JP3432196B2 - 面ファスナー及びこれを用いたシートベルトカバー - Google Patents

面ファスナー及びこれを用いたシートベルトカバー

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JP3432196B2
JP3432196B2 JP37367899A JP37367899A JP3432196B2 JP 3432196 B2 JP3432196 B2 JP 3432196B2 JP 37367899 A JP37367899 A JP 37367899A JP 37367899 A JP37367899 A JP 37367899A JP 3432196 B2 JP3432196 B2 JP 3432196B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、面ファスナー及
びこれを用いた自動車用のシートベルトカバーに関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車には、衝突時等における乗員の安
全確保のためにシートベルトが常備されている。たとえ
ば、図6に示す運転用の座席1に設けられた3点式のシ
ートベルト2については、通常、その一端が、センター
ピラー3内に配置されたリトラクターに、他端が座席1
のセンターピラー3側の下方に固定されたベルト取付具
(いずれも図示省略)にそれぞれ取り付けられており、
その途中部はセンターピラー3の上端に設けられたスリ
ップガイド7に挿通されて折り返されているとともに、
折り返し部分の途中にはスルータング8が挿通されてい
る。そして、シートベルト2をリトラクターから引き出
しつつ、スルータング8を座席1の車体中央側の下方に
設けられたバックル9に係止することで、スリップガイ
ド7から乗員50の胸部を経てスルータング8に至る胸
ベルト部2aと、スルータング8から乗員50の下腹部
を経てベルト取付具に至る腹ベルト部2bとで乗員50
の身体が固定される。また、スルータング8をバックル
9から取り外すと、シートベルト2はリトラクターによ
って巻き取られてセンターピラー3に沿った状態に収め
られる。
【0003】ところで、このようなシートベルト2は、
身体になじみにくく締め付け感があり、また、シートベ
ルト2の布地が汚れても簡単に取り外して洗濯すること
ができないために不潔になり易い。しかも、乗員50の
衣服がシートベルト2と擦れ合うために、衣服に損耗を
生じ易い。さらに、自動車の急発車、急停止等の際には
シートベルト2からの強い衝撃力が直接に乗員50の身
体にかかることがある。
【0004】このような不都合を軽減するために、各種
のシートベルトカバーが提案されている。たとえば、特
開昭62−34840号公報や実開平4−37061号
公報に開示されているシートベルトカバー10Aは、帯
状のクッション性を有する生地からなるカバー本体の突
き合わせ部分に、スライド式ファスナーを設け、このス
ライド式ファスナーの開閉によってシートベルト2に着
脱可能に装着できるようにしている。
【0005】また、特開平8−207702号公報や実
開平2−96340号公報に開示されているシートベル
トカバー10Aは、フック状等に起毛された止着面を有
する雄部材とループ状等に起毛された止着面を有する雌
部材とを互いに係止する、いわゆるマジックテープと称
せられる平帯状の面ファスナーを使用し、この面ファス
ナーをクッション性を有する生地からなるカバー本体の
重ね合わせ部分に沿って取り付け、この面ファスナーの
開閉によってシートベルト2に着脱可能に装着できるよ
うにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ように、スライド式ファスナーを使用してシートベルト
2に装着する構成のものでは、シートベルトカバー10
Aの着脱に手間がかかる。また、シートベルトカバー1
0Aの外観を考慮して、スライド式ファスナーを取り付
けた側を乗員の身体側に向けて装着することが多いが、
スライド式ファスナーが硬質であるので、このファスナ
ーに衣類が擦れて損耗し易く、また、衣類が絡んだり、
乗員50の身体にシートベルトカバー10Aを密着した
ときに違和感があったりするという不都合がある。
