JP3433966B2 - 半導体回路の作製方法 - Google Patents

半導体回路の作製方法

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JP3433966B2
JP3433966B2 JP07900393A JP7900393A JP3433966B2 JP 3433966 B2 JP3433966 B2 JP 3433966B2 JP 07900393 A JP07900393 A JP 07900393A JP 7900393 A JP7900393 A JP 7900393A JP 3433966 B2 JP3433966 B2 JP 3433966B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜トランジスタ(T
FT)、薄膜ダイオード等の薄膜状の半導体素子を複数
個有する半導体回路およびその作製方法に関するもので
ある。特に本発明は、結晶性の半導体材料を用いる薄膜
トランジスタ素子と、アモルファス状態の半導体材料を
用いる薄膜ダイオード素子を組み合わせた半導体回路
(例えば、集積化イメージセンサー回路)およびその作
製方法に関する。本発明によって作製される半導体回路
は、ガラス等の絶縁基板上、単結晶シリコン等の半導体
基板上、いずれにも形成される。
【0002】
【従来の技術】薄膜トランジスタ、薄膜ダイオード等の
薄膜半導体素子は、使用されるシリコンの種類によっ
て、アモルファス系素子と結晶系素子に分かれていた。
アモルファスシリコンは電界効果移動度や導電率等の物
性で結晶性シリコンに劣るので、高い動作特性を得るに
は結晶系の半導体素子が求められていた。一方、アモル
ファス半導体は、一般に光導電率の変化が大きいので光
センサー等に使用できることが知られていた。そして、
最近では、アモルファスシリコンダイオードを用いた光
センサーを、高速動作が可能な結晶系シリコンを用いた
薄膜トランジスタによって駆動する回路(例えば、集積
化イメージセンサー回路)が提唱されている。
【0003】
【発明が解決しようする課題】従来のアモルファスシリ
コンダイオードと結晶シリコンTFTを組み合わせた回
路の作製手順の例を図4に示す。ガラス基板60上に下
地絶縁膜61を形成し、その上にアモルファスシリコン
膜を形成して、これを600℃以上の温度で長時間アニ
ールすることにより結晶化させ、パターニングして島状
シリコン領域62を得る。そして、ゲイト絶縁膜63を
形成し、さらに、ゲイト電極64N、64Pを形成す
る。(図4(A))
【0004】そして、公知のCMOS作製技術を使用し
てN型不純物領域65NとP型不純物領域65Pを形成
する。この不純物導入工程においてはゲイト電極に対し
て自己整合的に不純物が導入される。不純物注入後は、
レーザーアニール、熱アニール等の手段で不純物の活性
化がおこなわれる。(図4(B))
【0005】次に、第1の層間絶縁物66を形成して、
これにコンタクトホールを形成し、TFTのソース、ド
レインに電極・配線67a、67b、67cおよびアモ
ルファスシリコンダイオードの電極67dが形成され
る。(図4(C)) 次に、P型、I型(真性)、N型のアモルファスシリコ
ン膜68P、68I、68Nを順次積層して、これをパ
ターニングし、ダイオードの接合部を形成する。(図4
(D))
【0006】最後に、第2の層間絶縁物69を形成し、
これにコンタクトホールを形成して、アモルファスシリ
コンダイオードの電極70を形成して、回路が完成す
る。(図4(E))
【0007】このような手順を要する従来の方法では、
長時間の成膜が要求される(厚い)I層シリコン膜およ
び層間絶縁物がそれぞれ2層も必要であるので、スルー
プットが低下するという問題点を抱えていた。しかも、
これらの成膜において使用されるプラズマCVD法、減
圧CVD法では、メンテナンスのための装置のデッドタ
