JP2004058661A - インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置 Download PDF

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Koji Ikeda
池田 浩二
Koichi Baba
馬場 弘一
Masaharu Oyama
大山 正治
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Abstract

【課題】アクチュエータをいわゆるマトリクス駆動方法により駆動するインクジェットヘッドにおいて、中継端子と電極とを接続するリード線の短縮化や吐出性能の向上を図る。
【解決手段】アクチュエータは、振動板と走査電極13と圧電体と記録電極15とが積層されて構成されている。アクチュエータは、電気回路的にn行2列(ただし、nは2以上の自然数)設けられ、ヘッド本体上において幾何学的にもn行2列設けられている。駆動回路と走査電極13及び記録電極15とを中継する中継端子部21は、アクチュエータの列間に設けられている。中継端子部21と記録電極15とは、横方向に延びるリード線16によって接続されている。中継端子部21と走査電極13A,13Bとは、横方向に延びるリード線25A,25Bによって接続されている。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特許文献1に開示されているように、圧電体の両側に電極を設けてなる圧電アクチュエータを用いたインクジェットヘッドが知られている。この種のインクジェットヘッドは、複数のノズルと、各ノズルに対応して設けられた複数の圧力室と、各圧力室に対応した複数の圧電アクチュエータとを備えている。通常、圧電アクチュエータの一方側の電極は、他の圧電アクチュエータと共通化され、共通電極と称される。これに対し、他方側の電極はそれぞれ独立し、個別電極と称される。上記インクジェットヘッドは、個別電極と共通電極との間に電圧を印加することによって圧電体を伸縮させ、その伸縮を利用して圧力室内のインクに圧力を付与し、ノズルからインクを吐出する。
【0003】
インクジェットヘッドには、駆動信号を供給する駆動回路が設けられている。従来のインクジェットヘッドでは、駆動回路は、各アクチュエータの個別電極ごとに信号を供給するために、アクチュエータの数に対応する数のチャネルを備えていた。そして、インクを吐出すべきアクチュエータに対してはパルス信号を印加する一方、インクを吐出しないアクチュエータに対してはパルス信号を印加しないように構成され、各アクチュエータごとに信号のON/OFFを行っていた。
【0004】
しかし、上記のようなインクジェットヘッドでは、アクチュエータの数が増えると、それに応じて駆動回路のチャネル数も増え、駆動回路のコストアップが避けられなかった。そのため、近年のインクジェットヘッドの多ノズル化に伴い、駆動回路の高コスト化が無視できない問題となってきた。
【0005】
そこで、特許文献2に開示されているように、走査電極と対向電極とをマトリクス状に配置したいわゆるマトリクス駆動を利用したインクジェットヘッドが提案されている。マトリクス駆動を利用したインクジェットヘッドによれば、駆動回路のチャネル数を大幅に低減することが可能となり、駆動回路の低コスト化を図ることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−162794号公報
【特許文献2】
再公表特許WO99/12739号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、マトリクス駆動を利用した上記インクジェットヘッドでは、駆動回路と走査電極とを接続する中継端子と、駆動回路と対向電極とを接続する中継端子とは、それぞれヘッド本体の隅部に集中的に配置されていた。
【0008】
そのため、中継端子と走査電極とをつなぐ走査電極用リード線、及び中継端子と対向電極とをつなぐ対向電極用リード線は、長さが比較的長かった。したがって、リード線の電気抵抗が比較的大きいという課題があった。
【0009】
また、走査電極用リード線及び対向電極用リード線の長さは、走査電極ごと及び対向電極ごとに異なっていた。そのため、各電極に供給される信号が微妙にばらつき、ノズルごとに吐出性能がばらつきやすいという問題があった。その結果、記録の精度が十分に高いとは言い難かった。また、マトリクス駆動においては、走査電極に与える信号(以下、走査信号という)と対向電極に与える信号(以下、記録信号という)とを正確に同期させる必要があるが、各電極に供給される信号にばらつきが生じると、正確に同期をとることが難しかった。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一つは、中継端子と電極とをつなぐリード線を短縮化することである。また、本発明の他の目的は、各電極に供給される信号のばらつきを抑制し、インクの吐出性能を向上させることである。また、本発明の他の目的は、走査信号と記録信号とを正確に同期させることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るインクジェットヘッドは、複数のノズルと、インクを貯留し且つ該各ノズルとそれぞれ連通する複数の圧力室とが設けられたヘッド本体と、前記圧力室に対応して設けられ、圧電体と、該圧電体の一方の側に設けられた走査電極と、該圧電体の他方の側に設けられた記録電極とをそれぞれ有するアクチュエータであって、電気回路的にn行×m列(ただし、n,mは2以上の自然数。)設けられ、各行の記録電極同士及び各列の走査電極同士がそれぞれ導通されているアクチュエータと、前記走査電極に対し走査信号を列ごとに供給する一方、各行の記録電極に対し記録信号を前記走査信号に同期させて供給する駆動回路とを備えるインクジェットヘッドであって、前記アクチュエータは、前記ヘッド本体上において幾何学的に縦n個×横m個に配列され、前記ヘッド本体上におけるアクチュエータの縦列の少なくとも一つの列間に、前記駆動回路から前記記録電極及び前記走査電極への信号を中継する縦方向に延びる中継端子部が設けられ、前記中継端子部と前記記録電極、及び前記中継端子部と前記走査電極は、横方向に延びるリード線によってそれぞれ接続されているものである。
【0012】
上記インクジェットヘッドでは、中継端子部が縦方向に延び、中継端子部と記録電極及び走査電極とをつなぐリード線が横方向に延びているので、リード線を複雑に蛇行等させる必要がなく、リード線の長さが短くなる。また、中継端子部がアクチュエータ列の列間に配置されているので、中継端子部とアクチュエータとの距離が短くなり、その分リード線の長さを短くすることができる。
【0013】
前記インクジェットヘッドにおいて、mは偶数であり、中継端子部は、アクチュエータの中央の列間に設けられていることが好ましい。
【0014】
このことにより、リード線の短縮化が更に促進される。また、リード線の配置パターンが中継端子部を挟んで左右対称になるので、左右のアクチュエータの電極に供給される信号のばらつきが少なくなり、インクの吐出性能のばらつきが抑制される。また、走査信号と記録信号とをより正確に同期させることができる。
【0015】
本発明に係る他のインクジェットヘッドは、複数のノズルと、インクを貯留し且つ該各ノズルとそれぞれ連通する複数の圧力室とが設けられたヘッド本体と、前記圧力室に対応して設けられ、圧電体と、該圧電体の一方の側に設けられた走査電極と、該圧電体の他方の側に設けられた記録電極とをそれぞれ有するアクチュエータであって、電気回路的にn行×m列(ただし、n,mは2以上の自然数。)設けられ、各行の記録電極同士及び各列の走査電極同士がそれぞれ導通されているアクチュエータと、前記走査電極に対し走査信号を列ごとに供給する一方、各行の記録電極に対し記録信号を前記走査信号に同期させて供給する駆動回路とを備えるインクジェットヘッドであって、前記アクチュエータは、前記ヘッド本体上において幾何学的に縦n個×横m個に配列され、前記ヘッド本体上におけるアクチュエータの配列領域の左右両側に、前記駆動回路から前記記録電極及び前記走査電極への信号を中継する縦方向に延びる第1及び第2の中継端子部がそれぞれ設けられ、前記両中継端子部と前記記録電極、及び前記両中継端子部と前記走査電極は、横方向に延びるリード線によってそれぞれ接続されているものである。
