JP2695607B2 - 光パラメトリック発振器 - Google Patents
光パラメトリック発振器Info
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Description
器に係り、特に、高い変換効率を達成し、大きな発振出
力を得るのに好適なものに関する。
特定の発振線でのレーザ発振がえれられる、即ち固定波
長のレーザである。このような様々な固定波長のレーザ
は、様々な分野で応用されているが、レーザ光が、通信
などに使われている電波のように自由に周波数が変えら
れるとすれば、さらに、レーザの応用面で大きな進展が
期待できる。このような期待をもとに、レーザ発振が確
認された初期の頃から波長可変なレーザが開発されてき
た。
や、非線形効果,誘導ラマン散乱を利用したものがあ
る。光パラメトリック発振器は、光パラメトリック効果
を利用したもので、非線形結晶に周波数ωp の励起光
(ポンプ光)によって周波数ωs のシグナル光(信号
光)及び周波数ωi のアイドラ光のレーザ発振をうるも
のである(ωp =ωs +ωi )。このレーザは、連続波
長可変であり、ピコ秒のパルス動作においての有効性が
知られている。
ック発振器をパルス動作させた場合、共振器内部を伝搬
する信号光とアイドラー光の時間幅がピコ秒以下である
と、理想的なオプティカル・パラメトリック増幅ができ
ないという問題がある。図12はこれを模式的に示した
ものであり、ポンプ光PP ,信号光PS ,アイドラ光P
I が非線形結晶110へ入射した場合、波長分散特性に
より非線形結晶110からの信号光PS ,アイドラ光P
I がポンプ光PP に対し時間τ1 ,τ2 だけ遅れて出力
される様子を示したものである。共振器を構成する材料
の波長分散特性により、異なる波長のポンプ光や信号光
とアイドラー光のまでの群速度の違いが発生する。その
ため、共振器内部において、これらの光パルス間に位相
のズレが生じてしまうからである(通常、この現象をウ
ォークオフと言う)。
第5017806 号1では、結晶の厚みを薄くすることで、非
線形結晶中で生じる群遅延を抑え、光パルス間に位相の
ズレを小さくしている。しかし、非線形結晶では前述し
たように光パラメトリック効果でポンプ光や信号光を得
ているため、ウォークオフは小さくなるかもしれない
が、変換効率の低下を招いてしまう。非線形結晶の厚み
は、ウォークオフを決定するのみでなく、変換効率を決
定するのである。したがって、非線形結晶をむやみに薄
く出来ないという問題がある。
げようとすると、焦点距離の短いレンズなどを用いて励
起光を集光する必要がある。しかし、このようにする
と、位相整合条件から、異なる波長の信号光とアイドラ
ー光も交じり、単色の光を得ることもできなくなってし
まう、という問題がある。
に、本発明の光パラメトリック発振器は、励起光のパル
スを出力する励起光源と、励起光の照射により光パラメ
トリック発振し、第1及び第2の波長の光を発する非線
形光学媒質と、非線形光学媒質をはさむように配置さ
れ、第1の波長の光、第2の波長の光及び励起光それぞ
れに対して共振器を構成する光学系とを有し、光学系
は、第1の波長の光、第2の波長の光及び励起光それぞ
れに対してその共振器長が可変である。
の光を透過するとともに、非線形光学媒質からの第1及
び第2の波長の光及び励起光を反射する第1のミラー
と、第1及び第2の波長の光と励起光とを分光する分散
素子と、分散素子で分光された第1の波長の光、第2の
波長の光及び励起光の光路上にそれぞれ配置され、第1
のミラーとともに第1の波長の光、第2の波長の光及び
励起光それぞれに対して共振器を構成する第2、第3及
び第4のミラーとを含んで構成され、第2、第3または
第4のミラーは、その位置が調整可能であることを特徴
としても良い。
れ、第1及び第2の波長の光及び励起光が共振器内で伝
搬する時間が等しくなるようにその位置が調整されてい
ることを特徴としても良い。
軸を中心に回動可能な2のプリズムで構成され、これら
