JP3436941B2 - 歯科鋳造用リングライニング材 - Google Patents

歯科鋳造用リングライニング材

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は歯科鋳造において、鋳造
用リングの内側に裏装して用いる歯科鋳造用リングライ
ニング材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】歯科鋳造用に用いられるリングライニン
グ材は、歯科鋳造用リング内に鋳込まれた溶湯が室温に
まで冷却される際に生じる収縮を補償すべくクッション
材として歯科鋳造リングの内側に裏装して使用されてい
る。従来、この種のリングライニング材としてアスベス
トを主成分とするアスベスト紙を短冊状に裁断したアス
ベストリボンが用いられ、最近になって一部シリカ・ア
ルミナ繊維等のセラミック繊維を主成分とするセラミッ
ク紙が用いられるようになった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】う蝕で罹患した歯(虫
歯)や脱落した歯を、歯科で修復する場合には合金を鋳
造して、インレー、クラウン等を作製する。この鋳造に
際してはロストワックス法と呼ばれる精密鋳造法が用い
られる。これは、精度が悪いと鋳造したインレーやクラ
ウンを患者の歯に確実に装着することができないためで
ある。 【0004】しかしながらロストワックス法でも歯科用
合金は鋳型の中で凝固した後に常温に冷却されるまでの
間に1.5 〜2.3 %程度収縮するので、鋳型材は凝結中及
び加熱中に鋳造合金の収縮を補償するだけの膨脹をする
ことが必要である。合金の溶湯を鋳込む際の鋳型はワッ
クスパターンの寸法よりも1.5 〜2.3 %程度大きめにな
っていることが必要で、このため鋳型材は凝結膨脹と熱
膨脹をするようになっている。鋳型材は鋳造用リングの
中にワックスで形成したパターンを埋没させて鋳型材を
凝結後に電気炉内で加熱脱ろうして鋳型を形成する。 【0005】従って鋳造リングの内周面に鋳型材の膨脹
を吸収するリングライニング材を設けている。このリン
グライニング材は、鋳造用リングの内周面に短冊状にし
て裏装している。そのためリングライニング材は鋳造用
リングにフィットすること、鋳型材の凝結時の膨脹や加
熱時の膨脹を吸収すること、加熱時にもシート状を維持
し綿状に崩れないことが要求される。このような要求を
満たす素材として、従来よりアスベストリボンが使用さ
れてきた。 【0006】実際の歯科鋳造作業に於いては、リングラ
イニング材の吸水性が重要な特性になってくる。すなわ
ち鋳型材でワックスパターンを埋没させる作業では、作
業直前に鋳型材粉と水を決められた重量比率で混合し、
このようにして得られた泥状の鋳型材を、ライニング材
を内装した鋳型用リング内に注ぐ。この後、常温で放置
し鋳型材を乾燥固化させる。鋳型用リングに注いでから
乾燥固化するまでの間に鋳型材中の水分がライニング材
に吸水されることにより混水比が変化すると鋳造特性や
鋳造作業性に、下記に列挙したような影響を及ぼす。 (1)ライニング材の吸水により鋳型材の混水比が変化
し乾燥固化時の膨脹率が変わる。 (2)ライニング材の吸水により部分的に鋳型材の混水
比が変化し乾燥固化時に亀裂を生じる。 (3)ライニング材の吸水速度が速いと、前記(1)、
(2)で述べた不具合の他、鋳造作業性も悪くなる。す
なわち、鋳型材を注がれてすぐに吸水し、鋳型材が膨脹
をするとライニング材は圧縮され、含んだ水を吐き出
し、鋳型材上部表面に水の膜ができる、いわゆる「水浮
き」が発生する。これにより乾燥固化の時間が長くなり
作業時間が長くなる。 (4)ライニング材が吸水するものの、吸水速度が遅い
場合は鋳型材が乾燥固化する間に徐々に水分を吸収する
ので鋳型材の上部表面中央部にくぼみが生じ、いわゆる
「へこみ」が発生し、ワックスパターン上部の鋳型材層
が薄くなり破損の原因となる。 【0007】従来よりライニング材として使用されてい
るアスベストリボンにも吸水性があるが、密度が0.8g/
cm3 程度と比較的高いため、その吸水性は強いものでは
ない。吸水性を表す数値として、例えばアスベストリボ
