JP3443062B2 - 誘電体層含有電子部品の製造方法 - Google Patents

誘電体層含有電子部品の製造方法

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JP3443062B2 JP36381699A JP36381699A JP3443062B2 JP 3443062 B2 JP3443062 B2 JP 3443062B2 JP 36381699 A JP36381699 A JP 36381699A JP 36381699 A JP36381699 A JP 36381699A JP 3443062 B2 JP3443062 B2 JP 3443062B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば積層セラ
ミックコンデンサなどの誘電体層含有電子部品を製造す
る方法に係り、さらに詳しくは、低温焼成が可能であ
り、緻密な焼結体を得ることができ、しかも誘電率など
の電気特性に優れた誘電体層含有電子部品を製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、積層型セラミックコンデンサは、
所定の誘電体磁器組成物からなるグリーンシート上に導
電ペーストを印刷し、該導電ペーストを印刷した複数枚
のグリーンシートを積層し、グリーンシートと内部電極
とを一体的に焼成し、形成されている。そして、従来、
卑金属を内部電極として用いることができる非還元性誘
電体磁器組成物として、例えば、セラミックスコンデン
サで高容量材料の特許番号第2787746号で開示さ
れるようなものが知られている。
【0003】この公報に開示される誘電体磁器組成物
は、{(Ba(1−x) CaSr)O}
(Ti(1−z) Zrにて示される
誘電体酸化物を主成分とする。ただし、1.000≦A
/B<1.020、0.01≦x≦0.25、0≦y≦
0.05、0.05≦z≦0.20である。
【0004】しかしながら、この誘電体磁器組成物で
は、焼成時に発生する誘電体材料の還元反応を抑えるこ
とができるものの、焼成に1220℃以上の高い焼成温
度が必要である。
【0005】また、近年、低温焼成が可能な誘電体磁器
組成物として、特開平10−279353号公報、特公
平6−14496号公報、および特開平4−36755
9号公報に開示されるようなものが知られている。
【0006】しかしながら、これらの公報に示す誘電体
磁器組成物では、薄層化の点で問題があると共に、焼成
温度が高いなどの課題があった。また、これらの積層型
セラミックチップコンデンサにおいては、1400℃未
満では緻密化しないという問題があり、そこで従来で
は、焼結助剤としてSiO を用いて、上記磁器組成
物の低温化焼成を可能としていた。
【0007】しかしながら、従来のように、低温焼成を
可能にするために焼結助剤としてSiOの比率を多
くした場合には、半導体化を生じたり、絶縁抵抗も低く
加速寿命も短いという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、誘電
体層を構成する誘電体組成物中の焼結助剤などの含有量
を増大させることなく、低温焼成が可能であり、緻密な
焼結体を得ることができ、しかも誘電率などの電気特性
に優れた誘電体層含有電子部品を製造する方法を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者等は、積
層型セラミックチップコンデンサなどの誘電体層含有電
子部品において、誘電体層を構成する誘電体組成物中の
焼結助剤の含有量を増大させることなく、低温焼成が可
能であり、緻密な焼結体を得ることができ、しかも誘電
率などの電気特性に優れた誘電体層含有電子部品を製造
する方法について鋭意検討した結果、焼結前素子本体
を、リチウム、ホウ素および/またはナトリウムを含む
供給源物質と共に、焼成炉内に入れて焼成を行うこと
で、本発明の目的を達成できることを見出し、本発明を
完成させるに至った。
【0010】すなわち、本発明の第1の観点に係る誘電
体層と内部電極層とが交互に積層された構成の素子本体
を有する積層セラミックコンデンサの製造方法は、主成
分を構成する原料として、Ti,Ba,Sr,Ca,Z
rの酸化物および/または焼成により酸化物になる化合
物を用いて、リチウム、ホウ素および/またはナトリウ
ムを実質的に含まない前記誘電体層を有する焼結前素子
本体を準備する工程と、前記焼結前素子本体を、リチウ
ム、ホウ素および/またはナトリウムを含む供給源物質
と共に、相互に離して焼成炉内に入れて焼成を行う工程
とを有する。
【0011】前記焼結前素子本体は、特に限定されない
が、たとえば誘電体層と内部電極層との積層体で構成さ
れる。前記内部電極層を、卑金属を含む導電層で構成
し、前記焼成炉内を還元性雰囲気として焼成を行うこと
が好ましい。
【0012】前記焼結前素子本体の外表面から、0.0
5mm〜20mmの距離に位置するように、前記供給源
