JP3441051B2 - 原子間力顕微鏡、トンネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル顕微鏡に用いる探針及びカンチレバー並びにその作製法 - Google Patents

原子間力顕微鏡、トンネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル顕微鏡に用いる探針及びカンチレバー並びにその作製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子間力顕微鏡、
トンネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル顕微鏡に用いる
探針及びカンチレバー並びにその作製法に係る。より詳
細には、高解像度の像が安定して得られ、かつ、汚染し
た際には熱的な清浄化処理の可能な、原子間力顕微鏡、
トンネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル顕微鏡に用いる
探針及びカンチレバー並びにその作製法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、試料の微小領域における形状や性
質を調べる手段として、原子間力顕微鏡、トンネル顕微
鏡及びスピン偏極トンネル顕微鏡が多用されつつある。
【0003】原子間力顕微鏡又はトンネル顕微鏡に用い
るカンチレバーの先端には探針が設けてあり、この探針
を構成する材料としては、例えばSi、W、Pt、Pt
−Ir合金等が用いられてきた。また、原子間力顕微鏡
では、絶縁物である窒化シリコンや、酸化シリコンが使
われる場合もある。材料がSiからなる探針を作製する
方法としては、通常、上記材料を棒状に切り出し、その
棒状の中間部を電解液中に浸漬して、電解エッチングす
る方法が用いられる。ときには、その後、エッチングし
た部品に対してイオンミリングを行い、その先端の微細
化を図っていた。また、材料がW、Pt、Pt−Irの
場合には、各材料からなるワイヤを上記の技術で加工す
ることによって探針を作製していた。
【0004】しかしながら、原子間力顕微鏡(AFM)
で用いる探針には次のような問題があった。 (1−1)イオンミリングを行っても、探針の先端部を
原子オーダーの寸法の形状にすることはできない。 (1−2)大量生産が困難であり、探針の価格が高くな
る。 (1−3)探針材料がSiの場合には、水酸化カリウム
溶液などでのエッチング速度に面内依存性があることを
利用して、異方性エッチングを行うことで大量生産が可
能であるが、先端部を原子オーダーの寸法の形状にする
ことはできない。 (1−4)異方性エッチングにより形成したSiの探針
は、軸方向の断面が円ではないため、原子間力顕微鏡や
トンネル顕微鏡での観察像に、探針の形状の影響が含ま
れてしまう。 (1−5)異方性エッチングにより形成したSiの探針
は、探針の軸方向の長さと基部の幅とのアスペクト比が
小さいため、微細な凹凸を有する試料の測定時には、探
針が試料の深部に充分近づけることができない。 (1−6)上述した材料で作製した探針は、試料に接触
させた際に、その探針の先端が塑性変形したり、汚染さ
れる。塑性変形が生じる理由は、材料が柔らかいためで
あった。 (1−7)一度、試料との接触により汚染された探針
は、そのままの状態では清浄化することはできない。す
なわち、装置から一度取り外してクリーニングする必要
がある。 (1−8)探針をクリーニングする方法としては、熱ク
リーニングを用いると、探針の先端の形状が鈍ってしま
うという問題がある。しかし一般に、熱クリーニング以
外では、探針の先端をクリーニング処理することはでき
ない。そのため、通常、汚染された探針は、使い捨てで
あった。このことは、特に、原子間力顕微鏡において大
きな欠点であった。何故なら、原子間力顕微鏡では、コ
ンタクトモード、すなわち、探針と試料を接触させて測
定するモードで測定が行われるからである。
【0005】走査型トンネル顕微鏡(STM)において
は、解像度の高い像を得るためには、探針からの電子の
取り出し効率が高い方が望ましい。この理由から、探針
は仕事関数の小さな材料が好適であり、従来は金属が用
いられていた。
【0006】しかしながら、走査型トンネル顕微鏡(S
TM)で用いる探針には次のような問題があった。 (2−1)金属を探針に用いると、前述したような、探
針の先端が塑性変形する問題、及び、一度汚染された探
針の先端はクリーニングができないという問題があっ
た。 (2−2)探針としてGaAsなどの従来からある半導
体を用いた場合には、その仕事関数が大きいため試料と
探針との間に大きな引き出し電圧をかける必要があっ
た。そのため、探針の先端以外と試料間でトンネル電流
が流れることがあり、正しい像が得られなかった。 (2−3)上述した引き出し電圧を下げるためには、試
料と探針との間の距離を近づける必要があった。ところ
が、微細な表面構造を有する試料では、探針を充分近づ
けることができない。そのため、像がぼけてしまうとい