【0016】
上記インクジェットヘッドにおいても、各中継端子部が縦方向に延び、中継端子部と記録電極及び走査電極とをつなぐリード線が横方向に延びているので、リード線を複雑に蛇行等させる必要がなく、リード線の長さが短くなる。また、中継端子部は2つの中継端子部に分割され、アクチュエータの配列領域の左右両側に配置されているので、各中継端子部とアクチュエータとの距離が短くなり、その分リード線の長さを短くすることができる。
【0017】
前記インクジェットヘッドにおいて、mは偶数であり、左側のアクチュエータの記録電極及び走査電極は、第1中継端子部に接続され、右側のアクチュエータの記録電極及び走査電極は、第2中継端子部に接続されていることが好ましい。
【0018】
このことにより、リード線の短縮化が更に促進される。また、リード線の配置パターンが左右対称になるので、左右のアクチュエータの電極に供給される信号のばらつきが少なくなり、インクの吐出性能のばらつきが抑制される。走査信号と記録信号とをより正確に同期させることができる。
【0019】
異なる縦列に属するアクチュエータ同士において、時定数の差が0.1μs以下に設定されていることが好ましい。
【0020】
前記インクジェットヘッドにおいて、幾何学的に縦p番目且つ横q番目(ただし、pは1〜nの任意の自然数。qは1〜mの任意の自然数。)に位置するアクチュエータは、電気回路的にp行q列目に位置していてもよい。
【0021】
上記インクジェットヘッドでは、アクチュエータの電気回路上の配置パターンと幾何学上の配置パターンとが一致する。
【0022】
前記インクジェットヘッドにおいて、幾何学的に縦方向に隣り合うアクチュエータ同士は、電気回路的に異なる列に属していてもよい。
【0023】
走査信号は列ごとに供給されるので、異なる列に属するアクチュエータに対して走査信号が同時に供給されることはない。そのため、上記インクジェットヘッドによれば、幾何学的に縦方向に隣り合うアクチュエータ同士が同時に駆動することはない。したがって、縦方向に隣り合うアクチュエータ同士のクロストークが防止され、吐出性能は向上する。
【0024】
前記インクジェットヘッドにおいて、幾何学的に横方向に隣り合うアクチュエータ同士は、電気回路的に異なる列に属していてもよい。
【0025】
このことにより、横方向に隣り合うアクチュエータ同士のクロストークが防止され、吐出性能は向上する。
【0026】
前記インクジェットヘッドにおいて、幾何学的に縦方向に隣り合うアクチュエータ同士及び横方向に隣り合うアクチュエータ同士は、電気回路的に異なる列に属していてもよい。
【0027】
このことにより、縦方向及び横方向に隣り合うアクチュエータ同士のクロストークが防止され、吐出性能は向上する。
【0028】
前記インクジェットヘッドは、前記記録信号と前記走査信号との組み合わせからなる駆動信号の電圧が、少なくとも2列以上のアクチュエータ列で互いに異なっていてもよい。
【0029】
このことにより、列ごとに駆動信号の電圧を調整することができ、各列のアクチュエータやインク等の特性に応じた吐出制御が可能となる。
【0030】
前記インクジェットヘッドにおいて、走査信号の電圧は、各列のアクチュエータ列で互いに等しく、記録信号の電圧は、少なくとも2列以上のアクチュエータ列で互いに異なっていてもよい。
【0031】
このことにより、少なくとも2列以上のアクチュエータ列において、駆動信号の電圧が互いに異なることになる。
【0032】
また、前記インクジェットヘッドにおいて、記録電極に供給される記録信号の電圧は、各列のアクチュエータ列で互いに等しく、走査電極に供給される走査信号の電圧は、少なくとも2列以上のアクチュエータ列で互いに異なっていてもよい。
【0033】
このことにより、少なくとも2列以上のアクチュエータ列において、駆動信号の電圧が互いに異なることになる。
【0034】
また、前記インクジェットヘッドにおいて、走査電極に供給される走査信号の電圧は、少なくとも2列以上のアクチュエータ列で互いに異なり、記録電極に供給される記録信号の電圧は、少なくとも2列以上のアクチュエータ列で互いに異なっていてもよい。
【0035】
このことにより、少なくとも2列以上のアクチュエータ列において、駆動信号の電圧が互いに異なることになる。
【0036】
前記インクジェットヘッドにおいて、前記記録信号と前記走査信号との組み合わせからなる駆動信号は、インクを吐出するときには、インクを吐出するようにアクチュエータを駆動する吐出パルス信号とインクを吐出しない程度にアクチュエータを駆動する補助パルス信号とからなり、インクを吐出しないときには、インクを吐出しない程度にアクチュエータを駆動する補助パルス信号からなっていてもよい。
【0037】
このことにより、補助パルス信号によってインクを吐出しない程度にアクチュエータを駆動することにより、インク吐出後の残留振動の抑制や、ノズル内インクの粘度上昇の抑制等を図ることができる。
【0038】
前記インクジェットヘッドにおいて、補助パルス信号の電圧は、少なくとも2列以上のアクチュエータ列で互いに異なっていてもよい。
【0039】
このことにより、アクチュエータ列ごとに補助パルス信号の電圧を調整することができ、各列のアクチュエータやインク等の特性に応じた補助パルス信号を供給することができる。
【0040】
前記インクジェットヘッドにおいて、吐出パルス信号は、前記記録信号に含まれ、補助パルス信号は、前記走査信号に含まれていてもよい。
【0041】
このことにより、前記駆動信号の生成に際し、記録信号及び走査信号のそれぞれを簡単化することができる。
【0042】
前記インクジェットヘッドにおいて、駆動回路は、記録動作に先立って、すべてのアクチュエータに対して、インクを吐出しない程度にアクチュエータを駆動する予備パルス信号を供給するように構成されていてもよい。
【0043】
記録動作開始前には、ノズル内のインクが乾燥し、インク粘度が上昇している場合がある。このようにノズル内インクの粘度が高いと、吐出不良を招くおそれがある。しかし、上記インクジェットヘッドによれば、記録動作に先立って予備パルス信号が供給され、ノズル内のインクが撹拌される。したがって、ノズルの出口側の高粘度のインクが奥側の低粘度のインクと混合され、インクの粘度上昇は抑制される。そのため、記録動作開始時における吐出不良を防止することができる。
【0044】
前記インクジェットヘッドにおいて、前記記録信号と前記走査信号との組み合わせからなる駆動信号は、小径のインク滴を吐出するときには第1のパルス信号からなり、大径のインク滴を吐出するときには、前記第1パルス信号の後に生成される2以上のパルス信号からなっていてもよい。
【0045】
このことにより、単一のパルス信号が供給されると小径のインク滴が吐出され、複数のパルス信号が供給されると大径のインク滴が吐出され、大径のインク滴は、いわゆるマルチパルス駆動法により吐出される。その結果、多階調記録が可能となる。小径のインク滴と大径のインク滴とが連続して吐出される場合には、小径のインク滴を吐出する第1パルス信号は、直前の周期における大径インク滴吐出用の複数のパルス信号の後に供給されることになる。そのため、これら複数のパルス信号と第1パルス信号とが連続すると、小径インク滴の吐出に際して、大径インク滴吐出後のアクチュエータの残留振動の影響を受けやすくなる。しかし、上記インクジェットヘッドでは、走査信号は列ごとに供給されるので、大径インク滴を吐出してから小径のインク滴を吐出するまでには、アクチュエータの列数分だけの時間間隔が生じる。したがって、残留振動の影響は受けにくく、大径インク滴吐出後の小径インクの吐出を安定して行うことができる。
【0046】
前記インクジェットヘッドにおいて、ヘッド本体上における縦n個×横m個のアクチュエータの幾何学的な配列態様を、それぞれ縦方向にn個のアクチュエータが並んでなるm列の縦列のうち、少なくとも横方向に隣り合う縦列のアクチュエータ同士を縦方向にずらすように変更してもよい。
【0047】
ヘッド本体上において、アクチュエータを幾何学的に千鳥状に配列してもよい。
【0048】
なお、本発明に係るインクジェット式記録装置は、前記インクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドと記録媒体とを相対移動させる移動手段とを備えたものである。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、中継端子部とアクチュエータの電極とを接続するリード線を短縮化することができる。したがって、リード線の電気抵抗を低減することができる。また、各電極に供給される信号のばらつきを抑制することができる。また、走査信号と記録信号とを正確に同期させることができる。したがって、いわゆるマトリクス駆動を行うインクジェットヘッド及び記録装置において、インクの吐出性能を向上させることができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0051】
<実施形態1>
図1は、実施形態に係るインクジェットヘッド30を備えたインクジェット式プリンタ31の要部の概略構成を示している。インクジェットヘッド30は、キャリッジモータ(図示せず)が設けられたキャリッジ32に取り付けられている。キャリッジ32は、上記キャリッジモータによって、図示L1方向に延びるキャリッジ軸33にガイドされ、その方向に往復移動する。したがって、インクジェットヘッド30はL1方向に往復移動するように構成されている。
【0052】
記録紙34は、図示を省略する搬送モータによって回転駆動される2つの搬送ローラ35に挟まれており、この搬送モータ及び搬送ローラ35により、L1方向と直交する図示L2方向に搬送される。
【0053】
キャリッジ32及び前記キャリッジモータは、L1方向に関する移動手段を構成している。搬送ローラ35及び前記搬送モータは、L2方向に関する移動手段を構成している。
【0054】
ただし、本発明に係る記録装置は、上記のようなプリンタ31に限定されるものではなく、他の種類のプリンタに本発明を適用することも可能である。また、本発明に係る記録装置はプリンタに限定されず、複写機やFAX等、インクジェットヘッドを備える他の記録装置に本発明を適用することも可能である。記録媒体は記録紙34に限定されず、プラスチックフィルム等、他の媒体であってもよい。
【0055】
図2〜4に示すように、インクジェットヘッド30は、複数のノズル17が設けられたノズルプレート18と、上記ノズル17に対応した数の圧力室10が設けられたインク流路基板11と、振動板12と、各圧力室10の上方に位置する走査電極13と、PZTからなる圧電体14と、各圧力室10の上方に位置する記録電極15とが積層されて構成されている。ノズルプレート18とインク流路基板11とはヘッド本体19を構成しており、振動板12と走査電極13と圧電体14と記録電極15とはアクチュエータ20を構成している。
【0056】
圧力室10は、横方向(L1方向)に2列設けられ、縦方向(L2方向)に多数列(たとえば、数十〜数千列)設けられている。ただし、本実施形態及び以下の実施形態では、理解しやすいように縦方向には7列分だけ図示することにする。図3に示すように、各圧力室10は横方向に細長くなっている。各圧力室10は、ヘッド本体19の横方向中央側において、ノズルプレート18のノズル17と連通している。
【0057】
アクチュエータ20は、いわゆるたわみ振動型の圧電式アクチュエータである。本アクチュエータ20においては、走査電極13及び記録電極15の両方がONされると、圧電体14に電圧が印加され、圧電体14は長手方向に伸縮する。この圧電体14の伸縮が振動板12によって拘束されることにより、アクチュエータ20の全体がたわみ変形を行い、圧力室10の容積を増減する。そして、この圧力室10の容積の増減によって圧力室10内のインク圧力が増減し、ノズル17からインクが液滴となって吐出されることになる。
【0058】
図2に示すように、アクチュエータ20は、圧力室10と同様のパターンに配列されている。すなわち、アクチュエータ20は、横方向にm(ただしm=2)個設けられ、縦方向にn(ただしn=数十〜数千)個設けられている。横方向に隣り合うアクチュエータ同士では、記録電極15は横方向に延びるリード線16を介して互いに接続されている。記録電極15同士が互いに接続されたアクチュエータは、電気回路上の「アクチュエータ行」を構成している。縦方向に隣り合うアクチュエータ同士では、走査電極13が一体化されている。走査電極13が一体化されたアクチュエータは、電気回路上の「アクチュエータ列」を構成している。本実施形態では、走査電極13は、横方向に並んだ第1走査電極13Aと第2走査電極13Bとから構成されている。第1走査電極13A及び第2走査電極13Bは、それぞれ第1アクチュエータ列20A及び第2アクチュエータ列20Bの一部を構成している。
【0059】
このように、本実施形態では、アクチュエータは電気回路的にn行m列のマトリクス状に配置され、幾何学的にもn行m列のマトリクス状に配置されている。そして、幾何学的に縦p番目且つ横q番目(ただし、pは1〜nの任意の自然数。qは1〜mの任意の自然数。)に位置するアクチュエータは、電気回路的にp行q列目に位置している。すなわち、本実施形態では、各アクチュエータ行は、横方向に並んだm個のアクチュエータ20から構成されている。各アクチュエータ列20A,20Bは、縦方向に並んだn個のアクチュエータ20から構成されている。
【0060】
第1走査電極13Aは、第1アクチュエータ列20Aのすべての記録電極15に対向する平面視長方形状に形成され、第2走査電極13Bは、第2アクチュエータ列20Bのすべての記録電極15に対向する平面視長方形状に形成されている。ただし、各走査電極13A,13Bは必ずしも平面視長方形状に形成されている必要はなく、各アクチュエータ列20A,20Bの記録電極15に対向している限り、特定の形状に限定されることはない。
【0061】
図2に示すように、記録電極15は、圧力室10と同様に横方向に細長い形状に形成されており、圧力室10よりも一回り小さく形成されている。
【0062】
図3に示すように、横方向に隣り合うノズル17同士の間には、互いの干渉を防止するためにある程度の間隔が空けられている。そのため、第1アクチュエータ列20Aと第2アクチュエータ列20Bとの間にも、ある程度の間隔が設けられている。本実施形態では、上記の空きスペースを有効活用するように、両アクチュエータ列20A,20Bの列間に中継端子部21が形成されている。したがって、中継端子部21は、ヘッド本体19上の横方向の中央部に設けられている。
【0063】
中継端子部21は、縦方向に細長い平面視長方形状の異方性導電シート(ACF)によって形成されている。中継端子部21は、駆動回路26に接続されたFPC(フレキシブルプリント基板)22に接続される中継端子である。なお、理解の容易のため、図2においてはFPC22の図示は省略している。図4に示すように、中継端子部21は、記録電極15から延びるリード線16と、走査電極13A,13Bから延びるリード線25A,25Bとを覆うように、これらリード線16,25A,25Bの上側に設けられている。FPC22は、中継端子部21の上側に接続されている。
【0064】
駆動回路26は、走査電極13A,13Bに対して走査信号を供給し、記録電極15に対して記録信号を供給する。そして、これら走査信号と記録信号とが重なり合うことによって駆動信号が構成される。次に、図5(a)〜5(e)を参照しながら、駆動回路26から供給される各種信号について説明する。
【0065】
図5(a)に示すように、走査電極13は周期Tにて周期的にON/OFFされ、第1列の走査電極13Aと第2列の走査電極13Bとは、交互にON/OFFされる。図5(c)に示すように、走査信号は電位一定の信号からなる。その結果、走査電極13がONのときには走査信号がONされ、走査電極13がOFFのときには走査信号がOFFされることになる。
