JP3439991B2 - レーザー発振制御方法およびその装置 - Google Patents
レーザー発振制御方法およびその装置Info
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Description
方法およびその装置に関し、さらに詳細には、レーザー
発振波長を電子的に高速にかつ信頼性高く制御すること
のできるレーザー発振制御方法およびその装置に関す
る。
えば、特開平9−172215号公報に開示されたレー
ザー発振制御装置が知られている。
において図3として開示されたレーザー発振制御装置が
示されているが、このレーザー発振制御装置において
は、所定の透過性を有する出射ミラー112と全反射ミ
ラー110とよりレーザー共振器が構成されている。
レーザーのレーザー媒質としてのTi:Al2O3レーザ
ー結晶14と、波長選択用の光音響光学素子としての光
音響光学結晶100と、回折光補正用プリズム28と
が、出射側ミラー112から全反射ミラー110側へ向
けて順次配設されている。
段としてRF電源20により駆動される圧電素子22が
添着されている。従って、RF電源20により圧電素子
22を駆動させて、圧電素子22に歪みを生じさせる
と、この圧電素子22の歪みに基づいて、当該歪みに応
じた周波数の音響波が光音響光学結晶100に入力され
ることになる。
響光学結晶100から出射された回折光106を、波長
に関わらず常に一定の方向に出射するように構成されて
おり、全反射ミラー110は、回折光補正用プリズム2
8から出射された光を反射するように構成されている。
してNd:YAGレーザーの第二高調波を用いてTi:
Al2O3レーザー結晶14を励起する。また、出射側ミ
ラー112から出射させたい出射レーザー光の波長に応
じてRF電源20により入力されるRF周波数を制御
し、圧電素子22を駆動する。
0に入射されたTi:Al2O3レーザー結晶14から出
射された広範囲の波長帯域の出射光のなかで、RF電源
20により入力されるRF周波数に応じた波長の出射光
に関しては、所定の方向に回折されて回折光106とし
て光音響光学素子100から出射されることになる。
方向に回折されて出射された回折光106は、回折光補
正用プリズム28に入射され、一定の方向に出射され
る。そして、回折光補正用プリズム28から出射された
光は、全反射ミラー110によって反射され、レーザー
共振器内を往復することになる。
F周波数に応じた波長の光のみが増幅されてレーザー発
振を生ぜしめ、レーザー共振器から当該波長の出射レー
ザー光のみを出射させることができる。
においては、RF電源20により入力されるRF周波
数、即ち、光音響光学結晶100に入力される音響波周
波数を可変することにより、RF電源20により入力さ
れるRF周波数、即ち、光音響光学結晶100入力する
音響波周波数に応じた波長の出射レーザー光のみを選択
的に出射させることができるものであった。
は、RF電源20より入力されるRF入力強度、即ち、
光音響光学結晶100に入力される音響波強度に応じ
て、光音響光学結晶100における回折効率が影響を受
け、RF入力強度、即ち、光音響光学結晶100に入力
される音響波強度の変化によって出射レーザー光の出力
強度が変化することが知られている。
を得るためのRF入力強度、即ち、光音響光学結晶10
0に入力される音響波強度は、出射レーザー光の周波数
を設定し、RF周波数、即ち、光音響光学結晶100に
入力される音響波周波数に応じて異なるものであった。
御装置を用いて実験したところ、図2に示すように、例
えば、出射レーザー光の発振波長が約850nm〜約1
000nmにおいては、RF入力強度を2Wとする方が
RF入力強度を1Wとするよりも、より高い出力強度の
出射レーザー光を得ることができる一方で、出射レーザ
ー光の発振波長が約720nm〜約850nmにおいて
は、RF入力強度を1Wとする方がRF入力強度を2W
とするよりも、より高い出力強度の出射レーザー光を得
ることができるものであった。
を得るためには、RF周波数、即ち、光音響光学結晶に
入力される音響波周波数を変化させる度に、RF入力強
度、即ち、光音響光学結晶に入力される音響波強度を変
化させる必要があった。
学結晶に入力される音響波強度を変化させると、RF入
力、即ち、音響波の入力の吸収によって光音響光学結晶
の温度が変化し、光音響光学結晶100における屈折率
や回折角の乱れが発生し、それが出射レーザー光の発振
波長や出力強度に悪影響を及ぼすという問題点が指摘さ
れていた。
制御したり、あるいは各レーザー発振波長で最大の出力
強度を得ることができるようにしながら波長掃引する場
合には、RF入力強度、即ち、光音響光学結晶100に
入力される音響波強度をRF周波数、即ち、光音響光学
結晶100に入力される音響波周波数に応じて変化しな
ければならないため、必然的に光音響光学結晶100に
非常に速い温度変化が生じることになり、低速掃引時に
比べて高速掃引時は出射レーザー光の出力強度が不安定
なってしまっていた。
出射レーザー光の出力強度に影響を及ぼすような光音響
光学結晶の温度変化を抑止するために、温度計、サーモ
スタット、熱交換媒質(ヒーター、ペルチェ素子など)
を用いて、ヒートシンクからの熱伝導によって光音響光
学結晶の温度を制御するようにし、その温度一定化のた
めにフィードバック方式による制御を行うことが現実的
に考えられた。
ては、以下に示す(1)〜(3)などの問題点があっ
た。
は熱伝導率が悪く、外部からの温度調整では均一な熱分
布を得ることが困難であるという問題点があった。
晶の波長変化周波数(kHzオーダーである。)に対応
して高速で温度制御することが困難であるという問題点
があった。
は、温度計やヒーターの熱容量によって、温度制御のタ
イミングが遅れてしまい、RF周波数の変化に追随でき
ないという問題点があった。
の有する上記したような種々の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、従来の技術にお
ける(1)〜(3)における問題点をそれぞれ解決しな
がら、光音響光学素子へ入力される音響波の入力強度の
変化による光音響光学素子の温度変化を確実に防止し
て、出射レーザー光が光音響光学素子の温度変化による
影響を受けないようにしたレーザー発振制御方法および
その装置を提供しようとするものである。
に、本発明は、光音響光学素子へ入力される音響波の入
力強度の変化による光音響光学素子の温度変化を確実に
防止するために、出射レーザー光の発振周波数である第
1の周波数の第1の音響波とともに、レーザー媒質の発
振可能範囲外の周波数である第2の周波数の第2の音響
波を光音響光学素子へ入力し、この第2の音響波の入力
強度によって第1の周波数による発振波長を制御・掃引
するための第1の音響波の入力強度の変化を相殺するこ
とにより、光音響光学素子の温度の変動を防ぐようにし
たものである。これは、能動的な温度管理であり、フィ
ードバック方式による制御とは全く異なるものである。
は、レーザー共振器内に第1の音響波を入力された複屈
折性の光音響光学素子を配置し、所定範囲の波長域にお
いてレーザー発振可能なレーザー媒質からの出射光を上
記光音響光学素子に入射し、上記光音響光学素子への入
射光のうち上記第1の音響波の周波数に応じた波長の光
を、回折光として上記光音響光学素子から出射して上記
レーザー共振器内を往復させることにより、上記第1の
音響波の周波数に応じてレーザー発振波長を選択してレ
ーザー発振させるレーザー発振制御方法において、上記
光音響光学素子に対して上記第1の音響波と同時に第2
の音響波を入力し、上記第1の音響波の周波数はレーザ
ー発振可能な波長に対応する周波数とし、上記第2の音
響波の周波数はレーザー発振不能な波長に対応する周波
数とし、上記第1の音響波の入力強度値は上記第1の音
響波の周波数によりレーザー発振可能な入力強度値と
し、上記第1の音響波と上記第2の音響波とによって上
記光音響光学素子に発生する熱量が、上記第1の周波数
によらず一定となるように、上記第2の音響波の入力強
度を設定するようにしたものである。
明によれば、第1の音響波の入力強度の変化による光音
響光学素子の温度変化が防止され、出射レーザー光が光
音響光学素子の温度変化による影響を受ける恐れを排除
することができる。
は、本発明のうち請求項2に記載の発明のように、上記
第1の音響波の周波数に応じて所望の強度でレーザー発
振可能なように可変されるものとしてもよい。
本発明のうち請求項3に記載の発明のように、レーザー
発振に最適な強度値とすることができる。
熱への変換効率が、音響波の周波数により異なる可能性
がある。例えば、音響波の合計入力強度の最大値が1W
で、80MHzでの熱変換効率が130MHzでの熱変
換効率の半分であったとする。ここで、第1の音響波の
周波数を80MHzまたは130MHzとした場合にお
いて、第1の音響波の入力強度値をいずれの場合にも
0.5Wで制御する場合をそれぞれ検討すると、第1の
音響波の周波数が80MHzの時に与える第2の音響波
の入力強度値は0.5Wで、第1の音響波の周波数が1
30MHzのときの第2の音響波の入力強度値たる0.
