JP3439554B2 - セラミックコーティングを備えた金属基材の製造方法 - Google Patents

セラミックコーティングを備えた金属基材の製造方法

Info

Publication number
JP3439554B2
JP3439554B2 JP31813494A JP31813494A JP3439554B2 JP 3439554 B2 JP3439554 B2 JP 3439554B2 JP 31813494 A JP31813494 A JP 31813494A JP 31813494 A JP31813494 A JP 31813494A JP 3439554 B2 JP3439554 B2 JP 3439554B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polysilazane
coating
heat
metal substrate
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31813494A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08170051A (ja
Inventor
直 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen General Sekiyu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen General Sekiyu KK filed Critical Tonen General Sekiyu KK
Priority to JP31813494A priority Critical patent/JP3439554B2/ja
Publication of JPH08170051A publication Critical patent/JPH08170051A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3439554B2 publication Critical patent/JP3439554B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ポリシラザンと耐熱合
金を含むコーティング用組成物を使用するセラミックコ
ーティングを備えた金属基材の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】金属基材に高度の耐熱性、耐磨耗性、耐
酸化性、等を付与するためには、有機系塗料では不十分
であり、セラミックス系コーティングが用いられる。こ
のような目的に有用なセラミックス系コーティング用組
成物の一つとして、本出願人は特開平1−203476
号公報に、ポリシラザンにセラミックス充填剤を添加し
たコーティング用組成物を開示した。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記のようなセラミッ
クス充填剤を含有するコーティング用組成物から得られ
るコーティング膜は、800℃以上といった高温環境に
おいて非常に高い耐熱性、耐酸化性、等を発揮するが、
基材が金属である場合には、セラミックス膜と基材との
熱膨張率の差が顕著となるため剥離や亀裂が生じる等、
密着性が十分ではないことがある。本発明の目的は、コ
ーティング膜と金属基材との熱膨張率差を小さくし、金
属基材に高度の耐熱性、耐酸化性、等を付与することが
できるセラミックコーティングを備えた金属基材の製造
方法を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】これら及びその他の目的
は、 (1)下記一般式(I): 【0005】 【化2】 【0006】(上式中、R1、R2及びR3は、それぞれ
独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロア
ルキル基、アリール基、またはこれらの基以外でケイ素
に直結する基が炭素である基、アルキルシリル基、アル
キルアミノ基、アルコキシ基を表わす。ただし、R1
2及びR3の少なくとも1つは水素原子である)で表わ
される単位からなる主骨格を有する数平均分子量が10
0〜50000のポリシラザン1重量部に対し、Ni/Cr