【0066】
図5(b)に示すように、記録信号は、インクの吐出時にONされ、非吐出時にOFFされるパルス信号からなっている。アクチュエータ20の圧電体14には、上記走査信号と上記記録信号との両方がONの場合にのみ電圧が印加される。そのため、両信号が共にONの場合にはインクが吐出され、いずれか一方又は両方の信号がOFFの場合には、インクは吐出されない。このように本インクジェットヘッド30では、走査信号と記録信号とを組み合わせることにより、インクの吐出が制御される。
【0067】
本インクジェットヘッド30では、アクチュエータ20の圧電体14を駆動するための走査電極13及び記録電極15を、n行m列のマトリクス状に配置したので、駆動回路26のチャネル数を低減することができる。すなわち、チャネル数をn×m個からn+m個に低減することができる。したがって、駆動回路26のコスト低減を図ることができる。
【0068】
中継端子部21を第1アクチュエータ列20Aと第2アクチュエータ列20Bとの列間に設けることとしたので、中継端子部21と各アクチュエータ列20A,20Bとの間の距離を短くすることができる。したがって、リード線16,25A,25Bの長さを短く抑えることができ、信号伝達の迅速化を図ることができる。また、リード線16,25A,25Bの電気抵抗を低減することができる。
【0069】
加えて、中継端子部21と第1アクチュエータ列20Aとの間の距離と、中継端子部21と第2アクチュエータ列20Bとの間の距離とが等しいため、両アクチュエータ列20A,20Bのアクチュエータ同士は、電気抵抗R及び静電容量Cがそれぞれ等しくなり、信号波形の傾きが等しくなる。したがって、両アクチュエータ列においてインクの吐出性能のばらつきは生じにくい。また、走査信号と記録信号とは、確実に同期しやすくなる。そのため、インクの吐出性能が向上する。
【0070】
例えば、図6に示すように、中継端子部21が一方の側に配置されていると、第1アクチュエータ列20Aと第2アクチュエータ列20Bとの時定数CRの差は大きくなる。この配置例では、中継端子部21と第2アクチュエータ列20Bの記録電極15Bとの間の配線抵抗と、中継端子部21と第1アクチュエータ列20Aの記録電極15Aとの間の配線抵抗とは、記録電極15A及び配線L11の抵抗分だけ異なっている。ここで、アクチュエータ20の静電容量が150pFであると仮定し、記録電極15A及び配線L11は体積抵抗率が1.05×10−5Ω・cmの白金からなり、記録電極15Aは膜厚0.05μm、幅25μm、長さ2000μm、配線L11は膜厚0.05μm、幅10μm、長さ2400μmであるとすると、上記時定数CRの差は0.1μsとなる。したがって、記録信号としてパルス信号が入力された場合、記録電極15Aに比べて記録電極15Bでは、実際に供給されるパルス信号の立ち上がり及び立ち下がりの傾きが時定数CRの差の分だけ緩慢になる。
【0071】
時定数CRの差と吐出性能のばらつきとの関係を調べるため、同一のアクチュエータに対して、立ち下がり波形及び立ち上がり波形の傾斜の異なる2種類のパルス信号を印加する実験を行ってみた。この実験は、時定数の異なる2種類のアクチュエータに対して同一のパルス信号を印加した場合を模擬したものである。その結果、液滴量5pl、吐出速度7.1m/sのインク滴を吐出するアクチュエータにおいて、時定数が0.1μsだけ大きくなると、液滴量は4.9pl、吐出速度は7m/sとなることが分かった。液滴量の変動量は2%であった。通常、液滴量の誤差が2%以内であれば、良好な吐出性能を維持することができると考えられている。したがって、アクチュエータや配線の配置態様を時定数の差が0.1μs以下になるように設定することにより、良好な吐出性能が得られると推定される。
【0072】
<実施形態2>
図7に示すように、実施形態2に係るインクジェットヘッド30は、アクチュエータ列が4列設けられるとともに、中継端子部をアクチュエータ列の両端にそれぞれ設けたものである。
【0073】
第1〜第4のアクチュエータ列20A〜20Dは、それぞれ複数のアクチュエータ20が縦方向に配列されてなり、それらアクチュエータ列同士は横方向に配列されている。第1の中継端子部21Aは第1アクチュエータ列20Aの左側に設けられ、第2の中継端子部21Bは第4アクチュエータ列20Dの右側に設けられている。
【0074】
第1アクチュエータ列20Aの記録電極15と第1中継端子部21Aとは、横方向に延びるリード線16を介して接続されている。また、同一行に属する第1アクチュエータ列20Aの記録電極15と第2アクチュエータ列20Bの記録電極15も、リード線16を介して接続されている。同様に、同一行に属する第3アクチュエータ列20Cと第4アクチュエータ列20Dとは、リード線16を介して接続されている。第4アクチュエータ列20の記録電極15と第2中継端子部21Bとは、リード線16を介して接続されている。
【0075】
第1アクチュエータ列20Aの走査電極13Aと第2アクチュエータ列20Bの走査電極13Bとは、それぞれ横方向に延びるリード線25を介して第1中継端子部21Aに接続されている。第3アクチュエータ列20Cの走査電極13Cと第4アクチュエータ列20Dの走査電極13Dとは、それぞれ横方向に延びるリード線25を介して第2中継端子部21Bに接続されている。
【0076】
次に、図8(a)〜8(g)を参照しながら、駆動回路26から供給される走査信号及び記録信号について説明する。
【0077】
図8(a)に示すように、走査電極13は、周期Tにて周期的にON/OFFされる。第1列の走査電極13Aと第3列の走査電極13Cとは同期してON/OFFされ、第2列の走査電極13Bと第4列の走査電極13Dとは同期してON/OFFされる。図8(c)に示すように、走査信号は、電位が一定の信号である。図8(b)に示すように、記録信号は、インクの吐出時にONされ、非吐出時にOFFされるパルス信号からなっている。実施形態1と同様、本実施形態においても、走査信号と記録信号との両方がONの場合にインクの吐出が行われる。
【0078】
実施形態2では、2つの中継端子部21A,21Bを設け、ヘッド本体19の左側のアクチュエータ20の走査電極13及び記録電極15は左側の第1中継端子部21Aに接続し、右側のアクチュエータ20の走査電極13及び記録電極15は右側の第2中継端子部21Bに接続することとした。そのため、中継端子部を一方の側に集中的に配置する場合に比べて、中継端子部21A,21Bと各電極13,15とを接続するリード線16,25を短くすることができる。したがって、実施形態1と同様、信号伝達の迅速化を図ることができる。また、リード線16,25の電気抵抗を低減することができ、吐出性能を安定化させることができる。また、アクチュエータ列20A〜20Dにおけるインク吐出性能のばらつきを比較的良好に抑制することができる。
【0079】
<実施形態3>
実施形態2は、中継端子部21A,21Bをアクチュエータ列の両側に設けた形態であった。しかし、中継端子部21A,21Bは、アクチュエータ列の列間にあってよい。
【0080】
実施形態3では、図9(b)に示すように、第1中継端子部21Aは第1アクチュエータ列20Aと第2アクチュエータ列20Bとの間に配置され、第2中継端子部21Bは第3アクチュエータ列20Cと第4アクチュエータ列20Dとの間に配置されている。
【0081】
ノズル17A〜17Dは、圧力室10における横方向の中継端子部側に設けられている。すなわち、第1アクチュエータ列20Aに対応するノズル17Aは、圧力室10の第2アクチュエータ列20B側に設けられ、第2アクチュエータ列20Bに対応するノズル17Bは、圧力室10の第1アクチュエータ20A側に設けられている。また、第3アクチュエータ列20Cに対応するノズル17Cは、圧力室10の第4アクチュエータ列20D側に設けられ、第4アクチュエータ列20Dに対応するノズル17Dは、圧力室10の第3アクチュエータ列20C側に設けられている。