ンに 0.5ccの水を滴下すると浸透するまでに約15〜40
秒を要する。アスベストリボンはこのような吸水性をも
つため、歯科鋳造作業に当たっては鋳型材の水分を吸収
しすぎないよう、鋳型材を注ぎ込む前に予め水分を含ま
せている。また、水分を含ませ過ぎると、「水浮き」が
発生するので適度の含水率となるように調整している。
実際の作業はアスベストリボンを水中に1〜2秒間浸漬
する。このように予め含水させた後に鋳型材泥を注げ
ば、へこみも少なく、水浮きのない良好な乾燥固化作業
となる。従来は広くこのような方法が取られ、「湿式
法」と称されている。多くの歯科技工士はアスベストリ
ボンを使用した湿式法を採用しており、患者の歯型に合
わせ、鋳型寸法の微調整をするため、経験によりアスベ
ストリボンに予め含水させる水分量を調整したり、鋳型
材の混水比を調整したりしてきた。 【0008】一方、湿式法とは逆に、リングライニング
材の吸水性をなくし、撥水性とすることにより、水の出
入りを排除して鋳型材の混水比を変化させず正確な鋳造
を行おうという考えもあり、このような方法を「乾式
法」と称している。この場合にはアスベストリボンにワ
セリンを塗布したり、シリコーンスプレー等で防水処理
を施したりして対処してきた。しかしながら、このよう
な撥水性付与の作業は煩雑でありアスベストリボンを使
用する場合は、ほとんど湿式法で行われてきた。 【0009】このように歯科鋳造では従来より広くアス
ベストリボンが使用されてきたが、近年アスベストは発
癌性があるとのことでアメリカ国内に於いては建築材料
への使用を禁止しており、我が国に於いても規制する
等、社会問題となっている。歯科に於いてもアスベスト
に代わる材料への要望が高まってきている。このような
中で、アスベストを使用しない、アルミナ・シリカ系繊
維等のセラミック繊維を主成分としたリングライニン材
も市販されるようになってきた。 【0010】これらのセラミック繊維系ライニング材は
セラミック繊維を主成分とし、アクリル樹脂等の合成樹
脂または天然パルプをバインダーとしている。セラミッ
クペーパーの密度は一般的に0.4g/cm3 以下でアスベス
トリボンと比較しクッション性が良く、従来のアスベス
トリボンより薄い厚さでも鋳型材の凝結時の膨脹や加熱
時の膨脹を抑制せず、また耐熱性も十分である等の利点
がある。しかしながら加熱されバインダーを消失すると
鋳造用リング内のライニング材は綿状に崩れ、鋳型材の
膨脹を抑制しないものの、緩衝力がなく、容易に鋳型中
に亀裂を発生し、鋳造欠陥を発生させるという欠点があ
る。このような欠点を改善するため有機バインダーの他
にガラス繊維やシリカゾル、アルミナゾル等の無機バイ
ンダーを適量配合し、有機バインダー消失後にも適度な
強度を保持するようにして鋳造欠陥を生じさせない等の
工夫もなされるようになってきた。 【0011】吸水性の面に着目すると、セラミック繊
維、ガラス繊維の無機繊維自体は親水性であり、使用す
るバインダーが天然パルプ等の親水性材料の場合には親
水性(吸水性)のライニング材となり、合成樹脂等の撥
水性材料を使用すると、その量に応じライニング材も撥
水性の度合いが強くなる。セラミックペーパーの密度は
既述したように0.4g/cm3 以下とアスベストリボンの1
/2以下であり、撥水性材料を使用しない場合の吸水性
は極めて大きく、水滴を滴下すると瞬時に浸透する。ま
た水に浸漬した場合にはほぼ瞬時に元重量に対し 300重
量部以上吸水する。したがって湿式法でアスベストリボ
ンと同様の操作でリングに鋳型材を注ぐと水浮きが発生
する。有機バインダーに合成樹脂を使用する場合は、合
成樹脂添加量が多いほど撥水性が強くなる。必要な作業
強度を得るために、通常5重量部以上添加するため、合
成樹脂使用のリングライニング材はほとんど水を吸収せ
ず、乾式用ライニング材として使用されている。また、
乾式用ライニング材として撥水性を確実にするためシリ
コーン系或いはフッ素系の撥水剤処理をしているものも
ある。 【0012】このように、従来のセラミック系ライニン
グ材は耐熱性、クッション性に優れるものの、アスベス
トリボンの有する適度な吸水性がない。すなわち極度に
吸水速度が速いか、逆にほとんど吸水しないかの何れか
であり、従来より広く行われてきたアスベストリボンを
使用した湿式法と同様の操作で使用できるセラミック系
リングライニング材はなかった。多くの歯科技工士はア
スベストリボンを使用した湿式法での鋳造について経験
から得られた技能を有しており、アスベストを含まず、
且つ適度な吸水性を有し、アスベストリボンと同様の湿
式法の操作で使用できるセラミック系リングライニング
材が求められていた。 【0013】 【問題点を解決するための手段】本発明の歯科鋳造用リ
ングライニング材は、アスベストを全く含有せず、且つ
アスベストリボンが有するのと同様の適度な吸水性、及
び鋳造性を得るため、セラミック繊維とガラス繊維と無
機粉体を主成分とし、合成樹脂エマルジョンで結着され
てシート状に成形された歯科鋳造用リングライニング材
において、H.L.B.値が9〜13の非イオン性界面活
性剤により浸透処理を施されたことを特徴とする。更に
好ましくは、前記界面活性剤はH.L.B値が11〜12の
非イオン性界面活性剤が適当である。 【0014】歯科鋳造ではワックスパターンを加熱脱ろ
うする際、電気炉で 700〜 800℃で加熱するため耐熱性
の骨材しとて耐熱温度1000℃以上のセラミック繊維を使
用する。また、加熱時、合成樹脂が消失後、綿状に崩れ
ないようガラス繊維、無機粉体を配合する。セラミック
繊維の繊維径は3μm程度と比較的太く、繊維の絡みに
よる形状保持力が弱く、有機バインダーによる結着力が
なくなるとセラミック繊維単独では綿状に崩れる。ここ
に無機粉体を保持させると繊維マトリクスが補強され崩
れを防止できる。更にガラス繊維を配合すると、ガラス
繊維は 400〜 700℃で軟化焼結するので高温時には更に
補強効果を発揮する。例えば、ソーダガラス、リン酸塩
ガラス、ホウ酸塩ガラス等を使用する。アルミナ粉に代
表される無機粉体配合の意図は、繊維マトリクスの充填
補強効果の他、シートの風合いを緻密で滑らかにするこ
と、及び密度向上により空隙率を減少させ、後述する吸
水性の制御をより容易にするためである。 【0015】尚、本発明の1000℃以上の耐熱性を有する
セラミック繊維としては通常用いられているAl2 3
/Si2 Oの重量比が 0.4〜 0.6のセラミック繊維の
他、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、シラス繊維、チタ
ン酸カリウム繊維を用いることができ、適切な配合量は
30〜60重量部である。またガラス繊維の適切な配合量は
10〜50重量部である。 【0016】作業強度を得るため有機バインダーとして
は接着力の優れた合成樹脂エマルジョンが適している。
合成樹脂エマルジョンとしてはアクリル樹脂、酢ビ樹脂
が適しており、その配合量は5〜20重量部が適当であ
る。5重量部以下では作業強度が弱く、短冊状にスリッ
ティングする際に切れる等の不具合を生じる。また20重
量部以上では強度が強すぎ、鋳造用リング内周面に柔軟
にフィットしなくなる他、常温での鋳型材乾燥固化の
際、クッション性がなく鋳型材の膨脹を抑制し、鋳造体
の支持部分へ適合性が不良となる。尚、有機材料として
合成樹脂と併用し、従来から使用されている天然パルプ
を配合して柔軟な風合いを出しても良い。 【0017】前記で述べたような材料配合で成形したシ
ートは合成樹脂を5〜20重量部添加しているためほとん
ど吸水しない。そこで本発明では、アスベストリボンと
同等の適度な吸水性を有し、湿式法で使用できるライニ
ング材とするため浸透剤を付着させて適度な浸透性を付
与する。撥水性材料に浸透性を付与する場合、一般的に
は浸透能力の高いアルキルベンゼンスルホン酸塩に代表
されるイオン性界面活性剤を使用する。しかしながら、
このような浸透力の強いイオン性界面活性剤では、付着
量のごく僅かな違いで、浸透処理後のシートの吸水性が
大きく変化し、アスベストリボンのような適度な吸水性
を得ることは困難である。 【0018】一方、浸透力の弱い非イオン性界面活性剤
を使用した場合は、付着量の違いによるシートの吸水性
の変化が小さく、付着量の操作により容易に希望する適
度な浸透性が得られる。非イオン性界面活性剤のH.
L.B.値は9〜13が適当である。H.L.B.値が8
以下では水に完全には溶解しないため適当でない。H.
L.B値が14以上では浸透性が強くなりすぎ、浸透処理
後のシートの吸水性の制御が困難となる。尚、非イオン
性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルを用いることがで
き、付着量は 0.3〜5重量部が適当である。 【0019】 【作用】前記で述べたような条件でシートを作製し、
H.L.B.値が9〜13の非イオン性界面活性剤で浸透
処理を行ったシートの吸水性は、水 0.5ccを滴下する
と浸透するまでに10〜40秒を要し、ほぼアスベストリボ
ンと同等の吸水性であり、アスベストリボンを使用する
場合と同じ湿式法の操作で鋳型材を入れても、アスベス
トリボンの場合と同等の乾燥固化が行える。すなわち
「水浮き」が発生せず、かつ「へこみ」も少ない。また
鋳造特性についても、乾燥固化時に鋳型材の混水比の変
化が少なく、へこみ等の変形も少ないため鋳型が正確に
作製できる。また電気炉にてワックスパターンを加熱焼
却する際には、鋳型材の加熱膨脹を抑制せず有機バイン
ダー消失後も綿状に崩れないため鋳造体に鋳バリ等の鋳
造欠陥が発生せず更に鋳造修復物の欠損支台部への適合
性も良好となる。 【0020】 【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。 実施例1 セラミック繊維(新日鐡化学 SC-1260)30重量部、繊維
径4μmのCガラス繊維20重量部、平均粒径1.5μm
のアルミナ粉末30重量部、晒クラフトパルプ(NBKP)20
重量部を水中で離解する。これにアクリル樹脂(東亜合
成 PDLA-160W)7重量部、更に高分子凝集剤を加え通常
の方法で抄紙し、乾燥して厚さ 0.7mmのシートを作製し
た。次にH.L.B.値12の非イオン性界面活性剤(第
一工業製薬 EP-120A)の0.5 %水溶液を調整し、得られ
たシートにディッピング処理し、更に乾燥してH.L.
B.値12の非イオン性界面活性剤固形分が 3.0重量部付
着したシート(サンプルA)を得た。 【0021】実施例2 セラミック繊維(新日鐡化学 SC-1260)50重量部、繊維
径4μmのCガラス繊維25重量部、平均粒径1.5μm
のアルミナ粉末25重量部を水中で離解する。これに酢ビ
樹脂(カネボウ NSC ヨドゾール)15重量部、更に高分
子凝集剤を加え通常の方法で抄紙し、乾燥して厚さ 0.7
mmのシートを作製した。次にH.L.B.値11の非イオ
ン性界面活性剤(第一工業製薬 EP-110 )の1.0 %水溶
液を調整し、得られたシートにディッピング処理し、更
に乾燥してH.L.B.値11の非イオン性界面活性剤固
形分が 5.0重量部付着したシート(サンプルB)を得
た。 【0022】比較例1 セラミック繊維(新日鐡化学 SC-1260)30重量部、繊維
径4μmのCガラス繊維20重量部、平均粒径1.5μm
のアルミナ粉末30重量部、晒クラフトパルプ(NBKP)20
重量部を水中で離解する。これにアクリル樹脂(東亜合
成 PDLA-160W)7重量部、更に高分子凝集剤を加え通
常の方法で抄紙し、乾燥して厚さ 0.7mmのシートを作製
した。次にH.L.B.値14の非イオン性界面活性剤
(第一工業製薬 ET-147)の 0.5%水溶液を調整し、得
られたシートにディッピング処理し、更に乾燥してH.
L.B.値14の非イオン性界面活性剤固形分が 2.0重量
部付着したシート(サンプルC)を得た。 【0023】比較例2 セラミック繊維(新日鐡化学 SC-1260)30重量部、繊維
径4μmのCガラス繊維20重量部、平均粒径1.5μm
のアルミナ粉末30重量部、晒クラフトパルプ(NBKP)20
重量部を水中で離解する。これにアクリル樹脂(東亜合
成 PDLA-160W)7重量部、更に高分子凝集剤を加え通常
の方法で抄紙し、乾燥して厚さ 0.7mmのシートを作製し
た。次にH.L.B.値14の非イオン性界面活性剤(第
一工業製薬 ET-147 )の0.7 %水溶液を調整し、得られ
たシートにディッピング処理し、更に乾燥してH.L.
B.値14の非イオン性界面活性剤固形分が 4.0重量部付
着したシート(サンプルD)を得た。 【0024】比較例3 セラミック繊維(新日鐡化学 SC-1260)50重量部、繊維
径4μmのCガラス繊維25重量部、平均粒径1.5μm
のアルミナ粉末25重量部を水中で離解する。これに酢ビ
樹脂(カネボウ NSC ヨドゾール)15重量部、更に高分
子凝集剤を加え通常の方法で抄紙し、乾燥して厚さ 0.7
mmのシートを作製した。次にイオン性界面活性剤である
アルキルベンゼンスルホン酸塩系界面活性剤(第一工業
製薬 ネオコール)の0.1 %水溶液を調整し、得られた
シートにディッピング処理し、更に乾燥してイオン性界
面活性剤固形分が 1.5重量部付着したシート(サンプル
E)を得た。 【0025】比較例4 セラミック繊維(新日鐡化学 SC-1260)50重量部、繊維
径4μmのCガラス繊維25重量部、平均粒径1.5μm
のアルミナ粉末25重量部を水中で離解する。これに酢ビ
樹脂(カネボウ NSC ヨドゾール)15重量部、更に高分
子凝集剤を加え通常の方法で抄紙し、乾燥して厚さ 0.7
mmのシートを作製した。次にイオン性界面活性剤である
アルキルベンゼンスルホン酸塩系界面活性剤(第一工業
製薬 ネオコール)の0.2 %水溶液を調整し、得られた
シートにディッピング処理し、更に乾燥してイオン性界
面活性剤固形分が 3.0重量部付着したシート(サンプル
F)を得た。 【0026】比較例5 セラミック繊維(新日鐡化学 SC-1260)30重量部、繊維
径4μmのCガラス繊維20重量部、平均粒径1.5μm
のアルミナ粉末30重量部、晒クラフトパルプ(NBKP)20
重量部を水中で離解する。これに微細セルロース繊維
(ダイセル化学 MFC)3重量部、更に高分子凝集剤を加
え通常の方法で抄紙し、乾燥して厚さ 0.7mmのシート
(サンプルG)を得た。 【0027】比較例6 シートの浸透処理のためH.L.B.値8の非イオン性
界面活性剤(第一工業製薬 EA-70)の 0.7%水溶液を調
整しようとしたが、水に溶解せず水系の浸透処理は不可
能であった。 【0028】次に得られた各シートサンプルをリングラ
イニング材として使用し、通常の湿式鋳造法により鋳造
し、鋳型材乾燥、固化時の「水浮き」及び「へこみ」の
程度と、鋳造後の鋳造体の鋳バリの発生有無を観察し、
更に鋳造体の適合性の良、不良を評価した。またシート
の吸水性も測定し、結果を表1に示した。なお、比較例
7(サンプルH)として従来より使用されてきたアスベ
ストリボン(株式会社オリベスト製 厚さ0.8mm,密度0.
76g/cm3 )についても同様の試験を行い、併せて表1に
湿した。試験方法は下記に示した。 (1)サンプルを幅32mm, 長さ89mmに裁断し、高さ35m
m, 内径29φの鋳造用リングの内側に裏装し、鋳造リン
グごと水中に1秒間浸漬した後、3〜4回振って余剰水
を切る。 (2)既成のクラウン型ワックスパターンを植立した円
錐台にサンプルを裏装した鋳造リングを固定する。 (3)更に、鋳型材粉末と指定数量の水を混合し、クリ
ーム状に練り上げた鋳型材をリング内に注入しワックス
パターンを埋入する。尚、鋳型材は混水比0.38の湿式用
石膏系鋳型材を使用した。 (4)リングに鋳型材を注入してから乾燥するまでに要
した時間(鋳型材上部表面の水が消滅するまでの時間)
を測定する。また、この時「水浮き」の有無を観察し、
「へこみ量」はデプスメータにより測定する。 (5)十分に乾燥個化した後、700 ℃で加熱焼却し歯科
用金銀パラジウム合金を鋳造し室温まで冷却して鋳型よ
り取り出し目視にて鋳バリの有無を観察する。 (6)適合性についてはA.D.A規格No.2にあるフル
クラウン型及びMODインレー型を用い上記と同様の方
法にて鋳造し鋳造体を鋳型から取り出した後、原型に戻
し原型との隙間の度合いにより適合性の良、不良を評価
する。 (7)シートの吸水性については、水平に置いたシート
サンプルに 0.5ccの水を滴下し、吸水するまでの時間
を測定した。 【0029】 【表1】【0030】表1から明らかなとおり、本発明実施例の
場合、アスベストリボンを使用した湿式鋳造法と同様の
操作で鋳造しても、鋳型材乾燥固化時の「水浮き」及び
「へこみ」に問題なく、鋳造後の鋳造体の鋳バリも発生
せず、鋳造体の適合性も良好であることが確認できた。
それに対し、浸透性の強いイオン性界面活性剤で浸透処
理したものは、アスベストリボンが有するのと同様の適
度な吸水性を得るのは困難である。また、合成樹脂を使
用せず親水性材料だけで構成されたものは吸水性が強す
ぎて「水浮き」が発生する。 【0031】 【発明の効果】本発明による歯科鋳造用リングライニン
グ材は、アスベストを含まないにもかかわらず、アスベ
ストリボンと同等の湿式鋳造が可能である。すなわち非
イオン性界面活性剤により浸透処理されているため、ア
スベストリボンと同等の適度な吸水性が付与されてお
り、湿式鋳造での鋳型材乾燥固化の作業がアスベストリ
ボンで行うのと同様の操作ができる。また、室温や加熱
時に鋳型材の膨張に対し適度な緩衝力を有するので、鋳
型体に鋳バリ等の鋳造欠陥が発生せず、更に鋳造修復物
の欠損支台部分への適合性も良好である。以上のように
従来から行われてきたのと同等の湿式鋳造作業ができる
ため、多くの歯科技工士が経験により有しているアスベ
ストリボンを使用した湿式法での鋳造技能をそのまま適
用できる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61C 13/20

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 セラミック繊維とガラス繊維と無機粉体
    を主成分とし、合成樹脂エマルジョンで結着されてシー
    ト状に成形された歯科鋳造用リングライニング材におい
    て、H.L.B.値が9〜13の非イオン性界面活性剤に
    より浸透処理を施されたことを特徴とする歯科鋳造用リ
    ングライニング材。
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