25Wの2倍の強度が必要となる。
(ω)、第1の音響波の周波数と入力強度とをそれぞれω
1、I1とし、第2の音響波の周波数と入力強度とをそれ
ぞれω2、I2とし、発生する熱量をhとすると、 h=e(ω1)×I1+e(ω2)×I2 において、発生する熱量hが一定となるようにI1とI2
との関係を保ちながらレーザーの制御を行うことが望ま
しい。
e(ω1)とe(ω2)とが近似的に等しい場合には、「I1
+I2」を一定に保つことによって、レーザーの制御を
行うことができる。
数依存性は、素子の大きさなどによっても変わるため、
第1の音響波の入力強度値と第2の音響波の入力強度値
との合計入力強度値は、第1の音響波の周波数に対し
て、任意の値で設定できることが好ましいものである。
明のうち請求項4に記載の発明のように、レーザー発振
不能な波長に対応する周波数帯域内において上記第1の
音響波の周波数に対してうねりが生じない値に保つよう
に可変されるものとしてもよい。
音響波の周波数とが非常に近いものであるならば、音響
波同士の相互作用によってうねりが生じることになる。
そして、こうしたうねりが生じた場合には、レーザーの
発振強度に悪影響を及ぼすことになる。
波の周波数とが離れている場合でも、うねりが生じる場
合がある。例えば、周波数が80MHzと121MHz
とである場合には、80MHzの第2倍音である240
MHzと121MHzの第1倍音である242MHzと
の間で相互作用が起きる場合が考えられる。
の音響波の周波数に対してうねりが生じない値に保つよ
うにすると、レーザー発振強度に悪影響が出ないように
することができる。
ー発振不能な周波数帯域内において第1の音響波の周波
数に依存して変化させることが好ましいものである。
は、対向する所定の反射率を有するミラーにより構成さ
れるレーザー共振器と、上記レーザー共振器内に配設さ
れた所定範囲の波長域においてレーザー発振可能な波長
可変レーザー媒質と、上記レーザー共振器内に配設さ
れ、上記波長可変レーザー媒質からの出射光が入射され
る複屈折性の光音響光学素子と、第1の音響波を生成し
て上記光音響光学素子へ入力する第1の音響波入力手段
と、第2の音響波を生成して上記光音響光学素子へ入力
する第2の音響波入力手段と、上記第1の音響波入力手
段および上記第2の音響波入力手段を制御して、上記第
1の音響波入力手段にレーザー発振可能な波長に対応す
る周波数ならびに入力強度値を備えた上記第1の音響波
を生成させ、上記第2の音響波入力手段にレーザー発振
不能な波長に対応する周波数ならびに上記第1の音響波
と上記第2の音響波とによって上記光音響光学素子に発
生する熱量が上記第1の周波数によらず一定となる入力
強度を備えた上記第2の音響波を生成させ、上記光音響
光学素子に対して上記第1の音響波と同時に上記第2の
音響波を入力させる制御手段とを有し、上記光音響光学
素子への入射光のうち上記第1の音響波の周波数に応じ
た波長の光を、回折光として上記光音響光学素子から出
射して上記レーザー共振器内を往復させることにより、
上記第1の音響波の周波数に応じてレーザー発振波長を
選択してレーザー発振させるようにしたものである。
明によれば、第1の音響波の入力強度の変化による光音
響光学素子の温度変化が防止され、出射レーザー光が光
音響光学素子の温度変化による影響を受ける恐れを排除
することができる。
求項6に記載の発明のように、上記第1の音響波の入力
強度値を、上記第1の音響波の周波数に応じて所望の強
度でレーザー発振可能なように可変するものとすること
ができる。
項7に記載の発明のように、上記第1の音響波の入力強
度値をレーザー発振に最適な強度値とすることができ
る。
熱への変換効率が、音響波の周波数により異なる可能性
がある。例えば、音響波の合計入力強度の最大値が1W
で、80MHzでの熱変換効率が130MHzでの熱変
換効率の半分であったとする。ここで、第1の音響波の
周波数を80MHzまたは130MHzとした場合にお
いて、第1の音響波の入力強度値をいずれの場合にも
0.5Wで制御する場合をそれぞれ検討すると、第1の
音響波の周波数が80MHzの時に与える第2の音響波
の入力強度値は0.5Wで、第1の音響波の周波数が1
30MHzのときの第2の音響波の入力強度値たる0.
