JP3443165B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
感光性樹脂組成物Info
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Description
接着剤等のコーティング材、特に印刷回路基板製造用の
ソルダーレジスト材料等に利用可能な、4級アンモニウ
ム塩基を含有する感光性不飽和エステル化合物、並びに
かかる化合物を含む感光性樹脂組成物に関するものであ
る。
エポキシエステル樹脂は、耐薬品性、耐水性、機械特
性、密着性等に優れているために、主としてコーティン
グ用に用いられており、印刷回路基板製造用の液状フォ
トソルダーレジスト材料のベース樹脂としても広く用い
られている。とりわけ、グリシジル側基の一部をカルボ
キシル化した不飽和エポキシエステル樹脂は、アルカリ
性水溶液に可溶なため、現像時に有機溶剤を使用する必
要がなく、更にエポキシ樹脂等と組み合わせることによ
って、その機械特性及び密着性を更に向上させることが
できるため、現在、液状フォトソルダーレジスト用樹脂
の主流となっている。しかしながら、樹脂組成物を液状
化する際に、脂肪族エステル、芳香族化合物等の有機溶
剤を使用するため、臭気、大気汚染、人体への影響等の
面で問題がある。
を溶媒として用いる種々の樹脂系がソルダーレジストと
して検討されており、例えば、カルボキシル基をアミン
等のアルカリで中和した水性アクリル樹脂が提案されて
いるが、樹脂の耐熱性に劣るため、いまだ実用には至っ
ていない。更に、エポキシ樹脂をカルボン酸及び3級ア
ミンと反応させた4級アンモニウム塩基を有する水性樹
脂が報告されているが、接着性を付与する有機基がない
ため、基板に対する接着性に劣り、また耐水性も十分で
はない。
題点を解決する新規な感光性樹脂組成物を開発すべく鋭
意研究を重ねた結果、不飽和エポキシエステル化合物の
エポキシ残基を第3級アミン及びリン酸化合物で反応さ
せることによって得られる感光性不飽和エステル化合物
をベースとして感光性樹脂組成物を調製することによ
り、活性光線で露光後に水で現像できると共に、樹脂組
成物の希釈剤として安全性の面で問題がない水を使用す
ることが可能であり、更に、樹脂系に第4級アンモニウ
ム塩基及びリン酸基が導入されているために、密着性、
耐水性、機械的強度に優れた感光性樹脂組成物が得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本
発明は、2個以上のエポキシ側基を有するエポキシ化合
物のエポキシ側基の一部を不飽和カルボン酸でエステル
化して得られる不飽和エポキシエステル化合物のエポキ
シ側基の残りを、第3級アミン及び酸成分としてリン酸
又はリン酸モノエステル若しくはジエステルと反応させ
て、リン酸陰イオンを有する4級アンモニウム塩基とす
ることによって得られる感光性不飽和エポキシエステル
化合物、及びかかる化合物を含む感光性樹脂組成物に関
する。
ル化合物は、分子内に少なくとも2個のエポキシ側基を
有するエポキシ化合物を、分子内に1個のカルボキシル
基と1個のエチレン性不飽和結合とを有する重合性モノ
カルボン酸と反応させて、上記エポキシ側基の一部をエ
ステル化して、不飽和エステル基と未反応のエポキシ側
基とを有する不飽和エポキシエステル化合物を調製し、
次に、該エポキシエステル化合物の未反応のエポキシ側
基を、第3級アミン、及び、リン酸、リン酸モノエステ
ル若しくはリン酸ジエステル又はこれらの混合物と反応
させることによって調製することができる。
光性不飽和エポキシエステル化合物は、式I:
り返し単位のグリシジルエーテル側基を除く部分であ
り、n=2〜15、好ましくはn=2〜10である)で
表されるグリシジルエーテル側基を有する単位を少なく
とも2個以上有するエポキシ化合物を、式II:
R2は水素又はメチル基である)で表される重合性モノ
カルボン酸と反応させて、上式Iの単位の一部を式II
I:
の単位に変換することによって、式Iの単位と式IIIの
単位とを有する不飽和エポキシエステル化合物を調製
し、次に、該化合物における式Iの単位の残りを式IV:
それぞれ独立して、C1〜C6、好ましくはC1アルキル
基であり、R5はC1〜C6、好ましくはC1〜C4アルキ
ル基、C1〜C6、好ましくはC1〜C4ヒドロキシアルキ
