JP3437531B2 - 調理器 - Google Patents

調理器

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JP3437531B2
JP3437531B2 JP2000166198A JP2000166198A JP3437531B2 JP 3437531 B2 JP3437531 B2 JP 3437531B2 JP 2000166198 A JP2000166198 A JP 2000166198A JP 2000166198 A JP2000166198 A JP 2000166198A JP 3437531 B2 JP3437531 B2 JP 3437531B2
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正美 山岡
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株式会社シルクインダストリー
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、焼肉等の加熱調理
時に発生する排煙を上方において吸引する上引き式調理
器に関する。 【0002】 【従来の技術】ロースター等において加熱調理時に発生
した排煙を吸引する方式として、キャビネットの上方に
集煙装置を設けて、吸引する方式がある。例えば、特開
平11−206576号公報には、供給流路の上部を閉
塞するトップリングに略上向きの噴出孔を貫設すると共
に、供給流路に空気供給部を連通し、また調理部の上方
に集煙フードを有した吸引作用される集煙筒を設けたロ
ースターが開示されている。 【0003】この上引き式ロースターでは、噴出孔から
の噴出空気によるエアカーテンで、周囲の空気流と排ガ
スの上昇流を遮断して、排ガスを集煙フードに向かって
真っ直ぐ上昇させている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、調理部の周囲
から上方に空気を噴出させると、被調理物を取る際に手
でエアカーテンを妨害してしまい、その効果が十分に発
揮されなくなってしまう。また、その空気は調理器の内
部を通ってきて暖かいために、使用者の手や顔等にあた
ると不快感を与えてしまったり、その暖かい空気を室内
に大量に噴出するため、夏場冷房してる時には冷房費が
大きくなってしまうなどという難点がある。 【0005】本発明は、上記に鑑み、排煙の流れを乱す
ことなく上昇させることができる上引き式調理器を提供
することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
には、調理部の中央に排煙を集合させて、そのまま上昇
させれば、排煙の流れが乱されることがなくなる。そこ
で、本発明は、調理部を取り囲む内箱の周壁に吹出口を
設けるとともに吹出口に空気を送給する送風装置を設
け、送風を吹出口から斜め上方向に吹き出すようにする
ものである。これによって、調理部の周囲から吹き出し
た風は、調理部にある被調理物に触れることなく、中央
に向かって流れる。この送風に乗って、排煙は中央に導
かれ、集結する。調理部の中央では、調理の熱による上
昇気流が生じており、この上昇気流によって排煙は上昇
し、集煙装置に吸引される。 【0007】そして、吹出口の上方を覆うようにフード
を設けることによって、吹出口から上方に吹出された風
は、フードに当たって向きを水平方向に変え、中央に向
かって流れる。そのため、風の上方への拡散を抑制で
き、中央に送風を集める効果がさらに高まる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の調理器の主要部の構
成を示す図、図2は同じくその一部破断斜視図,図3は
本実施形態の吸気口近傍の断面図である。本調理器は、
床に設置されたキャビネット1に、被調理物を載置する
調理部2および被調理物を加熱する加熱部3を収納した
内箱4と、内箱4を内装した外箱5とを備えている。外
箱5は、キャビネット1の天板6に形成された開口に嵌
め込まれて装着されている。 【0009】調理部2の周りを取り囲む内箱4の上部周
壁7には、送風用の吹出口8が形成され、この吹出口8
に空気を供給する送風装置9がキャビネット1内に設け
られている。そして、キャビネット1の調理部2の上方
には排煙を吸引するための集煙装置10が設けられてい
る。 【0010】外箱5は、上面が開放され底面が一部開口
された円筒型のステンレス製の箱からなり、その上縁が
天板6の開口周縁に載置されて、外箱5は着脱自在に支
持される。また、外箱5の底面には、加熱部3を支持す
るためのベース部材11が取り付けられている。 【0011】加熱部3は、ガスバーナー12と、その上
方に配された遠赤ネット13および透熱板14とから構
成される。ガスバーナー12は、ベース部材11に装着
され、ガス導管15に接続されている。また、ベース部
材11は、キャビネット1の内部に通じる開口を有して
おり、燃焼用の2次空気をガスバーナー12に供給でき
る。 【0012】そして、この加熱部3は、内箱4の底部開
