JP3437161B2 - 現像ローラ、およびこの現像ローラを備えた現像装置 - Google Patents

現像ローラ、およびこの現像ローラを備えた現像装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、像担持体上に形
成された潜像に現像剤を供給して現像する現像ローラ、
およびこの現像ローラを備えた現像装置に係り、特に、
ベルト状の像担持体の表面に摺接して現像剤を供給する
ための現像ローラ、およびこの現像ローラを備えた現像
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタや複写機など、記録紙上に画像
を形成する画像形成装置として、互いに離間した一対の
ローラに巻回して張設した感光体ベルトを用いた装置が
知られている。この種の画像形成装置では、感光体ベル
トの表面上に静電潜像を形成し、この静電潜像に現像剤
を供給して現像し、この現像剤像を記録紙上に転写して
定着させることにより、記録紙上に画像を形成する。
【0003】感光体ベルト表面の静電潜像を現像する現
像装置は、現像剤を感光体ベルト表面に供給するための
現像ローラを有する。この現像ローラは、その外周面を
感光体ベルト表面に押し付けるように配置される。そし
て、現像ローラは、その外周面が感光体ベルトより僅か
に速い走行速度で同じ方向に走行するように、感光体ベ
ルトに摺接して回転される。
【0004】この種の現像ローラは、その軸方向に沿っ
た両端近くの外周面が鏡面加工され、外周面中央部が現
像剤を保持させるため表面粗さを粗くされている。つま
り、中央部の粗くされた外周面に現像剤を保持させると
ともに、両端部付近を鏡面加工することにより現像剤が
付かないようにしている。これにより、中央部に保持さ
れた現像剤が、現像ローラ両端から零れ落ちることを防
止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、現像ローラ両
端近くの現像剤の付かない鏡面部に感光体ベルトが摺接
すると、感光体ベルトがその部位で削れてしまう問題が
あった。つまり、現像ローラの中央部では現像剤が感光
体ベルトとの間の潤滑剤として機能するのに対し、現像
ローラの両端近くの鏡面部では潤滑剤として機能する現
像剤がないため、感光体ベルトとの間で大きな摩擦を生
じてしまい、その部位で感光体ベルトの表面が削れ易く
なる。
【0006】特に、この種の感光体ベルトは、薄い金属
層の上に感光材を塗布して表面をコーティングして形成
されており、現像ローラとの間に現像バイアスを印加し
て現像剤を供給するため、感光体ベルトの表面が削れる
と、現像ローラとの間にリークを生じ、感光体ベルトが
破損する問題があった。
【0007】この発明は、以上の点に鑑みなされたもの
で、その目的は、現像ローラの摺接に起因した像担持体
の摩滅を低減でき、像担持体の使用寿命を長くできる現
像ローラ、およびこの現像ローラを備えた現像装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の現像ローラは、ベルト状の像担持体に押し
付けたときに上記像担持体に摺接する外周面を有し、こ
の外周面上に現像剤を保持して回転することにより上記
像担持体に現像剤を供給するものであって、この現像ロ
ーラの軸方向両端近くで、上記外周面上に現像剤を保持
不能とさせるための2つの現像剤非保持部と、これら2
つの現像剤非保持部の間で、上記外周面上に現像剤を保
持させるための現像剤保持部と、上記現像ローラを上記
像担持体に押し付けたときに、上記2つの現像剤非保持
部が上記像担持体に摺接しないように、上記2つの現像
剤非保持部を上記像担持体から離間させる離間手段と、
を備えている。
【0009】また、本発明の現像装置は、現像剤を収容
した収容部と、ベルト状の像担持体に押し付けたときに
上記像担持体に摺接する外周面を有し、この外周面上に
現像剤を保持して回転することにより上記像担持体に現
像剤を供給する現像ローラと、上記収容部内の現像剤を
上記現像ローラの外周面に供給する供給部と、を備え、
上記現像ローラは、該現像ローラの軸方向両端近くで、
上記外周面上に現像剤を保持不能とさせるための2つの
現像剤非保持部と、これら2つの現像剤非保持部の間
で、上記外周面上に現像剤を保持させるための現像剤保
持部と、上記現像ローラを上記像担持体に押し付けたと