物質を配置し、前記素子本体を焼成することが好まし
い。0.05mmよりも近い距離では、供給源物質と素
子本体とが反応してしまい、素子本体の電気特性を劣化
させる傾向にあり、20mmを超えた距離では、供給源
物質を配置して焼結することによる焼結温度の低温化の
効果が少ない傾向にある。
【0013】前記供給源物質が、リチウムを、Li
O換算で、好ましくは1モル%以上、さらに好ましくは
5モル%以上、さらに好ましくは10モル%以上含むこ
とが好ましく、たとえば100モル%でも良い。1モル
%未満の場合には、供給源物質を配置して焼結すること
による焼結温度の低温化の効果が少ない傾向にある。
【0014】前記供給源物質としては、特に限定されな
いが、Li,LiO,LiCO,Li
iOのうちのいずれかを含むことが好ましい。
【0015】上記目的を達成するために、本発明の第2
の観点に係る誘電体層と内部電極層とが交互に積層され
た構成の素子本体を有する積層セラミックコンデンサの
製造方法は、主成分を構成する原料として、Ti,B
a,Sr,Ca,Zrの酸化物および/または焼成によ
り酸化物になる化合物を用いて、リチウム、ホウ素およ
び/またはナトリウムを実質的に含まない前記誘電体層
を有する焼結前素子本体を準備する工程と、前記焼結前
素子本体を、リチウム、ホウ素および/またはナトリウ
ムを含むガス雰囲気中で焼成を行う工程とを有する。
【0016】リチウム(ホウ素および/またはナトリウ
ムの場合も同様)を含むガス雰囲気ガス中で焼成する場
合には、雰囲気ガス中のリチウムを、酸化物(Li
O)換算で、0.01〜150000ppmで含ませる
ことが好ましい。0.01ppm未満となると焼結性が
低下し、緻密な焼結体が得られない傾向にある。また、
150000ppmを超えると、絶縁抵抗値が低くなる
傾向にあり好ましくない。
【0017】
【作用】本発明に係る製造方法では、誘電体層を構成す
る誘電体組成物中の焼結助剤などの含有量を増大させる
ことなく、低温焼成が可能となり、緻密な焼結体を得る
ことができる。また、本発明の製造方法では、同一組成
の誘電体層を持つ素子本体を同じ焼成温度で焼成した場
合には、従来の製造方法に比較して、得られる誘電体層
における誘電率、誘電損失および絶縁抵抗などの電気特
性が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。図1は本発明の一実施形態に係
る製造方法により製造される積層セラミックコンデンサ
の要部断面図、図2は図1に示すコンデンサを製造する
ための1製造過程を示す要部断面図、図3および図4は
それぞれ本発明の他の実施形態に係る製造方法の1製造
過程を示す要部断面図である。
【0019】積層セラミックコンデンサ 図1に示すように、本発明の一実施形態に係る誘電体層
含有電子部品としての積層セラミックコンデンサ1は、
誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層された構成の
コンデンサ素子本体10を有する。このコンデンサ素子
本体10の両端部には、素子本体10の内部で交互に配
置された内部電極層3と各々導通する一対の外部電極4
が形成してある。コンデンサ素子本体10の形状に特に
制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸
法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすれ
ばよいが、通常、(0.6〜5.6mm)×(0.3〜
5.0mm)×(0.3〜1.9mm)程度である。
【0020】内部電極層3は、各端面がコンデンサ素子
本体10の対向する2端部の表面に交互に露出するよう
に積層してある。一対の外部電極4は、コンデンサ素子
本体10の両端部に形成され、交互に配置された内部電
極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成
する。
【0021】誘電体層2 誘電体層2の組成は、本発明では特に限定されないが、
たとえば以下の誘電体磁器組成物で構成される。本実施
形態の誘電体磁器組成物は、特に限定されないが、たと
えば{(Ba 1−x−y) Ca Sr)O}
(Ti(1−z) Zr で表せる
主成分を有する誘電体磁器組成物である。なお、A,
B,x,y,zは、いずれも任意の範囲であるが、たと
えば0.990≦A/B≦1.010、0≦x≦0.8
0、0≦y≦0.5、0.01≦z≦0.98であるこ
とが好ましい。誘電体磁器組成物中に主成分と共に含ま
れる副成分としては、Y,Gd,Tb,Dy,V,M
o,Zn,Cd,Sn,W,Mn,Si,およびPの酸
化物から選ばれる1種類以上を含む副成分が例示され
る。
【0022】副成分を添加することにより、主成分の誘
電特性を劣化させることなく低温焼成が可能となり、誘
電体層を薄層化した場合の信頼性不良を低減することが
でき、長寿命化を図ることができる。ただし、本発明の
