JP3688834B2 - 食品用香料組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シス−および/またはトランス−2−ペンチルシクロプロパン−1−カルボン酸を配合してなる、スペアミント様、ペパーミント様、乳製品様、チョコレート様、トロピカルフルーツ様及び柑橘様香料等に優れた香気香味特性を付与する新規な食品用香料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明で使用されるシス−およびトランス−2−ペンチルシクロプロパン−1−カルボン酸は、公知の化合物である。該化合物は、これまでパチュリの精油から分析同定されている (米国特許第 3,926,860号明細書, Phytochemistry 1664-1666, 17, 1978)。また製造法に関する報告としては、例えば、シス−2−オクテン−1−オ−ル をジヨードメタン、銅−亜鉛コンプレックス存在下、シス−2−ペンチルシクロプロパン−1−メタノールへ変換し、これをクロム酸で酸化してシス−およびトランス−2−ペンチルシクロプロパン−1−カルボアルデハイドへ導き、さらに酸化銀による酸化反応を経て、シス−およびトランス−2−ペンチルシクロプロパン−1−カルボン酸を得る方法(米国特許第 3,926,860号明細書)や, 1−ヘプテンを原料として、銅の金属錯化合物をエナンチオ選択的触媒として使ってジアゾ化合物を反応させ、シクロプロパン酸に導く方法(Helv. Chim. Acta. 1553, 71, 1988)などがある。
【0003】
しかしながら、前記報告においては、化合物の存在や合成方法は開示されているものの、また該化合物のうちシス体については香粧品香料に利用される事が開示されているが(米国特許第 3,926,860号明細書)、シス体およびトランス体を含めて食品用の香料素材として用いることなどについては、全く言及されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年の食品の種類の豊富化と一般消費者の嗜好の多様化に伴い、これら食品に賦香するにあたっての香料素材は常に新しいものが求められている。例えばミント系の食品用香料にあっては、その清涼感が主体として求められることが第一要件であるが、それだけでは消費者は満足しなくなって来ている。そこで、天然香料だけが持ち合わせている発酵的な甘味、熟成感のある香味を付与すると共に、その香味全体を包み込んでバランス調整し、天然感を増幅させ得る食品用香料素材が強く要求されている。本発明者等は前記の要求を解決するため、ミント系それもスペアミント系の天然香料を詳細に分析し、有用素材の探索を行ってきた。その結果、天然スペアミント油(米国産、ミッドウェストスコッチ種)のカルボン酸部より、シス−およびトランス−2−ペンチルシクロプロパン−1−カルボン酸を単離し、機器分析により構造推定後、該化合物を合成することにより、その構造を確認した。また、その存在はシス体が圧倒的に多く、トランス体は痕跡程度であることも確認した。該化合物がスペアミント油のような食品用天然香料素材から見出されたのは、今回が初めてである。
【0005】
該化合物は単独では若木の樹脂様、発酵バター様香味を呈し、10〜100ppm程度に希釈すると、スペアミント特有の生温かい感じを想わせると同時に、発酵乳的な香味が強く現れ、乳製品様フレーバーとしても効果あることが予測された。後述するところの実施例にも見られるように、フレーバー素材、それも香気より味の方により効果が見出されることを発見して本発明を完成するに至った。
【0006】
従って、本発明の目的は、シス−および/またはトランス−2−ペンチルシクロプロパン−1−カルボン酸を配合してなる、ミント様、乳製品様、チョコレート様、トロピカルフルーツ様、柑橘様及びその他食品系の香料に対して、優れた香気香味特性を付与する新規食品用香料組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記式(1)で表されるシス−および/またはトランス−2−ペンチルシクロプロパン−1−カルボン酸を配合したことを特徴とする食品用香料組成物である。
【化2】
Figure 0003688834
【0008】
前記シス−および/またはトランス−2−ペンチルシクロプロパン−1−カルボン酸は、各種の合成香料、天然香料等と良く調和し、これを配合せしめて新規な香料組成物を調製できる。
【0009】
前記シス−および/またはトランス−2−ペンチルシクロプロパン−1−カルボン酸の配合量は、その目的あるいは香料組成物の種類によっても異なるが、例えば、香料組成物の全体量に対して0.0001%(重量%、以下同様)〜10%程度の範囲を例示することが出来る。高濃度の場合には、単独の香味が出過ぎる傾向があるため、0.0001%〜1%、さらには0.0001%〜0.1%が好ましい。
【0010】
本発明の食品用香料組成物は、スペアミント様、ペパーミント様、乳製品様(バター様、ミルク様、チーズ様等)、チョコレート様、トロピカルフルーツ様、柑橘様香料及びその他食品系の香料に対して、前記シス−および/またはトランス−2−ペンチルシクロプロパン−1−カルボン酸を配合する事により、天然香料だけが持ち合わせている発酵的な甘味、熟成感のある香味を付与すると共に、その香味全体を包み込んでバランス調整し、天然感を増幅させることができる。なかでも、スペアミント様、ペパーミント様、乳製品様、チョコレート様、トロピカルフルーツ様、柑橘様香料、特にスペアミント様、ペパーミント様、乳製品様香料に該化合物を配合せしめる事が、本発明の効果の点から好ましい。
