JP3441181B2 - 超耐熱合金鋼の劣化検出方法 - Google Patents

超耐熱合金鋼の劣化検出方法

Info

Publication number
JP3441181B2
JP3441181B2 JP22432794A JP22432794A JP3441181B2 JP 3441181 B2 JP3441181 B2 JP 3441181B2 JP 22432794 A JP22432794 A JP 22432794A JP 22432794 A JP22432794 A JP 22432794A JP 3441181 B2 JP3441181 B2 JP 3441181B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current density
temperature
alloy steel
resistant alloy
use temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22432794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0886768A (ja
Inventor
潔 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP22432794A priority Critical patent/JP3441181B2/ja
Publication of JPH0886768A publication Critical patent/JPH0886768A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3441181B2 publication Critical patent/JP3441181B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、例えばガスタービンの
高温部品などに使用される超耐熱合金鋼の、その合金鋼
の経年時効劣力を非破壊的に検出する超耐熱合金鋼の劣
化検出方法に関する。 【0002】 【従来の技術】ガスタービンの高温部品は、1000℃〜13
00℃の温度領域にさらされているため、その材料はNi
基あるいはCo基の超耐熱合金鋼が使用されている。こ
の超耐熱合金鋼はNiあるいはCoの母相中に、化合物
や炭化物を微細に析出させたり(析出強化型)、あるい
は合金元素をその母相中に固溶させたりして(固溶強化
型)、材力の強度保証を図っている。 【0003】しかしながら、これら析出強化型にしろ、
また固溶強化にしろ高温の下、長時間使用していると、
金属粒界間などに析出物が出たり、または析出物が成長
したりして材料の機械的諸種特性を劣化させる要因にな
っている。この劣化には、じん性の低下、き裂伝播速度
の上昇、クリープ変形速度の上昇がある。このため、ガ
スタービンの高温部品を保守点検する場合、併せて材料
の時効劣化も検査しておく必要がある。この時効劣化
は、高温部品の今後の寿命評価の判断基準にもなるだけ
に、極めて大切である。 【0004】時効劣化の検査方法には、例えば特公昭62
-37340号公報に見られるように、材料の金属粒界間にあ
らわれている析出物の溶解反応に着目した電気化学的な
ものがある。この電気化学的な時効劣化検査方法は、図
7に示されているように、被検体に電解液を浸し、析出
物の溶解度合を電位変化として測定し、その測定電位か
ら2次ピーク値のアノード電流密度を求め、求めたアノ
ード電流密度をもとにして材料の時効劣化を把握し、以
後の材料の余寿命を予測していた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の時効
劣化検査方法は、金属粒界間に存する析出物を前提とし
て、その析出物の電解液による溶解度合によってのみ時
効劣化度合を把握していたものである。 【0006】ところが、時効劣化の因子となる析出物は
使用実温度と密接な関係があり、使用実温度の大小によ
って析出物の出現または成長過程に直接影響を与えるこ
とを考え併せると、従来のように、実使用温度を考慮し
ないまま、析出物の存在のみをもって時効劣化を把握し
ていたのでは的確な材料余寿命の予測は難しい。 【0007】したがって、この種分野における検査方法
では、使用実温度を推定できる手法を求め、推定使用実
温度の下に、析出物の出現または成長過程を加味して時
効劣化を把握することが必要になってきている。 【0008】本発明は、経年劣化に伴って変化する析出
