JP3436028B2 - 木質材料の接合方法 - Google Patents

木質材料の接合方法

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章 古谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、積層木材等の木
質材料を他の部材に対して、鉄筋やボルト、金具その他
の接合部材を介して接合する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木造建築の木質系構造材料とし
て、エンジニアリングウッドと呼ばれる積層木材等の木
質材料が用いられている。この積層木材には、ラミナと
呼ばれる小角材などをその繊維方向が平行になるように
接着積層した集成材や、単板を多層接着してなるLVL
等がある。
【0003】そして、この木質材料の接合方法の一例と
して、図8に示すように、木質材料50の接合面50a
に、内部中空の鋼管からなるBVDハンガー51を埋め
込み、このBVDハンガー51に、ボルト52で接続金
具53を固定し、この接続金具53を介して、木質材料
50を他の部材に接合するものがある。
【0004】この方法の作業手順を詳述すると、まず、
図9(a)に示すように、BVDハンガー51を埋設す
るための挿入孔54を木質材料50の接合面50aに形
成するとともに、木質材料50の側面50bから挿入孔
54に到達するピン孔55を穿設する。このピン孔55
は、挿入孔54内に挿入されたBVDハンガー51を固
定するためのドリフトピン56が打込まれるものであ
り、打込まれたドリフトピン56が、挿入孔54内に挿
入されたBVDハンガー51の表面に形成された凹部5
1aと係合するように穿設される。なお、この挿入孔5
4及びピン孔55の穿設作業と併せて、木質材料の側面
から挿入孔54内に連通する注入孔57を形成してお
く。
【0005】この挿入孔54及びピン孔55を形成する
作業が終了したら、同図(b)に示すように、挿入孔5
4にBVDハンガー51を挿入するとともに、ピン孔5
5にドリフトピン56を打込んでBVDハンガー51を
固定する。その後、同図(c)に示すように、注入孔5
7を介してエポキシ樹脂等のグラウト剤を注入し、固化
させてBVDハンガー51を挿入孔54内に定着させ
る。
【0006】そして、このBVDハンガー51にボルト
等の接合部材が挿入されるとともに、BVDハンガー5
1内にグラウト剤を充填することによって接合部材をB
VDハンガー51内に固着し、この接合部材を介して木
質材料50の接合作業を行う。
【0007】このような木質材料の接合方法では、接合
部に、ボルト52等の接合部材を引き抜こうとする荷重
が作用した場合には、この荷重が接合部材からグラウト
剤を介してBVDハンガー51に伝達され、ドリフトピ
ン56との接合と、グラウト剤によるBVDハンガー5
1と木質材料50との付着力とによって抵抗することが
でき、接合部材が引き抜かれるのを防ぐことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように、BVDハンガーを用いた木質材料の接合方法
にあっては、BVDハンガー51やドリフトピン56の
部材強度、及びBVDハンガー51とグラウト剤との付
着強度が、母材すなわち木質材料50の部材強度よりも
高いため、接合部にBVDハンガー51を引き抜こうと
する荷重が作用する場合には、グラウト剤と母材との間
にせん断力が生じ、BVDハンガーがグラウト剤から剥
離する前に、母材がせん断破壊を起こすという問題があ
った。
【0009】また、グラウト剤の肉やせ、すなわち乾燥
収縮等によって、BVDハンガー51と母材との付着強
度が低下し、グラウト剤と母材との界面において剥離を
生じやすいという問題があった。
【0010】本発明は上述したような問題に鑑みてなさ
れたものであり、木質材料を、接合部材を介して接合す
る際に、母材である木質材料がせん断破壊を起こすのを
防ぐとともに、グラウト剤と木質材料との界面で生じる
剥離を低減し、接合部材を引き抜こうとする荷重に対し
て、有効に抵抗することのできる木質材料の接合方法を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の木質材料の接
合方法は、木質材料に形成された挿入孔内に接合部材を
挿入し、この接合部材を介して該木質材料を接合する方
法であって、前記挿入孔はその内部孔壁面に形成された
凹凸によって接合部材を引き抜こうとする荷重を多方向
