JP3442545B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱硬化性樹脂組成物
に係わり、特に樹脂封止型半導体装置を製造するのに適
した熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂封止型半導体装置は、これまで主に
トランスファ成形法によって封止されていた。この方法
は、エポキシ樹脂、硬化剤およびフィラー等を主体にし
たエポキシ成形材料の粉末からなるタブレットを加熱溶
融させ、トランスファ成形機を用いて金型に注入し、高
温高圧状態で成形して、硬化したエポキシ樹脂組成物に
よって半導体素子を封止する方法である。この方法は、
エポキシ樹脂組成物が素子を完全に覆うため、密閉性に
優れており、また金型で緻密に成形するため、パッケー
ジの外観も良好である。
【0003】一方、トランスファ成形法に代わる樹脂封
止型半導体装置の製造方法として、半導体素子を未硬化
封止用樹脂シートで挟み、金型を用いて加熱しながら加
圧成形する方法が知られている。この方法は、従来のト
ランスファ成形法に比べてパッケージの大型化、薄型化
に対応でき、樹脂封止型半導体装置の多品種生産に適
し、さらに上下の封止用樹脂シートを変えて成形したり
することもできる。すなわち、半導体素子の高集積化に
伴ない樹脂封止型半導体装置は、そのパッケージの大型
化が進む一方、実装スペースの微細化に伴い薄型化の傾
向を強めており、この傾向は、今後益々強くなっていく
と考えられる。また、パッケージの種類が益々多様化す
る結果、樹脂封止型半導体装置の品種は多くなるが、そ
の生産量は少なくなるという傾向がある。この点、上述
したような封止用樹脂シートを用いた樹脂封止型半導体
装置の製造方法は、こうした傾向に対応したものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在適
用されている実装方法が樹脂封止型半導体装置の信頼性
に影響を与える場合がある。すなわち、近年、樹脂封止
型半導体装置の実装を効率的に行うために赤外線を用い
て一括して半田を溶融して樹脂封止型半導体装置と基板
とを接続するIRリフロー法が行われている。この製造
方法の過程で、赤外線を吸収して加熱された封止用樹脂
組成物中の水分が急激に熱膨張するため、樹脂封止型半
導体装置は樹脂クラックを発生するという問題がある。
その解決法の一つとして、吸収する水分の絶対量を減ら
すために、水分を吸水しない無機フィラー成分の割合を
増やすことが検討されている。しかし、フィラーの割合
が増加するにつれて、成形時の樹脂の溶融粘度が増大
し、ボンディングワイヤーの変形やボイド、外観不良の
原因となる。そのために封止用樹脂組成物のマトリクス
樹脂として粘度が低いビフェニル型エポキシ樹脂が用い
られているが、このビフェニル型エポキシ樹脂は、一般
に成形性を左右する加熱溶融したときの初期の低粘度状
態が非常に短く急激に粘度が上昇してしまい、しかも十
分に硬化するまでには逆に時間がかかるという問題があ
る。
【0005】一方、マトリクス樹脂としてのノボラック
型エポキシ樹脂は、加熱溶融したときに初期の低粘度状
態がある程度長く続き、その後一気に硬化してしまうと
いう理想的な硬化特性を示す。しかし、マトリクス樹脂
自体の粘度がビフェニル型エポキシ樹脂と比較して高い
ために、フィラーの充填割合をIRリフローに耐えうる
まで十分に高めることはできないという問題がある。
【0006】そこでこの成形性が良好なノボラック型エ
ポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とを混合するこ
とが考えられるが、この 2種類の樹脂を適当な割合で配
合してロールにかけ均一に混練した樹脂組成物は、両樹
脂の欠点のみが強調された性能が現れてしまうという問
題がある。すなわち、ビフェニル型エポキシ樹脂の初期
の低粘度状態が非常に短く急激に粘度が上昇してしまい
しかも十分に硬化するまでには逆に時間がかかると同時
に、ノボラック型エポキシ樹脂と同様にフィラーを高充
填できなくなってしまう。
【0007】本発明はこのような問題に対処するために
なされたものである。すなわち、本発明は、フィラーを
高充填できると共に、成形性が良好でIRリフロー時の
樹脂クラックの発生を防ぎ、信頼性の高い樹脂封止型半
導体装置を得ることのできる熱硬化性樹脂組成物を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の熱硬化性樹脂
組成物は、フィラー量が 85 〜 95 重量%配合されてお
り、かつ加熱硬化時の複素弾性率の実数部変化で極小点
が存在しない第1の樹脂組成物と、加熱硬化時の複素弾
性率の実数部変化で極小点が存在する第2の樹脂組成物
とを、それぞれの単独樹脂組成の領域を保持した状態で
混合してなることを特徴とする。
【0009】請求項2の熱硬化性樹脂組成物は、フィラ
ー量が 85 〜 95 重量%配合されており、かつ式(I)
で表されるビフェニル型エポキシ樹脂
【化3】 (ここで、R1 はHまたはメチル基であり、R2
2'、R3 、R3'、R4 、R4'、R5 、R5'は、H、C
l、Brまたはメチル基、エチル基、イソプロピル基、
ブチル基、フェニル基を少なくとも含む有機基を示す。
nは 0〜5 の整数である。)を主剤とする第1の樹脂組
成物と、式(II)で表されるノボラック型エポキシ樹
【化4】 (ここで、R6 、R7 は、Hまたはメチル基、エチル
基、イソプロピル基、ブチル基を少なくとも含む有機基
を表す。mは 0〜 10 の整数である。)を主剤とする第
2の樹脂組成物とを、それぞれの単独樹脂組成の領域を
保持した状態で混合してなることを特徴とする。
【0010】請求項3の熱硬化性樹脂組成物は、請求項
1または請求項2の熱硬化性樹脂組成物において、第1
の樹脂組成物および第2の樹脂組成物のそれぞれの単独
樹脂組成の領域が、平均 20 〜800 μmの大きさである
ことを特徴とする。
【0011】請求項1の熱硬化性樹脂組成物において、
複素弾性率は以下の式におけるm*(ω) で定義される。
樹脂組成物等の粘弾性体に角振動数ωの正弦歪みεを与
えると同じ振動数をもつ正弦応力σを生じる。σは、そ
の一部は歪みと同一位相、一部はπ/2だけずれた位相を
もつ。これを式で表すと、σ=m*(ω) ε、ε=ε0
iωt となる。また、複素弾性率m*(ω) は、実数部と
虚数部とに分けられ次式で表される。 m*(ω) =m'(ω) +im''( ω) ここで、実数部のm'(ω) は動的弾性率または貯蔵弾性
率といい、虚数部のm''( ω) は損失弾性率または動的
損失という。また、複素弾性率の大きさは、|m*(ω)
|={(m'(ω) )2 +(m''( ω) )2 )}1/2 で表
される。
【0012】本発明における複素弾性率は、直径 16mm
φ、厚さ 3mmのアルミニウム円盤上に試料を配置し、こ
の上から直径 12mm φのアルミニウム製円盤を周波数 3
Hzで加振機により上下に加振して、そのときの変位と応
力から弾性率を測定する、いわゆる強制振動法により求
めた。なお試料の加熱は、試料セルを 175℃の恒温槽中
で空気を媒体として間接加熱することにより行った。
【0013】複素弾性率は、図4または図5に示すよう
に横軸の経過時間に対する変化量として表され、実数部
の貯蔵弾性率および虚数部の損失弾性率が記録される。
請求項1において、加熱硬化時の複素弾性率の実数部変
化で極小点が存在しないとは、例えば図4に示すよう
に、時間が経過しても貯蔵弾性率の値が横軸の経過時間
0の時における値よりも小さくなることがないことをい
う。また、極小点が存在するとは、例えば図5に示すよ
うに、時間の経過とともに貯蔵弾性率の値が横軸の経過
時間 0の時における値よりも小さくなる場合が存在する
ことをいう。
【0014】それぞれの樹脂組成物領域を有して相互に
混合してなるとは、第1の樹脂組成物と第2の樹脂組成
物とが、ある程度の大きさの粒子状または塊状となって
混合していることをいう。この 2種類の樹脂組成物は、
界面で一部溶融混合するものもあるが、残りのほとんど
の部分は初期のそれぞれの樹脂組成を保っていることが
望ましい。本発明において 2種類の樹脂組成物が相互に
混合している状態を、模式的に図2に示す。図2に示す
ようにそれぞれの単独樹脂組成の領域(第1の樹脂組成
物領域8および第2の樹脂組成物領域9)が保持されて
いる。この各樹脂組成物領域の大きさの平均は 20 〜 8
00μm であることが望まれ、それぞれの樹脂組成物領域
がこれより大きいと、樹脂全体としての均一性が失われ
るために機械的強度などが低下することになる。また、
樹脂組成物領域の大きさがこれより小さいと加熱した段
階で 2つの樹脂組成物が相溶して均一な系になり、 2つ
の領域があることによって得られる特性を十分に発揮で
きなくなってしまう。特に機械的強度および成形性を両
立するためには各樹脂組成物領域の大きさの平均は100
〜 500μm であることが望ましい。さらに大型のパッケ
ージなどにおいて十分なリフロー特性を得るためには、
各樹脂組成物領域の大きさの平均が 200〜500μm であ
ることが望ましい。なお、ここでの樹脂組成物領域の大
きさの平均値は、たとえば、樹脂組成物のタブレットや
シート化物の断面SEM写真上に任意の直線を引き、こ
の直線の長さを直線が横切る樹脂組成物領域の界面の数
で割った値を 1.5倍して求めればよい。
【0015】本発明において、加熱硬化時の複素弾性率
の実数部変化で極小点が存在しない第1の樹脂組成物に
は、フィラーの高充填が可能であり、具体的にはフィラ
ー量が 85 〜 95 重量%配合される。フィラー量をこの
範囲とすることにより、IRリフローに耐える封止用樹
脂組成物を得ることができる。
【0016】本発明で使用される配合材としてのフィラ
ーは無機充填材が望ましい。具体的には、石英ガラス、
結晶性シリカ、溶融シリカ、ガラス、アルミナ、ケイ酸
カルシウム、硫酸バリウム、マグネシア、窒化ケイ素、
窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、雲母、金属等があり、粘度を下げる場合には球状も
しくは亜球状であることが好ましく、樹脂の強度を向上
させるためには破砕状シリカを用いることが望ましい。
【0017】第1および第2の樹脂組成物を構成する熱
硬化性樹脂としては次のようなものが挙げられる。すな
わち、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹
脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹
脂、アクリル樹脂等の樹脂を単独で、または組み合わせ
て用いることができる。これらの中でもエポキシ樹脂が
特に望ましい。さらに、これらの樹脂の中に硬化剤、硬
化促進剤、離型剤、難燃剤、着色剤、充填材、低応力添
加剤その他各種添加剤を含有したものでもよい。本発明
における第1の樹脂組成物と第2の樹脂組成物の混合割
合は、フィラーの高充填化の観点からは第1の樹脂組成
物の混合割合を増やすことが好ましい。その場合、第1
の樹脂組成物の混合割合は、第1および第2の樹脂組成
物の合計量中 65 〜 90 重量%であることが好ましい。
また、特に成形性を考慮する場合には、第1の樹脂組成
物の混合割合を 10 〜 35 重量%程度にすることが望ま
れる。さらに、フィラー高充填と成形性を両立させるこ
とが求められる場合には、第1の樹脂組成物の混合割合
を 35 〜 65 重量%にすることが好ましい。
【0018】一方本発明において、樹脂組成物全体中で
のフィラー量は 80 重量%以上であることが好ましく、
このように、フィラー量を設定するうえで、第2の樹脂
組成物のフィラー量は 70 〜 85 重量%にすることが望
まれる。なお、ここで、第2の樹脂組成物のフィラー量
が 85 重量%を越えると、その粘度が大きく上昇して樹
脂組成物の成形性が損なわれるおそれがあるからであ
る。また本発明では、第1および第2の樹脂組成物の 1
80℃における溶融粘度が、それぞれ 300Pa・s 以下、 1
00Pa・s 以下であることが成形性の点で特に好ましい。
【0019】本発明に好適なエポキシ樹脂は、 1分子中
に 2個以上のエポキシ基を有するものであればいかなる
ものでもよい。たとえば、ビフェニル型エポキシ樹脂、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジル
エステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ
樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールまたはアルキル
フェノール類とヒドロキシベンズアルデヒド類との縮合
物をエポキシ化して得られるトリス(ヒドロキシフェニ
ル)アルカンベースのエポキシ樹脂、テトラ(ヒドロキ
シフェニル)アルカンベースのエポキシ樹脂、2,2
´,4,4´−テトラグリシジルベンゾフェノン、パラ
アミノフェノールのトリグリシジルエーテル、ポリアリ
ルグリシジルエーテル、1,3,5一トリグリシジルエ
ーテル化ベンゼン、2,2´,4,4´一テトラグリシ
ジドキシベンゼンなどがあげられる。これらのエポキシ
樹脂は単独で用いても、 2種類以上を組み合わせてもよ
い。
【0020】請求項2の樹脂組成物は、これらのエポキ
シ樹脂の中で、フィラーを高充填できる樹脂組成物とし
て式(I)に示されるビフェニル型エポキシ樹脂を、低
粘度で溶融硬化特性が良好な樹脂組成物として式(I
I)に示されるノボラック型エポキシ樹脂を混合して用
いる。
【0021】式(I)で示されるビフェニル型エポキシ
樹脂の具体例を示すと、4,4´一ビス(2,3−エポ
キシプロポキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(2,3
‐エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラ
メチルビフェニル、4,4´ービス(2,3‐エポキシ
プロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチル−2
−クロロビフェニル、4,4´一ビス(2,3−エポキ
シプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチル−
2−ブロモビフェニル、4,4´一ビス(2,3−エポ
キシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラエチル
ビフェニル、4,4´一ビス(2,3−エポキシプロポ
キシ)−3,3´,5,5´−テトラブチルビフェニ
ル、4,4´一ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,3´,5,5´−テトラフェニルビフェニル等を挙
げることができる。
【0022】式(II)に示されるノボラック型エポキ
シ樹脂としては、R6 がHでありR7 がメチル基である
クレゾールノボラック型のエポキシ樹脂の使用が望まれ
る。これはR7 がメチル基であるために、耐水性が向上
するからである。さらにこのクレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂は、ノボラック型エポキシ樹脂の中でも非常
に成形性が良好である。
【0023】本発明で使用することのできる硬化剤とし
ては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラッ
ク樹脂、フェノールアラルキル樹脂、アリルフェノール
ノボラック樹脂、ナフトール型ノボラック樹脂、ビフェ
ニル型ノボラック樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)
アルカン系化合物などを挙げることができる。
【0024】本発明で使用される硬化促進剤は、エポキ
シ樹脂等の熱硬化性樹脂と硬化剤の反応を促進するもの
であればいかなるものであってもよく、例えば、各種の
アミン類、イミダゾール類、ジアザビシクロアルケン
類、有機ホスフィン類、ジルコニウムアルコラート、ジ
ルコニウムキレートなどが挙げられる。具体的に例示す
るとアミン類として、N,N一ジメチルシクロヘキシル
アミン、N一メチルジシクロヘキシルアミン、トリエチ
レンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジメチル
アミノメチルフェノール、ペンジルジメチルアミン、ト
リスジメチルアミノメチルフェノールを、イミダゾール
類としては2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミ
ダゾール、ヘプタデシルイミダゾール、2一へプタデシ
ルイミダゾール、2一エチルイミダゾール、2一エチル
ー4−メチルイミダゾールを、ジアザビシクロアルケン
類としては、1,8一ジアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデンセンー7(DBU)、DBUのフェノール塩(例
えば、U一CATSA No.1)を、有機ホスフイン
類としては、トリフェニルホスフィン(TPP)、トリ
ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、メ
チルジフェニルホスフィンなどが挙げられる。これらの
硬化促進剤のうちでは、電気特性の点からトリフェニル
ホスフィン、へプタデシルイミダゾールが特に望まし
い。
【0025】離型剤として、炭化水素系ワックス、脂肪
酸系ワックス、脂肪酸アミド系ワックス、エステル系ワ
ックス等が挙げられる。具体例としては、耐湿性の点か
ら、カルナバワックス、モンタンワックス等のエステル
系ワックスが好ましく、その他にステアリン峻、パルミ
チン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムな
どの長鎖カルボン酸及びそれらの金属塩、低分子量ポリ
エチレンワックス等が挙げられる。これらの離型剤は単
独で用いても、組み合わせて用いてもよい。
【0026】本発明において使用される難燃剤として、
ハロゲン系、リン系、無機系がある。ハロゲン系難燃剤
は、主に臭素系と塩素系に大別され、臭素系は塩素系に
比べて難燃効果が高く、三酸化アンチモンとの併用効果
が大きい。使用が好ましい塩素系難燃剤は塩素化パラフ
ィンがある。ハロゲン系難燃剤として特に使用が好まし
いのは臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
【0027】本発明において用いられる着色剤は、光を
遮光するものとしては黒色の顔料の着色剤が望まれ特に
カーボンブラックが好ましい。また様々な色の着色剤と
して無機顔料、有機顔料、染料等が使用できる。無機顔
料は一般に耐光、耐熱、耐溶剤性に優れ、隠蔽力は大き
いが、色が鮮明でない。
【0028】ここで本発明における樹脂組成物の粘弾性
の一例として、エポキシ樹脂組成物の複素弾性率の加熱
経過時間による変化を図4〜図7に示す。図4はビフェ
ニル型エポキシ樹脂組成物の、図5はノボラック型エポ
キシ樹脂組成物の、図6はビフェニル型エポキシ樹脂組
成物とノボラック型エポキシ樹脂組成物とをロールなど
を用いて完全に均一状態に混練したエポキシ樹脂組成物
の、図7は図6のものと同様の樹脂組成のエポキシ樹脂
組成物であるが、それぞれの単独樹脂組成の領域が保持
された混合樹脂系としたエポキシ樹脂組成物の複素弾性
率の加熱経過時間による変化をそれぞれ示した図であ
る。
【0029】図4に示すビフェニル型エポキシ樹脂組成
物では実数部の貯蔵弾性率は時間が経過するとともに極
小点をもたずに上昇するが、図5に示すノボラック型エ
ポキシ樹脂組成物では一旦粘度が下がるために極小点を
もち、その後上昇するという傾向を示す。
【0030】本発明では、ビフェニル型エポキシ樹脂と
ノボラック型エポキシ樹脂を混合する場合、ある程度の
大きさの粒子を粉体状態で混合し、この樹脂系をトラン
スファ成形法においてはタブレットに成形する。封止用
樹脂シートを用いた成形法ではこの樹脂系をシート状に
加熱圧縮する。得られたタブレットもしくはシート中
で、それぞれの 2種類の樹脂組成物は図2に示すように
それぞれの単独樹脂組成の領域が保持されている。
【0031】この様にある程度単独樹脂組成領域が残っ
ていることで、それぞれの樹脂組成物の長所を有する樹
脂系を調製することができる。つまり、従来のように 2
種類の樹脂系をロールなどを用いて完全に均一状態に混
練すると図6に示すように複素弾性率が一定の割合で上
昇する傾向を示すが、粉体混合の場合はそれぞれの元来
の特性を保ったままの混合樹脂系を調製することがで
き、図6の場合と全く同じ組成であっても図7に示すよ
うに複素弾性率が低い状態が続いた後に急激に上昇する
という傾向を示した。その結果、加熱溶融したときに初
期に粘度が低下しその状態がある程度長く続き、その後
一気に硬化してしまうというノボラック型エポキシ樹脂
組成物の理想的な硬化特性とフィラーを高充填できると
いうビフェニル型エポキシ樹脂組成物の両方の長所を兼
ね備えた特性が得られる。このような特性を有する樹脂
組成物をタブレット状にしてトランスファ成形により、
または封止用樹脂シートに加工して加圧成形により、長
期にわたって良好な信頼性を有する樹脂封止型半導体装
置を製造することができる。
【0032】それぞれの長所が現れる原因として、まず
ビフェニル型エポキシ樹脂組成物が初期において硬化が
始まってしまうが、それぞれのビフェニル型エポキシ樹
脂組成物領域の回りを囲むノボラック型エポキシ樹脂組
成物領域の硬化が進まないために、各領域問での架橋が
起きずマクロ的な網目構造が形成できず、全体として粘
度が上昇することがない。しかし回りを囲むノボラック
型エポキシ樹脂組成物領域の反応が始まると、一気に硬
化が進み、ビフェニル型エポキシ樹脂組成物の硬化の遅
れをカバーすることになる。
【0033】このように本発明の熱硬化性樹脂組成物は
未硬化樹脂組成物であり、具体的には例えば以下のよう
な方法でそのタブレットや封止用樹脂シートを作製する
ことができる。まずビフェニル型エポキシ樹脂、硬化
剤、硬化促進剤、難燃剤、着色剤、充填材、低応力添加
剤、その他の材料を粉砕、混合、溶融してロールにかけ
る。さらにこれらの成分を所定の大きさに粉砕する。次
にノボラック型エポキシ樹脂を用いて硬化剤、硬化促進
剤、難燃剤、着色剤、充填材、低応力添加剤、その他の
材料を粉砕、混合、溶融してロールにかけ、所定の大き
さに粉砕する。このようにして作製したフィラー高充填
樹脂系および低粘度樹脂系の粉体を混合する。トランス
ファ成形法用にはこの混合粉体樹脂を圧縮してタブレッ
トをつくる。
【0034】また、封止用樹脂シートは、この混合粉体
樹脂を加熱したプレスを用いて硬化が進まない条件で圧
縮し所定の厚さに成形することにより得られる。この封
止用樹脂シートは非常に脆いので所定の大きさに切断す
るために、まず封止用樹脂シートを離型紙上で加熱し、
冷えた刃を押し当て切断したりパンチで打ち抜いたりす
る。または封止用樹脂シートを室温のままで加熱した刃
を用いて切断することもできる。封止用樹脂シートもし
くは刃の加熱温度として 60 ℃〜120℃が好ましい。こ
れは、この温度では封止用樹脂シートが切断可能な程度
の充分な強度になるが硬化は進まないからである。
【0035】さらに封止用樹脂シートを用いた樹脂封止
型半導体装置の製造方法を図1および図3により説明す
る。図1は金型の構造を表し、ここでの金型は図示され
る通りバネ5により外側金型3と内側金型2が接続され
ている。図3は、具体的なパッケージの成形法を示す図
である。まず(a)に示すように半導体素子1の上下に
未硬化封止用樹脂シート4を配置する。この封止用樹脂
シート4は、ビフェニル型エポキシ樹脂を含む未硬化樹
脂組成物の微粒子とノボラック型エポキシ樹脂を含む未
硬化樹脂組成物の微粒子を混合し圧縮成形して得られた
ものである。次に(b)に示すように外側金型3が締ま
り、中の封止用樹脂シート4が溶融しパッケージとの隙
間を埋めてバリの発生を抑える。次に(c)に示すよう
に内側金型2が締まり、溶融した樹脂に圧力をかけてボ
イドの発生をおさえ、封止樹脂7が金型中に広がる。そ
の後樹脂が硬化してパッケージが成形できる。
【0036】なお、リードと半導体チップの接続は、ワ
イヤーボンディングによるものでもTAB(Tape
Automated Bonding)またはフリップ
チップなどのワイヤレスボンディングによってもよい
が、TAB等のワイヤレスボンディグはパッケージの薄
型化に有利で、表面実装用の樹脂封止型半導体装置の製
造に適しておりより好ましい。
【0037】本発明においては外部リード構成体および
半導体チップの種類については、特に制限されない。な
お本発明において外部リード構成体とは、リードフレー
ム、フィルムキャリア6、外部ピンを有する回路基板等
を含むものとする。
【0038】なお、本発明において、半導体素子および
封止用樹脂シートの圧縮成形時に際しては、ボイドの発
生を防止するために、金型内を減圧にすることもでき
る。さらに成形後にパッケージの各種特性を向上するた
めに、アフターキュアを行うことが望ましい。本発明に
用いる金型の形状は、封止用樹脂シートの形状と等しい
か、やや大きく形成されており、かつ金型の容積は、封
止用樹脂シートの体積の合計よりやや小さく、成形時に
樹脂が加圧されるようにしたものを用いることが望まし
い。また、加圧時に余分な樹脂を放出するエアベンドを
金型に設けることが望ましい。
【0039】
【発明の実施の形態】樹脂組成物の原料として以下に示
す各成分を用いた。
【0040】 第1のエポキシ樹脂 :ESCN−195XL(住友化学社製、オルソクレゾ −ルノボラック型エポキシ樹脂、軟化点 73 ℃、エポ キシ当量 197) 第2のエポキシ樹脂 :YX−4000H(油化シェルエポキシ社製、4, 4´ビス(2,3−プロポキシ)−3,3´,5, 5´−テトラメチルビフェニル、エポキシ当量 193) 第3のエポキシ樹脂 :ESX一221(住友化学社製、多官能型エポキシ樹 脂、エポキシ当量 220、軟化点 85 ℃) 難燃性エポキシ樹脂 :AER−745(旭化成社製、臭素化エポキシ樹脂、 軟化点 71 ℃、エポキシ当量 402) フェノール樹脂 :XL−225L(三井東圧化学社製、フェノールアラ (硬化剤) ルキル樹脂、軟化点 84 ℃、水酸基当量 180) シランカップリング剤:A−187(UCC社製) 着色剤 :カーボンブラック(CB一30) 硬化促進剤 :C17Z(四国化成社製、へプタデシルイミダゾール ) 離型剤 :エステルワックス 難燃剤 :三酸化アンチモン 溶融シリカ :GR一80AK 上記原料を用いて表1に示す配合割合(重量%)で配合
した。その後、各成分を 2本ロールで混練、粉砕して未
硬化樹脂組成物を得た。
【0041】
【表1】 その後、各樹脂組成物を表2に示した平均粒径、配合割
合の組み合わせで、粉体混合もしくはさらなるロール混
合を行い、さらにトランスファモールド用のタブレット
もしくは封止用樹脂シートに成形し実施例1〜8、比較
例1〜5および参考例1〜4を得た。封止用樹脂シート
の作成法としては粉体樹脂をプレスを用いて厚さ 1.0mm
のシートに圧延し、加熱した封止用樹脂シートに冷えた
刃を押し当てて 18mm × 18mm の大きさに切断した。
【0042】
【表2】 次にリードフレームに接続された半導体素子( 15mm ×
15mm × 400μm )に、表2に示したトランスファモー
ルド用タブレットもしくは封止用樹脂シートを用いて封
止を行った。トランスファモールド法での成形条件は 1
80℃で 2分間で成形し、離型後 180℃で 8時間アフター
キュアした。また封止用樹脂シートを用いた封止法で
は、封止用樹脂シートを素子の上下に 1枚ずつ配置し、
175℃、 1分間プレス金型で加熱圧着してパッケージを
成形し、その後 180℃で 8時間アフターキュアした。
【0043】作成したパッケージの大きさは、 18mm ×
18mm 、厚さは 1.4mmである。その後、下記のような試
験を行った。その結果を表3に示す。
【0044】(1)リフロー後の耐湿信頼性試験 各パッケージを 85 ℃、相対湿度 85 %の雰囲気中で 1
68時間放置して吸湿処理を行った後、 240℃の半田浴に
30 秒間浸漬した。このパッケージをプレッシャークッ
カー内で 127℃、2.5 気圧の飽和水蒸気中に 200〜1000
時間放置し、デバイスの動作チェックにより不良発生率
を調べた。
【0045】(2)リフロー後の冷熱サイクル試験 各パッケージを 85 ℃、相対湿度 85 %の雰囲気中で 1
68時間放置して吸湿処理を行った後、 240℃の半田浴に
30 秒間浸漬した。このパッケージについて-65℃(30
分)〜室温( 5分)〜150 ℃(30分)を 1サイクルとす
る冷熱サイクルを 200〜1000サイクル繰り返し、デバイ
スの動作チェックにより不良発生率を調べた。
【0046】
【表3】 表3に示したように、まず樹脂組成においては、実施例
2のビフェニル型エポキシ樹脂とクレゾールノボラック
系エポキシ樹脂の組み合わせが溶融粘度が低く、しかも
フィラーが高充填できるために不良が全く発生しなかっ
た。実施例1においては低粘度樹脂系として多官能型エ
ポキシ樹脂を使用しており、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂を使用している実施例2と比較すると若干成
形性が低下するものの、リフロー後の耐湿信頼性試験や
冷熱サイクル試験では良好な結果が得られた。しかし、
単独のエポキシ樹脂系を用いた比較例1ではフィラーの
充填量が低いためにリフロー時にクラックが発生し、不
良が多くなった。比較例2でもビフェニル型エポキシ樹
脂のみであるために、急激に硬化が始まり成形性が悪
く、ボイドやワイヤ変形を起こして不良発生が多かっ
た。
【0047】また、実施例2と比較例3、および実施例
3と比較例4は、それぞれ全体的にみた樹脂組成は全く
同じであるが、実施例2、3においては、粉体混合によ
るビフェニル型エポキシ樹脂およびクレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂の個々の領域があるために成形性およ
びフィラ一高充填化を両立できたが、比較例3、4にお
いては、 2種類のエポキシ樹脂をミクロ的に混合したた
めに良好な溶融特性が得られなかった。そのため、不良
発生率が高くなった。
【0048】次に 2種類のエポキシ樹脂の混合割合を変
えた場合、実施例3、4では 2種類のエポキシ樹脂の混
合による成形性およびフィラー高充填化を両立できた
が、参考例1、2においてはそれぞれクレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂およびビフェニル型エポキシ樹脂に
偏っているため、比較例1、2よりは多少の改善がみら
れたものの十分には良好な成形性およびフィラー高充填
化が得られなかった。
【0049】各樹脂組成物領域の大きさを変えた場合、
実施例5、6、7では良好な結果が得られたが、参考例
3では、各領域の大きさが大きすぎるため樹脂の均一性
が失われ、樹脂の機械的強度が低下して不良発生率が高
くなった。また参考例4では、各領域の大きさが小さす
ぎるため、加熱時に各領域が均一に混合してしまい、粉
体混合系における良好な成形性が得られなかった。
【0050】この 2種類の樹脂組成物が各領域を形成す
る樹脂系は、封止用樹脂シートを用いた封止法以外に
も、トランスファ成形法でも検討した。実施例8におい
ては、粉体混合によるビフェニル型エポキシ樹脂および
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の個々の領域があ
るために成形性およびフィラー高充填化を両立できた
が、ビフェニル型エポキシ樹脂を単独で用いた比較例5
では、トランスファ成形法においても不良発生率が高く
なった。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、複
素弾性率の実数部変化で極小点が存在しない樹脂組成物
と存在する樹脂組成物とを相互に混合することにより、
加熱溶融したときに初期の低粘度状態をある程度長く維
持した後、急激に硬化する硬化特性とフィラーを高充填
できる特性とを兼ね備えた樹脂組成物を得ることができ
る。その結果、トランスファ成形法またはシート成形法
を用いて作製される樹脂封止型半導体装置に適用するこ
とで、長期にわたって良好な信頼性を有する樹脂封止型
半導体装置を得ることができる。
【0052】さらに本発明では、特にビフェニル型エポ
キシ樹脂に代表されるフィラー高充填樹脂とノボラック
型エポキシ樹脂に代表される低粘度樹脂を粉体状態で混
合し、タブレットまたはシート状に加工した樹脂を用い
て半導体パッケージを成形することで、加熱溶融したと
きに初期の低粘度状態がある程度長く続き、その後一気
に硬化してしまうというノボラック型エポキシ樹脂の理
想的な硬化特性とフィラーを高充填できるというビフェ
ニル型エポキシ樹脂の両方の長所を兼ね備えた特性を有
するエポキシ樹脂組成物が得られる。したがってこの樹
脂組成物を用いたパッケージは、ボイドやワイヤ変形の
発生がなく、外観が良好でしかもフィラーを高充填でき
ることから、リフロー後においても、長期にわたって良
好な信頼性を有する樹脂封止型半導体装置を製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂封止型半導体装置の製造に使用される金型
の構造を表す図である。
【図2】本発明において、 2種類の樹脂組成物が相互に
混合している状態を模式的に示す図である。
【図3】パッケージの成形法を示す図である。
【図4】ビフェニル型エポキシ樹脂組成物の複素弾性率
の変化を示す図である。
【図5】ノボラック型エポキシ樹脂組成物の複素弾性率
の変化を示す図である。
【図6】ビフェニル型およびノボラック型エポキシ樹脂
組成物を均一状態に混合したエポキシ樹脂組成物の複素
弾性率の変化を示す図である。
【図7】ビフェニル型およびノボラック型エポキシ樹脂
組成物の混合樹脂系とした本発明のエポキシ樹脂組成物
の複素弾性率の変化を示す図である。
【符号の説明】
1………半導体素子、2………内側金型、3………外側
金型、4………未硬化封止用樹脂シート、5………バ
ネ、6………フィルムキャリア、7………封止樹脂、8
………第1の樹脂組成物領域、9………第2の樹脂組成
物領域。
フロントページの続き (72)発明者 善積 章 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平7−216054(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィラー量が 85 〜 95 重量%配合され
    ており、かつ加熱硬化時の複素弾性率の実数部変化で極
    小点が存在しない第1の樹脂組成物と、加熱硬化時の複
    素弾性率の実数部変化で極小点が存在する第2の樹脂組
    成物とを、それぞれの単独樹脂組成の領域を保持した状
    態で混合してなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 フィラー量が 85 〜 95 重量%配合され
    ており、かつ式(I)で表されるビフェニル型エポキシ
    樹脂 【化1】 (ここで、R1 はHまたはメチル基であり、R2
    2'、R3 、R3'、R4 、R4'、R5 、R5'は、H、C
    l、Brまたはメチル基、エチル基、イソプロピル基、
    ブチル基、フェニル基を少なくとも含む有機基を示す。
    nは 0〜5 の整数である。)を主剤とする第1の樹脂組
    成物と、式(II)で表されるノボラック型エポキシ樹
    脂 【化2】 (ここで、R6 、R7 は、Hまたはメチル基、エチル
    基、イソプロピル基、ブチル基を少なくとも含む有機基
    を表す。mは 0〜 10 の整数である。)を主剤とする第
    2の樹脂組成物とを、それぞれの単独樹脂組成の領域を
    保持した状態で混合してなることを特徴とする熱硬化性
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記第1の樹脂組成物および前記第2の
    樹脂組成物のそれぞれの単独樹脂組成の領域が、平均 2
    0 〜800 μmの大きさであることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の熱硬化性樹脂組成物。
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