25Wの2倍の強度が必要となる。
(ω)、第1の音響波の周波数と入力強度とをそれぞれω
1、I1とし、第2の音響波の周波数と入力強度とをそれ
ぞれω2、I2とし、発生する熱量をhとすると、 h=e(ω1)×I1+e(ω2)×I2 において、発生する熱量hが一定となるようにI1とI2
との関係を保ちながらレーザーの制御を行うことが望ま
しい。
e(ω1)とe(ω2)とが近似的に等しい場合には、「I1
+I2」を一定に保つことによって、レーザーの制御を
行うことができる。
数依存性は、素子の大きさなどによっても変わるため、
第1の音響波の入力強度値と第2の音響波の入力強度値
との合計入力強度値は、第1の音響波の周波数に対し
て、任意の値で設定できることが好ましいものである。
項8に記載の発明のように、上記第2の音響波の周波数
を、レーザー発振不能な波長に対応する周波数帯域内に
おいて上記第1の音響波の周波数に対してうねりが生じ
ない値に保つように可変するものとすることができる。
音響波の周波数とが非常に近いものであるならば、音響
波同士の相互作用によってうねりが生じることになる。
そして、こうしたうねりが生じた場合には、レーザーの
発振強度に悪影響を及ぼすことになる。
波の周波数とが離れている場合でも、うねりが生じる場
合がある。例えば、周波数が80MHzと121MHz
とである場合には、80MHzの第2倍音である240
MHzと121MHzの第1倍音である242MHzと
の間で相互作用が起きる場合が考えられる。
の音響波の周波数に対してうねりが生じない値に保つよ
うにすると、レーザー発振強度に悪影響が出ないように
することができる。
数を、レーザー発振不能な周波数帯域内において第1の
音響波の周波数に依存して変化させることができること
が好ましいものである。
発明によるレーザー発振制御方法およびその装置の実施
の形態の一例を詳細に説明するものとする。
置の実施の形態の一例を示す概略構成説明図であり、図
1に示した従来のレーザー発振制御装置の構成と同一ま
たは相当する構成に関しては、理解を容易にするため
に、同一の符号を付して示すものとする。
来のレーザー発振制御装置と同様に、所定の透過性を有
する出射ミラー112と全反射ミラー110とよりレー
ザー共振器が構成されている。
レーザーのレーザー媒質としてのTi:Al2O3レーザ
ー結晶14と、波長選択用の光音響光学素子としての光
音響光学結晶100と、回折光補正用プリズム28と
が、出射側ミラー112から全反射ミラー110側へ向
けて順次配設されている。
段として、Ti:Al2O3レーザー結晶14がレーザー
発振可能な波長に対応する第1RF周波数(例えば、8
0MHz〜130MHzである。)を発生可能な第1R
F電源10と、Ti:Al2O3レーザー結晶14がレー
ザー発振不能な波長に対応する第2RF周波数(例え
ば、60MHzである。)を発生可能な第2RF電源1
2と、これら第1RF電源10ならびに第2RF電源1
2により駆動される圧電素子22が添着されている。
第1RF周波数により圧電素子22を駆動させて、圧電
素子22に歪みを生じさせると、この圧電素子22の歪
みに基づいて、当該歪みに応じた周波数の音響波(第1
音響波)が光音響光学結晶100に入力されることにな
る。
響光学結晶100から出射された回折光106を、波長
に関わらず常に一定の方向に出射するように構成されて
おり、全反射ミラー110は、回折光補正用プリズム2
8から出射された光を反射するように構成されている。
F電源12には、第1RF電源10ならびに第2RF電
源12を制御するRF電源制御装置13が接続されてい
る。
イクロ・コンピューターにより動作の制御がなされるも
のである。このRF電源制御装置13の制御に基づい
て、第1RF電源10から圧電素子22に入力される第
1RF周波数ならびに第1RF入力強度が制御されると
ともに、第2RF電源12から圧電素子22に入力され
る第2RF周波数ならびに第2RF入力強度が制御され
るものである。
2に入力される第1RF周波数ならびに第1RF入力強
度と、第2RF電源12から圧電素子22に入力される
第2RF周波数ならびに第2RF入力強度とは、以下に
示すようにして設定されるものである。
おいて第1RF周波数に対応する光をレーザー発振させ
て出射レーザー光として取り出すものであるので、上記
したように、第1RF周波数は出射レーザー光の周波数
に対応するTi:Al2O3レーザー結晶14においてレ