へ拡散することができる壺状の断面形状をなし、この挿
入孔内に、前記凹凸と係合する形状をなし且つ内部が中
実なアンカー部材を埋設し、該木質材料の接合面におい
て前記アンカー部材を切削して接続孔を形成し、この接
続孔に前記接合部材を挿入したうえで、該接続孔内に充
填固化剤を充填し固化させて、該接合部材を固定するも
のである(請求項1)。
【0012】
【0013】
【0014】このような木質材料の接合方法では、挿入
孔内に埋設されたアンカー部材に、接続孔を形成し、こ
の接続孔に充填固化剤で固定された接合部材を介して、
木質材料を他の部材に接合する。このときアンカー部材
は、挿入孔の内部孔壁面に形成された凹凸と係合する形
状をなしているため、この接合部材を引き抜こうとする
荷重が作用した場合であっても、これに対する反力を、
凹凸との係合によって木質材料側から得ることができ、
かかる荷重に抵抗することができる。また、接続孔は、
挿入孔にアンカー部材を埋設した後に、これを切削する
ことによって形成されるものであるため、現場における
挿入孔の位置あわせが容易となる。
【0015】また、上記木質材料の接合方法にあって
は、前記アンカー部材が、高強度繊維部材で形成されて
いることが好ましい(請求項)。このような木質材料
の接合方法では、接続孔を切削する作業を容易にするこ
とができるとともに、接続孔に充填固化剤を注入した際
には、これが高強度繊維部材に含浸し、木質材料との付
着強度を増加することができる。
【0016】さらにまた、前記木質材料の接合方法で
は、前記挿入孔は、前記木質材料を分割するとともに、
これら分割された分割片の分面を切削して凹溝を形成
し、該分割片を貼り合わせることによって形成されるこ
とが好ましい(請求項3)。
【0017】このような木質材料の接合方法では、木質
材料を分割し、この分面に挿入孔を予め形成しておく
ことによって、分割片を貼り合わせるだけで、複雑な形
状の挿入孔を容易に形成することができる。
【0018】また、上記木質材料の接合方法にあって
は、前記分割片の前記分面に形成された前記凹溝内
に、この凹溝の凹凸に係合する形状をなす異形鋼管を配
設することもできる(請求項)。このような木質材料
の接合方法では、異形鋼管を挿入孔内に配設するため、
挿入孔内部壁面を補強することができ、母材のせん断破
壊をより有効に低減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施の形
態を図面を用いて詳細に説明する。図1又は図2は、こ
の発明の第1の実施形態にかかる木質材料の接合方法の
説明図である。本実施形態において木質材料1は、集成
材やLVL等のエンジニアリングウッドと呼ばれる積層
木材である。そして、この木質材料1は、木質材料1内
部に埋設された異形鋼管5内に、接合部材である鉄筋4
を挿入し固定し、この鉄筋4を介して他の部材に接合さ
れる。そして、この接合作業は、以下の手順によって行
われる。
【0020】先ず、図1に示すように、木質材料1の内
部に、内部孔壁面に凹凸を有する挿入孔2を形成する。
この挿入孔2は、本実施形態では、その中間部では孔径
が開口部付近の径よりも増大されて拡幅部2aが形成さ
れているとともに、この中間部の両端では孔径が減少し
て括れ部2bが形成され、全体として壺型をなしてい
る。
【0021】そして、この挿入孔2は、本実施形態で
は、木質材料1を上下一対の分割片10に分割するとと
もに、これらの分割片10の各分面10aに拡幅部2
a及び括れ部2bを有する凹溝を切削形成し、分割片1
0の分面10aを貼り合わせることによって形成され
る。
【0022】本実施形態にあっては、この分割片10の
貼り合わせる際に、凹溝の凹凸に係合する形状の異形鋼
管5を、分割片10、10間に挟み込むことによって挿
入孔2内に配設する。この異形鋼管5は挿入孔2の形状
と合致する壺型をなすものであり、鋼製若しくはステン
レス製のものを用いることができる。なお、この異形鋼
管5を挿入孔2内に配設する際、異形鋼管5と挿入孔2
との間に空隙が生じないように異形鋼管5の外表面に接
着剤を塗布する。
【0023】分割片10を貼り合わせる作業が終了した
ら、次いでこの異形鋼管5内に、接合部材である鉄筋4
を挿入するとともに、異形鋼管5内に充填固化剤として
のグラウト剤を注入し固化させて、鉄筋4を挿入孔2内
に固着させる。このグラウト剤には、例えば、エポキシ
樹脂や無収縮タイプのセメント系グラウト剤等を用いる
ことができる。
【0024】その後、異形鋼管5に固着された鉄筋4
を、上記と同様の手順により他の部材に固着することに