【0082】
実施形態3によれば、中継端子部21A,21Bと各電極13,15とを接続するリード線16,25を、更に短くすることができる。したがって、吐出性能の一層の安定化を図ることができる。また、アクチュエータ列20A〜20Dにおけるインク吐出性能のばらつきを、より一層抑制することができる。
【0083】
また、実施形態3によれば、第1アクチュエータ列20Aに対応するノズル17Aと第2アクチュエータ列20Bに対応するノズル17Bとの間、及び第3アクチュエータ列20Cに対応するノズル17Cと第4アクチュエータ列20Dに対応するノズル17Dとの間は、中継端子部21A,21Bが存在する分だけ長くなっている。すなわち、本実施形態におけるノズル間隔L22は、中継端子部21A,21Bをアクチュエータの両側に設ける場合(図9(a)参照)のノズル間隔L21よりも長くなっている。したがって、ノズル間隔が短いことに起因するインクの混合(例えば混色)を防止することができる。
【0084】
なお、上記実施形態は、ノズル17A〜17Dを圧力室の長手方向における中継端子部側に設けたものであった。しかし、本発明に係るインクジェットヘッドは上記実施形態に限定されず、ノズルの位置は特に限定されるものではない。
【0085】
<実施形態4>
実施形態4に係るインクジェットヘッドは、隣り合うアクチュエータ同士のクロストークの防止を目的として、走査電極の配置パターンに変更を加えたものである。
【0086】
図10に示すインクジェットヘッドは、実施形態1に係るインクジェットヘッドと同様に、電気回路的にn行2列のアクチュエータを備え、幾何学的にアクチュエータの中央の列間に中継端子部21を配置したものである。しかし、実施形態1と異なり、第1走査電極13A及び第2走査電極13Bは、それぞれヘッド本体19の左右両側において、互いに噛み合うような態様で櫛歯状に形成されている。そのため、縦方向に関しては、電気回路上の第1列のアクチュエータと第2列のアクチュエータとが交互に配置されている。横方向に関しては、中継端子部21を介して、電気回路上の同一行且つ同一列のアクチュエータが並んでいる。
【0087】
駆動回路26から供給される信号は、実施形態1と同様である。第1アクチュエータ列20Aの走査電極13Aと第2アクチュエータ列20Bの走査電極13Bとには、走査信号が交互に印加される。そのため、両走査電極13A,13Bに走査信号が同時に印加されることはなく、第1アクチュエータ列20Aのアクチュエータと第2アクチュエータ列20Bのアクチュエータとが同時に作動することはない。したがって、隣接するアクチュエータ(ここでは、縦方向に隣り合うアクチュエータ)同士が同時に作動することがないので、クロストークの発生は抑制される。すなわち、隣接する一方のアクチュエータの作動の有無によって他方のアクチュエータのインク吐出量や速度が変動することは抑制される。
【0088】
図11に示すインクジェットヘッドは、電気回路的にn行2列のアクチュエータを備える一方、幾何学的に、ヘッド本体19の横方向の両端に2つの中継端子部21A,21Bをそれぞれ配置したものである。第1走査電極13A及び第2走査電極13Bは、それぞれ櫛歯状に形成され、互いに噛み合うような態様に配置されている。本インクジェットヘッドでは、電気回路上の同一行のアクチュエータは、縦方向に並んでいる。また、横方向に並ぶアクチュエータ同士は、電気回路上の同一列に属している。中継端子部21A,21Bから延びるリード線16は途中で分岐し、第1アクチュエータ列のアクチュエータ20の記録電極15と第2アクチュエータ列のアクチュエータ20の記録電極15とにそれぞれ接続されている。
【0089】
本インクジェットヘッドにおいても、隣接するアクチュエータ同士は同時に作動することがないので、クロストークの発生が抑制される。
【0090】
また、本インクジェットヘッドでは、アクチュエータの縦方向の配列密度に対して、中継端子部21A,21B上のリード線の配列密度は半分になっている。したがって、アクチュエータの密度が高くても、実装を容易に行うことができる。
【0091】
図12に示すインクジェットヘッドも、電気回路的にn行2列のアクチュエータを備える一方、幾何学的に、ヘッド本体19の横方向の両端に2つの中継端子部21A,21Bをそれぞれ配置したものである。第1走査電極13Aは、それぞれ櫛歯状に形成されて左右に配置された走査電極41A,42Aからなり、第2走査電極13Bは、それぞれ櫛歯状に形成されて左右に配置された走査電極41B,42Bからなっている。走査電極41Aと走査電極41Bとは、互いに噛み合うような態様に配置されている。また、走査電極42Aと走査電極42Bも、互いに噛み合うような態様に配置されている。
【0092】
本インクジェットヘッドにおいても、縦方向に関しては、第1列のアクチュエータと第2列のアクチュエータとが交互に配置されている。加えて、本インクジェットヘッドでは、横方向に関しても、第1列のアクチュエータと第2列のアクチュエータとが隣り合っている。すなわち、横方向に関しては、電気回路上は同一行に属し且つ異なる列に属するアクチュエータが並んでいる。
【0093】
本インクジェットヘッドでは、縦方向だけでなく横方向に隣り合うアクチュエータ同士も同時に作動することがないので、クロストークの発生をより一層抑制することができる。
【0094】
また、本インクジェットヘッドにおいても、アクチュエータの縦方向の配列密度に対して、中継端子部21A,21B上のリード線の配列密度は半分になっている。したがって、アクチュエータの密度が高くても、実装を容易に行うことができる。
【0095】
なお、本インクジェットヘッドでは、第1走査電極13Aのリード線25Aと第2走査電極13Bのリード線25Bとが共に第2中継端子部21Bに接続されているが、リード線25A及び25Bのいずれか一方又は両方を第1中継端子部21Aに接続することも勿論可能である。
【0096】
本実施形態によれば、クロストークの発生が抑制されるので、インクの吐出性能を更に向上させることができる。
【0097】
<実施形態5>
実施形態5に係るインクジェットヘッドは、実施形態1のインクジェットヘッドにおいて、アクチュエータ列の列ごとの特性に応じて記録信号又は走査信号に変更を加えたものである。
【0098】
インクジェットヘッドの構成によっては、列ごとにアクチュエータの変形量が異なったり、圧力室の体積が異なったりする場合などがある。また、列ごとに異なる種類のインクを使用する場合に、インクの特性(たとえば、粘度等)が列ごとに異なる場合がある。そのような場合、アクチュエータに与える信号を列ごとに調整することとすれば、列ごとのインクの吐出性能のばらつきを抑えることができる。逆に、積極的に列ごとに吐出量等を異ならせることとすれば、より多様な吐出制御を実現することが可能となる。
【0099】
例えば、第1列のアクチュエータの変形量が第2列のアクチュエータの変形量よりも大きい場合、両列のアクチュエータに与える駆動信号の電圧が同じであれば、第1列のアクチュエータの吐出量は第2列のアクチュエータの吐出量よりも多くなり、吐出性能にばらつきが生じる。しかし、両列のアクチュエータの変形量が等しくなるように、第1列のアクチュエータの印加電圧を第2列のアクチュエータの印加電圧よりも小さくすれば、吐出性能のばらつきを抑制することが可能となる。
【0100】
このように本実施形態は、各列ごとに、アクチュエータの駆動信号の電圧を異ならせたものである。
【0101】
本実施形態のインクジェットヘッドは、実施形態1と同様の構成を有している(図1〜図4参照)。ただし、本実施形態では、縦方向に並ぶ複数の圧力室10には同一種類のインクが貯留されているが、左側の圧力室10と右側の圧力室10とには、種類の異なるインクが貯留されている。
【0102】
