JP3436516B2 - 軟岩掘削用バケット - Google Patents

軟岩掘削用バケット

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JP3436516B2 JP2000138153A JP2000138153A JP3436516B2 JP 3436516 B2 JP3436516 B2 JP 3436516B2 JP 2000138153 A JP2000138153 A JP 2000138153A JP 2000138153 A JP2000138153 A JP 2000138153A JP 3436516 B2 JP3436516 B2 JP 3436516B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベルの掘
削バケットに関するものであって、軟岩、特に砂質系の
軟岩の掘削に非常に有効なバケットに関するものであ
り、建設基礎工事に採用するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の普通バケットに関する説
明図であり、バケットB10は、図示の如く、バケット
底板5の先端から上面をテーパー面とした複数の底面ビ
ットG10を突設し、両側板下部には左右一対のサイド
カッター(側面ビット)K10を備えている。そして底
面ビットG10は底板5から延長形態であり、側面ビッ
トK10は側板外面に沿って下方に向き、先端縁T10
は底板先端50より若干前方に達し、側面ビットK10
の中央延長線B−Bと底面ビットG10下面延長線A−
Aとは大きな角度θ10(θ10は略60〜80°)で
交差している(図5(A))。
【0003】図5の普通バケットB10で例えば下水道
管布設用の溝を掘削する場合、各ビットの掘削作用は、
図5(B)に示す如く、A位置→B位置へと底面ビット
10が掘削しながらC位置では単に掘削土をすくい取
るだけであり、側面ビットK10は底面ビットG10
追従して遅れた位置で側面を切削進行するが、底面ビッ
トG10より浅い切削であって、補強側板2´と協同し
てバケットB10の左右動を抑制する側面ガイドの作用
を奏しながら側面領域Sを切削し、図5(D)に示す
如く、第1掘削位置(以下、1回目掘削部と称する)で
の軟岩等の土質の硬い位置での掘削穴Hは、バケットB
10の底面ビットG10に対応した溝状の掘削凹部C
10と、山脈状の残土部M10を形成する。
【0004】次いで、同じ位置(1回目掘削部)をより
深く掘削しようとすると、図5(B)の掘削運動図のA
位置運動、即ち底面ビットG10が略垂直に地盤に喰い
込む状態では底面ビットG10間の底板先端50が残土
部M10に衝突し、底板先端50は切削能力の無い一定
の厚みを有する板材端縁であるため、残土部M10が軟
岩質であれば底板先端50の前進が残土部M10によっ
て阻止され、底面ビットG10の下方への掘削は不能と
なる。
【0005】従って、軟岩質の残土部M10の存在する
状態での掘削を継続するため、次の掘削として、バケッ
トB10を少し横方向にずらした第2掘削位置(以下、
2回目掘削部と称する)で掘削を試みるが、該位置で
は、底面ビットG10が残土部M10に作用するように
試みても、側面ビットK10は底面ビットG10より後
方から追従作用するため、表土に近い初期のA位置運動
(底面ビットG10の垂直降下運動)では、バケットB
10は所定の掘り下げが出来るが、既掘削穴Hの底面深
度に近接するにつれて土質硬度が増すことによる土質抵
抗の増大に伴って、底面ビットG10は早く大抵抗を受
け、側面ビットK10は遅く大抵抗を受けること、及
び、補強側板2´は単に地盤抵抗を受けるだけであるこ
と等により、バケットB10は掘削抵抗が増すにつれて
抵抗の少ない方、即ち既掘削の穴Hの方へ徐々にすべり