なお、該化合物のシス体およびトランス体の香味特性は両者共に似た傾向であるが、シス体の方が発酵的な香味特性がより強い。匂い、味閾値もシス体が10〜20ppm、トランス体が50〜100ppmとシス体がトランス体より5倍程度低い。従って、シス体とトランス体の比率は、発酵的な味が要求される香料群(スペアミント様、ペパーミント様、乳製品様、チョコレート様)に対してはシス体単独もしくはシス体が多い方が好ましい傾向を呈する。他方、熟成感のある味が要求される香料群に対しては、その混合比率には拘らない。
【0011】
本発明の香料組成物は、各種の食品に用いることが出来る。例えば、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料類、炭酸飲料類のごとき飲料類;アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャンディー類のごとき冷菓類;和洋菓子類、ジャム類、チューインガム類、パン類、コーヒー、ココア、紅茶、お茶のごとき嗜好品類などにその優れた香味を付与できる。
【0012】
【実施例】
以下、実施例によりこの発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより制限されるものではない。
【0013】
実施例1、比較例1
下記の諸成分を調合(重量比)してスペアミント香料を調製した。
Figure 0003688834
【0014】
実施例1の香料組成物とシス−2−ペンチルシクロプロパン−1−カルボン酸をl−カルボンで置き換えた比較例1の香料組成物とを専門パネラー8人で比較した。その結果、8人全員が実施例1の方が天然スペアミントの最高級品であるミッドウエストスコッチ種のやや発酵臭を伴った甘味と華やかさの伴った熟成味が同時に付加され、また天然感も増幅されており、格段に優れていることを認めた。
【0015】
実施例2、比較例2
下記諸成分を調合(重量比)してペパ−ミント香料を調製した。
Figure 0003688834
【0016】
実施例2の香料組成物とシス−2−ペンチルシクロプロパン−1−カルボン酸をメンソールで置き換えた比較例2の香料組成物とを専門パネラー8人で比較した。その結果、8人中7人が実施例2の方が天然ペパーミント油、ミッチャム種のやや発酵臭を伴った甘味と華やかさの伴った熟成味が同時に付加されており、また合成品のメンソールによく見られるトゲトゲしい清涼感が柔らかな清涼感を持つ天然調に変わっていると評価し、その優れていることを認めた。
【0017】
実施例3、比較例3
下記諸成分を調合(重量比)してグレープフルーツ香料を調製した。
Figure 0003688834
【0018】
実施例3の香料組成物とトランス−2−ペンチルシクロプロパン−1−カルボン酸を95% アルコ−ルで置き換えた比較例3の香料組成物とを専門パネラー8人で比較した。その結果、8人中7人が実施例3の方がグレープフルーツ特有のやや苦みっぽい味が嫌みの無い熟成感をもった味に変わっており、また合成ヌートカトンのやや刺激的な感じを抑えて、より天然感が醸し出されていることを評価し、その優れていることを認めた。
【0019】
実施例4、比較例4
下記諸成分を調合(重量比)してチョコレート香料を調製した。
Figure 0003688834
【0020】
実施例4の香料組成物とシス−およびトランス−2−ペンチルシクロプロパン−1−カルボン酸(1:1の混合物)をトリアセチンで置き換えた比較例4の香料組成物とを専門パネラー8人で比較した。その結果、8人全員が実施例3の方がチョコレート特有の艶が拡がり、やや発酵を伴ったミルク様の味が増加するとともに、味に締まりと天然らしさが出ることを評価し、その優れていることを認めた。
【0021】
実施例5、比較例5
下記諸成分を調合(重量比)してバター香料を調製した。
Figure 0003688834
【0022】
実施例5の香料組成物とシス−およびトランス−2−ペンチル−シクロプロパン−1−カルボン酸(1:1の混合物)をトリアセチンで置き換えた比較例5の香料組成物とを専門パネラー8人で比較した。その結果、8人全員が実施例5の方が各合成ラクトンの脂っこい嫌な味を抑えてバランス良く纏める効果をしており、また同時に発酵乳の味が増強されて熟成から生まれる旨味が現れ、天然感が倍加していると評価し、その優れていることを認めた。
【0023】
【発明の効果】
本発明の食品用香料組成物は、スペアミント様、ペパーミント様、乳製品様、チョコレート様、トロピカルフルーツ様、柑橘様香料及びその他食品系の香料に対して、天然香料だけが持ち合わせている発酵的な甘味、熟成感のある香味を付与すると共に、その香味全体を包み込んでバランス調整し、天然感を増幅させることができる。

Claims (1)

  1. 下記式(1)で表されるシス−および/またはトランス−2−ペンチルシクロプロパン−1−カルボン酸を配合したことを特徴とする食品用香料組成物。
    Figure 0003688834
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