系合金、Fe/Cr/Al系合金、Ni/Cr/Fe系合金及びMo系
合金からなる群より選ばれた少なくとも1種の針状、粒
状または鱗片状の耐熱合金2〜30重量部を含むコーテ
ィング用組成物を金属基材に塗布した後、その塗膜を焼
成することを特徴とする、セラミックコーティングを備
えた金属基材の製造方法によって達成される。 【0007】本発明の好ましい実施態様を以下に列挙す
る。 (2)前記コーティング組成物が、Al、Cr、Mo、
Si、Ti、Fe、Co、Ni、Y、Nb、Ta、W、
Zr、Ce及びBから成る群より選ばれた少なくとも1
種の金属充填剤をさらに含有することを特徴とする
(1)項に記載の製造方法。 (3)前記耐熱合金がNi−20Crであることを特徴
とする(1)項又は(2)項に記載の製造方法。 【0008】本発明によれば、ポリシラザンと耐熱合金
とを含むコーティング用組成物を用いることにより、8
00℃以上の高温環境下でも十分な耐熱性、耐酸化性、
等を発揮し、しかも金属基材との密着性がよいセラミッ
クス膜が形成される。ここで、「密着性がよい」とは、
コーティング膜と金属基材との熱膨張率の差に起因する
剥離や亀裂が発生しにくいことを意味する。 【0009】用いるポリシラザンは、分子内に少なくと
もSi−H結合、あるいはN−H結合を有するポリシラ
ザンであればよく、ポリシラザン単独は勿論のこと、ポ
リシラザンと他のポリマーとの共重合体やポリシラザン
と他の化合物との混合物でも利用できる。 【0010】用いるポリシラザンには、鎖状、環状、あ
るいは架橋構造を有するもの、あるいは分子内にこれら
複数の構造を同時に有するものがあり、これら単独でも
あるいは混合物でも利用できる。用いるポリシラザンの
代表例としては下記のようなものがあるが、これらに限
定されるものではない。セラミックス膜の硬度(緻密
性)の点からはペルヒドロポリシラザンが好ましい。こ
れらポリシラザンの選択は、用途に合わせて適宜行うこ
とができる。 【0011】上記一般式(I)でR1 、R2 及びR3
水素原子を有するものは、ペルヒドロポリシラザンであ
り、その製造法は、例えば特公昭63−16325号公
報、D. Seyferth らCommunication of Am. Cer. Soc.,
C-13, January 1983. に報告されている。これらの方法
で得られるものは、種々の構造を有するポリマーの混合
物であるが、基本的には分子内に鎖状部分と環状部分を
含み、 【0012】 【化3】 【0013】の化学式で表わすことができる。ペルヒド
ロポリシラザンの構造の一例を以下に示す。 【0014】 【化4】【0015】一般式(I)でR1 及びR2 に水素原子、
3 にメチル基を有するポリシラザンの製造方法は、D.
Seyferth らPolym. Prepr., Am. Chem. Soc., Div. Po
lym.Chem., 25, 10(1984)に報告されている。この方
法により得られるポリシラザンは、繰り返し単位が−
(SiH2 NCH3 )−の鎖状ポリマーと環状ポリマー
であり、いずれも架橋構造をもたない。 【0016】一般式(I)でR1 及びR3 に水素原子、
2 に有機基を有するポリオルガノ(ヒドロ)シラザン
の製造法は、D. Seyferth らPolym. Prepr., Am. Chem.
Soc., Div. Polym. Chem., 25, 10(1984)、特開昭6
1−89230号公報、同62−156135号公報に
報告されている。これらの方法により得られるポリシラ
ザンには、−(R2 SiHNH)−を繰り返し単位とし
て、主として重合度が3〜5の環状構造を有するものや
(R3 SiHNH)X 〔(R2 SiH)1.5 N〕
1-X (0.4<x<1)の化学式で示される分子内に鎖
状構造と環状構造を同時に有するものがある。 【0017】一般式(I)でR1 に水素原子、R2 及び
3 に有機基を有するポリシラザン、またR1 及びR2
に有機基、R3 に水素原子を有するものは、−(R1
2 SiNR3 )−を繰り返し単位として、主に重合度が
3〜5の環状構造を有している。用いるポリシラザン
は、上記一般式(I)で表わされる単位からなる主骨格
を有するが、一般式(I)で表わされる単位は、上記に
も明らかなように環状化することがあり、その場合には
その環状部分が末端基となり、このような環状化がされ
ない場合には、主骨格の末端はR1 、R2 、R3 と同様