製造方法では、誘電体層の組成は、上記に限定されるも
のではない。
【0023】なお、図1に示す誘電体層2の積層数や厚
み等の諸条件は、目的や用途に応じ適宜決定すればよ
い。また、誘電体層2は、グレインと1%以下の粒界相
とで構成され、誘電体層2のグレインの平均粒子径は、
0.1〜5μm程度あることが好ましい。
【0024】この粒界相は、通常、誘電体材料あるいは
内部電極材料を構成する材質の酸化物や、別途添加され
た材質の酸化物、さらには工程中に不純物として混入す
る材質の酸化物を成分とし、通常ガラスないしガラス質
で構成されている。
【0025】内部電極層3 内部電極層3に含有される導電材は特に限定されない
が、誘電体層2の構成材料が耐還元性を有するため、卑
金属を用いることができる。導電材として用いる卑金属
としては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金と
しては、Mn,Cr,CoおよびAlから選択される1
種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi
含有量は95重量%以上であることが好ましい。なお、
NiまたはNi合金中には、P,Fe,Mg等の各種微
量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよい。内
部電極層の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよい
が、通常、0.5〜5μm、特に1〜2.5μm程度で
あることが好ましい。
【0026】外部電極4 外部電極4に含有される導電材は特に限定されないが、
通常、CuやCu合金あるいはNiやNi合金等を用い
る。なお、AgやAgーPd合金等も、もちろん使用可
能である。なお、本実施形態では、安価なNi,Cu
や、これらの合金を用いる。外部電極の厚さは用途等に
応じて適宜決定されればよいが、通常、10〜50μm
程度であることが好ましい。
【0027】積層セラミックコンデンサの製造方法 次に、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデ
ンサの製造方法について説明する。本実施形態では、ペ
ーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーン
チップを作製し、これを焼成した後、外部電極を印刷ま
たは転写して焼成することにより製造される。以下、製
造方法について具体的に説明する。
【0028】誘電体層用ペーストは、誘電体原料と有機
ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水
系の塗料であってもよい。誘電体原料には、前述した誘
電体磁器組成物の組成に応じ、主成分を構成する原料
と、副成分を構成する原料と、必要に応じて焼結助剤を
構成する原料とが用いられる。主成分を構成する原料と
しては、Ti,Ba,Sr,Ca,Zrの酸化物および
/または焼成により酸化物になる化合物が用いられる。
副成分を構成する原料としては、Sr,Y,Gd,T
b,Dy,V,Mo,Zn,Cd,Ti,Sn,W,M
n,SiおよびPの酸化物および/または焼成により酸
化物になる化合物から選ばれる1種類以上、好ましくは
3種類以上の単一酸化物または複合酸化物が用いられ
る。
【0029】本発明に係る製造方法では、誘電体原料に
は、必ずしも焼結助剤を含ませる必要はない。
【0030】まず、出発原料を所定の量比に配合し、例
えば、ボールミル等により湿式混合する。次いで、スプ
レードライヤー等により乾燥させ、その後仮焼し、主成
分を構成する上記式の誘電体酸化物を得る。なお、仮焼
は、通常500〜1300℃、好ましくは500〜10
00℃、さらに好ましくは800〜1000℃にて、2
〜10時間程度、空気中にて行う。次いで、ジェットミ
ルあるいはボールミル等にて所定粒径となるまで粉砕
し、誘電体材料を得る。副成分と主成分とは別に仮焼き
し、得られた誘電体材料に混合される。この主成分の仮
焼き時に、副成分も含めて行うと所望の特性が得られな
い。
【0031】誘電体層用ペーストを調整する際に用いら
れる結合剤、可塑剤、分散剤、溶剤等の添加剤は種々の
ものであってよい。また、誘電体層用のペーストにはガ
ラスフリットを添加してもよい。結合剤としては、例え
ばエチルセルロース、アビエチン酸レジン、ポリビニー
ル・ブチラールなど、可塑剤としては、例えばアビエチ
ン酸誘導体、ジエチル蓚酸、ポリエチレングリコール、
ポリアルキレングリコール、フタール酸エステル、フタ
ール酸ジブチルなど、分散剤としては、例えばグリセリ
ン、オクタデシルアミン、トリクロロ酢酸、オレイン
酸、オクタジエン、オレイン酸エチル、モノオレイン酸
グリセリン、トリオレイン酸グリセリン、トリステアリ
ン酸グリセリン、メンセーデン油など、溶剤としては、
例えばトルエン、テルピネオール、ブチルカルビトー
ル、メチルエチルケトンなどが挙げられる。このペース