イムが大きく、これらの工程が余分に存在することは一
層のスループット低下をもたらす。
【0008】また、結晶シリコンTFTに用いるシリコ
ン膜の結晶化をおこなうにも600℃以上の温度が必要
であり、かつ、その結晶化に24時間以上の長い時間が
必要であったので、実際に量産する場合には、結晶化装
置の設備がいくつも必要とされ、巨額の設備投資がコス
トに跳ね返ってくるという問題を抱えていた。本発明
は、結晶シリコンTFTに用いるシリコン膜とアモルフ
ァスシリコンダイオードに用いるシリコン膜とを同時に
形成し、かつ、層間絶縁物も1層のみとすることによっ
て、上記の問題点を克服し、また、600℃以下の温度
で、かつ、実質的に問題にならない程度の短時間でシリ
コン膜の結晶化をおこなう技術を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究の結果、
実質的にアモルファス状態のシリコン被膜に微量の触媒
材料を添加することによって結晶化を促進させ、結晶化
温度を低下させ、結晶化時間を短縮できることが明らか
になった。触媒材料としては、ニッケル(Ni)、鉄
(Fe)、コバルト(Co)、白金(Pt)の単体、も
しくはそれらの珪化物等の化合物が適している。具体的
には、これらの元素を有する膜、粒子、クラスター等を
アモルファスシリコン膜の下、もしくは上に密着して形
成し、あるいはイオン注入法等の方法によってアモルフ
ァスシリコン膜中にこれらの元素を導入し、その後、こ
れを適当な温度、典型的には580℃以下の温度で熱ア
ニールすることによって結晶化させることができる。
【0010】さらに化学的気相成長法(CVD法)によ
ってアモルファスシリコン膜を形成する際には原料ガス
中に、また、スパッタリング等の物理的気相法でアモル
ファスシリコン膜を形成する際には、ターゲットや蒸着
源等の成膜材料中に、これらの触媒材料を添加しておい
てもよい。当然のことであるが、アニール温度が高いほ
ど結晶化時間は短いという関係がある。また、ニッケ
ル、鉄、コバルト、白金の濃度が大きいほど結晶化温度
が低く、結晶化時間が短いという関係がある。本発明人
の研究では、これらのうちの少なくとも1つの元素の濃
度が1×1017cm-3以上存在することが望ましいこと
がわかった。
【0011】なお、上記触媒材料はいずれもシリコンに
とっては好ましくない材料であるので、できるだけその
濃度が低いことが望まれる。本発明人の研究では、これ
らの触媒材料の濃度は合計して1×1020cm-3を越え
ないことが望まれる。
【0012】さらに、注目すべき事柄は、このような触
媒材料の存在しない領域では、全く結晶化を進行させる
ことなく、アモルファス状態を維持できることである。
例えば、通常、このような触媒材料を有しないアモルフ
ァスシリコンの結晶化は600℃以上の温度で開始され
るが、580℃以下では全く進行しない。ただし、30
0℃以上の雰囲気ではアモルファスシリコン中のダング
リングボンドを中和するのに必要な水素が離脱するの
で、良好な光感度を得るにはアニールは水素雰囲気でお
こなわれることが望まれる。
【0013】本発明では、上記の触媒材料による結晶化
の特徴を生かして、1層のアモルファスシリコン膜を形
成して、一部を選択的に結晶化させて、結晶シリコンT
FTに用い、アモルファス状態の部分をアモルファスシ
リコンダイオードとして用いることを特徴とする。この
結果、例えば、従来であればTFTのソース、ドレイン
電極と同じ層内に存在していたアモルファスシリコンダ
イオードの下方電極(図4中の67dに対応)を、TF
Tのゲイト電極よりも下層の配線で形成することが可能
となるので、層間絶縁物も1層のみでよい。以下に実施
例を用いて、より詳細に本発明を説明する。
【0014】
【実施例】〔実施例1〕 図1に本実施例の作製工程の
断面図を示す。まず、基板(コーニング7059)10