横移動を生じ、既掘削の穴Hへとすべり落ちて、結局、
底板先端50が軟岩残土部M10に当接して既掘削穴H
からのより深い掘削は出来ない。
【0006】従って、図5の従来バケットB10での軟
岩土質の溝の掘削は、必要以上の広い領域を掘削し、頻
繁に機械の向きを変えてバケットB10の掘削方向を9
0°位に交差させ、しかも底面ビットG10が軟岩残土
部M10に上方から60°〜30°の傾斜角度(図5
(D)のB位置運動)で作用させることにより実施して
いた。
【0007】しかし、底面ビットG10を傾斜形態で残
土部M10に作用させるため、1回の底面ビットG10
での掘削深さは底面ビットG10の長さの略半分しか掘
削出来ないこと、機械の作用方向を頻繁に変更せねばな
らぬこと、所定幅の溝掘削でも必要掘削幅以上の余分な
広い範囲の掘削が必要なこと等、非常に不経済で不合理
な作業であった。しかも、穴Hの周壁面での掘り下げで
はバケットB10が必ず横すべりを生ずるため、例え総
堀り(必要以上の大面積掘削)であっても、隅に正確な
角を形成して掘削する事は不可能であった。
【0008】図6は従来の軟岩等の硬質土を掘削するた
めの岩バケットB20である。図示の如く、底面ビット
としては、両端のやや外方に向いた底面ビットG12
中央に長く突出した底面ビット(センタービット)G
11を備え、内面をテーパー面とした側面ビットK11
の一対が上面をテーパー面とした両側底面ビットG12
の上方に、各ビットG11,G12,K11間距離Lが
略同一となるように配置され(図6(C))、側面ビッ
トK11は底面ビットG12と、側面視(図6(A))
で拡開する角度θ20を有する構造である。
【0009】該岩バケットB20での下水道管布設用の
溝掘削作用は、表層土から最初の軟岩層掘削までは図5
の普通バケットB10と同様に全く問題無く掘削出来、
軟岩に最初に突入するのが1本の長寸の突出したセンタ
ービットG11であるため、掘削応力が効果的に作用し
て最初の軟岩掘削は図6(D)の形態にスムーズに掘削
出来、各ビットが運動線図(B)のA位置からB位置へ
の運動経路を経てスムーズに作用し、掘削穴Hには溝状
の掘削部C11と山脈状の残土部M11が形成される。
また、側面ビットK11が底面ビットG12と一定距離
Lを有するため、軟岩の破砕掘削に有効である。
【0010】勿論、図6の岩バケットにあっても底板先
端50及び補強側板2´縁は所定の厚みを有する単なる
板側面であって、地山の抵抗を受けるだけで切削機能は
無い。それゆえ、図6(D)に示す最初の軟岩層掘削穴
Hを更に掘り下げるための次の掘削作用は、同じ位置
(1回目掘削部)では、図5のバケット同様に、底板先
端50が軟岩残土部M11に当接阻止されることにより
不可能である。
【0011】従って、施工作業員は底面ビットG12
びセンタービットG11によって軟岩残土部M11を破
砕掘削するため、残土部M11に各ビットG11,G
12が当るようにバケットB20を横移動して表層から
掘削開始するが、掘削作用下で側面ビットK11より底
面ビットG12の方が早く軟岩層に接触し、早く大きな
抵抗を受けること、及びバケットB20の押圧降下によ
ってバケットB20は抵抗の少ない方へ偏寄することに
より、岩バケットB20も図5の普通バケットB10
様に、第2回目の横にずらした位置での掘削では既掘削
穴H内へすべり落ちてしまい、結局バケットB20の少
しの横移動掘削では既掘削穴Hをより深く掘り進める事
が出来ない。
【0012】結局、現状では軟岩掘削に優れた岩バケッ
トであっても、軟岩層で溝を掘り下げるためには、図5
の普通バケット同様に、総掘りとするか、必要以上の広
い幅の掘削によって機械の作用方向を変えて、山脈状の
残土部M11に底面ビットG11,G12を横方向又は
斜め方向から作用させており、下水道管布設の為の掘削
であっても、砂質系軟岩層での掘削にあっては、必要溝