図13(a)〜13(e)に示すように、両列に与えられる走査信号の電圧は等しいが、記録信号の電圧は、第1列の記録電極15と第2列の記録電極15とで異なっている。すなわち、第1列の記録電極15に供給されるパルスの電位はV1であり、第2列の記録電極15に供給されるパルスの電位はV2(<V1)である。その結果、第1列のアクチュエータに供給される駆動信号の電圧はV1となり、第2列のアクチュエータに供給される駆動信号の電圧はV2となる。この場合、第1列のアクチュエータの方が第2列のアクチュエータよりも変形量が大きくなる。したがって、例えば、第1列のインクの方が第2列のインクよりも吐出されにくい性質を有している場合に、このような信号を用いることにより、吐出量のばらつきを補正することができる。
【0103】
図14(a)〜14(e)に示すように、両列に与える記録信号の電圧を等しくする一方、第1列の走査信号の電圧を第2列の走査信号の電圧よりも大きくしてもよい。この場合にも、第1列の駆動信号の電圧は、第2列の駆動信号の電圧よりも大きくなる。
【0104】
なお、図示は省略するが、両列に与える記録信号及び走査信号の双方を異ならせることにより、両列の駆動信号の電圧に差を設けることも勿論可能である。
【0105】
本実施形態によれば、記録信号と走査信号とを組み合わせることによって駆動信号を構成し、列ごとに駆動信号の電圧を異ならせるようにしたので、駆動回路の構成を複雑化することなく、列ごとにアクチュエータの変形量や吐出性能を調整することができる。したがって、簡単な構成により、列ごとのインクの特性やアクチュエータの特性等に応じてアクチュエータを駆動することができる。
【0106】
<実施形態6>
実施形態5では、アクチュエータの列数が2列であった。しかし、アクチュエータ列数は2列に限らず、3列以上であってもよい。
【0107】
例えば、実施形態2のインクジェットヘッド(図7参照)のように、アクチュエータの列数は4列であってもよい。また、例えば図15に示すような4列のアクチュエータを備えるインクジェットヘッドであってもよい。このようなインクジェットヘッドにおいて、2種類の電位を有する記録信号と2種類の電位を有する走査信号とを適宜組み合わせることより、合計4段階の電圧の駆動信号を生成することも可能である。本実施形態は、4列のアクチュエータ列及び4列の圧力室を備えたものである。
【0108】
第1列〜第4列の圧力室には、異なる種類のインクが貯留されている。本実施形態では、各列の圧力室ごとに異なる色のインクが貯留され、ヘッド全体では合計4色のインクが貯留されている。つまり、本インクジェットヘッドは、カラー記録の可能なインクジェットヘッドである。
【0109】
図15に示すインクジェットヘッドでは、第1列〜第4列のアクチュエータ列20A〜20Dの走査電極13A〜13Dは、それぞれ縦方向に延びる平面視長方形状に形成されており、これら走査電極13A〜13Dは横方向に並んでいる。第1列のアクチュエータの記録電極15と第2列のアクチュエータの記録電極15とは互いに接続され、ヘッド本体19の左端部に設けられた第1中継端子部21Aにリード線16を介して接続されている。第3列のアクチュエータの記録電極15と第4列のアクチュエータの記録電極15とは互いに接続され、ヘッド本体19の右端部に設けられた第2接続端子部21Bにリード線16を介して接続されている。
【0110】
第1列のアクチュエータの走査電極13Aは、リード線25Aを介して第1中継端子部21Aに接続されている。第2列のアクチュエータの走査電極13Bは、リード線25Bを介して第2中継端子部21Bに接続されている。第3列のアクチュエータの走査電極13Cは、リード線25Cを介して第1中継端子部21Aに接続されている。第4列のアクチュエータの走査電極13Dは、リード線25Dを介して第2中継端子部21Bに接続されている。
【0111】
本実施形態では、アクチュエータには、図16(a)〜16(h)に示すような信号が供給される。すなわち、走査電極13A〜13Dは、第1列及び第3列がONとなり且つ第2列及び第4列がOFFとなる状態と、第1列及び第3列がOFFとなり且つ第2列及び第4列がONとなる状態とが交互に繰り返される。
【0112】
第1列及び第2列用の走査信号は、電位が一定(=0)の信号である。一方、第3列及び第4列用の走査信号は、周期Tで繰り返される電位V(≠0)のパルス信号である。
【0113】
記録信号は、第1電位V1の第1パルスと第2電位V2(<V1)の第2パルスとからなり、これら第1パルスと第2パルスとが走査電極のON/OFFに同期して交互に繰り返される。
【0114】
このような走査信号と記録信号との組み合わせにより、第1列、第2列、第3列、第4列のアクチュエータの駆動信号の電圧は、それぞれV1、V2、V+V1、V+V2となる。
【0115】
本実施形態では、2種類の電位を有する記録信号と2種類の電位を有する走査信号とを適宜組み合わせることより、合計4段階の電圧の駆動信号を生成している。本実施形態においても、駆動回路の構成を複雑化することなく、列ごとのインクの特性やアクチュエータの特性等に応じて、アクチュエータを駆動することができる。
【0116】
本実施形態によれば、列ごとのアクチュエータの特性に応じて、駆動信号の電圧を列ごとに調整することができる。したがって、列ごとの吐出性能に応じて駆動信号を補正することができ、吐出性能のばらつきを抑制することができる。また、列ごとに吐出特性を変更することができ、より高度な吐出制御を実現することが可能となる。
【0117】
変形例として、実施形態3のインクジェットヘッド(図9(b)参照)に前記駆動信号を適用してもよい。本例においては、第1アクチュエータ列20Aに対応する圧力室にはブラック色(BK)の顔料インクが貯留され、第2アクチュエータ列20Bに対応する圧力室にはシアン色(C)の染料インクが貯留され、第3アクチュエータ列20Cに対応する圧力室にはマゼンタ色(M)の染料インクが貯留され、第4アクチュエータ列20Dに対応する圧力室にはイエロー色(Y)の染料インクが貯留されている。すなわち、同一のヘッドにおいて、顔料インクと染料インクとが同時に使用される。
【0118】
顔料インクと染料インクとは、記録媒体に対する染み込みやすさが異なる。そのため、例えば記録媒体として紙を用いた場合、吐出されるインク滴の液滴量が同じであったとしても、記録紙上に形成されるインクドットのドット径は、顔料インクの方が染料インクよりも小さくなる。したがって、各色のドット径を揃えるためには、ブラック色のインクの液滴量を他の色のインクの液滴量よりも多くする必要がある。
【0119】
しかし、本実施形態によれば、走査信号と記録信号との組み合わせを調整することにより、アクチュエータ列ごとに駆動信号を容易に変更することができる。したがって、ブラック色のインクの液滴量を他の色のインクよりも多くすることは容易である。
【0120】
図17に示すインクジェットヘッドは、インク吐出量の異なる2列のアクチュエータ列を各色ごとに備えたものである。このインクジェットヘッドでは、ブラック(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインクを吐出するアクチュエータは、それぞれ第1アクチュエータ列120と第2アクチュエータ列220とからなっている。中継端子部121は各色ごとに設けられており、第1アクチュエータ列120と第2アクチュエータ列220との間に配置されている。
【0121】
第1アクチュエータ列120に対応する圧力室115と第2アクチュエータ列220に対応する圧力室215とは、容積が異なっている。ここでは、圧力室115は圧力室215よりも容積が大きい。なお、アクチュエータに関しても、列ごとに大きさが異なっている。
【0122】
このように、圧力室の容積が異なる場合には、アクチュエータの振動系(インクも含めた全体の振動系)の固有周波数は列ごとに異なった値となる。そのため、同一の駆動信号を供給したのでは、良好な吐出性能を得ることは難しい。しかし、本実施形態によれば、走査信号と記録信号との組み合わせを調整することにより、アクチュエータ列ごとに駆動信号を容易に変更することができる。したがって、アクチュエータ列ごとに圧力室の容積が異なっていても、両アクチュエータ列の吐出性能が同じになるように駆動信号を調整することは比較的容易である。
【0123】