上にスパッタリング法によって厚さ2000Åの酸化珪
素の下地膜11を形成した。さらに、タンタル、モリブ
テン、チタン、タングステン等の比較的耐熱性に優れた
金属によって、アモルファスシリコンダイオードの電極
12を形成した。そして、厚さ100〜500Å、例え
ば200Åの燐をドープされたN型のアモルファスシリ
コン膜13NをプラズマCVD法によって成膜し、これ
をパターニングした。続いて、プラズマCVD法によっ
て、厚さ500〜1500Å、例えば1500Åの真性
(I型)のアモルファスシリコン膜13Iを堆積した。
連続して、スパッタリング法によって、厚さ5〜200
Å、例えば20Åの珪化ニッケル膜(化学式NiS
x 、0.4≦x≦2.5、例えば、x=2.0)14
を図に示すように選択的に形成した。(図1(A))
【0015】そして、これを水素還元雰囲気下(好まし
くは、水素の分圧が0.1〜1気圧)、500℃で4時
間アニールして結晶化させた。この結果、珪化ニッケル
膜14の下方のアモルファスシリコン膜は結晶化して結
晶シリコン膜13aとなった。一方、珪化ニッケル膜の
存在しなかった領域のシリコン膜はアモルファス状態の
まま(13b)であった。その後、リフトオフ法によっ
て、選択的に厚さ100〜500Å、例えば200Åの
ホウ素のドープされたP型アモルファスシリコン膜13
Pを形成した。(図1(B))
【0016】次に得られたシリコン膜をフォトリソグラ
フィー法によってパターニングし、島状シリコン領域を
形成した。さらに、スパッタリング法によって厚さ10
00Åの酸化珪素膜15 をゲイト絶縁膜として堆積し
た。スパッタリングには、ターゲットとして酸化珪素を
用い、スパッタリング時の基板温度は200〜400
℃、例えば350℃、スパッタリング雰囲気は酸素とア
ルゴンで、アルゴン/酸素=0〜0.5、例えば0.1
以下とした。引き続いて、減圧CVD法によって、厚さ
6000〜8000Å、例えば6000Åのシリコン膜
(0.1〜2%の燐を含む)を堆積した。なお、この酸
化珪素とシリコン膜の成膜工程は連続的におこなうこと
が望ましい。そして、シリコン膜をパターニングして、
ゲイト電極16N、16Pを形成した。(図1(C))
【0017】次に、プラズマドーピング法によって、シ
リコン領域にゲイト電極をマスクとして不純物(燐およ
びホウ素)を注入した。ドーピングガスとして、フォス
フィン(PH3 )およびジボラン(B2 6 )を用い、
前者の場合は、加速電圧を60〜90kV、例えば80
kV、後者の場合は、40〜80kV、例えば65kV
とした。ドース量は1×1015〜8×1015cm-2、例
えば、燐を2×1015cm-2、ホウ素を5×1015とし
た。この結果、N型の不純物領域17N、P型の不純物
領域17Pが形成された。なお、この不純物導入の際に
は、アモルファスシリコンダイオードには不純物が注入
されないようにマスクすることが必要である。(図1
(D))
【0018】その後、水素還元雰囲気中、500℃で4
時間アニールすることによって、不純物を活性化させ
た。このとき、先に結晶化された領域14a(17Nお
よび17Pを含む)にはニッケルが拡散しているので、
このアニールによって再結晶化が容易に進行し、不純物
領域17N、17Pが活性化した。一方、アモルファス
シリコンダイオードの領域のシリコン中にはニッケルが
存在しないので結晶化しなかった。続いて、厚さ600
0Åの酸化珪素膜18を層間絶縁物としてプラズマCV
D法によって形成し、これにコンタクトホールを形成し
て、金属材料、例えば、窒化チタンとアルミニウムの多
層膜によってTFTの電極・配線19a、19b、19
c、ダイオードの電極・配線19d、19eを形成し
た。最後に、1気圧の水素雰囲気で350℃、30分の
アニールをおこなった。以上の工程によって半導体回路
が完成した。(図1(E))
【0019】本工程では、図から明らかなようにシリコ
ン膜(ただし、N型シリコン層、P型シリコン層を除
く)、層間絶縁物を共に1層とすることができた。その
結果、成膜プロセスは大きく削減された。また、TFT
の活性領域およびダイオードのI層のニッケルの濃度を
2次イオン質量分析(SIMS)法によって測定したと
ころ、前者は1×1018〜5×1018cm-3、後者は測
定限界(1×1016cm-3)以下であった。
【0020】〔実施例2〕 図2に本実施例の作製工程
の断面図を示す。基板(コーニング7059)20上に
スパッタリングによって厚さ2000Åの酸化珪素の下
地膜21を形成した。さらに、厚さ500〜2000
Å、例えば1000Åのクロム被膜および厚さ100〜
500ÅのN型のアモルファスシリコン被膜を堆積し、
これをパターニングして、ダイオードの電極22および
N層23Nを形成した。さらに、プラズマCVD法によ
って、厚さ500〜1500Å、例えば1500Åのア
モルファスシリコン膜24を堆積した。そして、アモル
ファスシリコン膜24をフォトレジスト25でマスクし
て、イオン注入法によって選択的にニッケルイオンを注
入し、ニッケルが1×1018〜2×1019cm-3、例え
ば、5×1018cm-3だけ含まれるような領域26を作
製した。
【0021】この領域26の深さは200〜1500Å
とし、加速エネルギーはそれに合わせて最適なものを選
択した。また、TFTにおいてチャネル形成領域となる
べき領域にはニッケルが注入されないようにした。ただ
し、チャネル長は20μm以下、好ましくは10μm以
下とした。それ以上のチャネル長ではチャネル形成領域
全体を結晶化させることができなかった。(図2
(A))
【0022】そして、これを0.1〜1気圧の水素雰囲
気下、550℃で8時間アニールして結晶化させた。こ
の結晶化工程によって、ニッケルの注入された領域はも
ちろん、その領域に挟まれた領域やその周囲(図2
(B)において24aで示す)も結晶化した。550
℃、8時間のアニールでは横方向に約10μmの結晶化
が進行した。一方、ニッケルが注入されなかった領域2
4bはアモルファス状態のままであった。結晶化工程
後、リフトオフ法によって、100〜500Å、例えば
200ÅのP型のアモルファスシリコン膜23Pおよび
その上に密着して、厚さ500〜1000Å、例えば8
00Åのインジウム錫酸化膜(ITO)27を形成し
た。(図2(B))
【0023】その後、このシリコン膜24をパターニン
グして、島状シリコン領域28を形成した。さらに、テ
トラ・エトキシ・シラン(Si(OC2 5 4 、TE
OS)と酸素を原料として、プラズマCVD法によって
ゲイト絶縁膜として、厚さ1000Åの酸化珪素29を
形成した。原料には、上記ガスに加えて、トリクロロエ
チレン(C2 HCl3 )を用いた。成膜前にチャンバー
に酸素を400SCCM流し、基板温度300℃、全圧
5Pa、RFパワー150Wでプラズマを発生させ、こ
の状態を10分保った。その後、チャンバーに酸素30
0SCCM、TEOSを15SCCM、トリクロロエチ
レンを2SCCMを導入して、酸化珪素膜の成膜をおこ
なった。基板温度、RFパワー、全圧は、それぞれ30
0℃、75W、5Paであった。成膜完了後、チャンバ
ーに100Torrの水素を導入し、350℃で35分
の水素アニールをおこなった。
【0024】引き続いて、スパッタリング法によって、
厚さ6000〜8000Å、例えば6000Åのアルミ
ニウム膜(2%のシリコンを含む)を堆積した。なお、
この酸化珪素29とアルミニウム膜の成膜工程は連続的
におこなうことが望ましい。そして、アルミニウム膜を
パターニングして、TFTのゲイト電極30N、30P
を形成した。さらに、このアルミニウム配線の表面を陽
極酸化して、表面に酸化物層31N、31Pを形成し
た。陽極酸化は、酒石酸の1〜5%エチレングリコール
溶液中でおこなった。得られた酸化物層の厚さは200
0Åであった。(図2(C))
【0025】次に、プラズマドーピング法によって、シ
リコン領域に不純物(燐)を注入した。ドーピングガス
として、フォスフィン(PH3 )を用い、加速電圧を6
0〜90kV、例えば80kVとした。ドース量は1×
1015〜8×1015cm-2、例えば、2×1015cm-2
とした。このようにしてN型の不純物領域33Nを形成
した。さらに、今度は左側のTFT(Nチャネル型TF
T)のみをフォトレジストでマスクして、再び、プラズ
マドーピング法で右側のTFT(PチャネルTFT)の
シリコン領域に不純物(ホウ素)を注入した。ドーピン
グガスとして、ジボラン(B2 6 )を用い、加速電圧
を50〜80kV、例えば65kVとした。ドース量は
1×1015〜8×1015cm-2、例えば、先に注入され
た燐より多い5×1015cm-2とした。このようにして
P型の不純物領域33Pを形成した。実施例1と同様、
この不純物ドーピングの際に、ダイオード領域に不純物
が注入されることは好ましくないので、マスクしておく
ことが必要である。
【0026】その後、レーザーアニール法によって不純
物の活性化をおこなった。レーザーとしてはKrFエキ
シマーレーザー(波長248nm、パルス幅20nse
c)を用いたが、その他のレーザー、例えば、XeFエ
キシマーレーザー(波長353nm)、XeClエキシ
マーレーザー(波長308nm)、ArFエキシマーレ
ーザー(波長193nm)等を用いてもよい。レーザー
のエネルギー密度は、200〜400mJ/cm2 、例
えば250mJ/cm2 とし、1か所につき2〜10シ
ョット、例えば2ショット照射した。レーザー照射時
に、基板を200〜450℃程度に加熱してもよい。基
板を加熱した場合には最適なレーザーエネルギー密度が
変わることに注意しなければならない。なお、レーザー
照射時にはダイオード領域がレーザーによって結晶化す
るのを防止するためにフォトレジストのマスク32によ
ってダイオード領域をマスクした。この結果、不純物領
域33N、33Pが活性化された。(図2(D))
【0027】続いて、層間絶縁物として厚さ2000Å
の酸化珪素膜34をTEOSを原料とするプラズマCV
D法によって形成し、これにコンタクトホールを形成し
て、金属材料、例えば、窒化チタンとアルミニウムの多
層膜によってTFTのソース、ドレイン電極・配線35
a、35b、35cおよびダイオードの電極・配線35
dを形成した。以上の工程によって半導体回路が完成し
た。(図2(E))
【0028】作製されたTFTの特性は従来の600℃
のアニールによって結晶化する工程によって作製された
ものとは何ら劣るところはなかった。例えば、本実施例
によって作成したシフトレジスタは、ドレイン電圧15
Vで11MHz、17Vで16MHzの動作を確認でき
た。また、信頼性の試験においても従来のものとの差を
見出せなかった。
【0029】〔実施例3〕 図3に本実施例の作製工程
の断面図を示す。基板(コーニング7059)40上に
スパッタリング法によって厚さ2000Åの酸化珪素の
下地膜41を形成した。さらに、厚さ500〜2000
Å、例えば1000Åのクロム被膜および厚さ100〜
500ÅのN型のアモルファスシリコン被膜によってダ
イオードの電極42およびN層43Nを形成した。さら
に、プラズマCVD法によって、厚さ500〜1500
Å、例えば1500Åの実質的に真性なアモルファスシ
リコン膜44を堆積した。そして、アモルファスシリコ
ン膜44をフォトレジスト45でマスクして、イオン注
入法によって選択的にニッケルイオンを注入し、ニッケ
ルが1×1018〜2×1019cm-3、例えば、5×10
18cm-3だけ含まれるような領域46を作製した。(図
3(A))
【0030】そして、これを0.1〜1気圧の水素雰囲
気下、550℃で8時間アニールして結晶化させた。こ
の結晶化工程によって、ニッケルの注入された領域はも
ちろん、その領域に挟まれた領域やその周囲も結晶化し
た(図3(B)において44aで示す)。一方、ニッケ
ルが注入されなかった領域44bはアモルファス状態の
ままであった。結晶化工程後、リフトオフ法によって、
100〜500Å、例えば200ÅのP型のアモルファ
スシリコン膜43Pおよびその上に密着して、厚さ50
0〜1000Å、例えば800Åのインジウム錫酸化膜
(ITO)47を形成した。(図3(B))
【0031】その後、このシリコン膜をパターニングし
て、島状結晶シリコン領域48aおよびアモルファスシ
リコン領域48bを形成した。さらに、TEOSと酸素
を原料として、プラズマCVD法によってゲイト絶縁膜
として、厚さ1000Åの酸化珪素49を形成した。
【0032】引き続いて、スパッタリング法によって、
厚さ6000〜8000Å、例えば6000Åのアルミ
ニウム膜(2%のシリコンを含む)を堆積した。そし
て、アルミニウム膜をパターニングして、TFTのゲイ
ト電極50N、50Pを形成した。さらに、このアルミ
ニウム配線の表面を陽極酸化して、表面に酸化物層51
N、51Pを形成した。得られた酸化物層の厚さは20
00Åであった。(図3(C))
【0033】次に、実施例2に示したようにプラズマド
ーピング法によって、シリコン領域に不純物(燐および
ホウ素)を注入し、N型の不純物領域33NとP型の不
純物領域33Pを形成した。実施例1と同様、この不純
物ドーピングの際に、ダイオード領域に不純物が注入さ
れることは好ましくないので、マスクしておくことが必
要である。
【0034】その後、レーザーアニール法によって不純
物の活性化をおこなった。実施例2とは異なり裏面から
レーザー光を照射した。基板を透過する必要から、レー
ザーとしてはXeFエキシマーレーザー(波長353n
m、パルス幅40nsec)を用いたが、基板材料に応
じて、その他のレーザー、例えば、KrFエキシマーレ
ーザー(波長248nm)、XeClエキシマーレーザ
ー(波長308nm)、ArFエキシマーレーザー(波
長193nm)等を用いてもよい。レーザーのエネルギ
ー密度は、200〜400mJ/cm2 、例えば250
mJ/cm2 とし、1か所につき2〜10ショット、例
えば2ショット照射した。本実施例のように裏面からレ
ーザーを照射する場合には、電極42によってレーザー
光が遮られるのでダイオード領域はレーザーによって結
晶化しない。(図3(D))
【0035】続いて、層間絶縁物として厚さ2000Å
の酸化珪素膜54をTEOSを原料とするプラズマCV
D法によって形成し、これにコンタクトホールを形成し
て、金属材料、例えば、窒化チタンとアルミニウムの多
層膜によってTFTのソース、ドレイン電極・配線55
a、55b、55cおよびダイオードの電極・配線55
dを形成した。最後に0.1〜1気圧の水素雰囲気、3
50℃で30分の水素化をおこなった。以上の工程によ
って半導体回路が完成した。(図3(E))
【0036】
【発明の効果】本発明によって、結晶性シリコンTFT
とアモルファスシリコンダイオードを有する半導体回路
を作製するプロセスを削減し、量産性を高めることがで
きた。また、本発明は、例えば、500℃というような
低温、かつ、4時間という短時間でシリコンの結晶化を
おこなうことによっても、スループットを向上させるこ
とができる。加えて、従来、600℃以上のプロセスを
採用した場合にはガラス基板の縮みやソリが歩留り低下
の原因として問題となっていたが、本発明を利用するこ
とによってそのような問題点は一気に解消してしまう。
【0037】このことは、大面積の基板を一度に処理で
きることを意味するものである。すなわち、大面積基板
を処理することによって、1枚の基板から多くの集積回
路等を切りだすことによって単価を大幅に低下させるこ
とができる。このように本発明は工業上有益な発明であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の作製工程断面図を示す。
【図2】 実施例2の作製工程断面図を示す。
【図3】 実施例3の作製工程断面図を示す。
【図4】 従来の作製工程例(断面図)を示す。
【符号の説明】
10・・・基板 11・・・下地絶縁膜(酸化珪素) 12・・・アモルファスシリコンダイオードの電極 13・・・アモルファスシリコン膜 14・・・珪化ニッケル膜 15・・・ゲイト絶縁膜(酸化珪素) 16・・・ゲイト電極(燐ドープされたシリコン) 17・・・ソース、ドレイン領域 18・・・層間絶縁物 19・・・金属配線・電極(窒化チタン/アルミニウ
ム)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−48065(JP,A) 特開 平1−217966(JP,A) 特開 平5−63172(JP,A) 特開 平6−275807(JP,A) 特開 平6−275805(JP,A) 特開 昭63−142807(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/12 H01L 21/20 H01L 27/146 H01L 21/336 H01L 21/8234 H01L 27/06 H01L 29/786

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にアモルファス状態のシリコン膜を
    形成する第1の工程と、 前記シリコン膜に選択的にニッケル、鉄、コバルト、白
    金の少なくとも1つを導入する第2の工程と、 前記シリコン膜を580℃以下の温度でアニールするこ
    とによって、前記ニッケル、鉄、コバルト、白金の少な
    くとも1つが導入された第1の領域のシリコン膜を選択
    的に結晶化させる第3の工程と、 前記第3の工程において結晶化しなかった第2の領域
    シリコン膜上に選択的にP型もしくはN型のシリコン膜
    を形成する第4の工程と、 前記第1の領域のシリコン膜及び前記第2の領域のシリ
    コン膜上に絶縁被膜と前記絶縁被膜上に導電性材料に
    よって配線を形成する第5の工程とを有することを特
    徴とする半導体回路の作製方法。
  2. 【請求項2】基板上にアモルファス状態のシリコン膜と
    前記シリコン膜に密着して選択的にニッケル、鉄、コバ
    ルト、白金の少なくとも1つを有する材料とを形成する
    第1の工程と、 前記シリコン膜を580℃以下の温度でアニールするこ
    とによって、前記ニッケル、鉄、コバルト、白金の少な
    くとも1つを有する材料が密着した第1の領域のシリコ
    ン膜を中心として選択的に結晶化させる第2の工程と、 前記第2の工程において結晶化しなかった第2の領域
    シリコン膜上に選択的にP型もしくはN型のシリコン膜
    を形成する第3の工程と、 前記第1の領域のシリコン膜及び前記第2の領域のシリ
    コン膜上に絶縁被膜と前記絶縁被膜上に導電性材料に
    よって配線を形成する第4の工程とを有することを特
    徴とする半導体回路の作製方法。
  3. 【請求項3】請求項又はにおいて、 前記基板は、ガラス又は単結晶シリコンであることを特
    徴とする半導体回路の作製方法。
  4. 【請求項4】請求項又はにおいて、 前記基板は、絶縁基板であることを特徴とする半導体回
    路の作製方法。
  5. 【請求項5】請求項又はにおいて、 前記基板は、半導体基板であることを特徴とする半導体
    回路の作製方法。
  6. 【請求項6】請求項又はにおいて、 前記絶縁被膜は、TEOSを用いて形成されたことを特
    徴とする半導体回路の作製方法。
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