幅の数倍の溝掘削をしており、溝掘削では、図6の岩バ
ケットを用いても、図5の普通バケット同様に非常に不
経済且つ不合理な作業を強いられていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来のバ
ケットでは、軟岩土質での掘削では、バケットの底面ビ
ット幅程度の横移動による掘削は不可能であり、従って
例え溝の掘削であっても必要幅の数倍の溝を掘削する
か、総掘りするかで施工せねばならず、軟岩、特に砂質
系の軟岩の掘削は非常に不経済且つ不合理な作業をせね
ばならない。
【0014】本発明は、発明者が従来の種々のタイプの
バケットを採用して各種施工を実施しながら、作業の合
理化、効率化を念頭に種々のバケットに試行錯誤の改変
を加えて多数回の試験施工した結果完成したものであ
り、底面ビットと側面ビットとを近接配置し、底面ビッ
トによって下方切削と同時に、側面ビットが側方を切削
するバケットを案出し、軟岩、特に砂質系の軟岩の溝掘
削や立坑掘削に極めて有効、且つ新規な構造のバケット
を提供し、従来のバケットの問題点を改善又は解決する
ものである。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】例えば、図1に
示す如く、バケットBは、正面視で直角をなす底板と両
側の補強側板とに、内面にテーパー面を備えたビットを
突設した軟岩掘削用バケットであって、底板5の先端5
0からは、少なくとも両端の底面ビットGを含む複数
の底面ビットG,Gを突設し、両側の補強側板2´
からは、少なくとも最下部の一対の側面ビットK
む複数対の側面ビットK ,K を突設し、側面視(図
1(A))で、最下部の側面ビットKの下縁E両端
の底面ビットGのテーパー面22とが近接して略平行
となっている構造である。尚、「近接」の意は、側面視
で、側面ビットKと底面ビットGとの間隙が側面ビ
ットKの幅Wの1/2から限り無く接触に近い間隙ま
での意である。
【0016】従って、軟岩、特に砂質系軟岩層での溝掘
り等にあって、1回目掘削部で形成された既掘削穴H底
部の軟岩残土部Mに底面ビットGが喰い込むようにバ
ケットBを少し横方向にずらした2回目掘削部で掘削す
れば、近接配置された1側の最下部の側面ビットK
底面ビットGとが協同して、バケットの底面部と側面
部との角が同時に鋭利な切削作用を伴って側面土壁中を
掘削降下し、最下部の側面ビットKが内面のテーパー
面12によって側面土中への喰い込み応力(図2(A)
)を受けながら底面ビットGと略同時に軟岩中に
喰い込み、バケットBは掘削応力Fから派生するバイ
アス応力Fにより既掘削穴H側への横すべりを生ずる
ことなく、当初設定位置のまま既掘削穴Hの深さまで掘
削出来、既掘削穴Hの残土部Mを底面ビットGで破砕
出来る。
【0017】また、最下部の一対の側面ビットKは、
側面視で先端縁Tの上端Pがそれぞれ両端の底面ビ
ットGの先端縁Tと略同一垂直線上まで突出した構
成とした。従って、バケットBを横方向にずらした2回
目掘削部での掘削(図2(B))にあっても、最下部の
側面ビットKは底面ビットGと一緒にあたかもアン
グル形状ビットの如く作用し、底面ビットGが軟岩層
に到達して大きな抵抗を受ける際には側面ビットK
軟岩層の抵抗を克服する掘削応力Fに伴う大きな外方
へのバイアス応力F(テーパー面により派生する外方
への押圧分力)を受けながら前進し、バケットBの既掘
削穴H内へのすべり落ちが防止出来る。
【0018】更にまた、両端の底面ビットGをそれぞ
れ若干側方へ拡開状態に配置し、最下部の側面ビットK
の先端縁T面視(図1(B))で両端底面ビッ
トGの先端縁Tの外端Pより若干(d)外方に位
置した形状とした。従って、2回目掘削部での掘削時の
最下部の側面ビットKの底面ビットGとの協同掘削
作業中に、底面ビットGも若干外方へのバイアス応力
を受けて側面ビットKの軟岩掘削時に派生する強力な