【0007】一方、後者の面ファスナーを使用したシー
トベルトカバー10Aは、シートベルト2に対する着脱
が容易で、外観を損なわず、また、衣類の損耗等の不都
合を極力少なくことができる等の利点があるものの、次
のような課題が残されている。すなわち、前記面ファス
ナーとして、従来市販されている剛性の高い平帯状のも
のを使用しているので、その係止強度を確保するために
ある程度の幅寸法を必要とする点と相まって、シートベ
ルトカバー10Aの屈曲性が悪く、乗員50の身体に密
着したときに依然として違和感がある。
【0008】また、乗員50がシートベルト2を着用し
ている状態では、スリップガイド7とスルータング8と
の間の胸ベルト部2aの長さが、シートベルトカバー1
0Aの長手方向の寸法よりも十分に長いが、降車時等に
スルータング8をバックル9から外すと、シートベルト
2はリトラクターによって巻き取られるために、胸ベル
ト部2aの長さがシートベルトカバー10Aの長手方向
の寸法よりも短くなる。このため、シートベルトカバー
10Aに長手方向への圧縮力が加わるが、この場合に、
面ファスナーの剛性が大きいためにシートベルトカバー
10Aが縮みにくい。このため、シートベルトカバー1
0Aがスリップガイド7とスルータング8との間で突っ
張ってしまい、シートベルト2がセンターピラー3内に
十分に巻き取られなくなるという不都合を生じる。
【0009】この発明は、前記従来の問題点を解決する
ためになされたもので、屈曲性に富み、長手方向に沿っ
て円滑に縮むことができる面ファスナーを提供すること
を目的とする。またこの発明は、シートベルトの着脱時
に前記従来の不都合を生じるおそれがないとともに、乗
員の身体に密着させても違和感が少なく、しかも従来の
利点を損なうことのないシートベルトカバーを提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、この発明の面ファスナーは、互いに係止可能に起
毛された止着面を有する長尺の雄部材及び雌部材からな
り、前記雄部材及び雌部材のそれぞれの長辺に沿って、
長手方向及び厚み方向の屈曲抵抗を小さくするための凹
部と凸部とが繰り返し形成されていることを特徴として
いる(請求項1)。このように構成された面ファスナー
によれば、これに長手方向に沿った圧縮力が加わった場
合には、雄部材と雌部材の各凹部が容易に屈曲するた
め、長手方向に円滑に縮むことができる。また、厚み方
向に外力が加わった場合にも、雄部材と雌部材の各凹部
が容易に屈曲するため、厚み方向に円滑に屈曲すること
ができる。しかも、雄部材と雌部材の各凸部によって、
雄部材と雌部材の係止強度を良好に確保することができ
る。
【0011】また、この発明のシートベルトカバーは、
平筒状に折り畳んで自動車のシートベルトを包み込む長
方形のカバー本体を有するシートベルトカバーにおい
て、前記カバー本体の長辺側の両側縁部に沿って、請求
項1記載の面ファスナーの雄部材と雌部材が、互いに係
止可能に取り付けられていることを特徴としている(請
求項2)。このシートベルトカバーによれば、シートベ
ルトが巻き取られてそのシートベルトカバーが装着され
た部分の長さが短くなった場合に、これに応じて面ファ
スナーが容易に屈曲して縮むため、シートベルトカバー
も長手方向の端面間距離が短くなるように簡単に変形す
る。また、面ファスナーの厚み方向の屈曲性もよいの
で、身体になじみ易く、締め付け感も軽減される。
【0012】前記構成を有するシートベルトカバーにお
いて、前記面ファスナーの雄部材と雌部材は、いずれか
一方がカバー本体の側縁部から外方に向けて張り出して
取り付けられ、他方がカバー本体の側縁部から内方に向
けて取り付けられており、前記雄部材と雌部材とを互い
に係止して平筒状にした状態で、前記カバー本体の長辺
側の側縁部どうしが突き合わされるのが好ましい(請求
項3)。この場合には、シートベルトカバーを平筒状に
した状態で、カバー本体の長辺側の側縁部どうしどうし
が重なり合わないため、シートベルトカバーの屈曲抵抗
を一層小さくすることができる。
【0013】前記の各構成を有するシートベルトカバー
において、前記カバー本体の身体当接側の内部には、衝
撃吸収用のクッション材が設けられているのが好ましい
(請求項4)。これにより、自動車の急発車、急停止、
衝突等の際にシートベルトからの衝撃力が直接に身体に
かかるのを抑制できる。
【0014】前記の各構成を有するシートベルトカバー
は、コイルスプリングを有する滑落防止用の吊下具を備
え、この吊下具の下端は前記カバー本体の短辺側の上縁
部よりも所定寸法だけ内方位置になるように取り付けら
れているのが好ましい(請求項5)。この場合には、乗
員がシートベルトを着用した状態で、シートベルトに取
り付けたシートベルトカバーを、吊下具を介してスリッ
プガイドへ吊り下げておくことができ、この状態で、吊
下具のコイルスプリングを、当該吊下具の下端をカバー
本体の短辺側の上縁部に取り付けた場合よりも長く伸長
させておくことができる。このため、コイルスプリング
に適度な弾力を持たせることができる。
【0015】前記の各構成を有するシートベルトカバー
において、前記カバー本体を縫製する糸及び前記面ファ
スナーを縫い付ける糸は、コロナ放電性を有する有機導
電性繊維からなるのが好ましい(請求項6)。これによ
り、乗員の衣服がシートベルトと擦れ合って静電気が生
じても、容易に放電でき、乗員の帯電を有効に防止する
ことができる。
【0016】前記の各構成を有するシートベルトカバー
は、前記カバー本体が表生地と裏生地とを備え、前記裏
生地はシートベルトに対して滑性の高い材料で構成され
るとともに、その表面にゲルマニュウム半導体を含む塗
料がプリントされているのが好ましい(請求項7)。こ
れにより、シートベルトはシートベルトカバー内を自由
に滑動するのでシートベルトを着用した場合の乗員の動
きを阻害することがなく、しかも、ゲルマニュウム半導
体を含む塗料によって肩凝り等の身体の緊張疲労を緩和
することができる。
【0017】前記の各構成を有するシートベルトカバー
は、前記カバー本体に小物収納用のポケットが設けられ
ているのが好ましく(請求項8)、この場合には、ポケ
ットにお守り袋等の小物を収容することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を示
してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。図
1はこの発明のシートベルトカバーを運転用の座席に設
けられたシートベルトに装着した状態を示す斜視図であ
る。同図において、1は運転用の座席、2はシートベル
ト、2a及び2bはそれぞれシートベルト2の胸ベルト
部及び腹ベルト部である。また、4はリトラクター、5
はベルト取付具、7はスリップガイド、8はスルータン
グ、9はバックル、10はシートベルト2の胸ベルト部
2aに装着されたこの発明に係るシートベルトカバーで
ある。
【0019】図2はこの発明のシートベルトカバー10
を展開した状態を示す平面図であり、同図(a)はシー
トベルトカバー10を表生地14側から見た平面図、同
図(b)はシートベルトカバー10を裏生地15側から
見た平面図である。また、図3はこの発明のシートベル
トカバー10をシートベルト2を包み込むように平筒状
に折り畳んだ状態を示す平面図である。前記シートベル
トカバー10は、シートベルト2を包み込むカバー本体
12を備える。このカバー本体12は、展開状態におい
て全体が長方形をしており、これを平筒状に折り畳んだ
状態における短辺12Sの長さは、その内部にシートベ
ルト2が余裕をもって滑動できる寸法に設定され、その
長辺12Lの長さは乗員の肩口から胸部にわたって十分
に当接できる寸法に設定されている。具体的には、シー
トベルト2の幅を標準的な50mmとしたときには、短
辺12Sの寸法は、シートベルト2の幅の2倍よりもや
や大きくなるように130〜150mmに設定され、ま
た、長辺12Lの寸法は乗員の体型の違いを考慮して5
00〜600mmに設定される。
【0020】前記カバー本体12は、表生地14と裏生
地15とを有し、表生地14はベルベットや織布のよう
な通常の生地であり、裏生地15はシートベルト2に対
して滑性の高い材料、つまり表面が滑らかな織り目を有
する生地が使用されている。そして、表生地14の内の
シートベルト2の前方側に位置する箇所には、小物収納
用として上端が開口したポケット16が設けられ、ま
た、裏生地15には、後述のクッション材18の設置箇
所の表面に、ゲルマニュウム半導体を含む塗料が図柄1
7としてプリントされている。なお、裏生地15の全表
面にゲルマニュウム半導体を含む塗料をプリントしても
よい。
【0021】また、カバー本体12の乗員の身体に当接
する側に位置する表生地14と裏生地15との間には、
シートベルト2の幅よりも細幅のクッション材18が内
蔵されている。このクッション材18は、たとえば高密
度のオープンセル構造ウレタンフォーム(商品名:メモ
リーフォーム,株式会社ケーシーシー商会発売)が適用
される。このオープンセル構造ウレタンフォームは、通
常使用されるクローズドセル構造のウレタンフォームに
比べて、接触部分の圧力をより平均的に分散させて受け
止める構造であるので、局部的な衝撃を有効に緩和する
ことができ、かつ柔らかい感触の粘弾性を有するのでエ
ネルギー吸収力に優れている。
【0022】さらに、このカバー本体12の長辺12L
側の各側縁部には、面ファスナー20を構成する雄部材
21と雌部材22とが個別に縫い付けられている。この
雄部材21と雌部材22は、共に細長い帯状のものであ
り、それぞれの一方の側端部には、長手方向及び厚み方
向の屈曲抵抗を小さくするために、凹部21a,22a
及び凸部21b,22bが、長手方向に沿って波形に繰
り返し形成されている。前記雄部材21は、フック状に
起毛された止着面を表生地14側にして、カバー本体1
2の長辺12L側の側縁部から外方に向けて張り出して
取り付けられ、また、雌部材22はループ状に起毛され
た止着面を裏生地15側にして、カバー本体12の長辺
12L側の側縁部から内方に向けて取り付けられてい
る。したがって、図3及び図4に示すように、雄部材2
1と雌部材22の各止着面を互いに係止してカバー本体
12を平筒状に折り畳んだ状態において、長辺12L側
の側縁部どうしが、互いに重なることなく突き合わされ
ることになる。なお、雄部材21と雌部材22の取り付
け位置は、図示の場合と逆にしてもよい。
【0023】前記の表生地14と裏生地15、面ファス
ナー20の雄部材21及び雌部材22、並びにポケット
16は、コロナ放電性の優れた有機導電性繊維からなる
糸24(たとえば商品名:サンダーロン,日本蚕毛染色
株式会社製)で縫い合わされている。この有機導電性繊
維からなる糸24は、表生地14に応じた各種の色合い
のものを選択して使用することができる。
【0024】さらに、カバー本体12の裏生地15の短
辺12S側の上縁部よりも内方位置(図においてはクッ
ション材18の上端に位置する箇所)には、布製の止め
輪25が取り付けられている。また、このシートベルト
カバー10には、シートベルト2に取り付けた状態で、
その滑落を防止するための吊下具26が設けられてい
る。この吊下具26は、形状記憶性能を有するプラスチ
ック製のコイルスプリング27を有し、このコイルスプ
リング27の上端部と下端部はそれぞれリング状に形成
されている。そして、このコイルスプリング27上端部
に、シートベルト2のスリップガイド7に係止するナイ
ロン糸からなるループ28が設けられ、また、コイルス
プリング27の下端部はナス環30を介して前述の止め
輪25に取り付けられている。
【0025】前記構成のシートベルトカバー10をシー
トベルト2の胸ベルト部2aに装着するには、たとえば
図1に示すように、スルータング8をバックル9に係止
するとともに吊下具26を上にした状態で、かつクッシ
ョン材18をシートベルト2の裏側に配置した状態で、
裏生地15側をシートベルト2に沿わせてその胸ベルト
部2aを包み込んだ後、図4に示すように面ファスナー
20の雄部材21と雌部材22のそれぞれの凹部21
a,22aどうし及び凸部21b,22bどうしを、互
いに重ね合わせて係止して平筒状にする。この際、主と
して前記凸部21b,22bどうしの係止によって、雄
部材21と雌部材22との接合強度を良好に確保するこ
とができる。また、雄部材21と雌部材22とを全長に
わたって係止させることができるので、シートベルトカ
バー10の両側縁部どうしが離反するのを、その全長に
わたって阻止することができる。
【0026】前記のようにシートベルトカバー10をシ
ートベルト2に装着しただけでは、当該シートベルトカ
バー10がシートベルト2からずり落ちるので、吊下具
26のループ28をスリップガイド7に通し、さらにコ
イルスプリング26をこのループ28内に通した後、カ
バー本体12の止め輪25をナス環30に係止する。こ
れにより、シートベルトカバー10がスリップガイド7
に確実に吊り下げられる。
【0027】乗員がシートベルト2を着用した際に、乗
員の体型に応じてシートベルトカバー10の位置調整を
行うときには、シートベルト2に沿ってシートベルトカ
バー10を移動させつつコイルスプリング27を伸ばし
て適正な位置にくるようにする。シートベルトカバー1
0を位置決めした後に手を離しても、シートベルトカバ
ー10は、シートベルト2と乗員の衣服との間に挟まれ
てその調整後の位置にそのまま留まることとなる。
【0028】前記シートベルトカバー10は、内面の裏
生地15がシートベルト2に対する滑性の高いものであ
るので、たとえ乗員の身体が動いてずれても、衣類とシ
ートベルトカバー10とが擦れ合うことはなく、シート
ベルト2のみがシートベルトカバー10内を滑動するの
で、衣服が損耗するのを抑制することができる。また、
乗員が身体を大きく動かしたときでも、コイルドスプリ
ング27が十分に伸び得るので運転の障害となることが
ない。特に、滑落防止用の吊下具26のコイルスプリン
グ27の下端が、カバー本体12の上縁部よりも所定寸
法だけ内方に位置しているため、シートベルトカバー1
0を乗員に応じた適正位置に調整した状態で、コイルド
スプリング27の伸び量(弾性変形量)は、当該下端が
カバー本体12の短辺12S側の上縁部に位置する場合
よりも大きくなる。このため、コイルスプリング27に
適度な弾力を持たせることができ、乗員の身体の大きさ
に合わせた最適位置にシートベルトカバー10を保持す
ることができる。
【0029】さらに、スルータング8をバックル9から
取り外してシートベルト2をリトラクター4で巻き取る
際に、前記吊下具26によってシートベルト2を容易に
巻き取ることができる。すなわち、シートベルト2を巻
き取る際に、シートベルトカバー10のみをシートベル
ト2に沿ってコイルスプリング27を伸長させながら一
旦下方に移動させた後、シートベルト2とともにスリッ
プガイド7側に引き上げる動作を数回繰り返すことによ
り、シートベルト2をリトラクター4にて円滑に巻き取
ることができるが、この場合において、一旦下方に移動
させたシートベルトカバー10を、伸長させたコイルス
プリング27の弾力にてシートベルト2とともにスリッ
プガイド7側に引き上げることができるので、シートベ
ルト2の巻き取りを補助するための操作が容易となる。
しかも、前記したようにコイルスプリング27の下端
が、カバー本体12の上縁部よりも所定寸法だけ内方に
位置しており、コイルドスプリング27の伸び量を大き
くすることができるので、その弾力を十分に確保するこ
とができ、一旦下方に移動させたシートベルトカバー1
0を、シートベルト2とともに確実に持ち上げることが
できる。さらに、裏生地15の表面にはゲルマニュウム
半導体を含む塗料が図柄17でもってプリントされてい
るので、このゲルマニュウム半導体の作用によって肩凝
り等の身体の緊張疲労を緩和することができる。
【0030】また、ベルトカバー10をシートベルト2
に装着したまま、スルータング8をバックル9から取り
外すと、シートベルト2がリトラクター4に巻き取られ
て、スリップガイド7からスルータング8に至る胸ベル
ト部2aの長さが、カバー本体12の長辺12Lの寸法
よりも短くなる結果、シートベルトカバー10はスリッ
プガイド7とスルータング8との間に挟まれて長手方向
に沿う圧縮力を受ける。すると、前記面ファスナー20
は、その凹部21a,22aによって長手方向及び厚み
方向の屈曲抵抗が小さくなっているので、当該凹部21
a,22aにおいて容易に屈曲することができ、長手方
向に円滑に縮むことができる。
【0031】しかも、カバー本体12の長辺12L側の
側縁部どうしが、重なり合うことなく突き合わされてい
るので、シートベルトカバー10全体の屈曲抵抗が一層
小さくなっている。その結果、シートベルトカバー10
の全体が長手方向の端面間距離が短くなるように簡単に
変形し、シートベルト2が十分に巻き取られてセンター
ピラー3に弛みなく沿うことになる。また、前記凹部2
1a,22aによって面ファスナー20が厚み方向にも
屈曲し易いので、シートベルトカバー10が身体になじ
み易く、締め付け感も軽減される。さらに、シートベル
トカバー10が汚れて洗濯する必要が生じたときでも、
これを面ファスナー20によってシートベルト2に対し
て容易に着脱することができる。
【0032】また、このシートベルトカバー10は、カ
バー本体12を構成する表生地14、裏生地15、面フ
ァスナー20等を縫い付ける糸24が、コロナ放電性を
有する有機導電性繊維からなるので、乗員の衣服がシー
トベルト2や座席1と擦れ合って静電気が生じても、容
易に放電でき、乗員の帯電を有効に防止することができ
る。さらに、シートベルトカバー10のカバー本体12
に設けたクッション材18が、高密度で衝撃吸収性に優
れているので、自動車の急発車、急停止、衝突等の際に
も、シートベルト2からの強い衝撃力が直接に乗員の身
体にかかるのが軽減される。一方、カバー本体12の表
生地14に設けたポケット16の中にお守り袋や携帯電
話のマイク等の小物を収納できるため、便利である。
【0033】なお、前記の実施の形態においては、面フ
ァスナー20の雄部材21と雌部材22の一方の側端部
に、凹部21a,22aと凸部21b,22bとを長手
方向に沿って波形に形成しているが、屈曲抵抗を小さく
する上では、このような波形のものに限らず、たとえば
図5(a)のような台形状の凹凸のものや、同図(b)
のような三角形状の凹凸のもの、さらには、同図(c)
のような方形状の凹凸にしてもよい。また、前記凹部2
1a,22aと凸部21b,22bとは、雄部材21と
雌部材22のそれぞれにおいて、一方の側縁部のみだけ
でなく、両方の側縁部に形成して実施してもよい。
【0034】
【発明の効果】以上に説明したとおり、この発明によれ
ば、次の効果が得られる。請求項1記載の面ファスナー
によれば、雄部材と雌部材のそれぞれに繰り返し形成さ
れた凹部と凸部とによって、長手方向及び厚み方向の屈
曲抵抗を小さくすることができるので、長手方向に沿っ
た圧縮力が加わった場合に長手方向に無理なく縮むこと
ができるとともに、厚み方向に外力が加わった場合に
も、当該方向に容易に屈曲することができる。しかも、
雄部材と雌部材の各凸部によって、雄部材と雌部材の係
止強度を良好に確保することができる。
【0035】請求項2記載のシートベルトカバーによれ
ば、シートベルトが巻き取られてそのシートベルトカバ
ーが装着された部分の長さが短くなった場合に、これに
応じて面ファスナーが容易に屈曲して縮むため、シート
ベルトカバーが長手方向の端面間距離が短くなるように
簡単に変形する。このため、シートベルトの着脱に際し
て何ら不都合を生じるおそれがない。また、面ファスナ
ーの厚み方向の屈曲性もよいので、身体になじみ易く、
締め付け感も軽減される。
【0036】請求項3記載のシートベルトカバーによれ
ば、面ファスナーの雄部材と雌部材とを互いに係止して
平筒状にした状態で、カバー本体の側縁部どうしが重な
り合わないので、シートベルトカバーの屈曲抵抗を一層
小さくすることができる。請求項4記載のシートベルト
カバーによれば、前記カバー本体の身体当接側の内部に
設けられたクッション材によって、自動車の急発車、急
停止、衝突等の際に、シートベルトからの強い衝撃力が
直接に身体にかかるのが抑制される。
【0037】請求項5記載のシートベルトカバーによれ
ば、乗員がシートベルトを着用した状態で、吊下具のコ
イルスプリングを長く伸長させておくことができ、コイ
ルスプリングに適度な弾力を持たせることができるの
で、乗員の身体の大きさに合わせて最適位置にシートベ
ルトカバーを保持することができるとともに、シートベ
ルトを巻き取る際に、当該シートベルトに沿って下方に
移動させたシートベルトカバーを、確実に引き上げるこ
とができるので、乗員によるシートベルトの巻き取りを
補助するための操作が容易となる。
【0038】請求項6記載のシートベルトカバーによれ
ば、カバー本体を縫製する糸及び前記面ファスナーを縫
い付ける糸が、コロナ放電性を有する有機導電性繊維か
らなるので、乗員の衣服がシートベルトや座席と擦れ合
って静電気が生じても、容易に放電でき、乗員の帯電を
有効に防止することができる。請求項7記載のシートベ
ルトカバーによれば、シートベルトがシートベルトカバ
ー内を自由に滑動できるので、シートベルトカバーと衣
類とが擦れ合うおそれがなく、乗員の衣服が損耗するの
を防止することができるとともに、乗員の動きを阻害す
るおそれがない。しかも、ゲルマニュウム半導体を含む
塗料によって肩凝り等の身体の緊張疲労を緩和すること
ができる。
【0039】請求項8記載のシートベルトカバーによれ
ば、カバー本体に設けたポケットに、お守り袋等の小物
を収納することができるので、至便なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のシートベルトカバーを座席のシート
ベルトに装着した状態を示す斜視図である。
【図2】この発明のシートベルトカバーを展開した状態
を示す平面図であり、同図(a)は表生地側から見た平
面図、同図(b)は裏生地から見た平面図である。
【図3】この発明のシートベルトカバーを平筒状に折り
畳んだ状態を示す平面図である。
【図4】この発明のシートベルトカバーを平筒状に折り
畳む場合の説明に供する斜視図である。
【図5】この発明のシートベルトカバーに使用される面
ファスナーの変形例を示す概略図である。
【図6】シートベルトにシートベルトカバーを装着して
運転する状況を示す正面図である。
【符号の説明】
2 シートベルト 10 シートベルトカバー 12 カバー本体 12S 短辺 12L 長辺 14 表生地 15 裏生地 16 ポケット 18 クッション材 20 面ファスナー 21 雄部材 21a 凹部 21b 凸部 22 雌部材 22a 凹部 22b 凸部 26 吊下具 27 コイルスプリング

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに係止可能に起毛された止着面を有す
    る長尺の雄部材及び雌部材からなり、 前記雄部材及び雌部材のそれぞれの長辺に沿って、長手
    方向及び厚み方向の屈曲抵抗を小さくするための凹部と
    凸部とが繰り返し形成されていることを特徴とする面フ
    ァスナー。
  2. 【請求項2】平筒状に折り畳んで自動車のシートベルト
    を包み込む長方形のカバー本体を有するシートベルトカ
    バーにおいて、 前記カバー本体の長辺側の両側縁部に沿って、請求項1
    記載の面ファスナーの雄部材と雌部材が、互いに係止可
    能に取り付けられていることを特徴とするシートベルト
    カバー。
  3. 【請求項3】前記面ファスナーの雄部材と雌部材は、い
    ずれか一方がカバー本体の側縁部から外方に向けて張り
    出して取り付けられ、他方がカバー本体の側縁部から内
    方に向けて取り付けられており、前記雄部材と雌部材と
    を互いに係止して平筒状にした状態で、前記カバー本体
    の長辺側の側縁部どうしが突き合わされることを特徴と
    する請求項2記載のシートベルトカバー。
  4. 【請求項4】前記カバー本体の身体当接側の内部には、
    衝撃吸収用のクッション材が設けられていることを特徴
    とする請求項2又は請求項3記載のシートベルトカバ
    ー。
  5. 【請求項5】コイルスプリングを有する滑落防止用の吊
    下具を備え、この吊下具の下端は前記カバー本体の短辺
    側の上縁部よりも所定寸法だけ内方位置に取り付けられ
    ていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいず
    れかに記載のシートベルトカバー。
  6. 【請求項6】前記カバー本体を縫製する糸及び前記面フ
    ァスナーを縫い付ける糸は、コロナ放電性を有する有機
    導電性繊維からなることを特徴とする請求項2ないし請
    求項5のいずれかに記載のシートベルトカバー。
  7. 【請求項7】前記カバー本体は表生地と裏生地とを備
    え、前記裏生地はシートベルトに対して滑性の高い材料
    で構成されるとともに、その表面にゲルマニュウム半導
    体を含む塗料がプリントされていることを特徴とする請
    求項2ないし請求項6のいずれかに記載のシートベルト
    カバー。
  8. 【請求項8】前記カバー本体に小物収納用のポケットが
    設けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項
    7のいずれかに記載のシートベルトカバー。
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