トを焼成する際に、誘電体材料がペースト全体に対して
占める割合は50〜80重量%程度とし、その他、結合
剤は2〜5重量%、可塑剤は0.01〜5重量%、分散
剤は0.01〜5重量%、溶剤は20〜50重量%程度
とする。そして、前記誘電体材料とこれら溶剤などとを
混合し、例えば3本ロール等で混練してペースト(スラ
リー)とする。
【0032】なお、誘電体層用ペーストを水系の塗料と
する場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶
解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよ
い。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定さ
れず、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、水
溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
【0033】内部電極層用ペーストは、各種導電性金属
や合金からなる導電体材料、あるいは焼成後に上記した
導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネ
ート等と、有機ビヒクルとを混練して調製する。
【0034】内部電極用のペーストを製造する際に用い
る導体材料としては、NiやNi合金さらにはこれらの
混合物を用いる。このような導体材料は、球状、リン片
状等、その形状に特に制限はなく、また、これらの形状
のものが混合したものであってもよい。また、導体材料
の平均粒子径は、通常、0.1〜10μm、好ましくは
0.1〜1μm程度のものを用いればよい。
【0035】有機ビヒクルは、バインダーおよび溶剤を
含有するものである。バインダーとしては、例えばエチ
ルセルロース、アクリル樹脂、ブチラール樹脂等公知の
ものはいずれも使用可能である。バインダー含有量は1
〜5重量%程度とする。溶剤としては、例えばテルピネ
オール、ブチルカルビトール、ケロシン等公知のものは
いずれも使用可能である。溶剤含有量は、ペースト全体
に対して、20〜55重量%程度とする。
【0036】このようにして得られた内部電極層用ペー
ストと誘電体層用ペーストとは、印刷法、転写法、グリ
ーンシート法等により、それぞれ交互に積層される。印
刷法を用いる場合、誘電体層用ペーストおよび内部電極
層用ペーストを、PET等の基板上に積層印刷し、所定
形状に切断した後、基板から剥離して積層体とする。ま
た、シート法を用いる場合、誘電体層用ペーストを用い
てグリーンシートを形成し、この上に内部電極層用ペー
ストを印刷した後、これらを積層して積層体とする。
【0037】次に、このようにして得られた積層体を、
所定の積層体サイズに切断した後、脱バインダ処理およ
び焼成を行う。そして、誘電体層2を再酸化させるた
め、熱処理を行う。
【0038】脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよ
いが、内部電極層の導電体材料にNiやNi合金等の卑
金属を用いる場合、特に下記の条件で行うことが好まし
い。
【0039】昇温速度:5〜300℃/時間、特に10
〜50℃/時間、 保持温度:200〜400℃、特に250〜350℃、 保持時間:0.5〜20時間、特に1〜10時間、 雰囲気 :空気中。
【0040】焼成条件は、下記の条件が好ましい。 昇温速度:50〜500℃/時間、特に200〜300
℃/時間、 保持温度:1000〜1200℃、特に1100〜12
00℃、 保持時間:0.5〜8時間、特に1〜3時間、 冷却速度:50〜500℃/時間、特に200〜300
℃/時間、 雰囲気ガス:加湿したNとHとの混合ガス等。
【0041】ただし、焼成時の空気雰囲気中の酸素分圧
は、10−7atm以下、特に10 −7〜10−13
atmにて行うことが好ましい。前記範囲を超えると、
内部電極層が酸化する傾向にあり、また、酸素分圧があ
まり低すぎると、内部電極層の電極材料が異常焼結を起
こし、途切れてしまう傾向にある。
【0042】本実施形態において、焼成時には、図2に
示すように、複数の焼結前素子本体10aを、リチウム
を含む複数のブロック状供給源物質12と共に、ZrO
製のセッター14に設置した状態で焼成炉内に入れて焼
成を行う。焼結前素子本体10aと供給源物質12との
離間距離Lは、0.05mm〜20mmである。供給源
物質12は、たとえば焼結前素子本体10aの誘電体層
と同一組成の誘電体組成物に、LiO換算で1モル
%以上、好ましくは10モル%以上のLiCO
含有した誘電体組成物で構成される。
【0043】なお、本発明の他の実施形態では、図3に
示すように、ZrO製のセッター14の上に、複数の焼
結前素子本体10aのみを配置し、それらの焼結前素子
本体10aの上面から所定距離Lで、板状の供給源物質
12aが位置するように、供給源物質12aをZrO製
