JP3437310B2 - 飲食品用香料組成物 - Google Patents

飲食品用香料組成物

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清志 奥村
光廣 小林
実 岩本
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は乳製品、菓子、飲料など
の飲食品・嗜好品(以下飲食品と称する)にバター様、
果実様、チーズ様、ヨーグルト様などの香気香味を付与
し増強させることのできる飲食品用香料組成物に関す
る。更に詳しくは、本発明は2−ヒドロキシ−3−メチ
ルペンタン酸[以下(A)化合物と称する]とジアセチ
ル[IUPAC名で2,3−ブタンジオン、以下(B)
化合物と称する]及び/又は2−フェニルエチルシンナ
メート[以下(C)化合物と称する]を有効成分とする
持続性の飲食品用香料組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】本発明の(A)化合物は文献に記載され
た化合物で、例えばホワイトワインの香気成分から検出
されたことが報告されている[Z.Lebensm.Unters.Forsc
h., 155(1974)342参照]。しかしながら、該報告では、
(A)化合物がホワイトワインの香気成分中に微量含ま
れていることが記載されているのみで、該化合物の香気
香味特性並びに調合香料素材として有用であることなど
の示唆も提案もされていない。 【0003】一方、(B)化合物及び(C)化合物は、
いずれも従来の文献に記載された化合物で、また調合香
料素材として有用であることも知られている。例えば、
(B)化合物は、キノンまたはバターに似た強い香気が
あり、果実、バター系の香料として、酒、醤油、カラメ
ル、ハチミツ、コーヒー、ココアおよびタバコ用調合香
料などに広く利用されることが記載されている(香料化
学総覧859 頁参照)。また(C)化合物は、甘い果実
様、バルサム様の香気を有し、香粧品用及び食品用香料
に利用できることが記載されている(ARCTANDER ,Perfu
me and Flavor Chemicals No.2522 参照)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】近年、飲食品の多様化
に伴い従来にない新しい香気香味に対するニーズが高ま
り、特にマイルドでこく味があり且つ新鮮で、持続性の
優れた調合香料素材の開発が望まれている。このため、
一般的には例えば、天然精油の分析により見出された新
規化合物又はこれらの誘導体を合成し、調合香料素材と
して提供するか、あるいは従来公知の香料化合物と構造
類似の化合物又は誘導体を合成し、これらの中から香料
物質として有用な化合物を発見し、調合香料素材として
提供してきた。しかし現状では、マイルドでこく味があ
り、且つ新鮮な天然品らしさを備え、更に持続性を付与
できる素材は少なく、特に容易に且つ安価に入手しうる
上記性能を有する素材が必ずしも満足に提供されている
とは言えない。 【0005】 【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
述の課題を解決するため鋭意研究を行ってきた結果、従
来調合香料素材としては知られていない2−ヒドロキシ
−3−メチルペンタン酸と、従来調合香料素材として利
用されているジアセチル及び/又は2−フェニルエチル
シンナメートとを組み合わせて用いることにより、飲食
品にマイルドなこく味を有する香気香味特性を付与し増
強させることができ、従来の課題を一挙に解決できるこ
とを見出した。 【0006】即ち、それ自体弱い脂肪様の香気香味特性
を有する(A)化合物と(B)化合物を組み合わせて用
いると、(B)化合物が本来有しているバター様、チー
ズ様、ヨーグルト様、カラメル様などの香気香味特性に
マイルドなこく味と持続性を付与し増強させることがで
き、また、(A)化合物と(C)化合物を組み合わせて
用いると、(C)化合物が本来有している果実様、バル
サム様などの香気香味特性にマイルドなこく味と持続性
を付与し増強させることができることを発見して本発明