なお、上記の実施形態は圧力室及びアクチュエータの両方の寸法が列ごとに異なっている形態であったが、圧力室のみ又はアクチュエータのみが列ごとに異なっていてもよい。このような場合であっても、両アクチュエータ列の吐出性能が同じになるように駆動信号を調整することは容易である。
【0124】
<実施形態7>
実施形態7は、実施形態1において駆動信号に変更を加えたものである。図18(a)〜18(d)に示すように、実施形態7に係る駆動信号は、インクを吐出する吐出パルス信号P1とインクを吐出しない補助パルス信号P2とにより構成されている。
【0125】
補助パルス信号P2は、インクを吐出させない程度にアクチュエータを変形させる信号であり、インク吐出後のノズル内のメニスカス振動の低減や、ノズル内のインクの粘度上昇の防止などを目的とするものである。吐出パルス信号P1は、複数の周期のうちインクを吐出する特定周期内でのみ印加されるが、補助パルス信号P2は、インク吐出の有無に拘わらず常に印加される信号である。
【0126】
例えば図18(a)〜18(d)に示す駆動信号によれば、第1列のアクチュエータに走査信号が印加される第1周期及び第3周期のうち、インクを吐出する第1周期では吐出パルス信号P1及び補助パルス信号P2が印加され、インクを吐出しない第3周期では、補助パルス信号P2のみが印加されている。
【0127】
このような駆動信号の生成については、図18(a)〜18(d)に示すように、走査信号を一定電位の信号としつつ、記録信号に吐出パルス信号P1及び補助パルス信号P2を含めるようにしてもよい。
【0128】
図19(a)〜19(d)に示すように、吐出パルス信号P1の電圧をアクチュエータ列ごとに異なる値にしてもよい。
【0129】
図20(a)〜20(e)に示すように、吐出パルス信号P1を記録信号に含め、補助パルス信号P2を走査信号に含めるようにしてもよい。このような記録信号と走査信号とが重ね合わされることにより、所定の駆動信号を得ることができる。なお、第1列のアクチュエータには補助パルス信号P2を供給する一方、第2列のアクチュエータには補助パルス信号P2を供給しないようにすることも可能である。
【0130】
この場合にも、図21(a)〜21(e)に示すように、吐出パルス信号P1の電圧をアクチュエータ列ごとに異なる値にしてもよい。
【0131】
図22(a)〜22(d)に示すように、駆動信号の補助パルス信号P2の電位を、アクチュエータの列ごとに変化させてもよい。このように、補助パルス信号P2の電位を列ごとに設定することにより、各列のアクチュエータ又はインクの特性に応じて、アクチュエータの変形量を変化させることができる。したがって、例えば、インク粘度の高い列に対しては補助パルス信号P2の電位を大きくし、逆に、インク粘度の低い列に対しては補助パルス信号P2の電位を小さくすること等により、インク粘度に応じてインクの撹拌量を自由に設定することが可能となる。
【0132】
ところで一般に、インクの吐出動作開始時には、ノズル内のインクが乾燥している場合があり、インクの吐出不良を生じやすい。そこで、図23(a)〜23(b)に示すように、インクジェットヘッドがインク吐出動作を開始する前に、すべてのアクチュエータに対して予備振動パルス信号P3を印加するようにしてもよい。このことにより、各ノズルにおいて予めインクの撹拌が行われ、ノズル内のインクの粘度上昇が防止される。したがって、インクの吐出不良を防止することができる。
【0133】
<実施形態8>
実施形態8に係るインクジェットヘッドは、いわゆる多階調記録を実行するインクジェットヘッドであり、小径及び大径のインク滴を選択的に吐出するものである。
【0134】
図24(a)〜24(b)に示すように、記録信号は、単一のパルスからなる第1パルス信号P11と、複数のパルスからなるパルス信号P12とにより構成されている。パルス信号P12は、第1パルス信号P11の後に印加される。本実施形態では、図示は省略するが、第1パルス信号P11のみが印加されると小径のインク滴が吐出され、パルス信号P12のみが印加されると大径のインク滴が吐出される。
【0135】
大径のインク滴を吐出した後は、インクメニスカスの残留振動は比較的大きくなる。そのため、従来は、大径のインク滴を吐出した後に小径のインク滴を吐出しようとすると、残留振動による影響を受け、吐出性能が不安定になるおそれがあった。
【0136】
しかし、本実施形態では、各列のアクチュエータには走査信号が交互に印加されるので、各列のアクチュエータには、駆動信号は一周期おきに印加される。そのため、ある周期(例えば第1周期)において大径のインク滴を吐出したとしても、次の周期(第2周期)ではアクチュエータは駆動されないので、更に次の周期(第3周期)で小径のインク滴を吐出したとしても、小径のインク滴を吐出する際には残留振動による影響は十分に抑制されている。したがって、駆動周波数を特に低減させなくても、残留振動による悪影響を抑制することが可能となる。
【0137】
<実施形態9>
前記各実施形態では、横方向に隣り合うアクチュエータ同士が縦方向に関して揃った位置に設けられていたが、横方向に隣り合うアクチュエータ同士を縦方向にずらして配置してもよい。
【0138】
例えば、図25に示すように、第1アクチュエータ列20Aのアクチュエータと第2アクチュエータ列20Bのアクチュエータとを、縦方向に半ピッチずつずらして配置してもよい。この場合、アクチュエータは千鳥状に配列されることになる。
【0139】
第1アクチュエータ列20A及び第2アクチュエータ列20Bに供給する駆動信号は、実施形態1で説明した駆動信号であってもよく、実施形態5で説明した駆動信号であってもよい。
【0140】
また、3又は4列以上のアクチュエータ列において、アクチュエータを千鳥状に配列してもよい。
【0141】
また、縦n個×横m個のアクチュエータについて、n個のアクチュエータからなるm列の縦アクチュエータ列を、隣り合う縦アクチュエータ列のアクチュエータ同士が1/mピッチずつずれるように配置してもよい。
【0142】
このように、本発明に係るインクジェットヘッドでは、縦n個×横m個のアクチュエータの配置態様を適宜変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット式プリンタの要部の斜視図である。
【図2】実施形態1に係るインクジェットヘッドの平面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】(a)〜(e)は、実施形態1に係る信号の波形図である。
【図6】比較例に係るインクジェットヘッドの平面図である。
【図7】実施形態2に係るインクジェットヘッドの平面図である。
【図8】(a)〜(g)は、実施形態2に係る信号の波形図である。
【図9】(a)は実施形態3の比較例に係るインクジェットヘッドの裏面図であり、(b)は実施形態3に係るインクジェットヘッドの裏面図である。
【図10】実施形態4に係るインクジェットヘッドの平面図である。
【図11】実施形態4に係るインクジェットヘッドの平面図である。
【図12】実施形態4に係るインクジェットヘッドの平面図である。
【図13】(a)〜(e)は、実施形態5に係る信号の波形図である。
【図14】(a)〜(e)は、実施形態5に係る信号の波形図である。
【図15】実施形態6に係るインクジェットヘッドの平面図である。
【図16】(a)〜(h)は、実施形態6に係る信号の波形図である。
【図17】実施形態6に係るインクジェットヘッドの平面図である。
【図18】(a)〜(d)は、実施形態7に係る信号の波形図である。
【図19】(a)〜(d)は、実施形態7に係る信号の波形図である。
【図20】(a)〜(e)は、実施形態7に係る信号の波形図である。
【図21】(a)〜(e)は、実施形態7に係る信号の波形図である。
【図22】(a)〜(d)は、実施形態7に係る信号の波形図である。
【図23】(a)〜(b)は、実施形態7に係る信号の波形図である。
【図24】(a)〜(b)は、実施形態8に係る信号の波形図である。
【図25】実施形態9に係るインクジェットヘッドの平面図である。
【符号の説明】
10 圧力室
11 インク流路基板
12 振動板
13 走査電極