ル基、C1〜C6、好ましくはC1〜C4アルキルアクリル
アミド基又はベンジル基である)で表される第3級アミ
ン及び式V:
基であり、qは1、2又は3である)で表されるリン
酸、リン酸モノエステル又はリン酸ジエステルと反応さ
せることによって得られるものであり、式IIIで表され
る単位と式VI:
意味を有する)で表される単位とを有し、ここで、式II
Iで表される単位と式VIで表される単位とは、ブロック
又はランダム状に組合わされており、一分子中におい
て、式IIIで表される単位は1〜14個、好ましくは1
〜9個、式VIで表される単位は1〜14個、好ましくは
1〜9個存在しており、その合計数はn個である。
ル化合物を合成するためには、まず、分子内に少なくと
も2個のエポキシ側基を有するエポキシ化合物を、分子
内に1個のカルボキシル基と1個のエチレン性不飽和結
合とを有する重合性モノカルボン酸と反応させて、上記
エポキシ側基の一部をエステル化して、不飽和エステル
基と未反応のエポキシ側基とを有する不飽和エポキシエ
ステル化合物を調製する。
めに用いることのできる、分子内に少なくとも2個のエ
ポキシ側基を有するエポキシ化合物は、式I:
5、好ましくは2〜10である)で表すことができる。
VII:
好ましくはn=2〜10である)で表されるエポキシ樹
脂、即ち、式Iにおける基Xが式VIII:
ク型エポキシ樹脂(R=H)又はオルソクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂(R=CH3)、具体的には、東
都化成製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂YDCN
−704(R=CH3、エポキシ当量=200、平均分
子量=1800)、YDCN−702(R=CH3、エ
ポキシ当量=200、平均分子量=1400)、日本化
薬製フェノールノボラック型エポキシ樹脂EPPN−2
01(R=H、エポキシ当量=180、平均分子量=1
300)などが挙げられる。必要に応じて、これらのエ
ポキシ化合物を混合して用いてもよい。
ル側基の一部と反応させるのに用いられる重合性モノカ
ルボン酸としては、式II:
される、分子内にエチレン性不飽和結合とカルボキシル
基を有する化合物が用いられ、具体例としては、例えば
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等が
挙げられる。また、必要に応じて、上記のような重合性
モノカルボン酸と他のカルボン酸とを併用してもよい。
ノカルボン酸との反応比は、エポキシ基に対するカルボ
キシル基の比率が0.1〜0.95、好ましくは0.3
〜0.9となるような量比を用いる。エポキシ基に対す
るカルボキシル基の比率が0.1以下になると光硬化性
が悪くなり、反対に0.95を超えると、光硬化性は良
好になるが、その後の第3級アミン及び酸成分との反応
に供される残留エポキシ基の数が少なくなるため、これ
らの成分との反応を経て合成される感光性不飽和エステ
ル樹脂の水現像性が低下すると共に、該樹脂及び該樹脂
を含む組成物を水によって希釈することが困難又は不可
能になる。
ノカルボン酸との反応において用いることのできる触媒
としては、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ジメ
チルベンジルアミン、トリブチルアミン、イミダゾール
などのアミン類、トリエチルホスフィン、トリブチルホ
スフィン、トリフェニルホスフィン等の有機リン化合物
などが挙げられる。かかる反応においては反応溶媒を用
いる必要性はないが、反応を行いやすくするために溶媒
を用いることも可能であり、その場合には、安全性の面
で比較的問題のないアルコール性溶媒、例えばジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル等を用いることが
好ましい。反応は、通常、50〜150℃、好ましくは
70〜120℃の温度で、カルボキシル基とエポキシ基
との反応が終了して、重合性モノカルボン酸がすべて消
費されるまで、加熱することによって行われる。この
際、反応中のアクリル基の重合を防止する目的で、キノ
ン類、フェノール、多価フェノール類、ニトロ化合物の
ような重合禁止剤を用いることもできる。
