JP3439294B2 - 弾性表面波フィルター - Google Patents

弾性表面波フィルター

Info

Publication number
JP3439294B2
JP3439294B2 JP08864596A JP8864596A JP3439294B2 JP 3439294 B2 JP3439294 B2 JP 3439294B2 JP 08864596 A JP08864596 A JP 08864596A JP 8864596 A JP8864596 A JP 8864596A JP 3439294 B2 JP3439294 B2 JP 3439294B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
surface acoustic
acoustic wave
resonator
arm resonator
cop
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08864596A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08340234A (ja
Inventor
邦行 松井
康容 平尾
泰三 小林
孝介 竹内
賢一 柴田
雅巳 池田
敏晴 田中
康敬 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=26430002&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3439294(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP08864596A priority Critical patent/JP3439294B2/ja
Publication of JPH08340234A publication Critical patent/JPH08340234A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3439294B2 publication Critical patent/JP3439294B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波共振器
を直列腕と並列腕に接続して構成される共振器結合型の
弾性表面波フィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用電話機等の通信機器にお
いては、共振器フィルター、信号処理用遅延線等の回路
素子として、弾性表面波素子が広く応用されている。例
えば図9に示す弾性表面波素子は、圧電性を有する基板
(1)の表面に簾状の電極(2)及び格子状の反射器(3)
(3)を形成して、共振器を構成している。
【0003】又、図8の如く、梯子型回路の直列腕(4)
と並列腕(5)に夫々、共振器(6)(7)を配置することに
よって、フィルターを構成することが可能である。この
様な共振器結合型の弾性表面波フィルターは、挿入損失
が少なく、整合回路が不要である等の利点を有している
ため、広く普及している。共振器結合型弾性表面波フィ
ルターにおいては、直列腕共振器(6)の共振周波数frs
と並列腕共振器(7)の反共振周波数fapとを略一致させ
ることによって、バンドパスフィルター特性を実現す
る。
【0004】共振器結合型弾性表面波フィルターの設計
を行なう上でのパラメ−タとしては、直列腕共振器の共
振周波数frsと並列腕共振器の共振周波数frpの差Δf
(Δf=frs−frp)や、各共振器の電極対数及び開口
長から決定される静電容量Cos、Cop等があり、従来よ
り弾性表面波フィルターに用いられている基板(36°
Y−X LiTaO3、64°Y−X LiNbO3、及び41
°Y−X LiNbO3)については、設計パラメ−タの最
適な範囲が明らかにされている(特開平5−18338
0号、特開平6−69750号等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の弾性
表面波フィルターの高周波化に応じるべく、更に高音速
を得るためのカット面について研究が行われており、そ
の結果、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リ
チウム(LiNbO3)、及び四硼酸リチウム(Li247)
については、従来よりも高音速のカット面が発見されて
いる。即ち、タンタル酸リチウムについては、弾性表面
波の伝搬方向がオイラ角表示で(90°、90°、31
°)であり、ニオブ酸リチウムについては、弾性表面波
の伝搬方向がオイラ角表示で(90°、90°、37°)
であり、四硼酸リチウムについては、弾性表面波の伝搬
方向がオイラ角表示で(0°、45°、90°)である。
【0006】しかしながら、上記カット面を有するタン
タル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板、或いは四
硼酸リチウム基板を用いた共振器結合型弾性表面波フィ
ルターについては、それらの設計パラメ−タの最適範囲
が未だ明らかにされていない。本発明の目的は、高音速
のカット面を有するタンタル酸リチウム基板、ニオブ酸
リチウム基板、或いは四硼酸リチウム基板を用いた共振
器結合型弾性表面波フィルターにおいて、必要とされる
設計パラメ−タ、特に直列腕共振器及び並列腕共振器の
共振周波数の最適範囲を明らかにし、これによって共振
器結合型弾性表面波フィルターの高性能化を図ることで
ある。尚、本発明では、弾性表面波フィルターの性能を
判断する第1の指標として、その通過帯域内特性におけ
るリップルと挿入損失を採用し、第2の指標として、整
合状態を表わす電圧定在波比(VSWR;Voltage Stand
ing Wave Ratio)を採用した。
【0007】
【課題を解決する為の手段】共振器結合型弾性表面波フ
ィルターの場合、図10に示す様に、直列腕共振器の共
振周波数frsと並列腕共振器の共振周波数frpの差Δf
(以下、単に共振周波数差という)に関して、その値が大
きい程、通過帯域内特性におけるリップルAが増大し、
その値が小さい程、挿入損失Bが増大することが知られ
ている。一方、直列腕共振器の静電容量Cosと並列腕共
振器の静電容量Copに関しては、これらの値の変化によ
ってVSWRが変化することが知られている。
【0008】一般的には、リップルAは2.0dB以
下、挿入損失Bについては5.0dB以下に抑えること
が設計上、望ましい。又、VSWRに関しては、2.0
以下の値に抑えることが設計上、望ましい。そこで本発
明においては、種々の設計パラメータを与えた多数の試
作品を作製し、これらの試作品についての実験結果に基
づいて、リップル及び挿入損失を上記の限界値以下に抑
えることの出来る共振周波数差Δfの最適範囲を明らか
にし、更には、VSWRの値を上記の限界値以下に抑え
ることの出来る直列腕共振器及び並列腕共振器の静電容
量Cos、Copの最適範囲を明らかにした。
【0009】即ち、タンタル酸リチウム基板を用いた弾
性表面波フィルターにおいては、弾性表面波の伝搬方向
がオイラ角表示で(40度乃至90度、40度乃至90
度、0度乃至60度)及びこれと等価な範囲内に設定さ
れると共に、共振周波数差Δfが、中心周波数f0及び
静電容量比Pをパラメータとして、下記数7で規定され
る範囲に設定されている。
【0010】
【数7】Δfmin≦Δf≦Δfmax ここで、 Δf=frs−frp Δfmin=(−0.00158+0.0116P−0.00
421P2)×f0 Δfmax=(0.0778−0.0736P+0.0252
2)×f0 P=Cop/Cos
【0011】更に具体的には、直列腕共振器の静電容量
Cos及び並列腕共振器の静電容量Copは、下記数8で規
定される帯状の範囲内に設定されている。
【数8】 Cop=−0.49Cos+(4978±2850)/f0
【0012】ニオブ酸リチウム基板を用いた弾性表面波
フィルターにおいては、弾性表面波の伝搬方向がオイラ
角表示で(40度乃至90度、40度乃至90度、0度
乃至60度)及びこれと等価な範囲内に設定されると共
に、共振周波数差Δfが、中心周波数f0及び静電容量
比Pをパラメータとして、下記数9で規定される範囲に
設定されている。
【0013】
【数9】Δfmin≦Δf≦Δfmax ここで、 Δf=frs−frp Δfmin=(0.0262+0.0245P−0.0021
2)×f0 Δfmax=(0.303−0.269P+0.082P2
0 P=Cop/Cos
【0014】更に具体的には、直列腕共振器の静電容量
Cos及び並列腕共振器の静電容量Copは、下記数10で
規定される帯状の範囲内に設定されている。
【数10】 Cop=−0.93Cos+(3895±1425)/f0
【0015】四硼酸リチウム基板を用いた弾性表面波フ
ィルターにおいては、弾性表面波の伝搬方向がオイラ角
表示で(0度乃至50度、15度乃至75度、40度乃
至90度)及びこれと等価な範囲内に設定されると共
に、共振周波数差Δfが、中心周波数f0及び静電容量
比Pをパラメータとして、下記数11で規定される範囲
に設定されている。
【0016】
【数11】Δfmin≦Δf≦Δfmax ここで、 Δf=frs−frp Δfmin=(−0.00002+0.00642P−0.0
021P2)×f0 Δfmax=(0.0305−0.0161P+0.0021
2)×f0 P=Cop/Cos
【0017】更に具体的には、直列腕共振器の静電容量
Cos及び並列腕共振器の静電容量Copは、下記数12で
規定される帯状の範囲内に設定されている。
【数12】 Cop=−0.47Cos+(3078±912)/f0
【0018】弾性表面波フィルターの設計においては、
先ず、要求されるフィルターの仕様から中心周波数f0
及び帯域外抑圧が決まり、更に、その帯域外抑圧に応じ
た静電容量比Pが決まることになる。そこで、決定され
た中心周波数f0及び静電容量比Pを上記数7、数9或
いは数11に代入して、基板の材質に応じた共振周波数
差Δfの最適範囲(Δfmin〜Δfmax)を算出し、この範
囲内の値として共振周波数差Δfを決定する。
【0019】次に、中心周波数f0の近傍値として、直
列腕共振器の共振周波数frs(≒f0)を決定すれば、決
定された共振周波数差Δfから、並列腕共振器の共振周
波数frp(=frs−Δf)を決定することが出来る。
【0020】この様にして得られた直列腕共振器の共振
周波数frs及び並列腕共振器の共振周波数frpに基づい
て、直列腕共振器及び並列腕共振器を設計することによ
って、リップルが2.0dB以下に抑えられると同時
に、挿入損失が5.0dB以下に抑えられることにな
る。
【0021】更に、決定された静電容量比Pを満足し、
且つ上記数8、数10或いは数12によって規定される
帯状範囲に含まれることとなる、直列腕共振器の静電容
量Cos及び並列腕共振器の静電容量Copの値を決定す
る。
【0022】この様にして得られた直列腕共振器の静電
容量Cos及び並列腕共振器の静電容量Copに基づいて、
直列腕共振器及び並列腕共振器を設計することによっ
て、VSWRが2.0以下に抑えられることになる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、高音速のカット面を有
するタンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板、
或いは四硼酸リチウム基板を用いた共振器結合型弾性表
面波フィルターにおいて、直列腕共振器及び並列腕共振
器の共振周波数を最適範囲に設定して、リップル及び挿
入損失を同時に抑えることが出来る。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明に係る共振器結合型弾性表
面波フィルターは、図8に示す如く梯子型回路の直列腕
(4)と並列腕(5)に夫々、1ポ−ト共振器(6)(7)を接
続して構成される。各1ポ−ト共振器(6)(7)は図9に
示す如く、基板(1)上に簾状電極(2)と格子状反射器
(3)(3)を形成したものである。
【0025】尚、タンタル酸リチウム基板においては、
弾性表面波の伝搬方向がオイラ角表示で(40度乃至9
0度、40度乃至90度、0度乃至60度)の範囲、望
ましくは(90度、90度、31度)となる様に電極が形
成される。又、ニオブ酸リチウム基板においては、弾性
表面波の伝搬方向がオイラ角表示で(40度乃至90
度、40度乃至90度、0度乃至60度)の範囲、望ま
しくは(90度、90度、37度)となる様に電極が形成
される。更に四硼酸リチウム基板においては、弾性表面
波の伝搬方向がオイラ角表示で(0度乃至50度、15
度乃至75度、40度乃至90度)の範囲、望ましくは
(0度、45度、90度)となる様に電極が形成される。
これによって、超音速の弾性表面波(縦波成分が横波成
分より優勢である擬似弾性表面波)が得られる。
【0026】本実施例においては、先ず、共振周波数差
Δfについて、リップルを2.0dB以下、挿入損失を
5.0dB以下とするための最適範囲を、複数の試作品
を用いた実験によって決定した。
【0027】図1は、タンタル酸リチウム基板を用いた
中心周波数1.9GHzの共振器結合型弾性表面波フィ
ルターについて、試作品による実験の結果を表わしてい
る。即ち、図1のグラフは、横軸に静電容量比P、縦軸
に共振周波数差Δfをとって、これらの値を徐々に変化
させた複数の試作品について、リップル及び挿入損失を
測定し、リップルについては2.0dB以下、挿入損失
については5.0dB以下の条件を満たす試作品を○
印、それ以外の試作品を×印でプロットしたものであ
る。上記の条件を満たす最適なΔf(MHz)の範囲は、
P=0.5にて、6≦Δf≦90、P=0.75にて、9
≦Δf≦70、P=1.0にて、11≦Δf≦56、P
=1.25にて、12≦Δf≦48となる。尚、図1の
グラフの上方の曲線は、リップルについての限界を表わ
しており、下方の曲線は挿入損失についての限界を表わ
している。そこで、これらの上限値及び下限値に夫々、
最小二乗法を適用することによって、共振周波数差Δf
の最適範囲として、下記数13が得られる。
【0028】
【数13】−3+22P−8P2≦Δf≦148−14
0P+48P2
【0029】更に、上記数13を中心周波数f0(MH
z)で規格化すると、下記数14が得られる。
【数14】Δfmin≦Δf≦Δfmax ここで、 Δfmin=(−0.00158+0.0116P−0.00
421P2)×f0 Δfmax=(0.0778−0.0736P+0.0252
2)×f0
【0030】図2は、ニオブ酸リチウム基板を用いた中
心周波数1.9GHzの共振器結合型弾性表面波フィル
ターについて、試作品による実験の結果を図1と同様に
表わしている。リップルについては2.0dB以下、挿
入損失については5.0dB以下の条件を満たす最適な
Δf(MHz)の範囲は、P=0.5にて、72≦Δf≦
359、P=0.75にて、83≦Δf≦280、P=
1.0にて、92≦Δf≦220、P=1.25にて、1
02≦Δf≦180となる。そこで、これらの上限値及
び下限値に夫々、最小二乗法を適用することによって、
共振周波数差Δfの最適範囲として、下記数15が得ら
れる。
【0031】
【数15】50+47P−4P2≦Δf≦576−51
2P+156P2
【0032】更に、上記数15を中心周波数f0(MH
z)で規格化すると、下記数16が得られる。
【数16】Δfmin≦Δf≦Δfmax ここで、 Δfmin=(0.0262+0.0245P−0.0021
2)×f0 Δfmax=(0.303−0.269P+0.082P2
0
【0033】図3は、四硼酸リチウム基板を用いた中心
周波数1.9GHzの共振器結合型弾性表面波フィルタ
ーについて、試作品による実験の結果を図1と同様に表
わしている。リップルについては2.0dB以下、挿入
損失については5.0dB以下の条件を満たす最適なΔ
f(MHz)の範囲は、P=0.5にて、5≦Δf≦4
5、P=0.75にて、7≦Δf≦37、P=1.0に
て、8≦Δf≦32、P=1.25にて、9≦Δf≦2
6となる。そこで、これらの上限値及び下限値に夫々、
最小二乗法を適用することによって、共振周波数差Δf
の最適範囲として、下記数17が得られる。
【0034】
【数17】−0.05+12P−4P2≦Δf≦58−3
1P+4P2
【0035】更に、上記数17を中心周波数f0(MH
z)で規格化すると、下記数18が得られる。
【数18】Δfmin≦Δf≦Δfmax ここで、 Δfmin=(−0.00002+0.00642P−0.0
021P2)×f0 Δfmax=(0.0305−0.0161P+0.0021
2)×f0
【0036】本実施例においては、次に、直列腕共振器
及び並列腕共振器の静電容量Cos、Copについて、VS
WRを2.0以下とするための最適範囲を決定した。
【0037】図4は、タンタル酸リチウム基板を用いた
中心周波数1.9GHzの共振器結合型弾性表面波フィ
ルターについて、試作品による実験の結果を表わしてい
る。即ち、図4のグラフは、横軸に直列腕共振器の静電
容量Cos(pF)、縦軸に並列腕共振器の静電容量Cop
(pF)をとって、これらの値を徐々に変化させた複数
の試作品について、VSWRを測定し、その測定値が
2.0以下の条件を満たす試作品を○印、それ以外の試
作品を×印でプロットしたものである。
【0038】尚、静電容量Cos、Cop(pF)は、図9
に示す電極対の数をN、開口長をW(μm)としたと
き、下記数19から算出することが出来る。
【数19】C=4×10-4×N×W
【0039】図示の如く、上記条件を満たす試作品は、
図中に実線で示す帯状の領域に存在し、その帯状の範囲
は、下記数20によって表わすことが出来る。
【0040】
【数20】Cop=−0.49Cos+2.62±1.5
【0041】更に、上記数20を中心周波数f0(MH
z)で規格化すると、下記数21が得られる。
【数21】 Cop=−0.49Cos+(4978±2850)/f0
【0042】図5は、ニオブ酸リチウム基板を用いた中
心周波数1.9GHzの共振器結合型弾性表面波フィル
ターについて、試作品による実験の結果を図4と同様に
表わしている。VSWRの測定が2.0以下の条件を満
たす試作品は、図中に実線で示す帯状の領域に存在し、
その帯状の範囲は、下記数22によって表わすことが出
来る。
【0043】
【数22】Cop=−0.93Cos+2.05±0.75
【0044】更に、上記数22を中心周波数f0(MH
z)で規格化すると、下記数23が得られる。
【数23】 Cop=−0.93Cos+(3895±1425)/f0
【0045】図6は、四硼酸リチウム基板を用いた中心
周波数1.9GHzの共振器結合型弾性表面波フィルタ
ーについて、試作品による実験の結果を図4と同様に表
わしている。VSWRの測定が2.0以下の条件を満た
す試作品は、図中に実線で示す帯状の領域に存在し、そ
の帯状の範囲は、下記数24によって表わすことが出来
る。
【0046】
【数24】Cop=−0.47Cos+1.62±0.48
【0047】更に、上記数24を中心周波数f0(MH
z)で規格化すると、下記数25が得られる。
【数25】 Cop=−0.47Cos+(3078±912)/f0
【0048】従って、基板の材質に応じて、共振周波数
差Δfを、上記数14、数16或いは数18で規定され
る範囲に決定することによって、通過帯域内特性におけ
るリップルが2.0dB以下に抑えられると同時に、挿
入損失が5.0dB以下に抑えられる。更に、直列腕共
振器と並列腕共振器の静電容量を、上記数21、数23
或いは数25で規定される帯状範囲に設定することによ
って、VSWRが2.0以下に抑えられる。
【0049】図7は、上記設計パラメータの決定方法に
基づいて、共振器結合型弾性表面波フィルターを実際に
設計する際の手順を表わしている。先ずステップS1に
て、要求されるフィルターの仕様に基づいて、中心周波
数f0と、帯域外抑圧Dが決まる(図10参照)。次にス
テップS2にて、予め判明している帯域外抑圧と静電容
量比の関係(例えば直線関係)から、前記決定された帯域
外抑圧(例えば20dB)に応じた静電容量比P(例えば
0.75)が決まる。
【0050】続いて、ステップS3にて、決定された静
電容量比Pを満足し、且つ上記数21、数23或いは数
25によって規定される帯状範囲に含まれることとな
る、直列腕共振器の静電容量Cos及び並列腕共振器の静
電容量Copの値を決定する。例えば図4からは、P=
0.75のとき、Cop=1.2、Cos=1.6に決定する
ことが出来る。
【0051】その後、ステップS4にて、上記数19を
用いて、電極の開口長W及び対数Nを決定する。例え
ば、並列腕については、Cop=1.2から、W=80μ
m、N=38が得られ、直列腕については、Cos=1.6
から、W=40μm、N=100が得られる。
【0052】一方、ステップS5では、決定された中心
周波数f0及び静電容量比Pから、上記数14、数16
或いは数18に基づいて、共振周波数差Δfを決定す
る。例えばP=0.75の場合、図1からは、Δf=3
0MHzが得られる。
【0053】次に、ステップS6にて、電極ピッチを決
定する。この際、中心周波数f0の近傍値として、直列
腕共振器の共振周波数frs(≒f0)を決定し、この決定
された共振周波数差Δfから、並列腕共振器の共振周波
数frp(=frs−Δf)を決定する。そして、これらの共
振周波数から、直列腕共振器及び並列腕共振器の電極ピ
ッチ、更には電極幅及び電極間のスペースを決定する。
【0054】上記設計手法によれば、リップルを2.0
dB以下、挿入損失を5.0dB以下に抑えると同時
に、VSWRを2.0以下に抑えることの出来る、高性
能の弾性表面波フィルターを容易に設計することが出来
る。
【0055】上記実施の形態の説明は、本発明を説明す
るためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を
限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。
又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許
請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能で
あることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】タンタル酸リチウム基板を用いた弾性表面波フ
ィルターにおいて、横軸に静電容量比P、縦軸に共振周
波数差Δfをとって、リップル及び挿入損失に関する条
件の適否とその限界を表わすグラフである。
【図2】ニオブ酸リチウム基板を用いた弾性表面波フィ
ルターについての同上のグラフである。
【図3】四硼酸リチウム基板を用いた弾性表面波フィル
ターについての同上のグラフである。
【図4】タンタル酸リチウム基板を用いた弾性表面波フ
ィルターにおいて、横軸に直列腕共振器の静電容量Co
s、縦軸に並列腕共振器の静電容量Copをとって、VS
WRに関する条件の適否とその限界を表わすグラフであ
る。
【図5】ニオブ酸リチウム基板を用いた弾性表面波フィ
ルターについての同上のグラフである。
【図6】四硼酸リチウム基板を用いた弾性表面波フィル
ターについての同上のグラフである。
【図7】本発明に係る弾性表面波フィルターの設計手順
を表わすフローチャートである。
【図8】共振器結合型弾性表面波フィルターの基本構成
を示す図である。
【図9】1ポート共振器の電極構成を示す図である。
【図10】共振周波数差Δfとリップル及び挿入損失と
の関係を説明するグラフである。
【符号の説明】
(1) 基板 (2) 簾状電極 (3) 格子状反射器 (4) 直列腕 (5) 並列腕 (6) 直列腕共振器 (7) 並列腕共振器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 泰三 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 竹内 孝介 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 柴田 賢一 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 池田 雅巳 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 田中 敏晴 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 清水 康敬 東京都世田谷区梅丘3丁目1番10号 (56)参考文献 特開 平8−340232(JP,A) 特開 平6−69750(JP,A) 當沢茂孝、四方敦博、清水康敬,Li TaO3とLiNbO3基板を伝搬する 漏洩弾性表面波の検討,第15回超音波エ レクトロニクスの基礎と応用に関するシ ンポジウム,超音波シンポジウム運営委 員会、応用物理学会,1994年11月29日, PB−12,p.185−186 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/64 H03H 9/25

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性表面波共振器を直列腕と並列腕に接
    続して構成され、各弾性表面波共振器は、タンタル酸リ
    チウムからなる基板の表面に励振用の電極が形成され、
    弾性表面波の伝搬方向がオイラ角表示で(40度乃至9
    0度、40度乃至90度、0度乃至60度)及びこれと
    等価な範囲内である弾性表面波フィルターにおいて、直
    列腕共振器の共振周波数frsと並列腕共振器の共振周波
    数frpとの周波数差Δfが、中心周波数f0、直列腕共
    振器の静電容量Cos及び並列腕共振器の静電容量Copを
    パラメータとして、下記数1で規定される範囲に設定さ
    れていることを特徴とする弾性表面波フィルター。 【数1】Δfmin≦Δf≦Δfmax ここで、 Δf=frs−frp Δfmin=(−0.00158+0.0116P−0.00
    421P2)×f0 Δfmax=(0.0778−0.0736P+0.0252
    2)×f0 P=Cop/Cos
  2. 【請求項2】 直列腕共振器の静電容量Cos及び並列腕
    共振器の静電容量Copが、下記数2で規定される帯状の
    範囲内に設定されている請求項1に記載の弾性表面波フ
    ィルター。 【数2】 Cop=−0.49Cos+(4978±2850)/f0
  3. 【請求項3】 弾性表面波共振器を直列腕と並列腕に接
    続して構成され、各共振器は、ニオブ酸リチウムからな
    る基板の表面に励振用の電極が形成され、弾性表面波の
    伝搬方向がオイラ角表示で(40度乃至90度、40度
    乃至90度、0度乃至60度)及びこれと等価な範囲内
    である弾性表面波フィルターにおいて、直列腕共振器の
    共振周波数frsと並列腕共振器の共振周波数frpとの周
    波数差Δfが、中心周波数f0、直列腕共振器の静電容
    量Cos及び並列腕共振器の静電容量Copをパラメータと
    して、下記数3で規定される範囲に設定されていること
    を特徴とする弾性表面波フィルター。 【数3】Δfmin≦Δf≦Δfmax ここで、 Δf=frs−frp Δfmin=(0.0262+0.0245P−0.0021
    2)×f0 Δfmax=(0.303−0.269P+0.082P2
    0 P=Cop/Cos
  4. 【請求項4】 直列腕共振器の静電容量Cos及び並列腕
    共振器の静電容量Copが、下記数4で規定される帯状の
    範囲内に設定されている請求項3に記載の弾性表面波フ
    ィルター。 【数4】 Cop=−0.93Cos+(3895±1425)/f0
  5. 【請求項5】 弾性表面波共振器を直列腕と並列腕に接
    続して構成され、各弾性表面波共振器は、四硼酸リチウ
    ムからなる基板の表面に励振用の電極が形成され、弾性
    表面波の伝搬方向がオイラ角表示で(0度乃至50度、
    15度乃至75度、40度乃至90度)及びこれと等価
    な範囲内である弾性表面波フィルターにおいて、直列腕
    共振器の共振周波数frsと並列腕共振器の共振周波数f
    rpとの周波数差Δfが、中心周波数f0、直列腕共振器
    の静電容量Cos及び並列腕共振器の静電容量Copをパラ
    メータとして、下記数5で規定される範囲に設定されて
    いることを特徴とする弾性表面波フィルター。 【数5】Δfmin≦Δf≦Δfmax ここで、 Δf=frs−frp Δfmin=(−0.00002+0.00642P−0.0
    021P2)×f0 Δfmax=(0.0305−0.0161P+0.0021
    2)×f0 P=Cop/Cos
  6. 【請求項6】 直列腕共振器の静電容量Cos及び並列腕
    共振器の静電容量Copが、下記数6で規定される帯状の
    範囲内に設定されている請求項5に記載の弾性表面波フ
    ィルター。 【数6】 Cop=−0.47Cos+(3078±912)/f0
JP08864596A 1995-04-10 1996-04-10 弾性表面波フィルター Expired - Fee Related JP3439294B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08864596A JP3439294B2 (ja) 1995-04-10 1996-04-10 弾性表面波フィルター

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-109980 1995-04-10
JP10998095 1995-04-10
JP08864596A JP3439294B2 (ja) 1995-04-10 1996-04-10 弾性表面波フィルター

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08340234A JPH08340234A (ja) 1996-12-24
JP3439294B2 true JP3439294B2 (ja) 2003-08-25

Family

ID=26430002

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08864596A Expired - Fee Related JP3439294B2 (ja) 1995-04-10 1996-04-10 弾性表面波フィルター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3439294B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3227649B2 (ja) * 1997-08-07 2001-11-12 株式会社村田製作所 弾性表面波フィルタ
JP2000286676A (ja) * 1999-03-31 2000-10-13 Sanyo Electric Co Ltd 弾性表面波フィルター
JP3391309B2 (ja) 1999-09-02 2003-03-31 株式会社村田製作所 表面波装置及び通信機装置
AU2001259447A1 (en) * 2000-08-31 2002-03-13 Sawtek, Inc. Surface acoustic wave devices using non-symmetric optimized cuts of a piezoelectric substrate
KR100450906B1 (ko) * 2002-08-09 2004-10-01 엘지이노텍 주식회사 최적 컷팅된 saw 장치 및 방법

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
當沢茂孝、四方敦博、清水康敬,LiTaO3とLiNbO3基板を伝搬する漏洩弾性表面波の検討,第15回超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム,超音波シンポジウム運営委員会、応用物理学会,1994年11月29日,PB−12,p.185−186

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08340234A (ja) 1996-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2800905B2 (ja) 弾性表面波フィルタ
US7564174B2 (en) Acoustic wave device and filter
US7741931B2 (en) Acoustic wave device, resonator and filter
US6317015B1 (en) Surface acoustic wave device using a leaky surface acoustic wave with an optimized cut angle of a piezoelectric substrate
US8476984B2 (en) Vibration device, oscillator, and electronic apparatus
JP3358688B2 (ja) 弾性表面波素子
JP3255128B2 (ja) 弾性表面波フィルタ
JP2007028538A (ja) 弾性表面波装置
JPH06152317A (ja) 梯子型弾性表面波フィルタ
JPH09298446A (ja) 弾性表面波装置及びその設計方法
JP3439294B2 (ja) 弾性表面波フィルター
JPH11312951A (ja) 弾性表面波フィルタ
JP3439289B2 (ja) 弾性表面波フィルター
JPH11191720A (ja) 弾性表面波装置及び弾性表面波フィルタ
Asai et al. Experimental and theoretical investigation for temperature characteristics and propagation losses of SAWs on SiO/sub 2//Al/LiTaO/sub 3
JPH1188100A (ja) 弾性表面波デバイス
US5719537A (en) Surface acoustic wave filter with range of a frequency difference between resonance frequencies of series and parallel resonators
JP4613779B2 (ja) 弾性表面波デバイス
JP4058044B2 (ja) 単結晶基板およびそのカット方法
Isobe et al. Grating-mode-type wide-band SAW resonators for VCOs
CN113541639A (zh) 弹性波装置及复合滤波器装置
JPH10335965A (ja) 弾性表面波フィルタ
JP3904932B2 (ja) 弾性表面波フィルタ
JPH1093375A (ja) 弾性表面波フィルタ
JP3096815B2 (ja) ラブ波型表面波共振子

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080613

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090613

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees