JP3434119B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
利用してノズルからインク液滴を吐出して被印刷媒体に
印刷を行うインクジェット記録装置に関する。
ンク液滴を吐出するインクジェットヘッド(以下、ヘッ
ドと略称する)の構成を図8に示す。同図(a)は、ヘ
ッド20内の構造を側面(インク流路方向)から見て示
す断面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図で
ある。図9は、ヘッドの駆動系の主要構成図である。図
8(a)に示すように、ヘッド20の底部にはベースプ
レート21が設けられており、このベースプレート21
の上方にはカバープレート22が設けられている。この
カバープレート22およびベースプレート21の前面
(図面左側)には、ノズル23が形成されたノズルプレ
ート24が取付けられている。
22およびノズルプレート24により囲まれた空間に
は、インクが充填されるインク室25が形成されてい
る。カバープレート22の後方には、上方にインク供給
口26を有するマニホールド27が突出形成されてお
り、このマニホールド27は、上記インク室25に連通
している。このインク室25は、図8(b)の中に25
aないし25cで示すように、複数のインク室で構成さ
れており、各インク室25aないし25cは、圧電素子
により形成された隔壁28aおよび28bにより区画さ
れている。
る部分には、駆動電極29aが、隔壁28bとインク室
25cとが接する部分には、駆動電極29cがそれぞれ
設けられている。また、隔壁28aおよび28bとイン
ク室25bとが接する部分には、接地電極29bが設け
られている。これらの駆動電極29a、29cおよび接
地電極29bは、同図(a)に示す電極引き出し口30
に電気的に接続されている。また、ヘッド20は、図9
に示すように、プリンタ内を移動するキャリッジ21に
駆動回路60と共に搭載されている。
し口30を介して駆動電極29aおよび29cにインク
噴射信号が供給されると、接地電極29bがグランドに
接続されることにより、圧電素子の圧電効果により隔壁
28aおよび28bが変形し、インクを噴射する噴射エ
ネルギーがインク室29b内のインクに発生する。する
と、インクはノズル23よりインク液滴となって吐出
し、記録紙に付着する。
下、記録装置と略称する)では、隔壁28aおよび28
bに設けられた対向する駆動電極29aおよび29cと
接地電極29bとの間に電気信号を印加し、圧電素子を
機械的変形させ、インク室29b内のインクにエネルギ
ーを発生させてノズル23よりインク液滴を吐出させ
る。ここで、駆動回路60からみると、駆動電極29a
および29cと接地電極29bとの間は、静電容量性負
荷と見なすことができる。
接地電極29bとの間の電位差を増すには、駆動回路9
0から電荷を充電する充電電流が必要となる。また、上
記電位差を無くすには、駆動電極29aおよび29cと
接地電極29bとの間の電荷を放電する放電電流を流す
必要がある。ところで、図9に示す電源回路40と駆動
回路60とを接続する駆動電源線94には、図10に示
すように、駆動信号100の立ち上がり時(過渡時)に
急峻なピークを持つ電流102が流れる。
0の搭載されたFPC(フレキシブル プリント サー
キット)の有する抵抗分などにより、瞬時の電圧降下を
招く。この電圧降下が発生すると、圧電素子の変形が十
分になされなくなるため、インク液滴の吐出不良を招
く。そこで、上記電圧降下を防止するために、図9に示
すように、駆動回路60の近傍の駆動電源線94とグラ
ンド線95との間にバイパスコンデンサ96を接続し、
上記瞬時の大電流をバイパスコンデンサ96から駆動回
路60へ供給することにより、上記瞬時の電圧降下を低
減することが行われている。
ンデンサ96は、キャリッジ21上の駆動回路60の近
傍に設けられるものであるため、ヘッド回りの小型化に
伴い、バイパスコンデンサ96の小型化が要求されるよ
うになってきた。しかし、上記電圧降下の大きさは、ヘ
ッド20を駆動する電圧、ヘッド20のチャンネル数、
このチャンネル数を複数のグループに分割してグループ
単位で駆動する場合のグループ数など、複数の要因によ
って変動し、バイパスコンデンサの静電容量もその変動
に応じて決定するのが望ましいと考えられていたが、具
体的に静電容量の適正値を決定する手法が確立されてい
なかった。そこで、従来は、電圧降下を防止するために
過去に電圧降下が発生したときの経験に基づき、そのと
き使用されていたバイパスコンデンサの静電容量よりも
かなり大きめのもの(たとえば、470μFないし60
0μF)を使用せざるを得なかった。したがって、上記
大きめのバイパスコンデンサは、静電容量および外形が
大きいことから、ヘッドの小型化およびヘッドの製造コ
ストの低減が妨げられ、これにより、記録装置の小型化
および製造コストの低減が図れないという問題がある。
サの容量の最適値を求める手法を確立し、小型化および
製造コストの低減を図ることができる記録装置を提供す
ることを目的とする。
成するため、請求項1に記載の発明では、圧電素子に駆
動電圧を印加することにより圧電素子を変位させ、その
変位を利用してノズルよりインク液滴を選択的に吐出し
て被印刷媒体に印刷を行うインクジェットヘッドと、前
記駆動電圧を前記圧電素子に印加する駆動回路とを備え
たインクジェット記録装置において、前記駆動回路に
は、その駆動回路に供給される駆動電源の電圧降下を抑
制する電解コンデンサを有するバイパス回路が接続され
ており、前記電解コンデンサの静電容量CB(F)は、
ヘッド1チャンネル当たりの静電容量(F)をCH、ヘ
ッドが有するチャンネル数をM、ヘッドを駆動する際で
の、チャンネルをグループ分割する分割数をN、ヘッド
の駆動電圧(V)をE、ヘッドの1チャンネルを前記ヘ
ッドの駆動電圧までに充電するのに要する時間(S)を
t、ヘッド1チャンネル当たりの充電電流(過渡域での
平均電流)(A)をi、とすると、 であり、かつ、 であるという技術的手段を採用する。
載のインクジェット記録装置において、前記電解コンデ
ンサの静電容量CB(F)は、 であり、かつ、 とするという技術的手段を採用する。
回路には、その駆動回路に供給される駆動電源の電圧降
下を抑制する電解コンデンサを有するバイパス回路が接
続されており、上記電解コンデンサの静電容量CB
(F)は、ヘッド1チャンネル当たりの静電容量(F)
をCH、ヘッドが有するチャンネル数をM、ヘッドを駆
動する際での、チャンネルをグループ分割する分割数を
N、ヘッドの駆動電圧(V)をE、ヘッドの1チャンネ
ルを前記ヘッドの駆動電圧までに充電するのに要する時
間(S)をt、ヘッド1チャンネル当たりの充電電流
(過渡域での平均電流)(A)をi、とすると、 であり、かつ、 であるという技術的手段を採用する。つまり、後述する
発明の実施の形態における実験結果に示すように、上記
式によって算出される範囲内の静電容量CB(F)の電
解コンデンサをバイパスコンデンサとして用いることに
より、上記電圧降下の防止およびバイパスコンデンサの
小型化を図ることができる。したがって、ヘッド回りの
小型化および製造コストの低減により、記録装置の小型
化および製造コストの低減を図ることができる。
解コンデンサの静電容量CB(F)は、 であり、かつ、 とするという技術的手段を採用する。つまり、望ましく
は、電解コンデンサの静電容量CB(F)は、上記請求
項1に記載の範囲内で選択するよりも、上記請求項2に
記載の式の範囲内で選択することにより、より一層、小
型で低コストのバイパスコンデンサを実現できるため、
記録装置の小型化および製造コストの低減を一段と進め
ることができる。
について図を参照して説明する。図1は、本実施形態の
記録装置の主要構造を示す説明図であり、図2は、その
制御系を示すブロック図である。なお、以下に述べる実
施形態では、記録装置の代表として、圧電素子の圧電効
果によりインク室を加圧して、そのインク室内のインク
をノズルから吐出させてカラー印刷を行うカラーインク
ジェットプリンタ(以下、プリンタと略称する)を代表
に説明する。
印刷媒体である印刷用紙11が装填されるプラテン12
が備えられており、このプラテン12は、LFモータ
(紙送りモータ)58に接続された紙送り機構81より
回転される(図2参照)。プラテン12に対向する位置
には、印刷ヘッド(以下、ヘッドと略称する)20が設
けられており、このヘッド20は、キャリッジ21に搭
載されている。このキャリッジ21の前方下部には、プ
リンタ10の幅方向に取付けられたガイド軸14が摺動
可能に挿通されている。
(キャリッジ移動用モータ)18のプーリに掛けられた
無端ベルト30が連結されている。つまり、ヘッド20
は、CRモータ18の回転により、ガイド軸14上をプ
ラテン12に対向して往復動する。なお、LFモータ5
8にはステップモータが、CRモータ18にはPWM制
御により回転速度が制御されるDCモータが用いられ
る。また、上記ヘッド20、LFモータ58およびCR
モータ18は、電源40(図2参照)から供給される電
源により駆動される。
のインクを吐出するブラック用ヘッドと、イエローのイ
ンクを吐出するイエロー用ヘッドと、シアンのインクを
吐出するシアン用ヘッドと、マゼンタのインクを吐出す
るマゼンタ用ヘッドとが備えられている。また、ヘッド
20には、インク収容手段としてのインクカートリッジ
22が備えられており、このインクカートリッジ22
は、図示しないが、上記各色のヘッド専用のインクカー
トリッジに分かれて構成されている。
リッジから供給されるインクが収容されるインク室(図
示省略)が複数形成されており、それら各インク室のプ
ラテン12に対向する面(ノズル形成面)には、インク
室内のインクを吐出するノズルがそれぞれ形成されてい
る。各インク室には、圧電素子がそれぞれ設けられてお
り、その圧電素子に駆動電圧を印加することにより、イ
ンク室の容積が変化してインク室内のインクが加圧さ
れ、そのインクがノズルから印刷用紙11に向けて吐出
されて印刷が行われる。
ア型のタイミングスリット16が設けられており、キャ
リッジ21の前面下部には、上記タイミングスリット1
6に印されたスリットの間隔を読み取ってキャリッジ2
1の位置に対応したパルス信号を出力するセンサ素子
(図示省略)が設けられている。これら、タイミングス
リット16およびセンサ素子により、エンコーダ55が
構成される(図2参照)。
不良インクをインク吸収体(図示省略)に定期的に吐出
して良好な印刷状態を保つフラッシング機能が備えられ
ている。さらに、本プリンタ10には、ノズルに詰まっ
た乾燥インクや異物などを定期的に吸引してインクの吐
出状態を良好に保つパージング機構34が備えられてお
り、ヘッド20の移動方向左側には、パージングを行う
ヘッドに蓋をする吸引キャップ34aが設けられてい
る。
一定時間以上使用されない場合に各ヘッド22ないし2
5のノズル形成面に吸引キャップ34aによって蓋をす
るキャッピング機構35(図2参照)が備えられてい
る。さらに、本プリンタ10には、ヘッド20のノズル
形成面に付着したインクを払拭して清掃するワイピング
機構33(図2参照)が備えられており、ワイパ部材3
3aが吸引キャップ34aの右側に設けられている(図
1参照)。
ついて図2を参照して説明する。プリンタ10には、後
述する各種演算処理を行うCPU50が備えられてい
る。このCPU50には、ホストコンピュータ51から
出力される印刷データなどの信号を受信するためのイン
ターフェース52、ヘッド駆動回路60の制御を行う制
御回路70が接続されている。また、ヘッド20を駆動
させて印刷を行う印刷プログラムなどの記憶されたRO
M53およびRAM54、エンコーダ55から出力され
るエンコーダ信号を入力してキャリッジ21の位置の演
算などを行うゲートアレイ56が接続されている。
らインターフェース52を介して受信された印刷データ
をRAM54の所定の領域に格納するとともに、予め上
記ROM53に記憶している印刷プログラムにしたがっ
て、LFモータ58、CRモータ18およびヘッド20
を駆動するための各種制御信号を出力する。そして、上
記制御信号のうち、LFモータ58を駆動するためのL
Fモータ駆動制御信号は、LF駆動回路57に入力さ
れ、このLF駆動回路57から出力されるLFモータ駆
動信号に従ってLFモータ58が駆動される。つまり、
このLFモータ58の駆動により、印刷用紙11の縦方
向への紙送りが行われる。
グ機構34およびキャッピング機構35は、それぞれ切
替え機構80を介してLFモータ58によって駆動され
る。さらに、上記制御信号のうち、CRモータ18を駆
動するためのCRモータ駆動制御信号は、CR駆動回路
59に入力され、このCR駆動回路59から出力される
CRモータ駆動信号に従ってCRモータ18が駆動され
る。このCRモータ18の駆動により、キャリッジ21
が往復動され、このキャリッジ21の位置は、エンコー
ダ55によって検出される。
たエンコーダ信号は、ゲートアレイ56に入力され、ゲ