外方へのバイアス応力Fに助力してバケットBの既掘
削穴H側へのすべり落ちを完全に防止し、最下部の側面
ビットKは底面ビットGの軟岩掘削にも有効に助力
する。
【0019】また、最下部の側面ビットKの底面ビッ
トGへの近接配置形態を、側面視(図1(A))で最
下部の側面ビットK が両端の底面ビットGに略載置
形態、即ち側面視で両者間が僅かな隙間しか無い形態と
した。従って、2回目掘削部での軟岩掘削時にも、底面
ビットGの掘削軟岩のすぐ上を最下部の側面ビット
が大きな外方へのバイアス応力Fを受けながら掘削
する協同作用を奏し、バケット側面底部での軟岩の掘削
も容易となり、同時にバケットBの既掘削穴H内へのす
べり落ちも完全に阻止出来る。
【0020】また、最下部の側面ビットKと同形同寸
の第2の側面ビットK補強側板略中央部に、且つ
下部の側面ビットKと略平行に配置した。従って、上
方の側面ビットKは、従来の岩バケットの側面ビット
(図6,K11)同様に側面軟岩の切削機能を奏すると
共に、最下部の側面ビットKと平行に突出しているた
め、最下部の側面ビットK補強側板略中央部の第2
の側面ビット が軟岩壁に同方向に応力の有効作用
を奏し、両ビットK,Kの協同切削作用によりバケ
ットBの側面掘削作用がスムーズに遂行出来、横移動位
置(2回目掘削部)での掘削時のバケットBの既切削穴
H側へのすべり落ち防止もより確実となる。
【0021】また、各底面ビットG,G及び各側面
ビットK,Kの全てを同形同寸のビットとした。従
って、損傷の激しいビットの取換えが合理化出来、バケ
ットBの製作及び維持管理が合理化出来る。また、底板
5の先端50の中央に底面ビットGを配置したので、
従来の岩バケット同様に、軟岩層への喰い込み時でもバ
ケットBの作用バランスが保てると共に、横移動位置
(2回目掘削部)での掘削時にも軟岩残土部Mの破砕に
好都合である。
【0022】
【発明の実施の形態】〔構造〕 図1(A)及び図1(B)に示す如く、バケット本体
は、背面から底面へと到る湾曲主板1と両側板2,2で
構成され、背面上部に一対の取付軸受3,3´と作動軸
受4,4´を備えた従来バケットと同じ構成であり、補
強側板2´を側板前部の上下に亘って重設する。尚1´
は補強底板である。また、従来の岩バケット(図6)の
側面ビットK11を本発明バケットの底面ビットG
、及び側面ビットK,Kに採用する。
【0023】バケット底板5には、中央の底板ビットG
及び両端の底板ビットG,Gをそれぞれ底板先端
50からL(約23cm)突設した形態に、且つ両端の
底板ビットG,Gはそれぞれ中心線C−Cが補強側
板2´の外側面に対しθ(8.8°)側面外方へ傾斜
した形態で、且つ、底板ビットG先端縁の外端P
が、正面視で底板5と直角をなす補強側板2´の外側
延長線上に位置するように取付け、各底板ビットG
は、底面が底板下面より若干(35mm)出て底板と
の平行面を形成し、上面は下方へのバイアス応力を生ず
るテーパー面22を有する形状である。
【0024】また、左右の補強側板2´には、最下部
側面ビットK及び上方の側面ビットKを、外面が補
強側板外面と平行で内面がバイアス応力発生用のテーパ
ー面12を備え、且つ、バケット底面、即ち底面ビット
の下面に対して傾斜角θ(17.5°)で間隔L
(20cm)保って相互に平行な同一形態に取付けると
共に、最下部の側面ビットKは、側面視で、その下線
Eが底面ビットGのテーパー面22と接触寸前の近接
形態で、且つ先端縁Tの上端Pが底面ビットG
先端縁Tの略垂直上方に位置する形態であって、
視(図1(B))では先端縁Tが底面ビットGの先
端縁Tの外端Pより若干の距離d(35mm)だけ外
方に位置するように取付ける。
【0025】従って、完成したバケットBにあっては、
の底面ビットGはそれぞれ外方への拡開形態(図
4(B))であって先端縁Tの外端Pが補強側板2