より、木質材料1を他の部材に接合する。このような作
業手順による木質材料の接合方法では、接合部に鉄筋4
を引き抜こうとする荷重が作用しても、挿入孔2は壺状
の断面形状をなしているため、その凹凸によって前記荷
重を分解することができる。
【0025】すなわち、図2に示すように、鉄筋4を引
き抜こうとする荷重Pが作用した場合、この荷重Pは鉄
筋4の外周面に生じる付着力fとして、固化したグラウ
ト剤Gを介して異形鋼管5に伝達される。この付着力f
は、異形鋼管5の外面と挿入孔2の孔壁面との間におい
て、孔壁面に沿った方向に作用するせん断力τと、孔壁
面を垂直に押圧する圧縮力σに分解される。かかるせん
断力τ作用方向は挿入孔2の壁面の形状によって多方向
に拡散されるため、せん断力が一方向に向けて集中的に
作用することがなく、木質材料1とグラウト剤Gとの界
面における木質材料のせん断破壊を防ぐことができる。
【0026】なお、本実施形態では、挿入孔2内に異形
鋼管5を配設したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、図3に示すように、異形鋼管5を省略して、挿
入孔2内に直接グラウト剤を充填することもできる。ま
た、この場合には、この挿入孔2は、本実施形態では、
木質材料1を分割することによって形成することを要せ
ず、開口3より穿孔ドリル等を用いて木質材料1の内部
を刳り貫くことによって形成することができる。
【0027】次いで、この発明の木質材料の接合方法の
第2の実施形態を図4を用いて説明する。本実施形態の
要旨は、内部孔壁面に凹凸を有する挿入孔32を木質材
料31の分割片30の接合面30aに形成し、この挿入
孔32内に、挿入孔32の形状と合致する形状を有する
アンカー部材を埋設することにある。
【0028】このアンカー部材は、挿入孔32の内部孔
壁面に形成された凹凸と係合する形状を有する内部が中
実な部材であって、切削加工できるものであれば種々の
材質のものを用いることができる。本実施形態では、こ
のアンカー部材として、炭素繊維やガラス繊維、アラミ
ド繊維等の高強度繊維部材を撚り合わせることによっ
て、その表面に凹凸が形成された繊維補強ロッド35を
用いる。すなわち本実施形態においては、図4(a)に
示すように、高強度繊維を、捩る若しくは編み込む等し
て全体として、内部が中実な螺旋状に成形し、これにグ
ラウト剤を含浸させて固化したものを用いる。
【0029】そして、この繊維補強ロッド35を挿入孔
2内に埋設するには、分割片30の接合面30aに形成
された凹溝32の凹凸に、繊維補強ロッド35の凹凸が
係合するように、凹溝32と繊維補強ロッド35とを合
致させて配置したうえで、これを挟み込むように一対の
分割片30を貼り合わせる。このとき繊維補強ロッド3
5と挿入孔32との間に隙間が生じないように、繊維補
強ロッド35の外表面に接着剤を塗布する。
【0030】その後、図4(b)に示すように、開口3
3より繊維補強ロッド35の端面を、切削ドリル等によ
って切削して、これの軸方向に延設する接続孔36を形
成する。この接続孔36は、鉄筋4の直径とほぼ等しい
径とする。次いで、この接続孔36に鉄筋4を挿入した
うえで、接続孔36内にグラウト剤を注入し固化させ
て、鉄筋4を固定する。
【0031】このような手順の木質材料の接合方法によ
れば、接続孔36を、挿入孔32内に繊維補強ロッド3
5を埋設した後に形成するため、木質材料1を建込む際
に、現場において接続孔36の位置あわせができるた
め、木質材料1の接合作業時における施工性が向上され
る。特に、本実施形態では、アンカー部材として繊維補
強ロッド35を用いるため、接続孔36を切削する作業
が容易なものとすることができるとともに、接続孔36
に充填固化剤を注入した際には、これが繊維補強ロッド
35に含浸し、木質材料31との付着強度を増加するこ
とができる。
【0032】なお、この第2の実施形態にあっては、木
質材料30を分割しその分面に凹溝を形成し、これに
繊維補強ロッド35を挟み込んで、木質材料30内に繊
維補強ロッド35を配設したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、予め挿入孔32を形成しておき、こ
れの開口33を介して繊維補強ロッド35を挿入するこ
とができる。このとき、挿入孔32の形状を螺旋状と
し、繊維を捻って螺旋形状に形成された繊維補強ロッド
35を螺合できるようにすることが好ましい。
【0033】さらに、この発明の木質材料の接合方法の