う問題があった。
【0007】電子スピンと試料との相互作用を利用する
スピン偏極トンネル顕微鏡(SP−STM)において
は、スピン偏極した電子を探針から取り出すことが必要
である。スピン偏極した電子を探針から取り出すために
は、金属からなる探針を用いることができない。金属か
ら出てくる電子は、通常はランダムなスピンを持つから
である。そこで、探針材料を半導体とし、円偏光の光ビ
ームを探針に当て、スピン偏極した電子を取り出す試み
がある。そこでは、通常針材料としてGaAsを用い
ていた。しかし、GaAsでは仕事関数が大きいこと
と、GaAsのバンド構造における価電子帯のライトホ
ールとヘビーホールとの縮退が、スピン偏極した電子の
取り出し効率を低下させてしまうこと、などの問題があ
った。
【0008】また、従来の探針は、フォーカストイオン
ビームなどのエッチング技術を用いて、加工することに
より作製されている。そのため、探針を構成している材
料に加工による損傷が導入されやすい。そのため、探針
の先端では、結晶性の劣化に伴い材料の物性が劣化す
る。例えば、バンド構造が乱れているため、先端にTE
偏波の円偏光を照射して取り出した電子のスピン偏極率
が低下する。この結果、スピン偏極トンネル顕微鏡の分
解能やコントラストなどの画質が劣化してしまうという
問題があった。また加工で作製しているので、探針の先
端形状は複数の原子からなる集合体となってしまう。そ
のため、これを顕微鏡に応用したとき、空間分解能が低
くなるという問題があった。
【0009】さらに、従来、探針として有用な形状であ
る錐状の構造を結晶成長で形成しようとしても、その方
法がなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、量産
性が高く、原子オーダーの微細な先形状を有し、塑性
変形少なく、先端が汚染した際に清浄化が可能な、原
子間力顕微鏡、トンネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル
顕微鏡に用いる探針及びカンチレバー並びにその作製法
を提供することである。
【0011】また、本発明の他の目的は、高電圧の印加
が容易な、トンネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル顕微
鏡に用いる探針及びカンチレバー並びにその作製法を提
供することである。
【0012】さらに、本発明の他の目的は、スピン偏極
電子の取り出し高い、スピン偏極トンネル顕微鏡に用
いる探針及びカンチレバー並びにその作製法を提供する
ことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明、原子間力顕微
鏡、トンネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル顕微鏡に用
いる探針であって、In1-X-YGaXAlYN(但し、0
≦X,Y,X+Y≦1)をαと定義したとき、少なくと
も表面が、互いに組成の異なる複数のαの薄層で構成さ
れた積層構造を有することを特徴とする。本発明は、原
子間力顕微鏡、トンネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル
顕微鏡に用いる探針であって、In 1-X-Y Ga X Al Y
(但し、0≦X,Y,X+Y≦1)をαと定義したと
き、少なくとも表面が、αからなる平坦な薄層、該薄層
上に設けた六角柱状のαからなる結晶、及び、該六角柱
状のαからなる結晶上に設けた六角錐状のαからなる結
晶、で構成された積層構造を有することを特徴とする。
【0014】上記構成とすることによって、以下に示す
作用が得られる。
【0015】上記構成は、αからなる材料を大面積基
板上に結晶成長し、その後、基板から切り出すことによ
って探針を作製できるため、高い量産性を有する、原子
間力顕微鏡、トンネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル顕
微鏡に用いる探針が得られる。
【0016】探針の表面をαからなる材料で構成した
ため、従来の探針材料に比べて硬さが増加する。その結
果、探針を試料に接触させて用いた場合でも、探針の先
端は塑性変形しにくい。従って、試料との接触破壊によ
る探針の交換頻度を減らすことができる。よって、装置
の稼働率の高い、原子間力顕微鏡、トンネル顕微鏡又は
スピン偏極トンネル顕微鏡に用いる探針を提供すること
ができる。
【0017】探針の表面を構成するαからなる材料
は、従来の探針材料に比べて融点が高いので、上記構成
の探針は耐熱性が著しく向上する。その結果、探針が汚
染した際に、探針の熱クリーニング処理を行っても探針
の先端の形状が鈍ることが無い。従って、探針の熱クリ
ーニング処理が可能となるので、仮に汚染しても再利用
することができる、原子間力顕微鏡、トンネル顕微鏡又
はスピン偏極トンネル顕微鏡に用いる探針が得られる。
【0018】αからなる材料は、従来の材料であるG
aAs等が対象性のよい立方晶構造であるのに対して、
