JP3433405B2 - 深いサブミクロン様式のvlsi設計用の低しきい値電圧mosfetデバイスと正規しきい値電圧mosfetデバイスを混合した論理ブロック - Google Patents

深いサブミクロン様式のvlsi設計用の低しきい値電圧mosfetデバイスと正規しきい値電圧mosfetデバイスを混合した論理ブロック

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、一般に、超大規模
集積(VLSI)回路設計用の論理ブックの使用に関
し、詳細には、深いサブミクロン方式の低電圧しきい値
(Vt)と正規電圧しきい値の金属酸化物半導体電界効
果トランジスタ(MOSFET)デバイスを混合した新
規の技術論理ブックに関する。
【0002】
【従来の技術】深いサブミクロンVLSI回路の設計に
おいて、処理速度と電力が最も重要である。VLSI回
路設計者は、通常、これらの競合する2つの要件を、最
適な設計を達成するために設計トレードオフにより解決
しなければならない。VLSI回路で使用されるトラン
ジスタのチャネル長を深いサブミクロン様式に縮小する
とき、基準動作電圧(Vdd)は、2ボルト(2V)未満
に下がる。たとえば、次のような参考文献を参照された
い。
【0003】・ R.H.デナルド(Dennard)、F.
H.ガンスレン(Gaensslen)、H.N.ユー(Yu)、
V.L.ライドアウト(Rideout)、E.バソー(Basso
us)、およびA.R.レブラン(LeBlanc)、「IEEE Jo
urnal of Solid-State Circuits」vol.9、No.5、256(1
974年)。
【0004】・ B.デバリ(Davari)、R.H.デナ
ルド(Dennard)、およびG.G.シャヒディ(Shahid
i)、「Proceedings of the IEEE」vol.83、No.4、595
(1995年)。
【0005】・ Y.トール(Taur)、D.A.ブキャ
ナン(Buchanan)、W.チェン(Chen)、D.J.フラ
ンク(Frank)、K.E.イシマル(Ismail)、S.
H.ロー(Lo)、G.A.サイハラツ(Sai-Halasz)、
R.G.イスワナサン(Wiswanathan)、H.J.C.
ワン(Wann)、S.J.ウインド(Wind)、およびH.
S.ウォン(Wong)、「Proceedings of the IEEE」Vo
l.85、No.4、486(1997年)。
【0006】デバイスのオフ電流を妥当なレベルに維持
するために、しきい値電圧(Vt)は、300〜400
ミリボルト(mV)のレベルに維持される。L.スー
(Su)、S.スバンナ(Subbanna)、E.クラブ(Crab
be)、P.アグネロ(Agnello)、E.ノワク(Nowa
k)、R.シュルツ(Shulz)、S.ラッチ(Rauch)、
H.Ng、T.ニューマン(Newman)、A.レイ(Ra
y)、M.ハグラブ(Hargrove)、A.アコビック(Aco
vic)、J.スナレ(Snare)、S.クロウダー(Crowde
r)、B.チェン(Chen)、J.サン(Sun)、および
B.ダバリ(Davari)、「1996 Symposium on VLSI Tec
hnology Digest of Technical Papers」、P.13、ホノル
ル、1996年6月11〜13日を参照されたい。高性
能マイクロプロセッサのようなVLSIシステムの性能
(すなわち速度)は、オーバードライブ値(Vdd
t)と密接な関連がある。第1近似では、反転器の遅
延(td)は、次の式で表される。
【数1】
【0007】上述で、n=Vt/Vdd、β=μCoxW/
Lおよびμは、検討しているスイッチオフ(またはオ
ン)状態に依存する電子(またはホール)移動度であ
り、Coxはゲート容量、W/Lは長さに対する幅の比、
Lはゲート容量である。N.H.E.ウェスト(West
e)およびK.アシュラヒアン(Eshraghian)、「Princ
iples of CMOS VLSI Design: A System Perspective」
第2版、AddisonWesley、Chapter
4、1994年を参照されたい。相補型金属酸化膜半
導体(CMOS)技術により性能を高めるためには、低
いVtのMOSFESを作成することが必要とされてい
る。この性能の向上は、Vddが小さくなるほど大きくな
る。Y.トール(Taur)他による前述の参考文献を参照
されたい。CMOS回路において、本技術における典型
的な低Vtデバイスは、正規Vtデバイスよりも約100
mV低い250mVのVtを備え、上記の式から評価さ
れた標準的な向上率は約10%であり、これはシミュレ
ーションとよく一致している。L.スー(Su)他による
前述の参考文献を参照されたい。しかしながら、低V t
デバイスは、通常、正規Vtデバイスよりも漏れ電流が
かなり大きい(5〜10倍大きい)。他の検討事項の中
でも特にこの大きな漏れ電流が、VLSI設計に低Vt
デバイスが幅広く使用されるのを妨げている。
【0008】課せられたこの制限を回避する1つの手法
は、NAND、NORその他の論理ゲートなどの低Vt
静的論理ブックおよびすべて低Vtデバイスからなるブ
ロックを作成し、回路のクリティカル・パス部分でのみ
それらを実施することである。1つの低Vt論理ブック
が大きな待機電力を引き起こす場合でも、クリティカル
・パスのブック・カウントが、システムの全ブック/デ
バイス・カウントのうちの少しの部分でしかないため、
システムの待機電力を増大させることなく処理速度を高
めることができる。定義により、本明細書における論理
ブックは、NANDゲートやNORゲートなどの基本論
理ユニット/ブロック、ANDゲート、ORゲートおよ
び反転器(NANDゲートおよびNORゲート)の組み
合せ、あるいは加算器、マルチプレクサ、バッファなど
の論理ブロックを意味し、これらは、ある一定の論理機
能を実行し、高レベルの回路/論理またはシステムの設
計者によってユニットとして扱われる。
【0009】処理速度を高める設計のいくつかのクリテ
ィカル部分における低Vt論理ブロックの大きな漏れ電
流は、VLSI回路設計の深いサブミクロン様式におけ
る特別の関心事である。この大きな漏れ電流の関心は、
他の検討事項と共に、設計における低Vt論理ブックの
使用を制限する。これは、特に、現世代のマイクロプロ
セッサに使用されている何百万ものトランジスタが、す
でにシングル・チップ上の数十ワットの電力を消費して
いるときに当てはまる。したがって、次世代のVLSI
回路の設計者に提示された問題は、待機電力を大幅に増
大させることなく処理速度を高めることができる方法
で、1つの論理ブック内に低Vtデバイスと正規Vtデバ
イスを混合することができるかどうかである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、論理ブックの待機電力を大幅に増大させずに性
能を高めた、低Vtデバイスと正規Vtデバイスを混合し
た静的論理回路を提供することである。
【0011】本発明のもう1つの目的は、混合した低V
tデバイスと正規Vtデバイスの使用を動的回路に拡張
し、それにより、待機電力を大幅に増大させることなく
動的回路の性能向上において類似の改善を達成すること
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、低Vt
デバイスが、速度を高めるために使用され、正規Vt
バイスが、論理ブックのオフ電流を遮断するために使用
される。混合Vt構成の最適化が重要である。本発明に
おいて、出力とアースの間にすべて低Vtデバイスから
なる単一経路を作成することはできず、出力とVddの間
にすべて低Vtデバイスからなる単一経路を作成するこ
とはできない。一般に、Vddとアースに接続されたデバ
イスは、正規Vtデバイスでなければならず、低Vtデバ
イスは、出力の最も近くに接続されなければならない。
低Vtデバイスはすべて、そのオフ状態で適切に逆バイ
アスされなければならない。待機電力、処理速度および
雑音余裕度におけるメリットのため、そのような混合、
低および正規Vt論理ブックを、VLSI設計(たとえ
ば、高性能マイクロプロセッサの設計)に広く使用する
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に図面を参照し、より詳細には
図1を参照すると、本発明の教示に従って実現すること
ができる典型的でかつ複雑なVLSI回路の例としてマ
イクロプロセッサ10のブロック図を示す。マイクロプ
ロセッサは、命令ユニット(IUNIT)101と、複
数の実行ユニット、このケースでは固定小数点ユニット
(FXU)102および103と浮動小数点ユニット
(FPU)104および105と、レジスタ・ファイル
106のアレイならびにその他の様々な支援回路を含む
いくつかのブロックからなる。FPU104は、VLS
I設計者が論理ブックから構成する基本論理ゲートおよ
びブロックの構成を例示するためにより詳細に示され
る。
【0014】図2は、本発明の原理の例として、きわめ
て基本的なスタティック論理ブックのための、2入力N
ANDゲートを示す。ゲートは、スタック型の2つのn
チャネル電界電界効果トランジスタ(NFETS)21
および22と、並列の2つのpチャネル電界効果トラン
ジスタ(PFETS)23および24を含む。NFET
22とPFET23のゲートが接続され、Aと名付けた
入力の一方を受け、NFET21とPFET24のゲー
トは、Bと名付けられた第2の入力に接続される。Yと
名付けられた出力が節点25から得られる。回路の設計
は、基本的に従来のものであるが、スタック型の2つの
NFET21および22において、これらのうちの一方
のNFET22が低Vtデバイスであり、他方のNFE
T21は正規Vtデバイスであることに留意されたい。
この開示において使用する表記規則は、低Vtデバイス
を丸で囲むことであり、その他のデバイスは正規Vt
バイスである。また、低VtデバイスNFET22は、
アースから分離され出力Yの隣りにあり、一方、正規V
tデバイスのソース(またはドレイン)はアース(また
はVt)に接続される。
【0015】当然ながら、一般に、混合Vt論理ブック
において低Vtデバイスをどこにどのように配置し、ま
た何個の低Vtデバイスを配置するかに関しては多くの
変形が可能である。たとえば、1つの可能な構成は、図
3に示したような低VtNFETを備えることであり、
この場合は、低Vtデバイスのソースがアースに接続さ
れ、もう1つの可能な構成は、低VtNFETデバイス
と低VtPFETデバイスの両方を備えることである。
これらは、同一の基本概念を少し拡張したものにすぎな
い。本発明の最適化アルゴリズムを後で示すが、これら
の構成は、処理速度を高め漏れ電流を最小にするという
点では、図2に示した構成よりも劣る。
【0016】AND−OR−INVERT(AOI)論
理ブロック、OR−AND−INVERT(OAI)論
理ブロック、4つの入力NANDゲート、3つの入力N
ORゲートなどの様々な論理ブックを、この混合Vt
式で構成することができ、その例を図4から図7に示
す。特に、図4は、それがAND−OR−INVERT
機能を実行するために、一般にAOIブロックと呼ばれ
る論理ブロックを示す。論理的に、出力Yは、
【数2】 である。入力A1とA2のスタック型のNFET41お
よび42と並列のPFET43および44だけを検討す
ると、この構造は、図2のNANDゲート(AND−I
NVERT)である。同様に、入力B1およびB2のス
タック型のNFET45および46と並列のPFET4
7および48は、NANDゲートの構造を構成する。こ
の回路において、出力に最も近いNFET42および4
6とPFET43および44は、低Vtデバイスである
ことに注意されたい。アースに最も近いNFET41お
よび45と、Vddに最も近いPFET47および48
は、正規Vtデバイスである。
【0017】図5は、OR−AND−INVERT機能
を実行するために一般にOAIブロックと呼ばれる論理
ブロックを示す。論理的には、出力Yは、
【数3】 である。この回路は、並列のNFET51および52と
スタック型のPFET53および54を含むORゲート
で構成される。AND機能は、NFET55とPFET
56の組み合わせで作成される。このケースでは、出力
に最も近いPFET53およびNFET55が低Vt
バイスである。アースに最も近いNFET51および5
2と、Vddに最も近いPFET54および56が、正規
tデバイスである。
【0018】図6は、4入力NANDゲートを示し、図
7は、3入力NORゲートを示す。図6において、スタ
ック型のNFET62、63および64が低Vtデバイ
スであり、アースに最も近いNFET61と、Vddに最
も近いPFET65から68が、正規Vtデバイスであ
る。図7において、出力に最も近いスタック型のPFE
T74および75が低Vtデバイスであり、アースに最
も近いNFET71、72および73と、Vddに最も近
いPFETが、正規Vtデバイスである。
【0019】本発明による混合Vtブックの処理速度の
向上と少ない漏れ電流を示すために、これらの論理ブッ
クを使っていくつかの簡単な回路を構成する。図8に示
した第1の回路は、入力の約2倍の容量、すなわち約2
4フェムトファラド(fF)を駆動する2入力NAND
ゲートである(ゲイン2)。入力スルーは、100ピコ
秒(psec)の典型的なスルーに設定される。表1
に、混合型2入力NANDゲート・ブックならびに本技
術に基づく正規Vtおよび低Vtの2入力NANDゲート
・ブックによるシミュレーション結果を示す。
【表1】
【0020】結果(上昇から下降まで欄)は、明らか
に、低Vtブックにより約10%速度が向上したことを
示す。しかしながら、オフ電流はきわめて大きい(正規
tブックの700%大きい)。図2に示した構成1の
原理を利用した混合Vtブックの場合は、わずか20%
の漏れ電流の増大で速度を約5%高めることができる。
【0021】混合Vt論理ブックにおいて、デバイスを
低Vtにすべきか正規Vtのままにすべきか自由度がある
ことは明らかである。処理速度、漏れ電流および雑音の
検討事項に関して後で説明する最適化アルゴリズムは、
どのデバイスを低Vtにしてどれをしないかに関しては
っきりした選択をするに役立つ。混合Vt論理ブックに
おけるそのような最適化の重要性を理解するために、図
2に示した構成1と図3に示した構成2の異なる2つの
混合Vt論理ブックの構成によるシミュレーション結果
を比較されたい。この2つの唯一の違いは、低Vtデバ
イスと正規Vtデバイスの順序である。2つの結果が大
きく異なることに注意されたい。テーブル1にまとめた
ように、構成1は、構成2よりも4%高速であるが、そ
の漏れ電流は、構成2のわずか1/3である。すなわ
ち、構成1は、漏れ電流がわずか20%増大するだけで
正規Vtブックよりも5%高速であるが、構成2は、漏
れ電流が250%も増大するが正規のVtブックよりも
1%高速である。
【0022】混合Vt論理ブックによるもう1つの簡単
な回路の例として、図9に示したような2ウェイ・マル
チプレクサを検討されたい。この基本論理ブックは、3
つの2入力NANDブックから構成することができる。
表2に、遅延と漏れ電流のシミュレーション結果を示
す。
【表2】
【0023】低Vtブックによって速度を10%高める
ことができることは明らかであるが、回路には7倍大き
な漏れ電流が生じる。混合Vtブックによって速度を5
%高めることができるが、漏れ電流は、正規ブックより
も約10%多いだけである。したがって、設計におい
て、同じ漏れ電力消費を発生させる低Vtブックの70
倍の混合Vtブックを適用することができる。すなわ
ち、VLSI設計者は、設計上低Vtブックの70倍以
上の場所に混合Vtブックを利用することができる。
【0024】より複雑な回路を、図10に示す。これ
は、SUMとCARRYの出力を有する1ビット全加算
器である。これは、26個のトランジスタのみから成
る。表3に、速度と漏れ電流の両方の明らかな改善を示
す比較結果を示す。
【表3】
【0025】混合Vtの手法は、特に、ブール特性 f(x1',x2',x3',...)=f'(x1,x2
3,...) を含む算術論理演算ユニット(ALU)における1つの
重要タイプの回路に有利であり、ここで、x'は、xの
補数である。そのような特性の場合、NFETとPFE
Tは、互いに対となる電子回路である。そのような回路
の例は、図10に示した加算器である。
【0026】また、反転器の混合Vtブックを設計する
こともできるが、それは少し困難である。この論理ブッ
クにはデバイスが2つしかないためである。PFETと
NFETのどちらかを低Vtデバイスにするように選択
が制限されるが、両方とも低Vtデバイスであるとは限
らない。もう1つの困難な理由は、そのような反転器を
回路内で使用する場所と方法による。通常、そのような
混合Vt構成は、待機電力を減少させる際にある一定の
利点を提供する。しかしながら、出力または入力を1つ
の特定の極性にアサートする場合は、低VtNFETデ
バイスを使用すべきか低VtPFETデバイスを使用す
べきかの決定には注意を要する。これらのすべての考察
は、コンピュータ・プログラムのライブラリまたはデー
タベースで行うことができる。
【0027】シミュレーション結果を示したように、混
合Vt構成のいくつかは論理ブックの漏れ電流を大幅に
減少させることができるが他のものは減少できない原因
となる物理的特性を説明する。これを理解することによ
り、任意の論理ブックの一般的な最適化アルゴリズムを
開発することができる。図11に、図2の2入力NAN
Dゲート回路にゲート−ソース・バイアス(Vgs=Vg
−Vs)と内部節点電圧(Vt)の注釈を付けたものを再
び示す。正規VtNFETデバイス111のVgsは単に
gBであるが、この特定の構成における低VtNFET
デバイス112のVgsは、VgA−Vxであることに注意
されたい。VgA=VgB=0の場合のオフ状態において、
低VtNFETデバイス112は、実際にはVgs=−Vx
の逆バイアスがかけられる。低VtNFETデバイス1
12のこの逆バイアスにより、漏れ電流が逆バイアスに
指数関数的に依存するため、論理ブックの漏れが効果的
に抑制される(図12のI−V特性を参照)。この点
は、また、混合Vt2入力NANDゲートにおける漏れ
電流に関する以下の分析に明確に示される。
【0028】前述のように、混合Vt構成の最適化にお
いて、次の2つの規則に従わなければならない。
【0029】(1)HIGH(すなわちVdd)とLOW
(すなわちGND)の間に、少なくとも1つの正規Vt
デバイスがなければならない。これは、漏れ電流を減少
させるためのHIGHとLOWの間の大きな抵抗として
働く。
【0030】(2)さらに、漏れ電流を効果的に減少さ
せるために低Vtデバイスが逆バイアスになるような構
成を選択しなければならない、
【0031】規則(1)は、容易に理解することができ
る。しかしながら、規則(2)を理解することがきわめ
て重要である。これは、混合Vt論理ブックの導入によ
ってなぜそれほど大きく漏れ電流を減少させることがで
きるかという大きな理由である。
【0032】図11(すなわち図2)に示した混合Vt
構成1を検討する。ここで、低VtNFETデバイス
は、アースから遠い出力の近くにある。この構成におい
て、正規Vtデバイスのゲート・バイアスはVgs=Vg
s=Vgであるが、低Vtデバイスのゲート・バイアス
は、Vgs=Vg−Vtである。図12に、2つのデバイス
のしきい値以下のI−V特性を示す。しきい値以下の領
域の漏れ電流は、次の式で近似される。
【数4】
【0033】ここで、本技術において、Ioはしきい値
電圧において定義されたある一定の電流(通常は40μ
A)、W/Lは幅と長さの比率、β=q/nkT≒44
4/Sであり、ここで、Sは、一般にmV/DECAD
Eの単位で使用されるしきい値こう配、n=1+Cdep
/Cox、Cdepは基板消耗キャパシタ、Coxはゲート容
量である。S.M.セゲ(Sze)による、「Physics of
Semiconductor Devices」第2版、John Wile
y & Sons、Chapter 7、1981年を
参照されたい。
【0034】そのオフ状態において、すべて入力はLO
Wに設定され、出力はHIGH(V dd)である。したが
って、正規VtデバイスのVgsは0と等しく、低Vtデバ
イスのゲート電圧(Vgs=Vg−Vx=−Vx)は実際に
は負である。低Vtデバイスと正規Vtデバイスを表すた
めに添字1とrを使用し、混合Vt2入力NAND回路に
関して、次の式を得る。
【数5】
【数6】
【0035】ここで、I1=Ir=Iであり、I1とIr
それぞれ低Vtデバイスと正規Vtデバイスを流れる電流
である。回路の定理は、I1=Ir=Iでなけばならな
い。上式を数値的に解いてVxとIを計算することがで
き、前述のシミュレーション結果が得られる。
【0036】重要な点を例示するために、ここで、次の
ようないくつかの簡略化と仮定を行う。(1)一般性を
失わないようにW1/L1=Wr/Lrとする。(2)β1
≒βrと近似する(3)VxがkT=26mVよりも大き
いと仮定する。これらの仮定により、上式は、Vx=V
tr−Vt1=δVxとなる。漏れ電流は、I=I0W/Le
xp(−βVt1)であり、これは、まさに正規Vt反転器の
漏れ電流であり、δVtの影響を受けない。
【0037】すべて低Vtデバイスからなる2入力NA
NDゲートでは、漏れ電流はexp(−βVt1)に比例
し、これは正規Vtブックまたは混合Vtブックの漏れ電
流よりも多いこともある。指数関数的依存性のため、漏
れ電流は、Vt1を低くすると急激に増大し、またすみや
かにVt1をどれだけ小さくすることができるかを制限を
課す。この制限は、本発明の最適化された混合Vtブッ
クでは存在しない。
【0038】前述の解が示すとおり、内部節点の電圧
は、およそVx=VtB−VtA≒−100mVである。通
常の85mV/DECADEのしきい値以下のこう配で
は、この100mVの逆バイアスによって、漏れ電流を
一桁小さくすることができる。
【0039】また、この逆バイアスにより、混合Vt
理ブックの雑音余裕度が高くなる。このため、低Vt
バイスをオンにするために、入力電圧グリッチが今Vtl
+Vx≒Vtrよりも大きくなければならない(Vtl、V
trはそれぞれ、低Vtデバイスと正規Vtデバイスのしき
い値電圧である)。1つの論理ブック内で正規Vtデバ
イスと低Vtデバイスを注意深く混合することにより、
混合Vtブック内の雑音余裕度を保持することができ
る。実際には、注意深い設計により、混合Vtブックの
雑音余裕度を正規Vtブックの雑音余裕度に近づけるこ
とができる。この場合も、重要なことは、正規Vtデバ
イスを使用して雑音余裕度を高め、低Vtデバイスを使
用して性能を高めることである。または、これは、シミ
ュレーションにより確認され、そのような検討事項をコ
ンピュータ・プログラムに組み込むことができる。
【0040】上記の説明に基づいて、次に、本発明によ
る最適化アルゴリズムを示す。このアルゴリズムは、任
意の正規Vt静的回路を、同じ論理を実行する混合Vt
理ブックに変換し(複雑さに関係なく)、速度、漏れ電
流、電力および雑音余裕度の基準に関して最適化する。
この最適化アルゴリズムは、混合Vtコンピュータ最適
化プログラムの基礎を構成する。最適化基準は、速度、
待機電力、雑音余裕度の3つの要素からなり、アップ/
ダウン・スイッチング、短絡電力、遷移スイッチング電
力などの他の要素をカバーするように拡張することがで
きる。Vddからアースまでの単一経路がない基準を、単
一正規Vtデバイスなしにすべて低Vtデバイスから作成
することができる。より限定的な基準は、出力からアー
スまたはVddのいずれかまでの可能なすべての経路を探
索することであり、低Vtデバイスによって単一経路を
作成してはならない。もう1つの重要な基準は、単一論
理ブック内のすべての経路のタイミングの分析であり、
ほとんど低Vtデバイスからなる最もクリティカルなパ
スを有する。
【0041】論理ブックをブラック・ボックスとして備
えることは、VLSI設計の作業を区分するのに役立
ち、トランジスタ・レベル/デバイス・レベルの作業を
より高レベルのゲート最適化から分離するのに役立つ。
これは、マクロおよびチップ・レベルの合成およびタイ
ミング最適化のための既知の回路設計プログラムに統合
することができる。ボックス(論理ブック)がそのデバ
イス/トランジスタ内容が見えるように透明化される状
況では、トランジスタ・レベルまたはスイッチ・レベル
のタイミング・ツールを使用しなければならない。
【0042】要約すると、最適化アルゴリズムは、次の
ステップを含む。
【0043】・ステップ1:構成の規則 ・規則1.1:Vddとアースの間で低Vtデバイスだけ
から単一経路を構成することはできない。
【0044】・規則1.2:出力とアースの間で低Vt
デバイスだけからの単一経路を構成することはできな
い。
【0045】・規則1.3:出力とVddの間で低Vt
バイスだけからの単一経路を構成することはできない。
【0046】・規則1.4(推奨):Vddとアースに接
続されるデバイスは、正規Vtデバイスでなければなら
ない。
【0047】・規則1.5:低Vtデバイスはそれぞ
れ、オフ状態で逆バイアスをかけなければならない。
【0048】・ステップ2:基準: ・規則2.1:回路の速度ゲインが、設計者が設定した
最低速度ゲインよりも大きくなければならない。
【0049】・規則2.2:回路の漏れ電流が、設計者
が設定した漏れ電流よりも少なくなければならない。
【0050】・規則2.3(任意):コスト関数を定義
する場合は、コスト関数の値が、設計者が設定したコス
ト関数の限度よりも小さくなければならない。コスト関
数は、性能、速度、漏れ電流、処理の複雑さおよび歩留
り問題の間のトレードオフを反映するように定義され
る。
【0051】・規則2.4:各構成のメリット関数を評
価する。メリット関数は、構成の全体的な定格を反映さ
せるために、設計者とツール開発者によって定義され
る。速度駆動型マイクロプロセッサの設計では、メリッ
ト関数の明らかな選択は、−スラックまたは−スラック
/((漏れ電流の増加)γ+η(コスト関数))であ
り、ここでγとηはパラメータである。後者の定義は、
本質的に、漏れ電流とコスト関数を考慮するスラック定
義の拡張であることに留意されたい。γ=0、η=0と
設定すると、−スラック/2に減少する。スラックは、
従来、到着時間から所望の到着時間を引いたものとして
定義され、初期モードと遅延モード分析の両方に当ては
まる。
【0052】・ステップ3:最適化手順: ・小さな回路では、ステップ1とステップ2を通るすべ
ての構成を、メリット関数の最大値によって最良の構成
を決定するようにシミュレートしなければならない。
【0053】・きわめて大きな回路では、そのような網
羅的なシミュレーションには時間がかかりすぎる。構成
の数は2N−M1ーM2のように増加し、ここで、Nは回
路内のデバイス数、M1,2は、ステップ1とステップ2
で選別された数である。
【0054】代替の最適化方法は、静的タイマを使用し
て、すべてのクリティカル・パスを見つけ、メリット関
数の利得が設計者によって設定された所定数よりも小さ
くなるまでそれぞれのクリティカル・パスを最適化する
ことである。
【0055】さらに、いくつかの回路特性を使用して、
最適化手順を簡略化することができる。たとえば、NF
ETとPFETが互いに対になる電子回路であるよう
な、図10に示したような対称的な回路では、検査する
必要のある構成の数は2N/2−M1−M2に減少する。一
般に、同じ処理のために、必要な類似特性のデバイス
を、デバイス・グループに分類することができる。その
ような低Vtグループを作成する場合は、すべてのデバ
イスをそのような低Vtグループにする。そのような正
規Vtグループを作成する場合は、すべてのデバイスが
そのような正規Vtグループにされる。さらに、階層的
手法を使用して、低Vtデバイス・グループからなる低
tデバイス・ブロックを定義することができる。回路
内にn個のデバイス・グループがあると仮定すると、検
査する必要のある構成の数は2n−M1−M2に減少す
る。
【0056】検査する必要のある構成の数は、後で説明
するステージ手法を使用することにより減少される。ソ
ースまたはドレインがアースまたはVddに直接接続され
たトランジスタをステージ0と示す。たとえば、ソース
またはドレインがステージ0に接続されたトランジスタ
をステージ1と示し、ステージ1に接続されたものを、
ステージ2と示す。最後のステージは、ステージNと示
された出力に接続されたステージである。正規Vt論理
ブックを混合Vt論理ブックに変換する効率的な方法
は、同じステージのトランジスタをデバイス・グループ
として変換し、すべての低Vtを同時に作成することで
ある。変換のシーケンスは、ステージNから始まり、ス
テージ1に進む。ステップ1の規則1.5に適合しない
ため、ステージ0のデバイスを低Vtに変換してはなら
ない。この手法における構成の数は、ステージ数Nに減
少する。この手法は、特に、クリティカル・パスに関す
る具体的な知識が利用可能でないときに、設計の初期の
段階で有効であり、また時間的にも非常に効率的であ
る。
【0057】・ステップ4:満足な結果が得られるまで
ステップ1〜3をループする。
【0058】図13に、上記のアルゴリズムのフローチ
ャートを示す。プロセスは、機能ブロック1301で設
計回路網をロードすることにより始まる。機能ブロック
1302において、制御パラメータを入力する。初期化
プロセスを完成させるために、機能ブロック1303に
おいて、設計者が、キーワード、デバイス・グループお
よびデバイス・ブロックを作成する。この時点で、プロ
セスは、動作ブロック1304に示したように、それぞ
れの構成を順番にテストする処理ループに入る。決定ブ
ロック1305においてテストが実行され、テストする
本構成が規則に適合するかどうかが判定される。規則に
適合しない場合は、プロセス・ループは、動作ブロック
1304に戻り、テストする次の構成を検索する。本構
成が規則に適合する場合は、次に決定ブロック1306
においてテストが行われ、本構成が基準を満たすかどう
かが判定される。これは、ブロック1307において、
シミュレーション、静的タイマ、遅延規則、およびその
他の特性のデータベースへのアクセスにより決定され
る。そうでない場合は、プロセス・ループは動作ブロッ
ク1304に戻り、テストする次の構成を検索する。本
構成が基準を満たす場合は、最良の構成を見つけるため
に、機能ブロック1308によって再びアクセスされ
る。最良の構成が見つからない場合は、プロセス・ルー
プは動作ブロック1304に戻り、テストする次の構成
を検索する。最良の構成が見つかったときは、機能ブロ
ック1309において、その構成が、最適化された解と
して出力される。
【0059】また、ラッチとメモリ・デバイスの設計に
共通のタイプの回路であるため、次にトライステート・
バッファ用の混合Vt論理ブックの使用法を説明する。
1つの実現方法は、DATA INPUT用の正規Vt
デバイスとCLOCK INPUT用の低Vtデバイス
を使用する。そのような設計において、様々なVtデバ
イスが異なる電圧でオン/オフし、グリッチの危険があ
るため、注意が必要である。
【0060】本発明の第2の態様として、ダイナミック
回路と呼ばれる高速マイクロプロセッサにとってきわめ
て重要な特定の回路ファミリのタイプを強調することが
重要である。超高速マイクロプロセッサでは、そのよう
な回路ファミリを使用することが重要である。しかし、
漏れ電流と雑音感度における低Vtブックにおいて現在
制限があるため、この回路ファミリで使用することはき
わめて困難である。設計において現在一致していること
は、ダイナミック・ロジックに低Vtデバイス/論理ブ
ックを何も使用しないことである。
【0061】本発明の教示による混合Vt論理ブック
は、最終的に最も高速のマイクロプロセッサの速度を高
めるために、この回路ファミリに特に有利である。たと
えば、正規VtMOSFETをCLOCK入力/制御に
使用することができ、低Vtデバイスを、NMOS型の
データ論理部分の速度を高めるために使用することがで
きる。図14に示した例は、CARRY発生回路であ
る。再び、低Vtデバイスの位置に注意されたい。表4
に、図14に示したダイナミック回路のシミュレーショ
ン結果を示す。
【表4】
【0062】クロック入力に使用される正規Vtデバイ
スは、Vddとアースの間で大きな抵抗として働く。低V
tデバイスは、データ論理ブロックの速度を高めるため
に使用される。表4に示したシミュレーション結果は、
混合Vt手法を利用して、ダイナミック回路で低Vt手法
を使用する場合の約半分の速度ゲインを達成できること
をはっきりと示す。しかし、漏れ電流は5分の1であ
る。また、このシミュレーションは、電荷再配分効果
が、設計により適切に機能化されたダイナミック回路に
おける主な検討事項であり、データ論理ブロックの漏れ
電流が少なく、この影響を受けたRC定数がクロック周
期(数ナノ秒)よりも3桁大きいことを示す。図15
に、遷移電圧スイッチング挙動の例を示す。
【0063】ダイナミック回路の最適化ルーチンは、い
くつかの追加のキーワードとその関連する特性を定義し
なければならないこと以外は、前述のものと類似してい
る。たとえば、クロック・グループがあり、データ・グ
ループがあり、フィード・バック・グループがあり、バ
ッファ・グループがある。1つの手法は、データ論理部
全体を、同時に低Vtに変換できるようなデバイス・グ
ループとして扱うことである。図14を参照されたい。
【0064】動的タイプと静的タイプの両方において、
寄生容量は、速度にきわめて大きく影響する。適切なレ
イアウトは、シリコン上のスペースを節約するだけでな
く、寄生容量を最小化する。混合Vtに関するレイアウ
トについては、後で簡単に説明する。まず第一に、この
混合Vt手法には新しいマスクが不要である。これは、
本技術で実現される低Vtブック手法とまったく同じハ
ードウェア技術を使用する。低Vtデバイスを作成する
ために、分離されたチャネル注入物が使用される。低V
tデバイスが正規Vtデバイスよりも悪い短チャネル効果
を持たないようにするために、正規Vtデバイスと同じ
HALOがVtデバイスに注入される。単一論理ユニッ
ト内に混合Vtデバイスと正規Vtデバイスを含むチップ
の作成を成功させるためには、低Vtマスクを他のマス
クに注意深く位置合わせすることが重要である。この基
本規則は、マルチフィンガ型の混合Vtレイアウトの使
用に有利であり、スタック型のデバイスでは制限され
る。しかし、これは、技術の進歩と共に変更されること
がある。
【0065】図16から図19において、2入力NAN
Dゲート、2つのフィンガを有する2入力NANDゲー
ト、AOI回路および2つのフィンガを備えたAOI回
路など、いくつかのレイアウトの例を示す。低VtNF
ET領域と低VtPFET領域にXWN層とXWP層を
使用している点に注意されたい。レイアウト最適化ルー
チンは、基本的に、正規レイアウト最適化ルーチンに従
う。オイラー図形法(Euler graph tec
hnique)を利用して、ROXの数を最小限にする
すべての経路を探索する。これと似た方法をXWNとX
WPに適用して、個々のXWNとXWNの数を最小化す
る。個々のXWNとXWPの数を最小にすることは、歩
留まりを高め、処理の複雑さと寄生容量を減少させるの
に役立つ。
【0066】まとめとして、本発明の構成に関して以下
の事項を開示する。
【0067】(1)待機電力の大きさを増大させずに性
能を高めるための低しきい値電圧デバイスと正規しきい
値電圧デバイスを混合した論理ブックにおいて、Vdd
アースの間に、漏れ電流を低減するために大きな抵抗と
して働く少なくとも1つの正規しきい値電圧デバイスを
有する論理ブック。 (2)低しきい値電圧デバイスが、漏れ電流を有効に低
減するために逆バイアスされる、上記(1)に記載の低
しきい値電圧デバイスと正規しきい値電圧デバイスを混
合した論理ブック。 (3)低しきい値電圧デバイスが、出力に最も近い節点
に接続される、上記(1)に記載の低しきい値電圧デバ
イスと正規しきい値電圧デバイスを混合した論理ブッ
ク。 (4)混合された低しきい値電圧デバイスと正規しきい
値電圧デバイスが、金属酸化膜半導体電界効果型トラン
ジスタ(MOSFETs)である、上記(3)に記載の
低しきい値電圧デバイスと正規しきい値電圧デバイスを
混合した論理ブック。 (5)論理ブックの回路が、静的回路である、上記
(4)に記載の低しきい値電圧デバイスと正規しきい値
電圧デバイスを混合した論理ブック。 (6)回路のうちの1つがNANDゲートである、上記
(5)に記載の低しきい値電圧デバイスと正規しきい値
電圧デバイスを混合した論理ブック。 (7)回路のうちの1つがNORゲートである、上記
(5)に記載の低しきい値電圧デバイスと正規しきい値
電圧デバイスを混合した論理ブック。 (8)回路のうちの1つがAND−OR−INVERT
論理ブロックである、上記(6)に記載の低しきい値電
圧デバイスと正規しきい値電圧デバイスを混合した論理
ブック。 (9)回路のうちの1つがOR−AND−INVERT
論理ブロックである、上記(5)に記載の低しきい値電
圧デバイスと正規しきい値電圧デバイスを混合した論理
ブック。 (10)回路のうちの1つが加算器回路である、上記
(5)に記載の低しきい値電圧デバイスと正規しきい値
電圧デバイスを混合した論理ブック。 (11)回路のうちの1つがマルチプレクサ回路であ
る、上記(5)に記載の低しきい値電圧デバイスと正規
しきい値電圧デバイスを混合した論理ブック。 (12)論理ブックの回路がダイナミック回路である、
上記(4)に記載の低しきい値電圧デバイスと正規しき
い値電圧デバイスを混合した論理ブック。 (13)低しきい値電圧デバイスと正規しきい値電圧デ
バイスを混合した論理ブックを、待機電力を大幅に増加
せずに性能利得を得るように最適化するためのコンピュ
ータ実施最適化方法であって、Vddとアースの間に、漏
れ電流を減少させるために大きな抵抗として働く少なく
とも1つの正規しきい値電圧デバイスを定義する段階
と、低しきい値電圧デバイスがオフ状態で逆バイアスさ
れ漏れ電流を有効に減少させるように低しきい値電圧デ
バイスを接続する段階とを含むコンピュータ実施最適化
方法。 (14)様々な回路構成の性能をシミュレートする段階
と、速度と漏れ電流の最小基準に基づいて構成を選択す
る段階とをさらに含む、上記(13)に記載の、低しき
い値電圧デバイスと正規しきい値電圧デバイスを混合し
た論理ブックを最適化するためのコンピュータ実施最適
化方法。 (15)それぞれの回路適合最小基準の最適構成を選択
する段階をさらに含む、上記(14)に記載の低しきい
値電圧デバイスと正規しきい値電圧デバイスを混合した
論理ブックを最適化するためのコンピュータ実施最適化
方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を利用して作成することができる
複雑なVLSI回路の代表例としてのマイクロプロセッ
サのブロック図である。
【図2】本発明の原理を例示する第1の構成における低
tデバイスと正規Vtデバイスを混合して使用する2入
力NANDゲートの概略図である。
【図3】第2の構成において低Vtデバイスと正規Vt
バイスを混合して使用する2入力NANDゲートの概略
図である。
【図4】本発明の教示により実施されたAND−OR−
INVERT(AOI)論理ブロックの概略図である。
【図5】本発明の教示により実施されたOR−AND−
INVERT(OAI)論理ブロックの概略図である。
【図6】本発明の教示により実施された4入力NAND
ゲートの概略図である。
【図7】本発明の教示により実施された3入力NORゲ
ートの概略図である。
【図8】容量性負荷を駆動する2入力NANDゲートの
図である。
【図9】異なる3つのタイプの2入力NAND論理ブッ
クにより実施された2方向マルチプレクサの概略図であ
る。
【図10】本発明の教示による混合Vtデバイスを使用
する1ビット加算器の概略図である。
【図11】図2に示した混合2入力NANDゲートに電
圧注釈を加えた図である。
【図12】正規Vtデバイスと低Vtデバイスの両方のし
きい値以下のI−V特性を示すグラフである。
【図13】本発明による最適化プロセスを示すフローチ
ャートである。
【図14】混合Vtダイナミック回路ブックの例の概略
図である。
【図15】図14に示したダイナミック回路例の波形を
示す図である。
【図16】2入力NANDゲートのレイアウト例を示す
図である。
【図17】2つのフィンガを有する2入力NANDゲー
トのレイアウト例を示す図である。
【図18】AOI論理ブロックのレイアウト例の図であ
る。
【図19】2つのフィンガを有するAOI論理ブロック
のレイアウト例の図である。
【符号の説明】
10 マイクロプロセッサ 21、22 nチャネル電界電界効果トランジスタ(N
FETS) 23、24 pチャネル電界効果トランジスタ(PFE
TS) 25 節点 41、42、45、46、51、52、55、61、6
2、63、64、71、72、73 NFET 43、44、47、48、53、54、56、65、6
6、67、68、74、75 PFET 101 命令ユニット(IUNIT) 102、103 固定小数点ユニット(FXU) 104、105 浮動小数点ユニット(FPU) 106 レジスタ・ファイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 27/088 H01L 27/08 102C H03K 19/096 19/20 (56)参考文献 特開 平7−202679(JP,A) 特開 平7−74265(JP,A) 特開 平6−208790(JP,A) 特開 平2−292859(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03K 19/0944 H01L 21/82 H03K 19/096 H03K 19/20

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】待機電力の大きさを増大させずに性能を高
    めるための低しきい値電圧デバイスと正規しきい値電
    圧デバイスを混合した論理ブックにおいて、 Vddとアース間の経路上に、漏れ電流を低減するため
    に大きな抵抗として働く少なくとも1つの正規しきい値
    電圧デバイスと、漏れ電流を有効に低減するためにスタ
    ンバイ状態時に逆バイアスされる低しきい値電圧デバイ
    スと、を備え、 dd と出力間の経路上に、少なくとも1つの正規しき
    い値電圧デバイスを配置し、 出力とアース間の経路上に、少なくとも1つの正規しき
    い値電圧デバイスを配置し、 dd には正規しきい値電圧デバイスが接続される、こ
    とを特徴とする 論理ブック。
  2. 【請求項2】前記低しきい値電圧デバイスが、出力に最
    も近い節点に接続される、ことを特徴とする請求項1に
    記載の論理ブック。
  3. 【請求項3】前記混合された低しきい値電圧デバイスと
    正規しきい値電圧デバイスが、金属酸化膜半導体電界効
    果型トランジスタ(MOSFETs)である、ことを特
    徴とする請求項1または2に記載の論理ブック。
  4. 【請求項4】前記論理ブックの回路が、静的回路であ
    る、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載
    の論理ブック。
  5. 【請求項5】前記回路のうちの1つがNANDゲート
    である、ことを特徴とする請求項に記載の論理ブッ
    ク。
  6. 【請求項6】前記回路のうちの1つがNORゲートで
    ある、ことを特徴とする請求項に記載の論理ブック。
  7. 【請求項7】前記回路のうちの1つがAND−OR−
    INVERT論理ブロックである、ことを特徴とする
    求項に記載の論理ブック。
  8. 【請求項8】前記回路のうちの1つがOR−AND−
    INVERT論理ブロックである、ことを特徴とする
    求項に記載の論理ブック。
  9. 【請求項9】前記回路のうちの1つが加算器回路であ
    る、ことを特徴とする請求項に記載の論理ブック。
  10. 【請求項10】前記回路のうちの1つがマルチプレク
    サ回路である、ことを特徴とする請求項に記載の論理
    ブック。
  11. 【請求項11】前記論理ブックの回路がダイナミック
    回路である、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1
    に記載の論理ブック。
  12. 【請求項12】低しきい値電圧デバイスと正規しきい値
    電圧デバイスを混合した論理ブックを、待機電力を大幅
    に増加せずに性能利得を得るように最適化するためのコ
    ンピュータ実施最適化方法であって、 Vddとアース間の経路上に、漏れ電流を減少させるた
    めに大きな抵抗として働く少なくとも1つの正規しきい
    値電圧デバイスを配置するステップと、 dd とアース間の経路上に、 低しきい値電圧デバイス
    がオフ状態で逆バイアスされ漏れ電流を有効に減少させ
    るように低しきい値電圧デバイスを配置するステップ
    と、 dd と出力間の経路上に、少なくとも1つの正規しき
    い値電圧デバイスを配置するステップと、 出力とアース間の経路上に、少なくとも1つの正規しき
    い値電圧デバイスを配置するステップと、 dd には低しきい値電圧デバイスを接続せずに正規し
    きい値電圧デバイスを 接続するステップ を含むコンピュータ実施最適化方法。
  13. 【請求項13】 前記低しきい値電圧デバイスが、出力に
    最も近い節点に接続される、ことを特徴とする請求項1
    2に記載のコンピュータ実施最適化方法。
  14. 【請求項14】様々な回路構成の性能をシミュレートす
    る段階と、 速度と漏れ電流の最小基準に基づいて構成を選択する段
    階と をさらに含む、請求項12または13に記載のコンピュ
    ータ実施最適化方法。
  15. 【請求項15】それぞれの回路適合最小基準の最適構成
    を選択する段階をさらに含む、請求項14に記載のコン
    ピュータ実施最適化方法。
JP14412698A 1997-06-03 1998-05-26 深いサブミクロン様式のvlsi設計用の低しきい値電圧mosfetデバイスと正規しきい値電圧mosfetデバイスを混合した論理ブロック Expired - Fee Related JP3433405B2 (ja)

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