JP3432044B2 - 固体撮像素子の固定方法及びその固定装置 - Google Patents

固体撮像素子の固定方法及びその固定装置

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JP3432044B2
JP3432044B2 JP13176195A JP13176195A JP3432044B2 JP 3432044 B2 JP3432044 B2 JP 3432044B2 JP 13176195 A JP13176195 A JP 13176195A JP 13176195 A JP13176195 A JP 13176195A JP 3432044 B2 JP3432044 B2 JP 3432044B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体撮像素子と結像レン
ズとの相対位置を調整後に固定する固体撮像素子の固定
方法及びその固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】固体撮像素子を用いて光学像を読み取る
装置は、図12に示すように、物体2を結像レンズ3を
介し、固体撮像素子1に結像させて読み取っている。ま
た、この固体撮像素子1には複数個の微小な光電変換素
子(以下、単に画素といい、通常数μm×数μmの大き
さからなる。)を一列に配置した1ラインの固体撮像素
子が用いられている。
【0003】このような画像読取り装置では、結像レン
ズ3により結像された線像を固体撮像素子1上に位置さ
せ、なおかつ光学的特性(ピント、倍率)を所定の要求
精度で読み取るために、結像レンズ3や1ラインの固体
撮像素子1の画素ライン4を、図13に示すx,y,
z,β,γの5軸方向に微動させ位置を調整する必要が
ある。なお、図中の26は光軸である。
【0004】さらに最近では、カラー像を読み取るため
に、図14に示すような、Red(以下、単にRとい
う。)、Green(以下、単にGという。)、Blu
e(以下、単にBという。)に分光感度のピークを持つ
画素をR,G,B別に3列配置した3ライン4a,4
b,4cの固体撮像素子1aが用いられる場合がある。
【0005】この場合には、上述した5軸方向の調整以
外に、結像レンズ3による色収差を補正するために、図
13で示すα方向にも3ライン固体撮像素子1aの調整
を要するため、合計6軸方向の調整が必要となる。
【0006】通常、このような固体撮像素子1aの位置
調整精度は6軸方向ともに数μmが要求されており、特
にこの要求を達成するために不可欠とされているのが、
固体撮像素子1aを上記のように位置調整した後に固定
する際に、固体撮像素子1aの位置がずれないようにす
る技術である。
【0007】これは、いくら高精度に位置調整をして
も、固定時にずれると再度位置調整が必要になったり、
廃棄処分にするしかなくなってしまい、位置調整時間が
長くなったりコスト高の原因になったりするからであ
る。
【0008】この固定については、従来ネジによる固定
が多く用いられてきたが、その位置ずれ量が数百μm〜
数十μmと大きすぎることにより、現在ではネジによる
固定に比べ位置ずれ量が少ないとされる接着剤による固
定が多く試みられている。
【0009】そこで、従来は、先ず、固体撮像素子が固
定された固体撮像素子保持部材に設けた穴部に、結像レ
ンズが固定された固体撮像素子固定部材に設けた突起部
が挿入された状態で、穴部側の固体撮像素子保持部材を
移動させることにより精密に位置合わせ調整をする。次
に、接着剤を吐出する1つのノズル先端部を挿入箇所に
生じた環状の隙間に沿って1周移動させながら、この環
状の隙間に接着剤を吐出することにより、固体撮像素子
が固定された固体撮像素子保持部材と結像レンズが固定
された固体撮像素子固定部材とを接着固定していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の画像読取装置における固体撮像素子の固定方法にお
いては、1つのノズル先端部を環状の隙間に沿って移動
させながら接着剤を吐出していくと、図8に示すよう
に、先に吐出された箇所の接着剤24aが自重により下
方に移動し、環状隙間s内での接着剤24の塗布状態が
不均一になるという問題があった。
【0011】また、穴部18を有する固体撮像素子保持
部材6と、突起部19を有する固体撮像素子固定部材と
の相対的な位置を合わせる場合に、穴部18側の固体撮
像素子保持部材6を移動させていたので、ワーク毎に穴
部18の移動量は異なっている。したがって、接着剤2
4を吐出するノズル先端部を突起部19を基準として位
置合わせすると、穴部18の外に接着剤24がはみ出る
虞があり、これによっても環状隙間s内での接着剤24
の塗布状態が不均一になるという問題があった。
【0012】さらに、接着剤24の注入後にノズルを退
避させる際に、接着剤24の表面張力によってノズル先
端部からこの接着剤24が引かれ、これにより環状隙間
s内の塗布状態が変化して塗布ムラを生じ、これによっ
ても環状隙間s内での接着剤24の塗布状態が不均一に
なるという問題があった。
【0013】即ち、この接着剤24の塗布状態が不均一
になることにより、硬化後の内部応力が不均一となり、
これにより接着固定後の固体撮像素子と結像レンズとの
位置ズレが生じるという問題があった。そこで、本発明
の目的は、固定時の位置ずれを防止した固体撮像素子の
固定方法及びその固定装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、読み取り対象
を光学像に変換する結像レンズと、この光学像を光電変
換する固体撮像素子との相対位置を調整した後、この相
対位置を保持して、これらを一体に固定する固体撮像素
子の固定方法において、前記結像レンズが固定されてい
る第1固定部材のテーパ状の突起部を前記固体撮像素子
が固定されている第2固定部材の逆テーパ状の穴部に遊
挿し、前記突起部と前記穴部との間に、結像レンズと固
体撮像素子との6軸方向の調整が可能な環状隙間を形成
し、結像レンズと固体撮像素子との相対位置を調整した
後、前記突起部と前記穴部との間に形成される環状隙間
内に吐出部から一度に接着剤を吐出することを特徴とし
ている。
【0015】この場合に、前記穴部を基準とする吐出位
置に前記吐出部を移動し、その後に前記環状隙間内に接
着剤を吐出することが望ましい。また、前記吐出終了後
に前記吐出部を前記吐出位置より上昇させ、前記吐出部
から前記環状隙間内へ連続する接着剤を前記吐出部から
分離させることが望ましい。
【0016】また、本発明は、読み取り対象を光学像に
変換する結像レンズと、この光学像を光電変換する固体
撮像素子との相対位置を調整して固定する固体撮像素子
の固定装置において、前記結像レンズが取り付けられて
いる第1固定部材のテーパ状の突起部と、前記固体撮像
素子が取り付けられている第2固定部材の逆テーパ状の
穴部と、前記突起部と前記穴部との間に形成された、結
像レンズと固体撮像素子との6軸方向の調整が可能な環
状隙間と、この環状隙間の周方向に等間隔に配置され、
前記接着剤を前記環状隙間内に一度に吐出する複数の吐
出部とをそれぞれ具備したことを特徴としている。
【0017】この場合に、前記吐出部の移動手段と、前
記穴部を基準とする吐出位置に前記吐出部が移動するよ
うに前記移動手段を制御する制御手段とを備えることが
望ましい。また、前記吐出部の移動手段と、前記吐出部
に連続する環状隙間内の接着剤が前記吐出部から分離す
るまでの所定時間、前記吐出部を前記吐出位置より上昇
させるように前記移動機構を制御する制御部とを備える
ことが望ましい。
【0018】
【作用】本発明は上述のように構成されているので、環
状隙間内に吐出部から一度に接着剤を吐出することがで
き、環状隙間内における接着剤の塗布状態が周方向全域
に渡って塗布終了前と塗布終了後とでほとんど変化する
ことがない。したがって、硬化後の内部応力が均一とな
る。
【0019】また、前記穴部を基準とする吐出位置に前
記吐出部を移動し、その後に前記環状隙間内に接着剤を
吐出するようにしたので、位置調整により穴部の位置が
変動しても接着剤が穴部からはみ出すことがなく、接着
剤の塗布ムラを防止することができる。
【0020】また、前記吐出終了後に前記吐出部を前記
穴部より上昇させ、前記吐出部から前記環状隙間内へ連
続する接着剤を前記吐出部から分離させるようにしたの
で、吐出部の退避時に環状隙間内の接着剤が引っ張られ
ることがなく、接着剤の塗布状態が不均一となることが
ない。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明の一実施例に係る固体撮像素子の固
定装置により固定される画像読取装置を示す分解斜視図
である。
【0022】図に示すように、固体撮像素子(以下、C
CDという。)1は基板5にハンダ付けされており、該
基板5は第2固定部材である補助部材6にネジ7により
固定されている。その際、固定を確実にするため、ネジ
7にはバネ座金8と平座金9とが嵌合されている。基板
5には穴部21が設けられており、後述する本体10の
突起部19と補助部材6の穴部18との接着は、この穴
部21を介して行うことになるので、接着剤を充填し易
く、かつ6軸の調整も行い易い。このようにして第2の
ワークであるCCD1側ブロックが構成されている。
【0023】また、CCD1側ブロックのCCD1上に
原稿像を所定倍率で結像する結像レンズ3は、第1固定
部材である本体10に取り付けられる。この本体10
は、Vブロック部11を有しており、この部分に結像レ
ンズ3を置き、その上からレンズ押え用板バネ12を配
置し、ネジ13を締めつけることにより結像レンズ3を
固定している。
【0024】また、この本体10は平座金14、バネ座
金15を介し、ネジ16によりレンズ固定用ネジ穴51
を介して本体取付用部材17に固定されている。この本
体取付用部材17は図示しない画像読取装置本体に固定
される際に用いられる。このようにして第1のワークで
ある結像レンズ3側ブロックが構成されている。
【0025】前記CCD1側ブロックのCCD1上に結
像レンズ3が原稿像を所定倍率で結像するように位置調
整した後に、前記CCD1側ブロックと結像レンズ3側
ブロックとを固定する。この位置調整の概略は、先ず結
像レンズ3側ブロックを移動して結像レンズ3の倍率調
整を行い、この倍率調整後の結像レンズ3による像位置
にCCD1側ブロックを移動して、CCD1上に原稿像
が所定倍率で結像するようにする。
【0026】このようにして、位置調整が完了した後、
CCD1側ブロックと結像レンズ3側ブロックとは、C
CD1側ブロックの補助部材6が本体10に接着剤で固
定されることにより一体に固定される。詳しくは補助部
材6に設けた穴部18と本体10に設けた突起部19と
で結合部を構成し、該結合部の穴部18に本体10の突
起部19を挿入して、図7に示すように、接着剤24を
塗布し固定する。
【0027】次に本実施例の画像読取装置の固定装置
を、CCD1と結像レンズ3との位置調整手順及び固定
手順にそって説明する。まず、結像レンズ3を本体10
にレンズ押え用板バネ12を介し、ネジ13で固定す
る。さらに、この状態で本体取付用部材17に平座金1
4、バネ座金15を介し、ネジ16により固定する。
【0028】次に、この組付けられた状態で、図2に示
す位置合わせ・固定装置の位置調整装置に装着する。こ
の位置調整装置61は定盤32A上に位置調整装置支持
部材27と光源チャート支持部材31を配しており、こ
の光源チャート支持部材31上にはチャートガラス3
0、光源29、光源用反射板28が設置されている。
【0029】このチャートガラス30の表面には、光学
的な特性、具体的にはピント、倍率及び光軸のたおれ等
を検出可能とするチャートが形成されており、光源29
を点燈させ、光源用反射板28により反射した光を、チ
ャートガラス30に照射することが本調整装置では可能
である。
【0030】したがって、上記組付部材を位置調整装置
61に装着することにより、チャート像が結像レンズ3
を介し、チャートガラス30から結像レンズ3までの距
離に応じた倍率で結像されることになる。
【0031】なお、CCD1をハンダ付けし固定してい