ートアレイ56は、入力されたエンコーダ信号に基づい
て、キャリッジ21の速度データ信号、キャリッジ21
の位置制御用パルス(基準パルス)、ヘッド20を駆動
するための印刷タイミングパルスなどを発生する。
ら出力された速度データ(エンコーダ信号の各エッジ間
の時間間隔値)を入力してキャリッジ21の速度制御に
必要なPWM信号(CRモータ18の駆動信号のパルス
幅)の演算を行う。また、位置制御用パルス(基準パル
ス)を入力してキャリッジ21の現在位置の演算を行
う。さらに、CPU50は、印刷方向が逆転した場合に
印刷位置を一致させるためのディレイカウント値や印刷
スタート信号の許可などを行うデータをゲートアレイ5
6内のレジスタに書き込むなどの制御動作を行う。
8の駆動信号たるパルス信号をカウントして、LFモー
タ58および紙送り機構81により実行される、印刷用
紙の送り量のカウント、パージング機構34またはキャ
ッピング機構35を駆動するカムの回転量のカウントな
どを行う。また、キャッピング機構35には、キャリッ
ジ21がキャッピングポジション(ホームポジション)
に復帰していることを検出するHP(ホームポジショ
ン)センサ82が、紙送り機構81には、印刷用紙の挿
入、または、排出を検出するPE(ペーパーエンプテ
ィ)センサ83がそれぞれ設けられている。
路70および駆動回路60によりヘッド20を駆動する
駆動系の構成および動作について図3および図4を参照
して説明する。図3は、駆動回路60の内部構成を示す
回路図であり、図4は、制御回路70、駆動回路60お
よびヘッド20の接続関係を示すブロック図である。こ
こでは、ヘッド20として32チャンネルマルチノズル
ヘッドを用い、駆動回路60は、そのヘッド20を駆動
する構成になっているとする。
フトレジスタ61が備えられており、このシフトレジス
タ61には、制御回路70からのクロック信号であるC
LK62と、このCLK62と同期して直列転送されて
くる噴射データ信号であるDATA63とが入力され
る。この入力されたDATA63をシフトレジスタ61
が並列信号に変換してラッチ64へ出力し、ラッチ64
は、入力される上記並列信号をラッチ指令信号であるS
TB(ストローブ)信号65の入力タイミングで記憶
し、ANDゲート66に出力する。
号とイネーブル信号であるENA67との論理積を行
う。出力回路68には、ANDゲート66から出力され
る印刷信号が入力され、その入力された印刷信号を出力
回路68がヘッド20を駆動するに適した電圧、電流に
変換し、駆動信号としてヘッド20の各チャンネル0な
いし31へ出力する。
電極29aおよび29cに静電容量を蓄積するために
は、次のような動作をする。駆動電極29aおよび29
cと接地電極29bとの間の電位差を増すには、AND
ゲート66の出力である印刷信号が、「H」になり、ト
ランジスタ69aが「ON」、トランジスタ69bが
「OFF」になることにより充電電流が流れ、上記電位
差を増加させる。また、駆動電極29aおよび29cと
接地電極29bとの間の電位差を無くすには、ANDゲ
ート66の出力である印刷信号が、「L」になり、トラ
ンジスタ69aが「OFF」、トランジスタ69bが
「ON」になることにより、電荷を放電する放電電流が
流れ、電位を0Vにする。
70からハーネスケーブル72により駆動回路基板98
に実装されている駆動回路60へ転送される。そして、
前述の駆動電極29aおよび29cと接地電極29bと
の間で形成される静電容量を充放電する電流は、充電時
には、駆動電源線94→バイパスコンデンサ96→駆動
回路60→ヘッド20→ヘッド接地線77→グランドラ
イン95という経路で流れる。また、放電時には、ヘッ
ド20→駆動回路60→ヘッド接地線77という経路で
流れる。ところで、上記バイパスコンデンサ96は、従
来技術の欄で述べたように、駆動電源線94に図10に
示す駆動信号100を流すとき、その立ち上がりで急峻
なピークを有する電流102が駆動電源線94に流れる
ことに起因する電圧降下を防止するために設けられるも
のである。
程度の静電容量のものに設定すれば、上記電圧降下を防
止でき、かつ、取付けスペースが小さくてすむかについ
て、本発明者は、次の考察を行った。静電容量と電圧と
の関係は、公知の次式により表すことができる。
時の電圧降下を5%とすると、30V×0.05=1.
5Vであるから、E=30V−1.5V=28.5Vま
で電圧降下が許容されることになる。そこで、たとえ
ば、ヘッド20として、1chあたりの静電容量CH
(F)=2100pF、ヘッド20のチャンネル数M=
256、ヘッドを駆動する際でのチャンネルをグループ
分割する分割数N=4、E=30V、t=2μS、i=
31.5mAのものを用いるとし、電圧降下を1.5V
に納めるためには、次の値のバイパスコンデンサを用い
る必要がある。上記(1)式に上記数値を代入すると、
コンデンサのものである。実際のコンデンサには、ES
Rと呼ばれる直流等価抵抗(不要なインピーダンス成
分)が存在する。たとえば、セラミックコンデンサで
は、10μFで10mΩ前後、電解コンデンサでは、4
70μFで200mΩ前後である。ここでは、セラミッ
クコンデンサはコストが高いため、電解コンデンサを用
いることとするが、電解コンデンサは、セラミックコン
デンサに対してESRによる電圧降下分を見込んで10
ないし20倍の静電容量が必要となる。
という広い範囲において、20倍のものを選択すれば、
上記電圧降下を招くおそれが最も小さいと考えられる
が、バイパスコンデンサ自体の外形も大きくなるため、
ヘッド回りの小型化を図る上で好ましくない。そこで、
上記電圧降下の防止および小型化の両方を満足できるバ
イパスコンデンサを決定するための手法を確立するた
め、本発明者は、次に示す考察を行った。
降下が大きくなる。つまり、電圧降下は、ヘッド1チャ
ンネル当たりの充電電流(過渡域での平均電流)とチャ
ンネル数との積に比例して大きくなる。また、ヘッド2
0は全チャンネルを複数のグループに分割し、そのグル
ープ単位で駆動される。したがって、電圧降下は、その
グループ単位で生じるため、電圧降下は、上記分割数と
は、反比例の関係にある。
て、バイパスコンデンサの静電容量の範囲を決定するた
めに、次の式を考えた。
ッド1チャンネル当たりの静電容量(F)、Mはヘッド
が有するチャンネル数、Eはヘッドの駆動電圧(V)、
tはヘッドの1チャンネルを前記ヘッドの駆動電圧まで
に充電するのに要する時間(S)、Nはヘッドを駆動す
る際でのチャンネルをグループ分割する分割数をそれぞ
れ示し、これらの数値は、ヘッド20を設計する際に求
めることができる。
量の下限値であり、Yは、上限値を示し、これらは次の
実験により求めた。図5(a)は、その実験を行ったと
きの構成図である。同図に示すように、駆動電源線94
とグランド線95との間にバイパスコンデンサ96を接
続したときの、駆動電源線94とグランド線95との間
の電圧降下をオシロスコープ200により測定した。そ
の測定時のオシロスコープ200により観測された波形
を同図(b)に示す。
電容量CH=2100pF、チャンネル数M=256、
ヘッドを駆動する際でのチャンネルをグループ分割する
分割数N=4、ヘッドの駆動電圧E=30V、ヘッドの
1チャンネルを上記ヘッドの駆動電圧までに充電するの
に要する時間t=2μS、ヘッド1チャンネル当たりの
充電電流値i=31.5mAの条件下で行った。
容量との関係を図6の表に示す。図7は、図6に示すデ
ータをグラフ化したものである。図6に示すように、電
圧降下が、1.5V未満の電解コンデンサは、電圧降下
が、1.35Vであった330μFのものと、電圧降下
が1.20Vであった470μFのものであることが明
らかとなった。
(3)に示した式のXおよびYが、どのような数値であ
る場合に上記バイパスコンデンサ96の静電容量CB
が、上記実験結果に示す静電容量330μFに近づくか
を計算した。式(3)に示す式に上記実験で用いた各値
を代入してXを求めると、
と、CB≒330(μF)を求めることができ、静電容
量が330(μF)の電解コンデンサをバイパスコンデ
ンサ96として用いれば、上記電圧降下を防止できる。
ところで、図8のグラフから分かるように、電圧降下率
が5%(30Vでは1.5V)になるときのコンデンサ
の静電容量は、300μF近くであることが分かる。そ
こで、上記数4で示す式にCB=300(μF)を代入
してXを算出すると、X≒150となる。つまり、Xの
下限値は、150に設定することが望ましいことが分か
った。
CBの上限を定めるYの値は、上記実験結果で用いた4
70μFを上記式(4)で示す式に代入して算出する
と、Y≒233となる。ここで、Y=250としたとき
の電解コンデンサの静電容量CBを算出すると、CB≒
504μFとなる。つまり、Y=250に設定すれば、
上記1.5Vの電圧降下を十分防止できるし、また、バ
イパスコンデンサ96の小型化を図る上でも、Y=25
0に設定することが望ましいことが分かった。したがっ
て、上記1.5Vの電圧降下の防止およびヘッド回りの
小型化を図ることができるバイパスコンデンサ96に
は、次式を満足する静電容量CBを有する電解コンデン
サを選択するのが最も望ましいことが分かった。
H×E/tは、ヘッド1チャンネル当たりの充電電流
(過渡域での平均電流)(A)に置き換えることができ
るから、CH×E/t=iとすると、上記式(5)に示
す式は、次式で表される。
