JP3439336B2 - エアバッグ装置およびステアリングホイール - Google Patents

エアバッグ装置およびステアリングホイール

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JP3439336B2
JP3439336B2 JP01292998A JP1292998A JP3439336B2 JP 3439336 B2 JP3439336 B2 JP 3439336B2 JP 01292998 A JP01292998 A JP 01292998A JP 1292998 A JP1292998 A JP 1292998A JP 3439336 B2 JP3439336 B2 JP 3439336B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ホーンス
イッチを備えたエアバッグ装置およびステアリングホイ
ールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、ステアリングホイール本
体の乗員側にホーンスイッチを備え、このホーンスイッ
チを介して、センタパッドを構成するドライバー用のエ
アバッグ装置の全体を支持する構成が知られている。
【0003】そして、このような構成としては、例え
ば、ステアリングホイール本体側に設けた固定接点に対
向する可動接点を設けた両側一対のホーンプレートを、
それぞれ前後一対のボルト(ねじ)およびスプリング体
により、ステアリングホイール本体に弾性的に進退可能
に支持し、エアバッグ装置は、これらホーンプレートに
取付ボルトを用いて固定する構成が知られている。
【0004】そして、このステアリングホイールでは、
エアバッグ装置を押動することにより、可動接点を固定
接点に接触させ、ホーンスイッチを閉成してホーンを吹
鳴するようになっている。
【0005】しかしながら、上記従来の構成では、ステ
アリングホイール本体上に、ステアリングシャフトの軸
方向に沿って、スプリング体、ホーンプレート、折り畳
まれたエアバッグなどが上下方向に配置されるため、エ
アバッグ装置を備えたステアリングホイールのボス部の
高さ寸法が大きくなり、外観の向上が困難になる問題を
有している。また、両側のホーンプレートにそれぞれ取
付ボルトを用いてエアバッグ装置を取り付ける際には、
これら取付ボルトの締め付けトルクによっては、弾性的
に支持されたホーンスイッチが傾斜するなどして、接点
間の間隔すなわち操作ストロークが少なくなるなどして
一定でなくなり、操作感が悪化するとともに、ステアリ
ングホイール本体とエアバッグ装置との間の合せ部分の
間隔がばらつくなどして、外観が悪化する問題を有して
いる。
【0006】また、例えば、特開平9−58393号公
報に記載された構成が知られている。この公報記載の構
成では、エアバッグをベースプレートに取り付けるため
のリテーナから延びる取付ボルトを利用して、エアバッ
グ装置の下側に接点固定金具を弾性的に進退可能に支持
し、この接点固定金具をステアリングホイール本体側の
枠体に固定して、エアバッグ装置をステアリングホイー
ル本体に取り付けている。
【0007】しかしながら、この特開平9−58393
号公報記載の構成でも、ステアリングホイール本体上
に、ステアリングシャフトの軸方向に沿って、接点固定
金具、スプリング体、折り畳まれたエアバッグなどが上
下方向に配置されるため、エアバッグ装置を備えたステ
アリングホイールのボス部の高さ寸法が大きくなり、外
観の向上が困難になる問題を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ステア
リングホイール本体の乗員側にホーンスイッチを備え、
このホーンスイッチを介して、センタパッドを構成する
ドライバー用のエアバッグ装置の全体を支持する構成で
は、ステアリングホイール本体上に、スプリング体、ホ
ーンプレート、折り畳まれたエアバッグなどが上下方向
に配置されるため、エアバッグ装置を備えたステアリン
グホイールのボス部の高さ寸法が大きくなり、外観の向
上が困難になるとともに、ホーンプレートに取付ボルト
を用いてエアバッグ装置を取り付ける際には、取付ボル
トの締め付けトルクによっては、弾性的に支持されたホ
ーンスイッチが傾斜するなどして、操作感および外観が
悪化する問題を有している。また、特開平9−5839
3号公報記載の構成でも、ステアリングホイール本体上
に、ステアリングシャフトの軸方向に沿って、接点固定
金具、スプリング体、折り畳まれたエアバッグなどが上
下方向に配置されるため、エアバッグ装置を備えたステ
アリングホイールのボス部の高さ寸法が大きくなり、外
観の向上が困難になる問題を有している。
【0009】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、厚さ寸法を小さくでき、また、スイッチの操作
性、組付け作業性を向上できるエアバッグ装置およびス
テアリングホイールを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のエアバッ
グ装置は、エアバッグ収納部、このエアバッグ収納部を
構成する被覆部および取付片部を設けたカバー体、およ
びこのエアバッグ収納部に収納されガスの流入により膨
張するエアバッグを備えたエアバッグユニットと、被取
付部材の軸方向に対し前記エアバッグ収納部の外周側に
位置する案内部を備え前記エアバッグユニットの取付片
締結手段により固定された案内体と、前記案内部に
進退可能に案内される案内受部および前記被取付部材に
取り付けられる取付部を設けた支持体と、前記エアバッ
グユニット側および前記支持体側に相対向して設けた接
点と、前記支持体を前記エアバッグユニットから離間す
る方向に付勢する付勢手段とを具備したものである。
【0011】そして、この構成では、エアバッグ装置
は、支持体の取付部を被取付部材に取り付けて用いら
れ、エアバッグユニットを押動操作することにより、付
勢手段の付勢力に抗して接点同士が接離される。支持体
を案内する案内体の案内部は、エアバッグを収納するエ
アバッグ収納部の外周側に位置して設けられるため、厚
さ寸法が小さくなり、外観が向上する。被取付部材に取
り付けられる取付部は、付勢手段の被取付部材側に設け
られ、付勢手段のエアバッグユニット側の構造が簡略化
され、軽量化が可能になり、付勢手段の付勢力の低下が
可能になる。相対向する接点を備えたスイッチは、エア
バッグ装置に組み込まれてユニット化されているので、
被取付部材に取り付ける際に、スイッチと、このスイッ
チの操作部分となるエアバッグ装置との調整作業が必要
なく、組付け作業性が向上する。
【0012】請求項2記載のエアバッグ装置は、請求項
1記載のエアバッグ装置において、接点は、エアバッグ
収納部の外周側に位置して設けられたものである。
【0013】そして、この構成では、接点は、エアバッ
グ装置の周縁部近傍に配置されるため、エアバッグユニ
ットを押動操作した際に、エアバッグユニットの一側へ
の僅かな傾斜により接点が接触し、操作性が向上する。
【0014】請求項3記載のエアバッグ装置は、請求項
1または2記載のエアバッグ装置において、支持体を被
取付部材に取り付ける弾性的に係合可能な係合手段を備
えたものである。
【0015】そして、この構成では、少なくとも1個の
係合手段で支持体を被取付部材に取り付けることによ
り、ねじなどの部材の削減あるいは廃止が可能になり、
組み立て作業性が向上する。
【0016】請求項4記載のステアリングホイールは、
請求項1ないし3いずれか記載のエアバッグ装置と、こ
のエアバッグ装置に設けた取付部が取り付けられる被取
付部材を備えたステアリングホイール本体とを具備した
ものである。
【0017】そして、この構成では、請求項1ないし3
いずれか記載のエアバッグ装置を備えたので、厚さ寸法
が小さくなり、外観が向上し、組付け作業性が向上す
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエアバッグ装置お
よびステアリングホイールの一実施の形態を図面を参照
して説明する。
【0019】図1および図2において、1は自動車のス
テアリングホイールで、このステアリングホイール1
は、ステアリングホイール本体2と、このステアリング
ホイール本体2の乗員側に装着されたエアバッグ装置
(エアバッグモジュール)4となどから構成されてい
る。なお、ステアリングホイール1は、通常所定の角度
に傾斜した状態で用いられるものであるが、以下、エア
バッグ装置4の正面側すなわち乗員側を上側とし、エア
バッグ装置4の裏面側すなわち車体側を下側として説明
する。
【0020】そして、ステアリングホイール本体2は、
リング部あるいはグリップなどとも呼ばれる円環状をな
すリム部5と、このリム部5の内側に位置するボス部6
と、これらリム部5とボス部6とを連結する複数の、本
実施の形態では3本のスポーク部7とから構成されてい
る。また、ボス部6の下部には、ステアリングシャフト
に嵌着される略円筒状のボスが設けられているととも
に、このボスに、被取付部材としてのボスプレート9が
溶接などして固着されあるいは一体に形成されている。
そして、このボスプレート9から、スポーク部7の芯金
7aが一体に延設されあるいは溶接などして固着され、さ
らに、このスポーク部7の芯金7aに、リム部5の芯金が
一体にあるいは溶接などして固着されている。また、こ
れらリム部5の芯金の外周部と、スポーク部7の芯金7a
のリム部5側の部分の外周部とには、軟質の発泡ポリウ
レタンなどからなる表皮部10が形成されている。
【0021】また、ボス部6には、樹脂製の下部カバー
(裏カバー)11が取り付けられ、ボス部6の下側部が覆
われている。そして、この下部カバー11には、ボス8あ
るいはステアリングシャフトSが挿通する図示しない開
口部が中央部に形成されているとともに、この開口部の
両側に位置して、側方に向かう作業用開口部が形成され
ており、これら作業用開口部は、それぞれ着脱可能に係
合した樹脂製の蓋体により覆われている。さらに、この
下部カバー11の内側あるいは下側部には、車体側とステ
アリングホイール1側とを電気的に接続する電気的な接
続装置であるクロックスプリングあるいはケーブル式コ
ネクタ装置などとも呼ばれる環状のケーブル用リール装
置14が取り付けられている。また、ステアリングシャフ
トおよびケーブル用リール装置14の一部を覆って、コラ
ムカバーが設けられている。
【0022】さらに、ボスプレート9の両側部および後
側のスポーク部7の芯金7aには、エアバッグ固定部16が
一体または別体の部材で形成されている。そして、両側
に位置するエアバッグ固定部16には、それぞれ略垂直に
立ち上げられたブラケット取付部17が形成され、各ブラ
ケット取付部17には、両側方向に貫通するねじ孔18が形
成されている一方、後側に位置するエアバッグ固定部16
には、クランプ係合部である上下方向に貫通する図示し
ない2条の矩形状などの開口部が形成されている。
【0023】一方、エアバッグ装置4は、図1ないし図
3に示すように、エアバッグユニット21と、このエアバ
ッグユニット21の下側に設けられたホーンスイッチ機構
22となどを備えている。
【0024】そして、エアバッグユニット21は、ベース
体としてのベースプレート24、袋状のエアバッグ25、こ
のエアバッグ25を覆う樹脂製のカバー体26、ガスを噴射
するインフレータ(ガス発生体)27、および、エアバッ
グ25やインフレータ27などをベースプレート24に固定す
るリテーナ(リテーナリング)29となどを組み合わせて
構成されている。
【0025】そして、ベースプレート24は、金属板など
導電性を有する材質から一体に形成され、略多角形平板
状をなす基板部24a と、この基板部24a の略全周の周縁
部から下方に折曲された周板部24b となどが設けられて
いる。そして、基板部24a には、円孔状をなすインフレ
ータ用通孔24d が形成されているとともに、このインフ
レータ用通孔24d の外周に位置して、複数箇所、本実施
の形態では4か所に図示しないボルト用通孔が形成され
ている。また、周板部24b には、所定間隔でリベット用
通孔24f が形成されているとともに、周板部24b の下端
部には、所定間隔で外側に折曲されたカバー体受片部24
g が形成されている。
【0026】また、エアバッグ25は、二枚の円形の基布
を重ねて外周を縫合などして袋状に形成され、底部中央
には、インフレータ用通孔25d が形成されているととも
に、このインフレータ用通孔25d の外周に位置して、4
か所にボルト用通孔が形成されている。
【0027】さらに、カバー体26は、合成樹脂にて一体
に形成され、ステアリングホイール本体2のボス部6お
よびスポーク部7の一部を覆う被覆部26a と、この被覆
部26a の下面から下側に突設された略角筒状をなす取付
片部26b とが設けられている。そして、この取付片部26
b と、被覆部26a と、このカバー体26の下側に取り付け
られるベースプレート24とで囲まれた部分が、折り畳ん
だエアバッグ25を収納するエアバッグ収納部30となり、
このエアバッグ収納部30に面して、被覆部26aの裏面に
は、薄肉に形成した脆弱なテアライン26d が平面略H字
状などに形成されている。さらに、取付片部26b には、
所定間隔でリベット用通孔26f が形成されているととも
に、取付片部26b の内側には、複数か所に係止爪部26g
が一体に突設されている。また、取付片部26b の外側に
位置して、各スポーク部7を覆う部分の被覆部26a の下
面には、円筒状をなす案内部受部26h が形成されてい
る。
【0028】また、インフレータ27は、内部に推進薬な
どを充填した略円柱状のインフレータ本体(容器)27a
を備え、このインフレータ本体27a の上側部には、周方
向に向かい所定の間隔でガス噴射口27b が形成されてい
るとともに、インフレータ本体27a の高さ方向の略中央
部からは外周側にフランジ部27c が突設され、このフラ
ンジ部27c には、4か所にボルト用通孔27e が形成され
ている。また、インフレータ本体27a の底部からは、図
示しないリード線などが導出され、起動用の電力が供給
されるようになっている。なお、インフレータ本体27a
の底部には、合成樹脂などにて一体に形成されたプロテ
クタを嵌合することもできる。
【0029】また、リテーナ29は、略円環状をなす金属
製のリテーナ本体29a を有しており、このリテーナ本体
29a には、図示しない複数の通孔が形成され、あるいは
取付ボルト(スタッドボルト)が固着されている。
【0030】そして、エアバッグユニット21を組み立て
る際は、リテーナ29をインフレータ用通孔25d からエア
バッグ25の内側に挿入し、リテーナ29の各取付ボルトあ
るいは別体のリベットを、エアバッグ25およびベースプ
レート24のボルト用通孔に挿入し、ナットを螺合しある
いはリベットをかしめなどして、ベースプレート24にエ
アバッグ25およびインフレータ27を固着する。また、エ
アバッグ25を所定の形状に小さく折り畳み、このエアバ
ッグ25を覆うようにしてカバー体26を被せ、ベースプレ
ート24の周板部24b の外側に、カバー体26の取付片部26
b を嵌合する。
【0031】この状態で、ベースプレート24の周板部24
b のカバー体受部24g がカバー体26の取付片部26b の下
端部に当接して係止するとともに、カバー体26の取付片
部26b の係止爪部26g がベースプレート24の周板部24b
の下端部に当接して係止し、カバー体26がベースプレー
ト24に仮止めされる。さらに、これらカバー体26がベー
スプレート24とは、各リベット用通孔26f ,24f に常用
の締結手段であるリベットRを挿入してかしめることに
より、ホーンスイッチ機構22とともに強固に固着される
ようになっている。
【0032】一方、このエアバッグユニット21に組み付
けられるホーンスイッチ機構22は、案内体を構成する両
側一対の側部可動側接点プレート31および後部可動側接
点プレート32と、支持体としての固定側接点プレート33
と、付勢手段としての3個のスプリング体35と、各スプ
リング体35の上下に装着される絶縁体である3対の上部
インシュレータ36および下部インシュレータ37と、案内
支持具である3個の段付きボルト38と、係合手段である
クランプ39となどを備えている。
【0033】そして、各可動側接点プレート31,32は、
導電性を有する金属板を打ち抜き折曲などして、カバー
体26の取付片部26b の外側面に沿って垂直状に配置され
るVプレート部31a ,32a と、このVプレート部31a ,
32a の上側部から被覆部26aに沿って外側に水平状に折
曲された案内部としてのHプレート部31b ,32b とが一
体に形成されている。
【0034】そして、Vプレート部31a ,32a には、そ
れぞれ一対の取付孔31c ,32c が形成され、これら取付
孔31c ,32c に挿入してかしめられるリベットRによ
り、各可動側接点プレート31,32がエアバッグユニット
21のエアバッグ収納部30の外周部に位置して固定されて
いる。また、このVプレート部31a ,32a には、取付片
部26b の下端部に当接する当接片部31d ,32d が形成さ
れているとともに、上下方向に沿って、補強用などの突
条部31e ,32e が、例えば側部可動側接点プレート31に
は3条、後部可動側接点プレート32には1条形成されて
いる。
【0035】また、Hプレート部31b ,32b には、平板
部31f ,32f と、この平板部31f ,32f より低い位置に
配置された接点受部31g ,32g と、平板部31f ,32f の
側方に設けられたコネクタ部31h ,32h と、平板部31f
,32f より高い位置に配置された脚部31i ,32i とが
一体にが形成されている。そして、平板部31f ,32f
は、カバー体26の案内部受部26h の下端部に当接すると
ともに、この平板部31f ,32f には、案内部受部26h の
内側に連通する位置に、円孔の2か所から開口部を延設
した異形の固定孔31j ,32j が形成されているととも
に、この固定孔31j ,32j の上側にねじ孔を連通して、
案内部受部26h の内側に配置されるナット40が取り付け
られている。また、脚部31i ,32i は、被覆部26a の下
面側に当接あるいは係止などされるようになっている。
また、接点受部31g ,32g には、穿設された通孔に銅リ
ベットなどを挿通し、かしめなどして、接点を構成する
可動側接点Aが形成されている。なお、この接点は、図
2に示すように、平面上では、ステアリングホイール1
のボス部6の中心から離間したスポーク部7上の接点ポ
イントCに位置している。さらに、コネクタ部31h ,32
h には、それぞれ図示しないリード線が接続され、この
リード線は、ケーブル用リール装置14に接続されて、車
体側のホーン装置に接続される。
【0036】一方、固定側接点プレート33は、両側一対
の側部支持部41と、これら側部支持部41の中間位置の後
側に位置する後部支持部42と、この後部支持部42の両側
部と側部支持部41の後側部とを連結する腕部43とが、導
電性を有する金属板を打ち抜き折曲などして一体に形成
されている。
【0037】そして、各側部支持部41は、側部可動側接
点プレート31のVプレート部31a の外側面に対向して垂
直状に配置される固定Vプレート部41a と、この固定V
プレート部41a の上側部から、側部可動側接点プレート
31のHプレート部31b の下側に対向して水平状に折曲さ
れた案内受部としての固定Hプレート部41b と、固定V
プレート部41a の下側から延設され、固定Vプレート部
41a の下側かつ内側に位置する取付部としての垂直状の
ブラケット部41c とが一体に形成されている。そして、
固定Hプレート部41b は、中央部に、上下方向に貫通す
る円孔状の支持孔41d が形成されているとともに、この
支持孔41d の側方に位置して穿設された通孔に銅リベッ
トなどを挿通し、かしめなどして、接点を構成する固定
側接点Bが形成されている。また、ブラケット部41c に
は、両側方向に貫通する取付孔41e が形成されている。
さらに、固定Vプレート部41a からブラケット部41c 側
にかけて、それぞれ、上下方向に沿って、補強用などの
突条部41f が3条形成されている。
【0038】また、後部支持部42は、後部可動側接点プ
レート32のVプレート部32a の後側に対向して垂直状に
配置される固定Vプレート部42a と、この固定Vプレー
ト部42a の上側部から、後部可動側接点プレート32のH
プレート部32b の下側に対向して水平状に折曲された案
内受部としての固定Hプレート部42b と、固定Vプレー
ト部42a の下側から内側に屈曲された水平状の下板部42
c とが一体に形成されている。そして、固定Hプレート
部42b は、中央部に、上下方向に貫通する円孔状の支持
孔42d が形成されているとともに、この支持孔42d の側
方に位置して穿設された通孔に銅リベットなどを挿通
し、かしめなどして、接点を構成する固定側接点Bが形
成されている。また、固定Vプレート部42a から下板部
42c にかけて、開口部42e が形成されている。
【0039】さらに、両側の腕部43には、後部支持部42
にかけて、それぞれ、長手方向に沿って、補強用などの
突条部43a が2条形成されている。
【0040】また、スプリング体35は、弾性変形可能な
線ばね材からなるコイルスプリングであり、板ばね、空
気ばねなどの弾性体、あるいは磁力を利用した付勢手段
などを用いることもできる。
【0041】そして、上下のインシュレータ36,37は、
それぞれ絶縁性を有する合成樹脂にて一体に形成されて
いる。そして、各上部インシュレータ36には、円孔36a
を中心として、円環板状の基板部36b と、この基板部36
b の下側に突設された円筒状の筒状部とが形成されてい
るとともに、基板部36b の上面には、一対の係止爪部36
c が突設されている。また、下部インシュレータ37に
は、円孔37a を中心として、円環板状の基板部37b と、
この基板部37b の上側に突設された円筒状の筒状部とが
形成されている。
【0042】また、段付きボルト38は、ねじ部38a と、
このねじ部38a より径寸法の大きい円柱状の軸部38b
と、この軸部38b より径寸法の大きい頭部38c とが同軸
に形成されている。また、軸部38b の直径は、上下のイ
ンシュレータ36,37の円孔36a,37a に摺動自在に挿入
される寸法に形成されている。
【0043】さらに、クランプ39は、水平状の基板部39
a と、この基板部39a の両側部から下方に屈曲された腕
部39b とが弾性変形可能な板ばね材などにて一体に形成
されている。そして、基板部39a は、固定側接点プレー
ト33の後部支持部42の固定Hプレート部42b の下面に当
接し、基板部39a の中央部には、固定側接点プレート33
の後部支持部42の支持孔42d と同じ径寸法の円孔39c が
形成されているとともに、この円孔42c の両側方には、
後部支持部42に設けた一対の位置決部42f に係合する一
対の位置決部39d が形成されている。また、腕部39b は
先端側がそれぞれ略くの字状に屈曲され、係合部39e が
形成されている。
【0044】そして、エアバッグユニット21にホーンス
イッチ機構22を組み付ける際には、まず、リベットRを
用いて、側部可動側接点プレート31および後部可動側接
点プレート32を、エアバッグユニット21に固着する。ま
た、各可動側接点プレート31,32の固定孔31j ,32j
に、係止爪部36c を用いて上部インシュレータ36を取り
付けておく。
【0045】そして、ホーンスイッチ機構22の両側部に
ついては、2本の段付きボルト38の軸部38b を下部イン
シュレータ37の円孔37a に挿入するとともにこれら下部
インシュレータ37を固定Hプレート部42b の支持孔42d
に挿入し、さらに、スプリング体35の内側、上部インシ
ュレータ36の円孔36a 、および固定孔31j に挿通させた
うえ、この段付きボルト38のねじ部38a をナット40に螺
合する。
【0046】また、ホーンスイッチ機構22の後側部につ
いては、1本の段付きボルト38の軸部38b を下部インシ
ュレータ37の円孔37a に挿入するとともにこれら下部イ
ンシュレータ37をクランプ39の円孔39c および固定Hプ
レート部42b の支持孔42d に挿入し、さらに、スプリン
グ体35の内側、上部インシュレータ36の円孔36a 、およ
び固定孔32j に挿通させたうえ、この段付きボルト38の
ねじ部38a をナット40に螺合する。
【0047】そして、この状態で、図1に示すように、
エアバッグユニット21および各可動側接点プレート31,
32に対し、段付きボルト38の軸部38b に案内されて、固
定側接点プレート33が相対的に進退自在に支持されてい
る。また、スプリング体35の弾性力により、固定側接点
プレート33が、エアバッグユニット21および各可動側接
点プレート31,32から相対的に離間する方向に付勢され
ている。すなわち、外力が加わっていない状態では、可
動側接点Aは、固定側接点Bと所定の間隔を介して対向
し、互いに絶縁されるようになっている。
【0048】そして、このようにして組み立てられたエ
アバッグ装置4は、車体に取り付けられることなく、ホ
ーンスイッチ機構22の作動テストがなされ、作動確認の
なされたものだけが車体の組み立てラインに持ち込まれ
る。
【0049】さらに、車体の組み立てラインでは、固定
側接点プレート33をボスプレート9に固定するととも
に、電気的な接続を行って、エアバッグ装置4がステア
リングホイール本体2に組み付けられる。すなわち、エ
アバッグ装置4は、ステアリングホイール本体2のボス
部6に上側から押し込まれた状態で、クランプ39がボス
プレート9のエアバッグ固定部16の後側部に設けた開口
部に係合して、水平方向に位置決されるとともに、垂直
方向すなわち挿入方向に対して抜け止めされる。この状
態で、ボスプレート9の両側のエアバッグ固定部16のブ
ラケット取付部17のねじ孔18に、固定側接点プレート33
の両側のブラケット部41c の取付孔41e が位置合せさ
れ、この取付孔41e の外側からトルクスボルト44を挿入
してブラケット取付部17のねじ孔18に螺合して締め付け
ることにより、機械的な固定作業が完了する。
【0050】また、電気的な接続作業は、ケーブル用リ
ール装置14から導出されたリード線の先端に設けた差し
込み端子を、各可動側接点プレート31,32のコネクタ部
31h,32h すなわち可動側接点Aに接続して行う。この
状態で、各可動側接点Aは、ケーブル用リール装置14を
介して図示しない車体側のホーン装置のプラス回路に接
続され、固定側接点Bは、ボスプレート9、ボス、およ
びステアリングシャフトなどを介して、車体(アース)
に接続される。
【0051】そして、このように組み立てられたステア
リングホイール1のエアバッグ装置4は、自動車が衝突
した際などには、インフレータ27からエアバッグ25の内
部に窒素ガスなどの不活性ガスが急速に噴射され、折り
畳まれ収納されたエアバッグ25が急速に膨張する。する
と、このエアバッグ25の膨張の圧力により、カバー体26
がテアライン26d に沿って扉状に開裂してエアバッグ25
の突出口が形成され、この突出口からエアバッグ25が突
出して乗員の前方に膨張展開し、乗員を車両の衝突など
の衝撃から保護するようになっている。
【0052】また、エアバッグ装置4に力が加わってい
ない状態では、各スプリング体35の付勢力により、各可
動側接点プレート31,32すなわちエアバッグユニット21
が上昇限に押し上げて保持する。
【0053】一方、各スプリング体35の付勢力に抗して
エアバッグユニット21を押動すると、このエアバッグユ
ニット21は、段付きボルト38に案内されて下降し、所定
のストロークだけ下方に押下げられた状態で、可動側接
点Aが固定側接点Bに接触して回路が閉じ、ホーンが吹
鳴されるようになっている。
【0054】そして、本実施の形態によれば、ホーンス
イッチ機構22の接点A,Bや段付きボルト38などの部材
をエアバッグ25を収納したエアバッグ収納部30の外周側
すなわち周縁のいわばデッドスペースに隣接して配置し
たため、例えば、エアバッグの下側にホーンプレートを
配置する構成に比べて、ホーンスイッチ機構22を設けた
エアバッグ装置25の高さ寸法を小さくし、すなわち薄型
化し、さらに、このエアバッグ装置25を備えたステアリ
ングホイール1の全高すなわち厚さ寸法を小さくでき、
外観を向上できる。特に、ケーブル用リール装置14を設
ける場合には、ステアリングホイール1の全高が大きく
なりやすいため、効果が大きい。
【0055】また、各接点A,Bを、エアバッグ収納部
30の外周側の左右両側部と手前側すなわち後側部とのス
ポーク部7上に位置して配置したため、3本のスポーク
部7を備えたステアリングホイール1のセンタパッドと
して調和的に止着できる。さらに、図2に示すように、
各接点A,Bは、エアバッグ装置4の周縁部近傍に配置
されるため、エアバッグユニット21を押動操作した際の
エアバッグユニットの一側への僅かな傾斜により、比較
的容易にいずれかの接点A,B同士を接触させることが
でき、ホーンの操作性を向上できる。また、接点A,B
間のストロークも確保できるため、操作性と合せて品質
も向上できる。そして、通常のホーンの操作において
は、エアバッグ装置4を傾斜させて押圧する場合が多い
ため、このように接点ポイントCを周縁部に配置する構
成が効果的である。
【0056】さらに、少なくとも1個の弾性的に係合す
るクランプ39のクリップオンでエアバッグ装置4をボス
プレート9に取り付けることにより、ねじなどの部材の
削減あるいは廃止が可能になり、組み付け作業性を向上
できる。なお、このクランプ39は、1個に限られず、複
数個用いることもできる。
【0057】また、ステアリングホイール本体2に取り
付けられるブラケット部41c を、スプリング体35のステ
アリングホイール本体2側に設けたため、スプリング体
35のエアバッグユニット21側の構造を簡略化、軽量化し
て、スプリング体35の付勢力を低下させ、操作感を向上
できる。さらに、スプリング体35の上側であるエアバッ
グユニット21側の構造を簡略化、軽量化して、可動部の
重量、換言すればいわゆるばね上重量を軽減できるた
め、スプリング体35の付勢力を低下させても、エンジン
のアイドリングなどによるエアバッグ装置4の共振を防
止でき、操作感の向上を図ることができる。
【0058】さらに、エアバッグ装置4にホーンスイッ
チ機構22を組み込んでユニット化したため、エアバッグ
装置4をステアリングホイール本体2に取り付ける際
に、ホーンスイッチ機構22と、このホーンスイッチ機構
22の操作部分となるエアバッグユニット21との調整作業
を行う必要がなく、車体の組み立てラインにおける工程
不良の部品交換や手直し作業を低減し、製造コストを低
減することができる。
【0059】
【発明の効果】請求項1記載のエアバッグ装置によれ
ば、支持体を案内する案内体の案内部を、エアバッグを
収納するエアバッグ収納部の外周側に位置して設けたた
め、厚さ寸法を小さくでき、外観を向上できる。被取付
部材に取り付けられる取付部を、付勢手段の被取付部材
側に設けたため、付勢手段のエアバッグユニット側の構
造を簡略化、軽量化して、付勢手段の付勢力を低下さ
せ、操作感を向上できる。また、相対向する接点を備え
たスイッチは、エアバッグ装置に組み込まれてユニット
化されているため、被取付部材に取り付ける際に、スイ
ッチと、このスイッチの操作部分となるエアバッグ装置
との調整作業が必要なく、組付け作業性を向上できる。
【0060】請求項2記載のエアバッグ装置によれば、
請求項1記載の効果に加え、接点を、エアバッグ収納部
の外周側に位置して設けため、接点は、エアバッグ装置
の周縁部近傍に配置されることになり、エアバッグユニ
ットを押動操作した際に、エアバッグユニットの一側へ
の僅かな傾斜により接点を接触させることができ、操作
性を向上できる。
【0061】請求項3記載のエアバッグ装置によれば、
請求項1または2記載の効果に加え、少なくとも1個の
係合手段で支持体を被取付部材に取り付けることによ
り、ねじなどの部材の削減あるいは廃止が可能になり、
組付け作業性を向上できる。
【0062】請求項4記載のステアリングホイールによ
れば、請求項1ないし3いずれか記載のエアバッグ装置
を備えたため、厚さ寸法を小さくでき、外観を向上でき
るとともに、組付け作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を示す
分解斜視図である。
【図2】同上エアバッグ装置を備えたステアリングホイ
ールの平面図である。
【図3】同上ステアリングホイールの一部の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリングホイール本体 4 エアバッグ装置 9 被取付部材としてのボスプレート 21 エアバッグユニット 25 エアバッグ26 カバー体 26a 被覆部 26b 取付片部 30 エアバッグ収納部 31 案内体を構成する側部可動側接点プレート 31b 案内部としてHプレート部 32 案内体を構成する後部可動側接点プレート 33 支持体としての固定側接点プレー 35 付勢手段としてのスプリング体 39 係合手段としてのクランプ 41b 案内受部としての固定Hプレート部 41c 取付部としてのブラケット部 A 接点を構成する可動側接点 B 接点を構成する固定側接点 締結手段としてのリベット
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−100907(JP,A) 特開 平9−58393(JP,A) 特開 平11−11246(JP,A) 特開 平11−11247(JP,A) 特開 平11−42997(JP,A) 特開 平9−104311(JP,A) 特開 平6−312643(JP,A) 特開 平6−191414(JP,A) 特開 平6−53365(JP,A) 特開 平9−30425(JP,A) 特開 平8−310408(JP,A) 特開 平6−53324(JP,A) 特開 平11−20709(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/20 B62D 1/04 H01H 13/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグ収納部、このエアバッグ収納
    部を構成する被覆部および取付片部を設けたカバー体、
    およびこのエアバッグ収納部に収納されガスの流入によ
    り膨張するエアバッグを備えたエアバッグユニットと、 被取付部材の軸方向に対し前記エアバッグ収納部の外周
    側に位置する案内部を備え前記エアバッグユニットの取
    付片部締結手段により固定された案内体と、 前記案内部に進退可能に案内される案内受部および前記
    被取付部材に取り付けられる取付部を設けた支持体と、 前記エアバッグユニット側および前記支持体側に相対向
    して設けた接点と、 前記支持体を前記エアバッグユニットから離間する方向
    に付勢する付勢手段とを具備したことを特徴とするエア
    バッグ装置。
  2. 【請求項2】 接点は、エアバッグ収納部の外周側に位
    置して設けられたことを特徴とする請求項1記載のエア
    バッグ装置。
  3. 【請求項3】 支持体を被取付部材に取り付ける弾性的
    に係合可能な係合手段を備えたことを特徴とする請求項
    1または2記載のエアバッグ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載のエアバ
    ッグ装置と、 このエアバッグ装置に設けた取付部が取り付けられる被
    取付部材を備えたステアリングホイール本体とを具備し
    たことを特徴とするステアリングホイール。
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