る基板5は補助部材6にネジ7により固定されており、
この補助部材6はエアチャックからなるCCDチャック
部64に把持されている。
【0032】さらに、このCCDチャック部64には、
このCCDチャック部64を保持するチャック部63を
介してx,y,z,α,β,γの6軸方向に移動可能な
移動ステージ62が取り付けられている。
【0033】なお、補助部材6は基板5よりも剛性の高
い部材で形成されているので、CCDチャック部64で
把持しても歪みが生じにくく、基板5をじかに把持する
場合に比べ基板5に与える影響が極めて少なくなってい
る。
【0034】また、結像レンズ3を固定している本体1
0は光軸26方向の移動手段を有する図示しない本体チ
ャック部に把持されている。そして、チャート像をCC
D1により光電変換させ、そのデータを用いて光学的な
特性であるピント、倍率、光軸のたおれ等を演算し求め
ながら、光学的な特性が所定の必要値になるよう、上述
のCCDチャック部64と本体チャック部とを移動させ
て、位置調整を行なう。
【0035】この位置調整終了後、位置合わせ・固定装
置の接着・固定装置41を用いて固定を行なう。この接
着・固定装置41は、吐出部であるノズル先端部45A
(図9参照)から接着剤24を吐出するノズル45を有
する接着剤塗布器42と、接着部に紫外線を照射する紫
外線照射部であるライトガイド47と、このライトガイ
ド47に紫外線を供給する紫外線源44と、塗布器照射
部切換部46とをユニット化して備えている。なお、ラ
イトガイド47は例えば光ファイバー束等からなる。前
記接着・固定装置41は、移動機構43を介して接着・
固定装置支持台48に取り付けられ、この接着・固定装
置支持台48は定盤32B上に固定されている。
【0036】この接着・固定装置41によって補助部材
6の穴部18と本体10の突起部19とで形成される結
合部に紫外線硬化型接着剤24を塗布し、その後塗布器
照射部切換部46を作動させ、ライトガイド47から照
射される光が結合部に入射するように移動させ、その後
に紫外線を照射して接着剤24を硬化させる。なお、位
置調整をする前に接着剤24の塗布を行い、その後、位
置調整し接着剤24を硬化させてもよい。
【0037】次に、本実施例に係る位置合わせ・固定装
置の機能ブロック部分を図2のブロック図に基づいて説
明する。位置調整及び固定装置は、移動ステージ62を
駆動する移動ステージ駆動部72と、CCD1を駆動す
るためのCCD駆動信号を出力するCCD駆動部73
と、CCD1から出力されたデータを演算するCCD出
力データ演算部74と、後述する接着・固定装置41を
含む接着ユニットを駆動する接着ユニット駆動部75
と、CCDチャック部64を保持するチャック部63の
開閉を制御するCCDチャック部保持及び開放制御部7
6と、接着剤24の吐出量を制御する接着剤吐出制御部
77と、ライトガイド47の紫外線照射を制御する紫外
線照射制御部78と、紫外線照射制御部78、接着剤吐
出制御部77及びCCDチャック制御部76の動作シー
ケンスを制御する動作シーケンス制御部79と、CCD
出力データ演算部74の演算結果から動作シーケンス制
御部79、接着ユニット駆動部75及び移動ステージ駆
動部72に制御信号を送出する移動量制御部71とを備
える。
【0038】図4は接着・固定装置の接着ユニット駆動
部により駆動される移動機構を示す平面図、図5は同正
面図、図6は同側面図である。画像読取装置の製造装置
天板80上には、x方向移動機構が設けられている。こ
のx方向移動機構は、移動用モータ81xと、この移動
用モータ81xに減速機構83xを介して連結されるボ
ールねじ85xと、このボールねじ85xに螺合してx
方向に移動するナット部材86xとを備えている。移動
用モータ81xは、取付け片82xを介して天板80の
上面に取付けられる。また、ボールねじ85xは、支持
片84x、88xにより天板80の上面に支持される。
【0039】天板80の下方には、xyテーブルが取り
付けられている。このxyテーブルは、天板80の下面
にx方向ガイドレール98を介して摺動自在に取り付け