´の外面Fの延長線D−D上に達しており、補強側板
2´に取付けた各側面ビットK,Kは、共にバケッ
トBの底面に対して角度θで下方に傾斜した平行状態
(図4(A))であり、各側面ビットK,Kは共に
外面が補強側板2´の外面と平行で且つ先端縁Tが補
強側板2´の外面から、即ち底面ビットGの先端縁T
の外端Pから距離dだけ外側位置を占め(図1
(B))ている。
【0026】そして、側面視(図4(A))では、最下
の側面ビットKが底面ビットGに近接した真上に
位置して側面ビットKの先端縁の上端Pが底板先端
50からL(22.5cm)突出した底面ビットG
先端縁T上方に位置し、 下部の側面ビットKの中
心線B−Bは底板先端50から距離L(42.2cm)
前方でバケット底板の下面延長戦A−Aと交点Xを形成
(図4(A))する構造である。
【0027】〔施工使用〕 0.7mの油圧ショベル(20tクラス:コマツPC
200)に上述の本発明バケットBを装着し、表土の下
に砂質系軟岩層の存在する場所(北仙台、泉地区)で溝
掘削を施工した。バケットBには最大掘削力12.8t
が加えられ、3本の底面ビットG,Gそれぞれには
分割応力4.26t(12.8/3)が加力されて、1
回目掘削部での掘削では、図2(B)の如く、各底面ビ
ットG,Gが軟岩層を切削して溝状の切削凹部C
を形成すると共に、切削能力の無い底板先端50の作用
部分では山脈状の軟岩残土部Mを形成した掘削となっ
た。尚、同一位置(1回目掘削部の位置)でバケットを
反復掘削作用させてより深く掘削しようとしても、底板
先端50が軟岩の残土部Mに衝突するだけでそれ以上の
下方への掘削は不能である。
【0028】同一位置での掘削が不能となった段階で、
バケットBを左(又は右)に若干ずらして2回目掘削部
での位置(図2(B))で掘削作業したところ、最下部
の側面ビットKが端部の底面ビットGとの略同一個
所での協同作用、即ち側面ビットKの側面外方へのバ
イアス応力Fを受ける切削と、底面ビットGの外方
への傾斜による若干のバイアス応力を受ける下方への強
力な切削の協同作用により、バケットBの大部分が既掘
削穴H上に位置してフリーであるにもかかわらず、即ち
バケットBが掘削抵抗の無い1回目掘削部位置側へずれ
落ちようとする傾向があるにもかかわらず、バケットB
は既掘削穴H側へすべることなくオペレータの操作どお
りに図2(B)の点線表示の掘削部(2回目掘削部)が
掘削出来、各底面ビットG,Gは残土部Mを切削破
砕した。
【0029】尚、2回目掘削部位置での掘削作業後にも
理論的には軟岩残土部Mの一部が残存するが、幅の狭く
なった残土部であるので、同一位置(2回目掘削部位
置)でのバケットBの残土部への衝撃作用により底板先
端50で破砕出来た。勿論、底板先端50で破砕出来な
い場合には、2回目掘削部の位置より更にバケットBを
横移動させた第3の掘削位置から底面ビットG,G
で残土部Mを切削破砕すれば良い。
【0030】〔作用の考察〕 2回目掘削部での掘削作用時のバケットBの既掘削穴H
側へのすべり落ち阻止機能は、従来の各バケット
10,B20での側面ビットK10,K11にあって
も大なり小なり外方へのバイアス応力派生用のテーパー
面を備えていること、及びこれらバケットはすべり落ち
阻止機能が無いことより、側面ビットK,Kの内面
のテーパー面12のみでは十分な阻止機能は生じていな
い。また、岩バケット 20 にあっても両側の面ビッ
トG12が少し外方へ拡開状態に配置されていることよ
りみて、底面ビットGの外方への拡開傾斜配置とビッ
トのテーパー面とでもすべり落ち阻止機能は生じていな
い。
【0031】以上の点より、本発明バケットBにあって
は、下部の側面ビットK両端の底面ビットG
の関係構造、特に両者が近接して略平行に配置された点
が、最下部の側面ビットK両端の底面ビットG
を略同一場所で同時に軟岩に喰い込ませることとなるた
め、バケットBのすべり落ち阻止機能発揮の重大な要因
となり、該要因に、最下部の側面ビットKと底面ビッ
トGの各外側方へのバイアス応力派生構造とが相乗作
用して十分なすべり落ち阻止機能を発揮すると信じられ
る。
【0032】そして、最下部の側面ビットK両端の
底面ビットGと近接して略平行に突出している点は、
側面外方(既掘削穴H側の反対方向)へのバイアス応力
派生の大な最下部の側面ビットK両端の底面ビット
と殆ど同時に同じ場所の軟岩層に到達し、殆ど同時
に大きな掘削抵抗を受け、両端の底面ビットGへの掘
削抵抗は同ビットの傾斜配置による小さなバイアス応力
よりも抵抗の少ない方(既掘削穴側)へのすべり落ち力
が大ではあるが、最下部の側面ビットKが大きな掘削
抵抗Fを受ければテーパー面12に外側への大きなバ
イアス応力Fが加わるために、すべり落ち阻止機能を
奏すると信じられる。
【0033】すべり落ち阻止機能のみの観点からは、
下部の側面ビットKと底面ビットGとを面視アン
グル形態の一体構造とする事も有効ではあるが、土質に
よっては切削と共に破砕する現象が生じること、硬い岩
質には近接位置に距離又は時間差を伴って複数回衝撃を
加える方が有効なこと、切削岩は小さく破砕する方がバ
ケット作業上好ましい事等により、最下部の側面ビット
両端の底面ビットGとは近接位置で相前後して
衝撃切削すると共に、両ビット間には破砕石の排除を助
長するための隙間が存在するのが有効である点より、
下部の側面ビットK両端の底面ビットGとは、近
接位置で相互に適切な隙間を保っている方が各種硬質地
盤掘削が可能となり汎用性が高まる。
【0034】従って、最下部の側面ビットKの先端縁
両端の底面ビットGの先端縁Tの外端P
りなお若干外方に位置した形状にあっては、バケットB
が軟岩層に達した際には、側面ビット が底面ビット
と協同して近接位置に別々に強力な衝撃破砕力を仂
かせると共に、側面ビットKがより外側軟岩の大きな
掘削抵抗力Fによる大きなバイアス応力F(すべり
落ち阻止力)を発生し、バケットBの2回目掘削部位置
での掘削が所定どおりに遂行出来る。
【0035】〔変形例〕 底板先端50に、2回目掘削部位置での掘削作業での軟
岩残土部Mに対する破砕力を付与するために、先端縁を
従来の普通バケット(図5)のサイドカッター(側面ビ
ットK10)程度の刃先とすることも、先端縁に適宜の
鋸歯状突起を形成することも有効である。また、底面ビ
ットG,Gの本数を増加すれば1ビット当りの分担
掘削力は減ずるが、残土部Mの各幅を小さく出来、バケ
ットBの掘削位置変更のための横移動回数も少なく出
来、バケットを1回目掘削部の位置と2回目掘削部の位
置の反復移動のみで軟岩層の溝掘削も可能となる。ま
た、最下部の側面ビットK両端の底面ビットG
り先方まで長く突出させれば、バケットBの既掘削穴H
へのすべり落ち阻止機能はより強大となる。また、最下
の側面ビットK両端の底面ビットGとは、テー
パー面、突出長を適切に選定すれば一体アングル形状と
しても特定の土質に対しては有効である。
【0036】
【発明の効果】内面にテーパー面12を備えた最下部の
側面ビットK両端の底面ビットGに近接して平行
に配置したため、底面ビットGの軟岩層への到達と略
同時に側面ビットKも軟岩層に到達し、側面ビットK
と底面ビットGとが協同して軟岩の近接位置にそれ
ぞれ略同方向の衝撃破砕力を付与することとなり、バケ
ットの底面部と側面部との角が同時に鋭利な切削作用を
奏して、バケット側面での掘削力が大となる。
【0037】そして、既掘削穴Hから若干横移動させた
2回目掘削部位置の掘削にあっては、1側面の新規掘削
作業側での底面ビットGに軟岩からの大きな抵抗力F
が作用してバケットBに既掘削穴H側へのすべり応力
が生起しても、底面ビットGに近接配置された最下部
側面ビットKにも同時に軟岩から受ける大きな抵抗
力で派生する外方へ押し付ける大きなバイアス応力F
が作用し、バケットBの既掘削穴H側へのすべり落ちを
阻止する。
【0038】従って、本発明バケットを用いれば、軟岩
層の如き硬い地層での溝掘りや立杭等も狭い掘削範囲で
合理的に遂行出来、掘削穴の隅部も略垂直の角状に形成
出来、砂質系等の軟岩地層での掘削が画期的に合理化出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明バケットの全体図であって、(A)は側
面視、(B)は正面視の図である。
【図2】本発明のバケットの(A)は上面視図であり、
(B)は掘削説明図である。
【図3】本発明のバケットの(A)は作業状態図であ
り、(B)は掘削運動線図である。
【図4】本発明のバケットに関し、(A)は図1(A)
の部分拡大図、(B)は底面ビットの配置平面図であ
る。
【図5】従来の普通バケット図であって、(A)は要部
側面図、(B)は掘削運動線図、(C)は要部上面図、
(D)は掘削説明図である。
【図6】従来の岩バケット図であって、(A)は要部側
面図、(B)は掘削運動線図、(C)は要部上面図、
(D)は掘削説明図である。
【符号の説明】
1・・・主板、 1´・・・補強底板、 2・・・側板、 2´・
・・補強側板、3,3´・・・取付軸受、 4,4´・・・作動
軸受、 5・・・底板、11,21・・・外面、 12,22
・・・テーパー面、 50・・・底板先端、B・・・バケット、
C・・・掘削凹部、 G,G・・・底面ビット、K
・・・側面ビット、 M・・・残土部、 T,T・・・
先端縁

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正面視で直角をなす底板と両側の補強側
    板とに、内面にテーパー面を備えたビットを突設した軟
    岩掘削用バケットであって、底板(5)の先端(50)
    からは、少なくとも両端の底面ビット(G)を含む複
    数の底面ビット(G,G)を突設し、両側の補強側
    板(2´)からは、少なくとも最下部の一対の側面ビッ
    ト(K)を含む複数対の側面ビット(K ,K )を
    突設し、側面視で、最下部の側面ビット(K)の下縁
    (E)両端の底面ビット(G)のテーパー面(2
    2)とが近接して略平行となっていることを特徴とする
    軟岩掘削用バケット。
  2. 【請求項2】 側面視で、最下部の側面ビット(K
    の先端縁の上端(P)がそれぞれ両端の底面ビット
    (G)の先端縁(T)と略同一垂直線上まで突出し
    ている請求項1の軟岩掘削用バケット。
  3. 【請求項3】 両端の底面ビット(G)をそれぞれ若
    干側方へ拡開状態に配置し、最下部の側面ビット
    (K)の先端縁(T)を面視で両端底面ビット
    (G)の先端縁(T)の外端(P)より若干外方
    に位置させた請求項1又は2の軟岩掘削用バケット。
  4. 【請求項4】 側面視で、最下部の側面ビット(K
    が両端の底面ビット(G)に略載置形態となるよう、
    両者を近接配置した請求項1乃至3のいずれか1項の軟
    岩掘削用バケット。
  5. 【請求項5】 最下部の側面ビット(K)と同形同寸
    の第2の側面ビット(K)を、補強側板略中央部に、
    且つ最下部の側面ビット(K)と略平行に配置した請
    求項1乃至4のいずれか1項の軟岩掘削用バケット。
  6. 【請求項6】 底板(5)の先端(50)の中央に底面
    ビット(G)を配設した請求項1乃至5のいずれか1
    項の軟岩掘削用バケット。
  7. 【請求項7】 各底面ビット(G,G)及び側面ビ
    ット(K,K)は同形同寸である請求項1乃至6の
    いずれか1項の軟岩掘削用バケット。
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