より対性の低い六方晶構造であるため、価電子帯での
軽い正孔と重い正孔との縮退が解けている。従って、外
部から、TE偏波の円偏光を照射すると効率良く重い正
孔を励起することができる。その結果、スピン偏極トン
ネル顕微鏡用の探針として好適な、スピン偏極した電子
を放出しやすい探針が得られる。
【0019】上記特徴において、探針の表面に、互いに
組成の異なる複数のαの薄層で構成された積層構造を有
することによって、積層構造をなす材料に歪みをかける
ことができるので、材料のバンド構造内の価電子帯の縮
退をさらに解けた状態とすることができる。従って、外
部から、TE偏波の円偏光を照射したとき、より効率良
く重い正孔を励起することができるので、スピン偏極し
た電子の放出特性がさらに優れた探針の提供が可能とな
る。
【0020】また上記特徴において、探針の表面に、α
からなる平坦な薄層、該薄層上に設けた六角柱状のαか
らなる結晶、及び、該六角柱状のαからなる結晶上に設
けた六角錐状のαからなる結晶、で構成された積層構造
を有することによって、所定の太さを有し、かつ、先端
部が原子オーダーで鋭角な探針が得られる。柱状部が細
長ければ凹凸の激しい試料に対して探針の先端を近づけ
ることができる。このような先端形状の探針を、原子間
力顕微鏡、トンネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル顕微
鏡に用いることで、空間分解能の向上が図れる。
【0021】特に、前記六角錐状のαからなる結晶のバ
ンドギャップエネルギが、前記六角柱状のαからなる結
晶のバンドギャップエネルギより小さい場合、探針の長
手方向の錐状部先端の反対側、つまり柱状部の底部か
ら、スピン偏極トンネル顕微鏡の探針に照射する光のエ
ネルギを、六角柱状のαからなる結晶のバンドギャップ
エネルギより小さく、かつ、六角錐状のαからなる結晶
のバンドギャップエネルギより大きくすることによっ
て、上記照射光は、六角柱状のαからなる結晶では吸収
されることなく、六角錐状のαからなる結晶を選択的に
励起することができる。従って、探針の先端部から、効
率良く電子を引き出すことが可能となる。ここで、αか
らなる平坦な薄層が厚い時には、照射光が強く吸収され
るのを避けるために、薄層のバンドギャップエネルギを
照射光のエネルギより大きくすることが重要である。
【0022】本発明に係る、原子間力顕微鏡、トンネル
顕微鏡又はスピン偏極トンネル顕微鏡に用いるカンチレ
バーは、上記構成の探針が、αの単結晶薄層からなる平
板に支持されている構造を有することを特徴とする。こ
の構成からなるカンチレバーは、錐状部と柱状部からな
る探針が、極めて薄いαの単結晶平坦層からなる平板で
支持されているため、例えば原子間力顕微鏡に用いた場
合、光天秤部が軽く、かつ、非常にしなやかに動くこと
が可能となり、感度が著しく向上する。また、この構造
のカンチレバーは、トンネル顕微鏡やスピン偏極トンネ
ル顕微鏡においても、同様の作用が得られる。
【0023】本発明に係る原子間力顕微鏡、トンネル顕
微鏡又はスピン偏極トンネル顕微鏡に用いる探針の作製
法は、基板上に、αからなる平坦な薄層を成長する工程
と、前記薄層上に、絶縁膜からなり単数もしくは複数の
孔部を有する選択成長マスクを形成する工程と、前記孔
部を通して露出している前記薄層上に、六角柱状のαか
らなる結晶を成長する工程と、前記六角柱状のαからな
る結晶上に、六角錐状のαからなる結晶を成長する工程
と、を有することを特徴とする。すなわち、本発明の探
針の作製法は、探針の表面を構成する部分を全て結晶成
長によって作製しているので、上述した従来の作製法に
比べて遥かに優れた結晶性を有する探針を形成できる。
特に、本発明に係る探針の作製法は、最初の3つの工程
では、孔部のサイズを制御することにより基板上に所定
の太さの探針を形成することができ、続く4つ目の工程
により鋭角な形状を有する先端部を作製する。従って、
各工程における結晶の成長条件を適宜選択することによ
り探針の先端を尖らせ、先端部を構成している原子数を
ほぼ一原子とすることができる。その結果、理想的な先
端形状の探針が作製できるので、原子間力顕微鏡、トン
ネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル顕微鏡における空間
分解能の著しい向上が図れる。
【0024】特に、前記六角柱状のαからなる結晶を成
長する工程において、有機金属気相成長法を用い、該六
角柱状のαからなる結晶の成長温度(℃)と、V族原料
の供給量(モル数)をIII族原料の供給量(モル数)
で割った数値を表すV/III比との組合せを、上述し
た4つの点a、b、c、dを結んで作られる四角形の範
囲内にある組合せとし、かつ、前記六角錐状のαからな
る結晶を成長する工程において、有機金属気相成長法を
用い、該六角錐状のαからなる結晶の成長温度(℃)
と、V族原料の供給量(モル数)をIII族原料の供給
量(モル数)で割った数値を表すV/III比との組合
せを、上述した4つの点e、f、g、hを結んで作られ