のプリズム相互の距離及び回動角度が調節可能であるこ
とを特徴としても良い。
配置され、第1及び第2の波長の光と励起光とを分光す
る第1及び第2の分散素子と、励起光源から第1の分散
素子を介して非線形光学媒質へ入射する光を透過すると
ともに非線形光学媒質を透過した励起光を反射する第5
のミラーと、この第5のミラーとともに励起光に対する
共振器を構成し、第2の分散素子で分光された励起光の
光路上に配置された第6のミラーと、第1の分散素子で
分光された第1の波長の光の光路上に配置された第7の
ミラーと、この第7のミラーとともに第1の波長の光に
対して共振器を構成し、第2の分散素子で分光された第
1の波長の光の光路上に配置された第8のミラーと、第
1の分散素子で分光された第2の波長の光の光路上に配
置された第9のミラーと、この第9のミラーとともに第
2の波長の光に対して共振器を構成し、第2の分散素子
で分光された第2の波長の光の光路上に配置された第1
0のミラーとを含んで構成され、第5ないし第10のミ
ラーは、分散素子からの距離が調整可能であることを特
徴としても良い。
成され、第5乃至第10のミラーはそれぞれ、第1及び
第2の波長の光及び励起光が共振器内で伝搬する時間が
等しくなるように分散素子からの距離が調整されている
ことを特徴としても良い。
のパルスの照射により非線形光学媒質が光パラメトリッ
ク変換し、第1及び第2の波長の光のパルスが発生す
る。これらの光は、第1の波長の光、前記第2の波長の
光及び励起光それぞれに対して共振器を構成する光学系
によって共振する。
起光の光子1個について一つづつ発生し、非線形光学媒
質内部を進行して共振器を構成するミラーで反射する。
構成する物質の波長分散により、共振器内部での第1及
び第2の波長の光及び励起光の速度は異なっており、伝
搬時間がことなる。
及び励起光それぞれに対してその共振器長が可変である
ことから、第1及び第2の波長の光及び励起光が共振器
内を伝搬する時間を等しいものにすることができ、発振
波長を変化させた場合でも第1及び第2の波長の光のレ
ーザパルスのタイミングを揃えることができる。この様
に、ウォークオフを抑えることができるため、非線形光
学媒質内部で発生した第1及び第2の波長の光或いは励
起光の光子が同時に非線形光学媒質内部に戻るので、非
線形光学媒質内部で第1及び第2の波長の光が発生する
効率を高くしうる。
本発明の光パラメトリック発振器は、パルス動作するオ
プティカル・パラメトリック発振器の共振器内部を伝搬
するポンプ光と信号光またはアイドラー光の間の群遅延
を補正し、高い変換効率を達成するものであり、図1
は、その第1の実施例として最も構成しやすい例をしめ
したものである。
0の内部には、非線形光学結晶110と分光及び分散補
正を行う1対のプリズムペアー122,124が配置さ
れ、このプリズムペアー122,124で分光されたポ
ンプ光PP ,信号光PS ,アイドラ光PI の光路上に3
つのミラーM2,M3,M4が配置されている。また、
励起光源130から非線形光学結晶110へのポンプ光
PP の光路上に、ポンプ光PP を一部透過させ、信号光
PS ,アイドラ光PI に対して100%の反射率を有す
るミラーM1が設けられている。この3枚のミラーM
2,M3,M4とミラーM1がそれぞれポンプ光PP ,
信号光PS ,アイドラ光PI に対する別々の共振器を構
成している。
った位置に配置されており、ミラーM2はプリズムペア
ー122,124により分光されたポンプ光PP の光軸
にそって、ミラーM3は信号光PS の光軸にそって、ミ
ラーM4はアイドラ光PI の光軸にそってそれぞれその
位置を動かすことができるようになっている。これによ
って、ポンプ光PP ,信号光PS ,アイドラ光PI の共
振器内部での伝搬時間を調整できるようになっている。
置及び回転方向を変えることができるようになってい
る。すなわち、入射光の分光方向を直行する軸を中心に
回動可能になっており、また、これらのプリズム12
2,124の距離及び回動角度が調節可能である。これ