られているxテーブル97と、このxテーブル97の下
面にy方向ガイドレール96を介して摺動自在に取り付
けられているyテーブル95とを備えている。移動用モ
ータ81xを駆動することにより、xテーブル97はナ
ット部材86xの係合片87xに係合してx方向に移動
される。
【0040】また、xテーブル97の下面には、y方向
ガイドレール96に沿ってyテーブル95を移動するy
方向移動機構が取り付けられている。このy方向移動機
構は、移動用モータ81yと、この移動用モータ81y
に減速機構83yを介して連結されるボールねじ85y
と、このボールねじ85yに取り付けられてy方向に移
動するナット部材86yとを備えている。移動用モータ
81yは、取付け片82yを介してxテーブル97の下
面に取付けられる。また、ボールねじ85yは、支持片
84y、88yによりxテーブル97の下面に支持され
ている。
【0041】このようなy方向移動機構では、移動用モ
ータ81yを駆動することにより、yテーブル95は、
ナット部材86yの係合片87yに係合してy方向に移
動される。このyテーブル95には、後述する固定枠9
3を介して紫外線照射部であるライトガイド47が取り
付けられている。したがって、このライトガイド47
は、x,y方向に移動自在に構成されている。
【0042】前記yテーブル95の下面には、平面視略
コ字形の固定枠93が固設され、この固定枠93の開放
端には、z方向(上下方向)ガイドレール94が取り付
けられている。そして、このz方向ガイドレール94に
は移動枠92が摺動自在に取り付けられている。この移
動枠92は、z方向移動機構によりz方向ガイドレール
94に沿ってz方向(上下方向)に移動される。このz
方向移動機構は、移動用モータ81zと、この移動用モ
ータ81zに減速機構を介して連結されるボールねじ8
5zと、このボールねじ85zに取り付けられてz方向
に移動するナット部材86zとを備えている。移動用モ
ータ81zは、yテーブル95の上面に取付けられる。
また、ボールねじ85zは、取付片88z等により固定
枠93に取り付けられている。移動用モータ81zを駆
動することにより、移動枠92は、ナット部材86zの
係合片87zに係合してz方向に移動される。
【0043】前記移動枠92には、接着・固定装置41
の接着剤吐出用のノズル45が取り付けられている。し
たがって、このノズル45は、x,y,z方向に移動自
在に構成されている。このノズル45とライトガイド4
7との切換えは、移動用モータ81yを駆動することに
より行うことができ、このようにして塗布器照射部切換
部46が構成される。
【0044】次に、接着部でもあるこの結合部の構造に
ついて説明する。図7には結合部の断面図が示されてい
る。補助部材6には、被接着箇所である穴部18が形成
されており、その穴部18に本体10に設けられている
突起部19が挿入されている。
【0045】この両者により形成されている被接着箇所
の環状隙間sの形は、幅が不均一な環状になっており、
接着剤24を吐出塗布する側の幅が広く、接着剤24が
流れ落ちる側の幅が狭くなっている。
【0046】すなわち、図7に示すように、テーパ部1
8aとストレート部18bを有する穴部18と、テーパ
部19aとストレート部19bを有する棒状の突起部1
9とで形成されており、対向する位置にそれぞれ一定の
径を有する部分18b,19bが設けられている。
【0047】図9に示すように、補助部材6の穴部18
と、本体10の突起部19とで形成される環状隙間sの
上方から接着剤塗布器42に装着しているノズル45を
近づけて塗布する。この時、環状隙間sの円周方向に対
して接着剤24をできるだけ早く均等に塗布するには、
吐出部であるノズル先端部45Aを環状隙間sの円周方
向に数多く配置するのが理想であり、本実施例ではノズ
ル先端部45Aを8本とし、環状隙間sの円周方向に等
間隔に配置した。そして、8本のノズル先端部45Aを
基端側で1つの接着剤溜室45B内に集合させている。
この接着剤溜室45B内の一部をシリンジ35等で加圧
することにより、この増加した圧力が8本のノズル先端
部45Aにパスカルの原理により均等に伝達され、各ノ
ズル先端部45Aから接着剤24が均等に吐出される。
【0048】図10には、そのノズル先端部45Aの正
面図を示した。また、ノズル先端部45Aの径に合わせ
て、図7のBやB′を広くできるため非常に塗布しやす
く、自動塗布を行う際にも塗布ミス等が少なく有利であ
る。
【0049】次に、本実施例に係る位置調整・固定方法
を図3の制御フローに基づいて説明する。ステップS1
では、CCD1側ブロックを保持しているCCDチャッ
ク部64をチャック部63で保持する。
【0050】ステップS2では、移動ステージ62及び
接着ユニット(接着剤塗布器42等)の原点出しを行
う。移動ステージ62の原点出しでは、CCD1の位置
調整を行う前に、設備の中である決められた第1の基準
位置からの距離が予めわかっている第2の基準位置にワ
ークを保持しているCCDチャック部64を移動する。
また、接着ユニットの原点出しでは、CCD1の位置調
整を行う前に、設備の中である決められた第1の基準位
置からの距離が予めわかっている第3の基準位置に移動
する。
【0051】ステップS3では、CCD1を結像レンズ
3の結像位置に合わせるように調整のアルゴリズムに基
づいてCCD1を調整する。そして、本体10の突起部
19が補助部材6の穴部18に挿入された状態で調整を
完了する。ステップS4では、ステップS3で調整の終
了したCCD1が原点位置からどの方向にどれだけ移動
したかということを記憶させておく。即ち、CCD出力
データ演算部74から移動量制御部71へ移動量に対応
した調整量のデータを送る。
【0052】ステップS5では、ステップS4で記憶し
た調整量のデータに基づいて、接着ユニットを接着位置
に移動する。即ち、調整量のデータに基づいて、接着ユ
ニットを原点位置からどの位置に移動させれば接着した
い部分を接着できるかということを算出し、この算出量
分だけ接着ユニットを移動する。したがって、接着ユニ
ットのノズル45のノズル先端部45AをCCD1ブロ
ックの穴部18を基準とする穴部輪郭位置である吐出位
置に合わせることができる。このように穴部18を基準
としてノズル45のノズル先端部45Aを合わせたの
で、注入時の接着剤24の穴部18の外側へのはみ出し
を防止することができ、注入ムラがなくなる。したがっ
て、環状隙間s内での接着剤24の塗布状態の均一性を
従来と比べて向上させることができる。
【0053】ステップS6では、図9に示すように、補
助部材6の穴部18と、本体10の突起部19で形成さ
れる環状隙間sの上方から接着・固定装置41に装着し
ているノズル45を近づけて各ノズル先端部45Aから
一度に接着剤24を吐出する。本実施例では、ノズル先
端部45Aを環状隙間sの円周方向に8本配置している
ので、環状隙間sの円周方向に対して接着剤24を短時
間で均等に塗布することができる。即ち、このように環
状隙間s内へ一度に接着剤24を吐出するようにしたの
で、接着剤24の均一性を保持することができる。
【0054】ステップS7では、ステップS6の吐出終
了後、z方向の移動用モータ81zを駆動させて接着ユ
ニットをz方向、即ち上方に所定時間退避させる。ここ
で、所定時間とは、吐出終了直後にノズル先端部45A
から環状隙間s内へ表面張力により連続する接着剤24
がノズル先端部45Aから分離するまでの時間をいう。
このように、接着剤24の吐出が終了した後で接着ユニ
ットのノズル先端部45Aを上方に所定時間退避させた
ので、ノズル先端部45Aから表面張力により環状隙間
s内の接着剤24に連続している接着剤部分が水平方向
の退避方向に引かれて塗布状態が不均一になるのを防止
することができる。
【0055】ステップS8では、接着ユニットのノズル
先端部45Aをx方向の移動用モータ81x及びy方向
の移動用モータ81yを駆動させてx,y方向に退避さ
せるとともに、ライトガイド47の光出射端を紫外線照
射位置に移動する。ステップS9では、ライトガイド4
7から環状隙間s内の接着剤24に向けて紫外線を照射
する。ステップS10では、紫外線照射後の接着剤24
の冷却を行う。
【0056】次に、上述の環状隙間sに接着剤24を塗
布したときの接着剤24の挙動について説明する。図7
に示すように、塗布された接着剤24は、接着剤固有の
表面張力T及び接着剤24の重量Pに対する摩擦抗力
D、さらに図示はしていない接着剤24内部の圧力に対
する抗力や、環状隙間sの最下方の幅A及びA′や接着
剤24の密度等々による力学的な釣り合いで接着剤24
は下方に流出しない。そして、接着剤24は一度に吐出
されて塗布されるので、塗布時間の短縮化が図れるだけ
でなく、図8のように塗布状態が不均一となることがな
い。
【0057】なお、テーパ部18a,19aの傾斜を変
えて、B,B′部をさらに広くすることにより、接着剤
24が下方に流出する力はさらに減少する。これは接着
剤24の重量による摩擦抗力Dが増大し、環状隙間sの
幅が広い方に発生する表面張力Tが増大するためであ
る。これにより、接着剤24に対する粘度、重量等の制
約範囲が広くなる。
【0058】次に接着剤の硬化方法について説明する。
ここで使用している接着剤24は紫外線硬化型接着剤で
あるため、接着剤塗布部上方から図11に示すライトガ
イド47により、紫外線UVを照射して接着剤24を硬
化させる。
【0059】接着剤24の硬化は、紫外線UVが照射さ
れる側の表面から進んでいく。この場合は接着剤塗布用
の環状隙間sの中心軸方向から照射しているので、この
方向に接着剤24の硬化が進んで行く。接着剤24は硬
化する際、収縮することにより力が発生する。接着剤2
4の塗布状態がほぼ均一であるので、発生した力はほぼ
均一な大きさで作用し、環状隙間sの中心軸に対し法線
方向に作用し、なおかつ環状隙間sの円周方向に対し
て、ほぼ均一に作用するためこの力が打ち消され、補助
部材6のx,y方向の位置ずれはほとんど発生しない。
【0060】なお、以上の実施例では、移動量制御部7
1、動作シーケンス制御部79、紫外線照射制御部7
8、接着剤吐出制御部77及びCCDチャック部保持及
び開放制御部76を個々の回路で構成した場合について
説明したが、1つのCPUで構成してもよい。また、吐
出部としてノズル先端部の数を8本としたが9本以上で
もよい。また、ノズル先端部の開口が円弧状のノズルを
用いた場合には7本以下としてもよい。
【0061】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く請求項1又
は4の発明によれば、前記突起部と前記穴部との間に形
成される環状隙間内に吐出部から一度に接着剤を吐出す
るので、硬化後の内部応力が均一となり、接着固定後の
固体撮像素子と結像レンズとの位置ズレを防止できる。
【0062】請求項2又は5の発明によれば、前記穴部
を基準とする吐出位置に前記吐出部を移動し、その後に
前記環状隙間内に接着剤を吐出することができるので、
接着剤の塗布ムラを防止することができ、接着固定後の
固体撮像素子と結像レンズとの位置ズレを防止できる。
【0063】請求項3又は6の発明によれば、前記吐出
終了後に前記吐出部を前記吐出位置より上昇させ、前記
吐出部から前記環状隙間内へ連続する接着剤を前記吐出
部から分離させることができるので、接着剤が引っ張ら
れるのを防止でき、接着剤の塗布状態が不均一となるこ
とがなく接着固定後の固体撮像素子と結像レンズとの位
置ズレを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例により固定される画像読取装置
を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係わる位置合わせ・固定装置
のブロック図である。
【図3】本発明の実施例に係わる位置合わせ・固定装置
の制御フローを示す図である。
【図4】本発明の実施例に係わる接着・固定装置の接着
ユニット駆動部により駆動される移動機構を示す平面図
である。
【図5】同正面図である。
【図6】同側面図である。
【図7】接着剤が均一の場合の結合部の断面図である。
【図8】接着剤が不均一の場合の結合部の断面図であ
る。
【図9】接着剤の塗布状態を示す図である。
【図10】ノズル先端部の断面図である。
【図11】紫外線の照射を示す図である。
【図12】固体撮像素子を用いて画像読取をおこなう装
置の概略図である。
【図13】図12における固体撮像素子の位置調整方向
を示す説明図である。
【図14】固体撮像素子と画素ラインとの関係を示す図
である。
【符号の説明】
1 固体撮像素子 3 結像レンズ 6 補助部材 10 本体 18 穴部 19 突起部 24 接着剤 45A ノズル先端部 s 環状隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04N 5/335 H01L 31/02 B (56)参考文献 特開 昭62−139466(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/024 - 1/036 H01L 27/14 - 27/148 G06T 1/00 H01L 31/02 - 31/024 H04N 5/335

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 読み取り対象を光学像に変換する結像レ
    ンズと、この光学像を光電変換する固体撮像素子との相
    対位置を調整した後、この相対位置を保持して、これら
    を一体に固定する固体撮像素子の固定方法において、 前記結像レンズが固定されている第1固定部材のテーパ
    状の突起部を前記固体撮像素子が固定されている第2固
    定部材の逆テーパ状の穴部に遊挿し、前記突起部と前記
    穴部との間に、結像レンズと固体撮像素子との6軸方向
    の調整が可能な環状隙間を形成し、結像レンズと固体撮
    像素子との相対位置を調整した後、前記突起部と前記穴
    部との間に形成される環状隙間内に吐出部から一度に接
    着剤を吐出することを特徴とする固体撮像素子の固定方
    法。
  2. 【請求項2】 前記穴部を基準とする吐出位置に前記吐
    出部を移動し、その後に前記環状隙間内に接着剤を吐出
    することを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子の固
    定方法。
  3. 【請求項3】 前記吐出終了後に前記吐出部を前記吐出
    位置より上昇させ、前記吐出部から前記環状隙間内へ連
    続する接着剤を前記吐出部から分離させることを特徴と
    する請求項2に記載の固体撮像素子の固定方法。
  4. 【請求項4】 読み取り対象を光学像に変換する結像レ
    ンズと、この光学像を光電変換する固体撮像素子との相
    対位置を調整して固定する固体撮像素子の固定装置にお
    いて、 前記結像レンズが取り付けられている第1固定部材の
    ーパ状の突起部と、前記固体撮像素子が取り付けられて
    いる第2固定部材の逆テーパ状の穴部と、前記突起部と
    前記穴部との間に形成された、結像レンズと固体撮像素
    子との6軸方向の調整が可能な環状隙間と、この環状隙
    間の周方向に等間隔に配置され、前記接着剤を前記環状
    隙間内に一度に吐出する複数の吐出部とをそれぞれ具備
    したことを特徴とする固体撮像素子の固定装置。
  5. 【請求項5】 前記吐出部の移動手段と、前記穴部を基
    準とする吐出位置に前記吐出部を移動させるように前記
    移動手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とす
    る請求項4記載の固体撮像素子の固定装置。
  6. 【請求項6】 前記吐出部の移動手段と、前記吐出部に
    連続する環状隙間内の接着剤が前記吐出部から分離する
    までの所定時間、前記吐出部を前記吐出位置より上昇さ
    せるように前記移動機構を制御する制御部とを備えてい
    ることを特徴とする請求項5に記載の固体撮像素子の固
    定装置。
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