ノカルボン酸との反応により、エポキシ化合物における
式Iの単位の一部がエステル化される。好ましい態様に
おいては、かかるエステル化された単位は式III:
表すことができる。
和エポキシエステル化合物を、第3級アミン及び酸成分
としてリン酸、リン酸モノエステル若しくはリン酸ジエ
ステルと反応させて、不飽和エポキシエステル化合物に
おける残留エポキシ基をリン酸陰イオンを有する第4級
アンモニウム塩基に変換する。
は、好ましくは式IV:
る)によって表すことができる。用いることのできる第
3級アミンとしては、特に制限はないが、反応性の点
で、ジメチルアミノエタノール、ジメチルブチルアミ
ン、ジメチルベンジルアミン、ジメチルアミノプロピル
アクリルアミドなどのジメチルアミノアルキル類が好適
である。
ン酸モノエステル若しくはリン酸ジエステルは、好まし
くは式V:
すことができる。
としては、リン酸、リン酸モノエチルエステル、リン酸
モノブチルエステル、リン酸モノオクチルエステルなど
のリン酸モノアルキルエステル類、リン酸ジエチルエス
テル、リン酸ジブチルエステル、リン酸ジオクチルエス
テルなどのリン酸ジアルキルエステル類、あるいはこれ
らの混合物、例えばリン酸モノエチルエステルとリン酸
ジエチルエステルとの混合物(例えば、城北化学製、J
P−502)、リン酸モノブチルエステルとリン酸ジブ
チルエステルとの混合物(例えば、城北化学製、JP−
504)などが挙げられ、これらは単独又は混合して用
いることができる。
和エポキシエステル化合物、第3級アミン及びリン酸化
合物の量比は、不飽和エポキシエステル化合物中の残存
エポキシ基と第3級アミンのアミノ基とリン酸化合物の
リン酸基との比が、1:1:0.5〜1となるようにす
ることが好ましい。ここで、リン酸基の量比が0.5以
下では反応速度が遅く、また1以上では副反応が起こり
易いために望ましくない。反応温度は、室温から70℃
が好ましく、室温以下では反応に長時間を有し、また7
0℃以上では反応中に樹脂がゲル化し易い。反応の終点
は、IRによるエポキシピークの消失によって確認する
ことができる。
ル化合物における残留エポキシ基がリン酸陰イオンを有
する第4級アンモニウム塩基に変換される。このリン酸
陰イオンを有する第4級アンモニウム塩基は、好ましく
は式VI:
た通りである)で表すことができる。
感光性不飽和エステル化合物は、好ましくは式IIIで表
される不飽和エステル化エポキシ側基を有する単位と、
好ましくは式VIで表されるリン酸陰イオンを有する第4
級アンモニウム塩基を有する単位とを、ランダム又はグ
ラフト状に組み合わせて有するものであり、分子あたり
のそれぞれの単位の数は、不飽和エステル化エポキシ側
基を有する単位が1〜14個、好ましくは1〜9個、リ
ン酸陰イオンを有する第4級アンモニウム塩基を有する
単位が1〜14個、好ましくは1〜9個である。
感光性不飽和エステル化合物は、不飽和エステル側基を
有しているために優れた光重合性を示し、且つ、リン酸
陰イオンを有する第4級アンモニウム塩基を有している
ために、水溶性に優れている。
に、光重合開始剤を混合することによって、本発明に係
る感光性樹脂組成物を調製することができる。本発明の
感光性樹脂組成物において用いることのできる光重合開
始剤としては、例えば、2−エチルアントラキノン、2
−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン
のようなキノン類、ベンゾインエーテル、ピバロインエ
ーテル、アシロイエーテルのようなα−ケタルドニルア
ルコール類やエーテル類、α−フェニルベンゾイン、
α,α’−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノ
ン、α,α’−ジメトキシ−α−モルホリノ−メチルチ
オフェニルアセトフェノン、ジエチルチオキサントン等
のケトン類が挙げられる。これらは、単独若しくは2種
類以上を混合して用いることができる。かかる光重合開
始剤の使用量は、感光性不飽和エステル化合物に対し
て、1〜50重量部、好ましくは2〜20重量部であ
る。
は、組成物の密着性、耐水性、機械的強度をより向上さ
せる目的で、熱硬化剤としてアミノ樹脂又はブロックト
イソシアネートを含ませることができる。ここで、アミ
ノ樹脂とは、メラミン、尿素、ベンゾグアナミンなどの