スペーサ16で保持しても良い。この状態で、焼結前素
子本体10aを、供給源物質12aと共に焼成しても良
い。図3に示す供給源物質12aは、図2に示す供給源
物質12と同様な組成で構成される。また、図3に示す
距離Lは、図2に示す距離Lと同様である。
【0044】また、他の実施形態では、板状の供給源物
質12b上に、粒径Lの接触防止粒子18を疎らに配置
し、それらの粒子18の上に、複数の焼結前素子本体1
0aを配置し、その状態で、焼結炉の内部で焼成しても
良い。接触防止粒子18は、素子本体10aにおける誘
電体層と同一組成の誘電体粒子であることが好ましい。
なお、接触防止粒子18の粒径は、必ずしもLである必
要はなく、それ以下の粒径でも良い。接触防止粒子18
の粒径がL以下である場合には、これら接触防止粒子1
8は、板状の供給源物質12b上に、所定厚みLで配置
される。素子本体10aを、供給源物質12bから所定
距離Lで離すためである。図4に示す供給源物質12b
は、図2に示す供給源物質12と同様な組成で構成され
る。また、図4に示す粒径Lまたは厚みLは、図2に示
す距離Lと同様である。
【0045】このような焼成を行った後の熱処理は、保
持温度または最高温度を900〜1100℃として行う
ことが好ましい。熱処理時の保持温度または最高温度
が、前記範囲未満では誘電体材料の酸化が不十分なため
に寿命が短くなる傾向にあり、前記範囲をこえると内部
電極のNiが酸化し、容量が低下するだけでなく、誘電
体素地と反応してしまい、寿命も短くなる傾向にある。
熱処理の際の酸素分圧は、10−8atm以上、より好
ましくは10−4〜10−7atm が好ましい。前記
範囲未満では、誘電体層2の再酸化が困難であり、前記
範囲をこえると内部電極層3が酸化する傾向にある。そ
して、そのほかの熱処理条件は下記の条件が好ましい。
【0046】保持時間:0〜6時間、特に2〜5時間、 冷却速度:50〜500℃/時間、特に100〜300
℃/時間、 雰囲気用ガス:加湿したNガス等。
【0047】なお、Nガスや混合ガス等を加湿する
には、例えばウェッター等を使用すればよい。この場
合、水温は0〜75℃程度が好ましい。また脱バインダ
処理、焼成および熱処理は、それぞれを連続して行って
も、独立に行ってもよい。これらを連続して行なう場
合、脱バインダ処理後、冷却せずに雰囲気を変更し、続
いて焼成の際の保持温度まで昇温して焼成を行ない、次
いで冷却し、熱処理の保持温度に達したときに雰囲気を
変更して熱処理を行なうことが好ましい。一方、これら
を独立して行なう場合、焼成に際しては、脱バインダ処
理時の保持温度までNガスあるいは加湿したN
ガス雰囲気下で昇温した後、雰囲気を変更してさらに昇
温を続けることが好ましく、アニール時の保持温度まで
冷却した後は、再びNガスあるいは加湿したN
ガス雰囲気に変更して冷却を続けることが好ましい。ま
た、アニールに際しては、Nガス雰囲気下で保持温
度まで昇温した後、雰囲気を変更してもよく、アニール
の全過程を加湿したNガス雰囲気としてもよい。
【0048】このようにして得られた焼結体(素子本体
10)には、例えばバレル研磨、サンドプラスト等にて
端面研磨を施し、外部電極用ペーストを焼きつけて外部
電極4を形成する。外部電極用ペーストの焼成条件は、
例えば、加湿したNとH との混合ガス中で60
0〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好
ましい。そして、必要に応じ、外部電極4上にめっき等
を行うことによりパッド層を形成する。なお、外部電極
用ペーストは、上記した内部電極層用ペーストと同様に
して調製すればよい。このようにして製造された本発明
の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリ
ント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用され
る。
【0049】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。たとえば、上述した実施形態では、本発
明に係る製造方法で得られる誘電体層含有電子部品とし
て積層セラミックコンデンサを例示したが、本発明に係
る製造方法で得られる誘電体層含有電子部品としては、
積層セラミックコンデンサに限定されない。
【0050】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。
【0051】実施例1 出発原料として、ゾルゲル合成により生成された{{B
(1−x) Ca }O}(Ti(1−y)
で示される組成の誘電体酸化物から成
る主成分を用いた。主成分を示す式中の組成比を示す記
号A,B,x,yが、 0.990≦A/B<1.010、 0.01≦x≦0.25、 0.1≦y≦0.3の関係の関係にあった。なお、上記
誘電体酸化物の平均粒径は、0.4μm、最大粒径は
1.5μmであった。
【0052】また、主成分100質量%に対して、0.
