JPH07281228A - 光パラメトリック発振器 - Google Patents

光パラメトリック発振器

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JPH07281228A
JPH07281228A JP7093094A JP7093094A JPH07281228A JP H07281228 A JPH07281228 A JP H07281228A JP 7093094 A JP7093094 A JP 7093094A JP 7093094 A JP7093094 A JP 7093094A JP H07281228 A JPH07281228 A JP H07281228A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変換効率を上げる。 【構成】 本発明の光パラメトリック発振器は、その波
長が可変の励起光のパルスを出力する励起光源と、励起
光の照射により光パラメトリック発振し、信号光及びア
イドラー光を発する非線形媒質と、非線形媒質をはさむ
ように配置され、信号光、アイドラー光及び励起光に対
して共振器を構成する光学系と、必要な信号光若しくは
アイドラー光の波長と非線形媒質のもつ分散特性とに対
する相関に基づいて、励起光の波長及び励起光に対する
非線形媒質の位相整合条件を最適値に調整する制御手段
とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光パラメトリック発振
器に係り、特に、高い変換効率を達成し、大きな発振出
力を得るのに好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、市販されているレーザの多くは、
特定の発振線でのレーザ発振がえれられる、即ち固定波
長のレーザである。このような様々な固定波長のレーザ
は、様々な分野で応用されているが、レーザ光が、通信
などに使われている電波のように自由に周波数が変えら
れるとすれば、さらに、レーザの応用面で大きな進展が
期待できる。このような期待をもとに、レーザ発振が確
認された初期の頃から波長可変なレーザが開発されてき
た。
【0003】波長可変なレーザとしては、色素レーザ
や、非線形効果,誘導ラマン散乱を利用したものがあ
る。光パラメトリック発振器は、光パラメトリック効果
を利用したもので、非線形結晶に周波数ωp の励起光
(ポンプ光)によって周波数ωs のシグナル光(信号
光)及び周波数ωi のアイドラ光のレーザ発振をうるも
のである(ωp =ωs +ωi )。このレーザは、連続波
長可変であり、ピコ秒のパルス動作においての有効性が
知られている。そして、例えば、「特開平04−067
694」には、コンピュータコントロールによる全自動
波長可変レーザが示されている。
【0004】従来の光パラメトリック発振器では、励起
光源の波長が固定されており、必要とする信号光、アイ
ドラー光の波長を決定すると、これらの条件から位相整
合条件が定まる。たとえ、励起光源の波長が可変でも、
励起光源の波長を固定した後に位相整合条件を定めてい
る。
【0005】さらに、フェムト秒領域で光パラメトリッ
ク発振器を動作させるために、スペクトラ・フィジック
ス社のOpalという光パラメトリック発振器では、励
起光源として波長可変フェムト秒チタンサファイアレー
ザを用いてこのフェムト秒パルス繰り返し周波数と光パ
ラメトリック発振器の周波数を完全同期することで強制
モード同期を達成している。そのために、非常に高い精
度にて共振器長を制御しており、この制御のみでフェム
ト秒の動作をさせている。そして、より短い時間幅を達
成するために光パラメトリック発振器内部に分散補正用
にプリズムペアを挿入している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】光パラメトリック発振
器をパルス動作させた場合、共振器内部を伝搬する信号
光とアイドラー光の時間幅がピコ秒以下であると、理想
的なオプティカル・パラメトリック増幅ができないとい
う問題がある。図11はこれを模式的に示したものであ
り、ポンプ光PP ,信号光PS ,アイドラ光PI が非線
形結晶110へ入射した場合、波長分散特性により非線
形結晶110からの信号光PS ,アイドラ光PI がポン
プ光PP に対し時間τ1 ,τ2 だけ遅れて出力される様
子を示したものである。共振器を構成する材料の波長分
散特性により、異なる波長のポンプ光や信号光とアイド
ラー光のまでの群速度の違いが発生する。そのため、共
振器内部において、これらの光パルス間に位相のズレが
生じてしまうからである(通常、この現象をウォークオ
フと言う)。
【0007】その影響を避ける為に、例えば、米国特許
第5017806 号では、結晶の厚みを薄くすることで、非線
形結晶中で生じる群遅延を抑え、光パルス間に位相のズ
レを小さくしている。しかし、非線形結晶では前述した
ように光パラメトリック効果でポンプ光や信号光を得て
いるため、ウォークオフは小さくなるかもしれないが、
変換効率の低下を招いてしまう。非線形結晶の厚みは、
ウォークオフを決定するのみでなく、変換効率を決定す
るのである。したがって、非線形結晶をむやみに薄く出
来ないという問題がある。
【0008】また、非線形結晶を薄くし、変換効率を上
げようとすると、焦点距離の短いレンズなどを用いて励
起光を集光する必要がある。しかし、このようにする
と、位相整合条件から、異なる波長の信号光とアイドラ
ー光も交じり、単色の光を得ることもできなくなってし
まう、という問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の光パラメトリック発振器は、励起光の波長
を可変にする波長可変機構を含み、可変波長の励起光の
パルスを出力する励起光源と、励起光の照射により光パ
ラメトリック発振し、信号光及びアイドラー光を発する
非線形媒質と、非線形媒質が配置され、非線形媒質の位
相整合条件を調整する位相整合調整機構と、非線形媒質
をはさむように配置され、信号光、アイドラー光及び励
起光に対して共振器を構成する光学系と、必要な信号光
若しくはアイドラー光の波長と非線形媒質のもつ分散特
性とに対する相関に基づいて、波長可変機構及び位相整
合調整機構を同時に制御し、励起光の波長及び励起光に
対する非線形媒質の位相整合条件を調整する制御手段と
を有する。
【0010】位相整合調整機構は、励起光の前記非線形
媒質への入射角、非線形媒質の温度或いは非線形媒質へ
の印加電圧のいずれか一つ以上を変化させることによっ
て位相整合条件を調整することを特徴としても良い。
【0011】励起光源はレーザ発振器を含んで構成さ
れ、波長可変機構はレーザ発振器のレーザキャビティ内
に配置された複屈折フィルタを含んで構成され、波長可
変機構は、前記複屈折フィルタを回転させることによっ
て励起光の波長を可変にすることを特徴としても良い。
【0012】波長可変機構は、複屈折フィルタを回転さ
せる第1の歯車機構を有し、位相整合調整機構は、励起
光の非線形媒質への入射角を変化させる第2の歯車機構
を有し、制御手段は、第1及び第2の歯車機構に噛み合
う第3の歯車機構を有し、この第3の歯車機構で複屈折
フィルタと非線形媒質とを同時に回転させることによっ
て励起光の波長及び位相整合条件を同時に調整すること
を特徴としても良い。
【0013】
【作用】本発明の光パラメトリック発振器では、励起光
のパルスの照射により非線形媒質が光パラメトリック発
振し、信号光及びアイドラー光のパルスが発生する。こ
れらの光は、信号光、アイドラー光及び励起光に対して
共振器を構成する光学系によってレーザ発振する。ここ
で、必要な信号光若しくはアイドラー光の波長と非線形
媒質のもつ分散特性とに対する相関に基づいて、波長可
変機構及び位相整合調整機構が同時に制御される。その
ため、信号光、アイドラー光及び励起光が非線形媒質を
伝搬する時間の差が最小となるように最適値に調整さ
れ、また、励起光に対する非線形媒質の位相整合条件が
最適値に調整され得ることから、共振器内における信号
光、アイドラー光及び励起光のレーザパルスのタイミン
グを揃えることができ、また、非線形媒質を伝搬する励
起光の強度を高いものにし得る。そのため、必要な信号
光若しくはアイドラー光が発生する効率を高くしうる。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の構成概念図を示したものである。
【0015】この光パラメトリック発振器の励起光源1
30には、チタンサファイアレーザといった波長が可変
のパルス光源が用いられ、励起光源130からの励起光
Pの光路上には、対向したミラーM1,M2による共
振器が配置されている。この共振器内には、励起光PP
の照射によって光パラメトリック変換がなされ、信号光
S 及びアイドラー光PI を発生する非線形光学結晶1
10が配置されている。ミラーM1は、励起光源130
からの励起光PP を透過するが非線形光学結晶110か
ら励起光源130への励起光PP 、信号光PS 及びアイ
ドラー光PI を反射するようになっている。ミラーM2
は、非線形光学結晶110からの励起光PP は全反射す
るが、信号光PS 及びアイドラー光PI を一部反射し一
部透過するようになっている。この共振器によって励起
光PP 、信号光PS 及びアイドラー光PI を閉じ込め、
発振するようになっている。
【0016】非線形光学結晶110としてはベータバリ
ウムボーレートなどを用いることができる。非線形光学
結晶110はステージ115上に乗せられており、この
ステージ115は、回転可能で、ヒータ及び非線形光学
結晶110への電圧を印加する電極が内蔵されており、
コンピュータ310からの制御信号によって、非線形光
学結晶110への励起光PP の入射角をかえたり、或い
は、非線形光学結晶110を加熱して非線形光学結晶1
10の温度を変えたり、非線形光学結晶110への印加
電圧を変えたりし得るようになっている。
【0017】励起光源130とミラーM1との間にはハ
ーフミラーM5が配置され、励起光源130からの励起
光PP の一部は、分光器410に入射するようになって
いる。分光器410は、励起光PP の波長を検出し、そ
の波長に応じた検出信号をコンピュータ310に出力す
る。コンピュータ310は、検出信号から励起光PP
波長が決定された波長であるかどうかを判定し、励起光
P の波長がその決定された波長になるように、励起光
源130に励起光PP の波長を制御するための信号を出
力する。
【0018】ミラーM2から共振器の外部に出た信号光
S 及びアイドラー光PI の光路上には、信号光P
S (或いはアイドラー光PI )の一部を反射するハーフ
ミラーM3,M4が配置されている。ハーフミラーM
3,M4でそれぞれ反射された信号光PS (或いはアイ
ドラー光PI )は分光器420、パワーメータ430に
入射するようになっている。分光器420は信号光PS
(或いはアイドラー光PI )の波長を検出し、その波長
に応じた検出信号をコンピュータ310に出力する。ま
た、パワーメータ430は、信号光PS (或いはアイド
ラー光PI )の強度を検出し、その強度に応じた検出信
号をコンピュータ310に出力する。
【0019】コンピュータ310は、必要な信号光PS
の波長が外部から入力され、この与えられた信号光PS
の波長をもとに、励起光PP の波長を決定するととも
に、この決定された波長の励起光PP に対する非線形光
学結晶110の位相整合条件を求め、ステージ115に
信号を送って非線形光学結晶110がこの位相整合条件
を満たすように制御する。そして、分光器410、分光
器420及びパワーメータ430それぞれからの検出信
号を入力し、装置の状態をモニタして制御信号を送って
最適な状態に制御する。
【0020】図2は、装置の動作フローチャートを示し
たものである。
【0021】まず、コンピュータ310に信号光PS
波長を入力すると、コンピュータ310は、入力された
信号光PS の波長をもとに励起光PP の波長及びこの波
長の励起光PP に対する非線形光学結晶110の位相整
合条件を求める。コンピュータ310は、非線形光学結
晶110内部において励起光PP 、信号光PS 及びアイ
ドラー光PI が伝搬する時間の差をほぼぞれになるよう
小さくするように励起光PP の波長を決定する。励起光
P の波長は、非線形光学結晶110の群遅延特性から
得られる。
【0022】図3は、非線形光学結晶110に厚さ1m
mのベータバリウムボーレートを用いた場合において、
励起光PP に対して信号光PS 及びアイドラー光PI
非線形光学結晶110内の遅延時間の差が零になるよう
な励起光PP 、信号光PS 及びアイドラー光PI の波長
の関係を示したものである。コンピュータ310にはこ
のような関係が予めインプットされており、この関係を
用いてコンピュータ310は信号光PS の波長から励起
光PP の波長をもとめる。図3の関係を用いる場合、必
要な信号光PS の波長が1.53μm程度であれば励起
光PP の波長は700nmになる。また、必要な信号光
S の波長が1.87μm程度であれば励起光PP の波
長は900nmになる。チタンサファイアレーザの発振
波長が700〜900nmであることから、コンピュー
タ310で決定された励起光PPの波長に励起光源13
0の波長を調整することにより、必要な波長をもつ信号
光PS (1.53〜1.87μm)が得られることにな
る。
【0023】非線形光学結晶110の位相整合条件は励
起光PP の波長によって変化するが、励起光PP の波長
が決定されると、この波長の励起光PP に対する非線形
光学結晶110の位相整合条件は定まる。即ち、位相整
合条件をみたす非線形光学結晶110への励起光PP
入射角は決定する。この励起光PP の入射角は非線形光
学結晶110の温度や非線形光学結晶110への印加電
圧で異なるため、コンピュータ310にはこれらの温度
や電圧と励起光PP の入射角との関係についても予めイ
ンプットされており、コンピュータ310は非線形光学
結晶110の温度や非線形光学結晶110への印加電圧
についても位相整合条件をみたすように制御する。
【0024】非線形光学結晶110のパラメトリック発
振で得られた信号光PS (或いはアイドラー光PI
は、分光器420によってその波長が計測され、パワー
メータ430によってその強度が計測され、コンピュー
タ310でモニタされる。そして、信号光PS が必要な
波長精度の必要な強度になるように、コンピュータ31
0は、上記計測値を設定値と比較をしフィードバックし
て微小な補正をする。そして、非線形光学結晶110が
位相整合条件を満たすように発振器全体の微調をした
後、設定を終了する。こうして最終的に設定した発振波
長を得る。
【0025】この様に、必要な信号光PS の波長から、
遅延時間の差が零になるように励起光PP の波長を決定
すると同時にこの波長の励起光PP に対する非線形光学
結晶110の位相整合条件を満たすように非線形光学結
晶110の状態を設定することにより、群速度整合条件
及び位相整合条件が同時に満たされ、共振器内における
信号光PS 、アイドラー光PI 及び励起光PP のレーザ
パルスのタイミングを揃えることができ、また、非線形
媒質を伝搬する励起光の強度を高いものにし得る。その
ため、必要な信号光PS 若しくはアイドラー光PI の発
生効率を高くしうることが可能になる。
【0026】図4は、これを模式的に示したものであ
り、共振器の定常的な状態を模式的に示したものと考え
得る。この図に示す状態では、群速度整合条件及び位相
整合条件が同時に満たされ、共振器119内では信号光
S 、アイドラー光PI 及び励起光PP の間で群遅延の
ないように、非線形光学結晶110の角度などの位相整
合条件や、信号光PS 、アイドラー光PI 及び励起光P
P の波長は制限されている。これらの光に群遅延がない
ことから、信号光PS 、アイドラー光PI 及び励起光P
P は同時に非線形光学結晶110から出てミラーM1,
M2で反射した後に同時に非線形光学結晶110に戻っ
てくる。また、同時に位相整合条件が満たされているこ
とから非線形光学結晶110から出る励起光PP はもっ
とも強度が大きいものになる。そのため、信号光PS
しくはアイドラー光PI の発生効率を高くしうることが
可能になる。
【0027】図5は、共振器内部において1周回の間に
生じる励起光PP のパルスに対する信号光PS 、アイド
ラー光PI のパルスの遅延時間をシュミレーションした
結果を示したものである。非線形光学結晶110として
ベータバリウムボーレートを用い、励起光PP の波長を
600nmとしている。また、励起光PP は異常屈折に
対して位相整合角で入射し、信号光PS 、アイドラー光
I は常屈折率軸方向の偏向特性を持つものとしてい
る。
【0028】通常、光学結晶は、光の波長によって伝搬
速度が異なるという、分散特性を持つのであるが、図5
から明らかなように、信号光PS 、アイドラー光PI
波長が1.1μm程度であると、励起光PP に対する信
号光PS 、アイドラー光PIの群遅延はゼロになる。即
ち、600nmの波長の励起光PP に対して1.1μm
程度の信号光PS 、アイドラー光PI は、群速度が等し
くなり、結晶中を同時に伝搬することになる。本発明
は、このような波長でオプティカルパラメトリック発振
器を選択的に発振させることにより、ウォークオフのな
い変換効率の高いオプティカルパラメトリック発振を達
成している。
【0029】このウォークオフのない動作は、励起光P
P の波長と非線形光学結晶110の整合角や非線形光学
結晶110の温度などのパラメータによって決定される
が、必要な信号光PS に対応した励起光PP の波長とそ
の波長における非線形光学結晶110の位相整合条件は
計算により求めることができる。また、ウォークオフの
ない動作によって非線形光学結晶110の厚みは特に関
係しなくなる(但し、結晶が厚くなると波長分散に基づ
くパルス幅の広がりの影響が出る恐れがあるので、あま
り厚くしない方が調整しやすくなる可能性はある)。現
実的には、結晶の不均一性なども考慮する必要があるの
で適当な厚さにして用いるのが望ましいものと考えられ
る。図3は、上述の観点から、ウォークオフのない動作
になるような必要な信号光PS 或いはアイドラー光PI
の波長とこれらを発生させるための励起光PP の波長と
の関係を求めたものである。図3のような群速度の整合
のとれた関係を予めコンピュータにインプットしておく
ことにより、ウォークオフのない変換効率の高いオプテ
ィカルパラメトリック発振を達成しているのである。
【0030】この様に、本発明では、パルス動作オプテ
ィカルパラメトリック発振器において共振器内部の分散
特性があったとしても、群速度の整合及び位相整合が採
られることにより、励起光PP 、信号光PS 、アイドラ
ー光PI の間に群遅延がない共振器を提供できる。その
ため、非線形光学結晶の厚みを大きくすることができる
ので、変換効率の高いオプティカルパラメトリック発振
器を提供できる。
【0031】図6は、より詳細な構成を示したものであ
る。なお、以下においては、先に述べたものと同一また
は同等のものについてはその説明を簡略化し若しくは省
略するものとする。
【0032】この光パラメトリック発振器は、励起光源
130からの励起光PP の光路上にミラーM1,M2に
よる共振器が配置され、この共振器内に非線形光学結晶
110が配置されている。非線形光学結晶110はステ
ージ115上に乗せられ、非線形光学結晶110への励
起光PP の入射角をかえたり、或いは、非線形光学結晶
110を加熱して非線形光学結晶110の温度を変えた
り、非線形光学結晶110への印加電圧を変えたりし得
るようになっている。そして、励起光源130とミラー
M1との間にはハーフミラーM5が配置され、分光器4
10で励起光PP の波長を検出するようになっている。
また、ミラーM2から共振器の外部に出た信号光PS
びアイドラー光PI の光路上にハーフミラーM3,M4
が配置され、分光器420及びパワーメータ430で信
号光PS (或いはアイドラー光PI )の波長及び強度を
検出するようになっている。ここまでは前述の実施例と
同様である。
【0033】励起光源130には、チタンサファイアレ
ーザといった波長が可変のパルス光源が用いられるが、
励起光PP の光路上には回転可能な複屈折フィルタ13
2が設けられていて、その回転角に応じて励起光PP
波長が変化するようになっている。コンピュータ310
は、必要な信号光PS の波長が外部から入力され、この
与えられた信号光PS の波長をもとに、励起光PP の波
長を決定するとともに、この決定された波長の励起光P
P に対する非線形光学結晶110の位相整合条件を求め
る。この点に付いては上記実施例と同様であるが、コン
ピュータ310は励起光PP の波長及び位相整合条件に
応じた信号を制御装置390に出力するようになってい
る。
【0034】制御装置390は、コンピュータ310か
らの信号により複屈折フィルタ132の角度と、非線形
光学結晶110への励起光PP の入射角,非線形光学結
晶110の温度,印加電圧を同時に変化させ、これらを
制御する。即ち、制御装置390は、コンピュータ31
0からの信号に応じて励起光PP の波長と非線形光学結
晶110の位相整合条件とを同時に変化させて制御する
ものである。
【0035】図7は、制御装置390が、複屈折フィル
タ132の角度と非線形光学結晶110への励起光PP
の入射角とを同時に制御するような場合の構成例を示し
たものである。複屈折フィルタ132には、これを回転
させるためのギア393が設けられ、また、非線形光学
結晶110のステージ115にもこれを回転させるため
のギアが設けられている。これらのギアは制御装置39
0内にあるギア394と噛み合わされており、ギア39
3とステージ115のギアは、図3に示した関係を満た
すように、初期設定位置及びギア比が決められている。
そして、ギア394が回転すると、複屈折フィルタ13
2及びステージ115が回転し、図3に示した関係を満
たすように励起光PP の波長が変化し、同時に位相整合
条件を満たすように非線形光学結晶110への励起光P
P の入射角が変化する。このようにして、制御装置39
0は、コンピュータ310からの信号に応じて励起光P
Pの波長と非線形光学結晶110の位相整合条件とを同
時に変化させて制御する。
【0036】図8は、装置の動作フローチャートを示し
たものである。
【0037】まず、コンピュータ310に信号光PS
波長を入力すると、コンピュータ310は、同時に入力
された信号光PS の波長をもとに励起光PP の波長及び
この波長の励起光PP に対する非線形光学結晶110の
位相整合条件を求め、それらに応じた信号を制御装置3
90に出力する。制御装置390は、それに応じて動作
を開始し、ギア394を回転させて複屈折フィルタ13
2の角度と非線形光学結晶110の角度とを同時に動か
すなど非線形光学結晶110の温度,印加電圧を変化さ
せ、非線形光学結晶110が位相整合条件を満たす状態
に制御する。
【0038】上述の機構により、励起光PP の波長と非
線形光学結晶110の位相整合条件とが同時に変化し、
分光器420によってその波長が計測され、パワーメー
タ430によってその強度が計測され、制御装置390
にモニタされる。そして、制御装置390は、信号光P
S が必要な波長精度の必要な強度になるように、上記計
測値を設定値と比較をしフィードバックして微小な補正
をする。そして、制御装置390は、非線形光学結晶1
10が位相整合条件を満たすように発振器全体の微調を
した後、設定を終了する。こうして最終的に設定した発
振波長を得る。
【0039】この様にして、同時に励起光PP の波長と
非線形光学結晶110の位相整合条件とを制御すること
により、迅速に必要な信号光PS 若しくはアイドラー光
Iの発生効率を高して得ることが可能になる。
【0040】図9は、制御装置390が、複屈折フィル
タ132の角度と非線形光学結晶110への励起光PP
の入射角とを同時に制御するような場合の他の構成例を
示したものである。図7のギア394に代えて、ギア3
93の駆動をギア397を介してモータ392で行い、
ステージ115のギアの駆動をギア396を介してモー
タ395で行うようにしたものである。モータ392,
395は制御装置390の制御回路391に応じて同期
して動作するようになっており、これらには例えばステ
ップモータなどを用い得る。そして、モータ392,3
95の回転速度やギア比は群速度と位相整合条件を満た
すように設定されている。これによって、上記実施例と
同様に動作をする。
【0041】図10は、制御装置390が、複屈折フィ
ルタ132の角度と非線形光学結晶110の温度(又は
印加電圧)とを同時に制御するような場合の他の構成例
を示したものである。図9のステージ115の駆動系に
代えて、ステージ115に設けられたヒータで非線形光
学結晶110を加熱するようになっている。モータ39
2による複屈折フィルタ132の駆動とヒータによる非
線形光学結晶110の加熱は制御装置390の制御回路
391によって同時にするようになっている。励起光源
130の波長は、制御回路391からモータ392への
モータ制御信号によって制御され、非線形光学結晶11
0の温度は、ステージ115のヒータへの駆動電流によ
って制御され、これらは同期して制御される。これによ
って、上記実施例と同様に群速度と位相整合条件を満た
すように動作をする。
【0042】非線形光学結晶110の印加電圧を制御す
る場合は、ステージ115のヒータにかえて非線形光学
結晶110に電極を設け、この電極に印加する電圧を変
化させることによって同様に行われる。
【0043】
【発明の効果】以上の通り本発明によれば、必要な信号
光若しくはアイドラー光の波長と非線形媒質のもつ分散
特性とに対する相関に基づいて、励起光の波長及び励起
光に対する非線形媒質の位相整合条件を同時に最適値に
調整することから、励起光の強度を上げつつ、信号光若
しくはアイドラー光のレーザパルスのタイミングを揃え
ることができる。そのため、非線形媒質内部で発生した
信号光若しくはアイドラー光或いは励起光の光子が同時
に非線形媒質内部に戻るので、非線形媒質内部で信号光
若しくはアイドラー光が発生する効率を高くしうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成概念図。
【図2】図1の装置の動作を示す図。
【図3】励起光PP に対して信号光PS 及びアイドラー
光PI の非線形光学結晶110内の遅延時間の差が零に
なるような励起光PP 、信号光PS 及びアイドラー光P
I の波長の関係を示した図。
【図4】図1の装置の動作を模式的に示した図。
【図5】信号光PS 、アイドラー光PI のパルスの遅延
時間をシュミレーションした結果を示した図。
【図6】より詳細な実施例の構成図。
【図7】制御装置の構成例を示した図。
【図8】図6の装置の動作を示す図。
【図9】制御装置の変形例を示した図。
【図10】制御装置の変形例を示した図。
【図11】ウォークオフを示した図。
【符号の説明】 110…非線形結晶、115…ステージ、119…共振
器、130…励起光源、132…フィルタ、310…コ
ンピュータ、390…制御装置、391…制御回路、3
93,394,396,397…ギア、392,395
…モータ、M1〜M5…ミラー。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起光の波長を可変にする波長可変機構
    を含み、可変波長の励起光のパルスを出力する励起光源
    と、 前記励起光の照射により光パラメトリック変換し、信号
    光及びアイドラー光を発する非線形媒質と、 前記非線形媒質が配置され、前記非線形媒質の位相整合
    条件を調整する位相整合調整機構と、 前記非線形媒質をはさむように配置され、前記信号光、
    前記アイドラー光及び前記励起光に対して共振器を構成
    する光学系と、 必要な前記信号光若しくは前記アイドラー光の波長と前
    記非線形媒質のもつ分散特性とに対する相関に基づい
    て、前記波長可変機構及び前記位相整合調整機構を同時
    に制御し、前記励起光の波長及び前記励起光に対する前
    記非線形媒質の位相整合条件を調整する制御手段とを有
    する光パラメトリック発振器。
  2. 【請求項2】 前記位相整合調整機構は、前記励起光の
    前記非線形媒質への入射角、前記非線形媒質の温度或い
    は前記非線形媒質への印加電圧のいずれか一つ以上を変
    化させることによって前記位相整合条件を調整すること
    を特徴とする請求項1記載の光パラメトリック発振器。
  3. 【請求項3】 前記励起光源はレーザ発振器を含んで構
    成され、 前記波長可変機構は前記レーザ発振器のレーザキャビテ
    ィ内に配置された複屈折フィルタを含んで構成され、 前記波長可変機構は、前記複屈折フィルタを回転させる
    ことによって前記励起光の波長を可変にすることを特徴
    とする請求項1記載の光パラメトリック発振器。
  4. 【請求項4】 前記波長可変機構は、前記複屈折フィル
    タを回転させる第1の歯車機構を有し、 前記位相整合調整機構は、前記励起光の前記非線形媒質
    への入射角を変化させる第2の歯車機構を有し、 前記制御手段は、前記第1及び第2の歯車機構に噛み合
    う第3の歯車機構を有し、この第3の歯車機構で前記複
    屈折フィルタと前記非線形媒質とを同時に回転させるこ
    とによって前記励起光の波長及び前記位相整合条件を同
    時に調整することを特徴とする請求項3記載の光パラメ
    トリック発振器。
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