アミノ基含有化合物にアルデヒドを反応させて得られる
初期縮合物であり、例としては、トリメチロールメラミ
ン、テトラメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラ
ミン、ヘキサメトキシメチロールメラミン、三和ケミカ
ル社製メラミン樹脂、商品名:MW−30、MW−30
M、MW−22、MX−025、MX−031、MX−
041などが挙げられる。これらのアミノ樹脂を用いる
場合には、アミノ樹脂と感光性不飽和エステル化合物と
の反応を促進させる目的で酸を加えることが好ましい。
かかる目的で用いる酸としては、リン酸、塩酸、硫酸等
の無機酸類であってもよいが、パラ−トルエンスルホン
酸等の有機酸の方が金属に対する腐食性がないため、好
適である。また、本発明組成物において熱硬化剤として
用いることのできるブロックトイソシアネートとして
は、ブロックトトリレンジイソシアネート、ブロックト
メチレンジイソシアネート、ブロックトヘキサメチレン
ジイソシアネートなどが挙げられる。感光性不飽和エス
テル化合物と、アミノ樹脂又はブロックトイソシアネー
トとの配合比は重量比で95:5〜50:50が好適で
ある。
組成物の粘度を調整するために、希釈剤として、水のほ
かに安全性の面で比較的問題のないアルコール性化合物
を使用することもできる。かかる目的で用いることので
きるアルコール希釈剤としては、不飽和エポキシエステ
ル化合物の合成時に用いられる溶媒であるジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
に、組成物中に光重合性モノマーを加えることができ
る。かかる光重合性モノマーの添加量は、感光性不飽和
エステル化合物に対して50重量%以下が好適である。
かかる目的で用いることのできる光重合性モノマーの例
としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、N−ビニルピロリド
ン、アクリロイルモルホリン、メトキシテトラエチレン
グリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコ
ールアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレ
ート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルア
クリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ
ート、メラミンアクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレ
ングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコー
ルジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリ
レート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロ
フルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセ
リンジグリシジルエーテルジアクリレート、ベンタエリ
スリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリ
レート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート及び上記アクリレート
に対応するメタクリレートなどが挙げられ、これらは単
独で又は混合して用いることができる。
要に応じて、当該技術において公知の添加剤、例えば、
硫酸バリウム、シリカ、タルク、クレー、アルミナ、水
酸化アルミニウム等の充填剤、フタロシアニングリー
ン、酸化チタン、カーボンブラック等の着色剤、シリコ
ーンオイル等のレベリング剤、密着促進剤、紫外線吸収
剤等を加えることができる。
る感光性樹脂組成物は、リン酸陰イオンを有する第4級
アンモニウム塩基を含有しているために水現像及び水溶
媒の使用が可能であるので、従来のソルダーマスクで問
題となっていた臭気、大気汚染、人体への影響等の面で
の問題が改善されると共に、基板への密着性、耐水性、
機械的強度に優れたコーティングを与える。