ーザー発振可能な周波数(例えば、80MHz〜130
MHz)とし、第2RF周波数はTi:Al2O3レーザ
ー結晶14においてレーザー発振不能な周波数(例え
ば、60MHzである。)とする。ここで、第2RF周
波数は、一定値であってもよいし、適宜に可変するよう
にしてもよい。
波数のレーザー発振に最も適した強度に設定することが
好ましいが、第2RF入力強度は第1RF入力強度との
合計値(合計入力強度)が常に一定になるように制御さ
れるものである。
度との加算値は、常に予め設定された合計入力強度(例
えば、2Wである。)となるように制御されるものであ
る。なお、この合計入力強度の値は、ユーザーが適宜に
任意の値に設定することができる。
第1RF入力強度ならびに第2RF入力強度をまとめる
と、次のようになる。
ー発振周波数(例えば、80MHz〜130MHzであ
る。) (2)第2RF周波数・・・レーザー発振不能な周波数
(例えば、60MHzである。) (3)第1RF入力強度・・・第1RF周波数のレーザ
ー発振のための最適値(例えば、0〜2Wである。) (4)第RF2入力強度・・・合計入力強度から第1R
F入力強度を減算した減算値(0W〜2Wである。) なお、第1RF周波数により光音響光学結晶100に入
力される音響波の周波数(第1の音響波の周波数)が与
えられ、第2RF周波数により光音響光学結晶100に
入力される音響波の周波数(第2の音響波の周波数)が
与えられ、第1RF入力強度により光音響光学結晶10
0に入力される音響波の入力強度(第1の音響波の入力
強度)が与えられ、第2RF入力強度により光音響光学
結晶100に入力される音響波の入力強度(第2の音響
波の入力強度)が与えられる。
してNd:YAGレーザーの第二高調波を用いてTi:
Al2O3レーザー結晶14を励起する。また、出射側ミ
ラー112から出射させたい出射レーザー光の波長に応
じて、RF電源制御手段14によって第1RF電源10
にから入力される第1RF周波数を制御し、圧電素子2
2を駆動する。
0に入射されたTi:Al2O3レーザー結晶14から出
射された広範囲の波長帯域の出射光のなかで、第1RF
電源10により入力される第1RF周波数に応じた波長
の出射光に関しては、所定の方向に回折されて回折光1
06として光音響光学素子100から出射されることに
なる。
方向に回折されて出射された回折光106は、回折光補
正用プリズム28に入射され、一定の方向に出射され
る。そして、回折光補正用プリズム28から出射された
光は、全反射ミラー110によって反射され、レーザー
共振器内を往復することになる。
る第1RF周波数に応じた波長の光のみが増幅されてレ
ーザー発振を生ぜしめ、レーザー共振器から当該波長の
出射レーザー光のみを出射させることができる。
おいては、第1RF電源10により第1RF周波数を入
力するとともに、第2RF電源12によって第2RF周
波数を入力している。即ち、光音響光学結晶100の波
長選択に用いる第1RF周波数の第1RF入力強度の変
動を打ち消すように、補償用RF入力として第2RF周
波数を第2RF入力強度で入力し、第1RF入力強度と
第2RF入力強度との合計値を常に一定に保つことで、
光音響光学結晶100の熱的変動押さえるようになされ
ている。
は、光音響光学結晶100の超音波吸収による発生熱を
波長掃引時にも一定とするために、超音波吸収による発
熱を利用して常に光音響光学結晶100を外気と熱平衡
状態におくようにしているものである。
し、第2RF入力強度を「I2」とし、合計入力強度を
「Itotal」とすると、RF電源制御手段14によりレ
ーザー発振していないときも(I1=0)、常に光音響
光学結晶100が熱平衡状態にあるように、「I2=It
otal」となるようにRF電源制御手段14により第2R
F電源12を制御する。そして、RF電源制御手段14
によりレーザー発振しているときも(I1≠0)、常に
光音響光学結晶100が熱平衡状態にあるように、「I
1+I2=Itotal」となるようにRF電源制御手段14
により第1RF電源10および第2RF電源12を制御
するものである。
Itotal−I1」が必ずしも最適とは限らないため、「I
2」と「Itotal−I1」とが略等しい値となるような範
囲で適宜調整することが好ましい。
入力される音響波強度が常に一定となるようにし、光音
響光学結晶100の熱平衡状態を実現する。
収率と熱への変換効率が、音響波の周波数により異なる
