JP3435672B2 - 蒸発水還元部付き植物保護盤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、地面から蒸発する水
蒸気を集めて、地面に戻す蒸発水還元部付き植物保護盤
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、乾燥地帯で植物を生育する場合
に、水分の補給が重要な問題であったが、簡単な構成
で、地面に水を補給する方法は未だ開発されていない。
本発明者は、地表から蒸発する水分を集めて地表へ滴下
させれば、水分を地中へ補給することができることを見
いだし、本発明を完成するにいたった。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】この発明は上記事情
に鑑みて創案されたもので、その主たる課題は、植物保
護盤に頂壁により閉塞した筒状の蒸発水還元部を設けて
地表から蒸発する水分を貯め、低温化した際に水滴とし
て付着させて、地表へ滴下させるようにして地中に水分
を補給できるようにした植物保護盤を提供することにあ
る。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】上記課題を解決すため
に、この発明では、(a).底面に接地面と連通可能な開口
を設け、所望可能に筒状の蒸発水還元部を配設した植物
保護盤である、(b).筒状の蒸発水還元部の全部または一
部が、下方が開口し、上方が閉塞されてなる、という技
術的手段を講じている。また、請求項２の発明では、
(c).植物保護盤が、交差するよう枠組みして植物延出口
を形成した連設枠部の交差個所に、筒状の蒸発水還元部
を配設してなる、という技術的手段を講じている。

【０００５】

【作用】日中に熱せられて地表から蒸発した水分は、上
部が閉塞されて密封された筒状の蒸発水還元部に蓄えら
れ、外気の温度低下により上記の蒸発水還元部の内壁へ
水滴となって付着し、その水滴が内壁に沿って地表へ滴
下することにより、地中へ水分を補給することができ
る。

【０００６】

【実施例】以下に、この発明の植物保護踏盤およびこれ
を用いた植物保護方法を駐車場用に適用した好適実施例
につき図面を参照しつつ説明する。蒸発水還元部付き植
物保護盤１は、図１および図２に示すように、格子状に
枠組みして植物延出口２、２・・・を形成した連設枠部
３、３・・・の交差個所に、上方へ突出する円筒形状の
台部からなる蒸発水還元部４、４・・・を配設した踏盤
本体１０と、該踏盤本体１０の側辺から連結杆５、５・
・により突設した連結突部６、６・・と、これに対応し
て同踏盤本体１０の他方の側辺に設けた連結受部７、７
・・とからなっている。

【０００７】ここで、蒸発水還元部４は、下端が開口
し、上端が水平面からなる頂壁４ａによって閉塞された
円筒形状からなって、蒸発した水分を蓄えることができ
る容積を有するように大きさが設定されるが、その上を
作業者や車輛等が通過する場合もあるのでそれらの重量
に耐えることができるように所定の強度を有している。
また、蒸発水還元部４を補強するために蒸発水還元部
４、４間を縦横に結ぶ連設枠部３は、平面矩形の枠を形
成し、底面には接地面と連通可能とした大径の穴を設け
て植物延出口２としたボックス部を形成している。

【０００８】次に、前記連結突部６と連結受部７とは、
連結突部６を連結受部７に嵌合して係合可能となる係止
部材であって係合時に筒部４と同一の外周形状となるも
のである。図示例では、連結突部６が截頭円錐形状の頭
部６ａを有する中空円筒形状からなり、連結受部７は、
上記連結突部６を嵌合する大径の円筒状からなって、内
壁に係合構造を設けてもよいが、この発明では連結のた
めの構成は特に限定されるものではなく、上記実施例に
限定されない。

【０００９】図３の蒸発水還元部４は、裾野を広くした
断面梯形状からなっており、広範囲の接地面から気化す
る水蒸気をその内部にプールすることができる。このよ
うに蒸発水還元部４の形状も図示例に限定されるもので
はない。また、蒸発水還元部４相互を連結する連設枠部
３の配列は、千鳥格子状その他の任意の規則的または不
規則的な配列形状とすることができ、要するに蒸発水還
元部４相互を連結すると共に接地面と連通して植物延出
口となる隙間を形成するものであればよい。更に、この
発明で連設枠部は、植物延出口となる孔を有するプレー
トの幅狭部分からなるものでもよく、各蒸発水還元部４
と一体に形成されていればよい。

【００１０】次に、この植物保護盤１の作用を説明す
る。この植物保護盤１は、接地面上に載置されて、ボッ
クス部内に土を入れ芝生の種などをまいて、生育させ
る。あるいは、接地面の上に芝生の種をまいておき、そ
の上に砂や大きさの略等しい砂利や砕石等の石を敷き詰
めてもよい。これらの植物の生育方法は植物保護盤の付
随する形状や機能などにより適宜行われるもので、この
発明では特に限定されるものではない。

【００１１】このようにして地面の上に載置された植物
保護盤１は、日中に熱せられるので、蒸発水還元部４は
その密閉された内部の温度が外気よりも高い温度とな
る。そして、蒸発水還元部４の下端と連通する地表は熱
せられて土中の水分を蒸発させる。この蒸発した水分
は、密封された蒸発水還元部４に蓄えられる。

【００１２】そして、夜などの外気の温度低下により上
記の蒸発水還元部４内の水蒸気は蒸発水還元部４の内壁
４ｂへ水滴となって付着する。この水滴は上記内壁４ｂ
に沿って地表へ滴下する。これによって、地面から蒸発
した水分を地中へ戻し、水分を補給することができるの
で、乾燥地であっても水分の補給を行うことができる。

【００１３】

【発明の効果】以上、この発明によれば、外部から水を
引くことなく、日中に地面から蒸発した水を蒸散させず
に蒸発水還元部内に貯めておき、温度が低下する夜分に
地表へ水滴を滴下させて水分を補給することができるの
で、乾燥地であっても植物の生育を行うことができる。
更に、蒸発水還元部の頂壁を水平面とすることにより、
蒸発水還元部を踏面とすることができるので、植物保護
盤内に植えられた植物を保護することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】植物保護盤の実施例を示す斜視図である。

【図２】蒸発水還元部の断面図である。

【図３】蒸発水還元器の異なる実施例の断面図である。

【符号の説明】

１ 植物保護踏盤 ２ 植物延出口 ３ 連設枠部 ４ 蒸発水還元部 ４ａ 頂壁 ４ｂ 内壁 ５ 連結杆 ６ 連結突部 ７ 連結受部 １０ 踏盤本体

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底面に接地面と連通可能な開口を設け、
   所望可能に筒状の蒸発水還元部を配設した植物保護盤で
   あって、 筒状の蒸発水還元部の全部または一部が、下方が開口
   し、上方が閉塞されてなることを特徴とする蒸発水還元
   部付き植物保護盤。
2. 【請求項２】 植物保護盤が、交差するよう枠組みして
   植物延出口を形成した連設枠部の交差個所に、筒状の蒸
   発水還元部を配設してなることを特徴とする請求項１に
   記載の蒸発水還元部付き植物保護盤。
3. 【請求項３】 蒸発水還元部が頂壁を水平の踏面とした
   台部からなっていることを特徴とする請求項１に記載の
   蒸発水還元部付き植物保護盤。