の基又は水素であることができる。 【0018】ポリオルガノ(ヒドロ)シラザンの中に
は、D. Seyferth らCommunication ofAm. Cer. Soc., C
-132, July 1984. が報告されている様な分子内に架橋
構造を有するものもある。一例を下記に示す。 【0019】 【化5】 【0020】また、特開昭49−69717号に報告さ
れている様なR1 SiX3 (X:ハロゲン)のアンモニ
ア分解によって得られる架橋構造を有するポリシラザン
(R 1 Si(NH)X )、あるいはR1 SiX3 及びR
2 2SiX2 の共アンモニア分解によって得られる下記の
構造を有するポリシラザンも出発材料として用いること
ができる。 【0021】 【化6】【0022】さらに、下記の構造(式中、側鎖の金属原
子であるMは架橋をなしていてもよい)のように金属原
子を含むポリメタロシラザンも出発材料として用いるこ
とができる。 【0023】 【化7】 【0024】その他、特開昭62−195024号に報
告されているような繰り返し単位が〔(SiH2
n (NH)m 〕及び〔(SiH2 r O〕(これらの式
中、n、m、rはそれぞれ1、2または3である)で表
わされるポリシロキサザン、特開平2−84437号に
報告されているようなポリシラザンにボロン化合物を反
応させて製造する耐熱性に優れたポリボロシラザン、特
開昭63−81122号、同63−191832号、特
開平2−77427号に報告されているようなポリシラ
ザンとメタルアルコキシドとを反応させて製造するポリ
メタロシラザン、特開平1−138108号、同1−1
38107号、同1−203429号、同1−2034
30号、同4−63833号、同3−320167号に
報告されているような分子量を増加させたり(上記公報
の前4者)、耐加水分解性を向上させた(後2者)、無
機シラザン高重合体や改質ポリシラザン、特開平2−1
75726号、同5−86200号、同5−33129
3号、同3−31326号に報告されているようなポリ
シラザンに有機成分を導入した厚膜化に有利な共重合シ
ラザン、特開平5−238827号、特願平4−272
020号、同5−93275号、同5−214268
号、同5−30750号、同5−338524号に報告
されているようなポリシラザンにセラミック化を促進す
るための触媒的化合物を付加または添加した金属への施
工が可能で、より低温でセラミックス化する低温セラミ
ックス化ポリシラザンなども同様に使用できる。 【0025】本発明により用いるポリシラザンは、分子
量が低すぎると、焼成時の収率が低くなり、実用的でな
い。一方分子量が高すぎると溶液の安定性が低く、健全
な膜が得られない。これらの理由から、用いるポリシラ
ザンの分子量は数平均分子量で下限は100、好ましく
は500である。また、上限は5万、好ましくは100
00である。 【0026】本発明のコーティング用組成物は、上記の
ようなポリシラザンの他、少なくとも1種の耐熱合金を
含有する。このような耐熱合金の例として、Ni/Cr
系合金、Fe/Cr/Al系合金、Ni/Cr/Fe系
合金及びMo系合金が挙げられる。Ni/Cr系合金、
特にNi−20Cr(Ni80%、Cr20%)系合金
が好ましい。 【0027】本発明に用いる耐熱合金は、針状(ウィス
カーを含む)、粒状、鱗片状等種々の形状のものを単独
又は2種以上混合して用いることができる。これら耐熱
合金の粒子の大きさは1回に適用可能な膜厚よりも小さ
いことが望ましい。また、耐熱合金の添加量は、金属基
材や耐熱合金の種類、所望の熱膨張率、等により変動す
るが、ポリシラザン1重量部に対し、一般に1〜50重
量部、好ましくは2〜30重量部とする。 【0028】本発明のコーティング用組成物には、上記
の耐熱合金の他、金属基材との密着性や、耐酸化性、耐
衝撃性、等を向上させる目的で、金属充填剤を含有させ
てもよい。コーティング膜の耐熱性を損なわないよう、
この金属充填剤は高融点の金属または合金の充填剤であ
ることが好ましい。好ましい金属充填剤としてAl、C
r、Mo、Si、Ti、Fe、Co、Ni、Y、Nb、
Ta、W、Zr、Ce及びB、等が挙げられる。本発明
の特に好ましいコーティング用組成物は、ポリシラザン
1重量部に対し、2〜30重量部のNi−20Cr及び
0.1〜10重量部のAlを含有する組成物である。 【0029】耐熱合金及び(所望による)金属充填剤は