可能性がある。例えば、音響波の合計入力強度の最大値
が1Wで、80MHzでの熱変換効率が130MHzで
の熱変換効率の半分であったとする。ここで、第1RF
周波数を80MHzまたは130MHzとした場合にお
いて、第1RF入力強度をいずれの場合にも0.5Wで
制御する場合をそれぞれ検討すると、第1RF周波数が
80MHzの時に与える第2RF入力強度は0.5W
で、第1RF周波数が130MHzのときの第2RF入
力強度たる0.25Wの2倍の強度が必要となる。
(ω)、第1RF周波数と第1RF入力強度とをそれぞれ
ω1、I1とし、第2RF周波数と第2RF入力強度とを
それぞれω2、I2とし、発生する熱量をhとすると、 h=e(ω1)×I1+e(ω2)×I2 において、発生する熱量hが一定となるようにI1とI2
との関係を保ちながらレーザーの制御を行うことが望ま
しい。
e(ω1)とe(ω2)とが近似的に等しい場合には、「I1
+I2」を一定に保つことによって、レーザーの制御を
行うことができる。
の周波数依存性は、素子の大きさなどによっても変わる
ため、第1RF入力強度と第2RF入力強度との合計入
力強度は、第1RF周波数に対して、任意の値で設定で
きることが好ましいものである。
数とが非常に近いものであるならば、音響波同士の相互
作用によってうねりが生じることになる。そして、こう
したうねりが生じた場合には、レーザーの発振強度に悪
影響を及ぼすことになる。
とが離れている場合でも、うねりが生じる場合がある。
例えば、周波数が80MHzと121MHzとである場
合には、80MHzの第2倍音である240MHzと1
21MHzの第1倍音である242MHzとの間で相互
作用が起きる場合が考えられる。
波数に対してうねりが生じない値に保つようにすると、
レーザー発振強度に悪影響が出ないようにすることがで
きる。
不能な周波数帯域内において第1RF周波数に依存して
変化させることが好ましいものである。
レーザー発振制御装置を用いない場合(実線で示す「温
度制御前」の場合)には、光音響光学結晶へ入力される
音響波の入力強度の変化による光音響光学結晶の温度変
化の影響が表れているが、このレーザー発振制御装置を
用いた場合(破線で示す「温度制御後」の場合)には、
光音響光学結晶へ入力される音響波の入力強度の変化に
よる光音響光学結晶の温度変化の影響が全く表れていな
い。
の第2RF電源12の入力条件は事前に各波長毎に実験
的に最適化して求めてテーブルを作り、当該テーブルを
参照しながらレーザー発振を最適化して制御すればよ
い。
下に示す(1)〜(3)の効果が得られるものである。
で、熱伝導率に関係なく素子中の温度分布を一定にでき
る。
量を高速に変化させることができる。
度管理を行うために、タイミングのずれがなく、RF入
力強度の変動をカバーできる。
正用プリズムを設けたがこれを設けなくてもよいことは
勿論である。
ているので、光音響光学素子へ入力される音響波の入力
強度の変化による光音響光学素子の温度変化を確実に防
止することができ、出射レーザー光が光音響光学素子の
温度変化による影響を受けることがなくなるという優れ
た効果を奏する。
である。
と出射レーザー光の出力強度の変化との関係を示すグラ
フである。
態の一例を示す概略構成説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 レーザー共振器内に第1の音響波を入力
された複屈折性の光音響光学素子を配置し、所定範囲の
波長域においてレーザー発振可能なレーザー媒質からの
出射光を前記光音響光学素子に入射し、前記光音響光学
素子への入射光のうち前記第1の音響波の周波数に応じ
た波長の光を、回折光として前記光音響光学素子から出
射して前記レーザー共振器内を往復させることにより、
前記第1の音響波の周波数に応じてレーザー発振波長を
選択してレーザー発振させるレーザー発振制御方法にお
いて、 前記光音響光学素子に対して前記第1の音響波と同時に
第2の音響波を入力し、 前記第1の音響波の周波数はレーザー発振可能な波長に
対応する周波数とし、 前記第2の音響波の周波数はレーザー発振不能な波長に
対応する周波数とし、 前記第1の音響波の入力強度値は前記第1の音響波の周
波数によりレーザー発振可能な入力強度値とし、 前記第1の音響波と前記第2の音響波とによって前記光
音響光学素子に発生する熱量が、前記第1の周波数によ
らず一定となるように、前記第2の音響波の入力強度を