る四角形の範囲内にある組合せとすることによって、六
角柱状のαからなる結晶が得られるとともに、該六角柱
状のαからなる結晶の上に六角錐状のαからなる結晶を
安定して形成することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明に係る、原子間力顕微鏡、
トンネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル顕微鏡に用いる
探針及びカンチレバー並びにその作製法は、上記α、す
なわち、In 1-X-YGaXAlYN(但し、0≦X,Y,
X+Y≦1)が、錐状成長しやすいことに着目して初め
てなされたものである。特に、本発明者は、αの成長に
おける表面の平坦な結晶成長条件を詳細に解析し、その
成長機構を初めて明らかにした。その成長機構を考察す
ることにより、初めて、αを錐状に成長させる方法と条
件を見出し、本発明を完成させた。
【0026】以下に、本発明の実施の形態を詳細に述べ
る。なお、実施の形態は一つの例示であって、本発明の
精神を逸脱しない範囲で、種々の変更あるいは改良を行
い得ることは言うまでもない。
【0027】(第1の実施の形態)図1は、本発明に係
る探針の構造を模式的に示した鳥瞰図である。図1にお
いて、1は(0001)面を表面とするサファイア基
板、2はαからなるバッファ層、3はαからなる単結晶
平坦層、4はαからなる柱状部、5はαからなる錐状部
である。以下では、αをGaN(X=1、Y=0の場
合)として、αの作製法として有機金属気相成長法(M
OVPE)を用いた一例を、作製手順に従い詳述する。
【0028】(1)有機金属気相成長装置として、炉の
形状が縦型の装置(不図示)を用いた。該装置の成長炉
内に、サファイア基板1の表面が、バッファ層2を成長
させる面となるように配置した。そして、成長炉内の圧
力を650Torrとし、成長炉の側壁は水冷した。サ
ファイア基板1の板厚は330μmとした。 (2)はじめに、アンモニア雰囲気中、温度1050℃
でサファイア基板1の表面を3分間窒化した。 (3)次に、膜厚20nmの非晶質状のGaNバッファ
層2を温度550℃で成長させた。このとき、窒素原料
としてアンモニアを用いた。その流量は5リットル毎分
(slm)とした。また、ガリウム原料としてはトリエ
チルガリウム(TEG)を用いた。TEGの容器である
バブラの温度は11℃であり、バブリングガスである水
素の流量は45cc毎分(sccm)とした。また、キ
ャリアガスは15(slm)とした。 (4)GaNバッファ層2を成長させた後、バッファ層
2を、窒素雰囲気中1050℃で9分間アニールし、単
結晶化を図った。 (5)次に、GaNバッファ層2の上に、1020℃で
GaN単結晶平坦層3を膜厚0.5μm成長させた。こ
の時、アンモニア流量は7.5slmとした。また、ガ
リウム原料であるトリメチルガリウム(TMG)は、バ
ブラ温度−2℃の条件下で水素バブリングガス25(s
ccm)を流すことにより供給した。また、この時の水
素キャリアガスは15(slm)とした。
【0029】その後、柱状部4や錐状部5を成長させ
た。これらの成長方法としては選択成長法を用いた。以
下に、その成長方法について述ベる。 (6)まず、成長した単結晶平坦層3の上に選択マスク
用に、スパッタリング法を用いて、膜厚約50nmの二
酸化シリコン膜9を形成した。 (7)次に、一般に用いられているフォトリソグラフイ
技術を用いて二酸化シリコン膜を部分的にエッチング
し、柱状部4を成長する領域の単結晶平坦層3を露出さ
せ、二酸化シリコン膜9からなる選択マスクを形成し
た。
【0030】図2は、この選択マスクを形成した後の様
子を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は
(a)のA−A’部分における断面図である。図2にお
いて、6はサファイア基板、7はGaNバッファ層、8
は単結晶平坦層、9は選択マスクとして機能する二酸化
シリコン膜、10は二酸化シリコン膜に設けた孔部であ
る。孔部10は一辺10μmの六角形であり、孔部の底
には単結晶平坦層3が露出した状態とした。孔部10を
六角形とした理由は、GaNの結晶構造が六方晶系であ
るため、その形状にマスクパタンを一致させるためであ
る。ここで、六角形パターンの各辺が、サファイア基板
6の[1−100]方向(すなわち窒化ガリウム薄膜の
[11−20]方向)に平行であることが重要である。
【0031】(8)次に、GaNからなる六角柱構造の
柱状部4を成長させた。まず、上記工程(7)を終えた
基板を再び反応炉に挿入し、不活性ガスおよび水素を数
slm流し、圧力を約76Torrに保った。 (9)次に、温度を約1040℃まで上げて、アンモニ
アを0.15Slmおよびトリメチルガリウムを約6μ
mol/minを追加導入した(V/III比は111
6)。ここで、V/III比=1116は、(アンモニ
アの供給モル数)/(トリメチルガリウムの供給モル
数)=(0.15/22.4)/(6×10 -6)で求ま
る数値である。
【0032】この追加導入により、孔部10を通して露
出したGaN単結晶平坦層3の上にだけ選択的にGaN
がエピタキシャル成長した。このとき、二酸化シリコン
膜9の上には窒化ガリウムは析出しなかった。その結
果、平坦な6つの垂直ファセット面{1−100}に囲
まれた、GaNからなる六角柱構造の柱状部4が形成さ
れた。 (10)柱状部4が所望の高さに成長した段階で、トリ
メチルガリウムの供給を停止し、柱状部4の成長を終了
した。
【0033】ここで{1−100}面がファセットとし
て出現する理由は、本成長条件下では{1−l00}面
が最も成長速度の遅い結晶面であるからである。 (11)最後に、GaNからなる六角錐構造の錐状部5
を成長させた。成長温度を900℃まで下げた後、アン
モニアの流量を0.5Slmまで増加し、再びトリメチ
ルガリウムを約12μmol/min供給した(V/I
II比は1860)。その結果、既に成長した柱状部4
の上面に、6つの{1−101}ファセット面に囲まれ
た六角錘構造の錐状部5が成長した。
【0034】ここで、{1−101}面がファセットと
して現れる理由は、本成長条件下では{1−101}面
が最も成長速度の遅い結晶面であるからである。なお、
{1−101}面が現れる成長条件の特徴は、上記の
{1−100}面が現れる成長条件に比べて、温度が低
く、かつ、アンモニアとトリメチルガリウムの流量比が
大きいことである。また、本成長条件では、{1−10
0}面も若干成長するため、六角柱の直径が若干大きく
なる。この結果、底面が一辺10.05μmの正六角形
であり、高さ12μmの六角錐が形成される。
【0035】図4は、六角柱構造の柱状部4および六角
錘構造の錐状部5が得られる成長条件を示すグラフであ
る。図4において、横軸はV族原料の供給量(モル数)
をIII族原料の供給量(モル数)で割った数値を表す
V/III比であり、縦軸は各構造を成長させるときの
温度である。図4から、それぞれの構造を成長するため
の成長条件は異なっていることが分かった。すなわち、
六角柱構造の柱状部4を成長するために必要な、成長温
度とV/III比の組み合わせは、(成長温度、V/I
II比)が、(1000、500)を点a、(100
0、3500)を点b、(1150、1000)を点
c、(1150、4000)を点dとしたとき、これら
4つの点a、b、c、dを結んで作られる四角形の範囲
内にある組合せであるのに対して、六角錐構造の錐状部
5を成長するために必要な、成長温度とV/III比の
組み合わせは、(成長温度、V/III比)が、(80
0、1000)を点e、(800、4000)を点f、
(950、1050)を点g、(950、4500)を
点hとしたとき、これら4つの点e、f、g、hを結ん
で作られる四角形の範囲内にある組合せであった。この
様な条件を選択することにより、それぞれの構造を作り
分けることができた。
【0036】また、上記工程(7)では、選択マスクの
窓(孔部10)の形状を六角形としたが、円形であって
も同様の柱状構造を成長できることも確認された。 (12)次いで、上記工程(11)を終えた基板から探
針を切り出した。はじめに、切り出しやすくするため
に、サファイア基板1の厚さが50μmになるように、
基板の裏面側からダイヤモンドペーストを用いて研磨し
た。その後、ダイヤモンドスクライバで所定の大きさの
矩形に切り出し、所望の探針を得た。
【0037】上記工程(1)〜(12)により作製した
探針を、従来からあるカンチレバーに張り付け、原子間
力顕微鏡に用いることができる。
【0038】上記工程ではサファイア基板1を用いた
が、トンネル顕微鏡やスピン偏極トンネル顕微鏡に用い
るためには、探針に電流を流す必要があるため、導電性
材料からなる基板を用いた方が便利である。例えば、窒
素ドープ6H−SiC基板を用いることができる。その
場合には、結晶の質を高めるために、純粋のGaNでは
なく、SiCに格子整合する結晶、例えばAl0.09Ga
0.91Nを用いることができる。その際、成長した結晶も
導電性となるように、成長中にシランガスを成長炉に流
して、Al0.09Ga0.91Nにおいて良質のドナーとなる
シリコンをドープすることによって、比抵抗が0.01
Ω/cmオーダーの結晶が容易に実現できる。
【0039】上記工程(1)〜(12)により作製した
探針は、その先端部が結晶成長によって作製されている
ため、その先端を原子オーダーの寸法とすることができ
る。従って、この探針を備えた、原子間力顕微鏡、トン
ネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル顕微鏡は、その測定
において、従来の加工法により作製された探針により、
高い分解能が得られた。また、この探針を、トンネル顕
微鏡(STM)やスピン偏極トンネル顕微鏡(SP−S
TM)に用いた場合には、探針の材料の仕事関数が小さ
いため、探針の先端から電子を取り出しやすくなり、S
/N比が高く、感度が向上することが明らかとなった。
この電子を取り出しやすいという効果は、α(=In
1-X-YGaXAlYN)の中ではAlNが最も優れてい
た。さらに、この探針を、スピン偏極トンネル顕微鏡
(SP−STM)に用いた場合、探針に光を照射してス
ピン偏極した電子を取り出す際に、照射光にTE波を用
いると、極めて励起効率が高くなる。観察時のS/N比
が高くなり、感度が高くなることが分かった。また、弱
い光で励起することができ、漏れ光による試料への影響
も小さくでき、理想的な測定が可能であった。また、こ
の探針は、汚染されたとき、通電加熱をすることによっ
て、探針先端の形状を塑性変形させることなく、汚染物
質を蒸発させて除去できることが確認された。
【0040】上記工程ではαをGaNとしたが、αをI
1-X-YGaXAlYN(但し、0≦X,Y,X+Y≦
1)としても、同様の結果が得られることが分かった。
以下にその例を2つ示す。
【0041】図1に示す探針の錐状部5を、GaNに
代えてAlNで形成する。他の構成は、上記説明と同様
とする。この場合、AlNの電子親和力は負であること
から、極めて低い引き出し電圧で電子を探針の先端から
取り出すことができる。そのため、この探針をトンネル
顕微鏡に用いると、探針の先端の形状があまり鋭くなく
ても、探針の先端以外の部分を構成する原子からのトン
ネル電流に対する寄与がほとんど無いため、分解能の高
い像が得られた。また、この構成の探針を用いた場合
は、低い電圧条件で試料を観察できるため、観察時に試
料に与える影響が少なくなり、あるがままの状態の観察
が可能となる利点を有する。
【0042】図1に示す探針において、単結晶平坦層
3をIn1-X-YGaXAlYN(但し、0≦X,Y,X+
Y≦1)で、柱状部4をGaNで、錐状部5をAlN
で、それぞれ構成する。他の構成は、上記説明と同様と
する。
【0043】特に、単結晶平坦層3を構成するIn
1-X-YGaXAlYNは、バンドギャップが2.4eVと
なる組成を選択する。この組成は、図5において、3つ
のポイント(GaN,AlN,InN)を結んで得られ
る領域と、縦軸2.4を通り横軸と平行をなす線分との
交わった部分である。
【0044】このような組成のIn1-X-YGaXAlY
は、GaNやAlNより小さなバンドギャップエネルギ
を有する。そのため、柱状部4の底部から、アルゴンイ
オンレーザを光源とした波長514.5nmの光を照射
すると、この光は柱状部4を構成するGaNには吸収さ
れずに、単結晶平坦層3を構成するIn1-X-YGaXAl
YNに達する。このIn1-X-YGaXAlYNにおいて、照
射光が吸収され、電子と正孔が発生する。そして、この
電子は、試料と探針に印加された電界により、容易にA
lNからなる錐状部5に移動する。AlNの電子親和力
は負であることから、試料に向けて、極めて低い引き出
し電圧で電子を放出することができる。このような構成
の探針は、電子放射の容易なAlNだけで探針を構成し
た場合(上記の場合)には必要であった波長200n
mより短い励起光源が不要になる、という利点を有す
る。すなわち、入手の困難な、短波長の光を発生できる
小型の光源を備える必要がないことから、トンネル顕微
鏡(STM)など装置の小型化や低価格化を図ることが
可能となった。
【0045】また、上述した例では、探針全体がα(=
In1-X-YGaXAlYN)で構成されている場合を示し
たが、探針の表面のみがαからなる材料で覆われた構成
としても、本願発明の効果が得られることも分かった。
その際、Nを導入するために用いる原料としては、例え
ばアンモニア、ヒドラジン、ジメチルヒドラジン、各種
のアミン類を用いることができる。Inを導入するため
に用いる原料としては、例えばトリメチルインジウム、
トリエチルインジウムが挙げられる。Gaを導入するた
めに用いる原料としては、例えばトリメチルガリウム、
トリエチルガリウムが好適である。Alを導入するため
に用いる原料としては、例えばトリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウムが望ましい。
【0046】さらに、上述した例では、探針の先端が単
―の材料で構成されている場合について示したが、探針
の先端表面を、αからなる材料の多層構造で構成しても
良い。特に、組成の異なる(一般に、格子定数の異な
る)層が積層されている場合、材料に歪みがかかり、材
料のバンド構造内の価電子帯の縮退が解ける。そのた
め、外部から、TE偏波の円偏光を照射すると、効率よ
く重い正孔を励起することができる。その結果、探針は
スピン偏極した電子を放出しやすくなる。この構成から
なる探針を、スピン偏極トンネル顕微鏡の探針として用
いたとき、測定の高感度化が図れることが明らかとなっ
た。
【0047】またさらに、上述した例において、六角錐
状のαからなる結晶のバンドギャップエネルギが、前記
六角柱状のαからなる結晶のバンドギャップエネルギよ
り小さくなるように、αの組成を選択して探針を作製す
る。このような構成の探針をスピン偏極トンネル顕微鏡
の探針として用い、柱状部の底面から、この探針に照射
する光のエネルギを、六角柱状のαからなる結晶のバン
ドギャップエネルギより小さく、かつ、六角錐状のαか
らなる結晶のバンドギャップエネルギより大きくするこ
とによって、上記照射光は、六角柱状のαからなる結晶
では吸収されることなく、六角錐状のαからなる結晶を
選択的に励起できることが分かった。その結果、探針の
先端部から、さらに効率良く電子を引き出すことが可能
となった。ここで、αからなる平坦な薄層が厚い時に
は、光吸収を少なくするために、薄層のバンドギャップ
エネルギを照射光のエネルギより大きくしておく方が良
い。
【0048】(第2の実施の形態)図3は、本発明に係
るカンチレバーの断面構造を示した模式図である。図2
において、11は探針の先端をなす錐状部11、12は
探針の柱状部、13は本発明に係るカンチレバーの特徴
である単結晶平坦層、14は導電性光反射膜である。
【0049】以下では、図3のカンチレバーの作製法
を、その作製手順に従って説明する。 (1)第1の実施の形態と同様にして、図1に示した構
成からなる所望の探針を形成した。その際、基板1の材
料をサファイアに代えてSiCを用いた点と、単結晶平
坦層3(図3の13)の膜厚を25μmとした点とが、
第1の実施の形態と異なる。その他の部位の寸法は、第
1の実施の形態と同様である。基板1としてSiCを用
いたため、各成長層[すなわち、単結晶平坦層3(図3
の13)、探針の柱状部4(図3の12)、探針の錐状
部5(図3の11)からなる部分]については、全てS
iをドープして形成した。 (2)各成長層を全て作製した後、顕微鏡にカンチレバ
ーを取り付けるために必要な領域(図3の15)を除い
たSiC基板部をドライエッチングして除去した。この
とき、基板が多少残っていても構わない。 (3)その後、図3に示すように、単結晶平坦層13の
基板面が存在した側に、導電性の光反射膜14として金
を蒸着した。 (4)最後に、所定のサイズに切り出すことによって、
所望のカンチレバーを得た。
【0050】上記工程により作製したカンチレバーを原
子間力顕微鏡(AFM)に用いたところ、従来の構造の
カンチレバーに比べて、極めて感度が高いことが判明し
た。この効果は、錐状部11と柱状部12からなる探針
が、極めて薄い単結晶平坦層13で支持されているた
め、光天秤部が軽く、かつ、非常にしなやかに動くため
であると考えた。また、この構成のカンチレバーは、ト
ンネル顕微鏡(STM)やスピン偏極トンネル顕微鏡
(SP−STM)に用いても、同様の効果が得られた。
【0051】上述した実施の形態では、基板をサファイ
ア又はSiCとした例を示したが、本発明に係る構成を
実現できれば、その他の種類の基板を用いても良いこと
は言うまでもない。
【0052】また、上記αであるところのInXGaY
1-X-YNの組成も、0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦X
+Y≦1の範囲で適宜選ぶことができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る探針
及びカンチレバーを、原子間力顕微鏡(AFM)、トン
ネル顕微鏡(STM)やスピン偏極トンネル顕微鏡(S
P−STM)に用いることによって、高解像度の像を容
易に得ることができる。また、たとえ探針の先端が汚染
されても、熱クリーニングによる清浄化が可能である。
【0054】従って、これら利点を有する探針及びカン
チレバーを用いることにより、上記各顕微鏡の特性を飛
躍的に向上でき、かつ、ランニング・コストを従来より
低く抑えることができる。よって、上記各顕微鏡の用途
がさらに広まり、学問的にも、産業上も大きな効果をも
たらすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る探針の構造を模式的に示した鳥瞰
図である。
【図2】二酸化シリコン膜9からなる選択マスクを形成
した後の様子を示す模式図であり、(a)は平面図、
(b)は(a)のA−A’部分における断面図である。
【図3】本発明に係るカンチレバーの断面構造を示した
模式図である。
【図4】六角柱構造の柱状部4および六角錘構造の錐状
部5が得られる成長条件を示すグラフである。
【図5】α(=InXGaYAl1-X-YN)からなる材料
のa軸方向の格子定数と、その材料のバンドギャップエ
ネルギとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板、 2 バッファ層、 3 単結晶平坦層、 4 柱状部、 5 錐状部、 6 基板、 7 バッファ層、 8 単結晶平坦層、 9 選択マスクとして機能する二酸化シリコン膜、 10 二酸化シリコン膜9に設けた孔部、 11 錐状部、 12 柱状部 13 単結晶平坦層、 14 光反射膜、 15 カンチレバーを装置に取り付けるための領域。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−285519(JP,A) 特開 平9−214054(JP,A) 特開 平9−282723(JP,A) 特開 平10−19929(JP,A) 特開 平11−66506(JP,A) 特開 平6−11335(JP,A) 特表 平10−506457(JP,A) Robert F.Davis,M. D.Bremser,W.G.Perr y and K.S.Ailey,Gr owth of AIN,GaN an d AlxGa1−xN Thin F ilms on Vicinal an d On−axis 6H−SiC (0001) Substrates,Jo urnal of the Europ ean Ceramic Societ y,1997年,No.17,pp.1775− 1779 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 13/10 - 13/24 G01N 37/00 G01B 21/30 G12B 1/00 G12B 21/00 - 21/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子間力顕微鏡、トンネル顕微鏡又はス
    ピン偏極トンネル顕微鏡に用いる探針であって、 In1-X-YGaXAlYN(但し、0≦X,Y,X+Y≦
    1)をαと定義したとき、 少なくとも表面が、互いに組成の異なる複数のαの薄層
    で構成された積層構造を有することを特徴とする原子間
    力顕微鏡、トンネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル顕微
    鏡に用いる探針。
  2. 【請求項2】 原子間力顕微鏡、トンネル顕微鏡又はス
    ピン偏極トンネル顕微鏡に用いる探針であって、 In 1-X-Y Ga X Al Y N(但し、0≦X,Y,X+Y≦
    1)をαと定義したとき、 少なくとも表面が、 αからなる平坦な薄層、該薄層上に
    設けた六角柱状のαからなる結晶、及び、該六角柱状の
    αからなる結晶上に設けた六角錐状のαからなる結晶、
    で構成された積層構造を有することを特徴とする原子間
    力顕微鏡、トンネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル顕微
    鏡に用いる探針。
  3. 【請求項3】 前記六角錐状のαからなる結晶のバンド
    ギャップエネルギが、前記六角柱状のαからなる結晶の
    バンドギャップエネルギより小さいことを特徴とする請
    求項に記載の原子間力顕微鏡、トンネル顕微鏡又はス
    ピン偏極トンネル顕微鏡に用いる探針。
  4. 【請求項4】 原子間力顕微鏡、トンネル顕微鏡又はス
    ピン偏極トンネル顕微鏡に用いるカンチレバーであっ
    て、請求項1又は2に記載の探針が、αの単結晶薄層か
    らなる平板に支持されている構造を有することを特徴と
    する原子間力顕微鏡、トンネル顕微鏡又はスピン偏極ト
    ンネル顕微鏡に用いるカンチレバー。
  5. 【請求項5】 原子間力顕微鏡、トンネル顕微鏡又はス
    ピン偏極トンネル顕微鏡に用いる探針の作製法であっ
    て、 基板上に、αからなる平坦な薄層を成長する工程と、 前記薄層上に、絶縁膜からなり単数もしくは複数の孔部
    を有する選択成長マスクを形成する工程と、 前記孔部を通して露出している前記薄層上に、六角柱状
    のαからなる結晶を成長する工程と、 前記六角柱状のαからなる結晶上に、六角錐状のαから
    なる結晶を成長する工程と、 を有することを特徴とする原子間力顕微鏡、トンネル顕
    微鏡又はスピン偏極トンネル顕微鏡に用いる探針の作製
    法。
  6. 【請求項6】 前記六角柱状のαからなる結晶を成長す
    る工程は、有機金属気相成長法を用いており、 該六角柱状のαからなる結晶の成長温度(℃)と、V族
    原料の供給量(モル数)をIII族原料の供給量(モル
    数)で割った数値を表すV/III比との組合せは、
    (成長温度、V/III比)が、(1000、500)
    を点a、(1000、3500)を点b、(1150、
    1000)を点c、(1150、4000)を点dとし
    たとき、これら4つの点a、b、c、dを結んで作られ
    る四角形の範囲内にある組合せであり、 前記六角錐状のαからなる結晶を成長する工程は、有機
    金属気相成長法を用いており、 該六角錐状のαからなる結晶の成長温度(℃)と、V族
    原料の供給量(モル数)をIII族原料の供給量(モル
    数)で割った数値を表すV/III比との組合せは、
    (成長温度、V/III比)が、(800、1000)
    を点e、(800、4000)を点f、(950、10
    50)を点g、(950、4500)を点hとしたと
    き、これら4つの点e、f、g、hを結んで作られる四
    角形の範囲内にある組合せである、 ことを特徴とする請求項に記載の原子間力顕微鏡、ト
    ンネル顕微鏡又はスピン偏極トンネル顕微鏡に用いる探
    針の作製法。
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