(6)に示す数式に、各数値を代入して計算するだけ
で、上記1.5Vの電圧降下の防止およびヘッド回りの
小型化を図ることができる最適のバイパスコンデンサを
容易に選択することができる。なお、上記実施形態で
は、許容される電圧降下が駆動電圧の5%である場合を
説明したが、5%以上許容される記録装置の場合であっ
ても、上記同様の実験を行って、上記XおよびYを求め
ることにより、最適のバイパスコンデンサを選択するこ
とができる。
イパスコンデンサの小型化の両目的をより一層確実にす
るためには、次式の範囲内の静電容量CBを有する電解
コンデンサを用いることが望ましい。
り、より一層、小型で低コストのバイパスコンデンサを
実現できるため、記録装置の小型化および製造コストの
低減を一段と進めることができる。
ェット記録装置の代表として、カラーインクジェットプ
リンタについて説明したが、圧電素子を用いた他のイン
クジェットプリンタにも適用できることは勿論である。
の発明によれば、ヘッド駆動時の電圧降下の防止および
バイパスコンデンサの小型化を図ることができる。した
がって、ヘッド回りの小型化および製造コストの低減に
より、記録装置の小型化および製造コストの低減を図る
ことができる。
り一層、小型で低コストのバイパスコンデンサを実現で
きるため、記録装置の小型化および製造コストの低減を
一段と進めることができる。
明図である。
である。
ック図である。
(b)は、オシロスコープ200に現れる波形の説明図
である。
る。
向)から見た構造図であり、(b)は、(a)のA−A
線断面図である。
ロック図である。
路60へ出力される信号のタイミングチャートである。
Claims (2)
- 【請求項1】 圧電素子に駆動電圧を印加することによ
り圧電素子を変位させ、その変位を利用してノズルより
インク液滴を選択的に吐出して被印刷媒体に印刷を行う
インクジェットヘッドと、前記駆動電圧を前記圧電素子
に印加する駆動回路とを備えたインクジェット記録装置
において、 前記駆動回路には、その駆動回路に供給される駆動電源
の電圧降下を抑制する電解コンデンサを有するバイパス
回路が接続されており、 前記電解コンデンサの静電容量CB(F)は、 ヘッド1チャンネル当たりの静電容量(F)をCH、 ヘッドが有するチャンネル数をM、 ヘッドを駆動する際での、チャンネルをグループ分割す
る分割数をN、 ヘッドの駆動電圧(V)をE、 ヘッドの1チャンネルを前記ヘッドの駆動電圧までに充
電するのに要する時間(S)をt、 ヘッド1チャンネル当たりの充電電流(過渡域での平均
電流)(A)をi、とすると、 であり、かつ、 であることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項2】 前記電解コンデンサの静電容量CB
(F)は、 であり、かつ、 とすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
ト記録装置。
Priority Applications (1)
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JP8872196A JP3434119B2 (ja) | 1996-03-18 | 1996-03-18 | インクジェット記録装置 |
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JP8872196A JP3434119B2 (ja) | 1996-03-18 | 1996-03-18 | インクジェット記録装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09248905A JPH09248905A (ja) | 1997-09-22 |
JP3434119B2 true JP3434119B2 (ja) | 2003-08-04 |
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Family Applications (1)
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JP8872196A Expired - Lifetime JP3434119B2 (ja) | 1996-03-18 | 1996-03-18 | インクジェット記録装置 |
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JP (1) | JP3434119B2 (ja) |
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-
1996
- 1996-03-18 JP JP8872196A patent/JP3434119B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH09248905A (ja) | 1997-09-22 |
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