を完成した。即ち本発明は2−ヒドロキシ−3−メチル
ペンタン酸とジアセチル及び/又は2−フェニルエチル
シンナメートを有効成分として含有することを特徴とす
る飲食品用香料組成物である。 【0007】 【作用】本発明の飲食品用香料組成物の有効成分である
(A)化合物、(B)化合物及び(C)化合物のいずれ
も、市販品として入手できるが、特に(B)化合物は容
易に且つ安価に入手することができる。更に、これらの
化合物は容易に製造することもできる。例えば(A)化
合物は対応するアミノ酸であるイソロイシンを亜硝酸ナ
トリウム及び酢酸水溶液と反応させることにより合成で
きる[J.Chem.Soc.,1959 345 C.W.Shoppee, J.C.P.Sly
参照]。また、(C)化合物は桂皮酸と2−フェニルエ
チルアルコールをp−トルエンスルホン酸などの酸触媒
の存在下に反応させることにより、容易に合成すること
ができる。 【0008】本発明における(A)化合物に対する
(B)化合物及び(C)化合物の配合割合は、特別な制
約はなく、使用目的、香料組成物の種類などにより異な
るが、一般的には(A)化合物1重量部に対して(B)
化合物を約0.01〜100 重量部、(C)化合物を約0.01〜
100 重量部程度とすることができる。また(A)化合物
と(B)化合物及び/又は(C)化合物からなる混合物
と他の調合香料素材との配合割合は、その目的あるいは
香料組成物の種類により適宜に決定すればよいが、例え
ば、一般的には香料組成物の全体重量に対して約0.001
〜30重量%程度とすることができる。 【0009】このようにして、上記混合物自体を飲食品
用香料組成物として、好ましくは該混合物と他の調合香
料素材、例えば、レモン油、オレンジ油、アニス油、ク
ロ−ブ油、カプシカム油、シンナモン油などのような天
然香料;リモネン、ピネン、カリオフィレンのような炭
化水素類;リナロール、ゲラニオール、シトロネロー
ル、ミルセノール、フアルネソール、ヘキセノール、ベ
ンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、アニス
アルコール、シンナミックアルコール、アネトール、オ
イゲノールのようなアルコール類;オクチルアルデヒ
ド、ウンデシルアルデヒド、ノナジエナール、シトラー
ル、ペリラアルデヒド、フェニルアルデヒド、シンナミ
ックアルデヒド、バニリン、L−カルボン、アセトフェ
ノン、ヨノン、メチルヘプチルケトン、メチルデシルケ
トンのようなアルデヒドおよひケトン類;酢酸エチル、
酢酸ブチル、酢酸シトロネリル、プロピオン酸エチル、
プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸ゲラニル、酪酸
イソアミル、イソ吉草酸エチルなどのようなエステル
類;δ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトンなどのラ
クトン類;酢酸、プロピオン酸などの酸類などの合成香
料の一種以上とを適宜混合して、飲食品用香料組成物と
して利用することができる。該組成物はマイルドでこく
味のある、且つ持続性に優れたバター様、果実様を基調
とした香気香味特性を保有しており、該組成物を各種の
飲食品に配合することにより、飲食品に該香気香味特性
を付与し増強させることができる。 【0010】これらを用途別に列挙すれば、果汁飲料
類、果実酒類、乳飲料類、炭酸飲料類のような飲料類;
アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャンディ
ーのような冷菓類;和洋菓子類、ジャム類、チューイン
ガム類、パン類、コーヒー、ココア、タバコ、紅茶、お
茶のような嗜好品類;和風スープ類、洋風スープ類のよ
うなスープ類;風味調味料、各種インスタント飲料、各
種スナック食品類などにそのユニークな香気香味特性を
付与できる。 【0011】 【実施例】以下に本発明について、比較例、実施例を挙
げて更に詳細に説明する。 (比較例1〜2及び実施例1〜2)バター様の調合香料
組成物4種類を表1に示す各成分(重量部)を混合して