コーティング用組成物に均一に分散させるべきである。
均一に分散させる方法として、攪拌、超音波分散、ボー
ルミル、振動ミル、ペイントシェーカー、アトライタ
ー、等による分散処理法が挙げられる。 【0030】本発明のコーティング用組成物は、ポリシ
ラザンと耐熱合金とを適当な溶剤中に含有させて調製さ
れる。溶剤としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水
素、芳香族炭化水素の炭化水素溶媒、ハロゲン化メタ
ン、ハロゲン化エタン、ハロゲン化ベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエ
ーテル類を使用することができる。好ましい溶媒は、塩
化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモホル
ム、塩化エチレン、塩化エチリデン、トリクロロエタ
ン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、エチ
ルエーテル、イソプロピルエーテル、エチルブチルエー
テル、ブチルエーテル、1,2−ジオキシエタン、ジオ
キサン、ジメチルジオキサン、テトラヒドロフラン、テ
トラヒドロピラン等のエーテル類、ペンタンヘキサン、
イソヘキサン、メチルペンタン、ヘプタン、イソヘプタ
ン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、メチル
シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等
の炭化水素等である。これらの溶剤を使用する場合、ポ
リシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度を調節するため
に、2種類以上の溶剤を混合してもよい。 【0031】溶剤の使用量(割合)は採用するコーティ
ング方法により作業性がよくなるように選択され、また
用いるポリシラザンの平均分子量、分子量分布、その構
造によって異なるので、適宜、自由に混合することがで
きる。好ましくは固形分濃度で50〜99重量%の範囲
で混合することができる。 【0032】また、本発明のコーティング用組成物にお
いて、上記の耐熱合金及び金属充填剤の他、得られるセ
ラミック膜の熱膨張率に悪影響を及ぼさない範囲で、必
要に応じて適当な充填剤及び/又は増量剤を加えること
ができる。充填剤の例としてはシリカ、アルミナ、ジル
コニア、マイカを始めとする酸化物系無機物あるいは炭
化珪素、窒化珪素等の非酸化物系無機物の微粉等が挙げ
られる。さらに充填剤の例を詳しく述べれば、シリカゾ
ル、ジルコニアゾル、アルミナゾル、チタニアゾル等の
ゾル:ケイ砂、石英、ノバキュライト、ケイ藻土等のシ
リカ系:合成無定形シリカ:カオリナイト、雲母、滑
石、ウオラストナイト、アスベスト、ケイ酸カルシウ
ム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩:ガラス粉末、ガ
ラス球、中空ガラス球、ガラスフレーク、泡ガラス球等
のガラス体:窒化ホウ素、炭化ホウ素、ホウ化チタン、
ホウ化ジルコニウム(ZrB2 )、ホウ化クロム(Cr
2 )等のホウ化物、炭化アルミニウム、炭化ケイ素、
炭化チタン等の炭化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ
素、窒化チタン等の窒化物、二ケイ化モリブデン(Mo
Si2 )等のケイ化物、等の非酸化物系無機物:炭酸カ
ルシウム:酸化亜鉛、アルミナ、マグネシア、酸化チタ
ン、酸化ベリリウム等の金属酸化物:硫酸バリウム、二
硫化モリブデン、二硫化タングステン、弗化炭素その他
無機物:NiAl等の金属間化合物:ステンレススチー
ル、等の金属粉末、等があげられる。 【0033】コーティング用組成物には、必要に応じて
各種顔料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線
吸収剤、pH調整剤、分散剤、表面改質剤、可塑剤、乾燥
促進剤、流れ止め剤、等を加えてもよい。本発明のコー
ティング用組成物は、特に高温で用いられる金属基材に
塗被すると有用である。このような金属基材として、例
えば、ステンレス鋼(例、SUS304、SUS31
6、SUS310、SUS430)、Ni、Ti、等が
挙げられる。金属基材の形状(面積や厚さ)には特に制
限はなく、用途に応じた任意の形状の金属基材を使用す
ることができる。 【0034】本発明のコーティング用組成物を、上記の
ような金属基材の少なくとも一部に適用することによっ
てポリシラザンの膜を形成する。適用方法は、通常実施
されている塗布方法、すなわちスピンコート、浸漬、ロ
ール塗り、バー塗り、刷毛塗り、スプレー塗り、フロー
塗り等が用いられる。また、塗布前に金属基材をヤスリ
がけ、脱脂、各種ブラスト、等で表面処理しておくとコ
ーティング組成物の付着性能が向上する。このような方
法でコーティングし、充分乾燥させた後、加熱・焼成す
る。この焼成によって耐熱合金含有ポリシラザンは架
橋、縮合、あるいは、焼成雰囲気によっては酸化、加水
分解して硬化し、強靱な被膜を形成する。 【0035】上記焼成条件はポリシラザンの分子量や構
造などによって異なる。焼成温度はポリシラザンがセラ
ミックス化する温度、通常400℃以上が好ましいが、
より低温でセラミックス化するタイプのポリシラザンで
は、例えば130〜350℃でもよい。しかしながら、
得られる最終セラミックス膜の耐熱性を確認するために
も、一般には800℃以上、好ましくは1000℃以上
で焼成する。昇温速度は特に限定しないが、5〜20℃
/分の緩やかな昇温速度が好ましい。焼成雰囲気は酸素
中、空気中あるいは不活性ガス等のいずれであってもよ
いが、空気中がより好ましい。空気中での焼成により耐
熱合金含有ポリシラザンの酸化、あるいは空気中に共存
する水蒸気による加水分解が進行し、上記のような低い
焼成温度でSi−O結合あるいはSi−N結合を主体と
する強靱な被膜の形成が可能となる。 【0036】こうして、本発明のコーティング組成物を
焼成すると、硬度8H以上、さらには9H以上(鉛筆硬
度)の高硬度で且つ緻密なセラミックス膜が塗布、硬化
という通常の簡便な方法で得られる。このようにして得
られるセラミックス膜は、金属基材との熱膨張率差が小
さいので800℃以上、さらには1000℃以上での高
温使用時にも剥離や亀裂が発生することがなく密着性が
良好である。 【0037】 【実施例】実施例によって本発明をさらに説明する。東
燃製ペルヒドロポリシラザン(PHPS−1;Mn=7
00)の60%キシレン溶液と、350メッシュのNi
−20Cr粉末と、200メッシュのAl粉末と、キシ
レンとを各々15g、80g、20g及び3gずつをボ
ールミルで混合し、ペースト状コーティング液を調製し
た。この液を10cm×10cm×3mmのSUS31
0基板に刷毛塗りし、室温で10分間乾燥した。次い
で、10℃/分の速度で1100℃まで昇温し、その温
度で1時間保持した後に炉冷した。得られた膜厚は15
0μmであった。 【0038】得られたコーティング膜試料に、大気中、
1100℃において100時間保持する耐熱/耐酸化試
験を施したところ、亀裂、剥離、等は観察されず硬質膜
が維持されており、本発明によるコーティング膜が耐熱
性/耐酸化性に優れていることが示された。また、得ら
れたコーティング膜のSUS310基板に対する密着性
をクロスカット試験により評価した。試験結果は100
/100となり、良好な密着性を示した。さらに、ハン
マーによる衝撃試験を施したところ、亀裂、剥離、等は
認められず、本発明によるコーティング膜が耐衝撃性に
優れていることが示された。 【0039】 【発明の効果】本発明によると、ポリシラザンと耐熱合
金とを含むコーティング用組成物を用いることにより、
800℃以上の高温環境下でも十分な耐熱性、耐酸化性
を発揮すると共に、金属基材との熱膨張率差が小さいた
め該基材との密着性がよいセラミックス膜が形成され
る。本発明によるコーティング用組成物は、ガスタービ
ン、各種プラントの高温サービス、等において特に有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−234069(JP,A) 特開 平1−221466(JP,A) 特開 平6−47862(JP,A) 特開 昭53−54214(JP,A) 特開 平1−301848(JP,A) 特開 平4−7377(JP,A) 特開 平2−58580(JP,A) 特開 昭55−84370(JP,A) 特表 平8−503510(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 26/00 B32B 15/04 C04B 41/84 C09D 7/12 C09D 183/16

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 数平均分子量が100〜50000のペ
    ルヒドロポリシラザン1重量部に対し、Ni/Cr系合金、
    Fe/Cr/Al系合金、Ni/Cr/Fe系合金及びMo系合金から
    なる群より選ばれた少なくとも1種の針状、粒状または
    鱗片状の耐熱合金2〜30重量部を含むコーティング用
    組成物を金属基材に塗布した後、その塗膜を焼成するこ
    とを特徴とする、該耐熱合金が均一分散されたセラミッ
    クコーティングを備えた金属基材の製造方法。
JP31813494A 1994-12-21 1994-12-21 セラミックコーティングを備えた金属基材の製造方法 Expired - Fee Related JP3439554B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31813494A JP3439554B2 (ja) 1994-12-21 1994-12-21 セラミックコーティングを備えた金属基材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31813494A JP3439554B2 (ja) 1994-12-21 1994-12-21 セラミックコーティングを備えた金属基材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08170051A JPH08170051A (ja) 1996-07-02
JP3439554B2 true JP3439554B2 (ja) 2003-08-25

Family

ID=18095887

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31813494A Expired - Fee Related JP3439554B2 (ja) 1994-12-21 1994-12-21 セラミックコーティングを備えた金属基材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3439554B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200061523A (ko) * 2018-11-26 2020-06-03 한국화학연구원 광소결용 내열 합금 조성물 및 이를 이용한 전도성 내열 합금막의 제조방법

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4479935B2 (ja) * 1999-08-03 2010-06-09 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ ガスタービンの熱媒体供給部品の潤滑システム
JP7230878B2 (ja) 2020-04-22 2023-03-01 信越化学工業株式会社 密着性組成物、被覆基材および硬化物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200061523A (ko) * 2018-11-26 2020-06-03 한국화학연구원 광소결용 내열 합금 조성물 및 이를 이용한 전도성 내열 합금막의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08170051A (ja) 1996-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3370408B2 (ja) セラミックコーティングの製造方法
JP3307471B2 (ja) セラミックコーティング用組成物及びコーティング方法
JP3385060B2 (ja) 珪素−窒素−酸素−(炭素)−金属系セラミックス被覆膜の形成方法
JP3212400B2 (ja) セラミックコーティング用組成物及びコーティング方法
JP2844896B2 (ja) 耐熱性絶縁塗料
JPH06122852A (ja) コーティング用組成物及びコーティング方法
JPH01138108A (ja) 無機シラザン高重合体、その製造方法及びその用途
JPH08503510A (ja) 硬化されたケイ素含有ポリマーの耐熱性および/または非浸潤性コーティング
US5254411A (en) Formation of heat-resistant dielectric coatings
JP3408604B2 (ja) 無機/有機コーティングの製造方法
JP3414488B2 (ja) 透明な有機/無機ハイブリッド膜の製造方法
EP0217129A1 (en) Heat-resistant paint comprising polymetallocarbosilane
JP2670501B2 (ja) コーティング用組成物及びコーティング方法
JP3439554B2 (ja) セラミックコーティングを備えた金属基材の製造方法
JPH01221466A (ja) コーティング用組成物及びコーティング方法
JP2000265116A (ja) 耐熱コーティング材料
JPH0422190B2 (ja)
JP2000063760A (ja) エンジン、タービン用耐熱コーティング組成物
JP3414489B2 (ja) 透明な撥水性有機/無機ハイブリッド膜の製造方法
JP3442160B2 (ja) SiO2 系セラミック被膜の形成方法
JPH05156176A (ja) 耐熱防汚性塗料及び耐熱防汚性塗膜
JPH08165145A (ja) 紫外線防止透明板及びその製造方法
JP3482423B2 (ja) 光ファイバの製造方法
JPS6248773A (ja) 耐熱性塗料
JP3916272B2 (ja) 分子間架橋されたポリシラザン及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080613

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090613

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090613

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100613

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 8

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120613

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130613

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees