、第2の開口幅S12よりも短い。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
原稿読取り装置6を備えるデジタル複写機1の一部の簡
略化した断面図である。第1光学ユニット8は、読取ら
れるべき原稿Gが載置された透光性であるたとえば透明
な原稿載置プレート14に沿って、水平な副走査方向1
1(図1の左右方向)に移動して、原稿Gの読取り動作
を行う。この副走査方向11に垂直である水平な主走査
方向9(図1の紙面に垂直方向)に沿う原稿Gのスリッ
ト像が読取られて、受光ユニット12のイメージセンサ
15に結像される。このイメージセンサ15は、主走査
方向9に沿って複数の受光素子がライン上に配列されて
構成される。主走査方向9は、イメージセンサ15を構
成する複数の受光素子が配列される方向を言う。副走査
方向11は、主走査方向に垂直な方向であって、原稿と
光学系の一部とが相対的に移動する方向を言う。第1光
学ユニット8における後述のスリット形成手段67は、
読取り動作のために用いられるスリット部材68と、そ
のスリット部材68の下方、すなわち露光ランプ16お
よび露光反射板64とは読取り用スリット部材68に関
して反対側に設けられる調整用スリット部材69とを有
する。読取り用スリット部材68は、図1〜図27、図
39〜図44のように、ケラレ不良および斜め不良の各
現象の調整のために用いられるとともに、図28〜図3
8のように、オフセンタ不良、全倍率不良、片倍率不良
の各現象の調整のためにも用いられる。
【0031】図2は、スリット形成手段67の底面図で
ある。読取り用スリット部材68には、読取り用スリッ
ト71が形成される。調整用スリット部材69には、調
整用スリット72が形成される。読取り用スリット71
と調整用スリット72とは、主走査方向9に延びる。読
取り用スリット71の副走査方向11に延びるスリット
幅S1に比べて、調整用スリット72のスリット幅S2
は小さく構成される(S1>S2)。図2では、読取り
用スリット71内に調整用スリット72が配置され、調
整作業を行う状態が示されている。このような図1およ
び図2に示される原稿読取り装置6を備えるデジタル複
写機1の全体の構成を、次に説明する。
【0032】図3において、図示の複写機1は、複写機
ハウジング2を備えており、この複写機ハウジング2の
上側に自動原稿送り装置4が設けられている。この複写
機1は、複写すべき原稿Gの画像情報を読取る原稿読取
り装置6と、読取った画像情報に基づいて複写画像を形
成する画像形成部7から構成され、原稿読取り装置6が
複写機ハウジング2の上部に配置され、画像形成部7が
複写機ハウジング2の下部に配置されている。
【0033】先ず、原稿読取り装置6について概説する
と、原稿読取り装置6は、第1の光学ユニット8と、第
2の光学ユニット10と、受光ユニット12とを備え、
これら第1および第2の光学ユニット8,10、ならび
に受光ユニット12が原稿を読取るための走査装置とし
て作用する。複写機ハウジング2の上面には、透明ガラ
スから成る原稿載置台である原稿載置プレート14が設
けられ、この原稿載置プレート14を覆うように自動原
稿送り装置4が配設されてる。自動原稿送り装置4は、
複写すべき原稿Gを1枚ずつ原稿載置プレート14に送
給してその上面に位置付け、原稿載置プレート14に位
置付けられた原稿が原稿読取り装置6の作用によって読
取られる。
【0034】第1の光学ユニット8は、原稿載置プレー
ト14上の原稿を露光する露光ランプ16(露光源を構
成する)および第1反射鏡18を備え、また第2の光学
ユニット10は第2反射鏡20および第3反射鏡22を
備えている。また、受光ユニット12は、複数枚のレン
ズを有するレンズ組立体13を備える。第1および第2
光学ユニット8,10、ならびに受光ユニット12と
は、光学系を構成する。受光ユニット12からの光は、
CCDの如きラインイメージセンサ15に結像される。
原稿を走査する際、第1の光学ユニット8(露光ランプ
16および第1反射鏡18)は、所定速度で図3におい
て右方に原稿載置プレート14に沿って実質上平行に移
動され、第2の光学ユニット10(第2および第3反射
鏡20,22)は、上記所定速度の半分の速度で図1に
おいて右方に実質上平行に移動される。露光ランプ16
は、原稿載置プレート14上の原稿を照射し、原稿から
の反射光は、第1反射鏡18、第2反射鏡20および第
3反射鏡22に順次反射された後にレンズ組立体13に
導かれ、このレンズ組立体13を通してイメージセンサ
15に受光される。したがって原稿Gのスリット像であ
る画像情報は、イメージセンサ15によって読取られ、
読取られた画像情報は、画像データとして画像データ処
理手段(図示せず)に送給され、この画像データ処理手
段において所要のとおりに処理された後に画像メモリ
(図示せず)に一旦記憶される。画像メモリに記憶され
たに画像情報信号は、その後、画像形成部7に供給さ
れ、この画像形成部7に送給された画像データ信号に基
づいて、原稿の複写画像が形成される。
【0035】原稿読取り装置6がこのように構成されて
いるので、第1〜第3反射鏡18,20,22は、原稿
からの反射光をイメージセンサ15に導くための受光反
射手段を構成し、レンズ組立体13はこの受光反射手段
の光路中に配置され、原稿の画像情報であるスリット像
をイメージセンサ15に結像する。
【0036】また画像形成部7は、複写画像を形成する
ための複写画像形成部24と、シート部材を複写画像形
成部24に供給するためのシート部材供給部26とを備
えている。複写画像形成部24は、その表面に感光層を
有する感光ドラム28(感光受光手段を構成する)を備
え、矢印で示す方向に回動される感光ドラム28の周囲
に、電荷付与用帯電器30、現像装置32、転写用帯電
器34、剥離用帯電器36およびクリーニング装置38
がこの順序で配置されている。これら感光ドラム28、
電荷付与用帯電器30、現像装置32などは、電子写真
プロセスを遂行する電子写真プロセス部を構成する。
【0037】感光ドラム28の上方には、画像情報を有
するレーザ光を、電荷付与後の感光ドラム28の表面に
照射するための走査装置40が設けられている。この走
査装置40はレーザ光学ユニット42を備え、このレー
ザ光学ユニット42内には、画像情報を有するレーザ光
を照射するレーザ光源(レーザ光照射手段を構成する)
等が設けられている。走査装置40は、また、反射鏡4
4を備え、レーザ光学ユニット42からのレーザ光は、
反射鏡44によって反射された後に感光ドラム28の表
面に導かれる。
【0038】複写機ハウジング2内には、感光ドラム2
8と転写用帯電器34および剥離用帯電器36との間を
通して複写紙の如き記録紙であるシート部材を搬送する
ための搬送経路46が延びている。この搬送経路46の
一端部は図1において右方に延び、その一端には給紙テ
ーブル機構48が設けられている。この給紙テーブル機
構48は給紙テーブル49上に載置されたシート部材を
1枚ずつ搬送経路46に送給する。また、搬送経路46
の一端部は分岐し、搬送経路46の下方に配設された両
面複写用給紙装置47およびシート部材を収容したシー
ト部材供給装置50,52まで延びている。両面複写用
給紙装置47は、シート部材の両面に複写画像を形成す
る場合に用いられ、片面に複写画像を有するシート部材
を一時的に収容し、他面に複写画像を形成するためにこ
のシート部材を搬送経路46に向けて再度送給する。ま
た、シート部材供給装置50,52は、積層状態に収容
されたシート部材を1枚ずつ搬送経路46に向けて送給
する。
【0039】搬送経路46の下流側部には定着ローラ対
54が配設され、この定着ローラ対54はシート部材の
表面に形成されたトナー画像を定着して永久像にする。
この搬送経路46の他端には、複写後のシート部材を仕
分けするソータの如き後処理装置56が設けら、複写後
のシート部材が所要のとおりに後処理される。
【0040】次に、図3とともに図4を参照して、第1
の光学ユニット8の構成について説明する。第1の光学
ユニット8は、図3および図4において左右方向に移動
自在であるユニットハウジング62を備え、このユニッ
トハウジング62の一側部(図3および図4において左
側部)に露光ランプ16が配設され、その他側部に露光
ランプ16に対向して露光反射板64が設けられてい
る。露光ランプ16の周表面の一部には光を外部に照射
するための開口65が形成されており、露光ランプ16
はこの開口65を通して照射光を照射する。ユニットハ
ウジング62には、第1反射鏡18が取付けられ、また
原稿からの反射光を第1反射鏡18に導くためのスリッ
ト部材68が設けられている。このように構成されてい
るので、図4に示すとおり、露光ランプ16の開口65
からの照射光は、その大部分は原稿載置プレート14上
の原稿Gを直接的に照射し、またその残部の一部は露光
反射板64によって反射された後原稿Gを間接的に照射
し、これら直接照射光および間接照射光によって原稿G
が照射される。スリット形成手段67に対応した原稿G
の領域76(原稿読取り領域)からの反射光は、このス
リット形成手段67を通して第1反射鏡18に至り、第
1反射鏡18、第2反射鏡20および第3反射鏡22に
順次に反射された後に受光ユニット12に導かれ、原稿
読取り装置6の光学反射手段の光路78は、図4に破線
で示す範囲となり、この光路78の中心軸線80は図4
に一点鎖線で示すとおりであり、この光路70の中心軸
線80がレンズ組立体13の光軸と実質上一致する。
【0041】図5〜図9を参照して、受光ユニット12
の構成について説明する。図5では、露光ランプ16
を、斜線を施して示す。図示の受光ユニット12は受光
ハウジング84を備え、この受光ハウジング84が複写
機ハウジング2(図3)内に設けられた支持フレーム体
(図示せず)に装着される。受光ハウジング84には、
位置調整機構86を介して第1支持フレーム88が支持
され、この第1支持フレーム88に第2支持フレーム9
0が装着され、この第2支持フレーム90にレンズ組立
体13およびイメージセンサ15が取付けられている。
主として図7を参照して、図示の受光ハウジング84
は、矩形状の本体部92を有し、この本体部92の両端
部には上方に突出する側壁部94,96が設けられ、側
壁部94,96の上端部には両側に延びる取付部98,
100が設けられている。一方の取付部98には、X軸
方向(図3において左右方向、図7において右上から左
下の方向であって、レンズ組立体13の光軸に実質上平
行な方向、副走査方向11)に延びる長穴102とY軸
方向(図3において紙面に垂直な方向、図7において左
上から右下の方向であって、レンズ組立体13の光軸に
対して実質上垂直な方向、主走査方向9)に延びる長穴
104とがそれぞれ1個設けられている。また、他方の
取付部100には、X軸方向に延びる長穴106,10
8がそれぞれ2個設けられているとともに、Y軸方向に
延びる長穴108が1個設けられている。
【0042】この受光ハウジング84は、次のとおりに
して複写機ハウジング2に取付けられる。複写機ハウジ
ング2の支持フレーム体(図示せず)の所定部位には一
対の第1ガイドピン(図示せず)が設けられる。ガイド
ピンは、取付部98,100の長穴104,110に受
入れられ、受光ハウジング84は第1ガイドピンに案内
されてY軸方向に移動自在に支持される。複写機ハウジ
ング2の支持フレーム体の他の所定部位には3本の第2
ガイドピン(図示せず)が設けれ、これら第2ガイドピ
ンが取付部98,100の長穴102,106に受入れ
られ、受光ハウジング84は第2ガイドピンに案内され
てX軸方向にも移動自在に支持されている。したがっ
て、この受光ハウジング84は、X軸方向およびY軸方
向に移動させて所定位置に位置付けられ、このように位
置付けた状態にて取付部100の各長穴108を通して
固定用ねじ(図示せず)を複写機ハウジング2の支持フ
レーム体に螺着することによって固定される。
【0043】受光ハウジング84の本体部92には、Y
軸方向に所定の間隔を置いて一対のガイドピン112,
114が設けられ、ガイドピン112,114は本体部
92から上方に延びている。また、この本体部92の所
定部位には上方に幾分突出する突出部116,118,
120が設けられている。突出部116,118,12
0は略三角状に配置され、それらの各々には雌ねじ部が
形成されている。本体部92の一側部、図7において左
側側部には、上方に突出する上折曲部122,124が
設けられ、上折曲部122,124の先端部には切欠き
126が形成されている。
【0044】受光ハウジング84に支持される第1支持
フレーム88は、プレート状部材から構成されている。
第1支持フレーム88は、受光ハウジング84の本体部
92よりも幾分小さく、一対の側壁部94,96間にて
この本体部92の上方に配置される。この第1支持フレ
ーム88の略中央部にはX軸方向に長い矩形状の開口1
28が形成され、またその所定部位には、受光ハウジン
グ84の各突出部116,118,120に対応して3
個の長穴130,132,134が形成されており、各
長穴130,132,134はY軸方向に延びている。
第1支持フレーム88には、また、開口128の両側に
一対の雌ねじ孔136が設けられ、一対の雌ねじ孔13
6の外側に一対の孔138が設けられている。
【0045】第1支持フレーム88は、位置調整機構8
6を介して位置調整自在に受光ハウジング84に支持さ
れている。図示の位置調整機構86は、各突出部11
6,118,120の雌ねじ部に螺合される3個の調整
部材140,142,144から構成されている。調整
部材140,142,144は実質上同一の構成であ
り、その軸線方向中央部に設けられたフランジ部146
と、このフランジ部146から一端側に延びる雄ねじ部
148と、フランジ部146から他端側に延びるピン部
150とを有している。各調整部材140,142,1
44の雄ねじ部148は、受光ハウジング84の対応す
る突出部116,118,120の雌ねじ部に螺合さ
れ、螺合状態を調整することによって、それらのフラン
ジ部146の位置、すなわち受光ハウジング84の本体
部92からの高さを調整することができる。第1支持フ
レーム88は、受光ハウジング84に取付けた調整部材
140,142,144のピン部150を長穴130,
132,134内に位置付けることによってそれらのフ
ランジ部146に支持される。このように支持された状
態では、受光ハウジング84のガイドピン112,11
4は、第1支持フレーム88の対応する孔138を挿通
し、その先端部は第1支持フレーム88を通して上方に
延びている。
【0046】第1支持フレーム88に装着される第2支
持フレーム90は、プレート状部材から構成されてい
る。第2支持フレーム90も受光ハウジング84の本体
部92よりも幾分小さく、一対の側壁部94,96間に
て本体部92の上方に配置される。この第2支持フレー
ム90の略中央部にはX軸方向に長い矩形状の取付開口
350が形成されている。この取付開口350は第1支
持フレーム88の開口128より幾分小さく形成されて
いる。この取付開口350には、レンズ組立体13の下
部が収容され、このように収容することによってレンズ
組立体13は第2支持フレーム90の所定取付位置に位
置付けられる。このように位置付けた状態では、レンズ
組立体13の下部は、第2支持フレーム90の取付開口
350を通して第1支持フレーム88の開口128内に
位置する。取付開口350の両側にはねじ孔152が形
成されている。レンズ組立体13を固定するのに金属製
帯状部材154が用いられ、この帯状部材154はレン
ズ組立体13の凹部外周に巻付けられる。帯状部材15
4は、それらの両端部を通して固定ねじ156をねじ孔
152に螺着することによって取付けられ、このように
帯状部材154を取付けることによって、レンズ組立体
13が第2支持フレーム90に固定される。
【0047】第2支持フレーム90には、また、受光ハ
ウジング84の各突出部116,118,120に対応
して3個の長穴158,160,162が形成されてい
る。各長穴158,160,162はX軸方向に細長
く、長穴158,160,162の幅は調整部材14
0,142,144のピン部148の外径よりも大きく
形成されている。また。第1支持フレーム88の雌ねじ
孔136に対応して一対の長穴164が、また第1支持
フレーム88の孔138に対応して一対の長穴166が
形成されている。各長穴164,166はX軸方向に延
びている。
【0048】第2支持フレーム90は、各調整部材14
0,142,144のピン部148を第2支持フレーム
90の長穴158,160,162内に位置付けること
によって、第1支持フレーム88に支持され、このよう
に支持された状態では、受光ハウジング84のガイドピ
ン112,114の先端部が第2支持フレーム90の長
穴164,166内に位置付けられる。この支持状態で
は、長穴158,160,162,164,166がX
軸方向に延びているので、第1支持フレーム88に対し
て第2支持フレーム90がX軸方向に相対的に位置調整
自在であり、第1支持フレーム88に対する第2支持フ
レーム90のX軸方向の位置を調整することによって、
図1から理解されるとおり、原稿載置プレート14に載
置された原稿の面からレンズ組立体13までの距離を調
整することができる。第1支持フレーム88と第2支持
フレーム90との相対的位置を調整した後は、第2支持
フレーム90の長穴164を通して固定用ねじ168が
第1支持フレーム88の雌ねじ孔136に螺着され、し
たがって第1支持フレーム88と第2支持フレーム90
とが一体化される。
【0049】第1および2支持フレーム88,90に関
連して押圧部材170などが設けられる。受光ハウジン
グ84のガイドピン112,114には、それぞれ、先
端面に押圧部材170が取付けられる。各押圧部材17
0は、両端部が下方に折曲された板ばねから構成され、
その中央部を通して固定用ねじ172をガイドピン11
2,114に螺着することによって対応するガイドピン
112,114の先端面に固定される。押圧部材170
の両端部は、図9に示すとおり、第2支持フレーム90
の上面に作用してこれを受光ハウジング84に向けて弾
性的に押圧し、したがって第1および第2支持フレーム
88,90は、押圧部材170の作用によって調整部材
140,142,144のフランジ部146に押圧保持
され、所定位置に弾性的に保持される。ガイドピン11
2,114の先端部には、また、係止リング174が係
止されている。図9から理解されるとおり、第1および
第2支持フレーム88,90が受光ハウジング84から
離隔する方向に上方に大きく上昇することによって、係
止リング174に当接し、このようにして第1および第
2支持フレーム88,90が所定範囲を超えて上昇する
ことが阻止される。
【0050】第2支持フレーム90には、さらに、その
一側部に一対の突出片176,178が設けられ、その
他側部に一対の折曲片180,182が設けられてい
る。突出片176,178は、受光ハウジング84の上
折曲部122,124に対応して設けられ、各突出片1
76,178が上折曲部122,124の切欠き126
内に位置付けられる。また、受光ハウジング84に向け
て下方に折曲された折曲片180,182は、その本体
部92に対応して設けられ、この本体部92の上方に配
置されている。このように構成されているので、第1お
よび第2支持フレーム88,90が受光ハウジング84
に近接する方向に大きく下降すると、突出片176,1
78が上折曲部122,124の切欠き126に当接す
るとともに、折曲片180,182の先端が受光ハウジ
ング84の本体部92に当接し、このようにして第1お
よび第2支持フレーム88,90が所定範囲を超えて下
降することが阻止される。
【0051】第2支持フレーム90には補助支持フレー
ム184が取付けられ、この補助支持フレーム90にイ
メージセンサ15が取付けられている。補助支持フレー
ム184は略L字状であり、取付部186と、この取付
部186から上方に延びる支持壁部188とを有してい
る。取付部186には一対の長穴190が形成され、か
かる長穴190を通して固定用ねじ192を第2支持フ
レーム90の雌ねじ孔194に螺着することによって、
補助支持フレーム184が第2支持フレーム90に装着
されている。取付部186の長穴190はX軸方向に細
長く形成されており、したがって補助支持フレーム18
4は第2支持フレーム90に対してX軸方向に位置調整
自在であり、第2支持フレーム90に対する補助支持フ
レーム184のX軸方向の位置を調整することによっ
て、レンズ組立体13とイメージセンサ15との距離を
調整することができる。
【0052】補助支持フレーム184の支持壁部188
にはイメージセンサ15の形状に対応した矩形状の開口
194が形成されている。イメージセンサ15は回路基
板196に設けられ、この回路基板196が固定用ねじ
198によって支持壁部188に取付けられ、回路基板
196上のイメージセンサ15は支持壁部188の開口
194内に位置している。このように支持されたイメー
ジセンサ15は、その受光面がレンズ組立体13に対向
して位置し、レンズ組立体13の光軸200(図9)は
イメージセンサ15の受光面の実質上中心と一致するよ
うに配置される。
【0053】第1〜第3反射鏡18,20,22(光学
反射手段)の光路78の中心軸線80の方向におけるレ
ンズ組立体13およびイメージセンサ15の位置調整
は、複写機ハウジング2の支持フレーム体(図示せず)
に対して受光ハウジング84をX軸方向に移動するおよ
び/または第1支持フレーム88に対して第2支持フレ
ーム90をX軸方向に移動することによって行うことが
できる。また、第1〜第3反射鏡18,20,22(光
学反射手段)の光路78の中心軸線80に対して実質上
垂直な横方向におけるレンズ組立体13およびイメージ
センサ15の位置調整は、複写機ハウジング2の支持フ
レーム体に対して受光ハウジング84をY軸方向に移動
することによって行うことができる。
【0054】また、第1〜第3反射鏡18,20,22
(光学反射手段)の光路78の中心軸線80とレンズ組
立体13の光軸200の上下方向の位置調整は、位置調
整機構86の3個の調整部材140,142,144を
同時に回動させることによって行うことができる。たと
えば、調整部材140,142,144を同時に所定方
向(または所定方向と反対方向)に回動すると、これら
調整部材140,142,144の受光ハウジング84
への螺合量が多く(または少なく)なり、これによって
第1および第2支持フレーム88,90とともにレンズ
組立体13は受光ハウジング84、換言すると上記光路
78の中心軸線80に対して相対的に下方(または上
方)に移動され、このようにして光路78の中心軸線8
0とレンズ組立体13の光軸200とを一致させること
ができる。このとき、第1および第2支持フレーム8
8,90の上昇が特定範囲を超えると、第2支持フレー
ム90がガイドピン112,114に係止された係止リ
ング174に当接し、第2支持フレーム90の上方への
移動が阻止される。また、第1および第2支持フレーム
88,90の下降が特定範囲を超えると、第2支持フレ
ーム90の突出部176,178が受光ハウジング84
の上折曲部122,124の切欠き126に当接すると
ともに、その折曲片180,182が受光ハウジング8
4の本体部92に当接し、第2支持フレーム90の下方
への移動が阻止される。このとおりであるので、ガイド
ピン112,114に装着された係止リング174およ
び受光ハウジング84の一部がレンズ組立体13および
イメージセンサ15の上下方向、すなわちZ軸方向の特
定範囲を超える移動を阻止するので、上述した位置付け
を容易に行うことができ、係止リング174および受光
ハウジング84の一部などが特定範囲を超える移動を阻
止するための調整範囲規制手段として機能する。
【0055】レンズ組立体13の光軸200の上下方向
の傾き調整およびイメージセンサ15の受光部の配列方
向と第1〜第3反射鏡18,20,22(光学反射手
段)による主走査線の調整(受光部の配列方向と主走査
線とを実質上一致させるための調整)は、位置調整機構
86の3個の調整部材140,142,144を必要に
応じて1個または2個以上を所定方向または所定方向と
反対方向に回動させることによって行うことができる。
このような調整のときにも、たとえば、第1および第2
支持フレーム88,90の一端部(または他端部)の上
昇が特定範囲を超えると、第2支持フレーム90がガイ
ドピン114(または112)に係止された係止リング
174に当接し、第2支持フレーム90の一端部(また
は他端部)の上方への移動が阻止される。また、第1お
よび第2支持フレーム88,90の一端部(または他端
部)の下降が特定範囲を超えると、第2支持フレーム9
0の突出部176(または178)が受光ハウジング8
4の上折曲部122(または124)の切欠き126に
当接するとともに、その折曲片180(または182)
が受光ハウジング84の本体部92に当接し、第2支持
フレーム90の一端部(または他端部)の下方への移動
が阻止される。このとおりであるので、このときにもガ
イドピン112,114に装着された係止リング174
および受光ハウジング84の一部が調整範囲規制手段と
して機能し、レンズ組立体13およびイメージセンサ1
5の特定範囲(角度範囲を含む)を超える移動を阻止す
る。
【0056】上述した走査装置においては、レンズ組立
体13の光軸200と第1〜第3反射鏡18,20,2
2の光路78の中心軸線80とを実質上一致するように
調整される。このような調整の際に、第1〜第3反射鏡
18,20,22の角度が適正に調整されていなけれ
ば、レンズ組立体13の光軸200の位置調整を行って
も、イメージセンサ15が受光する受光量は、露光ラン
プ16によって原稿を露光したときの露光分布のピーク
光量から外れ、その結果イメージセンサ15の受光量が
少なくなり、原稿画像の階調性が低下し、良好な印字画
像を得ることができなくなる。調整作業時のこのような
不都合を解消するために、調整範囲規制手段を設け、こ
の調整範囲規制手段により調整可能な特定範囲を設定す
ることによって、特定の調整範囲から外れてレンズ組立
体13(およびイメージセンサ15)が移動することが
確実に阻止され、これによって調整作業を容易にし、そ
の時間短縮を図ることができる。
【0057】このような走査装置は、複写機以外に、た
とえばファクシミリ装置、スキャナ装置などにも同様に
適用することができる。
【0058】本発明を実施する原稿読取り装置の調整方
法を説明する前に、イメージセンサ15と光学系との相
互の位置関係が不良であった場合、どのような不所望な
現象が生じるかについて、図10〜図15を参照して説
明する。イメージセンサ15の取付けの不良が生じる
と、イメージセンサ15で読取られた画像に生じる問題
点として、ケラレ不良、斜め不良、オフセンタ不良、全
倍率不良、片倍率不良が挙げられる。各不良要因が画像
にどのような影響を与えるか、また、不良要因の調整方
法について、順次、以下に述べる。
【0059】図10は、本件画像読取装置6によって読
取られるべき原稿Gを示す平面図である。原稿Gにおい
て副走査方向11に延びる線73と、主走査方向9に延
びる図10の左右の線74は、この原稿Gには、実際に
は描かれていないけれども、図11〜図15の各種の不
所望な現象を説明する便宜のために、図10において実
線で描かれている。図11〜図15における破線の画像
は、図10に示される各線73,74が正常に読取られ
て複写されたときにおける等倍時の複写画像を示してい
る。図11は図10に示される原稿Gが記録紙にケラレ
不良の現象を生じて複写された画像を示す正面図であ
り、図12は図10に示される原稿Gが記録紙に斜め不
良の現象を生じて複写された画像を示す正面図であり、
図13は図10に示される原稿Gが記録紙にオフセンタ
不良の現象を生じて複写された画像を示す正面図であ
り、図14は図10に示される原稿Gが記録紙に全倍率
不良の現象を生じて複写された画像を示す正面図であ
り、図15は図10に示される原稿Gが記録紙に片倍率
不良の現象を生じて複写された画像を示す正面図であ
る。
【0060】ケラレ不良について述べる。ケラレ不良に
関して、図5と図6を用いて説明する。ケラレ不良と
は、イメージセンサ15の光軸が上下方向(図中の方向
A1,A2)に傾くことにより、イメージセンサ15の
光軸と主走査線がずれることである。ケラレ不良が大き
いと、イメージセンサ15の光軸がスリットを通過しな
いので、原稿の反射光がイメージセンサ15に届かず、
図11のように画像が読取れなくなる。
【0061】ケラレ不良の調整は、図5、図6の位置調
整のための3個の調整部材140,142,144を必
要に応じて1個または2個以上を所定方向または、所定
方向と反対方向に回動させることによって、イメージセ
ンサ15の光軸がスリット71,72を通過するように
調整することができる。
【0062】斜め不良について述べる。斜め不良に関し
て、図5と図6を用いて説明する。イメージセンサ15
の光軸が、図5、図6の方向B1,B2に傾いているこ
と、つまり、イメージセンサ15の光軸が主走査方向9
に対して傾斜することにより、斜め不良が生じ、複写画
像が図12のように斜めとなったり、イメージセンサ1
5の光軸の一部がスリット71,72を通過せず一部の
原稿Gが画像として読取れなくなる。
【0063】斜め不良の調整は、図5、図6の位置調整
のための2個の調整部材142,144を必要に応じて
所定方向または、所定方向と反対方向に回動させること
によって行うことができる。
【0064】オフセンタ不良について述べる。オフセン
タ不良とは、イメージセンサ15の光軸センタが原稿セ
ンタ(主走査方向9のセンタ)に対して主走査方向9に
ずれていることをいう。オフセンタ不良があると、図1
3のように複写画像が原稿に対してずれた状態で印字さ
れて出力される。
【0065】オフセンタ不良の調整は、イメージセンサ
15を図5、図6の方向D1,D2に移動させることに
より行うことができる。たとえば、複写画像が図13の
ような状態のとき、イメージセンサ15を方向D2に移
動させると、この調整ができる。
【0066】全倍率不良について述べる。全倍率不良と
は、レンズ組立体13の光学レンズとイメージセンサ1
5のCCDセルの受光面との間の距離と、光学レンズと
原稿面との間の距離との比が、所定の関係から外れてい
るために、図14のように読取った画像データが本来あ
るべき寸法と異なってしまうことである。つまり、主走
査方向9全体の読取りの大きさがずれることである。
【0067】全倍率不良の調整は、イメージセンサ15
を方向C1,C2に移動させることにより調整を行うこ
とができる。たとえば、図14のように複写画像が原稿
Gに比べて小さい場合、方向C1にイメージセンサ15
を移動させることにより調整ができる。
【0068】片倍率不良について述べる。片倍率不良と
は、画像が主走査方向9において、図15のように原稿
像のセンタ75を中心に対称になっていないことであ
る。これは、イメージセンサ15の光軸が図5、図6の
方向C1,C2に傾いていることにより起こる。したが
って、図5、図6のイメージセンサ15のF(前)側ま
たはR(後)側を、方向C1,C2に移動させることに
より調整することができる。
【0069】以上で、イメージセンサ15の取付け状態
が不良であった場合に生じる問題点およびその調整方法
の説明を終わる。
【0070】本発明を適用した原稿読取り装置6のイメ
ージセンサ15の調整方法について説明するに先立ち、
本調整方法に際して使用する機構部に関して説明する。
ケラレ不良および斜め不良の調整のために、幅の狭い調
整用スリット72を副走査方向11に移動する構造につ
いて説明する。
【0071】図16は読取り用スリット部材68の底面
図であり、図17は読取り用スリット部材68の正面図
である。さらに図18は、調整用スリット部材69の底
面図である。調整用スリット部材69は、読取り用スリ
ット部材68と相対的に副走査方向11に変位して調整
することができる。読取り用スリット部材68には、読
取用スリット71の主走査方向9の両側方で、下方に突
出したガイドつまみ81がそれぞれ設けられる。このガ
イドつまみ81は、下方になるにつれて相互に離間する
弾発力を有する一対の係止片82から成る。
【0072】調整用スリット部材69には、調整用スリ
ット2の主走査方向9両側方で、副走査方向11に延び
るスリット位置調整穴83が、副走査方向11に延びて
形成される。ガイドつまみ81は、これらのスリット位