よって本発明の好ましい態様を更に詳細に説明する。こ
れらは、本発明の実施態様を示すものであり、本発明は
これらの記載によって限定されるものではない。
CN−702(東都化成製、エポキシ当量=200、平
均分子量=1400)200gをジエチレングリコール
モノエチルエーテル150gに溶解し、重合禁止剤とし
てハイドロキノン0.05gを加えた後、アクリル酸6
1.2g(0.85モル)、テトラエチルアンモニウム
ブロマイド3.5gを添加し、空気を吹き込みながら9
0℃でアクリル化反応を行った。反応の終点は、フェノ
ールフタレインを指示薬として、アルコール性水酸化カ
リウムで滴定を行い、酸価が0となった点とした。41
4.7gの淡褐色の液状生成物が得られた(収率100
%)。IR分析の結果、エステル基のC=O吸収に基づ
くピークが1730cm-1付近に観察された。生成物の
残留エポキシ基の濃度をJIS7236−1986法に
従って測定したところ、0.15モルであった。
キシ樹脂YDCN−704(東都化成製、エポキシ当量
=200、平均分子量=1800)200gをジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル150gに溶解し、重
合禁止剤としてハイドロキノン0.05gを加えた後、
アクリル酸57.6g(0.8モル)、テトラエチルア
ンモニウムブロマイド3.5gを添加し、空気を吹き込
みながら90℃でアクリル化反応を行った。反応の終点
は、フェノールフタレインを指示薬として、アルコール
性水酸化カリウムで滴定を行い、酸価が0となった点と
した。411.1gの淡褐色の液状生成物が得られた
(収率100%)。IR分析の結果、エステル基のC=
O吸収に基づくピークが1730cm-1付近に観察され
た。合成例1と同様にして生成物の残留エポキシ基の濃
度を測定したところ、0.20モルであった。
キシ樹脂EPPN−201(日本化薬製、エポキシ当量
=180、平均分子量=1300)180gをジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル100gに溶解し、重
合禁止剤としてハイドロキノン0.05gを加えた後、
アクリル酸57.6g(0.8モル)、テトラエチルア
ンモニウムブロマイド2.8gを添加し、空気を吹き込
みながら90℃でアクリル化反応を行った。反応の終点
は、フェノールフタレインを指示薬として、アルコール
性水酸化カリウムで滴定を行い、酸価が0となった点と
した。340.9gの淡褐色の液状生成物が得られた
(収率100%)。IR分析の結果、エステル基のC=
O吸収に基づくピークが1730cm-1付近に観察され
た。合成例1と同様にして生成物の残留エポキシ基の濃
度を測定したところ、0.20モルであった。
キシ樹脂YDCN−702(東都化成製、エポキシ当量
=200、平均分子量=1400)200gをジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル150gに溶解し、重
合禁止剤としてハイドロキノン0.05gを加えた後、
アクリル酸70.56g(0.98モル)、テトラエチ
ルアンモニウムブロマイド3.5gを添加し、空気を吹
き込みながら90℃でアクリル化反応を行った。反応の
終点は、フェノールフタレインを指示薬として、アルコ
ール性水酸化カリウムで滴定を行い、酸価が0となった
点とした。424.1g淡褐色の液状生成物が得られた
(収率100%)。IR分析の結果、エステル基のC=
O吸収に基づくピークが1730cm-1付近に観察され
た。合成例1と同様にして生成物の残留エポキシ基の濃
度を測定したところ0.02モルであった。
ポキシエステル化合物の合成) (合成例5)合成例1で得られた不飽和エポキシエステ
ル化合物414.75gに、ジメチルアミノエタノール
13.35g、リン酸4.95gを加え、50℃で24
時間反応させて、エポキシエステル化合物の残留エポキ
シ基を反応させて、本発明に係るエポキシエステル側基
とリン酸陰イオンを有する第4級アンモニウム塩基とを
含有する不飽和エポキシエステル化合物433.0g
を、淡褐色の液状生成物として得た(収率100%)。
生成物をIR分析にかけたところ、エポキシ基に基づく
910cm-1付近の吸収が完全に消失していた。この生
成化合物を、化合物1と称する。この化合物は、水によ