第3の実施形態を、図5〜図7を用いて説明する。本実
施形態にあっては上記と同様な、あるいは無垢の木質材
料41に形成した挿入孔42内には図5に示したよう
に、その長さ方向に沿って適宜間隔を隔てて、当該挿入
孔42の内径よりも大きな内径で環状の拡幅部42aが
多数形成され、この環状拡幅部42aと挿入孔42の内
部孔壁面とによって凹凸が構成されるようになってい
る。
【0034】この環状拡幅部42aの作成については図
7に示したように、挿入孔42に挿入可能な外径を有す
る円形の切削刃43aを、この切削刃43aと同芯O1
でこの切削刃43aよりも小さな軸径の軸体43bに設
けた切削器具43が用いられる。
【0035】環状拡幅部42aを作成する際には、この
切削器具43を挿入孔42内に挿入し、拡幅部42a作
成位置に位置させた切削刃43aを、挿入孔42外方に
露出させた軸体43bを介して回転駆動させる。切削器
具43を挿入孔42内に挿入するときには挿入孔42の
軸心Oに対して切削刃43aおよび軸体43bの軸芯O
1はほぼ同芯であって、切削加工するに際してはこの切
削器具43の軸体43bを挿入孔42の軸芯Oから位置
ずれさせて、その径方向外方へと移動させるようにす
る。これにより切削刃43aは、これが位置する箇所の
挿入孔42の内部孔壁面の該当個所のみを切削する。そ
して軸体43bを挿入孔42の軸芯Oに対してその径方
向外方へ移動させた量だけの内半径の拡幅部42aを形
成することができる。この作業を挿入孔42の内部孔壁
面全周に亘って施すことにより、挿入孔42の内径より
も大きな内径の環状拡幅部42aを木質材料41の挿入
孔42内部に形成することができる。
【0036】またこの作業を挿入孔42の長さ方向に適
宜間隔を開けて繰り返し行うことにより、所望数の環状
拡幅部42a、ひいては凹凸を挿入孔42内部に形成す
ることができる。この際、挿入孔42の長さ方向に拡幅
部42aを多数形成することを考慮すれば、軸体43b
にその軸方向に沿って適宜間隔を隔てて複数の切削刃4
3aを取り付けておくことが便利である。
【0037】このようにして図5に示したような凹凸を
有する挿入孔42が形成される。そして図6に示したよ
うに、一対の木質材料41を互いに接合する際には、こ
れらの挿入孔42相互間に掛け渡して上記と同様に接合
部材を挿入することで木質部材41同士を接合する。本
実施形態では接合部材として全ネジのロッド体44を用
い、上記と同様なエポキシ樹脂などの充填固化剤を充填
した挿入孔42内に当該ロッド体44を挿入するように
なっている。
【0038】これにより、上記実施形態と同様な作用効
果を得ることができ、また凹凸による定着性能の向上に
より、必要定着長さ、すなわち挿入孔42長さおよびロ
ッド体44の長さを短縮化できて、定着長さを長く確保
しなければならない場合に比して、施工を簡単かつ確実
にすることができる。
【0039】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明の木
質材料の接合方法では、接合部に、接合部材を引き抜こ
うとする荷重が作用しても、挿入孔の内部孔壁面には凹
凸が形成されているため、前記荷重を凹凸によって多方
向へ分解し拡散させることができ、充填固化剤と木質材
料との間に、一方向に向かって集中的にせん断力が作用
するのを低減することができる。また凹凸を形成するこ
とによって、固化した充填固化剤と挿入孔の内部壁面と
の付着面積を増大させることができる。これらの結果、
母材である木質材料がせん断破壊を起こすのを防ぐこと
ができるとともに、グラウト剤と木質材料との界面で生
じる剥離を低減し、接合部材を引き抜こうとする荷重に
対して有効に抵抗することができる。
【0040】さらに、本発明の木質材料の接合方法で
は、アンカー部材は、挿入孔の内部孔壁面に形成された
凹凸と係合する形状をなしているため、この接合部材を
引き抜こうとする荷重が作用した場合であっても、この
荷重に対する反力を、凹凸との係合によって木質材料側
から得ることができ、かかる荷重に抵抗することができ
る。特に、接続孔は、挿入孔にアンカー部材を埋設した
後に、これを切削することによって形成されるものであ
るため、現場における接続孔の位置あわせが容易とな
る。
【0041】また、上記木質材料の接合方法にあって
は、前記アンカー部材を、高強度繊維部材で形成するこ
とにより、接続孔を切削する作業を容易にすることがで
きるとともに、接続孔に充填固化剤を注入した際には、
これが高強度繊維部材に含浸し、木質材料との付着強度
を増加することができる。