置調整穴83に受け入れられ、ガイドつまみ81によっ
て、調整用スリット部材69が副走査方向11に案内さ
れて移動することができる。読取り用スリット71の副
走査方向11のスリット幅S1は、たとえば7mmであ
ってもよい。調整用スリット72の副走査方向11のス
リット幅S2は、たとえば2mmであってもよい。
【0073】位置調整穴83には、4カ所、穴の幅が広
い位置固定部分である固定穴206〜209が設けられ
ている。ガイドつまみ81が、位置調整穴83の各固定
穴(副の広い穴)206〜209に受入れられた場合、
ガイドつまみ81は、図19(1)のように主走査方向
9の幅が広がり、調整用スリット部材69は、離脱可能
に固定される。またガイドつまみ81は、位置調整穴8
3の固定穴206〜209以外の移動部分(幅の狭い
穴)212に受入れられた場合、図19(2)のように
主走査方向9の幅が小さくなり、調整用スリット部材6
9は、副走査方向11に移動可能となる。調整スリット
部材69は、この機構より副走査方向11に4段階に移
動可能である。
【0074】調整用スリット部材69の可変構造部は、
スリット形成手段67の原稿G側とは反対側(図1の下
方)に位置している。調整用スリット部材69は、読取
り用スリット部材68に関して露光ランプ16および露
光反射板64とは反対側(図1の下方)に配置される。
露光手段が設けられている走査ユニットにおいては、原
稿照射光の調節が必要なため、読取り用スリット部材6
8に対して原稿側には、リフレクタ64等の露光量の調
整部材が配置されているが、これらの部材を配置する妨
げにならない。
【0075】本発明の実施の他の形態では、ガイドつま
み81を、調整用スリット部材69に設け、スリット位
置調整穴83を読取り用スリット部材68に形成するよ
うにしてもよく、本発明の実施のさらに他の形態では、
読取り用スリット部材68と調整用スリット部材69と
が、副走査方向11に変位して希望する複数の位置に設
定することができるそのほかの係止構造などであっても
よい。
【0076】以下では、先ず、ケラレ、斜めの各不良現
象の具体的な調整方法について述べる。その後、オフセ
ンタ、全倍率、片倍率の各不良現象の具体的な調整方法
について述べる。イメージセンサ15の調整手順を次に
示す。最初にケラレ不良、斜め不良に対する調整を行
う。これは、CCD読取り情報に基づいてイメージセン
サ15の光軸調整を行っているため、スリット71,7
2から到達する光をイメージセンサ15が受光しなけれ
ばならないからである。
【0077】第1に、イメージセンサ15の全ての受光
素子210の光軸が、図20、図21に示す読取り用ス
リット(たとえばスリット幅S1=7mm)71を通過
するようにケラレ不良、斜め不良を大まかに調整する。
【0078】第2に、読取り用スリット71と比較して
狭いスリット幅(たとえばS2=2mm)を有する調整
用スリット72を用いてケラレ不良、斜め不良に関して
のイメージセンサ15の位置を精度良く調整してゆく。
読取り用スリット71と比較して狭い調整用スリット7
2を用いて精度良く調整する方法として、先ず図1、図
2に示すように読取り用スリット71と比較して狭い調
整用スリット72を、通常の読取り時のスリット71の
副走査方向11のセンタに固定し、イメージセンサ15
の光軸が調整用スリット72をどのように通過している
かを、判断する。このためにイメージセンサ15の各受
光素子210の出力を、表示手段によって表示し、した
がってイメージセンサ15を構成する複数の各受光素子
210毎の受光強度に対応した出力レベルを表示する。
この表示されたイメージセンサ15による情報によっ
て、判断する。
【0079】次にイメージセンサ15の光軸が、調整用
スリット72を通過していない場合、または、一部のみ
が、調整用スリット72を通過している場合、図23、
図24;図25、図26に示すように調整用スリット7
2のセンタを中心に副走査方向11にふり、どちらにケ
ラレているか、どのような方向に斜め不良を起こしてい
るのかを判断する。これによって調整用スリット72を
図1、図2のように固定した場合、イメージセンサ15
の光軸が全て調整用スリット72を通過するように調整
する。
【0080】各ケラレ不良、斜め不良に対する調整方法
は、下記に示す。ケラレ不良に対する調整方法を述べ
る。調整用スリット72を用いたケラレ不良の調整方法
について、表1を参照しつつ、図5、図6を用いて説明
する。
【0081】
【表1】
【0082】先ず、図20、図21、図22に示すよう
に読取り用スリット(たとえばスリット幅S1=7m
m)71に全てのイメージセンサ15の光軸が通過する
ように調整する。このために図5、図6の位置調整のた
めの3個の調整部材140,142,144を必要に応
じて1個または2個以上を所定方向または、所定方向と
反対方向に回動させることによって、イメージセンサ1
5の光軸がスリットを通過するように調整することがで
きる。
【0083】次に、読取り用スリット71と比較して狭
い幅S2の調整用スリット72を用いてイメージセンサ
15の位置を精度良く調整してゆく。
【0084】読取り用スリット71と比較して狭い幅の
調整用スリット72を用いた調整方法として、先ず図
1、図2に示すように調整用スリット72を読取り用ス
リット71の副走査方向11のセンタに固定し、イメー
ジセンサ15の光軸が調整用スリット72を通過してい
るかイメージセンサ15の情報より判断する。ここでイ
メージセンサ15の光軸が、調整用スリット72を通過
していれば許容範囲内であり、多少斜めなどの不良要因
があっても主走査方向9の端部の画像が欠けることがな
い精度の良い調整ができている。
【0085】イメージセンサ15の光軸が、調整用スリ
ット72を通過していない場合、図23、図24;図2
5、図26に示すように調整用スリット72のセンタを
中心に副走査方向11にふり、どちらにケラレているか
を判断し、調整用スリット72をセンタに固定した場
合、イメージセンサ15の光軸が調整用スリット72を
通過するように調整する。たとえば、図23、図24の
ように後端側(図23の右方、図24の下方)にイメー
ジセンサ15の光軸がケラレていた場合、図5、図6の
調整部材140を所定と反対方向に回動させる、もしく
は、調整部材142,144を所定方向に回動させる、
あるいは、調整部材140を所定と反対方向にかつ調整
部材142,144を所定方向に回動させることによっ
て、イメージセンサ15の光軸の調整を行うことができ
る。図25、図26のように先端側(図25の左方、図
26の上方)にイメージセンサ15の光軸がケラレてい
た場合、上記と反対を行えばよい。
【0086】読取り用スリット71を用いてイメージセ
ンサ15の光軸のケラレを大まかに調整した後に、読取
り用スリット71のスリット幅S1に比較して狭い幅の
調整用スリット72のスリット幅S2でイメージセンサ
15の光軸のケラレをより精度良く調整するので、調整
量を最初から少しずつ変えて調整しなくてもよく、調整
量を変える回数が低減できて、調整作業の迅速かが図ら
れる。
【0087】斜め不良に対する調整方法を述べる。調整
用スリット72を用いた斜め不良の調整方法について、
表2を参照しつつ、図5、図6を用いて説明する。
【0088】
【図2】
【0089】先ず、図1、図2に示すように調整用スリ
ット72を読取り用スリット71の副走査方向11のセ
ンタに固定する。図27はイメージセンサ15の正面図
である。図27(A)は、イメージセンサ15の複数の
各セルである受光素子210上に、原稿Gのスリット像
211が結像された状態を示す。このときイメージセン
サ15の全ての受光素子210の光軸は、スリット71
を通る。このスリット像211は、斜線を施して示す。
図27(B)および図27(C)は、イメージセンサ1
5上にスリット像211が斜めに結像された状態を示
し、斜め不良が生じた状態となっている。イメージセン
サ15の各受光素子210の出力を、表示手段によって
表示し、各受光素子210の受光強度を表示手段によっ
て表示する。こうして得られたイメージセンサ15の受
光素子210毎の受光強度を表す情報より、イメージセ
ンサ15の図27(B)、図27(C)の傾きを無くす
ための調整を行ってゆく。上記ケラレと同様に、調整用
スリット72を副走査方向11に移動させて受光素子2
10の受光状態を観察することにより、斜めの状況を判
断することができる。
【0090】たとえば、斜め不良が起こっている場合、
図23、図24(または図25、図26)の位置に調整
用スリット72を移動させ、イメージセンサ15の受光
面がR側に光を受光した場合、図27(B)(または図
27(C))のように斜め不良を起こしていると判断で
きる。たとえば、原稿Gの画像情報がイメージセンサ1
5に図27(B)(または図27(C))の状態で結像
されている場合、画像211は斜めとなり、主走査方向
9の両端部の画像が欠けてしまう。
【0091】この場合の調整方法では、調整部材142
を所定と反対方向(または所定方向)、調整部材144
を所定方向(または所定と反対方向)に回動すると、イ
メージセンサ15の調整部材142側は、相対的に下方
(または上方)へ、調整部材144側は、上方(または
下方)へ移動され、イメージセンサの配列方向と原稿情
報が実質上一致している図27(A)の状態とすること
ができる。
【0092】調整用スリット72を用いて斜め不良の調
整を行うことにより、露光のための光学系8,10,1
2がイメージセンサ15との光学距離を保持して移動す
る走査方式を採用した原稿読取り装置の場合、従来の技
術のように指標線やチャートを用いないので、光学系
8,10,12の副走査方向11の位置によらず調整が
できる。したがって調整作業のための空間が広く取れる
副走査方向11の中央部で調整作業が実施できて、調整
作業が行いやすい。
【0093】オフセンタ不良、全倍率不良、片倍率不良
の調整を行うために、読取り用スリット部材68に関連
して、図28〜図38に示されるように構成され、以下
に述べる調整作業が行われる。この図28〜図38に示
される構成は、前述の図1〜図27に示される実施の形
態における読取り用スリット部材68の下方に設けら
れ、たとえば調整用スリット部材69の下方にさらに追
加的に設けられてもよく、本発明の実施の他の形態で
は、前述の調整用スリット部材69が省略されて、読取
り用スリット部材68に図28〜図38の構成が設けら
れてもよい。この図28〜図38の構成では、読取り用
スリット71の主走査方向9に沿う開口214a〜21
4d(図31、図33、図35、図37参照。総括的に
添字a〜dを省略し、参照符214で示すことがある)
の主走査方向9の長さ、すなわち開口幅S11〜S14
および開口位置を変化するための開口形成手段213が
設けられる。この開口形成手段213によって、主走査
方向9におけるスリット71の開口214の長さ、位置
を変更する。
【0094】以下に図28〜図30を用いて主走査方向
9に移動可能なスリット調整部材215,216の構造
について説明する。図28は読取り用スリット部材68
および開口形成手段213を示す底面図であり、図29
は読取り用スリット部材68および開口形成手段213
の図28における右方から見た側面図であり、図30は
開口形成手段213の一部の分解斜視図である。読取り
用スリット部材68には、主走査方向9に延びるガイド
部材218,219が固定され、読取り用スリット部材
68には、主走査方向9に延びる読取り用スリット71
に平行な長穴221,222が設けられている。これら
のガイド部材218,219は、軸線に直角な断面がほ
ぼL字状であり、スリット調整部材215,216の副
走査方向11両側方を、読取り用スリット部材68とは
反対側で、図29の下方で支持する受け部223,22
4を有する。
【0095】スリット調整部材215,216には、そ
れぞれ一対のガイドピン225,226が設けられる。
ガイドピン225,226は、長穴221,222に受
入れられる。スリット調整部材215,216は、ガイ
ド部材218,219に案内されており、またガイドピ
ン225,226は読取り用スリット部材68の上方に
突出していることにより、その読取り用スリット部材6
8から上方に突出したガイドピン225,226を操作
者が手でつかんで、これらのスリット調整部材215,
216を上から主走査方向9に移動させることができ
る。
【0096】スリット調整部材215,216がガイド
部材218,219の側壁228,229と副走査方向
11の対向する各面には、板ばね231,232が設け
られる。各板ばね231,232のセンタには突出部2
33,234;235,236が設けられている。
【0097】ガイド部材218,219の側壁228,
259には、位置調整穴241〜248;251〜25
8が設けられ、スリット調整部材215,216の突出
部233,234;235,236がガイド部材21
8,219の側壁228,229に形成された位置調整
穴241〜248;251〜258に嵌まり込んだと
き、スリット調整部材215,216は、突出部23
3,234;235,236が位置調整穴241〜24
8;251〜258から、板ばね231,232のばね
力に抗して副操作方向11に変位して離脱可能に、位置
固定される。1つのガイド部材218,219の側壁2
28,229には8カ所の位置調整穴241〜248;
251〜258が設けられており図28〜図38に示す
5段階の位置固定が可能である。突出部233,23
4;235,236が位置調整穴241〜248;25
1〜258に離脱可能に嵌合して位置固定された状態
で、各スリット調整部材215,216の相互に対向す
る端壁261,262は、主走査方向9、したがって読
取り用スリット71の長手方向に垂直である。
【0098】オフセンタ、全倍率、片倍率の各不良のた
めの調整には、図28〜図38に示す主走査方向9に移
動可能なスリット調整部材215,216を用いる。ス
リット調整部材215,216による各不良の現象に対
する調整は、各スリット調整部材215,216の突出
部233〜236を、位置調整穴241〜248;25
1〜258に、表3のように設定して、調整作業を行
う。図28に示す主走査方向9に移動可能なスリット調
整部材215,216を用いてオフセンタ不良、片倍率
不良、全倍率不良の順に、光学系の光軸がイメージセン
サ15を通過するように調整する。図28では、読取り
状態において、突出部233〜236は、位置調整穴2
40,250;249,259に嵌合して設定され、ス
リット調整部材215,216は、読取り用スリット7
1の主走査方向9の外方にある。
【0099】
【表3】
【0100】オフセンタ不良に対する調整方法を述べ
る。オフセンタの調整方法を図31、図32を用いて説
明する。オフセンタの調整は、主走査方向9に移動可能
なスリット調整部材215,216を用いて狭い開口2
14a(たとえば開口幅S11=1mm)を作り、図3
1のように移動させ、読取り用スリット71の主走査方
向9の中央位置であるセンタに、開口214aの主走査
方向9のセンタが一致するように、固定し、イメージセ
ンサ15の情報よりイメージセンサ15を図5および図
6の方向D1,D2に移動させて行う。
【0101】イメージセンサ15の受光面が所定画素位
置よりR側(またはF側)の画素で受光した場合、イメ
ージセンサ15を図5、図6の方向D1(またはD2)
に移動させることにより調整することができる。たとえ
ば、図32(A)が所定の画像情報とすると、原稿の画
像情報がイメージセンサ15に図32(B)の状態で結
像されている場合、画像は、図13のように画像が原稿
Gに対して主走査方向9にずれてしまう。図32におい
て開口214aを経て受光するイメージセンサ15の受
光素子263〜266などには斜線を施して示し、この
ことは図34、図36および図38においても同様であ
る。イメージセンサ15を、図5および図6の方向D1
に移動して調整することによって、開口214aを通る
光は、図32(B)の状態から、図32(A)に示され
るように受光素子263,264によって受光させるこ
とができ、このように図32(A)のように受光される
状態が達成されたとき、オフセンタの調整作業を終了す
る。この場合、イメージセンサ15を方向D1に移動す
ることによって、調整することができる。
【0102】スリット調整部材215,216を用いて
オフセンタの調整を行うことにより、光学系8,10,
12がイメージセンサ15との光学距離を保持して移動
する走査方式を採用した原稿読取り装置6の場合、従来
のように指標線やチャートを用いないので光学系8,1
0,12の副走査方向11の位置によらず調整ができ
る。したがって調整作業のための空間が広く取れる副走
査方向11の中央部で調整作業が実施できて、調整作業
が行いやすい。
【0103】全倍率不良に対する調整方法を述べる。全
倍率の調整方法を図33、図34を用いて説明する。全
倍率の調整は、主走査方向9に移動可能なスリット調整
部材215,216を用いて、読取り用スリット71の
主走査方向9の長さよりも短い開口214b(たとえば
開口幅S12=200mm)を作り、図33のように全
倍率の位置に移動させ、開口214b主走査方向9の中
央位置を、読取り用スリット71の主走査方向9のセン
タに固定し、イメージセンサ15の情報よりイメージセ
ンサ15を図5、図6の方向C1,C2に移動させて行
う。
【0104】イメージセンサ15の受光面が、図34
(A)の所定画素数より多い(または少ない)数の画素
で図34(B)のように光を受光している場合、イメー
ジセンサ15を図5、図6の方向C2(または方向C
1)に移動させることによって調整を行うことができ
る。受光している受光素子210の数は、イメージセン
サ15の出力が与えられる。計数手段によって計数され
て表示手段によって表示される。
【0105】たとえば、図34(A)を所定の画像情報
とすると、原稿の画像情報がイメージセンサ15に図3
4(B)の状態で送られている場合、画像は、図14の
ように画像が原稿Gに対して縮小されてしまう。図34
(A)に比べて、全倍率不良時には、図34(B)に示
されるように、イメージセンサ15の受光素子271,
272は、開口214bからの光を受光していない。こ
の場合、イメージセンサ15を図5、図6の方向C1に
移動することによって、調整することができる。
【0106】スリット調整部材215,216を用いて
全倍率の調整を行うことにより、光学系8,10,12
がイメージセンサ15との光学距離を保持して移動する
走査方式を採用した原稿読取り装置6の場合、従来のよ
うに指標線やチャートを用いないので光学系8,10,
12の副走査方向11の位置によらず調整ができる。し
たがって調整作業のための空間が広く取れる副走査方向
11の中央部で調整作業が実施できて、調整作業が行い
やすい。
【0107】片倍率の調整方法を図35〜図38を用い
て説明する。片倍率の調整は、主走査方向9に移動可能
なスリット調整部材215,216を用いて狭い開口2
14c,214d(たとえば開口幅S13=S14=1
mm)を図35、図37のように主走査方向9のセンタ
276に関して主走査方向9の端部寄りの位置(たとえ
ば図35のように+150mm、図37のように−15
0mmの各地点)に固定する。イメージセンサ15の情
報よりイメージセンサ15を図5、図6の方向C1,C
2に移動させて行う。
【0108】イメージセンサ15のR側受光面が所定画
素数よりR側画素で光を受光している場合、イメージセ
ンサ15を図5、図6のF側を方向C2に、R側を方向
C1に(あるいはF側を方向C2に、あるいはR側を方
向C1に)移動することによって、調整することができ
る。イメージセンサ15のR側の受光面が所定画素数よ
りF側で光を受光している場合は、上記の反対を行えば
よい。
【0109】イメージセンサ15のF側受光面が所定画
素数よりF側画素で光を受光している場合、イメージセ
ンサ15を図5、図6のF側を方向C1に、R側を方向
C2に(あるいはF側を方向C1に、あるいはR側を方
向C2に)移動することによって、調整することができ
る。イメージセンサ15のF側受光面が所定画素数より
R側で光を受光している場合は、上記の反対を行えばよ
い。
【0110】たとえば、原稿の画像情報がイメージセン
サ15に図36(B)、図38(B)の状態で受光して
いる場合、図36(A)、図38(A)を所定の画像情
報とすると、複写画像は主走査方向9において、図10
のように原稿Gの主走査方向9のセンタを中心に対称に
はならない。図36(B)では、開口214cを経た光
は、イメージセンサ15において受光素子267,26
8において受光され、予め定める正常な位置で、受光素
子268,269によっては受光されていない。また図
38(B)では、開口214dを経た光は、受光素子2
74,275によって受光され、図38(A)で示され
る予め定める正常な位置で受光素子273,274によ
っては受光されていない。このような図35、図36;
図37,図38にそれぞれ示される片倍率不良が生じて
いる。
【0111】この場合、イメージセンサ15を図5、図
6のR側を方向C2に、F側を方向C1に(あるいはR
側を方向C2に、あるいはF側を方向C1に)移動する
ことによって、調整することができる。
【0112】スリット調整部材215,216を用いて
片倍率の調整を行うことにより光学系8,10,12が
イメージセンサ15との光学距離を保持して移動する走
査方式を採用した原稿読取り装置6の場合、従来のよう
に指標線やチャートを用いないので光学系8,10,1
2の副走査方向11の位置によらず調整ができる。した
がって調整作業のための空間が広く取れる副走査方向1
1の中央部で調整作業が実施できて、調整作業が行いや
すい。
【0113】調整用スリット部材69は、その主走査方
向9のいずれか一方の端部だけが副走査方向11に変位
されて、前述の各不良のための調整が行われてもよい。
本発明の実施の他の形態では、調整用スリット部材69
の副走査方向の各位置に対応してイメージセンサ15を
構成する複数の各受光素子からの出力に基づき、調整部
材140,142,144を、モータなどの駆動手段に
よって自動的に角変位し、ケラレ、斜めなどの各不良を
調整するようにし、このようにして調整手段140,1
42,144の駆動作業を、自動化することができる。
本発明の実施の他の形態では、イメージセンサ15の各
受光素子の出力の状態に応じて作業者が調整すべき調整
部材140,142,144の回転操作方向、回転操作
量などを、テーブルとして予め準備することによって、
作業者による調整作業を容易に行うことができるように
なる。このことはスリット調整部材215,216を用
いてオフセンタ、全倍率、片倍率などの不良の調整を行
う構成に関してもまた同様である。
【0114】図39〜図44に示される本発明の実施の
他の形態は、図1〜図27に関連して前述した実施の形
態における調整用スリット部材69に代えて、一対の調
整用スリット部材69a,69bが用いられる。この実
施の形態は、前述の実施の形態に類似し、対応する部分
には同一の参照符を付す。これらの調整用スリット部材
69a,69bに関連して、さらにその下方に、図28
〜図38に関連して前述したスリット調整部材215,
216を含む構成が追加されてもよい。図39は、読取
り用スリット部材68の底面図であり、図40は図39
に示される読取り用スリット部材68と調整用スリット
部材69a,69bの分解斜視図である。前述の実施の
形態に対応する部分には同一の参照符を付し、また調整
用スリット部材69a,69bに関連する構成要素に
は、添字a,bを付す。一対の調整用スリット部材69
a,69bは、副走査方向11への移動が個々に可能な
構成を説明する。以下に図39、図40に示す調整用ス
リット部材69a,69bの構造について、説明する。
スリット部材68の所定位置には、ガイドつまみ81
a,81bが設けられ、これらガイドつまみ81a,8
1bは、スリット部材69a,69bのスリット位置調
整穴83a,83bに受入れられ、スリット部材69
a,69bは、ガイドつまみ81a,81bに案内され
て副走査方向11に移動する。
【0115】スリット位置調整穴83a,83bは、4
カ所の穴の幅が広い位置固定部分206a〜209a,
206b〜209bが設けられている。ガイドつまみ8
1a,81bは、位置調整穴83a,83bの移動部分
(幅の狭い穴)に受入れられていた場合、図19(2)
のように主走査方向9の幅が小さくなり、スリット部材
69a,69bは、副走査方向11に移動可能となる。
また、ガイドつまみ81a,81bが、位置調整穴83
a,83bの固定穴(幅の広い穴)に受入れられた場
合、ガイドつまみ81a,81bは、図19(1)のよ
うに主走査方向9の幅が広がり、スリット部材69a,
69bは、固定される。スリット部材69a,69b
は、この機構により、副走査方向11に4段階に移動可
能である。
【0116】また、スリット部材69a,69bの可変
構造部は、スリット部材68の原稿G側と反対側(図1
の下方)に位置している。
【0117】副走査方向11に個々に移動可能な調整用
スリット部材69a,69bを用いて、ケラレ不良に対
する調整方法を述べる。スリット部材69a,69bを
用いたケラレの調整方法について、図41〜図44を用
いて説明する。先ず、図41に示すように通常の読取り
用スリット幅S1(たとえば7mm)に全てのイメージ
センサ15の光軸が通過するように調整する。
【0118】図5、図6の位置調整のための3個の調整
部材140,142,144を必要に応じて1個または
2個以上、所定方向または、所定方向と反対方向に回動
させることによって、イメージセンサ15の光軸が読取
り用スリット71を通過するように調整することができ
る。
【0119】次に、読取り用スリット71と比較して狭
いスリット幅S2(たとえば2mm)を有するスリット
72を、スリット部材69a,69bを用いて作り、イ
メージセンサ15の位置を精度良く調整してゆく。読取
り用スリットと比較して狭い幅S2の調整用スリット7
2を用いた調整方法として、先ず図42に示すように調
整用スリット72を読取り用スリット71の副走査方向
11のセンタに固定し、イメージセンサ15の光軸が調
整用スリット72を通過しているかを、イメージセンサ
の情報より判断する。
【0120】ここでイメージセンサ15の光軸が、調整
用スリット72を通過していれば、許容範囲内であり、
多少斜めなどの不良要因があっても、主走査方向9の端
部の画像が欠けることがない精度の良い調整ができてい
る。
【0121】イメージセンサ15の光軸が、調整用スリ
ット72を通過していない場合、図43または図44に
示すように調整用スリット72を、センタを中心に副走
査方向11にふり、どちらにケラレているかを判断し、
調整用スリット72をセンタに固定した場合、イメージ
センサ15の光軸が調整用スリット72を通過するよう
に調整する。こうして読取り用スリット幅S1で、イメ
ージセンサ15の光軸のケラレを大まかに調整した後
に、スリット幅S1に比較して狭い幅S2の調整用スリ
ット72でイメージセンサ15の光軸のケラレをより精
度良く調整するので、調整量を最初から少しずつ変えて
調整しなくてもよく、調整量を変える回数が低減でき
て、調整作業の迅速化が図られる。
【0122】副走査方向11に個々に移動可能な一対の
スリット部材69a,69bを用いた斜め不良に対する
調整方法を述べる。スリット部材69a,69bを用い
た斜め不良の調整方法について、図3,図4,図8,図
9を用いて説明する。先ず、図42に示すように調整用
スリット72をスリット幅S1の副走査方向11のセン
タに固定し、イメージセンサ15の情報よりイメージセ
ンサ15の図5、図6の方向A1,A2の傾き調整を行
ってゆく。上記ケラレと同様に調整用スリット72を副
走査方向11に移動させることにより、斜めの状況を判
断することができる。
【0123】たとえば、斜め不良が起こっていた場合、
図43または図44の位置に調整用スリット72を移動
させ、イメージセンサ15の受光面がR側に光を受光し
た場合、図27(B)、図27(C)のように斜め不良
を起こしていると判断できる。たとえば、原稿Gの画像
情報がイメージセンサに図27(B)または図27
(C)の状態で送られている場合、画像は斜めとなり主
走査方向の両端部の画像が欠けてしまう。
【0124】この場合の調整方法は、先ず、調整部材1
42を所定と反対方向(または所定方向)、調整部材1
44を所定方向(または所定と反対方向)に回動する
と、イメージセンサ15の調整部材142側は、相対的
に下方(または上方)へ、調整部材144側は、上方
(または下方)へ移動され、イメージセンサの配列方向
と原稿情報が実質上一致している図27(A)の状態と
することができる。
【0125】上記調整用スリット72を用いて斜め不良
の調整を行うことにより露光手段がイメージセンサ15
との光学距離を保持して移動する走査方式を採用した原
稿読取り装置の場合、従来のように指標線やチャートを
用いないので露光手段の副走査方向の位置によらず調整
ができるので、調整作業のための空間が広く取れる副走
査方向の中央部で調整作業が実施できて、調整作業が行
いやすい。
【0126】
【発明の効果】本発明によれば、広い第1スリット幅S
1の読取り用スリット71で、イメージセンサと光学系
の光軸との相互位置を大まかに調整した後、狭い第2ス
リット幅S2の調整用スリット72でさらに相互位置を
調整するので、ケラレおよび斜めなどの不良のために高
精度の調整作業を迅速に行うことができる。
【0127】本発明によれば、第1スリット幅S1を有
する読取り用スリット71を、実際に原稿を読取るため
のスリット露光のために用いることができ、その第1ス
リット幅を有するスリットの副走査方向範囲内で、第2
スリット幅S2を有する調整用スリット72を、副走査
方向に変位して調整作業を行い、こうして調整作業を迅
速に行うことができる。
【0128】本発明によれば、第2スリット幅を有する
調整用スリット72を、第1スリット幅を有する読取り
用スリット71の副走査方向中央位置に、前述の図1お
よび図2に示されるように設定して調整作業を行うこと
によって、イメージセンサと光学系の光軸とが、予め定
める許容範囲内であって、ずれていても、原稿の実際の
読取り時には、第2スリット幅を超える第1スリット幅
を有する読取り用スリット71を用いてスリット像が得
られるので、ケラレおよび斜めなどの不良の現象が生じ
ることを防ぐことができる。
【0129】特に実際の読取り時の広い読取り用スリッ
ト71の副走査方向中央位置に、狭い調整用スリット7
2を位置して調整作業を行い、その後、副走査方向にず
らした位置に調整用スリットを設定して調整作業を行う
ので、イメージセンサの主走査方向全長にわたってスリ
ット像が結像するように調整作業を行うことが確実にな
る。さらにこのことによって、その後、全倍率不良のた
めの調整を適切に行うことが可能になる。
【0130】本発明によれば、スリット像の主走査方向
に沿う第1〜第4開口214a〜214dを形成して、
主走査方向の予め定める開口位置に設定し、これによっ
てオフセンタ、全倍率および片倍率などの不良のための
調整作業を、迅速に行うことができるようになる。
【0131】本発明によれば、第1、第3および第4開
口の開口幅を、比較的短い第1、第3および第4開口幅
S11,S13,S14に設定して、オフセンタおよび
片倍率のための調整作業を行うことができ、第2開口の
開口幅をもっと長い第2開口幅S12に設定して全倍率
の不良のための調整作業を行うことができる。
【0132】本発明によれば、ケラレおよび斜めなどの
各不良のための調整作業を迅速に行うことができる。
【0133】本発明によれば、オフセンタ、全倍率およ
び片倍率などの各不良のための調整作業を迅速に行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の原稿読取り装置6を備
えるデジタル複写機1の一部の簡略化した断面図であ
る。
【図2】スリット形成手段67の底面図である。
【図3】デジタル複写機1の全体の構成を示す簡略化し
た縦断面図である。
【図4】原稿読取り装置6の簡略化した側面図である。
【図5】原稿読取り装置6の簡略化した平面図である。
【図6】連続組立体13を備える受光ユニット12とイ
メージセンサ15とを示す斜視図である。
【図7】図6に示される受光ユニット12とイメージセ
ンサ15とを示す分解斜視図である。
【図8】図8は受光ユニット12およびイメージセンサ
15のための受光ハウジング84を示す平面図である。
【図9】受光ハウジング84の縦断面図である。
【図10】本件画像読取装置6によって読取られるべき
原稿Gを示す平面図である。
【図11】図10に示される原稿Gが記録紙にケラレ不
良の現象を生じて複写された画像を示す正面図である。
【図12】図10に示される原稿Gが記録紙に斜め不良
の現象を生じて複写された画像を示す正面図である。
【図13】図10に示される原稿Gが記録紙にオフセン
タ不良の現象を生じて複写された画像を示す正面図であ
る。
【図14】図10に示される原稿Gが記録紙に全倍率不
良の現象を生じて複写された画像を示す正面図である。
【図15】図10に示される原稿Gが記録紙に片倍率不
良の現象を生じて複写された画像を示す正面図である。
【図16】読取り用スリット部材68の底面図である。
【図17】読取り用スリット部材68の正面図である。
【図18】調整用スリット部材69の底面図である。
【図19】読取り用スリット部材68に形成されたガイ
ドつまみ81が、調整用スリット部材69に形成された
固定穴206〜209および移動部分212に嵌合した
状態を示す断面図である。
【図20】スリット形成手段67の底面図である。
【図21】原稿読取り装置6によって原稿Gを読取ると
きの状態を示す簡略化した断面図であり、本発明の調整
用スリット部材69などは省略されている。
【図22】原稿読取り状態を示すスリット形成手段67
の底面図である。
【図23】ケラレ不良の調整のために調整用スリット部
材69を副走査方向11に移動した状態を示す原稿読取
り装置6の簡略化した断面図である。
【図24】図23における状態を示すスリット形成手段
67の底面図である。
【図25】ケラレ不良の調整のために調整用スリット部
材69を副走査方向11に前述の図23および図24と
は逆方向に移動した状態を示すスリット形成手段67の
簡略化した断面図である。
【図26】図25に示される状態を示すスリット形成手
段67の底面図である。
【図27】斜め不良を説明するためのイメージセンサ1
5の正面図である。
【図28】読取り用スリット部材68および開口形成手
段213を示す底面図である。
【図29】読取り用スリット部材68および開口形成手
段213の図28における右方から見た側面図である。
【図30】開口形成手段213の一部の分解斜視図であ
る。
【図31】オフセンタ不良の調整のための状態を示す開
口形成手段213を備えるスリット形成手段67の底面
図である。
【図32】オフセンタ不良を説明するためのイメージセ
ンサ15の正面図である。
【図33】全倍率不良に対する調整方法を説明するため
の開口形成手段213を備えるスリット形成手段67の
底面図である。
【図34】全倍率不良に対する調整方法を説明するため
のイメージセンサ15の正面図である。
【図35】片倍率不良に対するの調整方法を説明するた
めの開口形成手段213を備えるスリット形成手段67
の底面図である。
【図36】図35における片倍率不良に対する調整方法
を説明するためのイメージセンサ15の正面図である。
【図37】片倍率不良に対するの調整方法を説明するた
めの開口形成手段213を備えるスリット形成手段67
の底面図である。
【図38】図37における片倍率不良に対する調整方法
を説明するためのイメージセンサ15の正面図である。
【図39】本発明の実施の他の形態における一対の調整
用スリット部材69a,69bを備えるスリット形成手
段67の底面図である。
【図40】図39に示される実施の形態のスリット形成
手段67の分解斜視図である。
【図41】図39における調整用スリット部材69a,
69bを副走査方向11に退避して読取り用スリット7
1を開放した状態を示すスリット形成手段67の底面図
である。
【図42】ケラレ不良または斜め不良の調整のために調
整用スリット部材69a,69bによって形成される調
整用スリット72を、読取り用スリット71の副走査方
向11の中央位置に設定した状態を示すスリット形成手
段67の底面図である。
【図43】調整用スリット部材69a,69bによって
形成される調整用スリット72を読取り用スリット71
の副走査方向11の一方側に移動した状態を示すスリッ
ト形成手段67の底面図である。
【図44】調整用スリット部材69a,69bによって
形成される調整用スリット72を読取り用スリット71
の副走査方向11の他方側に移動した状態を示すスリッ
ト形成手段67の底面図である。
【符号の説明】
1 デジタル複写機 2 複写機ハウジング 4 自動原稿送り装置 6 原稿読取り装置 7 画像形成部 8 第1光学ユニット 9 主走査方向 10 第2の光学ユニット 11 副走査方向 12 受光ユニット 13 レンズ組立体 14 原稿載置プレート 15 イメージセンサ 16 露光ランプ 28 感光ドラム 32 現像装置 34 転写用帯電器 40 走査装置 54 定着ローラ対 56 処理装置 62 ユニットハウジング 65,128 開口 67 スリット形成手段 68 読取り用スリット部材 69,69a,69b 調整用スリット部材 70,78 光路 71 読取り用スリット 72 調整用スリット 81 ガイドつまみ 82 係止片 83 スリット位置調整穴 86 位置調整機構 88 第1支持フレーム 90 第2支持フレーム 92 本体部 112,114,225,226 ガイドピン 116,118,120 突出部 140,142,144 調整部材 146 フランジ部 148 雄ねじ部 200 光軸 206〜209 位置固定部分 218,219 ガイド部材 223,224 受け部 214a,214b,214c,214d 開口 215,216 スリット調整部材 241〜248;251〜258 位置調整穴 231,232 板ばね 261,262 端壁 263〜266 受光素子 G 原稿
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−289081(JP,A) 特開 平8−237444(JP,A) 特開 平2−280456(JP,A) 特開 平5−22524(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/10 H04N 1/028 H04N 1/04 106

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿を載置する透光性を有する原稿載置
    台と、 複数の受光素子がライン状に配列されて構成されるイメ
    ージセンサと、 原稿載置台上の原稿の像をイメージセンサ上に結像する
    光学系と、 原稿載置台と光学系の一部とを、副走査方向11に相対
    的に移動する副走査駆動手段と、 光学系の光経路の途中に介在され、副走査方向に垂直な
    主走査方向9に延びる読取り用スリットを有し、この読
    取り用スリットによって原稿の画像情報であるスリット
    像を形成してイメージセンサ上に結像する読取り用スリ
    ット部材と、 光学系を構成する複数の構成要素およびイメージセンサ
    のうちの少なくとも1つを、光学系の構成要素およびイ
    メージセンサのうちの残余と、相対的に変位して調整す
    る調整手段とを含む原稿読取り装置の調整装置におい
    て、 読取り用スリット部材68に重ねられて配置される調整
    用スリット部材69を有し、 この調整用スリット部材69には、前記読取り用スリッ
    ト71の副走査方向に沿う第1スリット幅S1未満であ
    る第2スリット幅S2を有する調整用スリット72が副
    走査方向に延びて形成され、 調整用スリット部材69または読取り用スリット部材6
    8のいずれか一方には、 読取り用スリット71の主走査方向9の側方で、副走査
    方向11に延びるスリット位置調整穴83と、 スリット位置調整穴83に、副走査方向11に沿って配
    置される第1固定穴206と、 スリット位置調整穴83に、副走査方向11に沿って配
    置される複数の第2固定穴207〜209とが形成さ
    れ、 調整用スリット部材69または読取り用スリット部材6
    8のいずれか他方には、 スリット位置調整穴83と、第1および第2固定穴20
    6〜209とに、設定可能に係止する係止片82が形成
    され、 第1固定穴206と係止片82とが係止している状態
    で、調整用スリット部材69は、読取り用スリット71
    の第1スリット幅S1の全てに光が通過するように、副
    走査方向11に第1固定穴206に対応して位置してお
    り、 各第2固定穴207〜209と係止片82とが係止して
    いる状態で、調整用スリット部材69は、読取り用スリ
    ット71の副走査方向範囲内に、調整用スリット72が
    存在するように、副走査方向に各第2固定穴207〜2
    09にそれぞれ対応してずれて位置していることを特徴
    とする原稿読取り装置の調整装置。
  2. 【請求項2】 原稿を載置する透光性を有する原稿載置
    台と、 複数の受光素子がライン状に配列されて構成されるイメ
    ージセンサと、 原稿載置台上の原稿の像をイメージセンサ上に結像する
    光学系と、 原稿載置台と光学系の一部とを、副走査方向11に相対
    的に移動する副走査駆動手段と、 光学系の光経路の途中に介在され、副走査方向に垂直な
    主走査方向9に延びる読取り用スリットを有し、この読
    取り用スリットによって原稿の画像情報であるスリット
    像を形成してイメージセンサ上に結像する読取り用スリ
    ット部材と、 光学系を構成する複数の構成要素およびイメージセンサ
    のうちの少なくとも1つを、光学系の構成要素およびイ
    メージセンサのうちの残余と、相対的に変位して調整す
    る調整手段とを含む原稿読取り装置の調整装置におい
    て、 読取り用スリット部材に重ねられて、かつ副走査方向1
    1に隣接して配置される一対の調整用スリット部材69
    a,69bを有し、 各調整用スリット部材69a,69bまたは読取り用ス
    リット部材68のいずれか一方には、 調整用スリット71の主走査方向9の側方で、副走査方
    向11に延びるスリット位置調整穴83a,83bと、 スリット位置調整穴83a,83bに、副走査方向11
    に沿って配置される第1固定穴209a,209bと、 スリット位置調整穴83a,83bに、副走査方向11
    に沿って配置される複数の第2固定穴207a,207
    b;206a,208b;208a,206bとが形成
    され、 各調整用スリット部材69a,69bまたは読取り用ス
    リット部材68のいずれか他方には、 スリット位置調整穴83a,83bと、第1および第2
    固定穴209a,209b:207a,207b;20
    6a,208b;208a,206bとに、調整可能に
    係止する係止片82a,82bが形成され、 第1固定穴209a,209bと係止片82a,82b
    とが係止している状態で、一対の調整用スリット部材6
    9a,69bは、読取り用スリット71の第1スリット
    幅S1の全てに光が通過するように、副走査方向11に
    各第1固定穴209a,209bに対応して位置してお
    り、 各第2固定穴207a,207b;206a,208
    b;208a,206bと係止片82a,82bとが係
    止している状態で、調整用スリット部材69a,69b
    は、読取り用スリット71の副走査方向範囲内に、一対
    の調整用スリット部材69a,69b間によって形成さ
    れる副走査方向に沿う第1スリット幅S1未満である第
    2スリット幅S2を有する調整用スリット72が存在す
    るように、副走査方向に各第2固定穴207a,207
    b;206a,208b;208a,206bにそれぞ
    れ対応してずれて位置していることを特徴とする原稿読
    取り装置の調整装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の原稿読取り装置の調整装
    置を準備し、 第1固定穴206と係止片82とが係止している状態
    で、前記調整手段によって、イメージセンサの全ての受
    光素子に、原稿の画像情報であるスリット像が結像され
    るように調整作業を行う第1のステップと、 第1のステップの後に、調整用スリット部材69を、副
    走査方向に変位しつつ、各第2固定穴207〜209と
    係止片82とが係止している状態で、前記調整手段によ
    って、イメージセンサの全ての受光素子に、原稿の画像
    情報であるスリット像が結像されるように調整作業を行
    う第2のステップとを含むことを特徴とする原稿読取り
    装置の調整方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の原稿読取り装置の調整装
    置を準備し、 第1固定穴209a,209bと係止片82a,82b
    とが係止している状態で、前記調整手段によって、イメ
    ージセンサの全ての受光素子に、原稿の画像情報である
    スリット像が結像されるように調整作業を行う第1のス
    テップと、 第1のステップの後に、一対の調整用スリット部材69
    a,69bを、副走査方向に変位しつつ、各第2固定穴
    207a,207b;206a,208b;208a,
    206bと係止片82a,82bとが係止している状態
    で、前記調整手段によって、イメージセンサの全ての受
    光素子に、原稿の画像情報であるスリット像が結像され
    るように調整作業を行う第2のステップとを含むことを
    特徴とする原稿読取り装置の調整方法。
  5. 【請求項5】 原稿を載置する透光性を有する原稿載置
    台と、 複数の受光素子がライン状に配列されて構成されるイメ
    ージセンサと、 原稿載置台上の原稿の像をイメージセンサ上に結像する
    光学系と、 原稿載置台と光学系の一部とを、副走査方向11に相対
    的に移動する副走査駆動手段と、 光学系の光経路の途中に介在され、副走査方向に垂直な
    主走査方向9に延びる読取り用スリットを有し、この読
    取り用スリットによって原稿の画像情報であるスリット
    像を形成してイメージセンサ上に結像する読取り用スリ
    ット部材と、 光学系を構成する複数の構成要素およびイメージセンサ
    のうちの少なくとも1つを、光学系の構成要素およびイ
    メージセンサのうちの残余と、相対的に変位して調整す
    る調整手段とを含む原稿読取り装置の調整装置におい
    て、 (a)一対のスリット調整部材215,216であっ
    て、各スリット調整部材215,216は、 主走査方向9に対向する端壁261,262をそれぞれ
    有し、 副走査方向11の両面に、突出部233,234;23
    5,236が設けられるスリット調整部材215,21
    6と、 (b)一対のガイド部材218,219であって、各ガ
    イド部材218,219は、 読取り用スリット部材68に、読取り用スリット71に
    関して副走査方向11の両側方で、それぞれ固定され、 読取り用スリット71に平行に、主走査方向9に延び、 側壁228,229と受け部223,224とが、軸線
    に直角な断面がほぼL字状となるように、形成され、 各側壁228,229には、 前記突出部233,234;235,236が離脱可能
    に嵌合して位置固定される第1〜第10位置調整穴24
    1〜248;251〜258:240,250;24
    9,259がそれぞれ設けられており、 (b1)第1位置調整穴244,254に、一方のスリ
    ット調整部材215の突出部233,234が嵌合し、 第2位置調整穴245,255に、他方のスリット調整
    部材216の突出部235,236が嵌合した第1の状
    態で、 両スリット調整部材215,216の端壁261,26
    2によって、オフセンタ不良調整用の第1開口幅S11
    を有する第1開口214aが形成され、 読取り用スリット71の主走査方向9の中央位置に、第
    1開口214aの主走査方向9の中央位置が一致し、 (b2)第3位置調整穴243,253に、一方のスリ
    ット調整部材215の突出部233,234が嵌合し、 第4位置調整穴246,256に、他方のスリット調整
    部材216の突出部235,236が嵌合した第2の状
    態で、 両スリット調整部材215,216の端壁261,26
    2によって、読取り用スリット71の主走査方向9の長
    さよりも短く、かつ第1開口214aの第1開口幅S1
    1よりも長い第2開口幅S12を有する全倍率不良調整
    用の第2開口214bが形成され、 読取り用スリット71の主走査方向9の中央位置に、第
    2開口214bの主走査方向9の中央位置が一致し、 (b3)主走査方向9の一端部寄りの第5位置調整穴2
    47,257に、一方のスリット調整部材215の突出
    部233,234が嵌合し、 主走査方向9の一端部寄りの第6位置調整穴248,2
    58に、他方のスリット調整部材216の突出部23
    5,236が嵌合した第3の状態で、 両スリット調整部材215,216の端壁261,26
    2によって、第2開口214bの第2開口幅S12より
    も短い片倍率不良調整用の第3開口幅S13を有する第
    3開口214cが形成され、 読取り用スリット71の主走査方向9の中央位置に、第
    3開口214cの主走査方向9の中央位置が一致し、 (b4)主走査方向9の他端部寄りの第7位置調整穴2
    41,251に、一方のスリット調整部材215の突出
    部233,234が嵌合し、 主走査方向9の他端部寄りの第8位置調整穴242,2
    52に、他方のスリット調整部材216の突出部23
    5,236が嵌合した第4の状態で、 両スリット調整部材215,216の端壁261,26
    2によって、片倍率不良調整用の第2開口214bの第
    2開口幅S12よりも短い第4開口幅S14を有する第
    4開口214dが形成され、 読取り用スリット71の主走査方向9の中央位置に、第
    4開口214dの主走査方向9の中央位置が一致し、 (b5)第9位置調整穴240,250に、一方のスリ
    ット調整部材215の突出部233,234が嵌合し、 第10位置調整穴249,259に、他方のスリット調
    整部材216の突出部235,236が嵌合した第5の
    状態で、 両スリット調整部材215,216は、読取り用スリッ
    ト71の主走査方向9の外方にあるガイド部材218,
    219とを含むことを特徴とする原稿読取り装置の調整
    装置。
  6. 【請求項6】 読取り用スリット部材68には、 主走査方向9に延び、読取り用スリット71に平行な一
    対の案内長穴221,222が形成され、 各スリット調整部材215,216には、前記案内長穴
    221,222をそれぞれ挿通して読取り用スリット部
    材68から突出する一対のガイドピン225,226が
    設けられることを特徴とする請求項5記載の原稿読取り
    装置の調整装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の原稿読取り装置
    の調整装置を準備し、 スリット調整部材215,216を、第1〜第4の各状
    態にそれぞれ設定して、第1〜第4の各開口214a〜
    214dをそれぞれ形成し、 こうして設定された第1〜第4の各状態毎に、イメージ
    センサの受光素子の受光位置を検出し、 受光位置が、予め定める受光位置になるように、調整手
    段によって調整作業を行うことを特徴とする原稿読取り
    装置の調整方法。
  8. 【請求項8】 調整手段は、 (a)3個の雌ねじ部116,118,120が形成さ
    れる受光ハウジング84と、 (b)第1支持フレーム88であって、 受光ハウジング84の上方に配置され、 主走査方向9に延びる3個の長穴130,132,13
    4と、 雌ねじ孔136とが形成される第1支持フレーム88
    と、 (c)第2支持フレーム90であって、 第1支持フレーム88の上方に配置され、 光学系の一部を構成し副走査方向11に平行な光軸を有
    するレンズ組立体13と、イメージセンサ15とが、取
    付けられ、 副走査方向11に延び、第1支持フレーム88の長穴1
    30,132,134にそれぞれ対応する3個の長穴1
    58,160,162と、 雌ねじ孔136に対応して副走査方向11に延びる固定
    用長穴164とが形成される第2支持フレーム90と、 (d)3個の調整部材140,142,144であっ
    て、各調整部材140,142,144は、 第1支持フレーム88の長穴130,132,134
    と、これらの第1支持フレーム88の長穴130,13
    2,134にそれぞれ対応する第2支持フレーム90の
    長穴158,160,162とを、挿通して支持するピ
    ン部150と、 雌ねじ部116,118,120にそれぞれ螺合し、螺
    合状態を調整して受光ハウジング84からの高さを調整
    する雄ねじ部148とを有する調整部材140,14
    2,144と、 (e)固定用長穴164を挿通して雌ねじ孔136に螺
    着される固定用ねじ168とを含むことを特徴とする請
    求項1,2,5,6のうちの1つに記載の原稿読取り装
    置の調整装置。
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