きに、上記2つの現像剤非保持部が上記像担持体に摺接
しないように、上記2つの現像剤非保持部を上記像担持
体から離間させる離間手段と、を備えている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】図1には、この発明が適用されるフルカラ
ー複写機の要部の構成を概略的に示してある。
【0012】フルカラー複写機は、互いに平行且つ上下
に離間して設けられた駆動ローラ2、および従動ローラ
4に巻回されて無端走行可能に張設された感光体ベルト
6(像担持体)を有する。駆動ローラ2が図中矢印方向
に一定速度で回転されて、感光体ベルト6が図中矢印方
向に一定速度で無端走行される。感光体ベルト6は、金
属製の薄いシート状の基材の表面に感光材を塗布し、そ
の上に保護膜をコーティングして形成されている。
【0013】感光体ベルト6の表面6a上には、表面6
aを所定の電位に帯電させる帯電装置11、図示しない
原稿台にセットされた原稿からの反射光に基づいて表面
6aを露光する露光装置12、露光により表面6aに形
成された各色毎の静電潜像に各色の一成分現像剤(以
下、トナーと称する)を供給して現像する4つの現像装
置10Y、10M、10C、10Bk(以下、総称して
現像装置10とする場合もある)、表面6a上に形成さ
れた各色の現像剤像(トナー像)を重ねて転写させる中
間転写体13、表面6a上に残留した電荷を除去する除
電装置14、および転写されずに表面6a上に残留した
トナーを除去するクリーニング装置15が、感光体ベル
ト6の走行方向に沿って順に設けられている。
【0014】各色の現像装置10Y、10M、10C、
10Bkは、感光体ベルト6の走行方向に沿って所定距
離ずつ等間隔で離間して配置され、それぞれ、接離機構
8によって互いに独立して感光体ベルト6に対して接離
可能となっている。また、各現像装置10は、感光体ベ
ルト6の表面6aに各色のトナーを供給するための現像
ローラ1(後に詳述する)を有する。
【0015】各現像装置10は、接離機構8によって図
示の作動位置に移動された状態で、その現像ローラ1の
外周面1aが感光体ベルト6の表面6aに対し所定の押
し込み量で押し付けられるようになっている。本実施の
形態では、各現像装置10を作動位置に配置した際の各
現像ローラ1の押し込み量を0.5mm程度に設定してお
り、感光体ベルト6の走行位置の変位を比較的少なくし
ている。
【0016】また、各現像装置10は、接離機構8によ
って図示していない退避位置に移動された状態で、感光
体ベルト6の表面6aにその現像ローラ1が接触しない
ようになっている。
【0017】各色の現像装置10の現像ローラ1は、作
動位置に配置された状態で、感光体ベルト6より僅かに
速い周速で同じ方向(図中矢印方向)に回転され、感光
体ベルト6の表面6aに対し速度差をもって摺接され
る。本実施の形態では、各現像ローラ1の周速を感光体
ベルト6の走行速度の1.2〜2倍程度に設定した。
【0018】また、各色の現像装置10とは反対側に設
けられた中間転写体13は、感光体ベルト6の表面6a
に転接して配置され、感光体ベルト6の走行速度と同じ
周速で同じ方向(図中矢印方向)に回転される。
【0019】中間転写体13が感光体ベルト6に転接し
た部位と略反対側には、中間転写体13の外周面に沿っ
て記録紙Pを搬送するため、中間転写体13に転接され
た搬送ローラ16、および中間転写体13の表面上に重
ねて転写された各色のトナー像を記録紙P上に転写させ
るための転写装置17が設けられている。
【0020】また、転写装置17より記録紙Pの搬送方
向下流側(図中上方)には、転写装置17を通過して各
色トナー像を重合転写された記録紙Pを加熱および加圧
して、各色のトナー像を記録紙P上に定着させてフルカ
ラー画像を出力するための定着装置18が配設されてい
る。
【0021】上記のように構成されたフルカラー複写機
は、以下のように動作される。
【0022】図示しない原稿台に原稿がセットされて、
図示しないコピーボタンが押されると、感光体ベルト6
の表面6aが帯電装置11によって所定の電位に一様に
帯電され、露光装置12によって、この表面6a上にイ
エロー用の静電潜像が形成される。イエロー用の静電潜
像は、原稿からの反射光を色分解したイエロー画像信号
に基づいて、露光装置12から露光光を照射することに
より形成される。
【0023】このとき、接離機構8によって、イエロー
用の現像装置10Yが図示の作動位置に配置されるとと
もに、他の色の現像装置10M、10C、10Bkが感
光体ベルト6に接触しない退避位置に配置される。
【0024】そして、イエロー用の現像装置10Yを介
して感光体ベルト6上の静電潜像にイエロートナーが供
給され、イエロー用の静電潜像が現像される。このよう
にして表面6a上に形成されたイエロートナー像は、感
光体ベルト6の走行によって移動され、中間転写体13
まで搬送される。感光体ベルト6によって搬送されたイ
エロートナー像は、感光体ベルト6と中間転写体13と
の間に付与されているバイアスによって、静電的に中間
転写体13へ移動される。
【0025】この後、除電装置14を介して感光体ベル
ト6の表面6aに光が照射されて表面6a上に残留した
電荷が除去される。さらに、クリーニング装置15によ
って、感光体ベルト6の表面上に転写されずに残留した
残留トナーがクリーニングされる。
【0026】そして、感光体ベルト6の表面6a上に次
のマゼンタ用の静電潜像を形成する準備のため、感光体
ベルト6の表面6aが帯電装置11によって一様に帯電
され、接離機構8によって、マゼンタ用の現像装置10
Mが作動位置に移動され、且つ他の現像装置10Y、1
0C、10Bkが退避される。この状態で、上述した一
連のプロセス、すなわち露光→現像→中間転写体13へ
の転写がなされ、マゼンタトナー像が中間転写体13の
外周面上でイエロートナー像に重ねて転写される。この
ようにして、マゼンタトナー像が転写された後、同様に
して、シアントナー像、およびブラックトナー像が順次
重ねて転写される。
【0027】中間転写体13上で重合された全ての色の
トナー像は、中間転写体13の回転によって移動され
て、転写装置17との間の転写領域を通過される。この
とき、搬送ローラ16によって記録紙Pが中間転写体1
3に沿って搬送されて転写領域を通過される。そして、
転写装置17によって、中間転写体13上の各色のトナ
ー像が、転写領域を通過される記録紙P上に転写され
る。
【0028】各色のトナー像がまとめて転写された記録
紙Pは、この後、定着装置18を通過されて加熱および
加圧され、各色のトナー像が記録紙P上に定着されてカ
ラー画像が形成される。
【0029】図2には、現像装置10の断面図を示して
ある。各色の現像装置10は、使用するトナーTの色が
異なるだけで同じ構成を有するため、ここでは1つの現
像装置10だけを図示して代表して説明する。尚、上述
したように、各現像装置10は、接離機構8によって、
感光体ベルト6に対し、それぞれ独立して接離可能とな
っている。
【0030】現像装置10は、トナーTを収容するトナ
ー収容室21、トナー収容室21内のトナーTを攪拌し
て搬送すべく図中矢印方向に回転するパドル21a、ト
ナー収容室21の図中左側に隣接して設けられたトナー
回収室22、トナー回収室22内のトナーTをトナー収
容室21に向けて搬送すべく図中矢印方向に回転するパ
ドル22a、トナー回収室22の上方に設けられ、図中
矢印方向に回転する導電性スポンジローラからなる供給
ローラ23を収容したトナー供給室24、トナー回収室
22とトナー供給室24を上下に区画した区画部材2
5、供給ローラ23の図中左側に転接した上述した現像
ローラ1、供給ローラ23と現像ローラ1との間の転接
部位の下方に設けられたシート部材26、およびブレー
ド27を有する。
【0031】ブレード27は、板バネの先端にウレタン
ゴムを接着して形成され、現像ローラ1の外周面1aに
所定の押圧力で摺接して設けられている。ブレード27
は、シート部材26を介してトナー供給室24から現像
ローラ1の外周面1a上へ供給されたトナーTをウレタ
ンゴムとの間の摩擦により所定の帯電量に帯電させると
ともに、ウレタンゴムと現像ローラ1の外周面1aとの
間のギャップにより、トナーTの層厚を所定の厚さに規
制する。本実施の形態では、良好な画像を得るため、現
像ローラ1に対するブレード27の押圧力を50〜15
0g/cm2に設定し、トナーTの層厚を200〜800μg
/cm2程度に調整し、トナーTの帯電量を15〜40μC/
g程度に調整した。
【0032】また、現像装置10は、現像ローラ1の外
周面1aだけを部分的に露出させる開口部20aを有す
るとともに、現像装置10の外殻なす略矩形箱形の筐体
20を有する。
【0033】トナー収容室21内のトナーTは、パドル
21aの回転により攪拌されつつ搬送され、区画部材2
5の上にあるトナー供給室24へ送り込まれる。トナー
供給室24へ送り込まれたトナーTは、供給ローラ23
の回転により現像ローラ1に向けて押し出される。そし
て、供給ローラ23によって押し出されたトナーTは、
シート部材26を介して、現像ローラ1の外周面1a近
傍に移動される。外周面1a近傍に移動されたトナーT
は、ブレード27によって所定の帯電量に帯電されつつ
所定の層厚に規制され、現像ローラ1の回転によって感
光体ベルト6に向けて搬送される。このとき、ブレード
27によって規制された余剰のトナーTは、トナー回収
室22に回収され、パドル22aの回転により、トナー
収容室21へ戻される。
【0034】図3(a)には、本発明の第1の実施の形
態に係る現像ローラ1の外観を示してある。また、図3
(b)には、この現像ローラ1を分解した図を示してあ
る。
【0035】現像ローラ1は、図3(b)に示すよう
に、円柱形のローラ部30、およびローラ部30の中心
を貫通して延びた回転軸31を一体に有する。ローラ部
30は、軽くて加工し易いアルミニウムにより形成され
ている。ローラ部30の外周面、すなわち現像ローラ1
の外周面1aは、回転軸31に沿って、その両端付近の
2つの鏡面部32(現像剤非保持部)と、これら2つの
鏡面部32の間の粗面部33(現像剤保持部)と、に3
分割されている。
【0036】粗面部33は、例えばサンドブラスト処理
により表面を適度に粗くされ、表面の粗さが、適切なト
ナー層厚でトナーTを保持可能なように、Rz(10点
平均あらさ)で1μm〜4μm程度に設定されている。
また、両端近くにある2つの鏡面部32は、トナーTを
保持不能なように、表面粗さの殆ど無い鏡面加工されて
いる。このように、現像ローラ1の両端付近に2つの鏡
面部32を形成することにより、中央の粗面部33に保
持されたトナーTが現像ローラ1の両端から零れ落ちる
ことを防止している。
【0037】また、回転軸31に沿って2つの鏡面部3
2よりさらに外側には、図3(a)に示すように、この
発明の離間手段として機能する2つの円筒部34が取付
けられている。2つの円筒部34は、感光体ベルト6の
表面に摺接した際に摩滅し難い材質として樹脂により形
成され、回転軸31に対し圧入或いは接着される。各円
筒部34の外径X2は、鏡面部32の外径、即ち現像ロ
ーラ1の外径X1より僅かに大きく設定されており、本
実施の形態では、0.01mm〜0.5mm程度大きく設定
されている。
【0038】このように、現像ローラ1より外径の大き
い円筒部34をローラの両端に取付けることにより、図
4および図5に示すように現像ローラ1を作動位置に配
置して感光体ベルト6に摺接させた際、鏡面部32を感
光体ベルト6から確実に離間せしめることができ、鏡面
部32が感光体ベルト6に摺接することを防止できる。
これにより、トナーTを保持不能な鏡面部32が感光体
ベルト6に摺接して感光体ベルト6の表面を削るといっ
た不具合を防止でき、感光体ベルト6の削れに起因した
リークの発生を防止でき、感光体ベルト6の使用寿命を
長くできる。
【0039】ところで、鏡面部32を感光体ベルト6か
ら離間させるためには、現像ローラ1と円筒部34との
外径の差を適切な値に設定することが重要であり、外径
の差を0.01mmより小さくすると、円筒部34が十分
に機能せず鏡面部32が感光体ベルト6に接触してしま
い、外径の差を0.5mmより大きくすると、感光体ベル
ト6の変形が大きくなり破損し易くなってしまう。
【0040】また、鏡面部32を感光体ベルト6から離
間させるための円筒部34自体が感光体ベルト6に摺接
して感光体ベルト6の表面を摩滅する不具合が考えられ
るが、金属製の鏡面部32に比べて樹脂製の円筒部34
の方が遥かに柔らかいため、円筒部34の摺接によって
感光体ベルト6の表面が著しく削られる心配はない。さ
らに、自身が僅かに削れることにより潤滑性を示す自己
潤滑性を有するポリアセタールを用いて円筒部34を形
成すれば、円筒部34の摺接によって感光体ベルト6の
表面が削れることは殆ど無くなる。
【0041】図6(a)には、この発明の第2の実施の
形態に係る現像ローラ41の外観を示してある。また、
図6(b)には、この現像ローラ41を分解した図を示
してある。