【0042】さらにまた、上記木質材料の接合方法で
は、前記挿入孔を、分割された分割片の分面に切削さ
れた凹溝を貼り合わせて形成するものであるため、分割
片を貼り合わせるだけで、複雑な形状の挿入孔を容易に
形成することができる。
【0043】また、上記木質材料の接合方法にあって
は、前記分割片の分面に形成された凹溝内に、この凹
溝の凹凸に係合する形状をなす異形鋼管を配設すれば、
異形鋼管を挿入孔内に配設するため、挿入孔内部壁面を
補強することができ、母材のせん断破壊をより有効に低
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態にかかる木質材料の
接合方法の作業手順を示す説明図である。
【図2】上記第1の実施形態にかかる木質材料の接合方
法によって接合された木質材料の断面図である。
【図3】上記発明の第1の実施形態にかかる木質材料の
接合方法の変形例を示す説明図である。
【図4】この発明の第2の実施形態にかかる木質材料の
接合方法を示す説明図であり、(a)及び(b)はその
作業手順を示す斜視図である。
【図5】この発明の第3の実施形態にかかる木質材料の
接合方法に用いる木質材料の断面図である。
【図6】この発明の第3の実施形態にかかる木質材料の
接合方法によって接合された木質材料の断面図である。
【図7】図5に示した木質材料の作成状態を説明する説
明図である。
【図8】従来の木質材料の接合方法を示す斜視図であ
る。
【図9】従来の木質材料の接合方法を示す説明図であ
り、(a)乃至(c)はその作業手順を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1,31,41 木質材料 2,32,42 挿入孔 3,33 開口 4 鉄筋(接合部材) 5 異形鋼管 35 繊維補強ロッド(アンカー部材) 36 接続孔 10,30 分割片 44 ロッド体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古谷 章 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株式会社大林組東京本社内 (72)発明者 山口 恒雄 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (72)発明者 堀 長生 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭53−99162(JP,A) 特開 平7−166610(JP,A) 実開 平6−67666(JP,U) 実開 昭53−815(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/38 - 1/61 E04G 15/06 F16B 5/00 - 5/12 F16B 12/00 - 12/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質材料に形成された挿入孔内に接合部
    材を挿入し、この接合部材を介して該木質材料を接合す
    る方法であって、前記挿入孔はその内部孔壁面に形成さ
    れた凹凸によって接合部材を引き抜こうとする荷重を多
    方向へ拡散することができる壺状の断面形状をなし、こ
    の挿入孔内に、前記凹凸と係合する形状をなし且つ内部
    が中実なアンカー部材を埋設し、該木質材料の接合面に
    おいて前記アンカー部材を切削して接続孔を形成し、こ
    の接続孔に前記接合部材を挿入したうえで、該接続孔内
    に充填固化剤を充填し固化させて、該接合部材を固定す
    ることを特徴とする木質材料の接合方法。
  2. 【請求項2】 前記アンカー部材が、高強度繊維部材で
    形成されていることを特徴とする請求項に記載の木質
    材料の接合方法。
  3. 【請求項3】 前記挿入孔は、前記木質材料を分割する
    とともに、これら分割された分割片の分面を切削して
    凹溝を形成し、これらの分割片を貼り合わせることによ
    って形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の木質材料の接合方法。
  4. 【請求項4】 前記分割片の前記分面に形成された前
    記凹溝内に、この凹溝の凹凸に係合する形状をなす異形
    鋼管を配設することを特徴とする請求項に記載の木質
    材料の接合方法。
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