って希釈することができた。
得られた不飽和エポキシエステル化合物と種々のアミン
及びリン酸化合物とを組み合わせて、不飽和エポキシエ
ステル化合物の残留エポキシ基を反応させて、化合物2
〜7を得た。
光重合開始剤イルガキュア907(チバガイギー製、
α,α’−ジメトキシ−α−モルホリノ−メチルチオフ
ェニルアセトフェノン)及びDETX(日本化薬製、ジ
エチルチオキサントン)を、それぞれ23g及び2.3
g、更に硬化剤としてアミノ樹脂(三和ケミカル製、M
W−30メラミンとホルムアルデヒドとの縮合物の誘導
体)24g、硬化触媒としてパラトルエンスルホン酸2
g、トリメチロールプロパントリアクリレート(東亜合
成製、M−309)24g、消泡剤としてシリコーンオ
イル(東芝シリコーン製、TSA−750S)5gを加
えて、本発明に係る感光性樹脂組成物を調製した。
同様にして、表2に示す種々の成分を用いて本発明に係
る種々の感光性樹脂組成物を調製し、それぞれの特性を
評価した。調製した感光性樹脂組成物を、印刷回路基板
上に、スクリーン印刷機を用いて膜厚20〜30μmで
塗布し、80℃で20分乾燥させてレジスト層を形成し
た。レジスト層上に密着させたネガフィルムを通してU
V露光し(露光条件:500mj/cm2)、未露光部
を、水道水を用いて2kg/cm2の圧力でスプレーす
ることによって現像した。更に生成した画像を150℃
で30分熱硬化させた。得られた画像の鉛筆硬度は、硬
度の異なる三菱ユニ鉛筆をレジスト膜にあてて引っ掻
き、膜表面に傷ができる硬度により求めた。密着性は、
クロスカットを行い、通常のセロハンテープを密着させ
た後に引き剥がし、100個の升目のうち引き剥がされ
なかった升目をカウントすることにより評価した。耐水
性(煮沸試験)は、試料を100℃の沸騰水中に1時間
浸漬した後のレジスト膜の外観(膨れ、白化等)を視認
検査することにより評価した。
して、実施例1〜5で得られた樹脂組成物は、優れた水
現像性を示し、硬度、密着性及び耐水性に優れたレジス
ト膜を形成した。
Claims (5)
- 【請求項1】 分子内に少なくとも2個のエポキシ側基
を有するエポキシ化合物を、分子内に1個のカルボキシ
ル基と1個のエチレン性不飽和結合とを有する重合性モ
ノカルボン酸と反応させて、上記エポキシ側基の一部を
エステル化して、不飽和エステル基と未反応のエポキシ
側基とを有する不飽和エポキシエステル化合物を調製
し、次に、該エポキシエステル化合物の未反応のエポキ
シ側基を、第3級アミン、及び、リン酸、リン酸モノエ
ステル若しくはリン酸ジエステル又はこれらの混合物と
反応させることによって得られた、不飽和エステル基と
リン酸陰イオンを有する第4級アンモニウム塩基とを有
する感光性不飽和エステル化合物、並びに光重合開始剤
を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 【請求項2】 式I: 【化1】 (式中、Xは、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の繰
り返し単位のグリシジルエーテル側基を除く部分であ
り、n=2〜15である)で表されるグリシジルエーテ
ル側基を有する単位を少なくとも2個以上有するエポキ
シ化合物を、式II: 【化2】 (式中、R1は水素、メチル基又はフェニル基であり、
R2は水素又はメチル基である)で表される重合性モノ
カルボン酸と反応させて、上式Iの単位の一部を式II
I: 【化3】 (式中、X、R1及びR2は上記と同一の意味を有する)
の単位に変換することによって、式Iの単位と式IIIの
単位とを有する不飽和エポキシエステル化合物を調製
し、次に、該化合物における式Iの単位の残りを式IV: 【化4】 (式中、Xは上記と同一の意味を有し、R3及びR4は、
それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基であり、R5は
C1〜C6アルキル基、C1〜C6ヒドロキシアルキル基、
C1〜C6アルキルアクリルアミド基又はベンジル基であ
る)で表される第3級アミン及び式V: 【化5】 (式中、R6はC1〜C8アルキル基であり、qは1、2
又は3である)で表されるリン酸、リン酸モノエステル
又はリン酸ジエステルと反応させることによって得られ
る、式IIIで表される単位と式VI: 【化6】 (式中、X、R3、R4、R5、R6及びqは上記と同一の
意味を有する)で表される単位とを有し、ここで、式II
Iで表される単位と式VIで表される単位とは、ブロック
又はランダム状に組合わされており、一分子中におい
て、式IIIで表される単位は1〜14個、式VIで表され
る単位は1〜14個存在しており、その合計数はn個で
あることを特徴とする感光性不飽和エステル化合物と、
光重合開始剤とを含む感光性樹脂組成物。 - 【請求項3】 硬化剤として、アミノ樹脂又はブロック
トイソシアネートを更に含む請求項1又は2に記載の感
光性樹脂組成物。 - 【請求項4】 分子内に少なくとも2個のエポキシ側基
を有するエポキシ化合物を、分子内に1個のカルボキシ
ル基と1個のエチレン性不飽和結合とを有する重合性モ
ノカルボン酸と反応させて、上記エポキシ側基の一部を
エステル化して、不飽和エステル基と未反応のエポキシ
側基とを有する不飽和エポキシエステル化合物を調製
し、次に、該エポキシエステル化合物を、第3級アミ
ン、及び、リン酸、リン酸モノエステル若しくはリン酸
ジエステル又はこれらの混合物と反応させることによ
り、上記未反応のエポキシ側基をリン酸陰イオンを有す
る第4級アンモニウム塩基に変換することによって、不
飽和エステル基とリン酸陰イオンを有する第4級アンモ
ニウム塩基とを有する感光性不飽和エステル化合物を調
製し、該化合物を光重合開始剤と混合することを特徴と
する感光性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項5】 式I: 【化7】 (式中、Xは、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の繰
り返し単位のグリシジルエーテル側基を除く部分であ
り、n=2〜15である)で表されるグリシジルエーテ
ル側基を有する単位を少なくとも2個以上有するエポキ
シ化合物を、式II: 【化8】 (式中、R1は水素、メチル基又はフェニル基であり、
R2は水素又はメチル基である)で表される重合性モノ
カルボン酸と反応させて、上式Iの単位の一部を式II
I: 【化9】 (式中、X、R1及びR2は上記と同一の意味を有する)
の単位に変換することによって、式Iの単位と式IIIの
単位とを有する不飽和エポキシエステル化合物を調製
し、次に、該化合物における式Iの単位の残りを式IV: 【化10】 (式中、Xは上記と同一の意味を有し、R3及びR4は、
それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基であり、R5は
C1〜C6アルキル基、C1〜C6ヒドロキシアルキル基、
C1〜C6アルキルアクリルアミド基又はベンジル基であ
る)で表される第3級アミン及び式V: 【化11】 (式中、R6はC1〜C8アルキル基であり、qは1、2
又は3である)で表されるリン酸、リン酸モノエステル
又はリン酸ジエステルと反応させることによって得られ
る、式IIIで表される単位と式VI: 【化12】 (式中、X、R3、R4、R5、R6及びqは上記と同一の
意味を有する)で表される単位とを有し、ここで、式II
Iで表される単位と式VIで表される単位とは、ブロック
又はランダム状に組合わされており、一分子中におい
て、式IIIで表される単位は1〜14個、式VIで表され
る単位は1〜14個存在しており、その合計数はn個で
ある感光性不飽和エステル化合物を調製し、該感光性不
飽和エステル化合物を光重合開始剤と混合することを特
徴とする感光性樹脂組成物の製造方法。
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JP12358694A JP3443165B2 (ja) | 1994-06-06 | 1994-06-06 | 感光性樹脂組成物 |
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-
1994
- 1994-06-06 JP JP12358694A patent/JP3443165B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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