【0042】現像ローラ41は、上述した第1の実施の
形態の円筒部34と同じ外径X2を有する略円筒形の2
つのキャップ42を有する。円筒部34が回転軸31に
直接取付けられたのに対し、キャップ42は、回転軸3
1に設けられた円筒形の保持部43を介して取付けられ
る。キャップ42を勘合させるための2つの保持部43
は、2つの鏡面部32の外側に設けられている。2つの
キャップ42は、保持部43に圧入或いは接着される。
尚、本実施の形態の現像ローラ41は、キャップ42お
よび保持部43以外の構成は上述した第1の実施の形態
の現像ローラ1と略同じ構成を有するため、第1の実施
の形態と同じ構成については同一符号を付して説明を省
略する。
【0043】図7(a)には、この発明の第3の実施の
形態に係る現像ローラ51の外観を示してある。また、
図7(b)には、この現像ローラ51を分解した図を示
してある。
【0044】現像ローラ51は、上述した第1の実施の
形態と略同じ形状の2つの円筒部52を有する。円筒部
52は、それぞれ鏡面部32に対向する側のエッジ部分
52aが面取りされており、感光体ベルト6にエッジが
摺接するのを防止している。これ以外の構成は、第1の
実施の形態の現像ローラ1と略同じであるため同一構成
要素については同一符号を付して説明を省略する。
【0045】図8(a)には、この発明の第4の実施の
形態に係る現像ローラ61の外観を示してある。また、
図8(b)には、この現像ローラ61を分解した図を示
してある。
【0046】現像ローラ61は、上述した第1の実施の
形態と同じ2つの円筒部34を有し、これら2つの円筒
部34を回転軸31に対して自由に回転可能に取付けて
ある。すなわち、現像ローラ61は、各円筒部34を回
転可能に取付けるため、円筒部34を貫通した孔34a
の内径を回転軸31の外径より僅かに大きくし、回転軸
31にEリング62を取付けるためのスリット31aを
形成した。しかして、回転軸31に2つの円筒部34を
挿通してから2つのEリング62を回転軸31のスリッ
トに取り付け、2つの円筒部34を回転自在に保持する
ようにした。尚、本実施の形態の現像ローラ61は、E
リング62およびスリット31a以外の構成は上述した
第1の実施の形態の現像ローラ1と略同じ構成を有する
ため、第1の実施の形態と同じ構成については同一符号
を付して説明を省略する。
【0047】以上説明した第2乃至第4の実施の形態に
おいても、第1の実施の形態と同様の効果を奏すること
ができ、鏡面部32の感光体ベルト6に対する摺接に起
因した摩滅を防止でき、感光体ベルト6の使用寿命を長
くすることができる。特に、円筒部やキャップの材質を
ポリアセタールで形成することにより、円筒部やキャッ
プの摺接による感光体ベルト6の摩滅をも殆ど無くすこ
とができる。また、第4の実施の形態のように円筒部3
4を回転軸31に対して回転自在に支持することによ
り、円筒部34の摺接による感光体ベルト6の摩滅を略
完全に防止できる。
【0048】次に、上述した第1の実施の形態の変形例
に係る現像装置10’について、図9乃至図12を参照
して説明する。この現像装置10’は、2つの円筒部3
4を備えていない現像ローラ1’を有し、それ以外の構
成は上述した現像装置10と略同じ構成に形成されてい
る。従って、上述した現像装置10と同様に機能する構
成部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0049】現像装置10’は、筐体20の先端に形成
された開口部20aから部分的に露出するように設けら
れた現像ローラ1’を有する。この現像ローラ1’の回
転軸31の両端には、円筒部34は設けられていない。
その代わりに、現像ローラ1’の露出した外周面1aの
2つの鏡面部32をそれぞれ部分的に覆うように、プラ
スティック製或いは樹脂製の薄いシート状の2枚のフィ
ルム70が貼り付けられている(図9および図10参
照)。各フィルム70は、現像装置10’の筐体20に
貼り付けられ、現像ローラ1’の鏡面部32に摺接す
る。
【0050】このように、現像ローラ1’の露出した鏡
面部32にフィルム70を取り付けることにより、図1
1および図12に示すように現像ローラ1’を感光体ベ
ルト6に摺接させた作動位置に現像装置10’を配置し
た際、フィルム70を鏡面部32と感光体ベルト6との
間に介在させることができ、鏡面部32を感光体ベルト
6から確実に離間せしめることができる。これにより、
鏡面部32が感光体ベルト6に摺接して感光体ベルト6
の表面を削ること防止でき、感光体ベルト6の削れに起
因したリークの発生を防止でき、感光体ベルト6の使用
寿命を長くできる。
【0051】ところで、鏡面部32を感光体ベルト6か
ら確実に離間させ且つ粗面部33を感光体ベルト6に効
果的に摺接させるためには、フィルム70の幅、貼り付
け位置、厚さなどを適切な値に設定することが重要とな
る。本変形例では、フィルム70の幅を5〜7mmに設定
し、厚さを0.05mm〜0.25mmに設定し、粗面部3
3と鏡面部32との間の境界線から外側に3〜5mm離れ
た位置にフィルム70を貼り付けるようにした。
【0052】また、鏡面部32を感光体ベルト6から離
間させるためのフィルム70自体が感光体ベルト6に摺
接して感光体ベルト6の表面を摩滅する不具合が考えら
れるが、金属製の鏡面部32に比べて樹脂製のフィルム
70の方が遥かに硬度が低いため、フィルム70の摺接
によって感光体ベルト6の表面が著しく削られる心配は
ない。
【0053】以上のように、この変形例によると、上述
した各実施の形態と同様の効果を奏することができると
ともに、現像ローラ1’自体に円筒部やキャップを取付
ける必要が無く、現像装置10’の筐体20に2枚のフ
ィルム70を貼り付けるだけで良い。
【0054】ところで、上述した本発明の現像ローラ
は、ベルト状の像担持体に摺接する外周面を有し、この
外周面上に現像剤を保持して回転することにより上記像
担持体に現像剤を供給するものであって、この現像ロー
ラの軸方向両端近くで、上記外周面上に現像剤を保持不
能とさせるための2つの現像剤非保持部と、これら2つ
の現像剤非保持部の間で、上記外周面上に現像剤を保持
させるための現像剤保持部と、上記像担持体を上記2つ
の現像剤非保持部に摺接させないように離間させる離間
手段と、を備えていることを特徴としている。
【0055】また、上記現像ローラによると、上記離間
手段は、上記2つの現像剤非保持部より軸方向外側に隣
接してそれぞれ設けられ、上記2つの現像剤非保持部が
上記像担持体に摺接しないように上記現像ローラより外
径を大きくされた2つの円筒部を有することを特徴とし
ている。
【0056】また、上記現像ローラによると、上記2つ
の円筒部は、樹脂により形成されていることを特徴とし
ている。
【0057】また、上記現像ローラによると、上記2つ
の円筒部は、ポリアセタールにより形成されていること
を特徴としている。
【0058】また、上述した本発明の現像装置は、現像
剤を収容した収容部と、ベルト状の像担持体に摺接する
外周面を有し、この外周面上に現像剤を保持して回転す
ることにより上記像担持体に現像剤を供給する現像ロー
ラと、上記収容部内の現像剤を上記現像ローラの外周面
に供給する供給部と、を備え、上記現像ローラは、該現
像ローラの軸方向両端近くで、上記外周面上に現像剤を
保持不能とさせるための2つの現像剤非保持部と、これ
ら2つの現像剤非保持部の間で、上記外周面上に現像剤
を保持させるための現像剤保持部と、上記像担持体を上
記2つの現像剤非保持部に摺接させないように離間させ
る離間手段と、を備えていることを特徴としている。
【0059】また、上記現像装置によると、上記離間手
段は、上記2つの現像剤非保持部より軸方向外側に隣接
してそれぞれ設けられ、上記2つの現像剤非保持部が上
記像担持体に摺接しないように上記現像ローラより外径
を大きくされた2つの円筒部を有することを特徴として
いる。
【0060】また、上記現像装置によると、上記2つの
円筒部は、樹脂により形成されていることを特徴として
いる。
【0061】また、上記現像装置によると、上記2つの
円筒部は、ポリアセタールにより形成されていることを
特徴としている。
【0062】また、上記現像装置によると、上記離間手
段は、上記2つの現像剤非保持部をそれぞれ部分的に覆
うように設けられ、上記像担持体と上記現像剤非保持部
との間に介在されたフィルムを有することを特徴として
いる。
【0063】さらに、上記現像装置によると、上記フィ
ルムは、樹脂またはプラスティックにより形成されてい
ることを特徴としている。
【0064】尚、この発明は、上述した実施の形態に限
定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可
能である。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の現像ロ
ーラ、およびこの現像ローラを備えた現像装置は、上記
のような構成および作用を有しているので、現像ローラ
の摺接に起因した像担持体の摩滅を低減でき、像担持体
の使用寿命を長くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るフルカラー複写機
の要部の構成を示す概略図。
【図2】図1のフルカラー複写機に組み込まれた本発明
の実施の形態に係る現像装置を示す断面図。
【図3】図2の現像装置に組み込まれたこの発明の第1
の実施の形態に係る現像ローラの外観を示す図(a)、
およびこの現像ローラを分解した図(b)。
【図4】図3の現像ローラを感光体ベルトに押し付けた
状態を示す図。
【図5】図4の要部の構成を部分的に拡大して示す部分
拡大図。
【図6】この発明の第2の実施の形態に係る現像ローラ
の外観を示す図(a)、およびこの現像ローラを分解し
た図(b)。
【図7】この発明の第3の実施の形態に係る現像ローラ
の外観を示す図(a)、およびこの現像ローラを分解し
た図(b)。
【図8】この発明の第4の実施の形態に係る現像ローラ
の外観を示す図(a)、およびこの現像ローラを分解し
た図(b)。
【図9】この発明の変形例に係る現像装置を現像ローラ
側から見た斜視図。
【図10】図9の現像装置の正面図。
【図11】図9の現像装置を作動位置へ移動させてその
現像ローラを感光体ベルトに押し付けた状態を示す平面
図。
【図12】図11の現像装置の要部の構成を部分的に拡
大して示す部分拡大図。
【符号の説明】
1…現像ローラ、 1a…外周面、 2…駆動ローラ、 4…従動ローラ、 6…感光体ベルト、 6a…表面、 8…接離機構、 10Y、10M、10C、10Bk…現像装置、 11…帯電装置、 12…露光装置、 13…中間転写体、 14…除電装置、 15…クリーニング装置、 16…搬送ローラ、 17…転写装置、 18…定着装置、 20…筐体、 20a…開口部、 21…トナー収容室、 22…トナー回収室、 23…供給ローラ、 24…トナー供給室、 25…区画部材、 26…シート部材、 27…ブレード、 30…ローラ部、 31…回転軸、 32…鏡面部、 33…粗面部、 34、52…円筒部、 42…キャップ、 43…保持部、 52a…エッジ部分、 62…Eリング、 70…フィルム。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト状の像担持体に押し付けたときに
    上記像担持体に摺接する外周面を有し、この外周面上に
    現像剤を保持して回転することにより上記像担持体に現
    像剤を供給する現像ローラであって、 この現像ローラの軸方向両端近くで、上記外周面上に現
    像剤を保持不能とさせるための2つの現像剤非保持部
    と、 これら2つの現像剤非保持部の間で、上記外周面上に現
    像剤を保持させるための現像剤保持部と、上記現像ローラを上記像担持体に押し付けたときに、上
    記2つの現像剤非保持部が上記像担持体に摺接しないよ
    うに、上記2つの現像剤非保持部を上記像担持体から
    間させる離間手段と、 を備えていることを特徴とする現像ローラ。
  2. 【請求項2】 現像剤を収容した収容部と、 ベルト状の像担持体に押し付けたときに上記像担持体に
    摺接する外周面を有し、この外周面上に現像剤を保持し
    て回転することにより上記像担持体に現像剤を供給する
    現像ローラと、 上記収容部内の現像剤を上記現像ローラの外周面に供給
    する供給部と、を備え、 上記現像ローラは、 該現像ローラの軸方向両端近くで、上記外周面上に現像
    剤を保持不能とさせるための2つの現像剤非保持部と、 これら2つの現像剤非保持部の間で、上記外周面上に現
    像剤を保持させるための現像剤保持部と、上記現像ローラを上記像担持体に押し付けたときに、上
    記2つの現像剤非保持部が上記像担持体に摺接しないよ
    うに、上記2つの現像剤非保持部を上記像担持体から
    間させる離間手段と、 を備えていることを特徴とする現像装置。
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