設定するものであるレーザー発振制御方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載のレーザー発振制御方法
において、 前記第1の音響波の入力強度値は、前記第1の音響波の
周波数に応じて所望の強度でレーザー発振可能なように
可変されるものであるレーザー発振制御方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載のレーザー発振制御方法
において、 前記第1の音響波の入力強度値は、レーザー発振に最適
な強度値であるレーザー発振制御方法。 - 【請求項4】 請求項1、2または3のいずれか1項に
記載のレーザー発振制御方法において、 前記第2の音響波の周波数は、レーザー発振不能な波長
に対応する周波数帯域内において前記第1の音響波の周
波数に対してうねりが生じない値に保つように可変され
るものであるレーザー発振制御方法。 - 【請求項5】 対向する所定の反射率を有するミラーに
より構成されるレーザー共振器と、 前記レーザー共振器内に配設された所定範囲の波長域に
おいてレーザー発振可能な波長可変レーザー媒質と、 前記レーザー共振器内に配設され、前記波長可変レーザ
ー媒質からの出射光が入射される複屈折性の光音響光学
素子と、 第1の音響波を生成して前記光音響光学素子へ入力する
第1の音響波入力手段と、 第2の音響波を生成して前記光音響光学素子へ入力する
第2の音響波入力手段と、 前記第1の音響波入力手段および前記第2の音響波入力
手段を制御して、前記第1の音響波入力手段にレーザー
発振可能な波長に対応する周波数ならびに入力強度値を
備えた前記第1の音響波を生成させ、前記第2の音響波
入力手段にレーザー発振不能な波長に対応する周波数な
らびに前記第1の音響波と前記第2の音響波とによって
前記光音響光学素子に発生する熱量が前記第1の周波数
によらず一定となる入力強度を備えた前記第2の音響波
を生成させ、前記光音響光学素子に対して前記第1の音
響波と同時に前記第2の音響波を入力させる制御手段と
を有し、 前記光音響光学素子への入射光のうち前記第1の音響波
の周波数に応じた波長の光を、回折光として前記光音響
光学素子から出射して前記レーザー共振器内を往復させ
ることにより、前記第1の音響波の周波数に応じてレー
ザー発振波長を選択してレーザー発振させるものである
レーザー発振制御装置。 - 【請求項6】 請求項5に記載のレーザー発振制御装置
において、 前記制御手段は、前記第1の音響波の入力強度値を、前
記第1の音響波の周波数に応じて所望の強度でレーザー
発振可能なように可変するものであるレーザー発振制御
装置。 - 【請求項7】 請求項5に記載のレーザー発振制御装置
において、 前記制御手段は、前記第1の音響波の入力強度値をレー
ザー発振に最適な強度値とするものであるレーザー発振
制御装置。 - 【請求項8】 請求項5、6または7のいずれか1項に
記載のレーザー発振制御装置において、 前記制御手段は、前記第2の音響波の周波数を、レーザ
ー発振不能な波長に対応する周波数帯域内において前記
第1の音響波の周波数に対してうねりが生じない値に保
つように可変するものであるレーザー発振制御装置。
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---|---|---|---|
JP18395398A JP3439991B2 (ja) | 1998-06-30 | 1998-06-30 | レーザー発振制御方法およびその装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000022254A JP2000022254A (ja) | 2000-01-21 |
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---|---|---|---|---|
KR102171300B1 (ko) * | 2020-07-31 | 2020-10-28 | 국방과학연구소 | 수중 음파 발생 장치 및 방법 |
-
1998
- 1998-06-30 JP JP18395398A patent/JP3439991B2/ja not_active Expired - Fee Related
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