調製した。 【0012】 【表1】 【0013】実施例1 (A)化合物と(B)化合物の2者併用の組成物を含む
飲食品用香料組成物を調製した。 実施例2 (A)化合物、(B)化合物及び(C)化合物の3者併
用の組成物を含む飲食品用香料組成物を調製した。 比較例1 (A)化合物単独を含む飲食品用香料組成物を調製し
た。 比較例2 (B)化合物単独を含む飲食品用香料組成物を調製し
た。 上記4種類の飲食品用香料組成物(表1参照)について
専門パネラー10人により比較した。その結果、専門パネ
ラー10人の全員が各成分を併用した実施例1〜2の新規
飲食品用香料組成物は、比較例1〜2の香料組成物に比
較してマイルドでこく味が増し、且つ持続性に優れたバ
ター様の香気香味特性が付与され、天然のバターの特徴
をとらえ持続性の点でも格段に優れているとした。 【0014】(比較例3〜4及び実施例3〜4)チーズ
様の調合香料組成物4種類を表2に示す各成分(重量
部)を混合して調製した。 【0015】 【表2】【0016】 実施例3(A)化合物と(B)化合物の2者併用の組成
物を含む飲食品用香料組成物を調製した。 実施例4 (A)化合物、(B)化合物及び(C)化合物の3者併
用の組成物を含む飲食品用香料組成物を調製した。 比較例3 (A)化合物単独を含む飲食品用香料組成物を調製し
た。 比較例4 (B)化合物単独を含む飲食品用香料組成物を調製し
た。 上記4種類の飲食品用香料組成物(表2参照)につい
て、専門パネラー10人により比較した。その結果、専門
パネラー10人の全員が各成分を併用した実施例3〜4の
新規飲食品用香料組成物は、比較例3〜4の香料組成物
に比較してマイルドでこく味が増し、且つ持続性に優れ
たチーズ様の香気香味特性が付与され、天然のチーズの
特徴をとらえ、持続性の点でも格段に優れているとし
た。 【0017】(比較例5〜6及び実施例5〜6)パイナ
ップル様の調合香料組成物4種類を表3に示す各成分
(重量部)を混合して調製した。 【0018】 【表3】【0019】実施例5 (A)化合物と(C)化合物の2者併用の組成物を含む
飲食品用香料組成物を調製した。 実施例6 (A)化合物、(B)化合物及び(C)化合物の3者併
用の組成物を含む飲食品用香料組成物を調製した。 比較例5 (A)化合物単独を含む飲食品用香料組成物を調製し
た。 比較例6 (C)化合物単独を含む飲食品用香料組成物を調製し
た。 上記4種類のパイナップル用香料組成物について、専門
パネラー10人により比較した。その結果、専門パネラー
10人の全員が各成分を併用した実施例5〜6の新規パイ
ナップル用香料組成物は、比較例5〜6の香料組成物に
比較してマイルドでこく味が増し、且つ持続性に優れた
パイナップル様の香気香味特性が付与され、天然のパイ
ナップルの特徴をとらえ持続性の点でも格段に優れてい
るとした。 【0020】 【発明の効果】本発明の2−ヒドロキシ−3−メチルペ
ンタン酸とジアセチル及び又は2−フェニルエチルシン
ナメートを含む香料組成物を飲食品類に配合することに
より、各成分を単独で用いる場合と比較して、該飲食品
にバター様、果実様、チーズ様、ヨーグルト様を基調と
した香気香味特性を付与し増強させることができ、格段
に優れた効果を発揮することができる。
フロントページの続き (72)発明者 松本 満樹 神奈川県川崎市中原区苅宿335 長谷川 香料株式会社 技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭50−70534(JP,A) 特開 昭49−14667(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/23 C11B 9/00 JSTPlus(JOIS)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 2−ヒドロキシ−3−メチルペンタン酸
    とジアセチル及び/又は2−フェニルエチルシンナメー
    トを有効成分として含有することを特徴とする飲食品用
    香料組成物。
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