物の出現または成長過程が使用実温度に密接な関係にあ
ることに着目したものであって、この使用実温度を的確
に推定することにより材料の時効劣化を把握しようとす
る超耐熱合金鋼の劣化検出方法を公表することを目的と
する。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の超耐熱合金鋼の
劣化検出方法は、上記目的達成のために、分極計測装置
により被検体のアノードピーク電流密度を検出するとと
もに、被検体の使用時間を測定し、これら検出値、測定
値を、予め定められているアノードピーク電流密度−使
用時間および使用温度の特性線図にプロットして被検体
の使用温度を推定する工程と、予め定められている被検
体の使用温度線図に上記被検体の推定使用温度をプロッ
したことにより得られる曲線と上記被検体のアノード
ピーク電流密度との交点から被検体の機械的特性を算出
する工程とを有するものである。 【0010】 【作用】上記構成によれば、被検体のアノードピーク電
流密度と、被検体の使用時間とにより、予め定められて
いるアノードピーク電流密度−使用時間の特性線図にプ
ロットするだけで推定使用実温度を容易に知ることがで
きる。したがって、析出物の出現または成長過程を、推
定使用実温度の下で把握し、その上で被検体のアノード
ピーク電流密度との交点から被検体の機械的特性を算出
すれば、材料の余寿命の予想精度が高まる。 【0011】 【実施例】本発明にかかる超耐熱合金鋼の劣化検出方法
につき、その実施例を説明する。本発明の実施例の説明
に先立ち、最初、すでに知られているこの種検出装置の
構成を図1を用いて説明する。 【0012】図1は、この種検出装置の略示図である。
この検出装置は、被検体である金属材料に電解液を浸
し、その際生成される電位変化を求め、金属材料の時効
劣化を電気化学的に検出記録するものである。 【0013】超耐熱合金鋼の時効劣力を検出記録する場
合、図示のように被検体としてのサンプル1に分極計測
装置2の電解液6を直接接触させている。分極計測装置
2には、白金製の対極4、照合電極5が設けられる一
方、サンプル1に電解液6が直接接触する開口部7にパ
ッキング3が設けられている。 【0014】対極4、照合電極5は、リード線を経てポ
テンショスタット8に接続され、ポテンショスタット8
には電位掃引のためのスキャナー9と電荷を測定するク
ーロンメータ10が接続されている。また、負荷された電
位に対応して変化する分極電流密度は対数変換器11を経
て記録計12により記録されている。 【0015】本実施例に用いる被検体としてのサンプル
1は、IN738LCと称するNi基超耐熱合金鋼であ
り、ガスタービン動翼などに使用されるものである。ま
た、サンプル1は未使用材およびガスタービン動翼とし
て長時間に亘って使用した時効材を用いた。時効材は使
用温度800 ℃,850 ℃,900 ℃の3種類の下でさらされ
たものであり、そのときの使用時間は3,000hr ,1,000h
r ,24,000hrである。 【0016】これら時効材の分極計測に先立ち、まずサ
ンプルのミクロ組織を電子顕微鏡で観察した、図3に示
す組織変化が認められた。図3によれば、未使用材は、
Ni基の母相13に矩形のγ′相14が微細に分布してい
る。また、金属粒界間には板状のγ′相15が認められ
た。 【0017】使用温度 800℃の時効材は、使用時間 3,0
00hr,10,000hrの下で、粒内の矩形γ′相14に顕著な変
化は認められていないが、使用時間24,000hr下では矩形
γ′相14に粗大化と形状的に円形化した成長変化が認め
られた。なお、この場合のγ′相15の形状変化は認めら
れていない。 【0018】使用温度 850℃の時効材は、粒内のγ′相
14が時効時間の増加に伴って粗大化と円形化の程度が増
している。さらに、金属粒界間には、使用時間10,000hr
の下、針状相16が認められ、使用時間24,000hrの下では
針状相16が成長していることが認められた。 【0019】使用温度 900℃の時効材は、粒内のγ′相
14が時間の経過とともに粗大化と円形化が進んでおり、
その量的変化は同じ使用時間で比較した場合、使用温度
850℃のものよりも大きくなっている。ただし、使用温
度 900℃の時効材には、金属粒界間に針状相が認められ
なかった。 【0020】図3中にはじん性の尺度となるシャルピー
衝撃値Cvの値を示しているが、使用温度 800℃, 900
℃における使用時間 24000hr下での時効材は、それぞれ
Cv値 1.2×105 J/m2 , 1.4×105 J/m2 であ