14 圧電体
15 記録電極
16 リード線
17 ノズル
18 ノズルプレート
19 ヘッド本体部
20 アクチュエータ
21 中継端子部
22 FPC
26 駆動回路
30 インクジェットヘッド
31 プリンタ

Claims (21)

  1. 複数のノズルと、インクを貯留し且つ該各ノズルとそれぞれ連通する複数の圧力室とが設けられたヘッド本体と、
    前記圧力室に対応して設けられ、圧電体と、該圧電体の一方の側に設けられた走査電極と、該圧電体の他方の側に設けられた記録電極とをそれぞれ有するアクチュエータであって、電気回路的にn行×m列(ただし、n,mは2以上の自然数。)設けられ、各行の記録電極同士及び各列の走査電極同士がそれぞれ導通されているアクチュエータと、
    前記走査電極に対し走査信号を列ごとに供給する一方、各行の記録電極に対し記録信号を前記走査信号に同期させて供給する駆動回路とを備えるインクジェットヘッドであって、
    前記アクチュエータは、前記ヘッド本体上において幾何学的に縦n個×横m個に配列され、
    前記ヘッド本体上におけるアクチュエータの縦列の少なくとも一つの列間に、前記駆動回路から前記記録電極及び前記走査電極への信号を中継する縦方向に延びる中継端子部が設けられ、
    前記中継端子部と前記記録電極、及び前記中継端子部と前記走査電極は、横方向に延びるリード線によってそれぞれ接続されているインクジェットヘッド。
  2. 請求項1に記載のインクジェットヘッドであって、
    mは偶数であり、
    中継端子部は、アクチュエータの中央の列間に設けられているインクジェットヘッド。
  3. 複数のノズルと、インクを貯留し且つ該各ノズルとそれぞれ連通する複数の圧力室とが設けられたヘッド本体と、
    前記圧力室に対応して設けられ、圧電体と、該圧電体の一方の側に設けられた走査電極と、該圧電体の他方の側に設けられた記録電極とをそれぞれ有するアクチュエータであって、電気回路的にn行×m列(ただし、n,mは2以上の自然数。)設けられ、各行の記録電極同士及び各列の走査電極同士がそれぞれ導通されているアクチュエータと、
    前記走査電極に対し走査信号を列ごとに供給する一方、各行の記録電極に対し記録信号を前記走査信号に同期させて供給する駆動回路とを備えるインクジェットヘッドであって、
    前記アクチュエータは、前記ヘッド本体上において幾何学的に縦n個×横m個に配列され、
    前記ヘッド本体上におけるアクチュエータの配列領域の左右両側に、前記駆動回路から前記記録電極及び前記走査電極への信号を中継する縦方向に延びる第1及び第2の中継端子部がそれぞれ設けられ、
    前記両中継端子部と前記記録電極、及び前記両中継端子部と前記走査電極は、横方向に延びるリード線によってそれぞれ接続されているインクジェットヘッド。
  4. 請求項3に記載のインクジェットヘッドであって、
    mは偶数であり、
    左側のアクチュエータの記録電極及び走査電極は、第1中継端子部に接続され、
    右側のアクチュエータの記録電極及び走査電極は、第2中継端子部に接続されているインクジェットヘッド。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載のインクジェットヘッドであって、
    異なる縦列に属するアクチュエータ同士において、時定数の差が0.1μs以下に設定されているインクジェットヘッド。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載のインクジェットヘッドであって、
    幾何学的に縦p番目且つ横q番目(ただし、pは1〜nの任意の自然数。qは1〜mの任意の自然数。)に位置するアクチュエータは、電気回路的にp行q列目に位置しているインクジェットヘッド。
  7. 請求項1〜5のいずれか一つに記載のインクジェットヘッドであって、
    幾何学的に縦方向に隣り合うアクチュエータ同士は、電気回路的に異なる列に属しているインクジェットヘッド。
  8. 請求項1〜5のいずれか一つに記載のインクジェットヘッドであって、
    幾何学的に横方向に隣り合うアクチュエータ同士は、電気回路的に異なる列に属しているインクジェットヘッド。
  9. 請求項1〜5のいずれか一つに記載のインクジェットヘッドであって、
    幾何学的に縦方向に隣り合うアクチュエータ同士及び横方向に隣り合うアクチュエータ同士は、電気回路的に異なる列に属しているインクジェットヘッド。
  10. 請求項1〜9のいずれか一つに記載のインクジェットヘッドであって、
    前記記録信号と前記走査信号との組み合わせからなる駆動信号の電圧が、少なくとも2列以上のアクチュエータ列で互いに異なっているインクジェットヘッド。
  11. 請求項10に記載のインクジェットヘッドであって、
    走査信号の電圧は、各列のアクチュエータ列で互いに等しく、
    記録信号の電圧は、少なくとも2列以上のアクチュエータ列で互いに異なっているインクジェットヘッド。
  12. 請求項10に記載のインクジェットヘッドであって、
    記録信号の電圧は、各列のアクチュエータ列で互いに等しく、
    走査信号の電圧は、少なくとも2列以上のアクチュエータ列で互いに異なっているインクジェットヘッド。
  13. 請求項10に記載のインクジェットヘッドであって、
    走査信号の電圧は、少なくとも2列以上のアクチュエータ列で互いに異なり、記録信号の電圧は、少なくとも2列以上のアクチュエータ列で互いに異なっているインクジェットヘッド。
  14. 請求項1〜13のいずれか一つに記載のインクジェットヘッドであって、
    前記記録信号と前記走査信号との組み合わせからなる駆動信号は、インクを吐出するときには、インクを吐出するようにアクチュエータを駆動する吐出パルス信号とインクを吐出しない程度にアクチュエータを駆動する補助パルス信号とからなり、インクを吐出しないときには、インクを吐出しない程度にアクチュエータを駆動する補助パルス信号からなるインクジェットヘッド。
  15. 請求項14に記載のインクジェットヘッドであって、
    補助パルス信号の電圧は、少なくとも2列以上のアクチュエータ列で互いに異なっているインクジェットヘッド。
  16. 請求項14又は15に記載のインクジェットヘッドであって、
    吐出パルス信号は、前記記録信号に含まれ、
    補助パルス信号は、前記走査信号に含まれているインクジェットヘッド。
  17. 請求項1〜16のいずれか一つに記載のインクジェットヘッドであって、
    駆動回路は、記録動作に先立って、すべてのアクチュエータに対して、インクを吐出しない程度にアクチュエータを駆動する予備パルス信号を供給するように構成されているインクジェットヘッド。
  18. 請求項1〜17のいずれか一つに記載のインクジェットヘッドであって、
    前記記録信号と前記走査信号との組み合わせからなる駆動信号は、小径のインク滴を吐出するときには第1のパルス信号からなり、大径のインク滴を吐出するときには、前記第1パルス信号の後に生成される2以上のパルス信号からなるインクジェットヘッド。
  19. 請求項1〜18のいずれか一つに記載のインクジェットヘッドであって、
    ヘッド本体上における縦n個×横m個のアクチュエータの幾何学的な配列態様を、それぞれ縦方向にn個のアクチュエータが並んでなるm列の縦列のうち、少なくとも横方向に隣り合う縦列のアクチュエータ同士を縦方向にずらしてなるインクジェットヘッド。
  20. 請求項19に記載のインクジェットヘッドであって、
    ヘッド本体上においてアクチュエータは幾何学的に千鳥状に配列されているインクジェットヘッド。
  21. 請求項1〜20のいずれか一つに記載のインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッドと記録媒体とを相対移動させる移動手段とを備えるインクジェット式記録装置。
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