口からその内部に入り込むように配置される。内箱4の
底部は、水槽16とされ、加熱部3の周りを囲ってい
る。そして、内箱4の底部開口の周縁がベース部材11
の円筒状の支持枠17に載置され、内箱4は外箱5に対
して着脱自在に支持される。 【0013】透熱板14はステンレス製とされ、中央か
ら周縁にかけて湾曲した椀状に形成され、周縁が立ち下
がっている。その表面には、複数の円孔が形成され、こ
の円孔は肉汁の水滴よりやや小とされているため、上方
から落ちてくる肉汁は、円孔内に入りにくく、透熱板1
4の表面を伝って流れ落ちる。したがって、肉汁が垂れ
てしまったり、焼けかすが落ちたりしたとしても、それ
らは透熱板14を伝って水槽16に落ちる。そのため、
加熱部3内に侵入し、それらが火種となって発火するこ
とによる火災の発生を防ぎ、しかも、ガスバーナー12
を詰まらせることがなく、安定した炎を形成できる。 【0014】遠赤ネット13は、ステンレス製の網から
なり、透熱板14よりやや小径の椀状とされている。遠
赤ネット13は、ガスバーナー12からの輻射熱によっ
て、真っ赤に熱せられて遠赤外線を放射し、被調理物に
対して輻射熱を供給する。この遠赤外線により、例えば
肉を芯までやわらかくまろやかに焼き上げることができ
る。 【0015】そして、透熱板14および遠赤ネット13
は、受け部材18によって支持されている。受け部材1
8は、中央が開口したステンレス製の深皿とされ、ベー
ス部材11の支持枠17に載置されている。この受け部
材18の上縁内側に遠赤ネット13が載置され、上縁に
透熱板14がかぶせられる。したがって、これらはユニ
ット化され、かつ互いに着脱自在とされる。 【0016】調理部2として、透熱板14の上方に調理
室19が形成され、調理室19に焼網あるいはロストル
等の載置部材20が配されている。調理室19は、内箱
4の上部の周壁7によって囲まれた空間であり、載置部
材20は、内箱4に形成された段差部に載置されること
によって、着脱自在に支持される。 【0017】この調理室19を形成する内箱4の上部周
壁7に吹出口8が形成されており、スリット状の吹出口
8が一定間隔で複数個配列されている。吹出口8の下端
は、載置部材20の上面よりも相等高い位置、つまり、
被調理物の高さよりも高い位置に設定されているので、
被調理物自体やその焼けかす等が吹出口8から侵入する
のを防ぐことができる。 【0018】ここで、吹出口8からの送風は、調理部2
の中央に向かうとともに斜め上方向になるように設定さ
れている。すなわち、内箱4の上部周壁7は、垂直部分
21とこれに連なって上方へ向かうほど拡がる後傾部分
22とからなり、吹出口8は垂直部分21から後傾部分
22にかけて形成される。 【0019】そして、内箱4の上縁を覆うリング状のフ
ード25が設けられ、外箱5の上面開口に嵌め込まれ
て、内箱4との間の空間の上方を塞いでいる。フード2
5の内周側は、内端26がわずかに高くなった傾斜面2
7とされ、その内端26は下方に向かって折曲されてい
る。また、フード25の内端26は、内箱4の垂直部分
21を鉛直方向に延伸した直線上まで達しており、吹出
口8の上方を完全に覆っている。したがって、吹出口8
から上方に吹き出された空気は、このフード25の傾斜
面27および内端折曲部28に当たることにより向きが
変えられ、調理室19の中心方向に導かれる。さらに、
送風は被調理物に当たらないように導かれるので、肉等
の被調理物の表面が乾燥することによって起こる味の劣
化を防ぐことができる。 【0020】送風装置9は、送風機35と、これからの
風を吹出口8に導く送風路36とから構成される。送風
機35は、外箱5の下方に配され、ベース部材11に取
り付けられている。 【0021】送風路36は、内箱4と外箱5との間の空
間を利用して形成され、ベース部材11を介して送風機
35に連通している。すなわち、ベース部材11の内部
は、2つの通路に仕切られており、燃焼用空気の通路
と、送風用の通路とされる。したがって、送風機35か
らの送風は、ベース部材11の内部を通って外箱5内に
入り、内箱4の下方から側方を経て、吹出口8に至る。
このため、内箱4から放射される調理による熱が外箱5
に伝導することを阻止でき、キャビネット1の温度上昇
を防ぐことができる。なお、ベース部材11内部におい
て、燃焼用の空気と調理室19に送るための空気に完全
に分離しているため、炎の立ち消え等がなくなり、完全
燃焼をさせることが可能になる。 【0022】集煙装置10は、調理部2から立ち昇った
排煙を集めて吸引する傘状の集煙筒37と、これに接続
されたダクト38とを備え、ダクト38に吸引用の送風
機が設けられ、室外あるいは煙浄化装置へと通じてい
る。集煙筒37とダクト38との間に、防火ダンパー3
9が配され、ダクト38の入口を開閉して風量調整およ
びダクト38の遮断を行う。なお、図中41はメインノ
ズル、42は空気調節器、43は混合管、44は送風ボ
ックス、45はファン口金、46はファンネット、47
はファンダンパー、48は操作部、49は電源コードで
ある。 【0023】上記構成において、天板6に嵌め込まれた
外箱5に、内箱4、受け部材18、遠赤ネット13、透
熱板14、載置部材20、フード25がこの順に載置さ
れている。したがって、上から取り外していくことによ
って、清掃を容易に行うことができる構造となる。 【0024】使用時には、供給されたガスは1次空気と
混合され、ガスバーナー12に送られて燃焼し、同時に
ベース部材11を通って送られた2次空気により完全燃
焼する。そして、ガスバーナー12上にある遠赤ネット
13は炎により赤熱され、遠赤外線を放射する。透熱板
14も赤熱して、遠赤外線を放射し、両者の輻射熱によ
って、肉等をまろやかに焼きあげる。載置部材20から
したたり落ちた肉等の汁は、透熱板14上に落ちて、透
熱板14の表面を伝って、水槽16に導かれる。 【0025】そして、送風機35を作動することによっ
て、キャビネット1内から吸い込まれた空気は、送風路
36を通って吹出口8に達し、調理室19内に吹き出さ
れる。ここで、垂直部分21の吹出口8からは、送風の
一部が水平に中央に向かって被調理物に当たらないよう
に吹き出される。後傾部分22の吹出口8からは、送風
の大部分が斜め上方向でかつ中央に向かって吹き出され
る。このとき、吹出口8の上部から上方に向かって吹き
出す送風は、フード25の傾斜面27および内端折曲部
28に当たり、ほぼ水平方向に流れの向きが変えられ
る。この風の流れによって、斜め上方向に向かう送風が
抑え込まれ、上方に拡散するのを防いでいる。したがっ
て、加熱調理によって発生した排煙は、上記の送風によ
って中央に集結される。 【0026】この中央部分では、透熱板14の赤熱によ
って最も高温となっており、上昇気流が生じている。こ
れによって円柱状の気流が形成され、排煙を含んだ空気
は上昇して、集煙筒37に吸い込まれていく。集煙筒3
7からの吸引によって周囲の空気も吸い込まれ、排煙の
温度を低下させている。 【0027】すなわち、排煙の周囲には常に空気のバリ
アが形成されることになり、排煙が外に拡散していくの
を阻止でき、効率よく集煙できる。したがって、十分に
強い流れを形成することができるため、空調機の送風に
よる乱気流を防ぐことができる。また、中央部分におい
て円筒形の気流が形成されるために、使用者が被調理物
を取る際にその気流を乱すことがなくなり、排煙が拡散
するのを防げる。 【0028】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多く
の修正及び変更を加え得ることは勿論である。例えば、
上記実施形態では、加熱源はガスであったが電気、炭火
等での加熱を行う調理器に適用してもよい。 【0029】また、図4のごとく、内箱4の外側に吹出
口8の上縁より傘状の導風板50を固定し、送風路36
から吹出口8に向かう風の流れを斜め上方向に設定する
ことも可能である。この場合、吹出口8の上方に配置さ
れたフード51は、上記実施形態のような形状に限定さ
れるものでなく、被調理物自体やその焼けかすなどが上
方から吹出口8へ侵入するのを防ぐことができるような
構成であればよい。 【0030】 【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、調理部へ強制的に送られた空気によって排煙を
中央に集結させているので、排煙が上方へと拡散するこ
とを防止できる。そして、調理部の中央付近で発生する
上昇気流を利用することにより、強力な円筒状の気流が
調理部の中央上方に形成され、排煙を集煙装置に導くこ
とができる。 【0031】したがって、被調理物を取る使用者の行為
や空調機等に起因する乱気流を防ぐことができ、排煙の
拡散を防げる。しかも、室内に暖かい空気が放出されな
いので、冷房費が大きくならずにすむ。また、気流は集
煙装置へ向かって吹き出されるため、吸引力を小さくす
ることが可能となり、集煙装置の消費電力を低減でき
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本実施形態の調理器の主要部の構成を示す図 【図2】同じく一部破断斜視図 【図3】本実施形態の吸気口近傍の断面図 【図4】他の実施形態の吸気口近傍の断面図 【符号の説明】 2 調理部 3 加熱部 8 吹出口 25 フード 35 送風機 36 送風路 37 集煙筒

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】被調理物を載置する調理部が内箱に設けら
    れ、該内箱がキャビネットに取り付けられ、該キャビネ
    ットの上方に、前記調理部から発生した排煙を吸い込む
    ための集煙装置が設けられた調理器であって、前記調理
    部を取り囲む前記内箱周壁に、空気を吹き出す吹出口が
    形成され、前記キャビネット内に前記吹出口に空気を送
    給する送風装置が設けられ、前記内箱周壁が後傾した状態に形成され、該周壁の上方
    を覆うようにリング状のフードが設けられ、該フードの
    内周側は、内端がわずかに高くなった傾斜面とされ、内
    端が下方に向かって折曲され、吹出口から吹き出された
    上方に向かう送風を中央に導く ことを特徴とする調理
    器。
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