り、未使用材の 1.6×105 J/m2 に比べてCv値は低
下しているものの低下率は大きくない。ところが使用温
度 850℃における使用時間24000hr の下での時効材のC
v=0.75×105 J/m2と未使用材の1/2以下に大き
く低下している。この理由は、使用温度 850℃で金属粒
界間に析出した針状相16が脆い特性を有し、衝撃試験に
おいて粒界破壊を呈するためである。以上の様に、じん
性の低下すなわち脆化は、粒内の矩形相γ′相14の粗大
化と、針状相16の析出によって生じ、特に針状相16が析
出した場合に脆化の程度が大きい。 【0021】次に、上述サンプルについて分極による電
流密度を計測した。電流密度を計測するにあたり、電解
液は 0.1規定の硫酸と10-4モル/lのチオシアン酸カリ
ウムの混合水溶液を用いた。この電解液はγ′相14およ
び針状相16を溶解する。このため掃引速度1mV/sec
で分極試験を行ったところアノードピーク電流密度Ip
は各温度とも時効時間が長くなるにつれて増加した。図
4に分極曲線の例を示す。 【0022】図5は以上の様に計測したアノードピーク
電流密度Ipとシャルピー衝撃値の関係を図示したもの
である。同じIp値でも時効温度によってシャルピー衝
撃値に差異が認められ、特に使用温度 850℃の時効材の
衝撃値の低下が著しいことが判る。この理由として、I
p値は粒界、粒内を問わず全てのγ′相および針状相の
溶解電流を反映しており、一方脆化に大きく影響する針
状相は粒界に偏在し、その絶対量が少ないためにIp値
の中に占める割合が小さいことによる。 【0023】したがってIp値を非破壊計測値とした場
合、このままでは脆化度の評価値は使用温度が判らなけ
れば大きな誤差を生ずることになる。ところでIp値の
ほとんどを占めている粒内γ′相14の挙動は図3で示し
たように、使用温度Tが高いほど、使用時間tが長いほ
ど粗大化及び円形化が進んでいる。したがって、Ip値
はラーソンミラーパラメータに類似した温度・時間パラ
メータで統一的に関係づけることが可能である。図6に
この関係の一例を示す。検査時点でのサンプルの使用時
間tは既知であるから、図6の関係を用いることによ
り、サンプルの使用温度Tを推定することが可能にな
る。サンプルの使用温度が判った後、図5に示す温度毎
の評価線を用いて脆化度合の評価を高精度の下で行うこ
とができる。このような手順は図2に示す通りである。 【0024】以上の通り、本実施例によれば、分極によ
りアノードピーク電流密度Ipを求め、この求めたIp
と使用時間tとから使用温度Tを推定し、次に使用温度
毎によって得られるIpとシャルピー衝撃値Cvとの関
係から、そのCvを高精度の下で評価することができ
る。 【0025】なお、本実施例では分極によるアノードピ
ーク電流密度Ipを求め、求めたIpと使用時間tとか
ら使用温度Tを推定する手法を述べたが、この実施例に
限らず、電磁気法、超音波法、硬さ法などの他の寸法で
も金属粒界間の析出物の成長過程がわかれば、使用温度
Tの推定ができる。また、本実施例のサンプルとしてI
N738LCを使用したが、他の超耐熱合金鋼でもよ
い。 【0026】 【発明の効果】以上述べたように、本発明にかかる超耐
熱合金鋼の劣化検出方法によれば、被検体の分極により
アノードピーク電流密度と使用時間とを求め、求めた検
出値、測定値とから被検体の使用温度を推定する手法を
採ったので、使用温度が析出物の出現または成長過程に
与える影響が大きいことを考え併せると、被検体の経年
劣力の評価基準を従来よりも一段と高精度の下で評価す
ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】分極計測装置の実施例を示す略示図。 【図2】本発明にかかる超耐熱合金鋼の劣化検出方法の
実施例を示すブロックフロー図。 【図3】未使用材の金属組織が、使用時間 3,000hr,1
0,000hr,24,000hr、使用温度800 ℃,850 ℃,900 ℃
の下で、金属組織がどのように変化するかをあらわした
模式図。 【図4】アノード電流密度と電位との関係を示すグラ
フ。 【図5】アノードピーク電流密度とシャルピー衝撃値と
の関係を示すグラフ。 【図6】アノードピーク電流密度と使用温度との関係を
示すグラフ。 【図7】一般的なアノード電流密度と電位との関係を示
すグラフ。 【符号の説明】 1 サンプル 2 分極計測装置 4 対極 5 照合電極 6 電解液 8 ポテンショスタット 9 スキャナー 10 クーロンメータ 11 対数変換器 12 記録計 13 母相 14,15 γ′相 16 針状相