によって、共振器内部で波長分散特性を変えることがで
きるようになっている。プリズム124は、プリズム1
22に対し頂角の方向をプリズムに対して180度回転
して設置されており、プリズム122で分光されたポン
プ光PP 及び信号光PS ,アイドラ光PI は、適当な空
間的に距離をおいてプリズム124に入射し、平行光に
なってミラーM2,M3,M4に向かうようになってい
る。また、プリズム122,124の位置及び回転方向
を変えることで、ミラーM2,M3,M4及びミラーM
1で共振する光の波長を変えることができるようになっ
ている。
線形光学結晶110へのポンプ光P P を出力するもので
あり、ミラーM1を通して非線形光学結晶110を励起
する。励起光源130には、例えば、波長可変のチタン
サファイアレーザーなどのパルスレーザーを用いること
ができる。また、非線形光学結晶110には、ベータバ
リウム ボーレートなどを用いることができる。そし
て、非線形光学結晶110は、あらかじめ設定した信号
光PS またはアイドラ光PI に対して位相整合条件を成
り立たせることができる様に、角度が調整できるように
なっている。
ンプ光PP のパルスを入射させると、非線形結晶110
内部でオプティカル・パラメトリック効果により信号光
PS,アイドラ光PI が発生する。そして、ポンプ光P
P 及び信号光PS ,アイドラ光PI は、ポンプ光と同一
の出射方向にポンプ光にオーバーラップして出てくる
(これらの光については図1では、解かりやすい様に空
間的に離して描いている)。
信号光PS ,アイドラ光PI は、プリズムペアー12
2,124で分光され、分光されたポンプ光PP 及び信
号光PS ,アイドラ光PI は、適当な空間的に距離をお
いた互いに平行な光になる。そして、互いに平行なポン
プ光PP 及び信号光PS ,アイドラ光PI は、それぞれ
予め分光反射率の中心波長を合わせたミラーM2〜4で
反射される。
生したする信号光PS ,アイドラ光PI は、パルス化さ
れており、互いに異なる波長をもつ(但し、信号光
PS ,アイドラ光PI の波長は等しい場合もある)。し
たがって、非線形結晶110中,大気,プリズムペアー
122,124を通過することによって、これらのパル
ス光は、前述の従来技術で述べたように、材料の分散特
性により決まる群遅延を受ける。そのため、一般に可視
光近傍では、波長の短いポンプ光PP は、信号光PS や
アイドラー光PI に対して時間的に伝搬が遅くなる。こ
の時間遅れは、ポンプ光、信号光とアイドラー光の波長
と光学部品の厚みなどが決まれば一義的に定まる。
PI それぞれの光パルスに対する共振器を構成するミラ
ーM2〜4は、その位置が調整可能であるため、これら
のパルス光が非線形結晶110から出て反射して非線形
結晶110に戻るまでの伝搬時間をこれらの波長に応じ
て適当に変えることができる。この伝搬時間が互いに等
しくなるようにすることで、非線形結晶110に戻る時
のポンプ光PP 、信号光PS 、アイドラー光PI のパル
スのタイミングが等しくなる。すなわち、これらの光パ
ルスは、毎回ミラーM2〜4で反射し非線形結晶110
に戻る時に、互いに常時重ねることが可能となる。これ
によって、ポンプ光PP 、信号光PS 、アイドラー光P
I が同時に非線形結晶110の内部に戻るので、信号光
PS 、アイドラー光PI が発生する効率が高くなる。
転角が変われば、ポンプ光PP 、信号光PS 、アイドラ
ー光PI の伝搬時間が変化すると同時に共振器の分散特
性も変化する。したがって、プリズム122,124の
位置や回転角が調整可能であることから、伝搬時間を微
調できると同時に共振器の分散特性が微調できるため、
信号光PS 、アイドラー光PI のパルスの幅も変えるこ
とが可能となる。このようにして、パルス動作するオプ
ティカル・パラメトリック発振の効率を飛躍的に向上で
きると同時に、得られるパルスの時間幅を可変とでき、
フェムト秒の波長可変のパルスを得ることができる。
したものである。
のミラーM1にかえてポンプ光PP、信号光PS 、アイ
ドラー光PI に対してミラーM5〜M7と、非線形結晶
110からのこれらの光がミラーM5〜M7に向かうよ
うにプリズム126,128とが共振器220に設けら
れたものである(ミラーM5はミラーM1と同様にポン
プ光PP を一部透過させうる)。このほかの構成は前述
の第1の実施例と同様であり、ミラーM5〜M10の位
置及びプリズム122〜128の位置や回転角は、前述
の実施例同様に調整可能になっている。この構成によ
り、ミラーM5,M8でポンプ光PP に対する共振器
を、ミラーM6,M9で信号光PS に対する共振器を、
ミラーM7,M10でアイドラー光PI に対する共振器
を構成し、これらの共振器長が調整可能になっている。
こうして、第1の実施例と同様、それぞれの波長での共
振器内部の伝搬時間をそろえうるようになっており、ま
た、共振する光の波長を変えることができるようになっ
ている。
プ光PP 及び信号光PS ,アイドラ光PI は、プリズム
ペアー122〜128で分光され、離れた互いに平行な
光になってミラーM5〜10で反射される。これらのパ
ルス光は、前述の第1の実施例で述べたように、材料の
分散特性により決まる群遅延を受けているが、ミラーM
5〜10の位置が調整可能であるため、図の左右に出た
ポンプ光PP 及び信号光PS ,アイドラ光PI のパルス
が非線形結晶110に戻る時のタイミングが等しくする
ことができる。これによって、ポンプ光PP 、信号光P
S 、アイドラー光PI が同時に非線形結晶110の内部
に戻るので、信号光PS 、アイドラー光PI が発生する
効率が高くなる。特に、この実施例では、図の左右に出
たポンプ光PP 及び信号光PS ,アイドラ光PI のパル
スが非線形結晶110に戻る時のタイミングが等しくな
ることから、よりより効率が高くなるものと考えられ
る。
したものである。
の両側にミラーM21,22が設けられており、より効
率が高くなるようにしたものである。ミラーM21,2
2は、非線形結晶110の両側から出たポンプ光PP 及
び信号光PS ,アイドラ光PI を平行光にしてミラーM
2〜M4で共振させるとともに、ミラーM1,M2〜M
4からの光を収束させて非線形結晶110に照射するよ
うにしたものである。
信号光PS ,アイドラ光PI を分光する分散素子に1個
のプリズム122を用い、分光されたこれらの光の光路
上にミラーM2〜M4が配置されている。これらのミラ
ーは、ポンプ光PP 及び信号光PS ,アイドラ光PI そ
れぞれに対する共振器をミラーM1とともに構成してい
る。
心とした弧の上を移動できるようになっており、また、
光の入射方向に平行(ミラーM2〜M4の法線方向)に
移動できるようになっている。この様に、入射光の分光
方向を直行する軸を中心に回動可能、すなわち分光され
た光の光軸に垂直な方向に回転できるようになっている
ことから、プリズム122の屈折角が変わっても共振器
を構成できるようになっている。
60は、ミラーM2〜M4の位置及び方向を制御するた
めのもので、制御装置320,330は主制御装置31
0からの制御信号によりそれぞれ結晶の角度,プリズム
の角度を制御するためのものである。主制御装置310
は、たとえばコンピュータなどで構成され、制御装置3
40〜360は、主制御装置310からの信号で動くア
クチュエータで構成されている。主制御装置310から
の信号によってミラーM2〜M4の位置及び方向が制御
される。制御装置320,330も主制御装置310か
らの制御信号により回転角が制御されるアクチュエータ
で構成されている。
て示したものである。そして、図5は、ミラーM2,M
3を例にミラーの位置関係を示したものである。
PP 及び信号光PS ,アイドラ光PI は、ミラーM21
で反射したのちプリズム122で分光され、その波長に
応じた方向にその進路を曲げられる。ポンプ光PP の方
が信号光PS よりも波長が短いことから、ポンプ光PP
の曲げられた角度θ2 の方が信号光PS の曲げられた角
度θ1 よりも大きくなる。そして、信号光PS はミラー
M3で、ポンプ光PPはミラーM2で反射される。反射
されたポンプ光PP 及び信号光PS は非線形結晶110
に戻って行く。
距離R1 だけ離れた位置に、ミラーM2はプリズム12
2から距離R2 だけ離れた位置に配置されているとする
と、距離ΔRだけの差があることから、信号光PS 及び
ポンプ光PP がプリズム122からミラーに到達するま
で時間ΔR/c(cは光速)の差が生じる。一方、プリ
ズム122の持つ波長分散によって、信号光PS 及びポ
ンプ光PP が同時にプリズム122に到達していたとし
ても、プリズム122から信号光PS 及びポンプ光PP
がでるときはそのタイミングに差が生じている。しか
し、この波長分散による差と時間ΔR/cが等しくなる
ような制御により、信号光PS 及びポンプ光PP がミラ
ーで反射されるタイミングが等しくなる。そして、信号
光PS 及びポンプ光PP が非線形結晶110に戻る場合
も同様にして、そのタイミングが等しくなる。
質のガラスを用い、プリズム頂角を60度とした場合に
ついて、光の波長とプリズムの屈折角及び伝搬時間の関
係のシュミレーション結果を示したものである。主制御
装置310は、この結果に基づいてミラーM2〜M4の
位置及び方向の制御を行う。例えば、350nmのポン
プ光PP で、1.5μmの信号光PS を得ようとする場
合、主制御装置310は、プリズム122へのポンプ光
PP の入射方向から約41度の方向にミラーM2を,約
38度の方向にミラーM3を位置させる。そして、時間
ΔR/cが約12psとなるように、ミラーM2,M3
の距離の差ΔRを3.6mmとる。なお、ミラーM2,
M3の大きさが1cmだとすると、この条件を確保する
ためには、ミラーM2,M3の距離は14.3cm以上
必要になる。したがって、ミラーM2,M3の距離R2
, R1 は装置の大きさとの兼ね合いもあるが、できる
限り大きなほうが望ましい。
向の制御を行うことにより、前述の実施例と同様に、ポ
ンプ光PP 及び信号光PS ,アイドラ光PI のパルスが
非線形結晶110に戻る時のタイミングが等しくなるこ
とから、より効率が高くなるものと考えられる。
したものである。
同様、ミラーM21,22を配置しより効率が高くなる
ようにしたものであるが、プリズムペアー122,12
4が用いられている点が異なっている。このプリズムペ
アー122,124は、ポンプ光PP ,信号光PS ,ア
イドラ光PI を互いに適当に空間的な距離をおいた平行
光にするためのもので、これらの光はプリズム122へ
の入射光と平行になってミラーM2〜M4に向かう。
光PS ,アイドラ光PI の入射方向に平行(ミラーM2
〜M4の法線方向)に移動できるようになっている。主
制御装置310は、制御装置340〜360によるミラ
ーM2〜M4の位置制御を、制御装置320,330に
よる結晶の角度,プリズムの角度の制御をするためのも
のである。主制御装置310は、たとえばコンピュータ
などで構成され、制御装置340〜360は、主制御装
置310からの信号で動くアクチュエータを用いて構成
されている。主制御装置310からの信号によってミラ
ーM2〜M4の位置が制御される。制御装置320,3
30も主制御装置310からの制御信号により回転角が
制御されるアクチュエータで構成されている。
制御が、入射光と平行な方向で足り、プリズム122を
中心とした弧の上を回転させたり、図面に垂直方向に移
動させたりする必要がないという利点がある。図8は、
ミラーM2〜M4の動きを拡大して示したもので、図4
に対応する。
び信号光PS ,アイドラ光PI は、ミラーM22で反射
したのちプリズムペアー122,124で分光され、離
れた互いに平行な光になる。そして、信号光PS はミラ
ーM2で、ポンプ光PP はミラーM1で反射される。反
射されたポンプ光PP 及び信号光PS は非線形結晶11
0に戻って行く。
ミラーM2までの距離L1 とプリズム124からミラー
M1までの距離L2 との間に距離ΔLの差があることか
ら、光PS ,PP ,PI がプリズム124からミラーに
到達するまで時間ΔL/cの差が生じる。そのため、前
述の第3の実施例同様、プリズム122,124の持つ
波長分散などによって光PS ,PP ,,PI のタイミン
グ差が生じても、これをキャンセルするようにミラーM
2〜M4の位置制御を行うことで、ポンプ光PP 及び信
号光PS ,アイドラ光PI のパルスが非線形結晶110
に戻る時のタイミングが等しくなるようにすることがで
きる。これによって、より効率が高くすることができ
る。
ラスを用い、プリズム頂角を60度、プリズム122,
124の間の距離を20cm、プリズム122へのポン
プ光PP の入射位置を頂点からの距離y0 を10mmと
した場合について、光の波長と伝搬時間の関係のシュミ
レーション結果を示したものである。また、図10
(a)のようにプリズム124から出たポンプ光PP に
対する信号光PS の位置をΔxとした場合、ポンプ光P
P の波長700nmのときを基準とした信号光PSの波
長と位置Δxとの関係を示したのが図10(b)であ
る。なお、位置Δxは約1mm程度の非常に小さな値に
なることから、図8のように、ミラーM3,M4を楔形
の形状にし、ミラーM3,M4の境界を鋭くしてミラー
M3,M4にポンプ光PP ,信号光PS が入射しないよ
うにしている。
制御装置310は、これらの結果に基づいてミラーM2
〜M4の位置及び方向の制御を行う。例えば、3μmの
信号光PS を得ようとする場合、時間ΔL/cが1.5
psになることから、主制御装置310は、距離ΔLが
0.45mm、位置Δxが約1.5mmになるようにミ
ラーM2,M3の位置を制御する。
ような正の分散特性を持つ場合だけでなく、負の分散特
性をも持たせ得る。図11は、その場合の一例を示した
もので、主制御装置310及び制御装置330によって
距離y0 を1mmとすることでこの特性が得られる。こ
のことから明らかなように、700nm〜820nmの
領域で負の分散特性が現れ、この場合、図9にかえて図
11に基づいて制御が行われる。
4を用いることで共振器内部の分散特性の微調整を行う
ことができる。なお、プリズムに分散の大きなものを用
い、前述の第3の実施例のような構成にすることも可能
である。また、信号光PS ,アイドラ光PI の波長が等
しい場合(ωs =ωi =ωp /2)、信号光PS ,アイ
ドラ光PI の共振器を共通にすることが可能になり、装
置の構成を簡素にすることができる。
の光、第2の波長の光及び励起光それぞれに対して共振
器を構成し、これらの光に対し共振器長が調整可能であ
ることから、第1及び第2の波長の光のレーザパルスの
タイミングを揃えることができる。そのため、非線形光
学媒質内部で発生した第1及び第2の波長の光或いは励
起光の光子が同時に非線形光学媒質内部に戻るので、非
線形光学媒質内部で第1及び第2の波長の光が発生する
効率を高くしうる。
して示した図。
レーション結果を示した図。
して示した図。
レーション結果を示した図。
とした信号光PS の波長と位置Δxとの関係を示した
図。
伝搬時間の関係のシュミレーション結果を示した図。
が非線形結晶110へ入射した場合、波長分散特性によ
り非線形結晶110からの信号光PS ,アイドラ光PI
がポンプ光PP に対し時間τ1 ,τ2 だけ遅れて出力さ
れる様子を示した図。
…プリズム、130…励起光源、M1〜M10…ミラ
ー。
Claims (6)
- 【請求項1】 励起光のパルスを出力する励起光源と、 前記励起光の照射により光パラメトリック発振し、第1
及び第2の波長の光を発する非線形光学媒質と、 前記非線形光学媒質をはさむように配置され、前記第1
の波長の光、前記第2の波長の光及び前記励起光それぞ
れに対して共振器を構成する光学系とを有し、 前記光学系は、前記第1の波長の光、前記第2の波長の
光及び前記励起光それぞれに対してその共振器長が可変
である光パラメトリック発振器。 - 【請求項2】 前記光学系は、 前記励起光源から前記非線形光学媒質への光を透過する
とともに、前記非線形光学媒質からの前記第1及び第2
の波長の光及び前記励起光を反射する第1のミラーと、 前記第1及び第2の波長の光と前記励起光とを分光する
分散素子と、 前記分散素子で分光された前記第1の波長の光、前記第
2の波長の光及び前記励起光の光路上にそれぞれ配置さ
れ、前記第1のミラーとともに前記第1の波長の光、前
記第2の波長の光及び前記励起光それぞれに対して共振
器を構成する第2、第3及び第4のミラーとを含んで構
成され、 前記第2、前記第3または前記第4のミラーは、その位
置が調整可能であることを特徴とする請求項1記載の光
パラメトリック発振器。 - 【請求項3】 前記第2、第3または第4のミラーはそ
れぞれ、前記第1及び第2の波長の光及び前記励起光が
前記共振器内で伝搬する時間が等しくなるようにその位
置が調整されていることを特徴とする請求項2記載の光
パラメトリック発振器。 - 【請求項4】 前記分散素子は、入射光の分光方向に直
行する軸を中心に回動可能な2のプリズムで構成され、
これらのプリズム相互の距離及び回動角度が調節可能で
あることを特徴とする請求項2記載の光パラメトリック
発振器。 - 【請求項5】 前記光学系は、 前記非線形光学媒質をはさむように配置され、前記第1
及び第2の波長の光と前記励起光とを分光する第1及び
第2の分散素子と、 前記励起光源から前記第1の分散素子を介して前記非線
形光学媒質へ入射する光を透過するとともに前記非線形
光学媒質を透過した前記励起光を反射する第5のミラー
と、 この第5のミラーとともに前記励起光に対する共振器を
構成し、前記第2の分散素子で分光された前記励起光の
光路上に配置された第6のミラーと、 前記第1の分散素子で分光された前記第1の波長の光の
光路上に配置された第7のミラーと、 この第7のミラーとともに前記第1の波長の光に対して
共振器を構成し、前記第2の分散素子で分光された前記
第1の波長の光の光路上に配置された第8のミラーと、 前記第1の分散素子で分光された前記第2の波長の光の
光路上に配置された第9のミラーと、 この第9のミラーとともに前記第2の波長の光に対して
共振器を構成し、前記第2の分散素子で分光された前記
第2の波長の光の光路上に配置された第10のミラーと
を含んで構成され、 前記第5ないし第10のミラーは、前記分散素子からの
距離が調整可能であることを特徴とする請求項1記載の
光パラメトリック発振器。 - 【請求項6】 前記第1及び第2の分散素子は、プリズ
ムで構成され、 前記第5乃至第10のミラーはそれぞれ、前記第1及び
第2の波長の光及び前記励起光が前記共振器内で伝搬す
る時間が等しくなるように前記分散素子からの距離が調
整されていることを特徴とする請求項5記載の光パラメ
トリック発振器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57694A JP2695607B2 (ja) | 1994-01-07 | 1994-01-07 | 光パラメトリック発振器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP57694A JP2695607B2 (ja) | 1994-01-07 | 1994-01-07 | 光パラメトリック発振器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07199249A JPH07199249A (ja) | 1995-08-04 |
JP2695607B2 true JP2695607B2 (ja) | 1998-01-14 |
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-
1994
- 1994-01-07 JP JP57694A patent/JP2695607B2/ja not_active Expired - Fee Related
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