20質量%のMnCOと、0.30質量%のY
と、0.16質量%のSiOとを、添加物
(添加物全体の平均粒径0.5μm、最大粒径3.3μ
m)として、各々ボールミルで16時間湿式粉砕し、9
00℃および3時間の条件で、大気雰囲気中で仮焼き
し、その後、解砕のためにボールミルで20時間湿式粉
砕し、副成分の添加物とした。そして、主成分と添加物
とを、ボールミルで16時間、湿式混合し、チタン酸バ
リウム系の誘電体材料を得た。
【0053】この誘電体材料を用いて、下記に示される
配合比にて、ジルコニア製ボールを用いてボールミル混
合し、スラリー化して誘電体層用ペーストとした。すな
わち、誘電体材料:100質量部、アクリル系樹脂:
5.0質量部、フタル酸ベンジルブチル:2.5質量
部、ミネラルスピリット:6.5質量部、アセトン:
4.0質量部、トリクロロエタン:20.5質量部、塩
化メチレン:41.5質量部の配合比である。
【0054】次に、下記に示される配合比にて、3本ロ
ールにより混練し、スラリー化して内部電極用ペースト
とした。すなわち、Ni:44.6質量部、テルピネオ
ール:52質量部、エチルセルロース:3質量部、ベン
ゾトリアゾール:0.4質量部である。これらのペース
トを用い、以下のようにして、図1に示される積層型セ
ラミックチップコンデンサ1を製造した。
【0055】まず、誘電体層用ペーストを用いてキャリ
アフィルム上に10μm厚のシートを、ドクターブレー
ド法などで形成し、この上に内部電極用ペーストを用い
て、内部電極を印刷した。この後、キャリヤフィルムか
ら上記のシートを剥離し、内部電極が印されたシートを
複数枚積層し、加圧接着した。なお、誘電体層2の積層
数は100層であった。次いで、積層体を所定サイズに
切断した後、脱バインダ処理、焼成および熱処理を連続
して下記の条件にて行った。
【0056】脱バインダ処理 昇温速度:20℃/時間、 保持温度:250℃、 保持時間:8時間、 雰囲気用ガス:air。
【0057】焼成 昇温速度:200℃/時間、 保持温度:1100℃、 保持時間:2時間、 冷却温度:300℃/時間、 雰囲気用ガス:加湿したNとHの混合ガス、 酸素分圧:10−8atm。
【0058】なお、焼成時には、図2に示すように、複
数の焼結前素子本体10aを、リチウムを含む複数のブ
ロック状供給源物質12と共に、ZrO製のセッター1
4に設置した状態で焼成炉内に入れて焼成を行った。焼
結前素子本体10aと供給源物質12との離間距離L
は、10mmであった。供給源物質12は、焼結前素子
本体10aの誘電体層と同一組成の誘電体組成物に、1
0モル%のLiCO を含有した誘電体組成物で
構成した。すなわち、水熱合成法により生成されたBa
TiOで示される組成の誘電体酸化物質と、それに
対して10モル%のLiCOとをボールミルで
16時間混合し、その混合物をプレス機によりブロック
状に成形し、供給源物質12を得た。各供給源物質12
の重量は、2gであった。また、供給源物質12は、各
焼結前素子本体10aの周囲四方に配置した。
【0059】熱処理 保持温度:1000℃、 保持時間:3時間、 冷却温度:300℃/時間、 雰囲気用ガス:加湿したNガス、 酸素分圧:10−7atm。
【0060】なお、それぞれの雰囲気用ガスの加湿に
は、ウェッターを用い、水温0〜75℃にて行った。
【0061】得られた焼結体の端面をサンドブラストに
て研磨した後、In−Ga合金を塗布して、試験用電極
を形成した。このようにして製造した積層型コンデンサ
1のサイズは、3.2mm×1.6mm×0.6mmで
あり、誘電体層2の厚みは5μm、内部電極3の厚みは
2μmであった。
【0062】この積層型コンデンサの特性を、基準温度
25℃でデジタルLCRメータ(YHP製4274A)
にて、周波数1KHz、測定電圧1.0Vrmsの信号
を入力し、静電容量および誘電損失tanδを測定し
た。誘電体磁器の比誘電率εrは、積層型コンデンサの
誘電体磁器の試料寸法と静電容量を考慮して算出した。
【0063】なお、絶縁抵抗値は、積層型コンデンサに
10Vの直流電圧を1分間印加して測定した。評価とし
て、比誘電率εrは、小型で高誘電率のコンデンサを作
成するために重要な特性であり、大きいほど好ましい
が、少なくとも5000以上、特に8000以上が好ま
しい。誘電損失tanδは、誘電体層2の薄膜化を実現
し、小型で高誘電率のコンデンサを作成するために重要
な特性であり、小さいほど好ましいが、7%以下、特に
5%以下が好ましい。絶縁抵抗値は、大きいほど好まし
く、少なくとも1×10Ω以上は必要である。これ
らの特性値は、コンデンサの試料数n=10個を用いて
測定した値の平均値から求めた。結果を表1に示す。表
1に示すように、誘電率(ε)は9500であり、誘電
損失(tanδ)は3.23%であり、絶縁抵抗は1.
6×10Ωであった。
【0064】
【表1】
【0065】実施例2 焼成温度を1140℃にした以外は、前記実施例1と同
様にして、コンデンサ試料を作製し、実施例1と同様に
して、誘電率、誘電損失および絶縁抵抗を求めた。結果
を表1に示す。表1に示すように、誘電率(ε)は12
000であり、誘電損失(tanδ)は4.80%であ
り、絶縁抵抗は1.4×10Ωであった。
【0066】実施例3 焼成温度を1180℃にした以外は、前記実施例1と同
様にして、コンデンサ試料を作製し、実施例1と同様に
して、誘電率、誘電損失および絶縁抵抗を求めた。結果
を表1に示す。表1に示すように、誘電率(ε)は12
700であり、誘電損失(tanδ)は6.59%であ
り、絶縁抵抗は1.4×10Ωであった。
【0067】実施例4 焼成温度を1140℃にし、図2に示す距離Lを50m
mとした以外は、前記実施例1と同様にして、コンデン
サ試料を作製し、実施例1と同様にして、誘電率、誘電
損失および絶縁抵抗を求めた。結果を表1に示す。表1
に示すように、誘電率(ε)は5700であり、誘電損
失(tanδ)は2.15%であり、絶縁抵抗は1.3
×10Ωであった。
【0068】実施例5 焼成温度を1140℃にし、図2に示す距離Lを22m
mとした以外は、前記実施例1と同様にして、コンデン
サ試料を作製し、実施例1と同様にして、誘電率、誘電
損失および絶縁抵抗を求めた。結果を表1に示す。表1
に示すように、誘電率(ε)は6000であり、誘電損
失(tanδ)は3.00%であり、絶縁抵抗は1.5
×10Ωであった。
【0069】実施例6 焼成温度を1140℃にし、図2に示す距離Lを18m
mとした以外は、前記実施例1と同様にして、コンデン
サ試料を作製し、実施例1と同様にして、誘電率、誘電
損失および絶縁抵抗を求めた。結果を表1に示す。表1
に示すように、誘電率(ε)は10000であり、誘電
損失(tanδ)は4%であり、絶縁抵抗は1.5×1
Ωであった。
【0070】実施例7 図2に示す供給源物質12を、焼結前素子本体10aの
誘電体層と同一組成の誘電体組成物に、1.2モル%の
LiCOを含有した誘電体組成物で構成した以
外は、前記実施例1と同様にして、コンデンサ試料を作
製し、実施例1と同様にして、誘電率、誘電損失および
絶縁抵抗を求めた。結果を表1に示す。表1に示すよう
に、誘電率(ε)は8700であり、誘電損失(tan
δ)は3.7%であり、絶縁抵抗は1.2×10Ω
であった。
【0071】実施例8 図2に示す供給源物質12を、焼結前素子本体10aの
誘電体層と同一組成の誘電体組成物に、0.8モル%の
LiCOを含有した誘電体組成物で構成した以
外は、前記実施例1と同様にして、コンデンサ試料を作
製し、実施例1と同様にして、誘電率、誘電損失および
絶縁抵抗を求めた。結果を表1に示す。表1に示すよう
に、誘電率(ε)は4500であり、誘電損失(tan
δ)は7.0%であり、絶縁抵抗は2.5×10Ω
であった。
【0072】実施例9 図2に示す供給源物質12を、焼結前素子本体10aの
誘電体層と同一組成の誘電体組成物に、10モル%のB
を含有した誘電体組成物で構成した以外は、
前記実施例2と同様にして、コンデンサ試料を作製し、
実施例2と同様にして、誘電率、誘電損失および絶縁抵
抗を求めた。結果を表1に示す。表1に示すように、誘
電率(ε)は8500であり、誘電損失(tanδ)は
5.0%であり、絶縁抵抗は2.6×10Ωであっ
た。
【0073】実施例10 図2に示す供給源物質12を、焼結前素子本体10aの
誘電体層と同一組成の誘電体組成物に、10モル%のN
COを含有した誘電体組成物で構成した以外
は、前記実施例2と同様にして、コンデンサ試料を作製
し、実施例2と同様にして、誘電率、誘電損失および絶
縁抵抗を求めた。結果を表1に示す。表1に示すよう
に、誘電率(ε)は9000であり、誘電損失(tan
δ)は5.0%であり、絶縁抵抗は2.7×10Ω
であった。
【0074】実施例11 図2に示すブロック状供給源物質12を配置することな
く、セッター14上には、焼結前素子本体12のみを配
置し、焼成雰囲気ガス中に、Liガスを、酸化物(Li
O)換算で、1500ppm含有させた以外は、前
記実施例2と同様にして、コンデンサ試料を作製し、実
施例2と同様にして、誘電率、誘電損失および絶縁抵抗
を求めた。結果を表1に示す。表1に示すように、誘電
率(ε)は10000であり、誘電損失(tanδ)は
4.5%であり、絶縁抵抗は2.3×10Ωであっ
た。
【0075】比較例1 焼成温度を1200℃にし、図2に示すブロック状供給
源物質12を配置することなく、セッター14上には、
焼結前素子本体12のみを配置して焼成を行った以外
は、前記実施例1と同様にして、コンデンサ試料を作製
し、実施例1と同様にして、誘電率、誘電損失および絶
縁抵抗を求めた。結果を表1に示す。表1に示すよう
に、誘電率(ε)は7900であり、誘電損失(tan
δ)は1.71%であり、絶縁抵抗は2.4×10
Ωであった。
【0076】比較例2 焼成温度を1240℃にし、図2に示すブロック状供給
源物質12を配置することなく、セッター14上には、
焼結前素子本体12のみを配置して焼成を行った以外
は、前記実施例1と同様にして、コンデンサ試料を作製
し、実施例1と同様にして、誘電率、誘電損失および絶
縁抵抗を求めた。結果を表1に示す。表1に示すよう
に、誘電率(ε)は12100であり、誘電損失(ta
nδ)は4.90%であり、絶縁抵抗は1.6×10
Ωであった。
【0077】評価 実施例1と比較例1とを比較して分かるように、または
実施例2と比較例2とを比較して分かるように、実施例
1および2では、比較例1および2に比較して、焼成温
度を100℃ほど低温化することができ、焼成温度を低
温化したとしても、同レベル以上の誘電率が得られるこ
とが確認できた。また、誘電損失および絶縁抵抗に関し
ても、満足できるレベルであることが確認できた。
【0078】実施例2と実施例4〜6とを比較すること
で、同じ焼成温度の場合には、素子本体10aと供給源
物質12との距離Lは、離しすぎない方が、誘電率の向
上に寄与し、特にL=20mm以下が好ましいことが確
認できた。
【0079】実施例1と実施例7,8とを比較すること
で、供給源物質12中のLiのモル%は、1.0モル%
以上が好ましいことが確認できた。
【0080】実施例9〜11を検討することで、Liの
代わりにBまたはNaを用いても同様な効果が期待でき
ること、およびLiガス雰囲気とすることでも同様な効
果が期待できることが確認できた。
【0081】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
製造方法によれば、誘電体層を構成する誘電体組成物中
の焼結助剤などの含有量を増大させることなく、低温焼
成が可能となり、緻密な焼結体を得ることができる。ま
た、本発明の製造方法では、同一組成の誘電体層を持つ
素子本体を同じ焼成温度で焼成した場合には、従来の製
造方法に比較して、得られる誘電体層における誘電率、
誘電損失および絶縁抵抗などの電気特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施形態に係る製造方法に
より製造される積層セラミックコンデンサの要部断面図
である。
【図2】 図2は図1に示すコンデンサを製造するため
の1製造過程を示す要部断面図である。
【図3】 図3は本発明の他の実施形態に係る製造方法
の1製造過程を示す要部断面図である。
【図4】 図4は本発明の他の実施形態に係る製造方法
の1製造過程を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1… 積層セラミックコンデンサ 2… 誘電体層 3… 内部電極層 4… 外部電極 10… 素子本体 10a… 焼結前素子本体 12,12a,12b… 供給源物質 14… セッター 16… スペーサ 18… 接触防止粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 4/12 H01G 4/30

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体層と内部電極層とが交互に積層され
    た構成の素子本体を有する積層セラミックコンデンサの
    製造方法であって、 主成分を構成する原料として、Ti,Ba,Sr,C
    a,Zrの酸化物および/または焼成により酸化物にな
    る化合物を用いて、 リチウム、ホウ素および/またはナ
    トリウムを実質的に含まない前記誘電体層を有する焼結
    前素子本体を準備する工程と、 前記焼結前素子本体を、リチウム、ホウ素および/また
    はナトリウムを含む供給源物質と共に、相互に離して焼
    成炉内に入れて焼成を行う工程とを有する積層セラミッ
    クコンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記内部電極層を、卑金属を含む導電層
    で構成し、前記焼成炉内を還元性雰囲気として焼成を行
    うことを特徴とする請求項1に記載の積層セラミックコ
    ンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記焼結前素子本体の外表面から、0.
    05mm〜20mmの距離に位置するように、前記供給
    源物質を配置し、前記素子本体を焼成することを特徴と
    する請求項1または2に記載の積層セラミックコンデン
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記供給源物質が、リチウムを、Li
    O換算で1モル%以上含むことを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記供給源物質が、Li,LiO,
    LiCO,LiSiOのうちのいずれ
    かを含むことを特徴とする請求項4に記載の積層セラミ
    ックコンデンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 誘電体層と内部電極層とが交互に積層され
    た構成の素子本体を有する積層セラミックコンデンサの
    製造方法であって、 主成分を構成する原料として、Ti,Ba,Sr,C
    a,Zrの酸化物および/または焼成により酸化物にな
    る化合物を用いて、 リチウム、ホウ素および/またはナ
    トリウムを実質的に含まない前記誘電体層を有する焼結
    前素子本体を準備する工程と、 前記焼結前素子本体を、リチウム、ホウ素および/また
    はナトリウムを含むガス雰囲気中で焼成を行う工程とを
    有する積層セラミックコンデンサの製造方法。
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