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 分極計測装置により被検体のアノードピ
    ーク電流密度を検出するとともに被検体の使用時間を測
    定し、これら検出値、測定値を、予め定められているア
    ノードピーク電流密度−使用時間および使用温度の特性
    線図にプロットして被検体の使用温度を推定する工程
    と、予め定められている被検体の使用温度線図に上記被
    検体の推定使用温度をプロットしたことにより得られる
    曲線と上記被検体のアノードピーク電流密度との交点か
    ら被検体の機械的特性を算出する工程とを有する超耐熱
    合金鋼の劣化検出方法。
JP22432794A 1994-09-20 1994-09-20 超耐熱合金鋼の劣化検出方法 Expired - Fee Related JP3441181B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22432794A JP3441181B2 (ja) 1994-09-20 1994-09-20 超耐熱合金鋼の劣化検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22432794A JP3441181B2 (ja) 1994-09-20 1994-09-20 超耐熱合金鋼の劣化検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0886768A JPH0886768A (ja) 1996-04-02
JP3441181B2 true JP3441181B2 (ja) 2003-08-25

Family

ID=16812024

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22432794A Expired - Fee Related JP3441181B2 (ja) 1994-09-20 1994-09-20 超耐熱合金鋼の劣化検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3441181B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100776641B1 (ko) * 2006-06-27 2007-11-15 한국원자력연구원 유전 완화 특성을 이용한 고분자 재료의 열화 평가 방법
JP4664399B2 (ja) * 2008-07-31 2011-04-06 財団法人発電設備技術検査協会 高Cr系鋼構造物のじん性評価方法
JP6344741B2 (ja) * 2015-01-30 2018-06-20 三菱日立パワーシステムズ株式会社 使用温度推定方法およびクリープ寿命推定方法
JP6704747B2 (ja) * 2016-02-18 2020-06-03 三菱日立パワーシステムズ株式会社 合金材料の評価方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0886768A (ja) 1996-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6280603B1 (en) Electrochemical noise technique for corrosion
CN111141670B (zh) 一种氯化物熔盐腐蚀的在线监测与调控方法
JP3441181B2 (ja) 超耐熱合金鋼の劣化検出方法
JPH06249828A (ja) 電気化学的分極法による低合金鋼の炭化物検出方法
JP3486315B2 (ja) 焼戻しマルテンサイト鋼の高温損傷評価方法
JP6963745B2 (ja) 高Cr鋼のラーベス相検出方法
JPH05223809A (ja) γ’相析出強化型合金の残余寿命推定方法
JPH07225217A (ja) 金属材料の時効劣化検出方法
JPH0345790B2 (ja)
JP2729679B2 (ja) 電気化学的手法によるクロム・モリブデン鋼の経年脆化および軟化損傷評価法
JPH07128274A (ja) 金属材料の劣化検出方法
JP4342715B2 (ja) ニッケル基合金の粒界腐食性診断方法
JP2801741B2 (ja) ガスタービン高温部品の損傷診断法
JP4236746B2 (ja) 電池用負極材の酸化度の検査方法
JPH07128328A (ja) 金属材料の劣化および余寿命予知方法
JP3224053B2 (ja) 耐熱金属の非破壊試験方法及び装置
JPH0198953A (ja) クリープ切欠き弱化の非破壊診断方法
JPS5860248A (ja) 高温機器の寿命予知法
JPH01129154A (ja) 金属材料の脆化度検査法および装置
JP3853250B2 (ja) 局部腐食センサ、及び同局部腐食センサを使用した局部腐食検出方法並びに局部腐食検出装置
JPS60260839A (ja) 電気化学的劣化度測定法
JP3935692B2 (ja) Ni基合金製部品の温度推定方法
JPH08262009A (ja) 高温部材の余寿命評価法
JPH02157642A (ja) 金属材料の劣化度評価のための電気化学計測用ジェル電極
Ling et al. Measurement of Creep Damage by Natural Frequency Method (NFM)(NDE1)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090620

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees